東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

法人の運営理念は「home～ここに集い、ここに育み、そしてここから羽ばたく、ちとせ交友会は関わるすべての人にとって心安らぐ場所～home~でありたい」で、運営方針は「ゆきとどいた安全な環境と、家庭的なぬくもりの中で一人ひとりの子どもの発達に応じた保育をし、自律的な子どもを育てる」です。これらの法人のビジョン・理念について、職員の理解を深める取り組みとして、新任職員研修を始め、各種研修の中で伝えています。また保護者に対しては、入園説明会で説明しています。

園長や経営層の役割と責任は、運営規定・就業規則・職務分掌に記載され、職員会議・就業規則などで職員に伝えています。また経営層は、理事会・園長会・年度開始の訓示などで、職員にメッセージを発信しています。法人は経営層や園長が参加するコミュニケーションアプリを活用しており、その中で理事長からの動画メッセージを発信することもあります。そのほか、「伸び伸びと過ごし共に寄り添い合い語り合い成長を喜び合おう～チャレンジ＆スマイルが溢れるhome～」という園のショルダーフレーズを設定し、事務室内に掲示しています。

施設の増改築や定員の増減など園の根幹に関わる案件は、毎月開催される運営法人の理事会で決定し、系列園の園長会とリーダー会議を通じて職員に周知しています。園内の重要な案件については、内容によってエリアマネージャーとの相談や、園長・主任・各リーダーが参加するリーダー会議・職員会議において、検討・決定しています。決定した案件は、職員会議で職員に伝え、必要に応じて、園だより・掲示や連絡アプリによる配信で利用者に伝えています。

利用者のニーズは、行事後のアンケート・第三者評価により把握し、職員会議で職員と共有しています。利用者ニーズに対しての取り組み事例として、保育の見える化に取り組んでいます。保護者から保育の様子が分かりにくいといった声が多く聞かれたため、行事の様子を撮影したDVD配布や、活動の様子はドキュメンテーションとして作成し、掲示しています。この取り組みにより保育の内容や意図が伝わり、保護者からは喜びの声を頂いています。また職員のニーズは、個別面談・各会議により把握し、職員会議で職員と共有しています。

法人は将来ビジョンの実現に向けた中・長期計画を策定し、系列園の全園長が出席する会議で、法人理事長がその計画を報告しています。園は法人の中・長期計画を受けて、独自の単年度計画を策定しています。また事業計画に合わせた予算編成は園で行い、年間行事に合わせた予算や保育教材の購入費を盛り込んでいます。予算や決算状況は、決算掲示で職員に伝えるとともに、PCサーバー内に保管しています。そのほか、重点課題や重点目標は、事業計画書および報告書に明示されています。

事業計画には、運営環境・行事計画・運営目標・重点課題などが明記されています。今年度特に重視している目標は、「怪我の報告の徹底」です。毎週各クラス1件以上のヒヤリハット提出を目標に、3か月に1度集計し、傾向を分析する機会を設けています。この事業計画の進捗状況は、職員会議での担当者報告により、職員に伝えています。なお事業計画の内容を年度途中で見直す場合は、職員会議、行事会議で検討しており、園長・主任が中心となって決定しています。

法人職員または保育職員として守るべき法や規則についてまとめた書類として、就業規則を整備し、書類は鍵付きキャビネットに保管しています。加えて、子どもへの声掛けの仕方などを含むコンプライアンス研修を、園と法人エリア内の全職員対象に毎年実施しています。研修の理解度については、研修復命書により確認しています。なお、守るべき法や規則に対する理解度が不足している職員に対しては、職員との会話を実施し、支援しています。

苦情解決制度を整備しており、利用者からの意向や要望を伝えられた際は、制度に沿って対応しています。利用方法は園内掲示や重要事項説明書に記載し、保護者に伝えています。また職員の子どもに対する言葉遣いや立ち振る舞いの規範を示した職員の行動の規範、就業規則を整備しており、その方法を学ぶ機会として、園内研修を実施しています。園内研修では、頻回に変更される虐待の定義について説明するなど、毎年3回以上は確認と振り返りの機会を設けています。虐待対応に際しては、専門機関やネットワークと連携を図りながら取り組んでいます。

