東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

「のびやかに育てだいちの芽」という保育理念にもとづき、「みとめ愛・みつめ愛・ひびき愛」という保育方針を掲げています。それらを踏まえ、めざす保育園像や保育目標を定めています。これらは重要事項説明書やパンフレットに記載し玄関前や保育室内に掲示しています。そして、見学の際にはパンフレットを渡し理解を深めてもらえるように背景の考え方等を説明しています。また、運営委員会や行事等の際にも、園長が直接説明しています。職員に対しては入社時研修を行い、定期的に日々の活動に関連させながら説明し理解を深めています。

今年度は、経営層の役割を明確にするために話し合いの場を設け、改めて「職務分掌」に園長、主任等を含めた職員の役割を定めました。役職とそれに対応する職務や業務内容を明確にし問題解決に向けて迅速な対応が取れる体制を築いています。例えば園長の役割は「全体の統括」「本部連携」「施設・安全・危機管理責任」等が明記され、年度初めの職員会議で周知しています。園の課題を明確にし、職員全体で取り組めるようにコミュニケーションを図り共通意識を持てるようにし、問題解決にあたり決断することが経営層の役割であると意識しています。

法人での決定事項については昼礼や職員会議で直接伝え、決定内容の周知徹底を図っています。特に重要な案件については、全ての職員にもれなく伝わるように回覧板を用いて情報共有を行っています。保護者への連絡には園だよりや、その都度資料を配付し、理解と周知を図っています。職員アンケートでもあるように、これまでのやり方では現場全体への情報の伝達に課題があり、今後より適切かつ迅速に、職員全体に重要な情報がしっかりと伝わっていくように職員間の連携を強化していく予定です。

各行事の後に利用者にはアンケートを配付し、感想や意見をもらい把握するよう努めています。また個人面談や懇談会においても周囲の意見を求め意向を把握しています。職員会議ではそれぞれが意見を言いやすい環境作りを心がけ、日々のコミュニケーションの中においても意見を把握するよう努めています。定期的に職員面談を開催し、運営会社の方でも園での仕事に対する職員の「満足度調査」を行い、自分から意見を発しにくい職員に対しては、園長から声をかけ聞き取りを行い意見の把握に努めています。

「区園長会」「私立園長会」「幼保小連絡会」などに経営層が参加することで、サービスや経営力の向上のための情報を把握するよう努めています。現在地域においては、利用者の定員割れや感染症対策等の課題があることを認識しています。福祉事業全体の動向に関しては、運営会社からの情報共有や区内の園長会で情報を把握しています。最近は在宅勤務の増加など、保護者の就労形態も変化してきており、変化に対する対応が課題となっています。年間収支計画については法人本部で作成した上で、その計画に従って運営できるように園で管理しています。

園では2021年度からの3ヵ年計画を作成しており、「保育の質の向上」「安全な施設環境の確保」「地域支援」「施設環境」を重点課題として、具体的な取り組みを作成しています。単年度計画では「保育内容」「健康栄養管理」「保護者・地域」等の項目に分け計画を作成しています。予算編成は運営会社で行っており、その予算に従って園は運営しています。行事については「誰が何をいつまでにやるか」ということをまとめた工程表を作成しており、進捗に遅れが出れば経営層がフォローして、計画が円滑に進むように支援しています。

「保育ガイド」の中に職員の規範や守るべき倫理などに関する記載をしており、入職時にそれらを説明し理解を深めているほか、定期的にコンプライアンスに関する研修を開催し、振り返る機会を設けることで周知徹底を図っています。また、「保育ガイド」の人権や個人情報等の項目について読み合せを行い理解を深めています。コンプライアンス研修開催後には振り返りのための自己評価を行っています。さらに、区の保育の質ガイドラインを用いてセルフチェックに活用し、守るべき法・規範・倫理等についての再確認を行っています。

苦情相談窓口の連絡先として「重要事項説明書」に第三者委員を含めた情報を記載し、入園時に説明し周知しています。また、園の玄関付近に「すまいるBOX」を置き、保護者がいつでも匿名で意見や要望を投函できるようにしています。保護者から意見や要望があった場合には、経営層が対応することや必要に応じて職員会議で話し合う等、内容により柔軟に対応しています。虐待防止に対する取り組みとして、職員に対して入社時に人権等に関する研修を開催することで理解を深め対応等について学んでいます。

