東京都福祉サービス第三者評価  評価結果





評価結果基本情報

評価年度 令和2年度
サービス名称 認可保育所
法人名称 社会福祉法人板橋敬隣会
事業所名称 敬隣保育園
評価機関名称 株式会社ふくし・ファーム

コメント

事前説明には、評価の理解を深めて頂く為、評価の全体像や具体例を用いた判りやすい資料を作成し、丁寧に説明を行いました。事業評価においては、自己評価の事実確認に徹し、第三者性の担保に配慮しました。また、利用者調査および事業評価の集計結果は、独自開発による集計シートを用い、グラフ・表によりわかりやすく報告しました。


(内容)
 Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像
 Ⅱ 全体の評価講評
 Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み
 Ⅳ 利用者調査結果
 Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)
 Ⅵ サービス提供のプロセス項目


公益財団法人東京都福祉保健財団
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Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像

1 理念・方針  (関連 カテゴリー1 リーダーシップと意思決定)
  事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)

保育方針 1. どの子も皆大切な子どもとして、その発達を保障していく保育 2. 一人一人の子どもの発達段階を正しく把握し、その発達の芽を大切にした援助によって自立の力を育てる保育 3. 楽しい集団生活の中で子ども自身が体験する、その実感を土台にして心身の発達を促す保育 理念 敬隣保育園は、児童憲章の精神及び児童福祉法の理念に基づき、社会から負託された保育所の基本的な役割「就労と子育ての両立」「親と子の生活権・発達権の保障」を充分に自覚しその実施に向けて最大限の努力をする。また、職員・父母・地域がそれぞれに共感しあい参加協力し合える関係作りを目指します。  敬隣保育園では上記の理念をふまえ、「わけへだてのない、ゆきとどいた保育」を目指して子どもの生活の保障と、一人一人の発達を専門的立場からとらえ、その子の発達の芽を大切にし、父母の方と協力して保育していくことを目標としています。そして、敬隣保育園の戦前からの地域に根ざした歴史の中で、地域の方々とともに子育てを支援していきます。

 
2 期待する職員像  (関連 カテゴリー5 職員と組織の能力向上)
  (1)職員に求めている人材像や役割

明るく、朗らかで、協調性、協同性のある人

 
(2)職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

人の命を預かっている職業であるということ 未来のある子どもを預かっているという自覚

 


Ⅱ 全体の評価講評

全体の評価講評

特に良いと思う点
1 充実した体制、設備で理念の実現を目指し、保護者と協力していく保育を目指しています

「わけへだてのない、行き届いた保育」を理念として、一人ひとりの子どもの発達段階を専門的立場から正しく把握し、自立の力を育てる保育を行っています。職員と保護者は参加協力し合える関係を目指しており、定数以上の職員を配置するなど保育体制を充実させています。また園庭には、戦禍をくぐり抜けて生き延びた揺り船、屋上の常設の広いプールなど、他園ではなかなか見られない充実した設備があります。
2 地域貢献活動として、自主事業「一時保育事業」を実施しています

在園児以外の保護者の傷病、出産、介護、冠婚葬祭、リフレッシュなどのため、1日もしくは時間単位で、満1歳から就学前までの子どもを預かり保育する「一時保育事業」を実施しています。一時保育には専任の保育士が配置され、専用の保育室があります。本体保育園の園児と一緒に過ごしたり、行事に参加するなどの交流を持ちながら保育を行います。年間利用者数は588名です。その他の地域貢献活動として、園庭開放、子育て講座、未入園の0歳児対象の保育所体験なども実施しています。
3 「おなかをすかせてしっかり食べる」というコンセプトで料理を提供するとともに、日ごろから食材に触れ合う機会を設けています

「おなかをすかせてしっかり食べる」というコンセプトのもと、薄味の料理を提供しています。また行事食については、手作りのパフェの提供や、子どもの日はこいのぼりのご飯、七夕の日はそうめんに星の型抜きをのせるなど、見た目にも楽しめる工夫を行っています。なお、調理室には園児の目線の位置に窓が取り付けられており、調理する様子を見ることができます。そのほか、園内では、ジャガイモ、プチトマト、キュウリ、ピーマンなどを栽培し、日ごろから園児が野菜に触れ合う環境を整備しています。

さらなる改善が望まれる点
1 セキュリティを高め、園児に安心安全な保育園を目指しています

リスクの洗い出しは園長、副園長、主任が協議して整理しています。また、考えられるリスクを想定し、危機管理対応マニュアルをもとに侵入者対応訓練、避難訓練などを行っています。地域に開かれた保育園を理想としているため、現状で門扉の施錠は保留にしていますが、今後はセキュリティー対策として、玄関のオートロック化を予定しています。現在、事業継続計画(BCP)も法人で作成中ということなので、園児にとって、より安心・安全な園運営が期待されます。
2 町会との交流や地域行事への参加を計画しており、更なる地域貢献活動が期待されます

