東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

法人内東京事業所全体で、毎年、2月に研修を実施し、社長が次年度の方針を伝えている。同研修には次年度入職の新人職員も参加し、会社の理念・方針についての理解浸透を図っている。また、毎年、4月のミーティングで該当年度の事業計画書について説明し、職員へ周知している。施設長ミーティング（年4回）を実施し、会社本部から方針や決定事項などを伝えている。定期的な施設ミーティングにより、会社本部と施設の認識のずれを修正し、方向性を一つにしている。

ホームページに当保育所の3つの特徴を明記し、利用希望者などに周知している。また、入所前と入所時に保護者に重要事項説明書を使って運営理念・保育理念・保育目標を伝えている。保育所の運営上の変更点については、6か月前には通知文書を保護者に配布・周知している。保護者代表、会社社長・施設長などが参加する「運営委員会」(年2回）を開催し、保護者代表との意見交換をおこない、会社方針などの理解を深めていただいている。ただし、新型コロナ禍により、中止・書面開催としている。

重要案件が生じた際は、主任、施設長に伝え、その後、会社本部・社長に指導を仰ぎ、会社本部で決定している。決定事項は施設長に伝達され、施設長から主任、主任から現場職員へ周知されている。パートも含めて全職員が参加するミーティング（月１回）やクラスごとのミーティングなどを通して、保育方針などを周知している。会社本部からの指示文書もファイリング・保管され、いつでも閲覧できるようにしている。アプリを活用し、組織内のコミュニケーションを活発化させている。

運動会やクリスマス会などの行事実施後などにアンケートを実施し、保護者のニーズを把握し、運営改善に生かすようにしている。運営委員会の実施前に保護者にアンケートを実施している。前年度の運営委員会は、新型コロナ禍により中止としたため、アンケートに記載された保護者の意見や要望に対して、施設長・社長・第三者委員の意見をまとめ、報告書を作成し、保護者に配布している。

施設長による職員との個別面談や、年度末のキャリアアップへの意識調査などを通して、職員の意見や提案を把握している。毎月区内私立園の園長会に参加し、保育所運営に関する情報や地域ニーズを収集している。また、区保育指導係の巡回指導があり、保育についての助言・アドバイスを受けたり、他保育所の新型コロナ対策の取り組みなどを聴取し、自保育所運営への参考にしている。専門雑誌や新聞、インターネット、情報誌、研修等で福祉事業全体の動向や行政や業界などの動きを収集している。

法人経営管理部・社長より今後のビジョンを含む中長期計画・事業計画書が配布されている。あわせて予算書も作成されている。年度初めに、施設長・主任・保育士の業務･役割分担表を全職員に渡し、職員個々が自分の役割を認識し、計画に沿って業務遂行できるようにしている。施設長ミーティングで、計画の進捗状況を報告し、年間計画・事業計画が適切に実施されているかどうか確認し合っている。必要な場合は、法人本部・社長から指示文書を出し、適切な運営ができるようにしている。

全体研修にて、顧問弁護士による「情報管理・保育所における事故・虐待等」に関する講話をおこない、保育士として日々遵守すべきことを伝えている。また、社会人としてのマナー、保育士としてのマナー、就業規則、職員指導指針などを「従業員必読文書」に明記している。「従業員必読文書」は職員個々に配布され、いつでも確認できるようにしている。ミーティングなどで、事例を通して、子どもたちとの関わり方などを注意喚起したり、保育者としての役割を再確認するなどして、より良い保育につなげている。

入所時に、保護者に対して、重要事項説明書を提示し、苦情対応について説明している。苦情相談窓口について掲示・周知している。1階の事務室前に意見箱を設置し、何時でも苦情等を投函できるようにしている。ただし、開設以降、投函ゼロであった。施設長や職員に直接口頭で伝えられたり、連絡帳で苦情が記載されたときは、全体ミーティングや、クラスミーティングでその内容と対策について情報共有している。顧問弁護士を第三者委員に委嘱し、運営委員会にも参加し、保護者の苦情や意見に対して助言・アドバイスをしている。