園外の掲示板に見学受付、子育て相談や行事案内等地域へ向けた情報を掲示しています。また、町内会の会報誌には行事や活動の掲載をしています。これまでに中学生の職業体験やボランティアの受け入れ等を行ってきた実績があり、昨年度には保育実習生を受け入れました。受け入れの際には「機密保持誓約書」を取り交わし個人情報保護対策をしています。また、子育て相談や近隣の保育園へ備品の貸し出しを行う等地域貢献の取り組みをしています。その他、地域機関との連携を図るために連絡会等に参加し、共通課題のため交流を図り協働体制を築いています。

「保育ガイド」の中に安全管理、事故防止、感染症対策等の各種マニュアルを作成しています。現在は感染症リスクに高い優先度を持って取り組んでいますが、その他にも住宅地という地域特性を踏まえ火事等の災害対策にも高い意識を持っています。避難訓練の前後等には改めてマニュアルの周知を図り、ヒヤリハットや事故報告書についても集計しグラフ化する事で「いつ」「どこで」「何歳児」がというような情報を分かりやすく把握する工夫をしています。事業継続計画（BCP）を作成し、職員の入れ替わりがある際等定期的に内容を見直し更新しています。

入社時に「守秘義務誓約書」に署名をしてもらった上で、「個人情報取り扱い」の研修を実施しています。また「保育ガイド」に個人情報や守秘義務に関するルールを記載し周知を図っています。紙ベースでの重要な資料に関しては施錠ができる書庫に保管して適切に取り扱っています。特に重要な情報は園長のみが扱えるようにして管理しています。電子データでの情報はパソコンにパスワードを設定した上で扱える職員を限定しています。その他、業務で知り得た情報など取り扱いには注意するように、定期的に注意を促しています。

新型コロナウイルス感染予防対策として入園時には検温を必ず行うとともに、手洗い等の徹底をしています。園児の使うおもちゃは毎日消毒を行っています。食事の際はパーテーションで区切り、職員と園児が食事を一緒にとらないよう対策しています。他にも保護者は教室には入らないルールを設け、接触機会を極力減らすようにしています。職員が利用する休憩室では、何時に入室して何時に退室したかを記録していることや、看護師による正しい手洗いやうがいのやり方を教える教室を開催しする等、感染予防対策を行っています。

人材確保の工夫として、法人本部では採用に特化した部署を設置し人材確保を行っています。そうして園側の希望に応じた人員配置をしています。また、等級制度としてキャリアパスを作成し、評価制度や賃金等の処遇を対応させることで、人事制度として運用しています。運営会社では職員のキャリアを含めた「意向調査」を行い、それぞれの希望の把握を行っています。そうして職員の意向を踏まえて異動や配置をしています。毎年度、職員人材育成計画を作成しており、職員の状況を踏まえ身に付けて欲しいことや受けて欲しい研修などを明確にしています。

職員の育成については「職員育成年間計画」を作成し、各職員の個別育成計画としています。育成計画に基づいて園内での研修を開催したり、法人及び区主催の外部研修への参加を行っています。園内研修では職員が講師となり、日々の業務である「日誌の書き方」などのテーマで開催しています。育成の振り返りや成果について、本人の取り組み状況や面談などを通じて課題を把握し、翌年度の計画へ反映しています。また、指導する側にも経営層と話し合いの機会を設けるようにし、都度アドバイスを行っています。

賃金等の処遇は人事制度の中で明確にしています。就業状況は本部で管理しており、定期的に「満足度調査」や「ストレスチェック」を実施し、心身の状態を把握しながら園と連携し管理しています。経営層が直接コミュニケーションを図ることを大事にし、毎日各教室に顔を出しながら職員の様子も把握して必要に応じ声かけをしています。サービス向上のため、会議等では立場が近い職員を同じグループにして意見を出しやすくする等の工夫をしながら情報共有しています。日々の疑問や気付き等も職員会議や昼礼で話し合い検討しています。

パンフレットを用いて、保護者にわかりやすいように工夫して情報を提供しています。一日の流れを時系列にして具体的に記載しています。園の入口の掲示板にパンフレットを提供している事を説明しています。入園のしおりと重要事項説書を用意して、子どもたちや保護者にとっての「第二の家庭」である事や、安全でいおいしい給食を提供していることや異年齢の関わりを大切にしていることを説明しています。行事日程や延長保育料金等を表示しています。このように、本部が管理するホームページやブログ、SNSを活用し園の特徴や様子を伝えています。