園庭開放や「ベビちゃんZ’」、「ベビーマッサージと子育て講座」という地域向けの事業を開催しています。さらに、卒園児を毎年運動会に招待し、その子たちが参加するプログラムの実施やノートなどの記念品をプレゼントするなど継続した支援も行っています。そのほか、卒園児のボランティアや実習生など毎年10名以上を受け入れています。その一方で、園児と高齢者との関わりや、地域との交流が少ないと感じています。今後は、町会との交流を通して地域の行事への参加、園の行事への招待等を計画しており、更なる地域貢献が期待されます。
3 明文化された中長期計画の策定が期待されます

現在の園舎は平成17年に建て替えており、今後、大規模修繕や次の建て替えに向けて、ロングスパンで資金計画を立てています。この財務上の長期計画は策定されていますが、保育に関する中?長期計画は文章化されていません。今後、明文化された中長期事業計画書を策定し、長期視点での園運営に取り組むことが期待されます。

Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み

1 ★ 保護者のニーズに応えるための充実した体制、設備で、理念の実現を目指しています

「わけへだてのない行き届いた保育」を理念として、子どもの発達段階を正しく把握して保育を行っています。理念に共感して本園を選ぶ保護者もいると聞かれます。職員は、保護者と参加協力し合える関係を目指しています。保護者の求める施設を実現すべく、定数以上の職員を配置するなど保育体制を整え、施設も充実しています。屋上常設の広いプールには可動式のテント型屋根を設けてあります。また園庭には、戦禍をくぐり抜けて生き延びた揺り船、ぶどう棚など充実した設備があります。行事を催せるホールもあり、地域にも貸し出しています。
関連評価項目(事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している)
2 ★ 職員一人ひとりの声を聞きながら人材育成を図っています

全体の研修計画は「園内・園外研修」にまとめて表にしており、保育士、看護師、栄養士、それぞれ個人別研修計画を作成します。また、職員一人ひとりの育成の成果は月1回開催の乳幼児保育士会議で確認しています。園長、主任保育士による個人面談では、職員の声を聞きながら、個々の職員の取り組み方に助言、指導を伝えています。さらに、職員が受けた研修内容は職員会議で報告し、職員全体で共有しています。研修報告書は事務室に保管し、職員がいつでも閲覧できるよう配置しています。
関連評価項目(事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる)
3 ★ 自園調理の食事は、アレルギー児に対しても適切な対応のもと、提供しています

管理栄養士と栄養士を配置し、自園調理の食事をサイクルメニューで提供しています。アレルギー児への対応は、「アレルギー児給食対応マニュアル」に沿って行います。誤食防止策として、専用のトレーや食器の柄の変更、顔写真付きのアレルゲン表示などを行い、調理士と保育士でダブルチェック後、提供しています。そのほか、入園時には、アンケートを実施して、喫食状況を確認しています。
関連評価項目(子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している)

Ⅳ 利用者調査結果

調査概要
調査対象:調査対象は、在園児の保護者全員を対象とし、複数のお子さんが通っている場合は最年少児について、1世帯1回答のご回答をいただきました。
[調査対象世帯数:84世帯(在園児98名)]

調査方法:アンケート方式  
園より保護者全員に調査票を配布して頂きました。回収については、評価機関への郵送、または園内に設置した回収箱への投函により提出して頂くようにしました。

利用者総数 98人
利用者家族総数(世帯) 84世帯
アンケートや聞き取りを行った人数 84人
有効回答者数 47人
回答者割合(%) 56.0%

総括
「現在利用している保育園を総合的にみて、どのように感じていらっしゃいますか」との質問に対して、「大変満足」42.6%、「満足」40.4%、「大変満足」と「満足」を合わせて83.0%の回答率となっています。「どちらともいえない」が8.5%、「不満」「大変不満」が0.0%、無回答が8.5%でした。園のサービスに対する保護者の満足度が高いことが確認されました。個別設問では、問2「園活動への興味や関心を示し、学びや遊びを楽しんでいるか」について「はい」の回答率が95.7%で最も高く、問6「安全対策が十分取られていると思うか」では「はい」の回答率が44.7%と最も低くなっています。

