東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

法人理念は「輝く大人が輝く子どもと子どもの未来を育てる」を表明、園の職員は保育スローガン「ともに育つ」～手と手を携え、ありがとうの心で～を表明している。保育の実践では子どもたちが人や物と関わり、たくさんの経験をする中で、どんなことも乗り越え助け合い生きる力を培う保育など、園の取り組みはホームページから紹介、施設の概要や園長インタビューなども公開、入園希望や問い合わせには入園案内の提供と見学を受け入れ、入園後は年３回の懇談会と個人面談を行い、園が目指す保育理念・目標、取り組みを丁寧に伝えている。

法人本部は毎月一回全系列姉妹園と全園通達会議を開催、法人と園の意思疎通を図っている。園は施設長職として深い経験を持つリーダー施設長が今年度新たに就任、若い職員を勇気づけ一丸となって質の高い保育実践に取り組んでいる。施設長は保育に関わる共通課題の検討・対策を法人内のリーダー施設長会議で話し合い、その後担当エリアでグループ施設長会議を開催し、課題検討の結果報告と各園の課題も吸い上げている。本部職員はいずれの会議にも参加して施設長を補佐し、各職員からの意見聴取や心身のフォローも行っている。

園の職員会議は毎月園長から課題が提起される都度、午睡時間内におよそ１時間行っている。会議の検討議案は事前に施設長から各職員に提起され、職員は個々に意見や意向を考え準備して会議に参加している。会議は施設長が進行役を努め職員一人一人の参加意識や主体性を大切に、忌憚のない話し合いが行われている。日々の昼礼は各クラス、子どもや保護者からの申し送りの共有、またクラス会議も適宜行い、毎日の終業１０分間報告は午後２時から担任の職員が姉妹園の園長と行っている。リーダー施設長として園を不在にする時は主任が留守を代行している。

法人本部は毎年度末に保護者にアンケートを行い、園の運営や保育に対する意見や評価を把握、課題を分析整理して各園にフィードバック、新年度に反映している。職員は年度末に自己評価チェックリストによって自らの保育実績を振り返り、園は職員会議で１年間の業績振り返りと反省を行い、新年度に取り組む課題を分析整理している。施設長はこの結果を基に、保育理念の実践、子どもの発達援助、保護者支援、地域交流、保育を支える組織的基盤の評価など「保育園自己評価」を作成、園の課題を明確にして本部に報告、職員も課題と目標を共有している。

法人本部は系列姉妹園全体の組織運営や経営課題など、中・長期ビジョンを描き施設長会議などで表明して計画的に展開している。職員育成計画は、施設長と職員の面談によって研修受講の年間計画をまとめ、園内研修も実務課題を中心に毎月計画している。予算は前年実績と比較しながら月次管理している。保育では全体的な計画を確認して年間指導計画はじめ行事計画など、保護者や保育現場の意向を反映して策定、さらに行事計画はリーダー施設長会議で使用会場や各園が共有する備品など、全体日程をすり合わせたうえで年間スケジュールを決定している。

保育や行事の進捗、重点課題の取り組みと進度の確認は適宜開催する職員会議で行っている。保育計画はクラス毎に担任が進捗状況を報告、予算は園の決済範囲を超えるものは都度本部に稟議申請している。外部研修は事前にシフト計画を組んで優先的に参加、園内研修も事前に課題を提起して担当職員が準備を行い、姉妹園交流研修の実施計画は双方の職員間で期日調整を行っている。職員個々の課題と目標の進捗は「自己評価チェックリスト」を作成して年間２回施設長面談を行い、課題と目標の取り組みと進捗を話し合い目標管理を行っている。

若い職員中心の園では保育者としての使命と責任の自覚、児童憲章、全国保育士倫理綱領、保育実践では保育所保育指針などを繰り返し学び研鑽している。施設長会議ではパワハラ・モラハラなどのハラスメント防止の幹部教育を行い、園内で共有研修を行っている。各職員は法人が規程する自己評価チェックリストによって反省と振り返りを年間２回行い、さらに実社会の子どもの貧困や子育て問題なども話し合い、自らの反省と気づきの機会にしている。法人制定の業務マニュアルや個人情報保護関連規程を常備、保育実務に疑義を感じる時は直ちに見直している。

