東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

法人の運営理念や、園児の主体性を大切にしながら「自己肯定感が育まれた子ども」「自分で考え行動する力を持つ子ども」「好きなことにとことん取り組む子ども」の3つの姿を目指して保育を行う、という基本方針については、職員会議や職員研修、新入職員向けのオリエンテーションで周知し、職員の理解を深めています。また、保護者には、ホームページや園のしおりの掲載で周知するとともに、入園説明会、年度初めの保護者会でも園長が説明し、園の考え方を理解していただくよう取り組んでいます。

経営層の役割は職務分担表に記載しており、この役割と責任については、職員会議で職員に説明するとともに、毎年度初めの回覧により周知しています。なお、職員の運営方針に対する理解度は、職員会議やヒアリングなどで確認しています。また、経営層トップからのメッセージは、保育園ホームページに掲載し、職員や保護者に周知しています。このような取り組みにより、経営層は責任をもって今後の園の方向性を示し、職員が園の目標に向かって進めるようリーダーシップをとっています。

園内の案件に対する意思決定は、職員からの意見提起後、リーダー会議や職員会議で決定し職員に伝達しています。最近では、処遇改善手当を含む給与表の改定を行いました。なお、予算額100万円以上の大きな案件については、理事長決裁もしくは理事会にて審議・決定され、決裁の内容は職員会議で報告するとともに、決裁文書は事務所の鍵のかかる書庫で3～5年（文書保存期間についてのマニュアルに則り）保管しています。さらに、保護者には、保育園ホームページで周知しています。

保護者の意向は、水元サロン（月1回程度、保護者・卒園児の保護者・職員が集まり気軽に懇談する場）・保護者会・面談・目安箱・保護者アンケートなどで情報収集しています。最近では、保護者からの意向を受け、年長児クラスへの配慮やおむつの廃棄について検討し取り組みました。また、職員の意向については、職員会議やヒアリングから把握しており、事務作業の簡素化に努めるなど、業務の改善につなげています。さらに、葛飾保育園連盟に参加することで地域の福祉ニーズを把握し、収集した情報は職員会議や朝礼で報告し共有しています。

中長期計画は、平成31年に待機児童問題解消のため施設拡張を念頭において策定しています。なお、設立間もない施設ということや区の担当者から助言があったことをふまえ、拡張を進めるよりも園の運営や組織づくりなど、足元を固めることが得策と考え、計画を調整しています。また、中長期計画に基づいて作成される毎年度ごとの計画は、例年1月から3月にクラス会議・リーダー会議・職員会議など、現場の職員の意向が経営層に届きやすい組織体制で策定しています。

園の単年度事業計画に含まれる年間行事計画・保健計画・給食に関する計画・安全点検などについては、進捗を確認しながら実行しています。事業計画は各クラスのリーダー会議で検討のうえ方針を決定しており、非認知能力を伸ばす遊具の自作など計画的に取り組んでいます。今年度は、熟考を重ねた結果、異年齢保育の実施に取り組みました。また、事業計画の進捗状況は適宜職員に報告しており、見直しが必要な場合は、職員会議で園長、事務長が責任をもって行っています。

社会人・職員として守るべき法令や規範の遵守については、新人職員研修などで職員に周知しています。また、就業規則にも明示し、職員会議などで適宜説明するとともに、事務室のキャビネットに保管し閲覧できる状態にしています。なお、法令順守の理解度については、毎年11月から12月に行うヒアリングで確認し、理解が不足している職員がいた場合には、個別面談で助言・指導しています。

苦情受付担当者は主任保育士、苦情解決担当者は園長となっており、苦情解決制度の利用方法などは、ホームページや、玄関に設置している意見箱を通して保護者に周知しています。なお、第三者委員は民生・児童委員などに依頼しています。要望や苦情があった際は苦情解決ファイルに記録し、園長から申し出者へ直接回答しています。また、虐待防止のための取り組みとして、職員の園児に対する言動が園児の心を傷つけていないか、水元保育園総合マニュアルを指針にチェックし、虐待事例を発見した場合は、区の子ども総合センターと連携し対応しています。