ホームページに施設案内・会社概要・パンフレットを掲示し、運営の透明性を図っている。開設時に地域の幼・保・小の連絡会に参加した。ただし、現在は新型コロナ禍により中止となっている。開設時に施設長が町会に挨拶に出向いたり、地域のお祭りに参加した。また、開設時、土曜日に見学会を開催し、地域の方々に自由に来てもらう機会を設けた。ただし、新型コロナ禍により、見学会は予約制とし、月1回、30分ごとに区切り、3組のみと制限している。同じ建物内に同一法人運営の学童クラブがあり、一緒に実体験学習をおこなうなど連携している。

「避難消火訓練月別計画表」を作成し、毎月、計画に沿って地震・火災を想定した訓練を実施している。9月・2月に不審者対応訓練も実施予定としている。実施後に振り返りをしている。訓練結果の感想、反省・次回への課題についても記録している。職員はこまめにオゾン水で手洗い・うがいをおこない、インターホンやエレベーターのボタン、手すりなどをオゾン水で拭いている。玩具も毎日消毒している。個人が所有する携帯端末も消毒するよう伝えている。園児・職員の家族ががPCR検査で陽性となったときの対応の手順書も作成・掲示している。

「安全管理計画」（転落防止、地震対策、SIDS対策など）「衛生管理計画」「不審者侵入対策マニュアル」（防犯チェックポイントなど）などのマニュアルを用意し、いつでも確認できるようにしている。事故になる可能性があった保育中の出来事をヒヤリハットとして記入し、事故予防に活用している。ミーティング（月1回）では、職員一人ひとつのヒヤリハットを挙げ、記録に残すよう伝えている。新型コロナ禍により、毎朝オゾン水でドアノブなどの拭き掃除、毎日朝と夕の玩具の消毒。職員は子どもと一緒に昼食を食べないなど実施している。

従業員必読文書や就業規則、個人情報取扱いマニュアルなどを用意し、個人情報保護遵守に努めている。重要性や機密性に応じて、ファイル保管や鍵付き保管庫への整理をおこない、施設長が鍵を保管している。「鍵付き保管庫保管リスト」も作成している。個人情報に関わる文書類は持ち出し禁止としている。また、各ファイルのアクセス制限やファイルのロック、パスワード等を設定している。顧客データは限定されたパソコンにて管理しており、インターネット環境下に置かないで独立させ、第三者からの介入や情報漏えいがないようにしている。

ホームページや人材紹介会社の利用、保育士養成学校への求人票の送付などを通して、人材確保に取り組んでいる。当保育所が求める人材像を説明しながら面接し、採用をおこなっている。施設長・主任に対して、リーダーとしてのあり方や後輩指導･育成力の向上に継続的に取り組んでおり、職員の定着化を図っている。月1回の頻度で、施設長が職員と個別面談をおこない、仕事の進捗状況などを聴き取り、やる気向上につなげている。また、同一法人東京内5か所の保育所間での人事異動の機会もあり、能力開発に活かしている。

職員研修計画を作成し、東京都主催のキャリアアップ研修や区・外部機関が主催する研修などを受講し、保育スキルの向上につなげている。キャリアアップ研修に関する情報提供をおこない、シフト調整をして希望の研修に参加できるようにしている。研修受講後は研修レポートや復命書の提出を義務化し、全職員へ回覧したり、報告会等で共有している。また、各ミーティングなどで保育に関わる意見交換をおこない、職員同士の学びの場としている。施設長ミーティングでは、職員育成に関するテーマを取り上げ、指導力の強化を図っている。

タイムカードなどで、職員個々の勤務状況を把握し、業務負担がないよう努めている。改善の必要があれば、その都度、会社本部から指導をおこなっている。有給休暇申請は本人の希望通り受け入れている。施設長との個別面談等で待遇やストレスを受けていないか等を把握している。パート職員に対しても、保育日誌などの書類作成を積極的におこなう、早番・遅番ができる、朝の会や帰りの会の代行ができる、土曜出社ができる、週30時間の労働ができる場合などは、査定により昇給もあり、モチベーションアップにつなげている。

法人のホームページでは保育所運営の考え方や特長、保育所の一日のスケジュールなど、共通の情報を掲載し、系列保育所の紹介では、所在地、電話番号、営業時間、年令別定員、保育室等の写真、アクセスマップなどを見ることができる。また、区の公式ホームページには、区内の他の保育施設と同様に、保育目標・方針、保育料、年齢別定員、職員数、給食内容、一日の保育内容、年間行事予定、園長からの一言、施設レイアウトが掲載され、区発行の冊子「保育園のごあんない」にも所在地、電話番号、年齢別定員を掲載している。

