東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

園の保育理念は「地域における保育が必要な乳幼児を預かり、安全と健康を最優先し、この子ども達の健全な生育を目指すことを使命とします。最善の保育課程を実施し、一人ひとりの子ども達の幸せに寄与することに努めます。」です。園の理念は法人理念と合わせて「園のしおり」に記載し、毎年保護者に配布しています。これらの理念について職員の理解を深める取り組みとして、新年度準備会議や職員会議、新人研修の際に説明を行っています。そのほか、園の全体的な計画は、クラス懇談会などで保護者に説明しています。

園長は職務分担表を基に、自らの役割や責任について年度末の職員会議などで職員に伝えています。また法人は保育園の運営をサポートし、日常の業務にかかわる規程類や行動規範などの文書化を進めています。そのほか、園長が参加している法人全体の定例会では、理事長からメッセージを発信する機会も設けており、職員会議で職員と共有するようにしています。なお年末年始などの節目には、全職員にお菓子などをプレゼントするなど、コミュニケーション促進にも努めています。

園内の決裁の仕組みについては、安立園規程集に記載し、予算額や内容に応じてそれぞれの会議で検討・決裁を行っています。また法人内で各部署（保育・高齢など）から選出した職員が参加する委員会（防災・サービスマナー向上・感染症・衛生・ボランティア・広報・主任会）があり、各委員会で検討されることもあります。重要な案件は、職員会議・終業時会議（立ち会議）で職員に伝えているほか、園だよりなどで利用者に伝えています。そのほか、内容によってはホームページや園内外の掲示板を活用し、近隣住民に伝えています。

利用者のニーズは、日々の連絡帳・クラス懇談会・父母会・第三者評価利用者調査などにより把握し、職員会議で職員に報告しています。また職員のニーズは、職員会議・職員個人面談（年2回）・職員アンケートなどにより把握しています。保護者のニーズを反映させた事例として、コロナ過で制限されている行事を見たいという保護者の声を受けて、行事の様子を撮影したDVDを作成し全世帯に配布しています。そのほか、地域の福祉ニーズは私立保育園園長会やコミュニティ・スクールへの参加により把握しています。

基本方針・重点目標・実施計画が記載された「事業計画」を毎年作成し、理事会での決裁後、職員に伝えています。今年度記載している重点目標の中で最も優先順位が高いものは、保育実施要領を基にした保育内容の充実となっています。また園の予算や決算状況についても、事業計画書や事業報告書で伝えています。なお、これら予算・決算書類は法人事務局に保管するとともに、法人LAN内に格納しています。園は今後、より具体的な事業計画の策定や定期的な見直しの機会を設けていきたいと考えています。

単年度事業計画の中には、実施計画として「保育環境の整備」という項目があり、主に修繕などの予算を計上しています。今年度は2階の保育室・廊下の床貼替及び壁紙張替・天井塗装などを計画・実施しています。今後は人材育成や、園舎の築年数が35年を経過していることから修繕を計画的に行っていきたいと考えており、中長期計画を策定する予定です。

法人職員または保育職員として守るべき法や規則についてまとめた書類として、就業規則などの安立園規程集・晴見保育園保育実施要領などを整備しています。なおこれらの書類は、法人事務局・保育園事務所内・法人LAN内に保管しており、全職員が閲覧することが可能です。守るべき法や規則に対する理解度が不足している職員に対しては、園長・副園長・主任・看護師などが個別に指導しています。

苦情解決制度を整備し、苦情受付担当者は副園長、苦情解決担当者は園長が担っています。保護者には入園時の説明会で利用方法などを伝えるとともに、園内掲示・重要事項説明書・園のしおりで周知しています。また職員の子どもに対する言葉遣いや立ち振る舞いの規範については保育実施要領に記載しており、職員研修で理解を深めています。万が一、虐待が疑われる事例が生じた際は、虐待防止マニュアルに沿って対応し、子育て家庭支援センターなどの専門機関や園長会などで情報を共有しながら解決に取り組んでいます。

