東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

法人内東京事業所全体で、毎年、2月に研修を実施し、社長が次年度の方針を伝えている。同研修には次年度入職の新人職員も参加し、会社の理念・方針についての理解浸透を図っている。また、毎年、4月のミーティングで該当年度の事業計画書について説明し、職員へ周知している。施設長ミーティング（年4回）を実施し、会社本部から方針や決定事項などを伝えている。定期的な施設ミーティングにより、会社本部と施設の認識のずれを修正し、方向性を一つにしている。

ホームページに当保育所の3つの特徴を明記し、利用希望者などに周知している。また、入所前と入所時に保護者に重要事項説明書を使って運営理念・保育理念・保育目標を伝えている。保育所の運営上の変更点については、6か月前には通知文書を保護者に配布・周知している。保護者代表、会社社長・施設長などが参加する「運営委員会」(年2回）を開催し、保護者代表との意見交換をおこない、会社方針などの理解を深めていただいている。ただし、前年度・今年度は新型コロナ禍により、中止・書面開催としている。

重要案件が生じた際は、主任、施設長に伝え、その後、会社本部・社長に指導を仰ぎ、会社本部で決定している。決定事項は施設長に伝達され、施設長から主任、主任から現場職員へ周知されている。パートも含めて全職員が参加するミーティング（月１回）やクラスごとのミーティングなどを通して、保育方針などを周知している。不参加の方には、議事録を事務室に置き、いつでも閲覧できるようにしている。会社本部からの指示文書もファイリング・保管され、いつでも閲覧できるようにしている。

運動会やクリスマス会などの行事実施後にアンケートを実施し、保護者のニーズを把握している。これまで、行事実施時の観客席の使い方などについて改善するなど、できることは次年度の開催時、改善につなげている。運営委員会の実施前に保護者にアンケートを実施し、その内容を集約し、運営委員会で保護者に要望や質問の内容と回答をフィードバックしている。実施後は、議事録や運営委員会での決定事項を文書にまとめ、全保護者に配布している。

施設長による職員との個別面談や、年度末のキャリアアップへの意識調査などを通して、職員の意見や提案を把握している。職員からは、新型コロナ禍により夏祭りができなかったため、「秋祭りをしたい」などの意見が挙がっており、運営に活かしている。また、区内私立園だけの園長会（月1回）に参加し、保育所運営に関する情報や地域ニーズを収集している。区から感染対策を含む必要な情報が随時伝達され、密に連絡を取り合っている。専門雑誌や新聞、インターネット、情報誌、研修等で福祉事業全体の動向や行政や業界などの動きを収集している。

法人経営管理部・社長より今後のビジョンを含む中長期計画・事業計画書が配布されている。あわせて予算書も作成されている。年度初めに、施設長・主任・保育士の業務･役割分担表を全職員に渡し、職員個々が自分の役割を認識し、計画に沿って業務遂行できるようにしている。施設長ミーティングで、計画の進捗状況を報告し、年間計画・事業計画が正しく実施されているかどうか確認し合っている。必要な場合は、法人本部・社長から指示文書を出し、適切な運営ができるようにしている。

全体研修にて、顧問弁護士による「情報管理・保育所における事故・虐待等」に関する講話をおこない、保育士として日々遵守すべきことを伝えている。また、社会人としてのマナー、保育士としてのマナー、就業規則、職員指導指針などを「従業員必読文書」に明記している。「従業員必読文書」は職員個々に配布され、いつでも確認できるようにしている。前年度、オンラインによる「児童虐待防止」や、「保育における子どもの人権と人権教育」などをテーマとした研修に職員を派遣している。

第三者委員の設置、苦情解決制度に関する文書の掲示、「苦情解決・ご意見対応シート」と意見箱の設置などにより、いつでも意見や苦情を表明できる仕組みを構築している。保護者から、直接第三者委員に電話で苦情の連絡が入ったときは、すぐに会社代表に報告が入り、会社代表から施設長に連絡し、施設長は事実確認をおこなうとともに、職員ミーティングで、苦情内容を報告し、今後の対応について共有化している。苦情が記名の方には個別対応し、匿名の場合は個人が特定できる内容を除き、申し出内容・解決結果を掲示公表することにしている。

