東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

法人の運営理念は「未来の子どもたちと働くすべての職員が素敵な人生を歩めるように」で、運営方針は「思いやりの心・健康な体・自主性と意欲」です。法人のビジョン・理念について、職員の理解を深める取り組みとして、入社時研修や階層別研修で触れています。また運営方針や全体的な計画について、保護者の理解を得る取り組みとして、入園説明会や保護者会・園見学などで、法人の保育方針や取り組みが書かれた「Guardian Letter(ガーディアンレター)」を用いて、随時説明を行っています。

園長・主任の役割と責任は、役割分担表に記載され、人事制度説明会や職員会議などで職員に伝えています。園長は、施設運営および保育全般の統括の役割を担っており、主任は園長のサポートの役割を担っています。また法人本部所属のエリア園長は、園長の相談相手となって二人三脚での園運営に努めています。エリア園長は、直接担当園を巡回しているほか、年1回職員全員と面談を実施しフォローしています。経営層は研修や会議の中で定期的にメッセージを発信し、必要に応じて園を訪問しています。

園内の重要な案件については、園長・主任を中心に検討・決定しています。なお、案件の内容に応じてエリア園長とも相談をしています。また経理や人事に関する稟議については、所定のルールに基づき決裁を得ています。決定した内容と決定経過は、職員会議などで職員に伝えるようにしています。そのほか、法人で決定された事項については、園長会・看護師会・栄養士会を通して職員に伝えるようにしています。保護者には、書面や一斉メールなどで伝え、地域の方に向けては、書面を配布したり掲示してお知らせしています。

保護者の意向や要望は、送迎時の会話や個人面談、保護者アンケート・運営委員会などで把握し、職員会議で職員に報告しています。保護者アンケートは生活発表会・運動会・保護参観などの行事終了後に実施し、次回の行事実施の際に活用しているほか、運営委員会でも結果について共有しています。今年度の利用者ニーズに対しての取り組み事例として、日曜日の保育利用を考えている保護者に対し、企業主導型の系列園を無料で一時保育利用ができるように対応しました。また給食で提供している食材を、保護者が見ることができるようにしました。

職員の意向については、社内アンケートや個人面談などにより把握しています。社内アンケートは年1回実施し、仕事に対する満足度や日頃感じることなどを回答し、法人で結果を確認後、園にフィードバックをしています。また園長は、区の私立園長会や地域懇談会、日本こども育成協議会などに参加し、情報収集に努めています。重点課題や重点目標は、事業計画書に明示されており、重点課題の一つである「選ばれる保育園プロジェクト」では、園独自のリーフレットを作成したり、園内の美化活動の強化を実施しています。

園の中・長期事業計画(3年)は、年度末に法人が作成しています。単年度事業計画は、年度末に法人が策定した素案を基に園長が作成しています。計画の作成にあたっては、前年度の取り組みを確認し、職員の意見を取り入れるように心がけています。また計画に合わせた予算編成は、法人が作成しています。計画の進捗状況は、職員会議で共有しているほか、年度末には利用実績や事業計画に対する結果を記載した事業計画報告書を作成しています。なお、事業計画を年度途中で見直す場合には、園長が決定権を持っています。

法人職員または保育職員として守るべき法や規則についてまとめた書類として、就業規則や保育者基本マナーマニュアルを整備し、職員がいつでも閲覧できるようにしています。また、入社時研修やWITHアカデミー(WEB研修)を通して、職員の理解を深めるようにしています。マニュアルは毎年見直しをするとともに、年2回全職員が確認する機会を持つようにしています。なお、理解が不足している職員に対しては、個人面談などを通してフォローするようにしています。

苦情受付については、受付担当者は主任、解決責任者は園長が担っており、入園のしおりや園内掲示で利用者に周知しています。利用者から意向や要望を伝えられた際は、職員で共有し、口頭や掲示、書面の配布により回答をしています。また、職員の子どもに対する言葉遣いや立ち振る舞いの規範を示した保育者基本マナーマニュアルを整備しており、子どもの人権研修などで説明しています。加えて、虐待が疑われる事例が生じた際は、「児童虐待対応マニュアル」に沿って、子ども家庭支援センターなどと連携を図りながら対応することとしています。