園玄関に苦情解決制度の利用方法、受付・解決の責任者、解決までの流れを掲示し入園案内にも明記している。コロナ禍対策で保護者が保育室に入れない、行事参加が無くなるなど、保護者に不安が募る中、職員は毎日保護者との降園時５分間対応や動画配信などで子どもたちの日々の様子を伝え、情報提供に努めている。児童虐待の防止では職員の不適切な言動は相互チェック。登園時には親と子どもの様子、視診や着衣などから不信な様子が感じられたときは保護者に問いかけ、施設長への報告や経過観察も行い、関係行政機関と連携して防止に努めている。

ホームページや入園案内で園の情報を地域に公開、園周辺に訪れる方々の緊急時に備えて園玄関にAEDを設置、トイレの利用にも応えている。コロナ禍で小・中・高生の保育体験や大学生の保育実習の受け入れは見合わせており、地域の高齢者施設の方々との交流も今年度は子どもたちからのお手紙やプレゼントの交流に留めている。今後は保育実習生の受け入れを予定し、地域の人々の行事招待や公園での楽しい挨拶交流など、コロナ禍終息後の交流再会を楽しみにしている。関係機関との連携では区私立保育園長会、日本子ども育成協議会などに連携している。

法人は今年度新たな事業継続計画を制定している。園では区発行のハザードマップを基に自然災害の発生に備え、飲料水、炊き出し用食料などを備蓄している。園内ではリスク管理規程と安全・災害マニュアルを整備、自然・人的災害に備えている。現状は感染症予防対策を第一優先に位置づけ、地震・火災・水害・犯罪・事故などへの対応手順を明記し、災害時に避難誘導に当たる職員の組織体制と役割分担も園内に貼付。保護者には入園案内に「緊急時・非常災害時について」を記載しているが、子どもを守る職員のリスク対策への理解や認識の向上も期待したい。

子どもの安全・安心を最優先に位置付け、事故防止マニュアルを備え、事故・ケガは「首より上の怪我は受診する」ルールを設けて対応している。ヒヤリハット対策は散歩途中の危険個所確認など日々の昼礼で確認共有し、職員は子どもたちにも身の回りに様々な危険かあること、その危険から自分の身を護ることを伝え、未然防止の意識を強く持ち取り組んでいる。防災避難訓練は水害の発生と区の災害発生情報の基に園舎の屋上に避難するなど、様々に発生原因を想定して毎月実施している。感染症は都・区行政などの情報を保護者と共有し蔓延を防止している。

個人情報の保護と守秘義務の教育は、就業規則及び個人情報保護関連規程集によって教育を行い、新任研修では筆記テストで理解度確認も行い、園内では毎年１回テキスト講習と理解度テストを継続、ボランティア・実習生には誓約書を取り交わしている。機密文書は内容別に分類して施錠ロッカーに保管、園外持ち出しは一切禁止している。個人情報の本部・姉妹園間の交換は施設長パスワードで送・受信記録をとっている。個人情報の利用目的、開示請求は文書で事前に保護者に同意を得ており、開示は園内面談室で施設長が申請者本人に行うことになっている。

新規職員の採用は在職職員の紹介はじめ、ホームページ、学校訪問、保育実習の受け入れなど多角的に行い、障がいを持つ人材の採用も積極的に行っている。面接は応募者が希望する保育施設で行い、一般常識テストや生活習慣アンケート、現場実習を経て法人本部が採否を決定し、現場への配置後は長期的展望を持ったキャリアパス研修制度に沿って育成している。期待する職員像は「人の話に素直に耳を傾けることのできる人物」「社会を構成している一員である社会人としての認識」など。配属先は本人の希望と原則通勤１時間以内の施設に行っている。

コロナ禍による制約の中でも職員の育成に力を入れ、キャリアアップ研修や専門分野別研修など職員それぞれが年間受講目標をもって研鑽している。園内研修では職員の保育の中に生じる課題の解決を中心に研鑽している。各職員は職域、研究興味、施設長推薦などを基に実践力を高め、栄養士・管理栄養士には保育士資格取得も支援している。個人別育成計画は年間２回職員の「自己評価チェックリスト」を基に施設長と評価結果をすり合わせ、課題や目標、希望などを話し合い計画している。姉妹園間で行う交流研修は同期や先輩職員相互の啓発機会になっている。

開園から４年目を迎え、豊かな経験を持つ施設長の指導のもと、若い職員が一丸となって保育力向上に取り組んでいる。施設長は職員一人一人が「自分が常に必要とされている存在」であることを知って欲しい、「保育者である前に一人の大人としてどうあるべきか」を考えて行動することなどを常に意識付け、そして保育とは「保育士自身が心に余裕を持ち、お互いを認め合い高め合うことが保育の質向上に繋がる」など、深い経験に裏付けられた自らの信念も若い職員たちに伝えている。使いやすい書類の工夫や改善など、働きやすい職場環境を育んでいる。