地域における保育の拠点の役割を担うため、毎年育児講座を開催しています。育児講座では保育に関すること、看護に関すること、食事に関することのテーマ毎に年3回実施しています。講座後には意見交換会を実施し、参加者の感想や要望を聞く機会を設けています。また育児講座は、今年度は動画配信による講座とし、メールでの申し込みにより閲覧可能にするなど、広く発信するための工夫をしています。今後はホームページ改修により、情報発信の際の利便性を高めていきたいと考えています。

運営に係るリスクとして最優先で対策に取り組んでいるものは感染症で、2番目が園舎の改築です。感染症については法人内の感染症委員会で、感染症リスクに対する研修の実施や具体的な対応について検討しています。また園舎の改築については、副園長が主となって修繕の計画を立てていく予定です。また今年度は、事故報告書、ヒヤリハット報告書をインシデント・アクシデント報告書に名称及び様式の変更を行いました。新しい様式では経緯・内容・再発防止に向けた取り組みが記載出来るようになっています。

法人で事業継続計画（BCP）を作成し、有事の際に備えています。想定している復旧期間は、発災後3日から1ヶ月程度と定め、法人事務局を対策本部に設定しています。計画の内容は職員には職員会議で、利用者にはクラス懇談会・父母会などでそれぞれ伝えています。なお危機管理マニュアルやBCPは、法人事務局や法人LAN内に保管しています。BCPは作成してから10年近く経過しているため、現状に即してより詳細なものに見直しています。

個人情報保護に関して、入園説明の際に重要事項説明で保護者に説明し同意書を双方確認しています。また職員に対しては、入職時に情報管理に関する誓約書を取り交わしています。加えて、パソコンの管理は法人の規則に従い、パスワードの管理と役職によるアクセス権限を設けています。なお情報管理規定や文書管理規定は現在作成中となっています。そのほか、個人情報や機密性の高い情報を含む文書は、保育園事務所内の鍵付きキャビネットに保管しています。不要になった機密文書はシュレッダー処理、または業者に依頼し破棄しています。

求める職員像については「晴見保育園の執務心得」に記載しています。職員の求人は、ホームページ（保育園及び法人）・学校連携・ハローワークで行っています。また園で受け入れた実習生が就職に繋がる場合もあります。福利厚生の具体的な内容として、制服支給・娯楽施設・宿泊施設の割引などがあります。さらに有給休暇の取得は100％と高く、出産・育児・介護休暇や育短勤務の取得実績もあり、働きやすい環境が伺えます。現在優先的に採用したい職員の具体的なイメージとして、周りに配慮し、常に問題意識をもって行動出来る人材と考えています。

法人や園全体の研修計画は、研修計画に明示しています。なお個人別研修計画は、常勤職員（保育士・栄養士・調理員）で作成しています。研修を受講後は、職員会議で研修報告会を実施するほか、研修報告書を職員で共有するようにしています。またキャリアパスシートに設定されている階層の数は5段階で、内容は職員会議で職員に伝えています。一方で、現在整備されているキャリアパスシートは法人内の高齢者施設がベースとなっており、保育園の実情に合わせた運用に向けて見直しを検討しています。

人事考課規定を設け、毎年11月に職員が掲げた目標の達成状況を振り返る個人面談を行っています。また職員会議や終業時会議の中で職員が日頃の気づきについて意見交換を行ったり、会議を少人数にするなど、意見を出しやすくする工夫をしています。加えて、組織力を向上させる取り組みとして、法人内の委員会や園内で農業体験・地域支援・園だよりなどのグループを作り、それぞれが取り組みを行っています。

リーフレットには保育理念・保育目標・日課・年間行事・子育て支援などの内容を記載されているほか、日々の活動の様子が分かる写真がたくさん掲載されています。園のホームページも概要・保育理念・目標・行事写真・子育て支援のほか「情報のひろば」として献立表・保健だよりなどの内容が紹介や、写真付きで行事の報告なども掲載されています。トップページには、園の情報が分かりやすくまとめられた動画のリンクもついており、イメージがより伝わりやすく工夫されています。