事業計画、予算・決算報告はホームページで開示するなど、透明性のある運営に努めています。また、規定に基づいて実習生を受け入れているほか、登録制の病児保育（1日4名まで）を実施しており、在園児に限らず近隣の多数の方が必要な時に利用できる体制を整備しています。病児保育を実施している施設が極めて少ない現状において、本園の取り組みは貴重な地域貢献事業となっています。そのほか、葛飾保育連盟に加盟することで、地域ネットワークの強化にも努めています。

地震、火災、風水害、警戒宣言を大きなリスクとし、危機管理マニュアル、洪水時の避難確保計画で対応を示しています。また、地域の消防署と連携の上消防計画を策定するとともに、災害対策については、防災係を編成し対応を検討しています。なお、近隣の公園などを避難場所とし、災害時、警戒宣言発令時には、保護者に園児のお迎えを依頼しています。さらに、非常用備蓄は3日分確保し、事業継続計画の策定についても検討するなど、非常時に備えています。

危機管理マニュアルなどは事務所に保管し、いつでも閲覧できる状態にするとともに、内容については防災訓練時や職員会議で職員に伝えています。また、毎月1回、地震または火災を想定した避難訓練、消火訓練、引き渡し訓練のほか、不審者対応のための防犯訓練、救命救急訓練、AED操作訓練などを計画的に実施しています。そのほか、事故発生時には、事故報告書に記録のうえ再発防止策を検討しており、ヒヤリハットの事例については、ヒヤリハット会議で報告し職員間で情報共有することで、事故を未然に防ぐよう努めています。

文書管理、情報管理の規程については職員会議で確認しており、新入職員に対しては研修で説明のうえ、規程の遵守を約束する書面として誓約書を提出してもらっています。個人情報に関する書類などは事務所内の鍵のかかるキャビネットに保管し、パソコンのデータはID・パスワードによりアクセス制限しています。また、利用者の個人情報保護に関しては、個人情報保護基本規程により、利用目的や開示請求への対応などの管理手順を確立しており、園児の画像利用などについては、毎年保護者から同意書を取り交わしています。

職員の募集は、水元保育園ホームページの水元保育園求人情報や求人サイトで行っているほか、就職フェアや、園見学に訪れた学生などに働きかけるなど、就労促進に努めています。なお、主体的な子どもを育てるためには職員が主体的に考え、動く必要があるため、面談の際には、経験年数よりも園の理念に共感できるかどうかを重視するようにしています。また、入職後の給与やキャリアについては、法人規程・職務分担表・就業規則などで説明しており、これらの資料は、見学の際に事務所で閲覧できるようになっています。

法人の研修計画や職種別の研修計画は事業計画書に明示しており、リーダーには安全管理・事故防止、新人指導について研修し、主任、副主任会議では、園長からOJTとして指導も行っています。また、職員一人ひとりの個人別の研修計画は年度末に作成し、育成成果についてはヒアリングシートをもとに確認のうえ記録しています。ヒアリングシートは、本園における人事管理システムの要となっています。

研修を受講した職員は研修報告書を作成し、回覧により内容を職員間で共有するとともに、事務室内に保管し職員がいつでも閲覧できる状態にしています。また、各職員の日頃の気付きについては朝礼やクラス会議で意見交換しており、職員が意見を出しやすくするため、少人数でのグループ討議を取り入れるなどの工夫も凝らしています。職員からの意見も積極的に取り入れており、職員の提案から改善につながった例として、園庭・室内の環境整備があげられます。そのほか、研究チームを編成し、働きやすい環境整備に積極的に取り組んでいます。

園の情報は、園や区のホームページのほか、「葛飾区私立保育園連盟加盟認可保育園ガイド」など様々な媒体を使用し発信しています。なお、園のホームページでは、園の保育理念「子どもの最善の利益と子どもの福祉の増進を図ります。」や、3つの保育方針「自己肯定感が育まれた子ども」「自分で考え、行動する力を持つ子ども」「好きなことを見つけてとことん取り組むことができる子ども」とともに、園での取り組みや、環境・遊具紹介について写真付きで分かりやすく説明されています。

利用希望者や見学希望者に向けた分かりやすい情報の発信として、園の考えを示した「子どもが命を輝かせる場所へ」と「『子ども』を考える」という資料を作成し配布しています。「『子ども』を考える」では、目指す子ども象、なぜ目指すのか、園での取り組み、保護者の参加を呼び掛ける理由、今後の展望などが記載され、園の考えを細かく説明しています。なお、園のしおりについては、より情報を分かりやすく伝えられるようリニューアルを検討しています。

