東京都福祉サービス第三者評価  評価結果





評価結果基本情報

評価年度 令和3年度
サービス名称 認可保育所
法人名称 社会福祉法人遍照会
事業所名称 大森南保育園
評価機関名称 一般社団法人 地域ケア総合評価機構(令和4年3月31日までの評価機関)

コメント

評価には保育園長経験者や保育士として長年の実績を持つ評価者、事業所運営の経験が豊富な評価者が携わった。評価機関独自のワークシートを使って事前分析をおこない、訪問調査での的確な質問、効率的運営を心がけた。


(内容)
 Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像
 Ⅱ 全体の評価講評
 Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み
 Ⅳ 利用者調査結果
 Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)
 Ⅵ サービス提供のプロセス項目


公益財団法人東京都福祉保健財団
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Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像

1 理念・方針  (関連 カテゴリー1 リーダーシップと意思決定)
  事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)

1)人権の尊重:子ども・保護者・職員の人権を尊重する保育 2)子どもが主体的に園生活をおくれる保育 3)子どもの表現できない心情に寄り添い共感する保育 4)多様性を受入れ、保護者とともに子育てが楽しめる保育園 5)地域と連携し子どもの成長を喜び合う保育園

 
2 期待する職員像  (関連 カテゴリー5 職員と組織の能力向上)
  (1)職員に求めている人材像や役割

➀主体的に物事を考え、社会的役割に取り組む意欲と責任感を持っていること ②保育の専門性向上に意欲を持ち、自己研鑽に労を惜しまないこと ③職員同士の同僚性を重んじ、個人の生活、余暇活動も大切にすること

 
(2)職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

今日における保育園の社会的役割を認識し、子どもや保護者を肯定的に捉え、共感的態度で保育を実践する人であって欲しい。

 


Ⅱ 全体の評価講評

全体の評価講評

特に良いと思う点
1 保護者が安心して子育てをすることができるよう、保護者の個々の事情に応じた支援をおこなっている

入園前の個別面談で子育ての思いや家庭環境、就労状況などを把握し、個々の状況に応じた支援をおこなっている。また、保育参観・参加後の個人面談では子どもの様子を伝えながら、子育ての悩みや心配事などについても話を深め、保護者の気持ちを受け止め、家庭と園との共育ての中で楽しく子育てができるように支援している。園は日頃から保護者とのコミュニケーションに力を入れ、登降園時の会話や連絡帳のやりとりから、状況に変化が見られた際は迅速な対応ができるように心掛けている。
2 ホームページでのブログの掲載や保護者への保育内容の動画配信などをおこなっている

園のホームページのブログは、月に数回のペースで保育園での子どもたちの様子を多くの写真と文章で掲載し、利用希望者にも保護者にも伝わりやすい内容となっている。また、園紹介動画で保育園見学の呼びかけもおこなっている。保護者への動画配信にも取り組み、保護者会が中止となった際に動画で子どもたちの様子を見てもらったり、1年間の保育内容についての説明をおこなったりしている。また、今年度よりアプリを使った連絡帳も取り入れ、保護者には子どもの遊びの様子を画像と文章で配信している。
3 子どもたちが保育園の食事を楽しめるような工夫をしている

今年度はコロナ禍においても子どもたちが楽しく食べることを大切に考え、職場全体で検討して取り組んでいる。遊びへの集中度など一人ひとりの子どもの様子に合わせ、クラスで一斉に食べるのではなく、「自分で食べる時を決める」「自分で食べ終わりを決める」ことを大切にして、幼児クラスでも1テーブルに3人までとし、時差を付けて密を避けながら食事をしている。この取り組みで、子どもたちはお腹のすき具合と、自分の遊びの区切りを自分で考えながら、見通しを持って行動できるようになってきている。

さらなる改善が望まれる点
1 単年度計画は、中長期計画を踏まえたものに改善するとともに、全職員が共有し実践するためにも、策定過程への職員参加も望まれる

事業所は、2025年度までの中長期計画を策定している。「生きる力の基礎を培う」などの園目標を実現するための保育方針、経営基盤の確立、人材確保・定着・育成などの実践課題を明示している。一方、単年度計画は、園児数や職員体制、行事計画などが大半を占めている。中長期計画に掲げた、それぞれの計画について前年度までの取り組みの到達点を明らかにし、新年度の重点課題を明確にする点での改善が望まれる。また、現状は副主任までの参加で策定しているが、全職員が理解・共有して実践するためにも策定への職員参加も望まれる。
2 積極的な職員育成活動を評価するとともに、職員の声を踏まえ、一層の前進を期待したい。また、非常勤職員の参加の工夫と改善も望まれる

キャリアパス、職員育成計画が立てられている。年3回の育成面談を行いながら「職員別年間目標・研修計画」が策定され実践されている。積極的な活動として評価したい。しかし、職員アンケートの一般職員の回答では、評価する声がある一方、「キャリアパスの周知」「人材育成計画」では「そう思わない」との回答が一定数あり、個人別研修計画、職員の意向や育成成果の反映でも同様であった。改善点を把握して、なお一層の職員育成活動の前進を期待したい。また、非常勤職員の研修への参加についても工夫と改善が望まれる。
3 職員全体での保育の質の向上のための手引書やマニュアルの整備と活用に期待したい

区立保育園から移管されて4年目ということで、法人の保育園となってからの保育の基本事項や手順を明確にした手引書の整備がまだ進んでいない状況である。保育園が目指す保育を全職員が一定水準で進めていくためには、日常の保育の考え方や具体的な方法などを確認しあい、手引書としてまとめ、職員がいつでも、すぐに見て実践できるようにしておくことが大切である。職員全体でマニュアルの必要性やどんなマニュアルがあると良いのかなどについて討議を重ね、整備と活用が進むことに期待したい。

Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み

1 ★ 子どもの人権を尊重し、子ども一人ひとりの意思を大切にした保育をしている

法人理念の第一に「人権の尊重」を掲げ、職員は子どもの意思を尊重し、子どもの気持ちに寄り添う丁寧な保育をしている。園長は「大森南保育園で働く皆さんへ」という園長メッセージを全職員に発信し、「子どもの人権を尊重する」とはどういうことか、「生きる力の基礎を育む」とはどういうことかなどについて問題提起をして討議を促し、職員の意識と専門性の向上を図ることに力を入れている。各クラスでは、子ども一人ひとりの「これがいい」「これはいや」という気持ちをくみとり、子どもの声や思いを優先させる保育を心掛けている。
関連評価項目(サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している)
2 ★ あそびが豊かに展開できるように保育室の環境づくりの工夫をしている

各クラス、子どもが自主的に遊びだせるように保育室の環境づくりの工夫をしている。幼児クラスの積み木や製作のコーナーでは、日々片付けるということは決めずに、何日もかけてアスレチックやタワーを作ったり、家を作った後に庭作りへと広げたりなど、子どもの発想や探求心を大切にしてダイナミックな遊びを展開している。また、園庭には築山があり、登ったり、下りたり、滑ったりなど、年齢に見合った遊び方で楽しんでいる。乳児クラスの外遊びも充実するように2階のテラスを第2園庭として整備し、体を動かして遊べるスペースとして工夫している。
関連評価項目(日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している)