私立の認可保育所であり、区の担当部署に毎月ファームだより（園だより）を提出し、感染症の発生情報をサーベイランスに入力して区内の感染情報を得ている。前年度春の登園自粛要請期間中には1週間の園児の出席状況を報告する等していた。毎月、区主催の園長会に参加して、行政からの情報をもらったり、園長同士で情報交換したりして交流する機会になっている。警察には年2回交通安全指導に来所してもらい、子どもたちが道路の歩き方や横断歩道の渡り方などを教えてもらっている。消防署には消防計画を提出している。

見学会のお知らせはホームページに掲載して、見学希望を受け付けている。月１回、土曜日に、１回の定員を3組までとして、30分程度で説明と保育室等の見学をしてもらう方式にしている。説明は施設長がおこない、当保育所の保育目標や大切にしていること、保育の特長などを伝えている。保護者からの質問にも応じているが、効率よく進めるために、よくある質問内容は盛り込んで説明するようにしている。8月現在の見学参加者は7月5組、8月1組である。

入所前には説明会、個別面談、入所前健康診断を実施している。4月入所の場合は2月中旬～3月上旬に説明会と個別面談を、原則土曜日に実施している。説明会では重要事項説明書を基に、法人の運営理念や保育理念、保育目標、保育計画、食育計画、当保育所の概要、利用する上での約束事、健康面、緊急時対応、災害時対応、相談や苦情について、保育料や食事代、虐待防止、入所時に必要な物、年間行事予定などを説明し、同意書を得ている。提出してもらう書類を渡し、別日の個別面談時に記入済みの書類を持参してもらっている。

入所説明会において、入所当初は徐々に保育時間を長くしていく慣れ保育を2週間程度予定していることを伝えている。入所初日は入園式のみの参加にして、2・3日目は給食前までの保育にしている。4・5日目から給食を食べ始め、子どもの状況により昼寝をするなど、個々に合わせて無理なく新しい環境に慣れるようにしている。保護者の不安を軽減するために、連絡帳で子どもの様子を詳細に伝える他、送迎時には家庭での状況を聴いたり、日中の様子を口頭でも伝えるなどして、安心して預けてもらえるようにしている。

引っ越しなどで退所する場合には、退所についての子どもの理解状況を保護者に確認し、子どもが受け入れている時にはクラスの他の子ども達にもその子が退所することを伝えている。卒所する場合は就学先へ保育所児童保育要録の写しを提出して、保護者にも小学校へ情報提供していることを伝えている。当保育所建物の5階は学童保育を実施しており、ほとんどの卒所児が学童保育を利用しているので、卒所後の様子も見ることができている。前年には系列保育所の年長組と学童保育の利用児とのオンライン交流会を実施している。

入所時には個別面談を実施して、提出してもらった書類を基に、子どもの入所までの生活状況、食事、睡眠、排せつ、着脱、言葉、好きな遊びなどとともに、成育歴、予防接種歴、既往歴などの健康に関する情報も聴き取り確認し、必要に応じて追記している。入所後は毎日連絡帳アプリで睡眠、食事、排せつ、体調、子どもの様子などを連絡してもらい、参考にして保育をしている。日中の子どもの様子は連絡帳、個別日誌、週案日誌などに入力して把握している。また、個人別の児童発達記録を0歳児は毎月、1歳児からは3か月ごとに記録している。

法人共通の「全体的な計画」「年間指導計画」を基に、当保育所の年齢ごとの指導計画（月案・週案）を作成している。月案は各クラスで月案会議を開催し、担任同士で子どもの様子を振り返りながら、0～2歳児は個別計画を、3歳児からはクラス毎に作成し、特別な配慮が必要な子どもについては月案に個別の配慮点を書き入れている。全体的な計画や年間指導計画、月間指導計画はエントランスに置き、保護者にいつでも見てもらえるようにしている。

各クラスの指導計画や保育日誌、連絡帳などは保育ICTシステムを導入して入力しているので、職員はログインID、パスワードでいつでも見ることができるようにしている。園日誌や園内連絡も、自分のアカウントで入って見ることにより、未読者もわかるシステムになり、共有化を図っている。また、職員の情報共有の場としてのミーティングは、午睡当番以外の全職員が参加する月末ミーティング、施設長とクラス担当が参加するクラスミーティングを月１回開催し、その他に臨時に開く全体ミーティング、給食ミーティングなどを実施している。