ボランティアや実習生、職場体験は受け入れマニュアルや書類を整備し、受け入れを行っています。実習生や職場体験は、法人と連携しながら、大学や専門学校の学生を受け入れているほか、中学校・高校からの受け入れも実施しています。子育て支援事業としては、育児相談などを実施しています。今後は、発達相談、離乳食・ベビーマッサージ講座、妊産婦向けの講座などを実施していきたいと考えています。

運営に係るリスクについて、最優先課題として「感染症対策」を挙げるとともに、2番目に「災害対策」、3番目には「経営環境の変化」としています。これらの課題については、マニュアルを作成し対処の方法を示すとともに、本社エリア会議などで対策を講じています。また事業継続計画(BCP)は、震度5弱の地震を想定して作成しており、設定している対策本部は法人本部です。策定した計画は、適宜見直しをすることとしています。職員には職員会議や研修で共有し、利用者には保護者会を通して周知しています。

日頃の備えとして、避難訓練・緊急搬送訓練(毎月)・不審者対応訓練(年1回)を実施しています。緊急搬送訓練では、給食時の誤嚥や午睡中のSIDS発生、プールでの溺水などを想定した訓練を実施し、事故への対応力の強化を図っています。また区のハザードマップでは、浸水の可能性がある地域ではありませんが、有事に備えて垂直避難訓練を実施しています。さらに事故・感染症などが発生した際は、ヒヤリハット・事故報告書などに記録し、発生要因は職員会議で分析して対策を講じているほか、法人内でも共有しています。

個人情報保護や情報セキュリティについては、入職時研修や園長研修で説明しています。また職員は、入職時に秘密保持誓約書の取り交わしをしています。個人情報や機密性の高い情報を含む文書は、事務室内にある鍵のかかる書庫に保管しています。また、園内ではパソコンごとにパスワード設定によるアクセス制限を設け、機密文書は園内のみの閲覧としています。文書を破棄する場合は、シュレッダーや溶解処理を行っています。さらに、職員の私用携帯は業務中は持ち込み禁止とするなど、情報の適切な管理に努めています。

園が求める職員像は、ホームページや採用案内などに記載しています。職員の採用は本部が一括で担当し、ホームページや学校訪問、就職フェアで募集をしています。また、オンラインでの会社説明会や大学・出身地OB会、インターンシップおよび、応募者との連絡にチャットアプリを使用するなど、さまざまな取り組みを行っています。さらに職員の定着に向けた取り組みとして、住宅手当や退職金制度・共済制度・福利厚生施設の優待利用などの福利厚生があるほか、出産・育児休暇の実績もあるなど、働きやすい環境が整っています。

園全体の研修計画は、法人研修・園内研修・外部研修などがあります。法人研修では、階層別・職種別の研修や保育専門研修が計画されており、各職員が参加できるようになっています。また、職員が他の系列園に赴き、同じ職種や役職の業務について学ぶ交換研修や、職員が自由に受けることが出来るWEB研修(動画)なども実施しています。加えて、少人数の会議を実施したり、議題を事前に伝えることで、職員が意見を出しやすい環境を整えているほか、職員の発案で全職員のToDoリストを見える化し、仕事の分担や負担が偏らないように工夫しています。

昨年度、法人で人事制度を新しくしたため、毎年人事制度説明会を実施し、職員の理解を深めています。キャリアパスシートに設定されている階層の数は15階層で、要件シートを基に職員が年1回自己評価を行っています。評価は、直属の上司と園長・エリア園長が実施し、昇進・昇格に反映しています。評価者は適正な評価ができるように、専門の研修を受講しています。また年1回、職員アンケートを実施し、各職員の状況や意欲を把握・分析しているほか、園長は日頃から職員とのコミュニケーションを心がけ、働きやすい職場づくりに努めています。

入園または見学を希望する保護者は、園の情報を、区や法人、園のホームページの閲覧や、杉並区で発行している情報冊子「保育施設利用のご案内」(区のホームページからダウンロードすることができ、所在地や電話・定員・開所時間などを掲載)から入手することが出来ます。また、区のホームページや公式アプリ「すぎぽよ」では、所在地・対象年齢・定員・保育時間・延長保育時間・アクセス・マップなどの情報が掲載されています。見学者には園のリーフレットやガーディアンレター(カラー印刷でA4の4枚綴り)を配布しています。