第三者評価の結果について、保護者や来訪者がいつでも閲覧できるようにしている。ホームページに施設案内・会社概要・パンフレットを掲示し、運営の透明性を図っている。地域の子育て世代を対象に育児相談会・子育て体験学習などを実施し、当保育所の持つ専門性を地域に還元している。卒園児や高校生の職場体験、大学生のインターシップを受け入れている。その際は、事前、または初日にオリエンテーションを実施し、個人情報保護や感染対策、子どもへの関わり方などについて留意事項を伝えている。

「避難消火訓練月別計画表」を作成し、毎月、計画に沿って訓練をおこなっている。訓練では、子どもも防災頭巾を着用し、避難靴を履くなどしている。散歩時の不審者対応訓練、午睡終了直後に地震が起きたなど、さまざまな想定による訓練を実施している。実施後、評価・反省もおこなっている。新型コロナウイルス感染症対策として、手指消毒、毎朝の検温、不織布のマスク着用、保育室内の換気や消毒、給食援助・歯磨き仕上げ・髪を結ぶ際には１回ごとにオゾンで手を消毒、使用玩具のオゾン消毒、密を避ける保育などをおこなっている。

看護師が講師となり、嘔吐物処理研修、アナフィラキシー・エピペンの使い方などの園内研修を実施している。嘔吐物処理の研修では、嘔吐物処理必要物品の確認、嘔吐の処理の仕方など実践的な研修としている。事故になる可能性があった保育中の出来事をヒヤリハットとして記入し、事故予防に活用している。区主催の「リスクマネジメント」をテーマとした研修や、東京都主催のキャリアアップ研修「保健衛生・安全対策」などに職員を派遣し、事故防止および健康安全管理に関する組織的取り組みなどについて学んでいる。

従業員必読文書や就業規則、個人情報取扱いマニュアルなどを用意し、個人情報保護遵守に努めている。重要性や機密性に応じて、ファイル保管や鍵付き保管庫への整理をおこない、施設長が鍵を保管している。「鍵付き保管庫保管リスト」も作成している。個人情報に関わる文書類は持ち出し禁止としている。また、各ファイルのアクセス制限やファイルのロック、パスワード等を設定している。顧客データは限定されたパソコンにて管理しており、インターネット環境下に置かないで独立させ、第三者からの介入や情報漏えいがないようにしている。

ホームページや人材紹介会社の利用、保育士養成学校への求人票の送付などを通して、人材確保に取り組んでいる。当保育所が求める人材像を説明しながら面接し、採用をおこなっている。施設長・主任に対して、リーダーとしてのあり方や後輩指導･育成力の向上に継続的に取り組んでおり、職員の定着化を図っている。月1回の頻度で、施設長が職員と個別面談をおこない、仕事の進捗状況などを聴き取り、やる気向上につなげている。また、同一法人東京内5か所の保育所間での人事異動の機会もあり、能力開発に活かしている。

職員研修計画を作成し、東京都主催のキャリアアップ研修や区・外部機関が主催する研修などを受講し、保育スキルの向上につなげている。シフト調整をして希望の研修に参加できるようにしている。研修受講後は研修レポートの提出を義務化し、全職員へ回覧している。また、クラスミーティングで子どもが落ち着いて安全に遊べる環境づくりについて意見交換をおこなうなど、職員同士の学びの場としている。施設長ミーティングでは、職員育成に関するテーマを取り上げ、指導力の強化を図っている。

タイムカードなどで、職員個々の勤務状況を把握し、業務負担がないよう努めている。改善の必要があれば、その都度、会社本部から指導をおこなっている。有給休暇申請は本人の希望通り受け入れている。施設長との個別面談等で待遇やストレスを受けていないか等を把握している。パート職員に対しても、保育日誌などの書類作成を積極的におこなう、早番・遅番ができる、朝の会や帰りの会の代行ができる、土曜出社ができる、週30時間の労働ができる場合などは、査定により昇給もあり、モチベーションアップにつなげている。

法人のホームページには保育所運営の考え方や特長、保育所の一日のスケジュールなど、共通の情報を掲載し、系列の他の保育所と同様に、所在地、電話番号、営業時間、年令別定員、保育室等の写真、アクセスマップなどを紹介している。パンフレットを区役所の入園相談窓口に置いてもらっている。また、区のホームページや区発行の冊子「保育園のごあんない」には他の保育施設と同様に園名を、「いきいき安心子育てガイド」には住所、電話番号、延長保育時間などが掲載されている。