見学希望者には、パンフレットを提供して延長料金表等を提示し説明しています。本部が管理しているホームページにも保育理念や保育目標を記載しています。質問には園長が丁寧に答え、園の様子や取り組みについてわかりやすく説明しています。電話で見学予約をしてもらい、都合のよい日程を調整しています。見学当日は、園内の保育の様子を見てもらえるように案内しています。使用する棚やロッカーについては、具体的な使い方を見てもらえるようにしています。コロナ禍では園児の少ない土曜日を見学日に設定して、一対一で対応し配慮しています。

行政のホームページを活用し案内して、保護者にとって必要な情報を提供しています。利用希望者には見学後であっても電話で連絡してもらえるようにしています。保護者からの質問や疑問に対して丁寧に答えて、子育てに必要な情報を提供出来るように努めています。行政で実施している病児保育やトワイライトステイやファミリーサポート事業等の資料を用意しており、子育て広場等の情報を提供しチラシやパンフレットを手渡しています。保護者が求める子育てに関する情報を積極的に提供して、保護者の個々の状況に対応した支援に役立てています。

重要事項説明書は保護者と共に園長が読み丁寧に説明します。入園のしおりには、目指す保育園像について「陽だまりのような保育園」「地域と共に育つ保育園」「子どもと共に輝いていける保育園」と説明しています。保育理念については子ども理念と説明して「のびやかに育てだいちの芽」として、保育方針をみとめ愛・みつめ愛・ひびき愛として信頼と安定と共感を挙げています。保育目標を目指す子どもの姿として具体的に挙げ考え方を説明しています。保育料金や支払方法、申し込みキャンセルについて説明し、保護者に同意を得ています。

保護者には、「児童調査票」「健康調査票」「年齢別の調査票」「家庭状況調べ」を記入して提出をお願いしています。予防接種やアレルギーの有無や、乳児には入園前に食べたことがあるか否かを記入して食品調査票を提出してもらいます。発育発達状況や癖や嗜好、性格等の情報を職員で共有し保育に生かすように務めています。保護者が子どもを育てる上で大事にしている事や要望は記入欄を設けている等、問い合わせや見学から入園に至るまでの経緯を記録しています。個別面談で保護者に説明し確認して記録を残し、間違いのないようにしています。

入園までの生活リズムを尊重して、少しずつ馴染めるように慣れ保育をしています。各クラスの担任が一人ひとりの子どもに合わせた対応に努めています。入園までの子どもの情報を職員で共有して、慣れない子どもが不安に感じないように声をかけます。毎日の保育日誌を活用して情報共有を図り、統一した対応が出来るようにしています。保護者には保育レポートに記録して伝えています。保護者の不安には園長や主任が積極的に関わり会話するようにしています。転居などで終了する場合は、保護者の承諾があれば連絡をとって電話などで様子を聞いています。

子どもの情報は、児童票・発達経過記録、児童健康調査票、食品調査票にそれぞれの成長として記録しています。個別ファイルを作成して、発育状況や所見と毎月行う身体測定や健診の記録を管理しています。申し送り表を用いタイムリーな情報を共有して職員は活用しています。課題や要望が見つかれば主任や園長に報告し、担任と共に職員会議で分析し保育計画に反映させます。低年齢児は個別の計画、高年齢児は年齢別の計画を立て保育をしています。個別の面談は年に2回の定例だけでなく、保護者の求めや必要に応じて実施しています。

保育理念と方針を基盤に、養護と教育の領域に配慮して子どもの実態や取り巻く状況を踏まえた全体的な指導計画を策定しています。年齢別の指導計画は全体的な計画に添い作成しています。毎日の様子を見て、発達過程を踏まえ段階に応じた計画作成を目指しています。月案はその月の行事や保育計画を記載し、保育内容を保護者に把握してもらえるように「にじいろだより」やクラスだよりを提供しています。連絡事項や保育内容は園内に写真と共に掲示し伝えています。職員会議で計画の見直しと変更、緊急な変更を求める承認をしています。