子育て支援事業として「みんなの広場」を開催し、職員が保育の専門性を地域に還元しています。「みんなの広場」では、離乳食の進め方・ベビーマッサージ・製作・水遊びを毎月実施しており、参加者が保育園の特色を知り、入園につながるケースも見られています。そのほかホームページや園内掲示で、園の全体的な計画や事業計画を地域に向けて開示しています。

運営に係るリスクとして、最優先で対策に取り組んでいるリスクは「職員不足・定着率の低さ」で、2番目が「園庭の改築」、3番目が「園舎の保善」です。これらリスクの内容や対策については、法人エリアマネージャーと各園長が集まるエリア園長会議で検討しています。リスクに対する具体的な対策として、メンター制度の導入や、ヒヤリハットの提出強化などを行っています。ヒヤリハットは、園全体で毎月60件以上の提出を目指しており、3か月に1度、怪我・アレルギー・交通事故などの項目に分けて分析しています。

情報管理について職員別にパソコンのアクセス権限を設定し、機密情報を管理しています。園長・主任・一般職員別にアクセス権限を設定しており、取り扱いが可能な情報に段階と制限を設けています。またカメラとビデオの映像は、サーバー内で管理しています。さらに簡易サーバーシステムで系列園と収集した情報を共有し、内容を分類して活用しやすいように管理しています。そのほか、児童票など個人情報を含む書類は施錠付きの書棚で保管し、原則として事務室外に持ち出すことを禁止しています。

法人の「特定個人情報取り扱い規程」および保護者に配付する重要事項説明書に、個人情報の利用目的や個人情報の保護に関する規程、開示請求に対する対応方法などを明示しています。利用者に対しては、個人情報の利用目的を入園説明会で説明し、園だよりなどへの写真掲載について同意書に署名を得ながら確認しています。職員には「個人情報保護規程」や「文書管理マニュアル」を作成して、適切な管理を図れるようにしています。

法人が求める職員像については、求人票やステートメントブックに記載されており、ホームページ・友達紹介・専門学校との連携・紹介会社の使用などで求人を行っています。なお求職者の応募を促す具体的な工夫として、わかりやすいHPの作成や既存園への見学や体験の受け入れを行っています。正規職員の採用は、法人人事部が行っており、非正規職員については園長が決定しています。

職員がキャリパスのイメージを把握しやすくするため、求められるスキルなどを記載した「キャリアパスシート」を作成しています。キャリアパスシートに設定されている階層の数は5階層で、内容は人材育成計画とともに、入職時研修や個人面談で職員に伝えています。なお個人別研修計画は、正規職員で作成しています。そのほか職員が受講した研修内容は、研修報告の回覧により、他の職員へ周知しています。職員が作成した研修報告書は、事務所キャビネットに保管しています。

職員間の良好な人間関係については、4者会議(園長・主任・副主任)を行い、客観的に把握しています。また、チームワーク向上を目的とするプロジェクト活動を行っています。具体的な取り組みとして、「クロース会」という職員間のコミュニケーション増進を目指した集まりを月3回(お昼に30分)実施しています。各職員は毎月1回以上は参加することとし、30秒スピーチをしたり、法人理念のカルタを作って理念への理解を深めています。そのほか、コミュニケーション会や5分ミーティングなど、職員間で交流できる機会を意図的に多く設けています。

法人は保育園の案内としてしおりを発行しているほか、園で独自に保育理念・保育目標・デイリープログラム・開園時間などの内容を記載したリーフレッをト作成しています。また園のホームページでは、園長挨拶・行事・アクセス方法・SNSなどの内容が紹介されており、写真を掲載することでわかりやすく保育内容を伝えています。さらに、届出に必要な書類もダウンロードできるようになっています。

園の情報は、調布市役所生活部保育課に定期的に報告しており、同区のホームページには市内保育園情報として、所在地・電話番号・定員などの基本情報が掲載されています。また地域に向けては、市報を活用し情報を伝ています。そのほか、法人で新たにSNSを活用した情報発信を開始しています。

園見学はできる限り希望者の都合に合わせ随時受け入れており、主に園長・主任が担当しています。見学者には園のパンフレットに沿って園内を案内し、特徴として「Homeのような温かい環境や自律を育む保育」、アレルギー対応などについて説明しています。また園児が自主的に活動している姿を見ていただけるよう、見学の時間帯について提案するなどの工夫をしています。説明会は2月の土曜日に開催しています。