法人のホームページでは、系列園統一の運営方針や保育方針・WITHの学びとこだわり・各紹介および、特別な取り組みとして、英語やリトミック、サッカープロジェクトなどについて配信しています。園のホームページでは、概要および園内や子どもの活動の様子などの写真・開園時間・定員・独自の取り組み・入園申込み方法・問い合わせ・アクセスなどと、園の紹介動画を配信しています。リーフレットでは、園で行っている保育内容や近隣のグループ園の紹介、年間の行事を写真付きで紹介しており、情報がをわかりやすく表現しています。

見学は事前に予約連絡をもらい、平日の10時30分と13時30分に分け、1回1組ずつ行っています。また、見学者の希望が園の予定と調整がつかない場合には、できるかぎり希望に合わせて対応しています。主な対応は園長と主任が担当し、状況に応じて看護師が対応する場合もあります。また、オンラインでの見学についても対応しています。見学者には保育内容のほかに、特徴として、夜間訪問診療無料サービス「ウィズドクター」や定額オムツサービス、オンライン写真販売についても説明しています。

入園決定者には3月上旬に説明会を実施し、その後年齢別のクラスごとに懇談会を開催しています。説明会では、入園のしおりや重要事項説明書を基に説明するとともに、持ち物についてサンプルで確認したり、アレルギー対応が必要な場合は栄養士も同席するなど、入園への不安を軽減できるように配慮しています。保育内容は、重要事項説明書と同意書で、プライバシーの保護については、ホームページおよび法人パンフレット作成等に伴う同意書で確認しています。説明会であがった意見や質問、保護者の意向や園児の状況は、児童票ファイルに記録しています。

入園前の子どもの生活状況やアレルギーの有無・既往歴などは、個人ファイル(健康の記録・入園前の生活・アレルギー面談記録)に記録し保管しています。入園時には、保護者や子どもの不安・ストレスを緩和するため、2～3週間を目安に年齢に応じて慣れ保育を行っています。期間中は保護者の保育に対する理解や安心を深めるため、お迎えの際にその日の様子を丁寧に伝えているほか、専用アプリでも情報共有しています。また慣れ保育中は、園児の慣れ親しんだ掛け布団などの持ち込みを許可しています。

卒園前に退園や転園をする園児には、卒園アルバム・卒園証書・制作帳をプレゼントしています。転園先への情報提供については、区が原則として児童票の移行や個人情報の引継ぎを行っていないため、状況に応じて区と相談し対応しています。写真販売については、転園や退園後にも連絡し、購入できるように配慮しています。

連絡ノート(専用アプリを使用)は、0歳児から2歳児で毎日取り交わしており、保育日誌についても同年齢で個別に記録欄を設け、記載しています。児童票・日誌・連絡ノート以外では、個人記録表を使用して園児の心身の状況や生活状況を記載しています。園児の個別の保育目標は、月間個別指導計画に記録しています。また児童票は、2歳児は2カ月に1回、3～5歳児は年4回、それぞれ集約しながら記録しています。

指導計画は、全体的な計画を基に年・月・週ごとに作成しています。特に5歳児の指導計画については、オリジナルドリル・書き方教室・子ども会議・縄跳び・サッカープロジェクトなど、就学前教育カリキュラムとの整合性を意識しながら取り組んでいます。なお指導計画は、0歳児から2歳児については個別に作成していますが、2歳児クラス以上でも配慮が必要な園児の場合は個別に策定しています。これらの計画は、懇談会や個人面談・園だよりを通じて保護者に周知し、専門用語を使わずに分かりやすく説明するよう心がけています。

保育目標の達成状況や指導計画の推進状況は、職員会議で評価しています。職員会議は、園長・主任・リーダー・担任が参加し、月に1回実施しています。そのほか、乳児会議・幼児会議・リーダー会議それぞれ月に1回実施しています。また毎日の申し送りとして、14時～15時に職員ミーティングを行い、申し送りノートや伝達ノートを活用しています。各種ノートを閲覧した職員は、確認後チェックを行うことで閲覧状況を確認しています。

