東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

法人の運営理念は「世界の平和と善に貢献する人を育てる」で、運営方針は「キリストの教えに基づき、人を愛する心を育てる」です。法人のビジョン・理念について、職員の理解を深める取り組みとして、園内各所に額に入れて掲示するほか、新年度職員会議で説明を行っています。なお法人や園の運営方針について、保護者の理解を得る取り組みとして、入園説明会、保護者会、HPで説明しています。全体的な計画は、保護者会、HPなどで保護者に説明しています。

園長の役割と責任は、保育所長研修会テキスト(日保協)の内容に準拠し、職務分担表に記載するとともに、新年度職員会議などで職員に伝えています。経営層の役割と責任も、職務分担表に記載し、職員会議、保育連絡会などで職員に伝えています。 法人理事長は、口頭・文書・面接などで、職員にメッセージを発信しています。運営方針は、職員会議、保育連絡会で職員に確認しています。

最近検討した重要な案件は、利用者からの希望に応えて内門に暗証番号キーを設置したことです。それら重要な案件は、掲示板で周知、職員会議等で検討し、その後決定しています。法人内または園内の決裁の仕組みについては、稟議書に記載しています。なお決裁された文書は、事務所内保管庫で10年間保管しています。決定した重要な案件は職員会議で職員に伝え、職員室内掲示板で周知します。また保護者には、保護者会、園だよりで周知し、近隣住民には訪問説明や文書の配布で伝えています。

利用者のニーズは、アンケート、意見箱、おしゃべりサロンにより把握し、職員室内掲示板、職員会議、回覧で職員に報告しています。その取り組み事例として、内門に暗証番号キーを設置しました。職員のニーズは、保育連絡会・給食連絡会・職員会議・朝礼終礼により把握し、それぞれの会で職員に報告しています。取り組み事例としては、多様な働き方を承認しています。さらに地域の福祉ニーズは、区報、町内会掲示板や回覧板により把握し、保育連絡会、職員会議で職員に報告しています。取り組み事例として、一時預かり事業を実施しています。　

園(法人)は、東京都民間保育園協会、東京都社会福祉協議会に参加しています。福祉事業全体の動向を知るため、福祉広報、ぜんほきょう、とうきょう民保協などを購読しています。予算や決算状況は、職員室内掲示板、職員会議で職員に伝えています。予算・決算書類は、事務所内戸棚に保管しています。重点課題や重点目標は、新年度職員会議の記録に明示されており、その中で最も優先順位が高いものは、「人を育てる(自分を、他者を)」となっています。

中・長期事業計画は法人事務所に保管し、内容は職員会議で職員に伝えています。単年度事業計画は理事会で決定し、新年度職員会議で職員に伝えています。なお、これらの資料は園事務所に保管しています。事業計画の重点課題は「体力測定を取り入れ、体力向上に努める」と示しており、計画の進捗状況は職員会議で職員に伝えています。事業計画を年度途中で見直す場合は、職員会議、理事会で検討し、理事長、施設長が決定します。見直しを図った事例として、複合遊具の入れ替えを取りやめ、単体での遊具更新に変更しています。

法人職員または保育職員として守るべき法や規則についてまとめた書類として就業規則を整備し、書類は職員室に保管するとともに各自も所持しています。職員として守るべき法や規則の確認は、新年度職員会議をはじめ毎月の職員会議で実施しており、理解度については、成長シートや面接で確認しています。守るべき法や規則に対する理解度が不足している職員に対しては、園内研修や面接により理解を深めるようにしています。

苦情解決制度を整備し、苦情受付担当は受付事務が、苦情解決責任者は園長が担っています。苦情解決制度は入園説明会、入園のしおり、保護者会で説明し、ご意見箱に明示するなどして利用者に伝えています。意向や要望は「保護者の声」(苦情処理簿)に記録し保管するとともに、個別に文章で回答しています。子どもへの言葉づかいや立ち振る舞いの規範は保育業務マニュアルに記載されています。虐待が疑われる事例が生じた際は、児童虐待防止マニュアルに沿って速やかに、足立児童相談所、子ども支援センターげんき、警察に報告します。

事業計画、予算・決算報告などは、HPなどのネット経由で開示しています。また昨年度、ボランティアとして卒園生に保育補助を、また保育実習・看護実習は4人、学生・生徒・児童の職場体験は延べ28人を、それぞれの受け入れ手順に沿って受け入れました。子育て支援事業は、育児相談、園庭開放(8回)を実施し、子育て情報誌を12回発行しています。そのほか、園長は年2回開催される子育てネットワーク連絡会に参画しています。直近の議題は「今地域で災害が起きたら」で、その対応として、日常の連携の大切さを挙げています。