利用者調査結果

1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
はい 44人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の96.3%を占め、「どちらともいえない」が6.4%、「いいえ」が0.0%、「無回答・非該当」が0.0%という結果でした。自由記述では、多様な意見が寄せられました。
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
はい 45人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の95.7%を占め、「どちらともいえない」が4.3%、「いいえ」が0.0%、「無回答・非該当」が0.0%という結果でした。自由記述では、多様な意見が寄せられました。
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
はい 40人  どちらともいえない 7人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の85.1%を占め、「どちらともいえない」が14.9%、「いいえ」が0.0%、「無回答・非該当」が0.0%という結果でした。自由記述では、給食の献立や調理方法について満足を示す声が複数寄せられました。
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
はい 32人  どちらともいえない 12人  いいえ 1人  無回答・非該当 2人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の68.1%を占め、「どちらともいえない」が25.5%、「いいえ」が2.1%、「無回答・非該当」が4.3%という結果でした。自由記述では、多様な意見が寄せられました。
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
はい 29人  どちらともいえない 5人  いいえ 0人  無回答・非該当 13人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の61.7%を占め、「どちらともいえない」が10.6%、「いいえ」が0.0%、「無回答・非該当」が27.6%という結果でした。自由記述では、保育時間の柔軟な対応について満足を示す声が多く寄せられました。
6.安全対策が十分取られていると思うか
はい 21人  どちらともいえない 16人  いいえ 9人  無回答・非該当 1人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の44.7%を占め、「どちらともいえない」が34.0%、「いいえ」が19.1%、「無回答・非該当」が2.1%という結果でした。自由記述では、入口のセキュリティについて改善を期待する声が多く寄せられました。
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
はい 37人  どちらともいえない 8人  いいえ 1人  無回答・非該当 1人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の78.7%を占め、「どちらともいえない」が17.0%、「いいえ」が2.1%、「無回答・非該当」が2.1%という結果でした。自由記述では、日程の通知時期について改善を期待する声が複数寄せられました。
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
はい 29人  どちらともいえない 15人  いいえ 3人  無回答・非該当 0人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の61.7%を占め、「どちらともいえない」が31.9%、「いいえ」が6.4%、「無回答・非該当」が0.0%という結果でした。自由記述では、多様な意見が寄せられました。
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい 44人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の93.6%を占め、「どちらともいえない」が6.4%、「いいえ」が0.0%、「無回答・非該当」が0.0%という結果でした。
10.職員の接遇・態度は適切か
はい 41人  どちらともいえない 5人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の87.2%を占め、「どちらともいえない」が10.6%、「いいえ」が2.1%、「無回答・非該当」が0.0%という結果でした。自由記述では、改善を期待する声が複数寄せられました。
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい 39人  どちらともいえない 2人  いいえ 3人  無回答・非該当 3人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の83.0%を占め、「どちらともいえない」が4.3%、「いいえ」が6.4%、「無回答・非該当」が6.4%という結果でした。自由記述では、多様な意見が寄せられました。
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい 28人  どちらともいえない 13人  いいえ 1人  無回答・非該当 5人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の59.6%を占め、「どちらともいえない」が27.7%、「いいえ」が2.1%、「無回答・非該当」が10.6%という結果でした。自由記述では、多様な意見が寄せられました。
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
はい 37人  どちらともいえない 9人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の78.7%を占め、「どちらともいえない」が19.1%、「いいえ」が2.1%、「無回答・非該当」が0.0%という結果でした。自由記述では、多様な意見が寄せられました。
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
はい 36人  どちらともいえない 7人  いいえ 1人  無回答・非該当 3人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の76.6%を占め、「どちらともいえない」が14.9%、「いいえ」が2.1%、「無回答・非該当」が6.4%という結果でした。
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
はい 25人  どちらともいえない 14人  いいえ 6人  無回答・非該当 2人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の53.2%を占め、「どちらともいえない」が29.8%、「いいえ」が12.8%、「無回答・非該当」が4.3%という結果でした。
16.利用者の不満や要望は対応されているか
はい 30人  どちらともいえない 9人  いいえ 0人  無回答・非該当 8人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の63.8%を占め、「どちらともいえない」が19.1%、「いいえ」が0.0%、「無回答・非該当」が17.0%という結果でした。自由記述では、多様な意見が寄せられました。
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい 27人  どちらともいえない 7人  いいえ 8人  無回答・非該当 5人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の57.4%を占め、「どちらともいえない」が14.9%、「いいえ」が17.0%、「無回答・非該当」が10.6%という結果でした。

Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)

※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー1  リーダーシップと意思決定
  サブカテゴリー1  事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目2 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  評価項目2 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている 実施状況
  標準項目1 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  標準項目2 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
  評価項目3 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している 実施状況
  標準項目1 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  標準項目3 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
講評
理念や保育方針などは職員にあらゆる機会に周知し、正面玄関に掲示しています

運営の主体は、戦前からこの地で社会福祉活動を行ってきた団体から継続している社会福祉法人です。理事会で決定された理念(運営方針)、「就労と子育ての両立。親と子の生活権・発達権の保障」や保育方針、保育目標は、3月末の新年度計画会議で職員全員が確認をしています。また、園長は折にふれ職員に理念を伝えています。保護者に対しては、理念を「入園のしおり」に明記するほか、正面玄関に掲示し、案内しています。そのほか、入園説明会や入園式、懇談会でも説明をしています。