一人ひとりの発達や生活環境については、入園前の面談や送迎時の会話、連絡ノートなどを通じて、全体的な姿を把握し、子どもの状況に合わせた保育を実施しています。活動内容は会議で確認し、全職員で共通認識をもって支援しています。また室内は、生活目的に応じた食事コーナーや、遊びに応じたままごと・電車・絵本、ブロックなどのコーナーを設け、子どもの発達や状況に合わせた玩具を準備しています。加えて、子どもが主体的に活動できるよう、玩具は自由に出し入れして遊べるように配置しています。

クラス合同で散歩に行くなど、異年齢交流保育を定期的に実施しています。また、5歳児が2歳児の午睡後の布団を片付けるなど、年上の子が年下の子の生活の手伝いをする様子が見受けられます。また海外の文化に親しむ機会として、外部講師による「イングリッシュタイム」を実施し、全クラス週1～4日、15～30分英語に親しんでいます。そのほか、献立に世界の料理や日本各地の郷土料理を取り入れたり、世界地図や国旗カードを遊びに取り入れています。

配慮を要する子どもの保育に際しては、区の保育課や子ども家庭支援センターなどの専門機関と連携するほか、臨床心理士などの専門職の指導や助言を受けながら対応しています。発達の過程で生じる園児同士のトラブルについては、その内容や年齢にもよりますが、個々の気持ちを受け止めることを大切にしています。また区の外部研修などに参加し、子どもの気持ちを尊重する知識や技術を学んでいます。

家庭での子どもの様子を保護者に確認するために、登園時には連絡ノート(0～2歳児は専用アプリを使用)や視診とともに、家庭での様子や体調などについて聞き取りをしています。降園時には、連絡ノートを活用するとともに、職員が申し送りノートで引き継いだ内容と、子どもの体調やエピソードを直接口頭で伝えています。また3～5歳児については、クラスごとに1階のホワイトボードに当日の活動内容を記載し伝えています。

生活習慣の指導は、保育者基本マニュアルと個別指導計画に基づき、実施しています。食事指導については、個々の成長に合わせて食具などを変更するようにしています。例えば、家で箸を使用していれば、3歳後半くらいから移行しています。排せつについては、年齢で時期を決めるのではなく、個々の状況に合わせて保護者と相談の上、トイレトレーニングを実施しています。歯磨きについては、4歳児から開始しています。

午睡時間は、乳児は12時～15時、幼児は13時～15時で設定しています。午睡の際に使用する敷布団は、乳児・幼児共に園で用意しています。乳児は、通気性があり窒息のリスクを軽減できる法人オリジナルマットを使用しています。午睡時間に眠れない子は、保育室内にテーブルを出して絵本などを読んで過ごしてもらっています。また就学準備として、5歳児は11～12月ごろから徐々に午睡時間を短くしていきます。

室内は、子どもの興味や関心、発達に合わせたコーナーを設け、子ども自身が遊びを見つけ、遊び込めるように玩具を整備しています。子どもが主体的に取り組める活動として、イングリッシュタイム・知育遊び・リトミック・運動遊びなどを行っています。また集団活動の中で、物の貸し借りや順番、危険なこと、相手の気持ちを考えることなど、ルールを守って遊ぶように支援しています。加えて、子どもたちが自分自身の気持ちをコントロールできるよう、4・5歳児を対象に子ども同士が話し合う機会として、「子ども会議」を設けています。

発達に合わせた保育士からの言葉がけや遊びの中で発語を促し、言葉のやり取りを楽しめるように援助しています。また、「子ども会議」を実施したり、オリジナルドリルを活用し、文字を書く機会を設けています。表現活動としては、リトミック・英語の歌・体操・わらべ歌を行っています。加えて、絵画的な表現を育む機会として、うきうき知育や行事の思い出の絵を描いたり、月の制作なども行っています。

園内では、屋上を利用し、夏のプール・水遊び・鬼ごっこ・ドッジボールなどの活動を行っています。また散歩は、天気の良い日に毎日出かけています。乳児クラスは近隣の公園に行き、幼児クラスは遊具の充実している広い公園へ出かけて、砂場・アスレチック・鬼ごっこ・鉄棒などを楽しんでいます。これらの園生活では、季節の花や、どんぐり・まつぼっくりなどの植物、ダンゴムシ・アリ・セミ・カブトムシ・とんぼなどの生き物にふれることができます。そのほかに、LEDを使った水耕栽培で、ほうれん草や小松菜を栽培しています。