Ⅳ 利用者調査結果

調査概要
調査対象:保育所を利用している全世帯を対象に調査をおこなった。子どもの総数は112人。世帯数は96世帯。

調査方法:アンケート方式  
アンケート方式を実施した。保育所より調査票を保護者に配布。回収は返信用封筒で評価機関に直接郵送してもらう形をとった。

利用者総数 112人
利用者家族総数(世帯) 96世帯
アンケートや聞き取りを行った人数 96人
有効回答者数 64人
回答者割合(%) 66.7%

総括
大森南保育園は、1977年開園の大田区立保育園を経て、2018年4月に区から社会福祉法人遍照会に移管された。0歳児から就学前までの子どもたちが通う、定員117名の認可保育園である。今回の調査における満足度は「大変満足」が45.3%、「満足」が51.6%で、合わせて96.9%と高い評価を得ている。設問17項目のうち、5項目で「はい」の回答が90%以上を占めている。特に問13「子どもの気持ちを尊重した対応がされているか」は98.4%、問1「保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか」は96.9%と多くが「はい」と回答している。総合的な意見では「コロナ禍のなか、園庭を改造したり様々な工夫がされ、子どもが園庭の山でたくさん遊んだ後の汚れた服を見ると、嬉しくなる」「保護者の不安や意見への対応が早く、その根拠や理由も伝えてくれ、安心して園を利用でき感謝している」などの意見や、「すぐ相談にのってもらえ安心する」など、園への信頼や感謝の言葉が多く寄せられていた。一方、「雨の時が大変なので、子どもが濡れずに保育園に入れるとよい」「コロナ禍だが、工夫して行事やイベントを増やしてほしい」などの意見もあった。

利用者調査結果

1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
はい 62人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
「はい」と96.9%が回答している。「どちらともいえない」が1.6%、「無回答・非該当」が1.6%である。自由意見では「園で規則正しく生活し、ルールなど社会性が身についている」「子どもがいつもにこにこ楽しく通っている」などの意見や、「コロナ禍だが、園外での活動を増やして欲しい」「交通ルールを守って歩くことを、コロナが収まったらやって欲しい」などの要望もあった。
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
はい 60人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
「はい」と93.8%が回答している。「どちらともいえない」が4.7%、「無回答・非該当」が1.6%である。自由意見では「手づくりのおもちゃが用意され、親として勉強になり、子どもにも興味深いものになっていた」「新しい手遊びや行動を覚えて帰ってくる」などの意見や、「自分の子は同じ遊びばかりしている」「(先生方の)負担にならない範囲で図画工作や知識・見聞を広める定期活動があると良いと思う」などの要望もあった。
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
はい 52人  どちらともいえない 9人  いいえ 0人  無回答・非該当 3人 
「はい」と81.3%が回答している。「どちらともいえない」が14.1%、「無回答・非該当」が4.7%である。自由意見では「おやつが少し足りないような気がする」などの意見があった。
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
はい 40人  どちらともいえない 16人  いいえ 6人  無回答・非該当 2人 
「はい」と62.5%が回答している。「どちらともいえない」が25.0%、「いいえ」が9.4%、「無回答・非該当」が3.1%である。自由意見では「縦割り保育や園庭での他園児との関わりもあり、良いと思う」「(コロナ禍でも)園庭を改造したりさまざまな工夫をしてくれている。園のなかで、どんぐりや松ぼっくりを用意してくれて嬉しい」などの意見や、「戸外遊びは頻回におこなっているが、コロナのためか行事が少ない」「コロナ等の影響と理解しているが、園庭以外の外遊びがもう少しあると嬉しい」などの意見もあった。
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
はい 44人  どちらともいえない 8人  いいえ 0人  無回答・非該当 12人 
「はい」と68.8%が回答している。「どちらともいえない」が12.5%、「無回答・非該当」が18.8%である。自由意見では「とても柔軟でありがたい」「スタッフの人数に余裕がないので、対応はしてくれると思うが、負担になるのであまり頼みたいとは思わない」などの意見があった。また、保育時間を変更する必要性が少ないことを理由に、「どちらともいえない」や「非該当」を選択した人もいた。
6.安全対策が十分取られていると思うか
はい 44人  どちらともいえない 18人  いいえ 1人  無回答・非該当 1人 
「はい」と68.8%が回答している。「どちらともいえない」が28.1%、「いいえ」が1.6%、「無回答・非該当」が1.6%である。自由意見では「保護者から不安の声が出ていたが、父母会との懇談で徹底した対策をしていることがわかり安心した」「園の内外のセキュリティはOK」などの意見や、「古い園舎のためなのかケガをして帰ってきたが、先生は把握されておらず、謝っていたが少し不安に思った」「お迎えの時、遊んでいる子どもを先生があまり見ていなくて、ボールがぶつかる時がある」などの意見もあった。
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
はい 43人  どちらともいえない 18人  いいえ 0人  無回答・非該当 3人 
「はい」と67.2%が回答している。「どちらともいえない」が28.1%、「無回答・非該当」が4.7%である。自由意見では「2ヵ月前に保育参観など予定を掲示して聞いてくれる」「親が土日休みなので、休みを取っての行事参加となるが、だからといって園に土日開催して欲しいとは思わない。保育士の負担になることは避けたい」などの意見や、「告知が遅かったり、全員に伝わっていないことがある」「シフト勤務だと予め休みが早いうちに決まることがあるが、行事の日程など急なお知らせが結構ある」などの意見もあった。
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
はい 55人  どちらともいえない 8人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
「はい」と85.9%が回答している。「どちらともいえない」が12.5%、「無回答・非該当」が1.6%である。自由意見では「毎日連絡帳もアプリで送られ、引き取る時にも話せる」「子育てについてや、家族についても相談にのっていただいて、とても助かった」などの意見や、「担任の先生方全員と同じくらいお話しできると、より良いと思う」「先生による」などの意見もあった。
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい 43人  どちらともいえない 17人  いいえ 4人  無回答・非該当 0人 
「はい」と67.2%が回答している。「どちらともいえない」が26.6%、「いいえ」が6.3%である。自由意見では「古いながらも微調整してくれている」などの意見や、「手入れはされているが、老朽化は気になる」「1日1回は掃除をされているが、送迎時には細かいゴミが散見される」などの意見もあった。
10.職員の接遇・態度は適切か
はい 57人  どちらともいえない 6人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
「はい」と89.1%が回答している。「どちらともいえない」が9.4%、「いいえ」が1.6%である。自由意見では「新人の職員さんは、言葉遣い等ではつたない面はあっても、子どもをよく見ているのが分かる。一生懸命伝えてくれていて好感ももてる」などの意見や、「個人的には少し髪色などラフに思うが、一般的なマナーが変わったのかなとも思う」「目が合っても、あいさつがなく見ている先生がいる」などの意見もあった。
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい 60人  どちらともいえない 4人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」と93.8%が回答している。「どちらともいえない」が6.3%である。自由意見では「小さな傷やケガでもメールにて画像付きで教えてくれる」「すぐ電話をくれて助かっている」などの意見や、「噛んだり噛まれた時などは、止められなかった職員が悪かったと言うだけで、その後のフォローが足りないと思う」などの意見もあった。
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい 46人  どちらともいえない 13人  いいえ 2人  無回答・非該当 3人 
「はい」と71.9%が回答している。「どちらともいえない」が20.3%、「いいえ」が3.1%、「無回答・非該当」が4.7%である。自由意見では「トラブルがそんなになかったように記憶している」などの意見や、「トラブルに目が行き届いていないケースもある」「該当者同士に実名を知らせないと、顔を合わせたときに謝罪ができない」などの意見もあった。
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
はい 63人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」と98.4%が回答している。「どちらともいえない」が1.6%である。自由意見では「とてもよく対応して頂いている。子どもにもそれが伝わっている」「子どもは楽しみにしている」などの意見があった。
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
はい 57人  どちらともいえない 6人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
「はい」と89.1%が回答している。「どちらともいえない」が9.4%、「無回答・非該当」が1.6%である。自由意見はなかった。
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
はい 53人  どちらともいえない 9人  いいえ 2人  無回答・非該当 0人 
「はい」と82.8%が回答している。「どちらともいえない」が14.1%、「いいえ」が3.1%である。自由意見では「どんなことをしているのかなど、利用し始めは分かりにくかったが、今は少しずつ分かるようになってきた」などの意見や、「連絡帳がICTシステムになり、職員さんの負担は減ったかもしれないが、様子がわからない」「たまに何を言ってるのか分からない時がある」などの意見もあった。
16.利用者の不満や要望は対応されているか
はい 59人  どちらともいえない 4人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
「はい」と92.2%が回答している。「どちらともいえない」が6.3%、「無回答・非該当」が1.6%である。自由意見では「クラス役員さんが、皆の意見を吸い上げて園に言ってくださり、それについての回答は園から得られているので、よく対応して下さっていると思う」などの意見があった。
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい 36人  どちらともいえない 12人  いいえ 4人  無回答・非該当 12人 
「はい」と56.3%が回答している。「どちらともいえない」が18.8%、「いいえ」が6.3%、「無回答・非該当」が18.8%である。自由意見では「オンブズマン制度の掲示がなされている」という意見があった。また、「どちらともいえない」と回答した理由として、「この状況になったことがない」との記述もあった。

Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)

※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー1  リーダーシップと意思決定
  サブカテゴリー1  事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目2 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  評価項目2 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている 実施状況
  標準項目1 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  標準項目2 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
  評価項目3 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している 実施状況
  標準項目1 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  標準項目3 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
講評
「人権の尊重」「多様性の受け入れ」などの理念を掲げ、職員、保護者に周知している

事業所は2018年4月、大田区立保育園から社会福祉法人遍照会へ移管されスタートしている。「子ども・保護者・職員の人権を尊重する保育」「子どもが主体的に園生活をおくれる保育」「子どもの表現できない心情に寄り添い共感する保育」「多様性を受け入れ、保護者とともに子育てが楽しめる保育園」「地域と連携し子どもの成長を喜び合う保育園」などの理念を掲げている。職員に対しては入職時に説明するとともに、折に触れ、「園長からのメッセージ」として発信し周知に努めている。保護者に対しても入園時や園だよりなどで説明している。

園長は「園長からのメッセージ」で方向性を提示し、リーダーシップを発揮している

事業所運営の組織図や職務分担表で、経営層をはじめ、職員の役割・職務分担を明確にしている。園長は折に触れ、「園長からのメッセージ」を発信し、法人や園の方針である「人権を尊重する」ことについてあなたはどう考えるか、「生きる力の基礎を培う」とはどのようなことかを提起するなど、方針に照らした取り組みの方向性を発信している。また、日常の事業所運営については、園長、副園長、主任、事務で構成する「運営会議」が責任を持つことを明確にし、取り組みをリードしている。

重要案件の周知に向け様々に努力を重ねているが、なお一層の前進が望まれる

組織運営図、会議構成図で重要な案件の検討や決定の手順を明確にしている。法人や事業所運営会議での決定事項はクラスリーダー会、クラス打ち合わせ、昼礼などで周知している。開園以降、「どうしたら伝わるか」の努力を重ね、新型コロナ感染発生後は“伝えたつもり”をなくすため、職員・保護者に対し伝達アプリを使用して、緊急時や重要事項の連絡をはじめ、方針や情報の伝達に活用している。しかし、職員アンケートでは「職員への周知」の評価が低くなっている。職員からの意見聴取など、周知の取り組みの一層の前進が望まれる。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー2  事業所を取り巻く環境の把握・活用及び計画の策定と実行
  サブカテゴリー1  事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  評価項目1 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している 実施状況
  標準項目1 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目2 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  標準項目3 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目4 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  標準項目5 事業所の経営状況を把握・検討している
  標準項目6 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
  サブカテゴリー2  実践的な計画策定に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している 実施状況
  標準項目1 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  標準項目2 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  標準項目3 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
  評価項目2 着実な計画の実行に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  標準項目2 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
講評
保護者や職員の意向を把握し、保育や園運営の課題を抽出している

保護者会や行事の後には保護者アンケートを取り、感想や意見を聞いている。職員からは、開園4年目を迎えて、めざしたい保育についてアンケートをとって話し合った。保護者の疑問や要望についても、迅速、丁寧に対応している。

単年度計画は、中長期計画を踏まえたものへ見直し、充実することが望まれる

事業所は、2021年度から2025年度までの中長期計画を策定している。「生きる力の基礎を培う」などの園目標をはじめ、安定的な保育運営、経営基盤の確立、人材確保・定着・育成、地域貢献、災害対策、施設整備などが柱となっている。一方、単年度計画のフォーマットは法人指定のものだが、園児数や保育時間、職員体制、行事計画、修繕計画が大半を占めている。中長期計画に立てられた目標や課題を踏まえた内容と計画にし、重点課題を明確にしたものにする点では一層の改善が必要と思われる。経営層としても見直しの提起をしたいとのことである。

計画の推進体制を明確にし、進捗状況については月次、半期で確認している

計画の推進については、職員の職務分担表で個別に役割を明確にしている。進捗状況は月次の運営会議やクラスリーダー会議などで確認し、半期ごとにも確認している。職務分担に基づく職員の活動の取り組み状況については、個人面談などで確認している。昨年度より、常勤職員で園の安全や園内整備、絵本についてなどのプロジェクトチームを組織し活動を進めている。経営層は、職員がその活動を通じて自ら課題と取り組みの方向性を明確にするなど、目標達成に向けて主体的に取り組む点で前進していると感じている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー3  経営における社会的責任
  サブカテゴリー1  社会人・福祉サービス事業者として守るべきことを明確にし、その達成に取り組んでいる
  評価項目1 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  標準項目2 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
  サブカテゴリー2  利用者の権利擁護のために、組織的な取り組みを行っている
  評価項目1 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている 実施状況
  標準項目1 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  標準項目2 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
  評価項目2 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている 実施状況
  標準項目1 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  標準項目2 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
  サブカテゴリー3  地域の福祉に役立つ取り組みを行っている
  評価項目1 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  標準項目2 ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
  評価項目2 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  標準項目2 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  標準項目3 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
講評
虐待防止、早期発見・対応をおこなう体制を整え、組織的な取り組みを進めている

事業所の運営規程には、子どもの権利条約、教育基本法、児童福祉法、子ども・子育て支援法やその他の法令に基づいた園運営が明記されている。職員はそれらを研修で学んでいる。虐待防止に向けては、「虐待防止マニュアル」を整備し、職員は「子どもの権利にかかわるチェックリスト」で自らの言動をチェックし、組織的に確認している。虐待を受けている疑いのある子どもの情報を受けたときや虐待の事実を把握した際には、要保護児童のファイルを作成し対応する体制を整え、関係機関と連携しながら取り組んでいる。

透明性を高め地域との関係づくりに取り組んでいる

透明性を高め、開かれた組織となるために法人理事長、園長、職員だけでなく、父母会代表者、卒園児保護者などにも参加してもらい、「大森南保育園運営委員会」を設置して活動内容を開示している。清掃や裁縫のボランティアや小・中学生の見学や体験、大学生の実習などを受け入れ、地域との関係づくりに取り組んでいる。