経営層は園長、副園長、主任で構成し、職務分担表に定められた任務を果たしています

園長は職員に対し、毎年3月末の新年度計画会議で、理念や保育方針である「わけへだてのない、行き届いた保育」を伝えています。保育士会議でも重ねて伝えています。また、地域貢献活動や職員の役割分担についても話しています。また新人職員育成のためのチューターは、該当する新人職員が所属するクラスから選任しています。経営層は園長と副園長、主任で構成し、職員の役割を明記した職務分担表に基づいて行動しています。

重要な案件は法人の理事会で決定し、園長から職員、保護者に伝えています

100万円以上の設備を導入するなどの重要な案件は、法人の理事会で決定します。重要な決定事項は園長から職員に対し、常勤職員で構成される毎月1回開催の職員会議や、毎週開催の保育士会議で伝えています。非常勤職員には、非常勤職員連絡会で職員会議の決定事項を伝えるなど、勤務時間が多様な職員とも情報共有ができています。保護者には懇談会や個人面談で直接伝えるほか、園だよりやクラスだより、ほけんだよりで周知しています。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー2  事業所を取り巻く環境の把握・活用及び計画の策定と実行
  サブカテゴリー1  事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  評価項目1 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している 実施状況
  標準項目1 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目2 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  標準項目3 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目4 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  標準項目5 事業所の経営状況を把握・検討している
  標準項目6 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
  サブカテゴリー2  実践的な計画策定に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している 実施状況
  標準項目1 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している ×
  標準項目2 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している ×
  標準項目3 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
  評価項目2 着実な計画の実行に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  標準項目2 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
講評
アンケートや業界団体からの情報収集であらゆる環境を把握し、課題を抽出しています

私立保育園園長会、コミュニティスクール委員会に所属し、地域の福祉ニーズを収集しています。加えて、入園希望の見学者からのニーズや、保護者からはアンケート、意見箱などから要望、意見を収集しています。福祉事業全体の動向は、都の民間保育園協会や都社会福祉協議会から情報を入手しています。またコミュニティスクール委員会では、学校の取り組みが紹介され、具体的には子どもの着替えは立ってできるようにしてほしいなど、学校側からの要請を各職員に報告しています。

経営層は財務上の長期計画を策定し、着実に実行しています

現在の園舎は平成17年に建て替えました。今後、大規模修繕や次の建て替えに向けて、ロングスパンで資金計画を立てています。この財務上の長期計画は理事会、評議員会で承認されています。児童福祉法に基づく保育所として認可を受けてから70年にわたり保育園を運営してきたので、保育に関する中?長期計画は文章化されなくても経営層の間で合意されているところです。今後、説明責任を果たす上でも明文化された計画書の作成を検討しています。

年度ごとの事業計画は所定の手続きを経て策定し、着実に実施しています

事業計画は法人の評議員会、理事会の承認を得ています。保育士会議ではクラス間の予定を調整後、新年度計画会議に案を持ち寄り調整します。事業計画や年間行事予定表は3月末の新年度計画会議で立案しています。年間行事予定は4月初めに保護者に配布しています。計画推進の体制は組織図に、役割は職務分担表に明示しています。事業計画を年度途中で見直す場合は、リーダー会議で検討し、園長、副園長、主任で協議のうえ、職員会議に提起します。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー3  経営における社会的責任
  サブカテゴリー1  社会人・福祉サービス事業者として守るべきことを明確にし、その達成に取り組んでいる
  評価項目1 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  標準項目2 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
  サブカテゴリー2  利用者の権利擁護のために、組織的な取り組みを行っている
  評価項目1 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている 実施状況
  標準項目1 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  標準項目2 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
  評価項目2 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている 実施状況
  標準項目1 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  標準項目2 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
  サブカテゴリー3  地域の福祉に役立つ取り組みを行っている
  評価項目1 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  標準項目2 ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
  評価項目2 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  標準項目2 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  標準項目3 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
講評
法・規範・倫理の遵守を全職員が理解できるよう、自己評価シートを活用しています

法人職員、所属保育士として守るべき法・規範・倫理については、就業規則、運営規定に明示されています。内容は職員会議で周知するとともに事務所に保管し、職員は自由に閲覧することができます。また、必要な部分についてはコピーをとる事も可能です。職員の理解度は、自己評価シートで判断します。年1回、11月から12月にかけて個人面談を実施し、自己評価シートをもとに確認しています。法令順守などの理解が不足していると認められる職員には、園長・副園長から個別に説明しています。