私立の認可保育所であり、区の担当部署には毎月、延長保育の実績などを報告し、感染症発生時にも報告をしている。区主催の私立認可保育所の園長会は月1回開催され、行政からコロナウイルス感染症対応や不適切保育についてなどの情報をもらったり、園長同士で情報交換をしているが、現在はオンライン開催である。区内の図書館は土曜日や幼児の実体験学習で利用している。近隣の小学校は運動会の会場として借用したり、年長組が1・2月頃に学校見学をしている。

見学の希望は電話で受け付けている。コロナウイルス感染症の緊急事態宣言中であることから、土曜日に1回1組にして8月は2回実施した。9月以降の見学会のお知らせはホームページに掲載して、サイトから見学希望を受け付けている。開催は土曜日、1日3回、1回につき3組で実施する予定である。案内や説明は施設長または主任がおこない、保育所の理念や保育の特長などを説明している。見学後に学習教材を見てもらい、カリキュラムの説明などをしている。おむつの処理や散歩先、遊ぶ時間などの質問にも応じている。

入所内定者には、提出していただく書類を受け取りに来てもらったときに、重要事項や保育時間などについて個別に説明をしている。説明する際には、重要事項説明書を基にして、法人の経営理念、保育理念、保育目標、保育計画、学習計画、食育計画、当保育所の概要、利用する上での約束事、健康面、緊急時対応、災害時対応、苦情受付、保育料、虐待防止、入所時に必要な物、行事予定などについて伝え、同意を得ている。3月初旬には嘱託医による入所前健康診断や親子面談を実施している。

入所前の面談時に、就労状況や職場復帰時期、慣れ保育の意向などを聴き取っている。1歳児からの保育所であり、保護者が就労中で集団保育の経験がある場合や初めての集団保育など、個々に状況が異なるため個別対応をしている。初めての集団保育の場合、4月入所では初日は入所式参加、2・3日目は給食前までの預かり、4日目から昼食後のお迎え、食事が食べられる場合には昼寝をするなど子どもの状態に合わせて個別に対応している。子どもの様子は連絡帳や送迎時に口頭で伝えるなどして、保護者も安心して預けられるように配慮している。

引っ越しなどで退所する場合には、新しい子育て環境に不安がないかを聴いたり、いつでも遊びに来てくれるように伝えたりして不安軽減に配慮している。退所することをクラスの子ども達に伝えてよいかどうかを確認してから、朝の会や帰りの会などで紹介している。これまでの製作物を綴ったり、メッセージを書いたりして渡している。卒所児の就学先へは保育所児童保育要録の写しを提出し、保護者にも伝えている。これまでは卒所した小学2年生以上に、夏休み期間中の職場体験のお誘いをして、応募してくれていたが、コロナ禍であり、中止している。

入所前の個別面談で提出してもらった書類を基に、子どもの入所までの生活状況、食事、睡眠、排せつ、着脱、言葉、好きな遊びなどとともに、成育歴、予防接種歴、既往歴などの健康に関する情報も聴き取り、確認し、必要に応じて追記をしている。入所後は毎日連絡帳アプリで睡眠、食事、排せつ、服薬、機嫌、体温、子どもの様子などを連絡してもらい、参考にして保育をしている。日中の子どもの様子は連絡帳、個別日誌、週案日誌などに入力して把握している。また、個人別の児童発達記録を0歳児は毎月、1歳児からは3か月ごとに記録している。

法人共通の「全体的な計画」「年間指導計画」を基に、当保育所の年齢ごとの指導計画（月案・週案）を作成している。月案は各クラスの担任同士で子どもの様子を振り返りながら、1・2歳児は個別の計画、3歳児からはクラス毎に作成し、特別な配慮が必要な子どもについては月案に個別の配慮点を書き入れている。毎月発行しているファームだよりには、月の行事予定、季節の歌、乳児・幼児の歌、学習内容、クラス目標などを掲載している。