事業所の機能をいかし、役割を果たすため地域貢献に取り組み、関係機関と協働している

例年、地域の親子を対象にした「おもちゃの広場」で子育て相談、身長・体重測定などに取り組んでいるが、コロナ禍では休止せざるを得なかった。入園希望者の園見学を実施して、入園の不安に応えている。地域での役割を果たすために、子育て支援関係施設連絡会、私立園長会、保幼小連絡会などに参加し情報収集に努めている。地域の課題となっているDV避難園児の保護のため、関係施設と情報を共有している。卒園児の情報共有にも努めている。一方、職員アンケートでは、これらの活動について「わからない」の回答が多い。情報共有が必要と思われる。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー4  リスクマネジメント
  サブカテゴリー1  リスクマネジメントに計画的に取り組んでいる
  評価項目1 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  標準項目2 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  標準項目3 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  標準項目4 リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  標準項目5 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
  サブカテゴリー2  事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  評価項目1 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている 実施状況
  標準項目1 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  標準項目2 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  標準項目3 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  標準項目4 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
講評
リスクマネジメントに取り組んでいるが、事業継続計画(BCP)の周知に一層の努力を

経営層の会議である「運営会議」で、緊急度による課題の洗い出しをおこない、必要な対策をとっている。災害、侵入者に関する訓練を年間計画を立てて実施している。事故防止のため、職員のプロジェクトチームをつくり、記録・分析・予防に努めている。事業継続計画を策定しているが、職員アンケートではリーダー層で33%、一般職員で64%が「わからない」と回答している。経営層も職員全員が理解しているか不安を持っていたところであるので、再度説明し理解に繋げたいとしている。

事業所の情報管理を適切におこない活用できるようにしている

利用者の重要な個人情報については鍵のかかる書庫に収納管理している。事業所外に持ち出す時は許可を得、持ち出し簿に記名するようにしている。パソコンで管理している情報については、アクセス権限を設定して、経営層と一般職員が利用できる範囲と内容を区別し管理している。個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的や開示請求に対する対応などを明示した「個人情報保護管理規定」を整備している。職員に対しては入職時に、保護者には入園時のオリエンテーションで説明し同意書をもらっている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー5  職員と組織の能力向上
  サブカテゴリー1  事業所が目指している経営・サービスを実現する人材の確保・育成・定着に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている 実施状況
  標準項目1 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  標準項目2 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
  評価項目2 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している 実施状況
  標準項目1 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている ×
  標準項目2 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している ×
  評価項目3 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  標準項目2 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  標準項目3 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  標準項目4 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
  評価項目4 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  標準項目2 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  標準項目3 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  標準項目4 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
  サブカテゴリー2  組織力の向上に取り組んでいる
  評価項目1 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  標準項目2 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  標準項目3 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
講評
積極的な職員育成活動を評価するとともに、なお一層の前進を期待したい

キャリアパスが策定され、職員育成計画が立てられている。年3回の育成面談を行いながら「職員別年間目標・研修計画」が策定されている。指導担当者の悩みや課題の相談にものり援助している。積極的な活動として評価したい。しかし、職員アンケートの一般職員の回答では、育成面談を評価する声がある一方、「キャリアパスの周知」「人材育成計画」では「そう思わない」との回答が一定数あり、個人別研修計画、職員の意向や育成成果の反映でも同様であった。改善点を把握して、なお一層の職員育成活動の前進を期待したい。

職員の定着、意識把握と意欲向上、良好な人間関係に努めているが、なお一層の前進を

職員の育成と評価を連動させている。評価については研修のレポート提出で1ポイントを付与するなど「見える化」の努力をしている。計画的な休暇取得やサービス残業を生まない勤怠管理、勤務上の相談ができる態勢や年3回の育成面談など、安心して働き続けられる職場づくり、職員の意識の把握などに取り組んでいる。また、クラスを超えてプロジェクトチームを組織するなど職員の関係が深まるような取り組みを進めている。一方で、一般職員のアンケートでは20%~32%が「そう思わない」と回答しており、分析・対応が必要と思われる。

組織としての学びとチームワークの促進に努めている

職責や職務内容による研修、個人別の研修などを旺盛に進めている。研修報告はファイル化し、秀逸なものは職員全員に配布して共有化に努めている。職員の気づきや工夫について意見を出しやすくするためのアンケートもおこなっている。2021年度は次年度からの「たてわり保育」の開始に向け、「運営会議」がリードしつつ、プロジェクトチームを軸にして全職員が参加する取り組みとして進めている。これらの活動について職員からは、「問題解決に向かって職員が一丸となって対応していこうとする姿勢がある」など評価する声が出ている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー7  事業所の重要課題に対する組織的な活動
  サブカテゴリー1  事業所の重要課題に対して、目標設定・取り組み・結果の検証・次期の事業活動等への反映を行っている
  評価項目1 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 区立保育園から当事業所へ移管した時からの構想であった「たてわり保育」について、2022年度からの実施に向け、前年度は、「年度後半よりたてわりグループの活動をはじめ、課題の抽出をする」ことを重点課題とした。これを重点課題として設定した理由と背景は次のようなものだった。①もともと法人の考え方であった。しかし、受託初年度は、「区立の保育を引き継ぐ」ことを区から求められていたため、実施時期を検討していた。②開園1年後に「たてわり保育に関する中長期計画」を策定し、2022年度4月から「たてわり保育」を実施するとした上で、2020年度後半からの準備活動の開始を決定していた。
具体的な取り組みとしては、「たてわり保育」の準備計画作成と副主任が中心となる推進チームを発足させ、進め方を職員間で共有しながら、保育士も子どもも段階的に慣れていくようにした。幼児クラスを3つのグループに分け、月1回交流することにしたが、新型コロナの蔓延で交流は見送った。しかし、年齢を分けずに園庭に出るようにして、少しずつ小さい子は大きい子に慣れて一緒に遊んだり、大きい子が小さい子に色々なことを教えたり手伝うようにもなっていった。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
今年度は、前年度の取り組みの到達状況を確認し、たてわり保育を月1回から週1回、2回と段階的に拡大しながら、課題の抽出、職員の学習、保護者への説明・周知等に取り組んでいる。保護者には、折りに触れ、園だよりなどでたてわり保育の実施を知らせ理解を得られるようにしてきた。10月に掲載したところ、2歳児クラスから心配の声が上がった。父母の会の役員が保護者の声をまとめ、出してくれたため、改めて丁寧に説明し、理解を求めたとのことである。これらの到達を踏まえ、事業所としては来年度からの実施を考えている。目標実現に向けた計画を立て、到達点と課題を明確にして実現に向かう取り組みとして評価したい。 
  評価項目2 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 移管3年目となり、事業所が掲げる「子どもの人権を尊重する」「子どもが主体的に園生活がおくれる」保育を実現するためには何が必要なのか、リーダー層から考え、実践、指導していけるようになることが課題と考え、その取り組みを具体化した。
具体的な取り組みとしては、①自主勉強会で、再度、育児担当制保育について話し合った。②子どもの生活面での手順書を作り直した。③リーダー会ごとに、保育上一番大切にしていること、どんな大人になって欲しいか、そのためにどんな力をつけたらいいかなど、保育に関する問題提起をし、議論した。その結果、自分の保育を語る場面を増やしたことで、自身の振り返りにもなり、個々に気づきがあった。④半期ごとの反省で、保育について意見交換し、具体的な保育や子どもとの関わりを知り、実際の保育に取り入れるようになった。⑤指名研修や自己研修の場を提供した。研修レポートは、まとめが秀逸で実践に結びついた職員もいたが、研修を受けただけで、終わってしまう職員もいた。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
今年度に向けては、新クラスでの打合せや、外部講師を招いての研修等、工夫した。「同じ方向を目指す」チームづくりができるように、年間カリキュラムの作成から、全員の意見が取り入れられるよう、話し合いの時間を設けた。
クラス打ち合わせ、リーダー会、幼児リーダー打ち合わせ、乳児リーダー打ち合わせを月2回に増やし、話し合いの時間を多く取るようにした。話し合うことで、クラスの保育が整っていったように感じるとのことである。
また、話し合いの中で、区立保育園時代から引き継いだ園目標を検討し、現在の私たちの保育観に一致した園目標を策定しようとの議論も始まっている。
今後の事業所の事業と運営を中心的に担う職員育成を目指して、理念と目標、保育方針の理解を深め、更に発展させることを目指した取り組みとして評価したい。 