園では法人と連携しホームページやＳＮＳ等を用いて、利用希望者等に情報を提供している。ホームページは最寄駅から10分にある立地や近隣公園等の豊富な社会資源を紹介、外観や自分たちで育てた野菜を手に笑顔あふれる子どもたちの写真と共に「ともに育つ」～手と手を携え、ありがとうの心で～の園のスローガンを説明している。写真入りの園長挨拶は子どもと保護者と一緒になって園が「大好き」と言い合える運営目標を伝えている。園概要やアクセス、入園案内のリンクで詳細な園情報を得られ、問い合わせフォームで常時質問できる媒体になっている。

園のカラー印刷パンフレット（入園案内）は法人施設長会で共通項目等を適時見直し、利用希望者等に分かりやすく情報を伝達できるツールとして整えている。パンフレットはホームページにも掲載、園情報の提供に繋げている。また、園では行政や地域関係機関への積極的な情報発信も行っている。行政担当者からの問い合わせには随時園の状況や取り組みを伝達、行政の保育施設紹介冊子に情報提供を行い、利用希望者等への情報提供に繋げている。行政主催の私立園長会やブロック会議等に園長やクラス担任が積極的に参加、園の情報を提供している。

利用希望者等の問い合わせや見学希望等は、電話とホームページの問い合わせフォームで受付け、質問等にも丁寧に対応している。見学時間は園内が落ち着く10時からを勧め、個々の事情に合わせ日程や時間は希望に添えるように相談している。今年度は感染予防対策を整え見学は保護者一人に制限、自治体の感染状況を踏まえ可能な限り園内見学も行っている。見学時は園長が対応、園長が大切にしている〝「生きる力」を育てる保育〟を丁寧に説明、生活場面や誕生会等の写真や入園案内を用いて園の詳細を伝達、育児相談等にもアドバイスする等応えている。

園では入園面談を行い、子ども一人ひとりの状態や家庭の状況に合わせた説明や意向確認を行っている。入園が確定した保護者には入園案内（重要事項説明書）、契約書、児童票（A～F）、各種同意書、慣らし保育関係書類等を送付、保護者が事前確認し記載できる時間を作っている。入園面談時は子どもの状態、家庭の状況を確認、保護者の意向も伺っている。入園説明会で保護者と入園案内（重要事項説明書）を読み合わせ、保育方針や概要、延長時間の対応、基本ルール等守って頂きたい点等を説明、個々の質問に応えて後日同意書を取り交わしている。

面談で確認した保護者意向や子どもの様子等は個人面談シートに記載、気になる事項や個別対応が必要な場合は栄養士や看護師が対応、一人ひとりに合わせた保育に繋げている。担任は児童票や個人面談シート等を確認、生活習慣、健康状態、アレルギーの有無、保護者の意向等を把握、保育計画を作成している。慣らし保育は入園時の情報を基に相談、日々の対話でスキンシップ方法等教えて頂き、馴染みのタオル持参等で子どもの心の安定に繋げている。０歳児は１カ月、２歳児以上は個々の状態に合わせ、食べられる、寝られるを目安に丁寧に取り組んでいる。

園ではサービス終了後も安心して次の生活に馴染めるように働きかけている。転居等で退園する子どもには制作物等を纏めたプレゼントを渡し、クラス皆で思い出作り、保護者の意向に沿って転園先に情報を共有する等丁寧な対応で送り出している。年度末はお別れ会を実施、子ども同士の思い出を作っている。昨年末の卒園式は年長児と保護者が参加、２歳から４歳児クラスが歌でお祝いする動画を上映、卒園児が描いた絵が表紙の卒園アルバム、法人からの辞書、各クラスからお祝い品、花等のプレゼントと卒園証書授与で、成長と新たな門出を祝福している。

入園時保護者が記入し職員が随時更新するする児童票Ａ-Ｆと個人面談表、発達記録等に子どもの心身と生活状況等を纏め把握している。児童票は生活状況や養育状況、保護者等の就労状況、既往歴、予防接種の履歴、アレルギーの有無等を記録、個人面談表には保護者のニーズや課題を聞き取り記録、明示し保育計画に繋げている。今年度は園長交代があり７月に全保護者と面談を実施、年度末までに全４回の面談と送迎時等との対話で保護者のニーズや課題把握に努めている。また、児童票は年度末に職員と保護者双方で確認、最新の情報に更新している。