子どもに関する情報共有のために、施設長と主任との主任ミーティングを月末に、午睡担当以外の職員全員が参加する全体ミーテングを月末の火曜日に実施し、その他、給食ミーティング、クラスミーティングなどを月１回開催している。全体ミーティングでは、事務連絡や行事関係、月の製作活動、各クラスの子どもに関する情報交換などをしている。申し送りや引き継ぎは引き継ぎノートを使用し、職員各自が出勤後必ず目を通すことにして共有している。その後の連絡は、1フロアの施設であり施設長などが口頭で伝えている。

一人ひとりの子どもの児童票のファイルには家族構成や生活環境、入所までの発達過程、入所後の発達記録、保護者面談の記録などを綴じている。日々の保育所における子どもの様子や家庭での様子は連絡帳や送迎時の会話などで保護者と共有して保育をしている。子どもに関する情報は、昼寝の時間などを利用して担任同士で情報交換している。また、保育室は整理整頓に心掛け、1・2歳児室では子どもの興味のある玩具類を保育者が出して使えるようにし、幼児室では子どもが自分で選んで使える手の届く棚に、年齢に応じた玩具類や絵本などを用意している。

3・4・5歳児は広い保育室で、年齢発達を考慮しながら異年齢合同保育をしている。散歩や小遠足には、1・2歳、2・3歳、3歳以上など、異年齢で一緒に行くことが多く、幼児の場合は5歳児が3歳児と手をつないでいる。また、水族館ごっこに取り組んだ時には、年齢発達に合わせて色塗り、切る、貼るなどの製作活動をして作り上げ、ごっこ当日には異年齢グループで一緒に見て回り、楽しんでいた。異文化経験として、週1回外部講師による英会話、集団学習では国旗や国名などを学び、クッキング活動には外国の料理を取り入れている。

入所時に、「噛みつきやひっかきの対応について」の文書を配付し、子どもの発達の過程で見られる姿であることやトラブルが生じた場合は双方の子どもの名前を保護者に知らせる旨を説明している。1・2歳児のトラブルでは、子どもの気持ちを受け止めて、「～したかったんだね」と代弁しながら、「噛むと痛いから止めようね」や「おもちゃを貸してもらいたい時には『貸して』と言うんだよ」などとその都度知らせている。幼児のトラブルの場合は個々の気持ちを聴き、話し合ってもらうが、解決が困難な場合には大人が解決に導いたりしている。

登所時には、「先生おはようございます」「～さんおはようございます」と子どもや保護者と交わす挨拶を大事にしている。保育士は子どもの顔色や表情、機嫌などの健康観察をし、顔や腕・足など表出箇所の傷の有無を確認して、保護者に子どもの健康状態を聴き取り、受け入れている。前日に発熱したなど健康に不安がある場合には脇検温をして受けている。マスク着用時は特に口の周りの傷なども気を付けている。連絡帳アプリには食事、睡眠、排便、服薬、機嫌、検温、子どもの様子などを書き込んでもらい、参考にして保育をしている。

一人ひとりの子どもの発達状況に合わせて、食事や排せつなどの生活習慣が身に付くように援助している。トイレトレーニングは昼寝明けにおむつが濡れていない時にはトイレに誘ってみている。活動と活動の間のタイミングでトイレに誘ってみる、排尿の間隔が長くなってきた、トイレに興味を持ち座ってみようとするなどの姿が見られるようになると、保護者と相談してトイレトレーニングを始めている。

連絡帳アプリを使用して子どもの生活や様子を伝えてもらっているが、1・2歳児は日中の子どもの食事、午睡、排便、活動の様子などを入力し、3歳児以上は保護者と子どもの会話を大事にする観点から、特記事項のみ入力し、クラスの主な活動をお知らせに入力している。降園時には一人ひとりの保護者へ子どもの様子・エピソードを伝えることにしているが、コロナ禍で玄関での受け渡しにしているため、迎えが重なる場合には要件のみを伝えることもある。噛まれたりひっかかれたりした時などは担任だけでなく施設長も保護者の帰りを待って伝えている。