Ⅵ サービス提供のプロセス項目(カテゴリー6)

カテゴリー6 サービス提供のプロセス
  サブカテゴリー1 サービス情報の提供
  評価項目1 利用希望者等に対してサービスの情報を提供している 実施状況
  標準項目1 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  標準項目2 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  標準項目3 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  標準項目4 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
講評
利用希望者にホームページで園紹介動画やブログを掲載し、園の情報を提供している

保育園のホームページは法人のホームページから見ることができる。内容は「保育への思い」「園写真」「お知らせ」「ブログ」「先輩保育士からのメッセージ」「採用情報」「アクセス」の項目にまとめられている。「保育への思い」では保育目標や方針、園の特徴について詳しく掲載されている。「ブログ」は月に数回のペースで、保育園での活動内容や子どもたちの様子が多くの写真と文章で掲載されている。また、園紹介動画で保育園見学の呼びかけをおこなっており、利用希望者にとって大変わかりやすいホームページとなっている。

園の情報を行政にも提供しているが、さらに提供の場を増やす工夫にも期待したい

保育園の情報は区にも提供しており、利用希望者は区のホームページからも見ることができる。園のパンフレットはわかりやすく作成されているが保育園見学者に渡しているのみなので、関係機関などにも置いてもらい、他のお知らせと同様、さらに多くの利用希望者の目に触れるような工夫に期待したい。

保育園見学を利用希望者の希望日に合わせておこなっている

保育園見学は電話で受付け、希望日に合わせておこなっている。コロナ禍の対策として30分枠に見学者は一人とし、テラスから保育室の様子を見てもらっている。園長、副園長、主任が案内をし、質問などに答え対応している。保育園見学は、コロナ禍で家庭で子どもと1対1で過ごしている保護者と子育てについて話すことのできる貴重な時間となっており、「困ったことや不安なことがあったらいつでも電話して下さい」と伝えると、安心した表情を見せてくれる見学者が多いとのことである。今年度は4月から11月までで30名程の見学をおこなっている。


  サブカテゴリー2 サービスの開始・終了時の対応
  評価項目1 サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている 実施状況
  標準項目1 サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
  標準項目2 サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目3 サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
  評価項目2 サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 サービス開始時に、子どもの保育に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  標準項目2 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように配慮している
  標準項目3 サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
講評
入園前に園生活の基本的ルールや重要事項について説明をし、同意を得ている

入園前に入園説明会を開催することを基本としているが、コロナ禍で昨年度より、入園のしおり、重要事項説明書の説明は動画配信でおこなっている。「入園のしおり」と「重要事項説明書」に基づき、法人理念、保育理念・目標、年間行事、保育園の一日、スマホアプリの利用、保育園の食事・食育、持ち物、保育時間、職員体制、緊急時対策、相談・苦情などについて説明をおこない、そのうえで「重要事項説明に係る同意書」「個人情報に係る同意書」などを提出してもらい、同意を得ている。

入園時面接で子どもの情報や保護者の意向・要望を丁寧に聞き取り、記録している

入園時面接は1家庭30分ほどの時間をかけ、担当保育士と園長でおこなっている。健康面、食事面で詳しい聞き取りが必要な場合は看護師や栄養士も参加している。面接では年齢別調査票、面談聞き取り表に基づき、入園前の食事、排せつ、睡眠、日常のくせ、生活環境や養育の様子、健康などについて詳しい聞き取りをしている。また、育てるうえで大切にしてきたこと、気になること、心配なこと、意見・要望なども聞き取り、子どもと保護者の様子や個々の事情を詳しく把握している。聞き取った内容は児童調査票に記録し、職員で共有している。

入園当初、子どもの不安やストレスを軽減するための保育をおこなっている

入園当初は子どもが無理をせず、少しずつ園生活に慣れていけるように、子ども一人ひとりの様子や保護者の就労状況に合わせながら個別対応をしている。特に0歳児は個別対応に努め、入園初日は園で保護者と一緒に過ごし、次の日は食事を保護者と一緒にたべてみる、3日目は食事を保育士と食べてみる、決まった保育士と過ごすなど、一人ひとりの慣れ具合を見ながら子どもの不安やストレスを軽減するような配慮をしている。


  サブカテゴリー3 個別状況の記録と計画策定
  評価項目1 定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している 実施状況
  標準項目1 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
  標準項目2 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  標準項目3 アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
  評価項目2 全体的な計画や子どもの様子を踏まえた指導計画を作成している 実施状況
  標準項目1 指導計画は、全体的な計画を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
  標準項目2 指導計画は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化に即して、作成、見直しをしている
  標準項目3 個別的な計画が必要な子どもに対し、子どもの状況(年齢・発達の状況など)に応じて、個別的な計画の作成、見直しをしている
  標準項目4 指導計画を保護者にわかりやすく説明している
  標準項目5 指導計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  評価項目3 子どもに関する記録が行われ、管理体制を確立している 実施状況
  標準項目1 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  標準項目2 指導計画に沿った具体的な保育内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
  評価項目4 子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している 実施状況
  標準項目1 指導計画の内容や個人の記録を、保育を担当する職員すべてが共有し、活用している
  標準項目2 申し送り・引継ぎ等により、子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
講評
子ども一人ひとりの状況を統一した書式に記入し、把握している

子どもの心身の状況は毎日、クラスの保育日誌に記録するとともに、各クラスごとに毎日1回振り返りの時間を持ち「子どもの姿連絡ノート」に記録している。この連絡ノートは、降園時にどの保育士でも保護者に子どもの様子や連絡事項を伝えられるように活用している。また、一人ひとりの成長・発達の経過を時期を決めて児童票や健康台帳に記録し、次月の指導計画に反映させている。また、今年度より子ども一人ひとりの園での成長をICTを利用して写真を取り入れた保育記録にまとめ、年度末に1年間の成長アルバムとして保護者に渡す予定である。

全体的な計画のもと、各クラスで年間や月間の指導計画などを作成している

全体的な計画のもと、クラスごとに年間指導計画、月間指導計画、週案を作成し保育を進めている。年間指導計画は保育目標、保育方針、共通理解、クラス構成と特徴、養護と教育のねらいと配慮点を明記している。また、乳児と個別配慮の必要な子についての個別月案、個別週案も作成している。月間指導計画の振り返り・反省はクラス会議でおこない、毎月月末に一覧表にまとめ、職員に配信して情報共有を図っている。年間指導計画は前期と後期に分け、年に2回の振り返りをおこない、職員全員でのリモート会議などで討議している。

指導計画を保護者にわかりやすく伝えることに努めているが、さらなる工夫に期待したい

例年、年度初めの保護者会で年間の保育指導計画について話をし理解を得るようにしている。コロナ禍で昨年より保護者会の開催を見合わせていたが、今年度は5歳児クラスは実施できた。3・4歳児クラスは動画配信で子どもたちの様子を見てもらい、指導計画についての説明をおこなった。また、全クラス、クラスだよりで1年間の保育目標や大切にしていきたいことなどをわかりやすい内容で伝えている。職員アンケートではこの項目についての「そう思う」の回答は低く、今後のさらなる工夫について検討が進むことを期待したい。