一人ひとりの子どもの児童票のファイルには家族構成や生活環境、入所までの発達過程、入所後の発達状況記録、保護者面談の記録などを綴じている。日々の保育所における子どもの様子や家庭での様子は連絡帳や送迎時の会話などで保護者と情報共有して保育をしている。また、保育室は年令発達に合わせた玩具類や絵本などを子どもが手の届く棚に用意して、自分で選び使って遊べるような環境にしているが、幼児クラスは異年齢混合のため、はさみなど製作遊びの用具類は、安全のために保育者が管理し、製作活動時に出して使うことにしている。

0歳児が１階、1・2歳児が2階、3～5歳児が3階のフロアで生活しており、各フロア毎に朝の会を開き、集団学習をするなど、異年齢交流をしている。1歳児から外部講師による英会話を週１回取り入れて外国の言語に触れ、月１回のクッキングでは前年度は外国の料理をテーマに取り組み、その国の地球上の位置や国旗、言葉などを学び、調理活動をしている。集団学習の中でも国の名前や国旗などのフラッシュカードを使い、機会あるごとにさまざまな国や人、文化などについて知らせている。外国籍の保護者や子どもも在籍しているが偏見などは見られない。

入所時には「噛みつきやひっかきの対応について」の文書を配付して、子どもの発達の過程で見られる姿であることや子ども同士のトラブルが生じた場合は実名を出して保護者に伝えることなど、保育所の対応について説明している。保護者にはこまめに爪を切ってもらうようにお願いしている。トラブルが発生した時には、それぞれの子どもの思いを尊重して「～したかったんだね」と代弁し、「痛いから噛むのはやめようね」などと知らせている。繰り返す場合には、担任間で保育の見直しをするなど手立てを話し合い、保護者にも伝えている。

朝の登所時、幼児は玄関のサーモグラフィで検温して入室している。受け入れの保育士は子どもや保護者と朝の挨拶を交わし、子どもの顔色や表情、機嫌などの健康観察をし、保護者に体調や様子に変化がないかを聴き取りしている。前日に体調を崩して休んでいたり、保育所で怪我をした時、顔や腕・足などの表出している箇所の傷があった時などには、詳細に様子を聴き取りしてから受け入れている。

0・1歳児では、朝いつもより早めに目覚めたなど眠そうな様子が見られた時には、子どもの状態に合わせて午前睡をしたり、早めに昼寝に入るなど、子どもの状況に合わせて援助している。１歳児からはコットを使用して昼寝をしている。年齢発達により、昼寝に入る時間や長さを考慮し、5歳児は秋の運動会後から次第に昼寝時間を短くして、休息時間を設けるようにし、年明け頃には寝ないで体を休めた後は室内で静かに遊んだり、散歩に出掛けたりして過ごしている。

全年齢で連絡帳アプリを使用して子どもの生活や活動の様子を伝えているが、3～5歳児は子どもと保護者の会話の機会を大事にする観点から、連絡帳には特記事項のみを記入し、活動内容を１階に掲示しているクラスボードに記載して、読んでもらっている。迎えの保護者一人ひとりに、連絡事項だけでなく可能な限り子どもの様子やエピソードを伝えるようにしている。保育所で怪我や体調を崩した時には、必要に応じて保護者に連絡し、受診後の報告や健康の10分・60分チェック結果などを、保護者の帰りを待ち、施設長や主任、担任などが報告している。

月齢や年齢に合わせて内容は異なるが、基本的な日課として午前は朝の会と集団学習、散歩、午後は帰りの会と個別学習を組み込み、週1回2歳児からの英会話、3歳児からは体育教室を保育の中に取り入れている。子どもは自由遊びの時間に遊びたい玩具や絵本、製作や絵描きなどで遊んでいる。散歩先の公園では追いかけっこや固定遊具、虫探しなどで自由に遊んでいる。子どもたちの意見を取り入れて、午後のおやつ後に椅子取りゲームなどの集団遊びをしたり、今度行きたい散歩先の公園と遊びを決めたりもしている。