月齢や年齢に合わせて内容は異なるが、基本的な日課として午前は朝の会と集団学習、散歩、午後は帰りの会と個別学習を組み込み、週1回2歳児から英会話、3歳児からは体育教室を保育の中に取り入れている。子どもは登所後や夕方の自由遊びの時間には、自分の遊びたい玩具や塗り絵、絵本、ブロックなどを使って遊んでいる。散歩先の公園などでは、砂遊びや、虫探し、花びらや木の葉集め、駆け回って遊ぶなどの好きな遊びをしているが、ルールのある泥警や氷鬼などの鬼ごっこは自分たち独自のルールで遊んだりしている。

朝の会や集団学習、散歩に出掛ける、体育教室、英会話などはほとんどの子どもが楽しみにして参加している。時には、リトミックなどの集団活動で、気分が乗らない、初めてで気後れしている、恥ずかしい、自信がないなどの思いから参加したくないという場合には子どもの気持ちを受け止めて、無理に誘わず、一緒に傍にいて友達の様子を見ていたり、他のスペースで時間をかけて本人の気持ちがやる気になるまで待ち、いつでも入って良いことも伝えている。

3・４・５歳児の異年齢グループで当番活動をしている。厨房に、挨拶をして人数報告をし、「今日の給食のメニューは何ですか」と聞いてきて、朝の会の皆の前で「今日の給食は～と～です」と報告している。その他に、プランターで栽培しているひまわりの水やりや食事の前にはみんなの前で挨拶の声掛けをすることも役割にしている。子ども達は当番活動を楽しみにして張り切って取り組んでいる。絵本の読み聞かせも好きな子どもが多く、クリスマス会（発表会）には子ども達のお気に入りの絵本を題材にして、劇ごっこをしている。

5歳児は例年、運動会で跳び箱の開脚跳びを披露することを目指して取り組んでいる。月曜日に体育教室をしているが、もっと跳べるようになりたいとの思いから他の日にも「今日は跳び箱やらないのか」などと声が上がるほどである。6段跳びを目指しているが、当日までに自信をもってできる段数を披露している。リレーも公園の広場でバトンの受け渡しを繰り返し練習し、勝ち負けにこだわりながら、取り組んでいる。運動会では一人ひとりが開会の言葉やトロフィーをもらうなどの役割を担い、輝いている。

前年9月の夏祭りごっこでは、夏祭りのお店はどんなものにしたいか子ども達が意見を出し合い、焼きそば、ドーナツ、たこ焼き、金魚すくい、輪投げ、ヨーヨー釣りなど、屋台のお店を作ることにして、製作した食べ物や金魚などを並べ、お金も作り、お店屋ごっこを楽しんだ。当日はお店屋さんとお客さんと役割を交代しながら、店屋になると「いらっしゃい、いらっしゃい」と大声で呼びこみをして、異年齢グループで一緒に行動しているお客さんの時には、年下の子どもの買い物の手助けする等張り切っている様子が見られた。

保護者に参加してもらう行事は保育参観、運動会、クリスマス会（学習発表会）、親子遠足、給食試食会であるが、コロナ禍のために、行事が中止や延期になる場合は、ファームだよりに掲載し、お知らせを配信している。子どもたちの小遠足には年3回、家庭にお弁当作りをお願いしている。行事等の日程はファームだよりでお知らせし、詳細は行事のお知らせを発行して伝えている。運動会やクリスマス会にはプログラムも配付している。保護者には行事に向けて取り組んでいる子どもの様子を送迎時に伝えるなどして、楽しみにしてもらっている。

落ち着いて遊べるように、子どもの人数が多い夕方の17時過ぎまではよく親しんでいる各保育室で過ごし、その後5歳児は2歳児室で、その他の年令の子どもたちは1歳児室で一緒に遊んでいる。18時になると軽夕食を食べる子どもたちは2歳児室に移動して、軽夕食を摂らない子どもたちは広い玄関前の廊下で、絵本を読んだりして迎えを待っている。

18時30分以降の延長保育を利用している子どもは７～10人程度であり、2歳児室で職員2名と一緒にゆったりと過ごしている。1歳児も一緒に過ごしているので、危険がないようにパズルや塗り絵、絵描きなど落ち着いて遊べる玩具類を使って遊んでいる。年下の子どもが年上の子どもの遊びに興味をもって傍で見ていると、年上の子どもが遊びに入れてくれたり、一緒に絵本を読んでもらうなどの自然な異年齢交流の場になっている。