  サブカテゴリー4 サービスの実施
  評価項目1 子ども一人ひとりの発達の状態に応じた保育を行っている 実施状況
  標準項目1 発達の過程や生活環境などにより、子ども一人ひとりの全体的な姿を把握したうえで保育を行っている
  標準項目2 子どもが主体的に周囲の人・もの・ことに興味や関心を持ち、働きかけることができるよう、環境を工夫している
  標準項目3 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう配慮している
  標準項目4 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
  標準項目5 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
  標準項目6 【5歳児の定員を設けている保育所のみ】 小学校教育への円滑な接続に向け、小学校と連携をとって、援助している
講評
子ども一人ひとりの姿を把握し、発達に応じた保育をしている

乳児クラスは子どもの情緒の安定や愛着関係を築くために育児担当制を取り入れている。生活面では担当保育士が一人ひとりの子どもの発達段階や生活のテンポ、好みなどを把握しながら丁寧に対応し、「これはいい」「これはいや」というような一人ひとりの子どもの意思を大切にする保育に努めている。遊びの面では担当制を越えて見守るようにしている。幼児クラスでも子どもが「自分で決める」「自分で遊ぶ」ことを大切にしながら「友だちと遊ぶ」楽しさに展開していくような保育や、異年齢の子どもが一緒に遊んだり生活したりする保育を大切にしている。

子どもが自発的に興味を持った物で遊べるように保育室の環境設定を工夫している

各クラスとも、子どもが自分で選んで遊びだせるように保育室の玩具棚やコーナー遊びの設定の工夫をしている。子どもの目線に合わせた低い玩具棚を使い、年齢に合った玩具を間隔をあけて子どもが取り出しやすいように並べている。棚で仕切ったままごとコーナーでは、キッチンや食卓など家庭的な雰囲気をつくり遊びへの意欲が高まるように工夫してある。2歳児クラスの万華鏡は以前は子どもが持ち歩き、振り回してトラブルになることもあったことから職員で話し合い、低い棚の上に固定し、見たい子がじっくりと楽しめるような改善もされている。

個別配慮が必要な子どもの保育にあたっては、ともに成長できるよう援助している

特別な配慮が必要な子どもに対しては個別指導計画を作成し、区の巡回指導を受けアドバイスをもらいながら発達に合わせた援助ができるように取り組んでいる。また、外国籍の子どもには個別に丁寧に説明をしたり、保護者とのコミュニケーションでは翻訳機を使ったりもしている。職員はさまざまな発達の子どもたちが同じ集団の中で育っていくことを意識し、個別配慮をしながら集団の中での丁寧な保育に努めている。

  評価項目2 子どもの生活が安定するよう、子ども一人ひとりの生活のリズムに配慮した保育を行っている 実施状況
  標準項目1 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
  標準項目2 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう援助している
  標準項目3 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
  標準項目4 降園時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
講評
登降園時に保護者と子どもの様子について伝えあい、保育に活かしている

今年度より乳児クラスはスマホアプリによる連絡帳を使って、毎日保育園と家庭で子どもの様子を伝えあっている。家庭からは子どもの健康状態、食事や睡眠、お迎え時間などについて知らせ、園からは、日中の機嫌、食事、昼寝の様子とともに画像と文章で遊びの様子を知らせている。幼児クラスは遊びの様子を画像と文章で配信している。登園時の受け入れの際は必ず、口頭での確認もおこなっている。また、降園時はクラス担任が保護者に子ども一人ひとりの一日の様子を口頭で伝えられるように体制を組み、直接保護者と会話をするように努めている。

年齢や発達に応じた生活習慣が身につくように援助している

基本的な生活習慣の習得においては、子どもの発達に合わせて個別対応を基本としている。乳児クラスは担当制を取り入れ、決まった保育士との安定した信頼関係の中で生活習慣が身についていくようにしている。食事、排せつ、午睡はクラスで一斉におこなうのではなく、一人ひとりの子どものタイミングを大切にしておこなうよう、職員全体で認識を深め実践している。保護者へは、個人面談や保健だより、食育だより、クラスだよりなどの配信により、基本的生活習慣の大切さについて知らせ、個別相談にも応じ援助している。

休息や昼寝は子どもの状況に応じて配慮し、心身の安定を図っている

乳児クラスでは一人ひとりの家庭での生活リズムも考慮に入れながら、その日の子どもの状況に合わせて休息や昼寝の時間の配慮をおこなっている。0歳児は午前も睡眠がとれるような環境づくりをおこない、状況に応じて対応し一人ひとりの生活リズムを整えている。幼児クラスも活動と休息のバランスを図りながら、一日の生活の流れをつくっている。5歳児は夏以降、子どもの状況に留意しながら昼寝を減らし、5歳児にふさわしい生活となるように援助している。

  評価項目3 日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している 実施状況
  標準項目1 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
  標準項目2 子どもが、集団活動に主体的に関われるよう援助している
  標準項目3 子ども一人ひとりの状況に応じて、子どもが言葉による伝え合いを楽しみ、言葉に対する感覚を養えるよう配慮している
  標準項目4 子どもが様々な表現を楽しめるようにしている
  標準項目5 戸外・園外活動には、季節の移り変わりなどを感じとることができるような視点を取り入れている
  標準項目6 生活や遊びを通して、子どもがきまりの大切さに気付き、自分の気持ちを調整する力を育てられるよう、配慮している
講評
子どもが主体的に行動でき、遊びこめるような配慮をしている

子どもが主体的に行動できるように基本的に日々の日課は変えないように配慮している。その中で子どもたちは生活の流れを身につけ、見通しが持てるようになり自主性、自発性が育っていくことを大切にしている。子どもたちが興味を持ったもので夢中になって遊びこむ時間も大切に考え、60分から90分を目安に各クラスで日課を組んでいる。また、クラスには子どもの自由な発想や工夫を発揮して遊べるように、さまざまな廃材や素材を用意し、自由に使えるようなコーナーを設け、完成するまでは壊さずに継続できるような環境づくりもしている。

園庭あそびに力を入れ、自然と触れ合い体を動かして遊べるように環境づくりをしている

戸外活動は園庭あそびに重点を置き、園庭の環境づくりに力を入れている。園庭には築山があり、登ったり、下りたり、そりで滑ったりなど、どの年齢の子もその力に見合った遊び方で楽しんでいる。築山が崩れているのに気付いた5歳児が泥んこあそびの経験を活かして土で補修をしたり、草を植えたりするなど自分たちの発想で自主的に遊びを発展させている。築山により子どもたちの体幹が強くなり、ケガも減ってきているとのことである。また、虫探しや季節の草花の観察、花壇づくり、異年齢で交わりながらの遊びなどを大切に取り組んでいる。

子どもが集団活動に主体的に関わって楽しめるように配慮している

特に幼児クラスでは、子ども自らが集団活動に参加して楽しめるような配慮をしている。登園後、朝の会をおこない子どもが興味があることを発表したり、話し合いをしたりして子どもたちが一日の活動に見通しをもって、主体的に活動できるような内容にしている。集団活動の中で友だちと意見が違ったり、トラブルになったりした時は子ども同士でお互いの気持ちを出し合い、自分の気持ちを調整できるように保育士は時間をかけて見守っている。子どもはその経験の中で自分の気持ちを調整したり、ルールを伝え合ったり、新しいルールを作りだしたりしている。

  評価項目4 日常の保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している 実施状況
  標準項目1 行事等の実施にあたり、子どもが興味や関心を持ち、自ら進んで取り組めるよう工夫している
  標準項目2 みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
  標準項目3 子どもが意欲的に行事等に取り組めるよう、行事等の準備・実施にあたり、保護者の理解や協力を得るための工夫をしている
講評
季節の伝統行事を大切にし、年齢に合わせ興味をもって楽しめるようにしている