運営に係るリスクとして、最優先で対策に取り組んでいるのはコロナウィルス感染症対策で、2番目が水害対策、3番目が園内事故です。これらのリスクは、職員会議で対策を検討しています。コロナウィルス感染症への対策は、感染症予防マニュアル(新型コロナウィルス感染症用)に明示し対応しています。水害対策は、洪水時などの避難確保計画に明示し対応しています。園内事故の対策は、ソフトクッションコート施工工事計画に明示し対応しています。救急救命講習は栄養士も受講し、AEDはいつでも誰でも使えるように指導しています。

事業継続計画(BCP)は、中川決壊による5メートル水没を想定して作成しており、復旧期間は1週間と想定し、対策本部は園舎3階に設置することとしています。新年度職員会議でBCPを職員で確認し、危機管理マニュアルとともに職員室に常時設置しています。関係機関には内容を書類で伝えています。また利用者には入園のしおり、重要事項の説明確認書により、その内容を伝えています。加えて事故、感染症、侵入、災害などが発生した際は報告書に記録し、発生要因を職員会議で分析し、利用者には再発防止策を園だより、保護者会で伝えています。

情報管理規程や文書管理規程は、新年度職員会議で確認し、職員はその遵守について誓約書を提出しています。個人情報などの文書は、職員室・事務所の鍵付き書庫に保管し、園長と事務主任のみ事務室内で閲覧できます。PCはパスワードとログインIDによりアクセス制限しており、デジタルデータはUSBに入れ、施錠できる書庫で保管しています。個人情報の利用目的や開示請求の方法は、重要事項の確認説明書で利用者に説明しています。なお、自治体・児童相談所から依頼があれば、保護者に了承を得ずに子どもの情報を提供します。

法人・園が求める職員像は、キャリアパスに記載されています。なおキャリアパスの内容は、年度初めの職員会議で職員に伝えており、求職者は面接時にキャリアパスを確認できます。また求職者向けに、動画による職場紹介を行っています。園内の職員研修として、初任者研修にはモンテッソーリ教育法基礎コース、救命救急、リーダー研修には保育技術に関する研修などがあります。研修報告書は、いつでも閲覧できるように保管されています。

全体の研修計画や職種別の研修計画はキャリアパスに明示されています。個人別研修計画は、正規・常勤パート・パートの保育士・栄養士・保育補助の職種別に作成し、研修受講履歴は職員別に記録しています。職員の意向や経験は、労働者名簿に記録しています。また職員の指導方針についてもキャリアパスに定めており、リーダー養成はベテラン保育士による個別指導により実施しています。各職員の育成の成果は、職員会議で確認し、処遇改善等加算Ⅱの確認に係る分掌表に記録しています。

人事考課は、キャリアパスにより行います。職員の目標管理は成長シートを活用し、目標達成状況は年度の後半と年度の終りに確認します。園長は人事権を持ち、職員の個別面談を行っています。当園はTOKYO働きやすい福祉の職場宣言事業所として、職員の就業環境向上に取り組んでいます。その結果、職員の有給休暇の取得率は100%で、出産・育児休暇も積極的に推進しています。なお正規職員の平均勤続年数は10年と、長く勤めている職員が多い状況です。

保育園の案内として、ホームページの情報発信や独自のリーフレットを作成しています。リーフレットには保育理念・保育目標・モンテッソーリ教育のほか、年間行事などの内容を記載しています。なお、このリーフレットはカラーの三つ折り仕様でコンパクトにし、見やすいよう工夫しています。またホームページには、保育の内容、ブログ、子育て支援、給食などの内容が紹介されており、月に2～3回更新し、保育内容を伝えています。

園の情報は、足立区役所子ども施設運営課運営調整係に定期的に報告しています。また独自に、「さゆりクラブ」という情報誌を毎月発行しています。この「さゆりクラブ」は、子育て情報、モッテソーリ教育、園情報などを掲載し、病院・図書館・保健所・薬局など地域の関係機関に配布しています。なお、足立区の制度である「マイ保育園」に登録してくださっているご自宅にも郵送で届けています (現在はコロナ感染防止のため休止中で、HPでの公開のみ)。