1・2歳児は背丈に合わせたテーブルと椅子を使用して安定して座り、落ち着いて給食を食べている。3～5歳児は座卓を使用して正座し、姿勢よく食べているが、正座が辛くなれば崩して座っている。コロナウイルス感染症対策として、向かい合わずに座り、おしゃべりをせず静かに食べるよう指導している。朝の会で献立を報告し、食前には今日の食材について話をしている。毎月の誕生会のおやつは手作りケーキで、4・5歳の誕生児の希望メニューを取り入れた昼食にしており、訪問日が誕生会であり、希望メニューのラーメンが提供されていた。

法人の栄養管理部が作成した系列保育所共通の献立を、保育所の厨房で調理して出来立ての温かい食事を提供している。旬の食材や伝統行事食を取り入れ、日本の四季、伝統文化に親しめる和食中心の家庭料理にしている。牛乳、卵、肉類などは大分県耶馬溪の自然食、他も安全な食材を使用して、米飯の時は麦ごはんで、ひじきなどの海藻、切り干し大根などの乾物も提供している。かむ力やあごの発達を促すように調理し、おやつも基本手作りで、月１回はごぼうのから揚げなどのかみかみおやつ、週１回はかりんとうなどの自然食の硬いお菓子を取り入れている。

月1回のクッキング活動は2歳児も参加して食育学習として実施しているので、食材の産地や料理の特徴などを学び、友だちと一緒に年齢に応じた調理活動をしている。今年は「ご当地グルメ」をテーマに、日本の食文化や地図を学び、調理の前には正しい手洗いや食品衛生について学び、野菜の形や匂いを知り、すり潰しや生地作りなどの調理活動をしている。4月は新潟県のぽっぽ焼き、5月は岡山県のきび団子などに取り組んでいる。保護者向けには毎日の給食展示、毎月発行の給食だより（献立表）と食育だよりで食の大切さを伝えている。

年間保健計画を作成して、子どもの健康増進、病気の予防と早期発見、感染症拡大防止、事故防止を心掛け、心身ともに健やかな子どもを育てることをねらいにして取り組んでいる。看護師による正しい手の洗い方の指導は、手袋シアターでばい菌をごしごし洗い流したり、きらきら星の曲で手を洗う歌を教えたり、洗い残しがわかるようにして見せるなど、子どもにわかりやすく視覚的に指導している。保育士は保育活動の場面で危ない遊び方をしないことや散歩時の道路の歩き方や横断歩道の渡り方などを知らせている。

園児の健康管理のために、毎月の身体測定、嘱託医による年2回の定期健康診断、歯科医による歯科検診を1歳6か月から年2回実施している。嘱託医には園児の健康に関する相談に応じてもらっている。また、特別な配慮が必要な子どもの援助について、区の巡回相談を受けたり、療育機関に通所している子どもの保育所での様子を療育機関の専門職に見てもらうなど、関係機関と連携して対応している。

保育所での感染症発生情報や子どもの健康に関する都や区からの情報、ポスターなどは、玄関の感染症のお知らせコーナーに掲示している。感染症発生時には、病名、発生クラス、人数、潜伏期間、症状、注意することなどを掲示して注意喚起をしている。訪問調査日には、RSウィルスに関する注意喚起の情報が掲示してあった。保育所では、子どもの健康状態を把握するために、午睡チェックも含め保育時間中に、10分・60分チェックを実施して、咳や鼻水など体調の変化を記録している。

法人の経営理念が、家族を形成する男女が共に仕事を持ち、社会も家庭生活も両立できる男女共同参画社会に貢献することであり、仕事と子育てを両立する上でのさまざまな事情は申し出てもらい、可能な限り配慮して支援している。園の開園時間内であれば、残業などの急な保育時間の変更や土曜日が出勤になった時などの保育依頼などは申し出てもらい受けている。習い事などで早退した時、保護者が職場に復帰する場合は他の兄弟は預かるなど、可能な配慮をしている。

保護者に参加をお願いしている保育行事は、運動会やクリスマス会、親子遠足であり、子どもたちの様子を見てもらったり一緒に行事を楽しんでもらい、保護者同士の交流の機会にしている。例年6月は保育参観に引き続き保護者会を開催しているが、今年はコロナウイルス感染症拡大防止のため、日程を9月に変更したが、緊急事態宣言が延長となり中止することになった。