端午の節句、七夕、お月見、お正月、節分、ひなまつりなど、日本古来の伝承行事への興味や関心が育つように年齢に応じてその意味を分かりやすく伝え、楽しむ工夫をしている。現在はクラスごとにおこなっているので、より年齢に合った取り組みができ、絵本で行事の由来を伝えたり装飾や製作でイメージを膨らませたりして、子どもたちも行事を身近に感じながら楽しめている。行事の日には行事食も提供し、楽しい一日が過ごせるように配慮している。

5歳児クラスの運動会を幼児組の親子の参加で楽しんでいる。

コロナ禍で運動会は、昨年度よりクラス別でおこなっているが、今年度の5歳児の運動会は、3・4歳児が大きい子の姿を見て憧れる、大きい子のように頑張る気持ちを持つというねらいで3・4歳の親子も自由参加という形で実施した。5歳児クラスでは子どもたちの話し合いにより、竹馬と縄跳びにチャレンジして披露することを決め、チームで作戦を考え取り組んでいる。父母会作成のおみこしも登場して楽しめたとのことである。運動会後も竹馬と縄跳びのチャレンジは続いている。

保護者に行事の取り組みを伝え、協力を得られるように努めている

行事への保護者の理解や協力を得るために、保護者には年間行事計画表を配布したうえで園だより、クラスだより、連絡帳、毎日の会話などで取り組みの様子を伝えている。特に大きな行事である5歳児の運動会や水遊びでは事前のお知らせや子どもの取り組みの様子などをより多く知らせることで理解を得られるように努めている。しかし、今回の利用者アンケートで「行事のお知らせが遅かったり、全員に伝わっていないこともある」という意見もあったので、今後は様々な保護者の勤務形態にも対応できるようにお知らせの時期や内容などの検討に期待したい。

  評価項目5 保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている 実施状況
  標準項目1 保育時間の長い子どもが安心し、くつろげる環境になるよう配慮をしている
  標準項目2 保育時間が長くなる中で、保育形態の変化がある場合でも、子どもが楽しく過ごせるよう配慮をしている
講評
保育時間の長い子どもが安心して過ごせるような配慮をしている

園の保育時間は7時15分から20時15分まで、18時16分からが延長保育時間となっている。延長保育時間には補食が提供され、子どもが楽しみにできるように配慮されている。現在、月極の子どもは少ないが、スポット利用にも対応している。保育室は1階の3歳児室を利用し、可能な限り子どもに慣れている職員が保育にあたり、安心して落ち着いて過ごせるようにしている。

延長保育時間に子どもが楽しく過ごせるような遊びの工夫をしている

延長保育は日中と違い保育室も変わるので、その年齢に合った玩具や絵本などを用意したり、その子の好きな遊びの設定をしたりして楽しく遊びながらお迎えを待てるように工夫している。なるべく保護者と担任が顔を合わせ、会話ができるようにシフトの工夫もおこなっており、お迎えの際には他クラスの保育士であっても「子どもの姿連絡ノート」を活用しながら、一日の様子を細かく伝えるようにしている。

  評価項目6 子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している 実施状況
  標準項目1 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
  標準項目2 メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
  標準項目3 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している                                                                                        
  標準項目4 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
講評
子どもたちが保育園の食事を楽しめるような工夫をしている

今年度はコロナ禍においても子どもたちが楽しく食べることを大切に考え、職場全体で検討して取り組んでいる。遊びへの集中度など一人ひとりの子どもの様子に合わせ、クラスで一斉に食べるのではなく、「自分で食べる時を決める」「自分で食べ終わりを決める」ことを大切にして、幼児クラスでも1テーブルに3人までとし、時差を付けて密を避けながら食事をしている。この取り組みで、以前に比べ子どもたちが楽しく食べる姿が増し、喫食も進んできている。

おいしく安全な給食づくりに努め、メニューや味付けなどの工夫をおこなっている

園の給食は新鮮で安全な旬の食材を使う、年齢や発達に合った食材の形態にする、出汁をきかせて薄味にするなどを心がけて調理している。各クラスでは毎日給食後にICTを使いクラスの喫食状況や子どもたちの声、喫食が良くなるための工夫点などについて入力し報告している。それを基に調理室と事務所で状況の確認をおこない、食材やメニュー、味付けなどについて工夫や改善点の検討をおこなっている。保護者には毎月献立表とともに食育だよりを発行し、当日の給食は毎日事務所前にフォトフレームで展示している。

子どもが食材に触れたり野菜の栽培をして、食育活動を楽しんでいる

保育の中に食育を位置づけてクラスごとに食育計画を作成し、食材に触れることや栽培を楽しんでいる。3~5歳児は園庭の花壇やプランターでなす、トマト、ピーマン、ブロッコリー、さつまいもなどの栽培活動をおこなっている。クッキング活動は現在見合わせているが、子どもたちが収穫したピーマンやしいたけを調理士が炒めるところを見せたりしている。また、5歳児が栽培・収穫したさつまいもを皆で焼き芋にして食べるなどを楽しんでいる。食育プロジェクトチームが編成されており、月に1回、食育活動についての検討が進められている。

  評価項目7 子どもが心身の健康を維持できるよう援助している 実施状況
  標準項目1 子どもが自分の健康や安全に関心を持ち、病気やけがを予防・防止できるように援助している
  標準項目2 医療的なケアが必要な子どもに、専門機関等との連携に基づく対応をしている
  標準項目3 保護者と連携をとって、子ども一人ひとりの健康維持に向けた取り組み(乳幼児突然死症候群の予防を含む)を行っている
講評
子どもが自分の健康に関心を持てるような保健指導をおこなっている

子どもの健康・安全を守るために、看護師が「年間保健業務計画」を作成し、月ごとの保健目標、配慮すること、保健行事、保健指導について明記している。保健指導は正しい手洗いの仕方、和式トイレの使い方、咳エチケット・マスクについて、トイレでのお尻の拭き方などの内容で、看護師と各クラスが相談しながらおこなっている。4歳児クラスの「体のおはなし」の際にはジャンボ図鑑を使って、人間の骨や筋肉、血液などの話をし、ケガをしないように気を付けてほしい、自分の体も人の体も大事にしてほしいということを伝えている。

嘱託医と連携して子どもの健康管理に努めている

嘱託医による健康診断を0歳児は毎月、1~5歳児は年に2回、歯科検診を年に2回実施し、健康状態や発育の確認をおこなっている。健診の結果は健康カードに記録して保護者に知らせ、情報共有できるようにしている。また、毎月0歳の健康診断の際には嘱託医に子どもの健康に関する相談をおこない、具体的な対応について助言を受けている。与薬については医師の処方による与薬依頼書を提出してもらい、熱性けいれん、逆さまつ毛、肌荒れ、アレルギー発症時用頓服など、個別に対応している。

職員は子どものけが防止やうつぶせ寝防止などに努めている

職員は子どものけがが起きた際は、発生原因を検証し、今後の対策について事故報告書に記入して情報共有している。また、ヒヤリハット報告書や事故防止チェックシートで各クラスで対策ができているかどうかのチェックをおこない、できていない場合は改善点を検討し、結果を検証している。うつぶせ寝の防止については0歳児は5分おき、1歳児は10分おき、2歳児は15分おき、3・4・5歳児は30分おきに子どもの様子を確認し、午睡チェック表に記録して予防に努めている。また、毎年全職員対象でAEDやCPR講習をおこなっている。