苦情解決制度の活用、虐待防止についてはマニュアルに則って組織的に対応しています

苦情解決制度については保護者に対し入園時に説明し、入園のしおり、園だよりでも紹介しています。苦情受付担当は主任、解決担当は園長・副園長です。保護者の意見、要望への対応方法は、苦情対応マニュアルに記載されています。申し出た者の意向は、苦情受付申出書に記録されます。職員による子どもへの虐待予防については、虐待防止マニュアルに基づき、言葉使いや立ち振る舞いを自己点検しています。虐待行為が発覚した場合は、板橋区子ども家庭支援センターに通報します。民間保育園協会や都の社会福祉協議会の研修にも毎年参加しています。

地域の福祉に役立つ取り組みを実施しています

運営の透明性確保について、ホームページに予算決算報告を掲載しています。また、小学生のボランティアが2名参加し、着替えの手伝いなどを行っています。保育実習は年間14人、職場体験は中学生7人の参加がありました。子育て支援事業として0歳児保育所体験を実施しています。毎月1回開催で、登録者は現在10名です。一時保育事業は年間588名の方が参加しており、専用の部屋を用意するなど、地域に定着している事業となっています。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー4  リスクマネジメント
  サブカテゴリー1  リスクマネジメントに計画的に取り組んでいる
  評価項目1 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  標準項目2 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  標準項目3 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している ×
  標準項目4 リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  標準項目5 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
  サブカテゴリー2  事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  評価項目1 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている 実施状況
  標準項目1 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  標準項目2 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  標準項目3 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  標準項目4 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
講評
園長を中心にリスクマネジメントに取り組んでいます

通常考えられるリスクは防犯を筆頭に、防災、事故、感染症などを想定しています。直近では感染症に対し、最優先で対応しています。危機管理対応マニュアルをもとに侵入者対応訓練、避難訓練を行っています。地域に開かれた保育園を理想としているため、門扉の施錠は保留にしていますが、玄関ドアはオートロック化してあります。リスクの洗い出しは園長、副園長、主任が協議して整理しています。事業継続計画は、法人本部において作成中です。

リスク対策を職員、保護者に周知しており、再発防止を検討する手順も整っています

事故、感染症、侵入などの発生を記録する様式として事故報告書があります。発生当初の対応は職員から主任、副園長、園長と報告があがり、対応について指示が伝達され、問題解決に速やかに取り組みます。同時に記録も記入され、園長に提出されます。園長、副園長、主任は再発防止策案を協議し、職員会議で報告します。全職員で事故や再発防止について議論し、対策を共有します。保護者に伝える場合は、当事者には口頭で報告します。全体に関わる案件については園だよりなどに掲載します。

収集した情報は、規定に則り適切に管理しています

情報管理、文書管理については運営規程に記載されており、保護者も閲覧することができます。児童票など個人情報が記載された資料は、鍵のかかるキャビネットに保管しています。個人情報の利用目的や開示請求の方法は入園のしおり、重要事項説明書に記載し、入園の際、保護者に説明しています。園児の撮影についても個人情報と同様に保護者の同意を得ています。そのほか、園長、副園長、主任それぞれがスタンドアロンでパソコンにデータ保存し、他の職員は使用できない環境を整備しています。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー5  職員と組織の能力向上
  サブカテゴリー1  事業所が目指している経営・サービスを実現する人材の確保・育成・定着に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている 実施状況
  標準項目1 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  標準項目2 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
  評価項目2 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している 実施状況
  標準項目1 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  標準項目2 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
  評価項目3 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  標準項目2 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  標準項目3 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  標準項目4 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
  評価項目4 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  標準項目2 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  標準項目3 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  標準項目4 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
  サブカテゴリー2  組織力の向上に取り組んでいる
  評価項目1 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  標準項目2 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  標準項目3 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
講評
求めている人材を確保できるよう、あらゆる方法に取り組んでいます

求めている人材像は、就業規則の服務の心得に記載されています。職員の採用情報はホームページに掲載するほか、専門の事業者にも依頼しています。また、パート職員はハローワークに求人依頼を出し、チームとして協力しあっていけるような人材を探すようにしています。今後は、職員による紹介採用やインターンシップも活用したいと考えています。そのほか、職務内容に応じた給与の階層などは、給与表を配付し職員に伝えるとともに、個々の人材育成計画は個人面談で伝えています。

人材育成には、職員の意向を反映して計画を作成しています

全体の研修計画は「園内・園外研修」にまとめて表にしており、個人別研修計画は保育士、看護師、栄養士それぞれに作成します。また、非常勤職員対象に園内研修を実施しています。なお、自己診断シートをもとに毎年度はじめに研修計画を作成し、職員一人ひとりの育成の成果は週1回開催の乳幼児保育士会議で確認しています。育成の成果は「個人目標」に記録します。そのほか、7年目を目途にリーダー養成のためキャリアアップ研修に派遣しています。