見学への問い合わせや希望があった場合には、できる限り希望に沿って日時を調整して随時受け入れています。主な対応は園長が行ない、園を案内しながら園の特徴などを説明しています。見学の際は、「卒園児の子どもの姿として『主体性を持った子ども』を目指し保育環境を設定している」など園の保育目標について丁寧に説明しています。そのほか、区立保育園連盟で毎年「合同入園説明会」を実施し、園の説明を行っています。

入園希望者は、入園が決まった段階で区から園に名簿が届き、園から今後のスケジュールなどを伝えています。その後、入園前の書類を園に取りに来てもらい、書類の説明と個人面談の日程を調整しています。個別面談では、園長、クラス担任、看護師がそれぞれ担当分野の説明を行っています。なお、説明については、保育中の写真等を交えながら保育方針を伝えるなど、分かりやすいように工夫しています。説明後は同意書を取り交わし双方で確認しています。

入園前までの園児の家庭での生活状況やアレルギーなどは、家庭状況書・児童票・食事確認表・アレルギー対応表の提出などで把握しています。それらの情報に基づき、入園当初は1週間から1か月程度の「慣らし保育」期間を設定し、徐々に園生活に慣れていけるように進めています。なお、「慣らし保育」の期間は、登園時間に時差を付けて職員との密な連絡を図るとともに、初日は一緒に1時間ほど過ごすなど、保護者や園児の不安を軽減する工夫を行っています。

転園する園児には各クラスでお別れ会を行い送り出すとともに、転園先から問い合わせがあった場合は丁寧に回答しています。なお、卒園の際には、保護者への小学校の情報提供や、翌年の運動会に招待するなど、保護者や園児の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した取り組みを行っています。そのほか、就学先の小学校には、保育所児童保育要録や必要に応じて就学支援シートを提出するとともに、交流する機会を設けています。

園児一人ひとりに関する情報は児童票や健康の記録に記載しています。また、保護者と情報を共有し記録する手段として連絡帳を使用するとともに、健康の記録を健康記録カードに転記し伝えています。なお、児童票は、0～2歳児までは1か月毎、3歳児以上は3か月に1度総合的に見直しを行っています。そのほか、園児の個別の保育目標や心身の状況・生活状況については、個人月案に記載し確認しています。

保育目標の実現を目指して全体的な計画を作成しており、作成された全体的な計画をもとに、園児の姿や発達状況に応じて、養護と教育に分けた年間指導計画と月間指導計画などに繋げています。なお、5歳児の計画では、全体的な計画の中に就学に向けた「10の姿」を取り入れ、それをもとに年間カリキュラム等の計画を立てています。また、2歳児までの全園児と、配慮を要する園児については個別の指導計画を策定しています。全体的な計画や個別指導計画は保護者会や個人面談などで保護者に説明しています。

職員の情報共有の手段として、毎月の職員会議やクラス会議、アレルギー会議、離乳食会議、給食会議などの定期的な会議や日々の朝礼のほか、随時小規模の打ち合わせを行うなど多くの話し合いの機会を設けています。また、絵本、園庭、ホームページ、企画など、取り組む内容別に担当者を定めた「係」を設け、それぞれの「係」ごとに打ち合わせを行いながら業務を進行させています。そのほか、必要事項は回覧表を用いて職員に周知し、確認した職員は押印することで情報伝達の漏れを防いでいます。

園は園児の主体性を大切にした保育を目指しており、園児がやりたいことを見つけられる保育環境の整備に努めています。大人の都合ではなく、園児一人ひとりが興味を持ったタイミングで挑戦や経験ができるよう、手作りの遊具（ロフト）で園児が自由に上り下りして遊べる環境を整備するとともに、手作りの棚を使用し様々なコーナーを設けています。なお、園児一人ひとりの発達の過程や生活環境は、入園時の面接や提出してもらった書類などで全体的な姿を把握し、状況に合わせた保育を心掛けています。