法人の全体的な計画を基に園の状況に合わせた計画を策定、新担任を早めに決定、養護・教育の領域を意識し子どもの様子を踏まえた年間指導計画を作成、10の姿を確認する月案、個別月案、週案（雨の日含む）に繋げ保育している。個別配慮が必要な場合は専門機関の計画に沿って個別計画を作成、個々に合わせ保育している。各計画は前月中旬にねらいが発達に合っているかを各クラスで検討し園長へ提出、リーダー会議で検討・見直し後計画が確定している。質の高い取り組みである。また、計画の内容は保護者に口頭と園だより等で共有・理解に繋げている。

子どもに関する情報は児童票、発達記録、連絡帳、記録媒体の園児台帳、保育計画に沿った様子や変化は１日の様子シートや経過記録に記録され職員間で共有、保育に活用している。一人ひとりの個別対応や保護者情報は毎日の昼礼（ケース会議含む）、職員ノート、クラス毎の連絡ファイル等で随時共有、保育の実践、連携は乳児会、幼児会、クラス会議で検討、園の状況や全体での取り組み、クラス状況、看護師や栄養士からの情報共有は職員会議で実施、連携に繋げている。現在園長は、保育に対する思いを伝える取り組みに力を入れている。期待を寄せたい。

子ども一人ひとりの様子や発達の状態、生活環境は保護者との対話や個人面談、連絡帳や栄養ノート、保育で確認、発達チェックも実施、全体的な姿を捉えている。今年度は幼児クラスも連絡ノートを活用、家庭の様子を丁寧に確認している。また、子どもが主体的に人・もの・ことに興味関心が持てる保育も実践している。郵便局員や消防士との関り、様々な玩具や画材で取り組む制作活動や調理器具を使ったクッキング、新年子ども会では正月遊びの由来も学んでいる。日本の節句や祭事等を子どもに伝える事が課題となっている。取り組みに期待を寄せたい。

園では朝夕段階的に乳児と幼児が一緒に生活する合同保育場面や３，４，５歳児合同遠足の実施等、クラス以外の子どもが関わりを持てる保育を実践している。外国籍や配慮が必要な子どもも共に過ごせる環境も整えている。年長児が年少児に遊びを教えたり、手助けする中で、年長児へのあこがれや子どもたちは互いを尊重する心、慈しみ、やさしさ、思いやりを育んでいる。また、特別な配慮が必要な場合は保護者、専門機関と連携、専門機関が立案する計画に沿った働きかけや巡回指導等の指導を受けながら、他児と一緒に成長できるように援助している。

園では子どもの心の行き違いで起こる事柄は、発達過程や大人の状況で起きることもあると保護者に伝えている。保育士は双方の思いに耳を傾け、発達に応じて気持ちを代弁、仲介する等で心に寄り添い子どもの育ちに働きかけでいる。また、小学校就学に向け近隣小学校と連携、今年度も５歳児クラスは学校の授業を見学、帰園後は小学生になる自分をイメージする時間を設けて、就学への期待に繋げている。園内では人前に出て話す機会、持ち物や道具箱を自分のローカーに入れ管理できる、立って靴を履く等の経験を積む保育で就学に向け準備している。

園では登園時と降園時の保護者との対話を大切に、子ども一人ひとりの生活リズムを把握、保育に繋げている。今年度も引き続き送迎時は感染予防に取り組み、心身の状態を確認している。登園時は個々の表情や様子を確認、食事の状況や睡眠、いつもと違う様子はないかを確認、連絡帳と合わせ生活リズムを把握している。連絡帳にはクラスの活動や連絡事項等を丁寧に記載、伝達事項が多い場合は別紙も活用、降園時は保護者と直接対話で子どもの初めてに繋がりそうなエピソードや頑張った事、個々の姿を伝達、家庭保育に繋げられるように働きかけている。

職員は子どもの発達の状態に応じ、個々に合わせた生活習慣の習得に働きかけている。挨拶は職員が見本になり一緒に行い、食事は1歳クラスまでエプロンを使用、手づかみから個々に合わせ食具を使用、２歳児クラス年明けを目途に保護者と連携し箸へ移行、排泄は子どもの興味に沿ってトイレに入り、３歳を目途にパンツへ移行できるよう発達に合わせ保育している。着替えは０歳から靴下や帽子を手に取れる環境で興味を引き出し、歩けるようになれば洗面台で手洗い、乳児クラスから自分の持ち物を意識できる環境を整え、細やかな保育が実践されている。