園の情報は市が発行している市報やホームページでも確認することが出来ます。市のホームページでは施設案内のページ内に同園の情報が掲載されており、所在地や連絡先のほかに園舎の様子を画像で見ることが出来ます。また同市が発行している子育て情報サイト「子育てのたまて箱」にも情報が掲載されており、保育指針・定員・サービス内容などを確認することが出来ます。このサイトは冊子も発行しているほか、外国語にも対応しており、英語・中国語・韓国語などでその内容を確認することが出来ます。

見学は、主に主任が担当しており、希望がある時は都度開催しています。見学者には、園の特徴として各クラス少人数制を取っており、家庭的な雰囲気の中で保育をしていること、敷地内にある高齢者施設との交流を通して思いやりや優しさを育んでいること、周辺の公園や大学への散歩を通して、自然の中で感性を育てる保育を実施していること、音楽・体育・書道など様々なプログラムを実施していることなどを、園内を案内しながら丁寧に説明しています。

入園が決まった利用者には2月第2週、または第3週の木曜日と土曜日に説明会を開催します。入園説明会には子どもと一緒に参加している保護者も多いため、必要な説明をしつつも出来る限り短時間で終わらせるように心がけています。また園のしおりや勤務状況連絡・家庭連絡表などを配布するとともに、園の保育内容は重要事項説明書で確認しています。また子どもの写真や動画の使用や、プライバシーの保護については「児童及びその保護者等に係る情報の同意書」で確認することとしています。

入園前の子どもの生活状況・アレルギーの有無・既往歴などは、家庭調査票・生活調査書などに記録しています。入園時には保護者や子どもの不安・ストレスを緩和するため、1週間を目途に慣し保育を実施しています。慣し保育の期間中は、保護者の保育に対する理解や安心を深めるため、担任の保育士が送迎時に子どもの様子を詳しく伝えるなどの配慮をしています。また慣し保育中は、慣れ親しんだハンカチ・タオルなどの持ち込みを許可しています。

卒園前に退園や転園をする子どもには、作品帳・写真アルバム・寄せ書きなどをプレゼントしています。また転園先から要望があれば園で把握した子どもの情報などを提供しています。また今後の取り組みとして、卒園前に退園や転園をする子どもに対して、ホームページを活用して行事の動画配信を実施していきたいと考えています。

保育日誌は、0～2歳児クラスについては個別に記録欄を設け記載し、連絡ノートは、全クラスで毎日取り交わしています。児童票・日誌・連絡ノート以外では、個人別記録記入簿を利用しています。園児の個別の保育目標は、児童表・月案指導計画・個人別記録記入簿に記録しており、家庭や保護者の個別ニーズや支援方針は、勤務状況連絡・家庭調査票に記録しています。児童票については、2歳児の子どもの姿を月毎に、3～5歳児の子どもの姿を四半期毎にそれぞれ集約しながら記録しています。

最新の全体的な計画は3月に作成し、年間から月間・週間などの指導計画に展開しています。指導計画は0～2歳児クラスについては個別に作成し、5歳児では就学前教育カリキュラムとの整合性を図るなど、子どもの状況を踏まえた内容にすることとしています。また全体的な計画や個別の指導計画は、クラス懇談会や個人面談で保護者とも共有しています。指導計画は月末、年度末のほか必要に応じて適宜見直しを図り、指導計画を緊急に見直す際は、カリキュラム会議に諮ることとしています。

子ども一人ひとりの変化を全職員で共有するための仕組みを構築し、保護者とのコミュニケーション強化に努めています。子ども達の変化は月2回実施している職員会議で共有されており、この会議には保育士をはじめ、看護師・栄養士・事務・園長・主任が参加しています。日々の申し送りは、終業時に実施している「立ち会議」や「立ち会議録」などが使われ、職員は確認後、閲覧名簿に印をつけています。必要に応じてパート会議を実施して情報を共有し、同じ視点で支援が出来るように心がけています。