園児の成長や保育の成果を発表する機会として、運動会・発表会・誕生日会を行い、年間行事として、子どもの日・七夕・敬老の日・クリスマス・節分・ひな祭りなどの季節行事を開催しています。行事開催に向け、園児の興味や関心を高めるための工夫として、行事ごとに担当者を決めて計画書を作成し、準備を進めながら子どもたちの気持ちが高まるように、クラスごとに連携して、壁面装飾づくりなどをしています。行事後には、感想の発表や絵を描くことで、振り返りを図っています。

年間行事予定表は4月に保護者へ配布し、行事ごとの目的は、おたよりや専用アプリで伝えています。保護者が参加できる行事として、夏祭り・運動会・発表会・保育参観のほか、系列園とともに開催するサッカー大会あすなろ杯があります。保育参観はオンラインで実施し、保護者だけでなく園児の祖父母なども参加することができます。保護者が参加していない行事については、手紙や写真を活用して園児の様子を伝えています。また、誕生会はクラスごとにお祝いし、先生からのコメントなどを書いた誕生日カードをプレゼントしています。

室内は、年齢に合わせて玩具棚やマットなどを活用してコーナーを作り、好きな遊びを選んで遊べる環境を整えています。また、園児が安心してくつろげる環境整備として、各クラスにスペースを用意しており、園児の様子に合わせて柔軟に設定しています。なお、日中疲れてしまった園児がいた場合は、各クラスのスペースや事務室や看護室で休息することが出来ます。一人きりになりたい園児がいた場合は、合同保育時に使っていない部屋や、事務室で落ち着いて過ごせるように配慮しています。

延長保育は18時から実施し、クラス別保育から合同保育に切り替わります。延長保育の時間帯は、年齢に分けて1歳児クラスおよび4歳児クラスで過ごしており、スペースをうまく区切りながら、落ち着いて遊べるように配慮しています。また職員体制は、経験のある職員を必ず1名配置し、職員間で情報共有や引継ぎを行いながら、子どもが安心して過ごせるようにしています。

食事は、年齢や発達に合わせた椅子やテーブルを使用し、正しい姿勢で食べられるようにしています。また席順を決めたり、日直当番活動を行うなど、楽しく食事をする雰囲気づくりを心がけています。また食事時間は、余裕を持って設定するなど、落ち着いて食事ができるように配慮しています。園児の嗜好については、調理師が園児とふれあいながら喫食状況を確認し、会議で検討しています。

食事は栄養に配慮し、和食を中心にした献立を提供しています。またスーパーと連携し、生産者一人ひとりの『顔』が見える国産の食材を取り入れています。行事食では、ニコニコ顔や三色団子など、見た目にも楽しめるメニューを提供しています。食物アレルギーのある園児については、食物アレルギー疾患のガイドラインである「子どもへの対応マニュアル」に沿って、除去食を提供しています。提供の際には、保護者へ事前にメニューを確認し、提供時は専用のテーブルやプレートを使い、複数人によるチェックを行うなど、誤食を防いでいます。

食について関心を深める機会として、郷土料理メニューの提供や食材にふれるなど、食育活動を行っています。またLED水耕栽培で、ほうれん草や小松菜を栽培し、収穫後にはお浸しなどにして提供しています。加えて、3～5歳を対象に調理体験を行い、バターづくり・お米とぎ・サンドウィッチづくりなどを行っています。

園児の防災・防犯意識を高める取り組みとして、避難訓練(毎月)や防犯訓練(年1回)を実施しています。避難訓練では、火災場所を都度変更するようにしています。また健康指導として、看護師による鼻かみや手洗い指導のほか、歯科衛生士による歯磨き指導を行っています。そのほか、園内の事故・怪我防止に向けた対策として、ヒヤリハット・事故報告書などを作成し、発生要因は職員会議で分析して対策を講じています。具体的な取り組みとして、机の角へのクッション材の取り付けなどを行っています。

園児の健康状態を把握するため、定期的な健康診断(0歳児は毎月、1～5歳児は年2回)と年1回の歯科検診、毎月の身体測定を実施しています。また健康指導として、遊ぶ前の準備運動や、手洗い・うがい指導を行っています。歯磨き指導については、4歳児から実施しています。与薬は基本的に行っていませんが、医師の指示に応じて与薬依頼票を提出の上、薬を預かっています。