見学会は毎週水曜日に開催しており、主に保育士(施設見学担当)または、副園長が担当しています。なお、希望に応じて随時受け入れも対応しています。見学者には、乳児・幼児それぞれのデイリープログラムや活動の様子が分かる写真付きの専用の資料を渡し、資料に沿って園内を案内しながら説明しています。見学の際は、園の特徴として教育方針(モンテッソーリ教育)の実施、園庭の広さなどを説明しています。

入園が決まった利用者には、入園のしおり・児童票・緊急連絡引き取り者名簿を配布し、2月の最終土曜日に説明会を開催しています。入園説明会では、入園のしおりを分かりやすく作成するとともに、持ち物掲示するなど、保育内容が伝わりやすいよう工夫しています。また保育内容は「聖母のさゆり保育園重要事項説明確認書」で確認し、プライバシーの保護については「個人情報取扱いについて」で確認しています。なお入園説明会であがった意見や質問は、なるべくその場で回答するよう努めています。

入園前の子どもの生活状況調査は、登園初日までの期間を目途に提出してもらい、アレルギーの有無、既往歴などは、児童票、アレルギーアンケートに記録し、保管しています。また入園時には、保護者や子どもの不安、ストレスを緩和するため、保護者の要望に合わせて、1～2週間をめどに慣らし保育を実施しています。慣らし保育の期間中は、保護者の保育に対する理解や安心を深めるため、連絡帳での伝達および、担任が口頭で様子を丁寧に伝えています。なお慣らし保育中は、園児の慣れ親しんだタオルなどの持ち込みを許可しています。

卒園前に退園や転園をする園児には、園生活の中で作成した製作物などをまとめた「思い出帳」をプレゼントしています。子どもたちが困ったときにいつでも相談できて、出入りしやすい保育園であり続けることを目指しており、卒園児は小学校を卒業するまでの6年間、「さゆりっこ交流会」として園行事に招待しています。この「さゆりっこ交流会」は年6回実施しており、希望があれば転園児も招待しています。

連絡ノートは、1、2歳児クラスで毎日取り交わしており、保育日誌についても、1、2歳児クラスは個別に記録欄を設けて記載しています。なお園児の個別の保育目標は、個別指導計画、発達経過記録に記録しています。また家庭や保護者の個別のニーズや支援方針は、保護者勤務状況・緊急連絡及び災害時引き取り者名簿に記録しています。そのほか児童票には全園児の情報を、4月・7月・11月・2月毎に集約しながら記録しています。

全体的な指導計画は、毎年3月に見直しており、指導計画は、年間・月案・週案毎に作成しています。特に5歳児の指導計画については、午睡なし、分級活動にて文字や数、文化、共同製作、文集書きの実施など、就学前教育カリキュラムとの整合性を意識しながら取り組んでいます。なお指導計画は、1、2歳児クラスについて個別に作成していますが、2歳児クラス以上でも、発達支援児の個別記録の場合は個別に指導計画を策定しています。指導計画を緊急に見直す際は、職員会議、保育連絡会、各クラス打ち合わせで検討しています。

職員間の情報共有のため、職員全体会議(毎月2回)、クラス別会議(毎月1回)、保育士連絡会 (毎月1回)を開催しています。職員全体会議は正規職員を中心に実施していますが、希望があれば全職員が参加することが可能です。また日常的な情報共有の場として、毎日の職員ミーティングを、朝礼、終礼各10分程で行っています。なお朝夕、申し送りを行っています。園日誌・クラス日誌や各種申し送り表は職員室の鍵のかかる書庫に保管しており、会議後に職員会議録や申し送り表を全職員が閲覧して、押印しています。

保育環境のコンセプトは、モンテッソーリ教育実施による環境の整備としています。園内には、生活目的に応じた活動・食事・排せつ・午睡・匍匐室・絵本コーナーや、園児が主体的に活動できるよう遊びに応じた保育室のコーナーを設けています。正職員はモンテッソーリ教育習得のため、モンテッソーリ養成教室に通っており、個別の指導援助などを学んでいます。なお入園前の子どもの生活状況や、アレルギーの有無、既往歴などは、児童票、アレルギーアンケートで把握し、保管しています。

日常的に幼児クラス(3、4、5歳児)で縦割り保育を行っており、身支度や着脱、活動の手伝いなどにおいて、年上の子どもが年下の子どもの生活の手伝いをする姿が見られています。また現在は社会情勢を受けて休止中ですが、幼児クラスは月に一度シャッフルデーを行っています。シャッフルデーはクラスを跨いだ活動が可能で園児に好評の催しとなっています。そのほか、海外の文化に親しむ機会として、モンテッソーリ教育の文化教育、異文化交流を行っています。国内各地の文化に親しむ機会としては、給食の献立で食事の工夫をしています。