一人ひとりの子どもの発達や生活状況などは、面談や送迎時の会話・連絡帳などを活用して把握し、児童票に記録しています。日々の活動の様子や成長状況については、保育日誌や個人別記録記入簿に記録しています。室内環境は少人数保育の特長を活かして家庭的で温かい雰囲気が作られ、園内には生活目的に応じた食事、昼寝、着替えなどのコーナーを設けています。また遊びに応じて、絵本・ままごと・ブロック遊びなどのコーナーを設け、子ども達が主体的に活動出来るように工夫しています。

3～5歳児では日常の中で定期的に交流が行われているほか、年齢の違う子ども同士で散歩に出かける機会も見られます。また異年齢の子どもが触れ合う機会としてはプールでの着替えや靴の脱ぎ履き、食器の配膳などの生活場面があり、年上の子どもが年下の子どもの生活の手伝いをする姿が見られます。一方で、外国の文化に親しむことが出来るように、敷地内にある高齢者施設の利用者と交流するハロウィンごっこやクリスマス会を実施しているほか、神社での七五三宮参り・七夕飾り制作・節分豆まきなど日本の文化に触れる機会も設けられています。

特別な配慮を必要とする子どもの受け入れは随時行っており、子ども発達支援センター・子ども家庭支援センターなどの専門機関と連携しながら対応しています。また日々の保育においても、臨床心理士などの専門職の指導・助言を受けながら対応しています。発達の過程で生じる子ども同士のかみつきなどのトラブルには、保育士が未然に防げる距離を保って見守るようにしており、園内研修会を通じて子どもの気持ちを尊重する知識や技術の習得に努めています。さらに就学支援に向けた取り組みとして、小学校との交流会・学校見学を実施しています。

登園時には毎回保護者へ体温・健康状態を確認し、視診（子どもの顔色・傷・声の調子など）を行っています。また登園時に保護者から得た情報は、立ち会議録・児童表・職員会議録を使用し、職員間で共有しています。降園時には毎回保護者へ当日のエピソードやその日の健康状態を伝えることとしています。当日の活動の様子は、毎日の連絡帳以外にもスケッチブックを使ったメッセージや行事などの写真はホームページでも伝えるようにしています。

子どもの発達の段階と支援の方法は、個人別記録記入簿に記載されています。基本的な生活習慣については、指導計画に基づき指導しています。また年齢毎の目安や自立に向けた園での取り組みを説明し、家庭と連携した支援をしています。具体的な取り組みとして、発達に応じてスプーン・フォーク・箸への移行を実施しているほか、排尿間隔が空いてきたらトイレトレーニングを実施しています。そのほか歯が生え始めたら歯ブラシに慣れるところから始めたり、着替え指導では、着脱しやすいよう専用の椅子を用意しています。

子どもたちの午睡の時間は乳児で12時から15時、幼児で12時半から15時に設定しています。午睡の際には0歳児は布団・タオルケットを使用し、1～5歳児はコット・タオルケットを使用しています。午睡時間に眠れない子どもがいた場合は無理に寝かせることなく、保育室の空いているコーナーで静かに過ごすこととしています。また就学移行に向けた準備の一環として、年明け2月～3月にかけて午睡をなくすようにしています。

遊びに応じた絵本・ままごと・ブロック遊びなどのコーナーを設けているほか、地域や人とのふれあいを育む活動として、農業体験・お年寄り交流会などを行っています。また子ども達が遊び込めるような様々な工夫も見られ、お店屋さんごっこではお店屋さんの内容や、発表会で実施する劇のセリフを子どもたちで決めるようにしています。生活や遊びなどのルールについては朝の会などを活用して話しています。子どもが自分自身の気持ちをコントロール出来るよう紙芝居などを使用し、気持ちの表現方法について学ぶ機会も持っています。