当番活動は5歳児2名でしており、役割として厨房に人数報告をする、今日の給食献立を聞いて来る、朝の会の皆の前で報告する、給食時の挨拶の声掛けをする、帰りの会の手伝いをするなどである。「今日はお当番」と意欲を持ち、張り切って活動している。また、朝の会や帰りの会では幼児はマスク着用して、毎日、朝の歌や帰りの歌、季節の歌、幼児向けの歌、乳児向けの歌を歌っているので、子どもたちが自信をもってしっかりと歌っている。12月にはクリスマス会（発表会）を開催しているので、運動会が済むと合奏や劇ごっこなどに取り組んでいる。

都会のビル群の中の保育所であり、園庭がないため、朝の会と集団学習の後には、雨や猛暑、極寒でない限り、ほぼ毎日散歩に出掛けている。近隣の小学校周辺や公園などの花壇の草花、木々などを眺め、葉っぱの色の変化に気づいたり、蝶々や蝉、ダンゴムシなどの昆虫、砂・石、花びら、木の葉などの自然に触れたり感じたりして遊び、駆け回って体を動かしている。保育所ではプール遊びや水遊びはできないが、室内で、冷たくしたタオルで汗を拭いたり、水風船などに触れて感触遊びをするなど、夏の遊びを工夫している。

日本の伝統行事や季節の行事、端午の節句、七夕祭り、七五三、お正月、豆まき、ひな祭りを保育に取り入れている。鯉のぼりや七夕飾りなどの行事に合わせた製作活動をしたり歌を歌うなどして行事の意味も知らせている。9月の敬老の日には、おじいちゃんおばあちゃんへの感謝の気持ちを育むことをねらいに、子どもの絵やメッセージを葉書にしたためて郵送する取り組みをしている。

運動会（体育発表会）は小学校の体育館を会場にして、保護者にも参加してもらい、友だちと一緒に一つのことに力を合わせて取り組み達成感を味わう行事にしているが、コロナ禍であることから、保育室で子どもたちを入れ替えたりして体育発表会として実施することにしている。週1回の体育教室で取り組んでいる跳び箱やマット、鉄棒の様子、遊戯などを披露する予定である。5歳児は前年の年長組の跳び箱の開脚跳びに憧れているので、「私たち、僕たちも開脚跳びを見てもらいたい」「今日も跳び箱やりたい」と、子どもたちが意欲的に練習している。

コロナウイルス感染症拡大防止のために、保護者参加行事の給食試食会、保育参観、幼児クラス親子遠足、乳児クラス親子交流会はいづれも中止にしている。体育発表会、幼児のクリスマス会、乳児の保育参観、１月中旬からの個人面談は実施予定である。行事の年間予定は事前に知らせいるが、変更がある場合はファームだよりや掲示、配信などで知らせ、実施する行事のお知らせやお願い、プログラムなどを配付している。行事に向けて取り組んでいる子どもの様子は連絡帳や掲示などで知らせて、楽しみにしてもらえるようにしている。

16時～17時は2歳児以上のクラスはお帰りの会と個別学習の時間にして、0・1歳児はお帰りの会の後、絵本や紙芝居を読んだり、散歩に出掛けたりしている。17時～18時30分頃までそれぞれのフロアで、自由に好きなもので遊ぶ時間にしている。その後人数も少なくなるので、１階の0歳児室に移動して異年齢でゆったりと遊んでいる。

17時からの自由遊びの時間には、3階の幼児クラスフロアでは、ブロックや絵本、塗り絵やパズルなどの机上遊びのコーナーを用意して、子どもが自分で好きなコーナーを選んで落ち着いて遊べる環境にしている。18時30分からの延長保育は現在は2～3名の利用で少人数であり、兄弟関係もいるので、異年齢で遊んだり、大人と遊んだりして過ごしている。

食事時間が楽しい時間になるよう心地よい音楽を流している。0歳児はテーブル付き椅子、1・2歳児は安定して座れるように背丈に合わせたテーブルと椅子を使用して食べている。3～5歳児は座卓で正座して食べている。正座がつらくなった時には崩した座り方でも良いことにしている。コロナウイルス感染症対策として、おしゃべりをせずに静かに食べるように指導している。毎月の誕生会の日のおやつは手作りケーキを提供している。年間6回程度実施している小遠足では、家庭からの弁当持参を3回、他は保育所の弁当にして、戸外で食べている。