入園が決まった利用者には、2月の土曜日に説明会を開催し、園でのルールや持ち物などについて写真を活用しながら分かりやすく伝えるとともに、入園のしおり・児童表・生活状況調査表・重要事項説明書・年間行事・慣らし保育日程を配布しています。保育内容は、重要事項説明の同意書で確認し、プライバシーの保護については、ホームページ・SNSに関する同意書で確認しています。把握した保護者の意向や園児の状況は、記録し、保管しています。

入園前の子どもの生活状況や、アレルギーの有無・既往歴などは、生活状況調査書に記録し、保管しています。また入園時には、保護者や子どもの不安・ストレスを緩和するため、2週間をめどに慣れ保育を実施しています。慣れ保育の期間中は、保護者の保育に対する理解や安心を深めるため、お迎え時に子どもの様子を詳しく伝えるなどの配慮をしているほか、園児の慣れ親しんだタオルや玩具などの持ち込みを許可しています。

卒園前に退園や転園をする園児がいた際には、園全体で開催しているお誕生日会で報告しています。また登園最終日には、退園や転園をする園児が各クラスをまわり、在園児からの寄せ書きや写真をプレゼントしているほか、3月にはお別れバイキングを実施し、園児に楽しい思い出をつくってもらえるよう工夫しています。

連絡ノートは、0～2歳児クラスで毎日取り交わし、園児の情報を共有しています。また児童票において、2～5歳児の姿を月1回毎に集約しながら記録しているほか、園児の個別の保育目標は個別カリキュラムに記録しています。そのほか、家庭や保護者の個別のニーズや支援方針については面談記録に記録しています。園児の日々の活動については、日誌や連絡ノート以外にも、ホワイトボードやドキュメンテーションを活用して報告しています。

全体的な指導計画は毎年見直し、それを基にした指導計画を年間・月間・週間毎に作成しています。特に5歳児の指導計画については、午睡時間の短縮・読み書き・生活的自律など就学前教育カリキュラムとの整合性を意識しながら取り組んでいます。なお指導計画は、0・1・2歳児クラスについては個別に作成しているほか、2歳児クラス以上でも要支援児の場合は個別に策定しています。また全体的な指導計画は入園時に配布し、個別の指導計画は個人面談の際に保護者に周知しています。

職員全体会議は毎月1回開催しており、正規職員(保育士・看護師)が参加しています。また毎月1回開催しているクラス別会議では、保育目標の達成状況や指導計画の推進状況などについて確認しているほか、職員ミーティングをできるだけ毎日5～15分実施しており、情報共有を行っています。申し送りの際には、申し送りノートを活用し、園日誌・クラス日誌と共に事務所に保管しています。なお会議録や申し送り表を閲覧した職員は、閲覧名簿に押印することで、閲覧状況を確認しています。

保育環境のコンセプトは、「家庭にいるような安心できる場所」としています。園内には、生活目的に応じた食事・着替えなどのコーナーや、廃材・既製品玩具・絵本・おままごと・カードゲーム(数字にふれる)などを揃えた遊びのコーナーを設けており、園児自身が自分のやりたいと思う遊びができる環境設定に努めています。また職員は園児が主体的に活動できるよう、自分で準備・片付けや管理ができる環境構成の工夫を凝らしています。

2・3歳児、4・5歳児で異年齢交流保育を行っており、ぬりえやカードゲームで遊んだり、一緒に散歩に出かけるなどしています。また縦割り保育を、0・1歳児、2・3歳児、4・5歳児クラスで行うなど、日常的に異年齢と交流できる場を提供しています。そのほか外国語に親しむことができるよう、ネイティブ講師による保育や、英語や給食(世界の料理を提供)の時間を通して、海外の文化に親しむ機会もつくっています。さらに国内各地の文化に親しむ機会としては、郷土料理の提供を行っています。

要支援児の保育に際しては、子ども発達センターなどの専門機関との連携や、理学療法士・保健師などの専門職の指導・助言を受けながら対応しています。また発達の過程で生じる園児同士のトラブルについては、法人研修への参加を通して子どもの気持ちを尊重する知識や技術を学んでいます。園児同士のトラブルや事故が発生した際は、軽微事故(未受診)記録・事故報告書・ヒヤリハット記録簿に記録し、保管しています。就学支援に向けた取り組みとしては、午睡時間の調整や保護者に就学支援シートを配布するなどの情報提供を行っています。