指導計画や個別の子どもの様子は会議と記録を通じて全ての職員が共有しています。園長は、計画の目的や目標を職員全員が理解して意識を統一出来るように努めています。子どもの発達状況に応じた指導計画は月案や週案に落とし込んでいます。週案は園内の事務所内に掲示し、非常勤を含む職員全員に周知を図っています。子ども一人ひとりの記録は個人ファイルに書面で綴じて、施錠をした書棚に保管しています。昼礼では、各クラスの伝達事項を挙げて必要な引き継ぎや注意点等の情報を共有しています。

子ども一人ひとりの発達の状況を把握するように努めています。保護者に記載してもらう児童調査票や児童健康調査票の情報を大切にしています。好きな遊びは何か、誰と友達と遊ぶのか、呼び名は何か、自宅での生活の様子、その子の発達の状態や性格や嗜好や癖などを記入してもらいます。発達に合わせた指導計画を年と月と週の単位ごとに策定し、計画に応じたねらいを定め保育を行います。職員は共に遊び興味や好奇心を刺激します。牛乳パックや菓子空箱を素材箱に入れ、子どもがいつでも道具を使って自由に考えて遊べる環境づくりをしています。

職員は見守りながら、それぞれにふれあい遊べるように橋渡し役をします。年齢の違う様々な子どもたちが集まり遊びます。一緒に遊ぶことに慣れない時は、お互いに様子を伺いながら近寄っていました。年齢が大きい子は小さい子の様子を観察し付き合い方を学びます。子どもたちは年齢や能力の違いを知りそれに合う役割で遊んでいます。大きい子は小さい子を守り大切にします。小さい子は大きい子が出来る事に憧れを持ち、大きい子ができることを目標に真似をしています。大きい子は褒められる体験をして、感謝の気持ちを伝える大切さを学びます。

担任を中心に特別な配慮を必要とする子どもを保育しています。その子の特性を把握して子ども同士で成長出来るように、職員がその子に意図的な関わりをしたり他の子どもとの橋渡しをしています。きめ細かな配慮ができるよう個別月案を作成しています。保護者と連携して、園での様子を伝えて家庭での対応方法などについても話をします。療育指導や本部の臨床心理士からの助言を受けています。小学校入学に備えて、子ども自身が気づき考えるよう遊びの中で声を掛けます。コロナ禍での小学校連携は保育要録を送付し電話で情報共有をし援助しています。

子どもが登園すると保護者から家庭での様子や特に注意すべきことはないかを確認します。前日の家庭での様子を連絡帳に記入してもらっています。乳児は２４時間での生活状況の把握を大切にしている事を伝えています。食欲や睡眠や排便、怪我の有無などに重点を置いて、保護者から情報をもらいます。職員は登園時に視診を行い子どもの様子を把握します。熱や鼻水咳、傷などを連絡帳と聞き取りで確認して、申し送り表に記入し職員が共有します。園内の子どもの様子は昼礼で職員が確実に情報を共有し、降園する際に保護者に伝えています。

子ども一人ひとりの成長に配慮した保育を目指しています。生活時間と習慣を把握して、その子に負担を感じさせない保育をしています。急がせる事なく、子どもにわかりやすい方法とやり方を見せて、その子が出来るように援助します。出来た達成感を持ってもらえるように配慮しています。保護者と連携し無理のない自立の目標を据えて支援しています。安全な食事の為に、食事を始める前の手洗いなどの衛生的な生活習慣の習得が出来るように援助します。感染症や風邪やインフルエンザ防止の為に、看護師からうがい手洗い歯磨き指導を定期的に行っています。

休憩時間や昼寝については、開始時間や長さにより組合せを考えて無理強いすることなく行っています。環境を整備してゆっくり入眠出来るよう配慮しています。０歳児については保護者の意向を聞き休息の長さを調整して、SIDSチェックシートを使用して安全な睡眠を５分間隔で管理しています。保護者から普段の生活を聞き取り、一日の生活がスムーズに過ごせるリズム作りをしています。その日によって、睡眠不足や疲れている等があれば、予定していた休憩や午睡の時間帯や長さを調整しています。５歳児は就学に向け午睡の時間を徐々に減らしています。