保健だよりは毎月作成し、時季に合わせた感染症やその対応について保護者に伝えています。園内で感染症が発生した場合は、園内に掲示したり、専用アプリを通じて情報提供をしています。午睡時は、1歳児は5分ごと、2歳児は10分ごと、3歳児以上は20分ごとに1呼吸や体位を確認しています。また1歳児については、補助的にセンサーをつけて確認しています。そのほか、職員を対象に毎月緊急搬送訓練や救命救急講習、嘔吐処理研修などを実施して、緊急時に備えています。

保護者の就労など個々の事情については、入園時の面接で聞き取り、基本的な保育時間を決めていますが、急な時間変更などにもできる限り柔軟に対応しています。園での子どもの様子は、専用アプリや送迎時の会話で伝えているほか、保育参観・個人面談などを通して子どもの様子や成長を共有し、保護者との信頼関係構築に努めています。また保護者の負担軽減のため、オンライン診療・往診サービス・おむつ手ぶらサービスを実施しているほか、体調管理カードや日々の持ち物がわかるように、チェックリストを作成しています。

保育園の日常的なサービスに係る保護者の意向は、行事のアンケートや意見箱などで把握しています。そのほか、保護者対応については、保育者基本マナーマニュアルを整備し、マナー研修などを実施しています。保護者同士が交流する機会として、保護者会(懇談会)・保護者参加の行事・保育参観・保護者参加・運営委員会などを実施しています。懇談会ではテーブルごとにグループを分け、意見交換や子育てについて悩みを共感できるようにしています。

近隣の公園への散歩を通して、草花や昆虫などの生き物にふれ、季節の移り変わりを体感しています。また公園で近隣の系列園の園児と一緒に遊ぶ機会を持っています。また、消防署など公共施設や高齢者施設を訪問しています（今年度は中止）。さらに、保育実習生を1人、ボランティアを3名、職場体験を4名(中学生)を受け入れているほか、区主催の保育まつりやじゃがいも掘りに参加したり、5歳児は周辺にある系列数園と交流することを目的としたサッカープロジェクト「あすなろ杯」に参加しています(今年度は近隣の系列園と2園で実施)。

個人情報については、重要事項説明書などで説明し、ホームページおよび法人パンフレット作成に伴う同意についてのお願いで確認しています。病院受診など、突発的に個人情報を提供する必要が発生した場合には、都度保護者へ確認しています。園児への羞恥心に配慮しての取り組みとして、トイレは年齢に応じてドアを設置したり、おむつ交換はパーテーションを立てて行っています。

園児の権利を尊重する取り組みや虐待については、児童虐待防止マニュアルにのっとって対応しています。また人権研修は、「子どもの最善の利益」というテーマで年3回実施しています。現在、本部で児童虐待防止チェックシートを作成しており、職員の日頃の言動や行動の振り返りに活用する予定です。そのほか、虐待の疑いや受けている情報を把握した際は、子ども家庭支援センターなどと連携する体制が整っています。

法人で作成した系列園統一のマニュアル(危機管理・園外保育・感染症・児童虐待防止・食物アレルギー対応・個人情報保護規定など)を事務室に保管しています。マニュアルに沿った業務の実施状況は、園長・主任・トップリーダーを中心に年2回確認しています。また全職員に保育士基本マニュアルを配布しており、職員は分からないことが起きた場合や、緊急時の対応手段として活用しています。そのほか、WEB研修を受講することで、マニュアルの理解と活用を促しています。

法人のマニュアルについては、それぞれの園からの意見をまとめ、本部で見直しを行っています。また園独自のマニュアルは、職員会議やリーダー会議などで随時検討しています。今年度、特に重点を置いて取り組んでいるのは、「選ばれる保育園プロジェクト」です。プロジェクトでは美化活動を行い、玄関スロープ付近に花壇を設置したり、保育室内のガラスにフィルムを貼るなどの対応をしました。また、園独自のリーフレットを作成し近隣のクリニックに設置したり、園見学をオンラインで行ったり、さらに園の取り組みを地域にPRする活動も行っています。