連絡ノートは、0・1・2歳児クラスで毎日取り交わしており、登園時には毎回保護者へ体温・朝食・睡眠・排便・機嫌・降園時間を確認しています。登園時に保護者から得た情報は、申し送りノートを使用し、職員間で引き継いでいます。また降園時には毎回保護者へ当日のエピソードや健康状態を伝えています。当日の活動の様子は、連絡ノート以外にクラスの活動を記載したホワイトボードでも伝えています。

園児の発達の段階と支援の方法は、成長発達の目安に記載されており、基本的な生活習慣については、デイリープログラムに基づき指導しています。食事指導については、トング・れんげすくい遊びや箸遊びを実施し、排せつ指導については、1歳になり興味がでてきた頃から便座に座る練習をしています。また歯磨き指導については、誕生日会の中で虫歯予防に関する講話を実施したり、年2回指導を行っています。さらに着替え指導については、年齢に関わらず各自が自分でできること(靴下を履く、上着を着るなど)から進めるようにしています。

乳児の午睡時間は12時～15時、幼児の午睡時間は13時～14時30分で設定しています。午睡の際は、布団・毛布・タオルケットなどの寝具を使用しています。午睡時間に眠れない子がいた場合は、各クラスや事務所で絵本を読んだり、布団の上で横になって体を休めるなどし、過ごしてもらっています。また就学準備として、5歳児は10月末から午睡を短くしています。

保育環境のコンセプトは、「家庭にいるような安心できる場所」としています。園内には、遊びに応じた廃材・既製品・絵本・おままごと・カードゲームなどのコーナーを設けています。また園児たちが主体的に取り組める集団プログラムとして、ディスカッションやビックブックのフォローアップを行っており、生活・遊び・対人関係のルールは、グループタイムやディスカッションの中で説明しています。さらに、リトミック・英語・園庭遊び・散歩はクラス全体で取り組み、集団遊びを通して園児が自分自身の気持ちをコントロールできるよう配慮しています。

園児同士が意見交換をする機会として、グループタイム・ディスカッション・ビックブックのフォローアップを行っており、それらの活動を通して園児の言葉に対する感覚も養っています。また、リトミック・楽器遊び・グループタイムなどを実施し、音楽的な表現力を育んだり、リトミック・生活発表会・ビックブックのフォローアップなどを通して、身体を使った表現力や言葉を使った表現力を育んでいます。さらに絵画的な表現力を育む機会として、廃材遊びや製作も行っています。

戸外活動は1週間に2回程度実施しており、近隣の公園などに出かけています。公園では、落ち葉・どんぐり拾い、遊具遊び、集団遊びなどの活動を行っています。また園庭では、集団遊び、ボール遊び、三輪車、コンビカー、砂場遊び、遊具遊び、縄跳びなどを行っています。さらに、桜・さるすべり・朝顔・チューリップなどの植物やカブトムシなどの生き物のほか、クラスごとに夏野菜を育てるなど、園生活を通して多くの植物や生き物に触れ合う機会を設けています。

年間行事として、こどもの日・七夕・お月見・ハロウィン・クリスマス・餅つき・節分・ひな祭りの季節行事のほか、子どもの成長や保育の成果を発表する機会として、運動会・生活発表会・卒園式を行っています。行事に向けて園児の興味や関心を高めるため、園内を装飾したり製作を行うなどの工夫をしています。また園児自身が内容を決めて実施する行事として、お店やさんごっこや夏祭りごっごを行っています。行事後はディスカッション、絵日記、製作を行うことで振り返ったり、記憶したりすることを支援しています。

年間行事予定表は3月に配布し、行事毎の目的は園だよりで保護者に伝えています。保護者が参加・見学できる行事として、入園式・夏祭り・運動会・生活発表会・卒園式を実施しています。保護者が参加していない活動については、ドキュメンテーション・クラスだより・SNSで内容を伝えています。SNSについては、担当の職員がプライバシーに配慮した写真を随時アップし、タイムリーに情報を発信しています。