法人の栄養管理部作成の系列保育所共通の献立を、保育所の厨房で調理して出来立ての温かい食事を提供している。旬の食材や伝統行事食を取り入れ、日本の四季、伝統文化に親しめる和食中心の家庭料理にしている。牛乳、卵、肉類などは大分県耶馬溪の自然食、他も安全な食材を使用して、米飯の時は麦ごはんで、ひじきなどの海藻、切り干し大根などの乾物も提供している。かむ力やあごの発達を促すように調理し、おやつも基本手作りで、月１回はごぼうのから揚げなどのかみかみおやつ、週１回はかりんとうなどの自然食の硬いお菓子を取り入れている。

月1回2歳児から参加しているクッキング活動は、食材の産地や料理の特徴などを学んだり、調理活動をしたりする食育学習として取り組んでいる。今年は「ご当地グルメ」をテーマに、日本の食文化や地図を学び、調理の前には正しい手洗いや食品衛生について学び、野菜の形や匂いを知り、友だちと一緒に年齢に応じた調理活動をしている。4月は新潟県のぽっぽ焼き、5月は岡山県のきび団子、6月は鹿児島県の鶏飯などに取り組んでいる。保護者向けには毎日の給食展示、毎月発行の給食だより（献立表）と食育だよりで食の大切さを伝えている。

年間保健計画を作成して、子どもの健康増進、病気の予防と早期発見、感染症拡大防止、事故防止を心掛け、心身ともに健やかな子どもを育てることをねらいに取り組んでいる。子ども自身が病気や怪我などを予防できるように、保健指導を実施している。手洗いの大切さは月１回のクッキング活動時などに正しい手洗いの方法を具体的にやって見せ、手洗いの歌を歌いながら洗うなどして、戸外から帰った時やトイレで用便を済ませた後なども身に付くように指導している。その他、散歩時には道路の歩き方や公園で危険な遊びをしないことなどを知らせている。

園児の健康管理として、毎月の身体測定、年3回の嘱託医による定期健康診断、0・1歳児は月1回の健康診断を実施し、嘱託医には、子どもの健康に関する相談に応じてもらっている。歯科医による年2回の歯科検診も実施している。また、投薬、点眼、塗薬は原則受けていないが、やむを得ない場合は医師の処方による薬のみ、与薬している。その際には与薬依頼書と調剤情報提供書の写しと一緒に１回投与量の薬を手渡してもらい預かっている。

保育所内で感染症が発生した場合には感染症発生のお知らせを掲示して注意喚起している。お知らせには、病名、発生クラス、潜伏期、主な症状、気を付けることなどを記載している。子どもの健康維持に向けた情報はファームだよりや食育だよりで提供している。例えば、コロナウイルス感染防止のために手洗い・うがいの徹底と検温、熱中症対策、水分補給、夏バテ防止などである。保育所では子どもの健康状態を把握するために、午睡チェックも含めて10分、60分健康チェックを実施して記録している。

法人の経営理念が、家族を形成する男女が共に仕事を持ち、社会も家庭生活も両立できる男女共同参画社会に貢献することであり、仕事と子育てを両立する上でのさまざまな事情は申し出てもらい、可能な限り配慮して支援をしている。保護者の利便性を高めるために連絡帳アプリを導入し、登所降所時間の30分以上の変更や土曜日出勤に伴う保育の依頼などは連絡してもらい受けている。また、登降所時は階段使用が原則であるが、幼い双子を連れた保護者や妊婦の保護者など、必要と判断した場合にはエレベーターを使用してもらうなどの配慮をしている。

これまでは年1回の保護者会や保護者参加行事の運動会、クリスマス会の後には交流会の時間を設けていた。幼児クラス親子遠足、乳児クラスの親子交流会も保護者同士が交流する機会であったが、コロナウイルス感染症対策により、保護者会や親子遠足等は中止にしている。運営委員会は保護者の代表3名と施設長、法人代表、第三者委員で構成して、年2回開催を予定しているが、昨年は書面開催として、保護者アンケート結果の報告を文書配付している。

年間行事予定では6月と2月の年2回、保育参観を実施して、保育所での朝の会、学習の様子、友だちや保育者との関わりなどを見てもらう機会にしているが、コロナウイルス感染症緊急事態宣言中のため、6月は中止している。個人面談は希望者を対象にしているが年長組は全員参加をお願いしている。また、子育ての悩みや困っていることなどは随時相談を受け付けており、保護者との直接会話の機会を大事にしている。