職員の意欲向上に向け、個人面談での職員の声の汲み上げなどに取り組んでいます

職員の目標達成状況は毎月振り返りを行っています。園長、主任保育士による個人面談では、職員の声を聞きながら、個々の職員の取り組み方に助言、指導を伝えています。正規職員の平均勤続年数は12年で、育児休暇の取得実績は100%です。また、職員が受けた研修内容は職員会議で報告し、職員全体で共有しています。研修報告書は職員がいつでも閲覧できるよう、事務室で保管しています。業務上で気づいた点は、保育士会議で提起されます。また、職員提案で一時保育の予約の時期を変更し、業務をより円滑に進めることができました。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー7  事業所の重要課題に対する組織的な活動
  サブカテゴリー1  事業所の重要課題に対して、目標設定・取り組み・結果の検証・次期の事業活動等への反映を行っている
  評価項目1 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 新卒の職員は、子どもの発達について大学の学部や専門学校などの養成課程で十分に学んできています。机上の発達理論、知識は理解しているようですが、実践では理論を現実に即して実行できていない、あるいは、現実を理論に即して解釈することが困難な場面が散見されました。保育の専門家を育てるうえで、新人職員が子どもの発達をしっかりと理解し、保育を展開・実践できるようにしていくことを目指し、職員会議後に園内研修で話し合う時間を設けました。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
研修では、実践面での発達を理解することよりも、現場の日々の段取りなどの保育実務についての質疑応答などが主体となりがちでした。そのため、子どもの発達について理解を深める研修の歩みは滞りがちでした。子どもの発達は実務を積み重ねてこそ理解できる内容です。保育の現場で気づいたことを気兼ねなく質問し、先輩、主任、園長が説明する、このサイクルを継続することで学びが深まります。今後は、若手職員からの積極的な発言を促したり、発言しやすい雰囲気作り、気兼ねなく発言ができる土壌づくりに取り組んでいく予定です。 
  評価項目2 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 「わけへだてのない保育」を保育方針としており、要支援児も特別視はしません。職員も理解はしていますが、要支援児への対応が課題となっています。着替えや工作に時間がかかると、みんなと同じペースにしてあげようという気持ちから、保育士は何でもしてあげてしまいがちです。外見的にはみんなの動きは揃いますが、本人にとっては自分がやった行為や意識がないので参加した実感がありません。これが保育方針に準じた行動となるのか、保育士に理解してほしいと願っています。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
要支援児保育についての園内研修の際、職員から一緒にやりたいと賛同の声が多くあがり、職員全員で対応を考えました。子ども一人ひとりの主体性を尊重する理念は理解していますが、現状の実務では要支援児の手に余る作業は手伝ってあげているのが現状でした。そのため、本来の理念実現に向け、障害児保育者研修に職員を参加させ、学ばせることにしました。また職員会議でもう一度、全員で議論する場を設けたいと検討しています。現在、要支援の児童は多動の子どもが3名在籍していますが、区に要支援の児童の入園相談があると、本園に引き合いがあります。今後、職員の対応力を高めることで、法人理念に沿った要支援児保育の提供が期待されます。 

Ⅵ サービス提供のプロセス項目(カテゴリー6)

カテゴリー6 サービス提供のプロセス
  サブカテゴリー1 サービス情報の提供
  評価項目1 利用希望者等に対してサービスの情報を提供している 実施状況
  標準項目1 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  標準項目2 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  標準項目3 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  標準項目4 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
講評
園や区のホームページで、法人の思いやさまざまな情報を発信しています

ホームページでは、「わけへだてのない保育」「のびのびした保育」「育ちあう、育て合う保育」といった法人の思いや、保育方針、一日の生活、入園案内、アクセスなど施設の基本概要などを紹介しています。また、板橋区のホームページ(板橋区内保育園パーフェクトデータ)でも、保育理念、保育方針、保育目標のほか、住所や開園時間などの基本的な情報を閲覧することが可能です。そのほか、地域向けにりんりん通信を発行し、さまざまな活動を紹介しています。

見学者用に「入園者向け」と「一時保育向け」それぞれのパンフレットを用意しています

見学者用の資料として、「入園者向け」と「一時保育向け」それぞれのパンフレットを用意しています。「入園者向け」のパンフレットには、保育理念(運営方針)や保育方針と目標のほか、一日の生活の流れや行事風景などが掲載されています。それに対し「一時保育向け」には、ご利用案内や保育料・給食費など具体的な内容が掲載されています。いずれのパンフレットも、カラーで見やすいよう工夫されています。

見学は個別に対応し、保育の特徴や環境について丁寧に説明しています

利用希望者への説明会は毎年秋ごろに実施していますが、見学は随時受け入れています。見学は主に主任が担当し、1日に2組程度受け入れて、園内を案内しています。見学の際は、特徴としている「園庭があり、戸外活動を重視している」ことや、「プログラムについては、外部の先生を招いて行なう教育的なものではなく、園児が興味を持ったことを重視した活動を行っている」ことなどを丁寧に伝えています。見学では、屋上に設置している大型のプールが特に人気となっています。