異年齢保育を通し、園児自身が互いを大切にし合える環境を整え、大きい子への憧れや小さい子への思いやりの気持ちを育んでいます。また、今年度は、2階フロアの壁を取り払い、3・4・5歳児が一つのフロアで過ごすことで、散歩や行事以外にも日常的に異年齢間の交流を育める環境整備に取り組んでいます。なお、異年齢が混在するフロアにおいて、園児の顔写真の入った「キープ札」を作成することで、自分の作品を誰にも邪魔されることなく日を跨いで製作できるよう配慮しています。

発達の過程で生じる園児同士のトラブルに対しては、互いの気持ちを尊重し見守りや必要に応じた仲裁をし、自分達で解決できるよう導いています。また、配慮が必要な子どもについては、子ども発達総合センターや児童発達支援事業所などの専門機関と連携しながら対応するとともに、年3回の巡回指導による臨床発達心理士の助言をもらっています。そのほか、就学への取り組みとして、幼保小連絡会議に参加し、小学校に関する情報を保護者会で保護者に伝えています。

登園時には、保護者に家庭での様子や体調の聞き取りを行うとともに、連絡帳のやり取りや視診を行ない健康状態を確認しています。なお、把握した情報は、早遅表に記載し、職員間で共有しています。また、降園時には連絡帳を活用するとともに、口頭で1日の様子・体調・怪我などの報告を行っています。そのほか、園内にはクラスの活動の様子や事務所前のホワイトボードに行事などの様子（不定期掲載）を掲載しています。

基本的な生活習慣については、全体的な計画や年間指導計画などに記載しており、それらの計画に沿って指導しています。具体的な取り組みとして、排泄の感覚を園児が掴めるよう個別にトイレに誘ったり、歯科検診による歯科医からの歯磨き指導を実施しています。なお、本園は自分の食べることのできる量などを身につけられるよう毎日の食事にバイキング形式を採用（今年度は未実施）しており、完食を目指すのではなく食べることに意欲を持つ子どもの育成を目指しています。

午睡は基本的な時間帯や長さを決めていますが、年齢や健康状態、家庭での生活リズムなど一人ひとりの状況に合わせた入眠時間や長さ、時間帯の配慮をしています。乳児クラスはそれぞれ保育室内に午睡スペースを設け、幼児クラスは合同で子ども支援センター（多目的室）で午睡をとっています。なお、小学校就学に向けて5歳児と一部の4歳児は午睡をなくしており、午睡時間は保育室内で静かな遊びをして過ごしています。

園児の発達段階に合わせたコーナーや手作り遊具を設置し、園児がやりたい遊びに沿って主体的に活動できる環境を整備しています。また、園児同士が意見交換できる機会として、4歳児のペンギン会議と5歳児のライオン会議というクラス会を開催しています。クラス会では、行事に向けての進行やコーナーの設置などについて話し合っています。なお、園内の研究スペースコーナーは園児からの提案を受け設置しています。

園内には、音楽的な表現力を養う木琴やピアニカなどが自由に使えるコーナーや、絵画的な表現を養えるアトリエコーナーのほか、絵本・かるたコーナーなど園児が様々な表現活動を楽しめる環境を設定しています。このような環境の中で、園児たちは自分が好きな遊びを好きな時に行うことができます。また、保育室内や園庭の手作り遊具は、入り口を高いところに設置しており、園児たちは自分の身長や身体能力を確認しながら遊びの中で危機管理能力を養っています。

園庭には、手作り遊具（タワー）や、築山、ウッドデッキ、ガチャポンプなどを設置しており、園児たちは天気がいい日は毎日のように外での活動を楽しんでいます。また、週2～4回お散歩に出かけ、近隣の公園で四季の移り変わりを感じています。そのほか、園内では金魚やウーパールーパー、観賞用の熱帯魚を飼育しており、餌やりなどを通じて生き物たちと触れ合っています。なお、戸外活動の際には交通ルールなどについて、様々な場面で園児たちに説明しています。

園では、進級式、運動会、大きくなったね会など園児の成長を感じられるものや、七夕の季節、餅つき大会、節分、ひな祭りなどの季節を感じられるものなど、様々な行事を実施しています。行事の実施については、園児同士で行事の内容について考える機会を持つことで、行事への関心を高めています。具体的な例として、運動会では、園児からの提案で竹登りやそうらん節などを実施しています。内容を自分たちで決めることで「練習させられている」ではなく主体的な活動に繋がっています。