「豊かな感性や表現力を育み、創造性の芽生えを培う」を保育の目標とし、子ども達が様々な活動を通して表現力を育む環境を整えています。手遊び・リトミック遊びを実施している音楽指導や、体操指導は外部の講師を招き、ミニコンサートや運動会でその成果を披露しています。またお絵描き・ちぎり遊びなどによる制作、ボランティアによる絵画指導や書道指導などのプログラムも取り入れています。音楽、体操、絵画、書道などのプログラムはそれぞれ月に1〜2回実施されており、子どもの学びの芽を育んでいます。

戸外活動は基本的に毎日行っており、園舎の屋上や園庭を使った活動や散歩を実施しています。園庭では総合遊具・砂場・鉄棒・ジャングルジム・追いかけっこなどの活動をしています。散歩は1週間で1～2回程度実施し、近隣の公園・大学・商店街や自然豊かな公園などに出かけて虫探し・自然物集め・ブランコ・滑り台などで遊んでいます。園生活では夏野菜・チューリップ・杏・ブナなどの植物に触れられるほか、近隣大学のサークルの協力により、うさぎ・モルモット・やぎなどの小動物に触れたり、ポニー馬車に乗る機会があります。

日本の伝統的な七夕・初詣・節分・ひな祭り、季節を感じられる盆踊りや芋ほり、成長を感じられる運動会・クリスマス会など様々な行事を実施しています。運動会では体操指導で習った跳び箱や鉄棒、クリスマス会では劇や歌を各クラスで発表しています。行事開催には、子どもの興味や関心を高めるために、季節や行事に合わせて園内装飾を変えています。5歳児のお泊り保育は年に1回実施しており、日中は遠足に行き、夕方には子ども達が植えて収穫したジャガイモを使ったカレーライスを食べ、夜はキャンプファイヤーをして楽しんでいます。

年間行事予定表を毎年4月に保護者に配布し、前もって予定が立てられるようにするとともに、保護者参加の行事の前には、園だよりなどで日程の案内や簡単な内容などを知らせ、保護者の理解を得られるようにしています。保護者が参加・見学出来る行事として保育参観・保育園祭り・夏祭り・運動会・クリスマス会があります。運動会は通常園庭で実施していますが、荒天に備えて体育館を予約し、延期にならないように配慮しています。保護者が参加していない活動については、園だよりや写真の販売・掲示、ホームページなどでその内容を伝えています。

子ども達の誕生会は、乳児クラスと幼児クラスに分かれてそれぞれで行っており、誕生月の子どもの紹介や歌、カードのプレゼントのほか、子ども同士のインタビューを行っています。また誕生会の日のおやつにはいちごのショートケーキを提供しています。誕生会でプレゼントされる誕生カードには本人の写真や手形、保育士のメッセージも寄せられています。誕生会のインタビューでは他の子どもや職員などからヒーローインタビューさながらに、様々な質問やメッセージが寄せられる場面も見られます。

朝7時の開園から19時を閉園とする同園では、子ども達が安心して過ごせる環境を整備するために、各職員が子ども達の状況を把握し、各担任と連携しながら丁寧な関わりを持つことを心がけています。また日中疲れてしまった子どもがいた場合は、保育室内の絵本コーナーや、カーペットのある場所で休息することが出来るように環境を整えています。

18時以降を延長保育としており、合同保育で対応しています。延長時間帯の合同保育は遊戯室で行っており、この時間帯では普段遊べないパズルやボーリングなどの玩具を用意しています。延長保育では、常勤職員2名と専従の非常勤職員3名前後を配置し、ゆとりを持った体制を整えているほか、子どもが寂しい気持ちにならないようにスキンシップを多くとるなどの配慮をしています。