例年実施している保育参観では、子どもたちの普段の保育所での過ごし方、朝の会や集団学習の様子、友だちや保育士との関わりなどをみてもらう機会にし、1歳児は親子製作・親子ふれあい遊び、2歳児は親子製作、3・4・5歳児では英会語の様子も見てもらうことにして、その後に保護者会を開催している。コロナ禍のために日程を延期したが、中止を余儀なくされたため、各クラスの子どもたちの様子、食事、排せつ、着脱などの生活習慣、クッキング、英会話などの様子、今後の行事予定などを文書して配付している。

子ども達は毎日のように地域の公園などに散歩に出掛けて遊んでいる。年10回程度実施している小遠足も近場の公園に行き、遊んだり弁当を食べたりしている。コロナ禍以前は、学校の長期休暇中に実施している実体験学習では地域の映画館やプラネタリウム、図書館に出掛けるなど、さまざまな体験をしていた。

地域の小学校には、運動会の会場を借用したり、年長組が学校見学をさせてもらっている。図書館は土曜日や学校の長期休館中にしている実体験学習で利用させてもらい、公共施設のマナーなどを学ぶ機会にしている。保育所の行事などへの地域の人、その他の不特定多数の人の参加はセキュリテイの関係上していない。ボランティアや実習生も受け入れていない。

法人のプライバシーポリシーを玄関ホールに掲示していつでも見てもらえるようにしている。行事などで撮影した写真や動画のインターネット等での公開禁止については重要事項説明書に掲載し、同意を得ている。また、子どもの羞恥心への配慮として、身体測定時には3歳児以上のクラスでは男女別に着替えている。日常の着替えの際には窓のブラインドを閉めている。おもらしの子の着替えなどは他の子どもに気づかれないようにサッと連れて行き、トイレで着替えさせている。おむつ交換もトイレでしている。

子ども一人ひとりの生活リズムや育ちを大事にして保育をしている。子どもが自分でしたことは尊重し、例えば、自分の髪を自分で結んだ時には少々曲がっていてもその子どもの気持ちを大事にして、後ほどさりげなく結び直してやっている。子どもの名前を呼ぶ時には～ちゃん、～くんと呼び、呼び捨てや愛称では呼んでいない。子どもの誕生日当日はクラスで成長を祝い、毎月のお誕生会では皆の前に出てもらってお祝いし、誕生カードを渡している。

常日頃から子どもの様子、表情、言動などの変化、身体の原因不明の傷などに注意を払うようにしている。職員はオンライン研修に参加して、私立保育園連合会主催研修で虐待の対応について学び、都の保育士キャリアアップ研修でも保護者支援をテーマに虐待予防を学んでいる。これらの研修に参加後の報告で他の職員へも周知している。また全職員へ、「児童虐待を見逃さないために」の資料を回覧して読んでもらっている。

法人共通の「従業員必読文書」、「地震マニュアル」、「安全管理マニュアル」、「衛生管理マニュアル」、「給食マニュアル」、「散歩マニュアル」などさまざまなマニュアルを整備している。当保育所独自の「重要事項説明書」、「業務マニュアル」、「散歩マニュアル」を作成している。「従業員必読文書」と「業務マニュアル」「重要事項説明書」は個人持ちにし、その他のマニュアル類は事務室の棚に置き、職員がいつでも確認することができるようにしている。

法人共通のマニュアル類や当保育所の「重要事項説明書」は系列保育所の施設長会議の際に、見直しを議題として取り上げて検討している。重要事項説明書は新年度準備の12月や1月頃に、見直しを検討している。業務手順の変更などは不都合が生じた際などに、随時職員ミーティングで提案して見直している。

前年11月に実施した保護者アンケートで寄せられた意見に対する回答文書を配付している。給食時に牛乳を飲んだコップで水分を飲んでいるのが気になるとの意見には、気になる子どもにはコップを水で洗い流してからお茶を入れるようにする。園での水分摂取量が少ないのではないかとの意見には、活動の区切りに水分補給の時間を取っており、幼児は持参した水筒でいつでも飲めるようにしているが飲んだ量が不明のため、朝の会・学習時間終了時には水分補給の時間を設ける。水筒の中身のチェックをすることなどを伝えている。