園児の誕生会は園全体でお祝いしており、出し物・体操・インタビュー・行事にちなんだ豆知識クイズや講話などのプログラムと、歌と手形が入った絵本のプレゼントを行っています。誕生会では、ケーキのほか、季節(七夕、ハロウィン、クリスマスなど)にちなんだデコレーションが施された食事を提供しています。

園児が安心してくつろげる環境整備として、玩具の配置に工夫を凝らしているほか、日中疲れてしまった園児がいた場合は、各クラス内やランチルームで休息できるようにしています。また一人きりになりたい園児がいた場合は、事務所で過ごしたり、玩具が保管されている近くにコーナーを設け、玩具を使用し一人で集中して遊べる空間をつくるなどの配慮をしています。

延長保育は、17時30分にクラス別保育から合同保育に切り替わり、0・2・3歳児の部屋で行っています。延長保育の時間帯は園児が落ち着いて過ごせるよう、できるだけ同じ非常勤職員を配置したり、乳児は慣れた職員が担当するなど職員体制を工夫しています。また園児の不安やさびしさを軽減できるよう、個別のスキンシップを行うなどの配慮をしています。

食事は各クラス・ランチルームで行っており、席は自由に決めて良いなど、楽しく食事できる雰囲気・環境を作っています。幼児クラスは自分で配膳し、準備ができた園児から食べ始めるようにしています。またスタートと終了の時間だけを設定し、その時間内であれば自分のペースで食事ができるよう配慮しています。そのほか、給食室はガラス張りのドアになっており、調理師が季節にちなんだ装飾をするなど、園児に楽しんでもらえる工夫をしています。

食事はいろいろな食材に触れることをコンセプトに、郷土料理や世界の料理を食べる機会を設けているほか、行事食は見た目でも楽しめるよう、季節にちなんだデコレーションなど、工夫を凝らしたメニューを提供しています。また利用者の嗜好把握に向け、5歳児リクエスト給食を実施しています。食物アレルギーのある児童については、食物アレルギー対応マニュアルに沿って代替または除去食を提供し、別テーブルで食事を行っています。なおアレルギー食の提供は、色違いの食器・トレーを使用するとともに、職員・調理師で確認を行い、誤食を防いでいます。

食文化を深める機会として、郷土料理や世界の料理の紹介・提供、月1回の調理体験を実施しています。調理体験では年齢に合わせバナナをつぶす・きのこを割く・わかめを水でもどすなどのほか、ピザ・パンケーキ・クッキーなどの調理を行っています。また食育を目的として、園内でオクラ・トマト・パプリカ・ピーマン・きゅうりなどを栽培し、収穫後は切って種の様子などを観察したり、サラダなどの料理にして食べています。さらにお別れ会では、昼食やおやつをバイキング形式で提供するなど、園児が食についての関心を深める機会を提供しています。

園児の防災・防犯意識を高める取り組みとして、防災頭巾のかぶり方指導・月1回の避難訓練・年1回の引き渡し訓練(保護者参加)を行っています。職員は避難場所までの経路の確認や、消防署によるAED訓練への参加により、安全管理に努めています。また園内の事故・怪我防止に向けた対策として、園庭で注意すべき事項の掲示(職員向け)などを行うとともに、ヒヤリハット・軽微事故の記録により危険を共有し、対策を検討しています。

園児の健康状態を把握するため、0歳児健診(月1回)・内科健診(年2回)・歯科検診(年2回)・刷掃指導(年2回)を実施しています。2歳児クラスからは歯磨き指導を行い、園児自身が健康維持に関心を持つ機会をつくっています。与薬は基本的に行っていませんが、食物アレルギーや医者の診断があった場合には薬を預かっており、与薬を行う場合は、指示書を提出してもらっています。

健康に関する情報発信として、季節ごとの健康管理の情報などを掲載した保健だよりを毎月発行しています。保護者会には看護師が出席し、子どもの病気予防と登園の目安などを説明する機会を設けているほか、感染症が発生した場合には、玄関専用掲示板などで情報提供しています。また午睡時は、視診とともにベビーセンサーを使用して健康状態をチェックし、午睡チェック表に記録しています。そのほか、感染症やSIDSに関する研修として、職員を対象に嘔吐処理・アレルギー対応・AED研修を実施しています。