保護者が参加できる園行事は、保護者会、災害引き取り訓練、運動会、大きくなったね会、卒園式などがあり、年度初めに「年間行事予定表」を配布し、日程調整など見通しを持って参加できるよう配慮しています。「年間行事予定表」は、日程や保護者参加の有無のほか、行事の内容が一覧表で分かりやすく示されています。なお、保育参加は常時受け付けており、保護者の希望があれば全行事参加することも可能です。

保育室内にはロット・休憩スペース・絵本コーナーなどを設置しており、園児たちは疲れたときに横になるなど自由に休息を取ることができます。また、長い園での活動の中で、集団から離れて一人になりたい園児については、ソファーなどの休憩スペースや事務所内の休憩スペースで過ごせる体制を整えています。なお、事務所内の休憩スペースには畳が敷かれ、絵本も70～80冊程設置しており、園児は飽きずにゆっくり時間を過ごすことができます。

18時16分～20時15分までの時間を延長保育とし、園児たちは1歳児室で過ごしています。なお、延長保育の際は、1時間利用の園児には捕食を、2時間利用の園児には軽食を提供しています。また、延長保育は職員2名体制で行っており、必ず1人は延長保育専任の職員を配置することで、毎日同じ職員と関わることができるよう配慮しています。現在延長保育を利用する園児は少ないので、職員と密に関わることができています。

食事は、保育室内の食事コーナーで行っており、皆で食べるテーブルだけでなく、個別で落ち着いて食べられるスペースを確保するなど、落ち着いて食事ができる環境整備に配慮しています。園は、自分でよそい完食する喜びを重視しており、毎日の食事はバイキング形式を採用（今年度は未実施）しています。また、一斉に「いただきます」をせず食べたいタイミングで食べ始めるなど、一人ひとりの朝食の時間や起きる時間など生活リズムや活動状況の違いに配慮するなど、個々のペースを大切にしています。

園の食事は、旬の食材や可能な限り様々な調理法や味付けを取り入れたメニューを自園調理で提供しています。また、行事の際には、節分では鬼ライス（鬼の形をした）やクリスマスにはサンタの形をしたパンを提供するなど、見た目でも食事を楽しんでもらえるような工夫を凝らしています。そのほか、食物アレルギーのある園児については、アレルギー対応マニュアルに沿って除去食及び代替食で提供するとともに、色付き食器や、トレイ、専用のネームプレートを使用し、誤食防止に努めています。

年間食育計画に沿って食育活動を実施し、園児の食に関する関心を高めています。園は一番の食育は日々の食事だと考え、食育の目標「意欲をもち楽しく食べられる子」の実現に向けて、毎日の給食にバイキング形式を取り入れています。食育活動では、野菜の皮むきや、豆の栽培、作ったものを使って調理して食べてみる、といった連動性を意識した取り組みを行っています。なお、調理体験は4歳から始め、スープ、クッキー、月見団子、うどんなどを調理しています。

園では、毎月の避難訓練や年2～3回の不審者訓練を実施し、園児の怪我や事故の予防を図っています。なお、不審者訓練は、玄関や園庭から不審者が侵入してきたパターンや、園に侵入してしまった場合など複数のパターンを想定し、警察の指導のもと行っています。また、手洗い、うがい、爪切りを看護師から指導するとともに、大手洗剤メーカを招いて、手洗いの方法を説明してもらうなど、園児が病気や自身の健康について関心が持てるように取り組んでいます。

園は、年2回の内科健診（0歳児は毎月）や歯科検診のほか、看護師による健康指導の実施など、専門機関や専門職との連携を図りながら園児の健康維持に取り組んでいます。また、医師である理事長による病児保育回診も実施しています。なお、園での与薬は基本的に行っていませんが、食物アレルギーの抗アレルギー薬など医師処方の薬に限り「与薬依頼書」の提出により預かっています。