園では保護者から伺った一人ひとりの様子や生活リズムに合わせ、活動や生活場面等で配慮している。登園時保護者から確認した子どもの様子は「1日の様子シート」に記録、職員間で情報共有している。体調不良時は園全体で連携し見守り、早めの午睡や食事量を加減する等配慮している。園では発達に合わせて乳児ベットからコット移行、温度、湿度、換気管理を行い、明るい環境で安心・安全な午睡環境を整えている。子どもの休息時間も大切に、ゴロゴロできる場所やゆっくりとくつろげる環境も整えている。５歳児クラスは就学に向け午睡調整も行っている。

子どもの「やってみよう」を大切に、日々の活動や散歩先、クラス活動等子どもの声を受け留め、合同保育や自由保育は子どもが玩具や絵本等手の届く環境を提供、ブロックや飯事等子どもの普段の姿を基に職員が関わりコーナ等設定、週案に位置付けている。３～５歳児が当番活動、年長児は就学も視野に挨拶リーダーや給食手伝い、お掃除、活動準備等、ルール習得にも繫げている、現在当番表を検討中である。運動会や生活発表会準備、七夕やクリスマス飾り付け等積極的に参加、年長児系列姉妹５園交流はズームや文通など豊かな取り組み、高く評価したい。

言葉習得は大人が手本と捉え、美しい日本語使用を指導している。日頃から絵本の読み聞かせを行い、行事・季節絵本、紙芝居や手遊び、しりとり等言葉遊び、童歌等言葉と音の融合保育の楽しさと大切さを伝えている。各クラスに絵本棚を用意、自己決定している。音楽はリトミックやリズムダンス、ハンドベル、鈴等の打楽器で合奏、団栗等で楽器作り、毎月の制作は季節や行事をテーマに様々な画材や素材を利用、廃材や新聞紙等も活用している。クリスマスでダンス等クラス発表、園芸、クッキングなど表現力、感性、創造力、自己肯定感等育んでいる。

昨年迄の戸外活動を見直し、心と体の成長を目指し、毎日の散歩を日課としている。園前を整備し直し、野菜栽培等の準備ができた、現在は区の野菜小松菜栽培を始めている。秋のミニ遠足は往復１０キロ３～５歳児が声掛け、助け合い全員帰園、自己肯定感に繋がる良い体験。今後、区役所屋上や消防署、高齢者施設等との交流を考えている。室内は走らない、食事等の礼儀作法、「ありがとう」「ごめん」等挨拶や感謝の言葉、トイレは順番、玩具は投げない、譲り合う、小さい子には優しく、疲れたら休息、興奮は座って落ち着く等約束や心の調整を学んでいる。

行事は子どもが主役を意識し、職員会議等でねらいを確認、終了後、振り返り次に繫げている。絵本や紙芝居、歌や制作など導入プログラムで興味、関心を刺激、わくわく感で積極的に参加、行事食も提供、良い思い出に繋げている。コロナ禍と園長交代で本年の行事は見直しとなり、少しずつ本来の雲母保育園らしい行事に向けて準備を開始している。新しいお友だちにドキドキの入園おめでとう会、こいのぼり制作でこどものひ会、家族に感謝のファミリーデー、祖父母にお手紙敬老の日、皆で雑巾がけ、園はピカピカの大掃除等豊かな行事に取り組んでいる。

子どもの声を受け留め、端午の節句や七夕、クリスマス、お正月等季節感ある飾り付けを皆で協力している。クリスマスはクラス発表会、０、１歳は手遊び、２歳はカスタネット合奏、３・４・５歳は「きよしこの夜」をハンドベルで奏でる等思い出に残るひと時を皆で創り上げている。自身作成のハロウィン衣装でお洒落、公園散歩を楽しんでいる。お正月は福笑いやかるた等昔遊びでお友だちと戯れている。３・４・５歳の秋のミニ遠足は往復１０キロ、園長がお弁当を自転車で届けて応援、皆で励まし合い、全員帰園、思い出の行事は良質、高く評価したい。

コロナ禍による保護者参加行事を自粛して２年が経過、ご理解ご協力頂いている。例年、年度始めの懇談会で年間行事日程を伝え、保護者参加の行事等に協力をお願いしている。懇談会や個人面談、保育参観、給食・離乳食試食会等園の保育を伝える取り組みも行っている。今年は中止だが年長児お泊り保育の持ち物準備等協力頂いている。ハロウィンやクリスマスのクラス発表会、幼児クラスの秋のミニ遠足等の活動は園だよりや映像等で保護者に伝えている。生活様式の変化に伴い行事の見直しを考えている。保育のための行事等新たな行事発進に期待を寄せたい。