子育てに関する保護者の価値観や就労状況については、個人懇談記録用紙・家庭調査書に記録し把握しており、保護者とは、毎年個人面談を実施しています。また保護者対応に関する接遇マニュアルとして、ちとせ交友会行動の規範集を整備しているほか、職員は言葉遣い・電話の対応・意識する内容などの接遇研修に毎年参加しています。研修で使用した書類は職員で共有し、対応力の向上につなげています。

保護者間の交流を促進する取り組みとして懇談会を実施し、できるだけ保護者主体で話ができるよう、職員はファシリテーターとしてサポートするようにしています。また保護者から親しみを持っていただき、信頼関係を深めるため、園内に職員紹介コーナーを設置し、職員の顔と名前を周知しています。そのほか、保育参加・保育参観・保護者会を毎年実施し、保育の様子を伝えています。

子育ての考え方について互いの理解を深めるための取り組みとして、保護者会での情報提供・個別面談・園だよりの発行を実施しています。また保護者を対象に、生活リズム・離乳食の進め方・子どもへの接し方などの育児講座を開催しているほか、個別面談や保育参観などの支援も行っています。

地域資源を活かした取り組みとして、図書館に本を借りに行ったり、児童館で遊ぶなど公共施設を訪問しています。ほかにも、近隣の八百屋やスーパーマーケットで調理の材料を購入するなどしています。買い物は、クラスまたはグループごとに、材料を選ぶところから支払いまでを園児主体で行っています。

地域向けにみんなの広場を開催し、地域の方と交流を図っています。また5歳児は児童劇鑑賞教室に参加しており、他保育園の園児と交流する機会があります。さらに保育実習生・ボランティア・職場体験を随時受け入れており、職員以外の大人と接する機会も設けられています。そのほか、交流保育を月1回実施し、地域の方と一緒に制作に取り組むなど、地域のさまざまな方と交流する場を数多く作っています。

個人情報については、入園時にプライバシーポリシーについて説明し、ホームぺージ・SNSへの写真掲載に関するお願い・重要事項についての同意書で確認しています。突発的に個人情報を提供する必要が発生した場合は、その都度電話により同意を得て、対応しています。また園児の羞恥心に配慮した取り組みとして、水遊びや健診での着替えの際は、ラップタオルを使用したりロールカーテンを下ろすなど、外から見られないように配慮しています。

園児の権利を尊重する取り組みについては、職員の行動規範に則って対応しています。職員の人権教育では、園(法人)で保育・保育補助に関する人権研修を実施しているほか、ビデオを作成し全職員が視聴する機会を設けています。また子どもと保護者の価値観や生活習慣を把握するため、生活状況調査を行っています。保護者の価値観に配慮した取り組みとして、園児を呼び捨てやニックネームで呼ばないなどの対応をしています。

虐待防止に向け、子どもの接し方をテーマに研修を実施しているほか、職員は自治体や専門機関が主催した虐待防止研修に積極的に参加するようにしています。また虐待に関するニュースなどが報道された際は、ミーティングやリーダー会議で周知するとともに、日頃から園児の服装や清潔感、保護者の雰囲気や子どもへの接し方などに気を配り、気になる点がある場合には保護者と話をする場を設けるようにしています。さらに、必要に応じて家庭支援センターに連絡するなど、地域とも連携しながら組織的に虐待防止につなげています。

法人内で共通して作成・活用しているマニュアルとして、職員の行動規範・就業規則・保護者とのコミュニケーション・虐待防止・情報管理などを整備しています。マニュアルに沿った業務の実施状況は、主任保育士・エリアマネージャー・保育マネージャーが中心となって確認し、必要に応じて随時改版しています。また全職員に、職員の行動規範を配布しており、職員は分からないことが起きた場合や、業務点検の手段として活用しているほか、入職時研修・年度当初の職員会議・非常勤会議で、マニュアルの理解と活用を促しています。

今年度、特に重点を置いて取り組んでいるのは、チームワークと保育の質の向上です。そのためチームワークに関しては、意識的にコミュニケーションの場を設け、保育に関する話をする機会を増やしています。保育の質に関しては、日々の保育の振り返り(保育内容・子どもの様子など)を行い、職員同士で意見交換する場をつくるなど、目標達成に向け取り組んでいます。また保護者の声や職員の実践事例・研修成果をもとに、部屋のレイアウトの変更や行事への参加方法の変更など、さまざまなサービス向上に努めています。