園児の健康管理については、保護者会などで資料を配布して説明を行うとともに、毎月発行する保健だよりで生活習慣や生活リズム、疾病時のホームケアなどの情報を発信しています。園内で感染症が発生した場合は、園内掲示や保健掲示板により保護者に伝えています。また、ＳＩＤＳに関しての取り組みとして、午睡時には午睡チェック表に基づいて、0歳児が5分毎、1、2歳児が10分毎、3歳児以上は15分毎に入眠状態を確認しています。なお、0歳児クラスはベビーセンサーを使用しています。

入園時に保護者の就労状況や子育ての価値観などについて把握し、急な残業など保育時間の変更についてはできる限り柔軟に対応するなど、保護者に寄り添った対応に努めています。また、年2回（6月・2月）の個別面談を実施し、定期的に保護者の要望や意見を確認しています。そのほか、職員の接遇力向上の取り組みとして、新入社員研修で水元保育園総合マニュアルに沿って説明しています。

保護者同士が交流する機会として、保護者参加の行事や年2回（5月・2月）の保護者会を行っています。なお、保護者会では、自己紹介や園児のエピソードを話す時間を作るなど、保護者間で会話をする機会を設けています。また、保護者会の中で、園の取り組みや成長の結果などを動画を使いながら説明し、園の子育てに関する考え方を保護者と共有しています。そのほか、保育室内には親子写真を掲示し、保護者同士の顔の見える関係づくりに取り組んでいます。

当園は年間通して保育参加を受け付けており、両親で参加するケースもあります。また、ワークショップ（保護者と一緒に園児の遊具を作る場）や、水元サロン（平日の16時頃から職員休憩室に設置し、保護者とお茶会を行う場）を実施するなど、保護者に対し、積極的に園活動への参加を促しています。なお、水元サロンには卒園児の親子が参加することもあり、卒園後の継続支援の場としても機能しています。

園の日常的な地域交流として、戸外活動の際に出会う地域の方と元気よく挨拶を交わしています。また、消防署では煙ハウスを経験したり、図書館では本を借りたり、児童館では夏祭りや肝試しに参加したりと地域機関との連携により、園児に多様な体験の機会を設けています。さらに、敬老会では園児の祖父母を招いたイベントの開催や、保育実習生、ボランティアの受け入れなどを積極的に行い、園児の交流の幅を広げています。

個人情報の取り扱いについては、「個人情報保護規定」に従って管理しており、入園前の個人面談で保護者に説明し個人情報提供同意書に署名をもらっています。個人情報提供同意書には、「日常保育や行事等のお子さまの写真掲載（園内掲示）について」「ホームページ及びパンフレット等への写真掲載について」「各社報道、出版、テレビ放送等への使用について」の3点の項目が記載されており、それぞれ確認することが可能です。

保護者や子どもの価値観・生活習慣は、入園前の個人面談などで把握し、配慮した対応に努めています。また、園内研修として、区内の公立保育園での取り組みを書籍化した「あたりまえを見直したら保育はもっとよくなる！」を使用し、具体的な保育の場面をもとに、園児の価値観を尊重した保育について考えています。そのほか、園児の羞恥心に対しては、幼児クラスは着替えの場を男女別にしたり、身体測定や排泄・排尿などの場所について配慮しています。

虐待や育児困難家庭については、関係機関との連携や研修を通して職員間で周知・徹底を図っています。日常の保育の中での変化や、虐待を受けている疑い、受けている情報を把握した際には、子ども家庭総合センターなどの関係機関と連携をとりながら対応しています。なお、対応については、子ども家庭総合センター作成の「虐待に気付いた時の対応」というフロー図を整備し、職員間で共有しています。

園は、危機管理マニュアル、感染症対応マニュアル、アレルギー対応マニュアル、衛生管理マニュアルなどを含めた水元保育園総合マニュアルを整備し、業務の標準化を図っています。また、早遅業務など具体的に行う手順についても整備し職員に周知しいています。なお、水元保育園総合マニュアルは職員に配布し、職員は分からないことがあった場合や業務の見直し時に確認することとしています。

提供しているサービスの基本事項や手順などの改変や見直しは、職員の意見を聞きながら必要に応じ随時見直しています。なお、見直されたマニュアルは、クラス会議などを通じて職員に周知しています。また、保育環境の見直しに向けて、研修に参加した職員の提案を取り入れるなど恒常的に改善を図っています。そのほか、保育環境については随時専門家の意見を取り入れながら見直しています。