要支援児は定員の1割をめどに受け入れており、要支援児の保育については、発達支援センターなどの専門機関と連携しながら対応しています。また心理士などの専門職の指導・助言も受けています。職員は、クラスの打ち合わせや研修会に参加し、子どもの気持ちを尊重する知識や技術を学んでいます。園児同士のトラブルや事故が発生した際は、児童票・ヒヤリハットに記録し、保管しています。そのほか就学支援に向けた取り組みとして、授業見学・展覧会見学・給食体験などを実施しています。

登園時には毎回保護者へ、体調・体温(乳児は朝食・睡眠時間・薬など)を確認するとともに、視診により園児の表情や挨拶の仕方などを観察しています。登園時に保護者から得た情報は、朝夕申し送りをし、職員間で引き継いでいます。なお連絡ノートは、1、2歳児クラスで毎日取り交わしています。降園時には毎回保護者へ園の様子、体調を報告しています。

園児の発達の段階と支援の方法は、全体的な計画・発達経過記録に記載されており、基本的な生活習慣については、年間・月案・個別指導計画に基づき指導しています。指導については、自分でできる喜びを体験できることを重視しており、自分でできるよう最低限の援助を行うよう配慮しています。具体的には、食事指導については、食具を使ったあけ移し、栽培、料理保育の実施など、排せつ指導については、1歳児は2学期からオマルに座るトレーニングを実施しています。また着替え指導では、職員手作りの教具を使用し、手先の訓練を行っています。

午睡時間は、乳児は12時～14時45分で設定し、幼児は12時30分～14時30分で設定しています。なお午睡の際は、コットベッド・タオルケット・シーツ・防炎毛布などの寝具を使用しています。午睡時間に眠れない子がいた場合も、なるべく体を休めるよう伝え、その場で静かに過ごしてもらっています。そのほか就学準備として、4歳児は11月から個別に対応しながら午睡をなくすようにしています。

子どもが主役の保育園として、園児一人ひとりのペースや特徴に合わせた保育に取り組んでいます。そのため、園内には遊びに応じた保育室のコーナーを設けています。またクラス全体で取り組む活動として、キッズパワー(体操)、和太鼓(5歳児)を行っています。園児たちが主体的に取り組める集団プログラムとしては、5歳児がクリスマス会降誕劇の配役決めなどを行っています。具体的には自分の希望する配役を第三希望まで自分自身で考え、園児たち同士で話し合う場を設けています。

園児同士が意見交換をする機会として、分級活動、帰りの会を行っています。また言葉を使った表現力を育む機会として、ごっこ遊び、モンテッソーリ言語教具の整備や、音楽的な表現力を育む機会として、和太鼓、ピアニカ(5歳)、楽器遊び、歌、身体を使った表現力を育む機会として、キッズパワー(体操)、CD体操を行っています。特に和太鼓では、発達支援児も参加し、みんなで活動して楽しめるプログラムとして実施しています。そのほか、絵画的な表現力を育む機会として、絵の具遊び、クレヨン画、貼り絵、ちぎり絵を行っています。

広い園庭があり、園児たちは砂場、遊具、ボール遊び、縄跳び、竹馬、乗用玩具などの活動を行っています。散歩は月に2回程度実施し、近隣の公園でいつもと違った遊具遊びや、かけっこ、落ち葉拾い、凧揚げなどを行っています。また園庭では、桜やビワの木や、夏野菜、季節の草花などの植物や、金魚、セミ、トンボなどの昆虫、虫の幼虫などの生き物に触れられます。そのほか、生活・遊び・対人関係のルールとして、人が嫌がることはしない、順番を守るなどを説明しています。

年間行事は、七夕、クリスマス、新年会、節分、ひなまつりなどの季節行事のほか、子どもの成長や保育の成果を発表する機会として、マリア祭、プレイデー(運動会)を実施しています。なお、行事開催に向けて園児の興味や関心を高めるための工夫として、行事の絵本や行事の装飾を園児と一緒に作っています。当園はカトリックの保育施設のため、目に見えないものに感謝をしたりすることを重視しています。特にクリスマスの1か月前からクリスマス献金を行い、困っている人たちにも思いをはせるなど、子どもたちの分かち合いの心を育んでいます。