保育室には遊びの種類ごとにコーナーを設けており、子どもたちは好きなコーナーに行って遊びます。決められた中だけで遊ぶのでなく、子どもの自発的な意欲を大切にした遊びが出来るように配慮しています。子どもの目線の高さに合わせた位置に玩具を置き、手に取りやすいようにしています。木製のパズルや布や紙で作ったごっこ遊び用の野菜やおにぎりや美容院グッズを用意して、子どもたちはそれぞれで遊びます。日差しや気温で季節を安全に感じてもらえる環境作りをして、テラスでは乳児に霧吹きの水や風や日差しを感じてもらい遊びました。

戸外活動で子どもたちの体力づくりと様々な物への関心を広げる事が出来ています。園の中だけでなく外出して活動する事で、活動範囲が広がり運動機能の向上を促しています。近隣には公園が多くルートマップを作り外出して遊んでいます。そして、季節の植物や虫を見つけて直接触れる機会を提供し、話をしながら子どもたちに興味を持ってもらえるように働きかけをします。散歩に行って落ち葉を踏む音を聞きながら集めてミノムシを作りました。木の葉の感触や秋の色で季節を楽しみ遊び、子どもが季節感を様々に感じてもらえる機会を提供しています。

子どもの動作や発語を大切に共感し言葉にして声をかけます。職員との関わりを意識し理解して伝え合う楽しさを知るように配慮しています。子どもの言葉を大切にして気持ちを言葉にして返します。気持ちを代弁する事で、自分が認められていると感じてもらえるように働きかけます。仕草や言葉を真似して遊べるように援助します。伝わる喜びと言葉を交わす楽しさを感じてもらいます。子どもたちは生活や遊びを共にしながら相手を見て、決まり事を守る大切さを学びます。気持ちに寄り添い大切にされていると感じる事で気持ちを調整する力を育みます。

七夕やすいか割りや夏祭り、節分やひなまつりなどの季節の行事と、体を動かして集団で楽しむ運動会や遠足、生活発表会等の行事を実施しています。保育の中で行事の意味がわかるように説明をしています。無理なく積極的に参加できるように、年齢に応じた工夫をしています。行事の内容や由来をパネルシアターにして説明するなどして、興味を持って参加できるようにしています。生活発表会や5歳児の卒園式には幼児クラスの子どもたちもリハーサルに参加します。行事の意味を理解し期待し一つのものを作り上げる喜びと達成感を得る機会を提供しています。

保護者の個別事情を把握して参加しやすい曜日を年間計画に反映させています。園での日常的な活動に加えて、変化や楽しみを持ってもらえるように工夫をしています。運営委員会や園だよりで行事の在り方について説明をして、保護者に協力と理解を得られるように働きかけています。年間に開催する行事計画を伝えて参加を募り、参加者にはアンケートで意見をもらいます。前年度の行事開催後のアンケートや意見を参考にして、少しでも参加しやすく会える機会を作る努力をしています。子どもに負担のない毎日の保育から生まれる行事づくりを目指しています。

昼間の集団で過ごす時とは別に、違った遊びが出来るように職員が意識して関わっています。夕方の時間帯の過ごし方に工夫をしています。帰りが遅い時間になっても、不安にならずに安心して遊べる環境づくりをしています。自由に遊ぶ時間だけではなく、職員が積極的に関わる時間にしています。好きな玩具や遊びを取り入れて、長時間を過ごす負担に配慮します。昼間とは違う少人数のゲームや職員の膝の上で絵本を読みくつろいだり、職員のゴミ集めの手伝いや一緒に各部屋のチェックにまわったり、いつもは出来ない事をして特別感を味わう子どももいます。

それぞれの職員が必要な情報は延長保育日誌や申し送り表に記録して共有しています。交代時の申し送り事項は、その日の申し送り表を必ず確認します。職員は伝達事項を伝えたら署名して、漏れの無いようにしています。保護者への伝達すべき事を漏らすことなく、責任を持って引き渡す職員が必要な伝達を行い、共有すべき情報を間違いなく確認して伝え合うように努めています。職員は毎日の変化がある子どもの注意事項をタイムリーに把握し、継続して共有し伝達できるように努めています。