登・降園時間は保護者の就労や家庭事情で様々、朝の会やお帰りの会に配慮して、朝９時頃迄、夕４時半頃から、異年齢児段階的合同保育を実施、長時間保育は指導案に位置付けている。合同保育は、ごっこ遊び等の見立て遊びや人形、ブロック、ミニカー、積み木、パズル等コーナー・自由保育を基本に、子どもの「やりたい」を尊重、玩具や絵本は手の届く環境で落ち着いて遊びこめる時間にしている。手作り可動サークルやマット等で空間を保障、スキンシップも多めに、屋上やテラスで気分転換、温湿度管理等環境を整備、希望で補食・夕食を提供している。

長時間保育では、個性や思いを受け留め、豊かな成長、発達を視野に活動している。朝夕の合同保育は、日中のクラス別保育とのメリハリを考慮し、落ち着いて遊び込める環境、コンビカー等数少なく日頃提供出来ない玩具や折り紙や手遊び等微細運動、屋上や廊下で身体を動かす等夫々の成長、発達に合わせ、子どもの主体性を大切に楽しむ等、豊かに展開している。幼児が乳児に上手な遊びを教え、乳児は甘え、年長児が乳児を抱っこ絵本の読み聞かせ、時には主張仕合う等成長し合っている。人間関係性や主体性、感性、慈愛など豊かな発達への保育は良質。

クラス別保育に加え、０・１歳、２歳児以上、０～５歳児が一緒に散歩や活動、３～５歳がグループ活動等一人っ子が多い事から、縦割りや混合保育等多彩で、季節行事や誕生日会、給食フェア等様々、人間関係性等学んでいる。年長児はお世話上手、乳児の午睡のお手伝いや着替えや散歩準備を手伝う等豊かな時間、散歩で挨拶に笑顔で応える等自己肯定観を育んでいる。系列姉妹５園年長児交流は、手紙文通やズーム交流等思い出に残るわくわくの良質な保育、高く評価したい。コロナ禍で中止の親子交流や大人交流、高齢者・地域子ども交流等終息が待ち遠しい。

年間食育計画を食育の拠り所として作成、栄養士が喫食状況観察、楽しい食事風景を給食便り等で保護者に伝えている。重ならない給食献立、離乳食など栄養バランスに配慮、旬食材を基本に「お豆を食べよう」等毎月テーマを決め提供している。７・２月は法人イベント給食フェア、統一テーマを姉妹全園で楽しんでいる。給食は基本薄味で、香りや彩り、食感等五感や味覚、口腔、咀嚼発達、免疫向上等も視野に下拵え、盛り付けは成長に合わせている。身体に合わせたテーブルと椅子で自由席、クラス別や合同給食、戸外給食、遠足お弁当給食等楽しんでいる。

食に関する各種児童票、アレルギー緊急連絡先等提出頂き、面談で詳細を伺い、除去・代替食、テーブル、トレイ、食器、食事具を別け、着替え等も注意等安全を確保している。体調不良や登園可能疾病、口の怪我等は、油や乳を避け、軟食等代替している。家庭の文化や宗教等にも対応、現在法人統一基準を策定中。偏食や好き嫌い、食べず嫌い、遊び食べ、無関心等は無理強いせず、本人の納得を優先、野菜栽培等で興味を刺激、箸等食事具使用も保護者と連携している。皆一緒の給食を願うアレルギー児の心に寄り添う全除去給食等も検討している。評価したい。

コロナ禍で食育活動を自粛している。本年園長交代があり、現在新年度に向けての新たな体制整備に着手、その一環としてクッキング保育や野菜栽培、行事食等への取り組みを策定している。園入り口前の整備を行い、現在区の野菜小松菜栽培を開始、冬野菜栽培を今後予定している。０歳はクリスマスケーキにトッピング、１歳はじゃが芋を潰してサラダ作り、２・３歳はお箸で給食を食べる練習、４・５歳は食事時間を意識する事、配下膳等豊かなクッキング保育を実践。七夕やクリスマス等行事食、誕生日会メニュー等楽しんでいる。今後に期待を寄せたい。