  サブカテゴリー2 サービスの開始・終了時の対応
  評価項目1 サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている 実施状況
  標準項目1 サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
  標準項目2 サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目3 サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
  評価項目2 サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 サービス開始時に、子どもの保育に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  標準項目2 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように配慮している
  標準項目3 サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
講評
入園前には説明会、面接、健康診断を実施し、個別の要望などを児童票に記載しています

入園が決まった保護者には関係書類を送付し、児童票や健康の記録などへの記入を依頼しています。3月には入園前面接と説明会、健康診断を実施し、園長が入園のしおりに沿って「本園の理念(運営方針)、保育方針、保育目標、年間の主な行事、一日の流れ、入園に当たってのお願いとお知らせ」などの基本事項について説明しています。個人情報については、説明後、個人情報保護についての同意書に押印してもらい、同意を得ています。なお、入所前の個人面接では、看護師や栄養士も同席し情報を把握しています。

保護者や園児の事情に合わせ慣れ保育などを実施し、不安の軽減に努めています

入園前の面接で確認した家庭での情報や個別の事情、家族の要望は、生活状況表や児童表に記入し、個別計画に反映され、保育に活かしています。把握した園児の状況や保護者の要望に応じて、入園当初に5日間を目安として、慣れ保育を実施しています。慣れ保育については入園前面接で概要を説明し、保護者の就労状況と園児の様子を踏まえて、時間や期間を調整しています。また、慣れ保育期間中は保育の様子を写真や動画で撮影し、4月下旬開催の懇談会の際に放映するなど、保護者が安心して預けられる取り組みを行っています。

小学校との交流会を実施し、保護者や園児の不安を軽減しています

小学校就学の際は、在園時の保育要録を送るなど情報提供に努めています。また、近隣の小学校と年に2回交流会を行うなど、園児や保護者の不安を軽減させる取り組みを行っています。転園する場合も、必要に応じて情報を提供するとともに、相談がある場合はいつでも対応できることを伝えています。なお、途中で転園する園児には、園生活の様子を作品集にしてプレゼントしています。


  サブカテゴリー3 個別状況の記録と計画策定
  評価項目1 定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している 実施状況
  標準項目1 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
  標準項目2 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  標準項目3 アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
  評価項目2 全体的な計画や子どもの様子を踏まえた指導計画を作成している 実施状況
  標準項目1 指導計画は、全体的な計画を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
  標準項目2 指導計画は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化に即して、作成、見直しをしている
  標準項目3 個別的な計画が必要な子どもに対し、子どもの状況(年齢・発達の状況など)に応じて、個別的な計画の作成、見直しをしている
  標準項目4 指導計画を保護者にわかりやすく説明している
  標準項目5 指導計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  評価項目3 子どもに関する記録が行われ、管理体制を確立している 実施状況
  標準項目1 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  標準項目2 指導計画に沿った具体的な保育内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
  評価項目4 子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している 実施状況
  標準項目1 指導計画の内容や個人の記録を、保育を担当する職員すべてが共有し、活用している
  標準項目2 申し送り・引継ぎ等により、子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
講評
園児一人ひとりの情報は、児童票や保健の記録に記載しています

一人ひとりの園児の入園までの心身の状況や生活状況などの情報は、面接時に保護者から聞き取り把握し、児童票や保健の記録に記載しています。さらに、保護者のニーズや要望は、日頃の保護者との会話や個人面談、懇談会などを通して、把握に努めています。個別計画は0、1、2歳児で作成していますが、要支援児については3歳児以上でも作成しています。そのほか、0、1、2歳児及び要支援児については、連絡帳を活用し、家庭と情報を共有しています。

全体的な計画は法人の理念や保育方針を反映し、作成しています

全体的な計画は、法人の保育理念や保育方針を反映して作成され、それを基に月ごとの計画を作成しています。具体的な活動内容は週案で具体化しています。保育目標は、①どの子もみんな大切な子どもとして、その発達を保障していく保育(わけへだてのない保育、)②一人ひとりの子どもの発達段階を正しく把握し、その発達の芽を大切にした援助によって自立の力を育てる保育、③楽しい集団生活の中で子ども自身が体験する、その体験を土台にして心身の発達を促す。とし、食育や保健指導なども含めて園児の状況に合わせた活動を計画しています。

各種会議で情報共有と保育目標の達成状況を確認しています

職員の情報共有のための会議として、園長、副園長、主任、保育士、栄養士、看護師、事務、調理師が参加する毎月の職員全体会議のほか、クラス会議、乳児会議、幼児会議を開催しています。また、毎週開催している保育士会議では、月末に保育目標の達成状況や指導計画の推進状況を確認しています。会議後には議事録が作成され、参加できなかった職員は、閲覧の欄に名前を記入(若しくは押印)をすることで情報共有を図っています。