楽しく食べる喜びを体験してもらえることを大切にしています。子どもの負担にならないよう残さず食べる事を強要しない配慮をしています。給食は厨房で調理して提供します。毎月の献立表は保護者に伝えています。食事の様子を見守り、子どもたちの嗜好や献立の反応や食べ残しの有無などの情報を検討しています。月に一回給食会議を開催し意見交換して栄養士が主となって献立などを検討します。味つけは薄味でだしを利かせ、旬の野菜を使い、栄養素と色合いのバランスや季節感を取り入れ、ワンプレートでなく、茶碗に椀と皿に盛り付けています。

トマトやオクラ、ミニ大根や枝豆を栽培しました。食材として皮をむいたり、おやつ作りでは月見団子を丸めて飾り楽しみました。どの年齢の子どもたちにも食育年間計画を立て、はしの持ち方や育てた野菜を食べるなどの食育の取り組みをしています。食べる事について話をしたり、食材の野菜を収穫したり、調理に参加したり、食べることに興味関心が深まるように働きかけます。月齢に応じた食に関する活動を行います。育てた野菜を触ったり、手づかみで食べる意欲を大切にし「もぐもぐ」と声を掛けて、楽しい雰囲気の中で食事ができるようにしています。

アレルギー除去献立表を作成して注意を払って安全な食事を提供しています。入園の際に看護師と栄養士が保護者と面談をします。食物アレルギーには除去食で対応し、職員が常に確認します。入園の際に医師の診断書を提出してもらっています。保護者には毎月の事前に献立表をチェックしてもらえるように献立アレルギーチェック表を作成します。調理の際には献立表に基づき細心の注意を払って食事を提供します。調理して配膳し子どもが食べ終わる迄、調理担当と保育士でダブルチェックし配膳食後の様子をチェックし署名し安全な食事を管理しています。

保健年間計画を立てて、看護師が主になって子どもたちにわかりやすく伝えています。今年度は「新型コロナウィルス感染症対策に取り組む、生活リズムを整え健康な身体を作る」と年間目標を定めています。手洗いや歯磨きの仕方や身体の仕組みを伝えています。3歳から5歳の子どもたちに看護師が手洗い指導を行いました。蛍光スタンプを手のひらに押して手洗いをしてもらいます。スタンプはライトを当てるとはっきり見えるので、子どもたちは丁寧に手洗いをする事が出来ました。衛生と感染症防止の為にも手洗いの習慣が身につくように指導しています。

嘱託医は年2回の健康診断を行います。0歳児は月に2回健診をしています。定期的に子どもの健康状態を確認して保護者に報告をします。医療的なケアが必要な子どもには、保護者との面談を定期的に行い療育センターとの連携に基づく対応をして、職員会議で情報共有して児童健康管理票で経過を管理しています。看護師が主になり看護日誌で医療的なケアを詳しく記録し、必要な連携が出来るようにしています。緊急対応については、緊急対応マニュアルを元に慌てる事がないように整備しており、必要な医療ケアについて定期的に研修を受講し備えています。

乳幼児突然死症候群（SIDS）の予防について玄関やクラスの掲示板に貼付して周知を図っています。入園時の面談の際にもチラシを配布しうつ伏せ寝の危険性などについて説明しています。看護師が毎月保健だよりを発行し、感染症の発生状況やその月の保健行事を案内します。SIDSを防ぐ為に呼吸検温チェック表を活用しています。午睡の際の乳児幼児共に注意を払い、0歳児は5分おきの呼吸チェックを記録して確認を怠らないようにしています。新型コロナ感染症防止の為に、職員の毎日の検温マスク着用や来園者を記録し玩具の消毒を行っています。

入園の際に保護者と面談をして、保育時間について保護者の状況や個別の事情を聴き取っています。入園してからは、送りや迎えの際に保護者とコミュニケーションを図り、子どもの様子は連絡帳で相互に伝えています。保護者が急な仕事で残業になる場合などの延長保育の依頼を受けて、配慮した対応に努めています。勤務の状況や個々の状況の変化があれば都度申し出てもらうようにしています。情報を常に更新し保護者に必要な支援が出来るよう配慮しています。アンケートで保護者から柔軟な対応への感謝や話しやすく信頼しているとの声がありました。