子ども達は毎日のように地域の公園などに散歩に出掛けたり、お弁当を持参して小遠足をしたりしている。これまでは近隣の小学校の体育館を借用して運動会を実施していた。学校の夏休みや冬休みの期間中に実施している実体験学習では、映画館やプラネタリウムなどへの出掛けるなど、さまざまな体験をしていた。この夏は近隣の区立保育園のプールを使わせてもらう予定であったが、コロナウイルス感染症拡大防止のために中止にしている。

2年前の開園時には、地域の子育て中の親子に保育体験を呼び掛け、予約なしで土曜日毎に来てもらう取り組みをしていた。現在は月1回、申し込みしてもらい保育体験を実施している。同じ建物内の5階に学童保育があり、卒園児が通所しているので、夏休み期間中の実体験学習に参加してもらっている。地域の夏祭りは夕方からであり、施設長が町会に挨拶に行っている。セキュリティの関係上、保育所の行事等への地域の人の参加の呼び掛けはしていない。ボランティアや実習生は現在は受け入れていない。

法人のプライバシーポリシーを作成し、玄関エントランスに置いて、保護者にいつでも見てもらえるようにしている。行事等で撮影した写真・動画のインターネット公開禁止について、重要事項説明書で説明し、同意を得ている。当保育所で動画を作成して保護者向けに配信した折には、撮影や配信についての同意を得て実施している。また、子どもの羞恥心への配慮として、着替える際は全裸にならずに脱いだ物から着ることを知らせ、窓のカーテンを閉めている。乳児のおむつ替えやおもらしの着替えは衝立を使用したり、トイレで着替えるなどの配慮をしている。

朝の会などの集団活動に参加したくないような時には無理に誘わず、他の子どもの集団活動の様子を見ていたり他の場所で過ごしたりして、子ども自身がやる気持ちになるのを「待つ」ようにしている。子ども一人ひとりの育ちを児童発達記録で確認して保育をしている。名前の呼び方は～くん、～ちゃんと呼び、呼び捨てなどはしていない。子どもの誕生日当日にはクラスでお祝いし、玄関エントランスにも誕生児紹介を掲示している。そして、月１回の全園児参加の誕生日会を集会形式で開き、誕生カードにおめでとうのメッセージを書いて渡している。

コロナウイルス感染症対策のために、集合研修には参加していない。区内の園長会で、不適切保育についての情報や資料をもらい、職員に周知し、資料も見てもらっている。職員は「虐待防止マニュアル」も目を通し、常日頃から子どもの様子の変化に気を配り、虐待の早期発見や防止などへの意識をもって行動しており、子どもの言動や様子の変化、原因不明の傷を発見した時には、本人や保護者に確認し、虐待が疑われる場合には施設長に報告することにしている。

法人共通の「従業員必読文書」、「地震マニュアル」「安全管理マニュアル」「衛生管理マニュアル」「給食マニュアル」「散歩マニュアル」などさまざまなマニュアルを整備している。当保育所独自の「業務マニュアル」「重要事項説明書」、「散歩マニュアル」を作成している。「従業員必読文書」「重要事項説明書」は個人持ちにし、その他のマニュアル類は１階の事務室の棚に置き、職員がいつでも確認することができるようにしている。これらのマニュアル類は保育ITCシステムの中に取り込むことにしている。

法人共通のマニュアル類や当保育所の重要事項説明書は法人系列保育所の施設長会議の際に、見直しを議題として取り上げて検討している。重要事項説明書は新年度準備の前の12月や1月頃に、見直しを検討している。業務手順の変更などは不都合が生じた際などに、随時職員ミーティングで提案して見直している。

コロナ禍のために保護者会開催を中止している。年2回開催の運営委員会も書面開催として、保護者アンケートを実施し結果を紙面で報告している。アンケートでは、送迎時の室内階段の混雑防止のために使用している人数制限カードを使用しない人、約束を守らない人がいるという意見が寄せられ、「混雑すると危険であり、カード使用を徹底してもらうよう改めて呼び掛ける」ことにした。消毒液置き場の追加についてはすぐに対応した。保護者の意見や要望は検討し、可能なことはすぐに改善し、無理な場合はその旨を回答している。