「心身共に健康な子ども」を目指し「食を営む力を培う」を掲げ食育に取り組んでいます。食事は各保育室で行います。子ども達は透明の仕切り板を境に向かい合って着席し、保育士とも会話を楽しみながら食事をしています。旬の食材をとり入れ、栄養に配慮した給食を提供しています。クラス毎に給食職員が喫食状況を確認し、その後の食事提供に反映させています。また保育士と給食職員が定期的に給食会議を実施し、食事提供に関わるテーマで議論しています。

給食は普段のメニュー以外に、リクエストや行事に合わせたメニューの提供も行っています。5歳児のお別れ給食では、メニューのリクエストを受けバイキング形式で提供しているほか、行事食では行事の内容に合わせて型取りや盛り付けを工夫し、見た目も楽しい給食を提供しています。食物アレルギーのある子どもには「給食マニュアル」に沿った対応をしています。食事は代替食を提供し、専用のトレイや食器を使用して別テーブルでの提供とするほか、保育士と給食職員でダブルチェックを行ない、誤食を防いでいます。

定期的に食育指導の時間を設け、農業体験や調理体験を通して食への関心が持てるようにしています。農業体験では、「農業チーム」を作り、敷地内の畑のほか近隣の高校や大学の畑を活用して、なす・里芋・さつまいも・じゃがいも・いちごなどを栽培しています。子ども達は種まきから収穫まで、一通り体験をします。栽培した野菜や果物は、肉じゃが・さつまいも煮・みそ汁・サラダなどの料理に使用しています。また調理体験は3～5歳児が行い、さつまいもを使用したスイートポテト作りや餅つきをして鏡餅づくりなどを体験しています。

子ども達の防災・防犯意識を高める取り組みとして、毎月避難訓練を実施しています。また防犯訓練は警察の協力のもと定期的に実施しています。加えて交通安全に向けた指導として年1回警察による交通安全教室を実施しているほか、毎月、交通訓練として横断歩道の渡り方や信号機の色の意味などについて伝えています。健康については手洗い歌・手洗いチェッカーなどを活用して手洗い指導を実施しているほか、園内の事故・怪我防止に向けた対策として、園内ハザードマップを作成しています。

子ども達の健康状態を把握するため、全園児健康診断（年2回）・歯科健診（年2回）・0歳児健診（毎月）を実施しています。歯磨き指導は、4～5歳児を対象に、歯型模型を使って磨き方の指導や絵本などを使って歯磨きの大切さを教えています。与薬は基本的に行っていませんが、食物アレルギー・アトピー性皮膚炎・熱性けいれんなど、園で対応が必要とされる場合には、薬を預かっています。与薬を行う場合は、投薬指示書及び投薬連絡票を提出してもらっています。

保健だよりは看護師が作成しており、毎月、時節に応じて必要な健康管理の情報や生活習慣上の注意点などについて掲載されています。またクラス懇談会では看護師が保健指導の内容について説明を行っています。感染症が発生した場合は、一斉メールや保健専用の掲示板で情報提供することとし、職員にはAED・嘔吐処理・誤飲・エピペンなどをテーマにした研修を通して、適切な対応が出来る体制を整えています。

子育てに関する保護者の価値観や就労状況については、勤務状況連絡・家庭調査票などに記録し、保育園の日常的なサービスに係る保護者の意向は個人面談や行事アンケート、送迎時の会話などを通じて把握し、丁寧な対応を心がけています。保護者に対して職員が適切な対応を出来るよう、日々の申し送りや職員会議などでの情報共有を進めるとともに、新人研修なども行なっています。

保護者間の交流を促進する取り組みとして、クラス懇談会を実施しているほか、父母会主催の夏まつりなどがあります。クラス懇談会は年2回実施し、子どもの園内での日々の様子を伝えるほか、保育の取り組みについて話をしています。また年1回の保育参加や年2回の保育参観・運動会・クリスマス会などの行事を通じて子どもの園での生活に触れています。なお保育参観の時期は決めていますが、保護者の都合に合わせて参加が出来るように工夫しています。加えて今後の取り組みとして、保護者を対象とした育児講座を計画しています。