年間行事予定表は、毎年4月頃に保護者に配布し、行事毎の目的は、園だよりで伝えています。また保護者が参加・見学できる行事として、マリア祭、父母の会、プレイデー(運動会)、クリスマス会を実施しています。プレイデー(運動会)は、保護者も観客としての見学ではなく、一緒に参加してほしいとの思いで、運動会ではなくプレイデーと命名しています。保護者が参加していない活動については、掲示板へのドキュメンテーションの掲示、動画の公開で伝えています。

園児の誕生会は、その子の生まれた日に個別に行っています。誕生会は保護者参加で、その子の生まれてからのエピソード発表や作成した誕生日カードを渡しています。また、誕生日の1か月ほど前から、お誕生日プレゼントかごを用意し、他の園児から手作りのプレゼントを渡す取り組みを行っています。園児同士で誰がいつ誕生日なのかを理解し、手作りのプレゼントを製作しています。

園児が安心してくつろげる環境整備として、絨毯や匍匐室(ほふくしつ)での活動を設定しています。日中疲れてしまった園児がいた場合は、匍匐室、各自のコットベッドで休息することができます。また一人きりになりたい園児がいた場合は、絵本コーナー、匍匐室で過ごすことができます。そのほか、園庭のベンチ設置や一人用の机を用意するなど、リラックスして自由に過ごせる環境を整備しています。

延長保育は、18時30分に年齢別保育から合同保育に切り替わり、1歳児保育室 (匍匐室有)で行っています。なお合同保育では、人数も少なくなるので、家庭に近い雰囲気で子どもたちが安心して遊べる教材や玩具を用意しています。また延長保育の時間帯は、遅番職員がそのまま保育にあたるなど職員体制を工夫するとともに、寂しくならないようにスキンシップを多くとるなど個別の対応に配慮しています。

食事は配膳や取り分けなど、毎日バイキング形式で実施しています。場所も固定しておらず、自分で座る場所や一緒に食べる友だちを選んで食べることが可能です。なお幼児クラスでは、6人テーブルに各年齢の人数を定める(各2人ずつ)など、異年齢が座って食べられるよう工夫しています。苦手な食べ物を上の子が食べているのを見たり、世話をする姿も見られています。現在は社会情勢を踏まえ、席を固定することでいつも同じ友達と食べる安心感など、落ち着いて食事できる雰囲気・環境作りを工夫しています。

食事は季節の食材を使用し、和食中心の献立をコンセプトに自園調理で提供しており、行事食は彩り、薄味、調理の味付けなど工夫して提供しています。また利用者の嗜好把握に向けて、栄養士が毎日園児の喫食状況を確認するとともに、5歳児ではリクエストメニューを実施しています。食物アレルギーのある園児については、「食物アレルギーマニュアル」に沿って除去食を提供し、他児と同じ時間に食事をとっています。アレルギー食の提供は、食器を色分けし、調理員が配膳、個別の机で食事を行い、誤食を防いでいます。

食文化を深める機会として、栄養士による食育プログラムを行っています。栄養士や調理師は、行事メニューの時に園児と触れ合いながら配膳などに参加しています。また食育を目的として、ナス、ピーマン、トマト、小松菜を栽培しています。栽培した野菜や果物は、味噌汁、サラダなどの料理に使用しています。なお食育計画は、全クラスの計画を保育士が立てるとともに、栄養士が5歳児の食育計画を立てるなど、保育と調理の両面から支援する体制を整備しています。

園児の防災・防犯意識を高める取り組みとして、防災頭巾を被って行う園内・園外の避難訓練や、避難滑り台の使用に取り組んでいます。また健康指導として、毎月の身体測定、手洗い、うがい指導を行っています。園内の事故・怪我防止に向けた対策としては、毎月園内外チェックリストで危険個所の点検を行っています。そのほか、交通安全に向けた指導として、足立区の交通安全教室を開催しています。

健康状態を把握するため、春秋の健康診断(年2回)、歯科検診(年1回)を実施しています。歯磨き指導は、保育士が給食とおやつの後に行っており、3歳児からは歯ブラシを使用して実施しています。なお5歳児は、歯科衛生士による講話も行っています。与薬は基本的に行っていませんが、与薬の必要な病気や熱性痙攣の場合は、薬を預かっています。与薬を行う場合は、与薬証明書(病院の薬のみ服用可能)を提出してもらっています。

子どもの健康に関する情報は、園だよりに保健だよりとして毎月掲載し、保護者に伝えています。感染症が発生した場合についても、園だよりで情報提供しています。また午睡時は、午睡チェック表記載を使用し、健康状態をチェックしています。そのほか、感染症やSIDSに関する研修として、職員を対象に嘔吐の処理、エピペンの使用方法を実施しています。なお正規職員は全職員上級救命講習を受講し、有事に備えています。