保育の中で子どもが安全について学び、衛生に関する習慣が身につくように働きかけており毎日出かけるお散歩の際には、目的の公園まで安全に移動することや交通ルールについて実践を通して学び、公園では安全を意識できるよう、子どもたちにお約束を確認している。室内でも活動をするときにも、階段の使い方や小さなお友だちがいるときの注意などに配慮できるよう働きかけている。手洗いやうがいのポスターを洗面所に掲示、看護師からわかりやすく感染予防の大切さを伝え、歌に合わせて丁寧に手を洗う練習など、衛生管理の生活習慣を身に着けている。

園では、子どもの身長・体重を毎月計測、頭囲・胸囲は年２回、０歳児は毎月、１歳以上は年２回の嘱託医による健診を行い、子どもの成長や健康状態を診察、予防接種の状況なども記入していただき健康カーで保護者と共有している。毎月発行している保健だよりでも、子どもの健康に関する事柄や季節に気を付けたい感染症などの記事を掲載して保護者に情報提供している。薬の預かりは原則行なっていないが、医療連携の基で軟膏などのお預かりを行っており、熱性痙攣の既往がある子どもには、発熱時に早めに保護者への連絡をして対応を相談している。

保護者には入園時に慣らし保育の重要性と共にSIDS予防について伝え、入園面談時にも子どもの健康管理に関する事項の中にも内容の掲載をしている。午睡時にはタイマーを見ながら姿勢・呼吸・顔色など０・１歳児は５分毎、２歳児は１０分毎、３歳以上では１５分毎に確認してSIDS予防に努めている。入園間もない子どもには保護者にも注意喚起を呼びかけており、個別対応を行い在園児が落ち着いて活動できる様に配慮している。コロナ禍では、登園時の子どもや保護者の検温を実施、健康管理の呼びかけと手洗い、消毒、換気などを徹底している。

園の開園時間は７：００～２０：３０までであり、標準と短時間で入園時に契約を決めているが急な残業などは当日であっても延長保育を快く受け入れている。保育延長プランとして月額と一日ごとのスポット料金を入園時には説明しており、１７:３０までに連絡をいただければ、１８:００の補食・夕食を提供して子どもが落ち着いて保護者のお迎えを待てるようにしている。土曜保育の利用は、一週間前までに連絡の協力を伝え、職員体制を整えて受け入れを行っている。東京都第三者評価保護者アンケートでも、柔軟な保育時間の変更への対応が伺える。

園では昨年７月に園長が交代し、その後各家庭と面談を行っており、年度末までには担任との面談を含めて４回程の個人面談を実施予定である。コロナ禍において親子参加行事は中止となっているが園内での子どもたちの取り組みや行事の様子は動画配信で３回程保護者に情報提供、毎日の降園時の５分間対応は対話の時間を短くして保護者の待機時間の短縮に繋げた分、３歳児以降も連絡ノートを活用して子どもの育ちを伝えている。園だよりでは月の行事予定やお誕生日のお友だち、クラス毎の目標を伝え、きらら新聞では各担任からのコメントを掲載している。

園では保護者との信頼関係を築き、子どもの育ちを喜び健やかな育ちの為の保育を共に考える事を大切にしている。保護者とのコミュニケーションの基本は毎日の連絡帳や登降園時の対話や個人面談にあり、連絡帳は早い時間に目を通し健康状態や家庭での状況を把握、保護者からの質問や疑問に関しては必ずコメントを記入、直ぐに回答できない内容には一緒に考えていく事を伝えている。保護者会や保護者参加行事は感染症予防の観点から今年度は実施できなかったが、今後の感染状況を見ながら少人数での保護者懇談会を考えており感染の終息が待たれている。

お天気の良い日には毎日散歩に出かけており、近隣の公園など１０か所程にその日の保育計画に合わせて遊具や広場、樹木のある公園、区役所の屋上公園など地域資源を活用して様々な体験を重ねている。散歩の途中には消防署やタクシー会社などもあり、行きかう地域の方に職員自らが積極的に挨拶を交わし、季節の変化を感じながら子どもたちと自然な会話を楽しんでいる。近くの図書館に出かけたり、食育活動でスーパーで食材の買い出し、花屋で野菜の苗を購入など、子どもたちと一緒に地域の方との自然な交流できる機会を大切にしている。

コロナ禍において地域の行事は自粛しているが、今年度は区のリサイクル学習が園に訪問、紙芝居やゴミ分別ゲームなど楽しい活動の中でリサイクルを学び、交流の機会となっている。コロナ以前に交流していた高齢者施設とは直接の交流ができない状況であっても折り紙のプレゼントがあり、子どもたちがお礼の手紙を贈り交流を続けている。ハロウィンには子どもたちは仮装してクラス毎に公園に出かけており、近隣の方が声を掛けてくれたりプレゼントをいただくなど園が地域の中でも愛され、見守られている事を実感できる体験となっている。