  評価項目8 保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して支援を行っている
  標準項目2 保護者同士が交流できる機会を設けている
  標準項目3 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
  標準項目4 子どもの発達や育児などについて、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
  標準項目5 保護者の養育力向上のため、園の保育の活動への参加を促している
講評
保護者の状況の把握に努め、相談に応じ支援している

入園前の個別面談や保育参観後の個人面談などで子どもの状況や保護者の就労の状況などを把握し、個々の事情に合わせた支援をおこなっている。日頃から保護者との直接の会話に力を入れ、状況の変化に早く対応できるようにしている。必要に応じて園長や担任による個別相談をおこなったり、病児保育やファミリーサポートなどを紹介したり、急な登降園時間の変更にも柔軟に対応している。今回の利用者アンケートでも「子どものことで心配なことはすぐに相談できるので助かっている」「職員の誰にでも相談しやすい」という意見があった。

保育参観や個人面談をおこない、保護者との共通理解を得ることに努めている

保護者に保育園での子どもの様子を見てもらい、共通理解を得るために、保育参観・参加と個人面談を同じ日に取り組んでいる。コロナ禍の対策として、クラスごとに1回につき1~2名の参加で30分ほどにし、1ヶ月程の期間を設けている。乳児は子どもに気づかれないように陰から見てもらったり変装してもらったりしている。幼児クラスは子どもと一緒に遊んでもらう形をとっている。参観・参加の後は個人面談をおこない、参観の感想を聞きながら、日頃の子どもの様子について情報交換をし、家庭と園とで協力して共育てができるように努めている。

父母会とも連携して保護者同士が交流し、意見交換できるような取り組みをしている

コロナ禍で保育園で保護者同士の交流の場を持つことができない状況であるが、保護者の組織である父母会との連携で保護者同士が交流したり、意見交換したりできる仕組みがある。来年度からのたてわり保育の周知のために園からおたよりを発行したり、説明会をおこなったりしたが、その後、父母会が保護者の質問や疑問点をまとめて園に報告してくれるなど、スムーズな連携関係が築けている。例年、父母会主催で秋まつりの開催があり、子ども、保護者、職員がともに楽しむ機会となっている。

  評価項目9 地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている 実施状況
  標準項目1 地域資源を活用し、子どもが多様な体験や交流ができるような機会を確保している
  標準項目2 園の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
講評
地域自治会や他園の5歳児との交流、図書館や地域のお店訪問などの計画がある

園は地域の自治会に加盟しており、例年、盆踊り大会に招待してもらい4・5歳児が参加して楽しんでいる。また、例年、近所のお店での買い物体験や図書館訪問、他園の5歳児と交流して一緒に遊ぶ、園の行事に近隣の方を招待する、「ぽかぽか交流会」に園児の祖父母を招いて一緒に遊ぶなどの取り組みをおこなっている。現在はコロナ禍でほとんどが中止となっているが、子どもたちの生活の幅を広げるための大切な実践として再開の時期を検討している。

地域の子育ての拠点として、園の専門性を活かした取り組みに期待したい

保育目標に「子どもを愛し、その成長を喜びとし、一緒に育てることを保護者、地域、職員みんなで楽しみながら、生きる力を育む保育を目指す」と掲げ、事業計画書の中にも「おもちゃの広場」という地域支援の取り組みを載せている。現在コロナ禍で実施を見合わせているが、保育園が地域の子育て家庭にとって安心して利用でき、身近な場所となっていくことは大切である。今後は、職員全体で地域支援への意識を高め、園が持つ専門性を活かした育児相談事業を見学者の相談だけでなく、さらに地域に広く呼びかけるなどして実施していくことが期待される。


  サブカテゴリー5 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
  評価項目1 子どものプライバシー保護を徹底している 実施状況
  標準項目1 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目2 子どもの羞恥心に配慮した保育を行っている
  評価項目2 サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している 実施状況
  標準項目1 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
  標準項目2 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した保育を行っている
  標準項目3 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
講評
個人情報の取り扱いについて説明をおこない、同意書で確認している

入園時に保護者に「個人情報の利用目的について」という資料を示し、保育園で取り扱う個人情報について知らせている。児童調査票、園だより・クラスだより、連絡帳、健康カード、写真、ビデオなどのそれぞれの項目について、細かく利用目的を知らせ、そのうえで保護者の意向を把握し、同意書を提出してもらい確認している。今年度は子どもたちの積み木遊びの様子の写真をフォトコンテストに応募する際に、保護者に「フォトコンテスト承諾書」を提出してもらい、近くの出張所に掲示され、保護者にも喜んでもらえたという実践がある。

命の大切さ、人権尊重を重視した保育をおこない、羞恥心にも配慮した保育をしている

職員は子どもたちに命の大切さ、個人の尊厳を伝えることを重視して保育にあたっている。毎年、出産間近の職員がいたため、妊婦のお腹に触る体験をしたり、「生と性の話」を子どもたちだけでなく保護者にも保護者会で話すなどの保健指導をしたり、保護者に出産時の思い出を書いてもらい、子どもたちに伝えたりしている。また、子どもたちが自分の体の大切さを知るためにプライベートゾーンの話をしたり、子どもの羞恥心にも配慮し、水遊びのシャワー使用時の目隠し、着替えコーナーの設置やトイレの使い方の工夫などに配慮した保育をしている。

虐待防止のために職員は自己評価をおこなっているが、園内学習にも期待したい

法人理念に「人権の尊重」を掲げ、職員は虐待防止の意識も持ち、子どもたち一人ひとりの思いに寄り添った保育に努めている。園長は職員に虐待防止に関する冊子や子ども家庭支援センターファイルを配布し、年に1回、自己チェックをして提出するように指導している。コロナ禍で外部の研修参加も少なくなっている中、今後は、園内研修・勉強会などでさらに職員の意識を高めていくことに期待したい。


  サブカテゴリー6 事業所業務の標準化
  評価項目1 手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  標準項目2 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  標準項目3 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
  評価項目2 サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  標準項目2 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている
講評
園独自の「乳児保育手順書」「事故防止チェックシート」を作成し、活用を始めている

これまで区作成の「0才児保育手順書」を手引書としてきたが、今年度、園独自の「乳児保育手順書」を作成した。今後、職員に配布し周知していく予定である。また、「事故防止チェックシート」も区立保育園から引き継いだものであったが、現状に合わせて作成しなおし、各クラスで定期的にチェックし、改善点の工夫やその結果の検証をおこない事故防止に活用している。

保育の一定水準確保のために、入職時に職員に区作成の手引書を渡している

毎年の入職時オリエンテーションで、園の概要、園の理念・目標、年間の保育、勤務形態などを説明するとともに、各種マニュアルとして区で作成されている「安全保育の手引き」「事故防止ガイドブック」「誤嚥・窒息事故防止マニュアル」「0歳児保育」「保育園防災のてびき」を渡している。各自で読んで活用するように指導しているが、園長は今後、新人職員がマニュアルの内容の理解を深め、さらに保育に活用できていくように時期を決めて読み合わせするなどを検討しているとのことである。

保育の質の向上のための手引書やマニュアルの整備と活用に期待したい

区立保育園から移管されて4年目ということで、まだ、法人の保育園となってからの保育の基本事項や手順を明確にした手引書の整備には至っていない状況である。今回の職員アンケートでもこの項目についての職員の評価は低かった。園の理念や保育目標遂行のために職員全員で一定水準の保育を進めていくことは大切である。今後、保育経験の長い職員や新しい職員など、お互いの保育観や保育方法についての討議が深まり、さまざまな保育場面ですぐに活用できる具体的内容の手引書やマニュアルが作成され、活用されていくことに期待したい。