子育てに関する保護者の価値観や就労状況については、保護者勤務状況及び災害時引き取り者名簿に記録し把握しています。また11月に個人面談を実施するほか、随時必要に応じて個人面談を実施しています。なお保護者対応に関する接遇マニュアルとして、保護者クレーム対応・保育園業務マニュアルを整備しています。そのほか保護者対応について、気になる保護者への対応などの研修を実施しています。

保護者間の交流を促進する取り組みとして、保護者会・クラス懇談会・各種行事を実施しています。園には保護者会(父母会)があり、役員会・夏祭り・保護者会・保護者総会などを実施し、園の運営を支援しています。また保護者と職員の信頼関係を深めるための取り組みとして、毎年、職員紹介の配布や、月1回園長の子育てサロンを行っています。そのほか保育参観は、随時、保護者の都合に合わせ、申込で受け入れを実施しています。

子育ての考え方について、互いの理解を深めるための取り組みとして、クラス懇談会での情報提供や個人面談会を実施しています。また保護者を対象に、毎年育児講座を開催しています。加えて対応が必要な家庭に対しては、イヤイヤ期の関わり方・持ち物・行事の説明などの支援を行っています。そのほか保護者用の図書コーナーを設置しており、モンテッソーリ、キリスト教保育の本を保護者に貸し出しています。

地域資源を活かした取り組みとして、近隣の公共施設(消防署・商店街・図書館・プラネタリウム・博物館)などに訪問しています。また、毎年近隣の高齢者福祉施設3か所に訪問し、歌や合奏、体操を披露するなど、高齢者と交流を図っています。さらに、他の幼稚園児や保育園児との交流を目的として、就学前交流ミニ運動会を実施しています。近隣の幼稚園・保育園年長児が集まって、ゲームや競技を行うことで円滑な就学支援につなげています。

地域向けに、夏祭り・桔梗の会(敬老会)・異文化交流を開催し、地域の方と交流を図っています。外国籍の保護者に協力してもらい、海外の料理を親子で作って食べたり、海外の踊りを楽しむ催しも行っています。また、保育実習生やボランティア及び研修生などを積極的に受け入れ、園児の多様な世代との交流を図っています。

個人情報については、入園時に個人情報保護方針を配布して説明し、同意書で確認しています。なお、突発的に個人情報を提供する必要が発生した場合は、個人情報取り扱いに則って対応しています。また園児の羞恥心に配慮した取り組みとして、着替え時はカーテンを閉める・トイレ内での着脱などを徹底しています。加えて、夏場に屋上でプールを行う際は、周りから見えないようサンシェードで目隠しをしています。

園児の権利を尊重する取り組みとして、就業規則・個人情報保護規定に則った対応を心がけています。人権研修では、社会福祉協議会の主催する外部研修「人権全般の基本的な理解」などに参加しています。また子どもと保護者の価値観や生活習慣を把握するため、歯科アンケートやベジタベアンケートを行っています。なお保護者の価値観に配慮した取り組みとしては、登園時間の配慮などを行っています。

虐待防止に向け、リスクマネジメントの中の虐待の種類をテーマに研修しています。また東京都社会福祉協議会、民間保育園協会、日本保育協会などさまざまな機関に所属しており、それぞれの機関が主催する研修に積極的に参加しています。なお自治体や専門機関が主催した虐待防止研修には、毎年複数名参加しています。併せて、虐待に関するニュースなどが報道された際は、朝礼や終礼で報告、職員室掲示板に掲示により周知しています。

「保育園業務マニュアル」「危機管理マニュアル」など現時点で48種類のマニュアルを整備し、ファイルとして職員に配付しています。職員は分からないことが起きた場合や、業務点検の手段として活用しています。なおマニュアルに沿った業務の実施状況は、随時、また新学期前に確認し、その実施については、副園長・保育主任・保育士などが中心に確認しています。またマニュアルに変更や更新があった際は職員会議で確認することで、マニュアルの理解と活用を促しています。

サービスの向上を目指し、コロナウィルス感染症防止のため保護者が保育参観できなくなったことを受け、動画配信サービスを開始しています。専用のサイトを活用し、保護者がいつでも動画を閲覧できる環境を整備することで、保護者に好評を頂いています。また保護者の意見をもとにサービス向上を図った事例として、安全管理の面から中門に暗唱番号入力の鍵の設置を行いました。