送迎時や連絡帳で保護者との意思疎通を図り、日常的に気軽に話が出来る環境づくりに努めています。その子のその日の様子を的確に伝えるように努めています。一方的に伝えるだけでなく、保護者からの情報を共有できるように心がけています。保護者懇談会と個人面談を年に2回開催しています。昨年の運動会はコロナ禍で子どものみでの開催でしたが、今年は乳幼児を分け感染症対策を十分に行い保護者参加で開催を予定しています。園だよりでサンタクロースや節分の鬼、不審者訓練の不審者役を募り、園の保育活動に参加する機会を提案しています。

地域の高齢者会館に訪問して異世代交流をしたり、他の園との交流をしています。地域に住む人たちと交流して地域と関わりをもつ機会を提供しています。高齢者への敬意を表し、一人ひとりが関わりを持てるように援助します。地域の図書館に行ったり、公園で地域の子どもたちとかかわる機会もあります。散歩で出会う近隣の人たちに積極的に挨拶して交流して、園内だけでない多様な体験ができるように地域との関わりを大切にします。コロナ禍で訪問しての交流は中断していますが、ソーラン節を年長児が披露する恒例事業の再開を心待ちにしています。

見学する保護者から子育てについて相談を受ける場合が多くあり、地域子育て家庭の支援の一環としています。町内会を通じて地域住民に積極的に関わるようにしています。町内会報の取材に応じて、開かれた地域資源として園の紹介をしています。子どもたちは作品の制作意図や作り方を取材されて答えます。保護者でもなく職員でもない大人の様子を見て交流する機会を得ています。園だよりや保健だよりを園外に掲示して、地域の人たちに情報を提供しています。育児相談や季節行事を案内していましたが、コロナ禍により残念ながら中断しています。

個人情報保護方針を本部ホームページに明記しており、取り扱う全ての個人情報保護について、社会的使命を十分に認識し、本人の権利保護、個人情報に関する法規制等を順守します、と個人情報の取り扱い規定を明記しています。園の利用に関する個人情報の取り扱いについて説明し、個人情報取得の同意書を提示して同意を得ています。また、園外における個人情報の取り扱いについても説明し、個人情報等利用承諾書を提示して同意を得ています。利用目的として、連絡共有システム（ICTツール）やホームページやブログやインスタグラム等を挙げています。

子どもを尊重する保育の為に、中野区保育の質ガイドラインを踏まえ「人権擁護のためのセルフチェックリスト」を職員会議等で取り上げて注意喚起しています。一人ひとりを尊重した保育を目指しています。毎日の保育の中で行っている子どもへの声掛けや関わり方を具体的にチェックして振り返りに役立てています。虐待になってしまう場合や子どもの心を傷つけてしまう危険性に気づく事が出来ています。おむつ交換時や着替えの際には外部からの視線を遮断するためにカーテンを使用し配慮しています。

重要事項説明書に「虐待防止についての措置」について明記しています。虐待の疑いのある場合は通告する事が園に義務づけられている事を記載しています。虐待防止のポスターや支援シールを園内に掲示し、周知を図っています。園長は子育ての不安や疑問についていつでも相談して欲しいと伝えています。職員は子どもへの声掛けの仕方について、気持ちを傷つけない配慮が必要である事をチェックリストで学んでいます。子どもを保護者と共に守り尊重する姿勢を大切にしており、虐待防止・育児の研修をテーマに今年度の計画を立てています。

保育ガイド・保育業務マニュアルを運営本部が職種別に整備し、年度ごとに見直す仕組みとなっています。こららを各クラスに配置しいつでも確認することができます。業務や保育に関して不明点がある時は、職員は園長や主任に確認しています。職員会議でマニュアルを用いて随時研修を行い業務点検にしています。こうして、重要とする事故防止に関わるマニュアルの周知を図っています。また、エレベーターの管理についてのマニュアルを新たに作成し、安全管理に務めています。アレルギーやSIDS予防、緊急対応についてもマニュアルを整備しています。

マニュアルは運営本部において見直しを行っています。保護者からの要望や意見を機会を捉えて得られるように、行事後にはアンケート表を配付し意見を収集しています。アンケートや個別面談や運営委員会や保護者会での意見を集約して、マニュアルや手順の見直しに反映させる仕組みにしています。連絡帳に記載された事や送迎時の保護者との会話などを大切にしています。子どもの様子を知る職員からの意見は、職員会議で取り入れるようにしています。そのほか、散歩マップや各公園マニュアルは園で作成し、タイムリーで必要な見直しをしています。