地域資源を活かした取り組みとして、近隣の中学校・高校・大学と様々な連携を行っています。大学では、大学の先生を招いて昆虫の話をしてもらったり、学生サークルの協力のもと、うさぎ・モルモット・やぎなどの小動物に触れたり、ポニー馬車に乗る機会があります。また高校生と一緒に高校の敷地内で栽培したサツマイモ掘りを体験するほか、児童研究部の学生が紙芝居のボランティアに来ています。その他にも、中学校の科学部によるスライムづくりやペットボトルロケットづくりなど、様々な交流やプログラムを実施しています。

敷地内にある高齢者施設の利用者と、定期的に交流をしています。敬老の日・ハロウィン・クリスマスなどに合わせて、歌やダンスの披露、一緒にゲームをしたりするほか、高齢者施設の屋上でも戸外活動をするなど、日常の中で思いやりや優しさを育む機会になっています。近隣の公共施設には、消防署・郵便局などがあり、散歩の途中に見学をするなどしています。また勤労感謝の日に合わせて、ゴミ収集車の運転手に折り紙で作った押し花を贈呈しています。加えて、保育士・臨床心理士の実習生・中学生の職場体験など、定期的に受け入れを行っています。

育児講座・園庭開放・一時預かり保育などの地域支援事業のほか、地域向けに晴見保育園まつり・盆踊りを開催し、地域の方と交流を図っています。保育園まつりは一部と二部に分かれ、一部は、子どもとその保護者が一緒に体操やゲームなどでの交流をし、二部では、地域の方や卒園児を招いて、マジックショー・おもちゃづくり・出店などで楽しんでいます。また市主催の福祉まつりに参加して、高齢者と一緒にソーラン節を踊ったり、鼓笛隊として出演するなど、地域との交流を様々な場面で行っています。

入園時に個人情報とプライバシーの取り扱いを保護者に説明し、重要事項説明書（同意書）でその内容を確認することとしています。また突発的に個人情報を提供する必要が発生した場合は、その都度保護者に連絡し、同意を得ることとしています。日々の保育の中でも子ども達の羞恥心に配慮しており、例えば着替えやオムツ交換の際にはカーテンで隠すなど配慮しています。

子どもの権利を尊重する取り組みとして「晴見保育園保育実施要領」に則った対応を心がけ、職員会議の中で触れる機会を持っています。また子どもと保護者の価値観や生活習慣を把握するために、個人面談や行事アンケートを行っています。虐待防止や育児困難家庭への支援については行政主催の研修に参加しているほか、虐待に関するニュースなどが報道された際は会議などで事例として取り上げ、全職員が理解を深めています。虐待が疑われる場合や気になるケースを発見した時には、虐待防止マニュアルに沿い、専門機関と連携する体制が整えられています。

全職員に保育実施要領や安立園規程集などを配布しています。保育実施要領では、保育基本方針・保育マニュアル（基本的動作要領）、その他の保育マニュアル、職員の共通の理解などの項目が設けられており、職員は分からないことが起きた場合や業務点検の手段として活用しています。園でのマニュアルの実施状況は、園長・副園長・主任が中心となって毎年2月に確認しています。また新人研修や新年度移行の際に職員と確認しているほか、見直しはリーダー会議や職員会議で12月～1月にかけて実施しています。

今年度、コロナ禍における行事の実施について重点を置いて取り組んでいます。運動会は保護者の声を受けて、実施日や内容を変更したほか、0～3歳児はビデオで撮影し、後日保護者にDVDを配布しました。また4～5歳児については感染対策の上、直接見てもらう機会を作りました。さらにクリスマス会やクラス懇談会は動画配信を実施したり、個人面談は期間を長くとり、全保護者と実施出来るようにするなど、保護者の理解が得られるよう工夫しています。