園では年長児が姉妹園とお手紙交流を行っており、子どもたちが書いたお手紙を切手を貼ってポストに投函、オンラインで直接会話をするなど、コロナ禍であっても工夫した交流をしている。小中学生の体験学習、高校生のボランティアなどは今年度は受け入れの実績は無いが、専門学校や大学生の実習生は今後受け入れ予定であり、感染状況を見ながら様々な年代の人との関わりの機会を子どもたちに提供したいと考えている。地域の未就園児親子に向けた取り組みは、保育専門施設として次年度からは楽しい活動を通した子育て相談を予定しており期待したい。

園では入園時面談で個人情報保護についての誓約を行い、保育に必要な情報収集を行い管理をしており、ホームページやSNSなどで写真を掲載する際には「写真掲載承諾書」で保護者意向を確認した上で配慮している。職員は毎年個人情報の基本事項の確認テストを行い、保護者対応や個人情報の扱いについて意識できるようにしている。子どもの羞恥心に配慮した環境として、おむつ交換はトイレ内にスペースを確保、３歳児以上では扉のあるトイレが使える環境である。着替えは裸にならない様に上下で着替える声掛けで習慣となるよう働きかけている。

子どもの人権を大切にする事は全体的な計画の中でも明記し、職員には日々の保育実践の中で子どもの人権に職員相互に意識できるように否定や禁止、大きな声等に注意して子どもの声を聴くように取り組んでいる。子どもの呼び名は「くん」「ちゃん」「さん」を基本として、入園時に保護者から家庭ではどのように呼んでいるか、園ではどの様に呼んでほしいか意向を伺って対応している。年度途中に園長が交代、保護者との個人面談を多く行っており、東京都第三者保護者アンケートではコミュニケーションが良好になった等声が寄せられており評価したい。

虐待防止マニュアルを備え、園内研修を行い職員が虐待に対しての基本的な認識や観察の視点を知り、対応や子どもの気持ちの変化、着衣、身体の変化などに留意できる様にしている。保護者とのコミュニケーションで家庭での保育の様子や保護者が子育てを楽しめているか、悩みを抱えていないか、子どもの育ちを共有し一緒に喜ぶことで信頼関係を丁寧に築きながら保護者の想いに寄り添っている。降園時の５分間対応では必要と感じた時にはいつでも個別のスペースで面談を行っている。虐待については入園案内にも明記して関係機関との連携をしている。

法人共通の保育マニュアルがあり、系列の施設長会議で内容を検討して各園で運用しており、園独自の業務マニュアルと共にファイルに纏め職員がいつでも確認できるように整備している。内容は園内研修や職員会議、昼礼など必要時には確認して全職員が周知できるようにしている。緊急時に関するフローや調乳マニュアル、消毒液の作り方、嘔吐時の対応などは、確認しやすい場所に掲示、社会人としての基本マナーなども、会議の中で話題にして全職員が意識できるようにしている。マニュアルの更新は基本年度末に見直し、必要時には適宜更新している。

各職員が確実に業務内容を実施できるよう衛生管理点検表、調理・衛生管理チェックシート、早・遅番業務表などを活用、一日の業務内容は日報に記録している。更に園長だけでなく職員も姉妹園と終業報告を行っており、他の園の職員との情報交換をすることで、考え方や基本ルールの確認をする機会ともなっている。毎週リーダー会議を開催、毎月の乳幼児会議と職員会議の中で情報共有や保育の取り組みを検討しており、毎日の昼礼で日々の情報共有や必要な検討を行っている。わからない事は皆でフォローできる様なチームワークを大切にしている。

昨年度より新型コロナウイルス対応として、保護者対応や行事、通常の保育活動の中でも感染症対策が必要となっており、法人本社との連携を図り、対応の変更や保護者への説明などが行われている。保護者参加行事が中止となった為に行事毎のアンケートはできなかったが、年度末に保護者アンケート実施、降園時の待ち時間を減らしたい保育の様子が知りたいなど声が寄せられ、個人面談や３歳以上の連絡帳の活用などで保護者とのコミュニケーションを充分にはかり、保育の様子を伝える動画配信を始めており引き続きコロナ禍での更なる取り組みに期待したい。