  サブカテゴリー4 サービスの実施
  評価項目1 子ども一人ひとりの発達の状態に応じた保育を行っている 実施状況
  標準項目1 発達の過程や生活環境などにより、子ども一人ひとりの全体的な姿を把握したうえで保育を行っている
  標準項目2 子どもが主体的に周囲の人・もの・ことに興味や関心を持ち、働きかけることができるよう、環境を工夫している
  標準項目3 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう配慮している
  標準項目4 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
  標準項目5 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
  標準項目6 【5歳児の定員を設けている保育所のみ】 小学校教育への円滑な接続に向け、小学校と連携をとって、援助している
講評
園児たちは広い園庭やホールで伸び伸びと主体的に遊んでいます

戦前から保育事業を行っている法人が運営しており、施設自体も昭和24年に開設した歴史ある保育園です。木のぬくもりを感じられる園内には、広い園庭やホールがあり、園児たちは自分たちで好きな玩具を選んで、自由に遊ぶことができます。園庭には、揺り船、砂場、滑り台付きの複合遊具、鉄棒など、さまざまな遊具が設置してあり、園児たちは伸び伸びと好きなことをしながら遊んでいます。そのほか、屋上には広いプールが設置してあり、園児たちにとって人気となっています。

日常の保育や行事の中で異年齢交流を取り入れ、互いに思いやる気持ちを育んでいます

異年齢交流保育の取り組みとして、朝夕の合同保育のほか、食育バイキングなどの行事の際や散歩の中で交流を図っています。また、幼児クラス(3、4、5歳児)の午睡はホールを利用して合同で行うなど、日常的に異年齢交流を行える環境を整備しています。異年齢保育を取り入れることで、園児は兄弟のような気持ちを養うことができ、家族のように育っています。夕方の合同保育では、上の子が下の子の面倒を見る姿もよく見られています。

子ども同士のトラブルは見守りながらお互いの気持ちを伝い合えるよう支援しています

園児同士のトラブルなどがあった場合は、双方の気持ちに寄り添って話を聞き入れています。特に、4、5歳児はお互いの気持ちを相手に伝い合えるように、見守りつつ、必要に応じて支援に入っています。特別な配慮が必要な園児については、区の巡回指導の方や関係機関と連携して対応しています。また、小学校への円滑な移行のため、個別面談や懇談会で保護者に小学校の様子を伝えています。

  評価項目2 子どもの生活が安定するよう、子ども一人ひとりの生活のリズムに配慮した保育を行っている 実施状況
  標準項目1 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
  標準項目2 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう援助している
  標準項目3 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
  標準項目4 降園時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
講評
登園時に視診や検温カードの確認及び会話の中で園児の様子を確認しています

職員は登園時に視診と検温カードの確認、本人との対話、保護者とのコミュニケションなどにより、その日の心身の健康状態を確認しています。保護者とは連絡帳(0~2歳児)を取り交わすとともに、口頭でも家庭と園での生活の様子や体調の変化を相互に確認しあいます。収集した情報は、必要に応じて口頭やメモで共有しています。なお、0歳児は申し送りノートを使用し、職員間で情報共有しています。

家庭と連携しながら生活習慣の習得に取り組んでいます

園児一人ひとりの成長に合わせた生活リズムを育めるように、各年齢に合わせた基本的生活習慣の大切さを伝えたり、食育活動や保健指導も行うなど、さまざまな支援をしています。午睡時には必ず着替えを行ったり、4、5歳児は正しい歯磨きについて保健所の専門的な指導を受けています。特にトイレトレーニングは、家庭と連携しながら個々のペースに合わせて進めています。なお、保護者の負担を減らすため、オムツは全て園負担で用意しています。

午睡センサーやアプリを使用し、SIDS予防に努めています

デイリープログラムに示されている午睡の時間は、乳児が12時~14時30分、幼児が12時30分~14時30分となっています。睡眠時にはSIDSのチェックも兼ね、午睡チェックシートを活用して顔色などをこまめに観察しています。0歳児は午睡センサーとアプリを使用し、体位や呼吸を確認しています。ほとんどの子はよく眠っていますが、眠れない子がいた場合は図書コーナーなどで静かに過ごしています。なお、5歳児クラスでは、就学に備えて12月頃から午睡時間を減らし、体のリズムを整えています。

  評価項目3 日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している 実施状況
  標準項目1 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
  標準項目2 子どもが、集団活動に主体的に関われるよう援助している
  標準項目3 子ども一人ひとりの状況に応じて、子どもが言葉による伝え合いを楽しみ、言葉に対する感覚を養えるよう配慮している
  標準項目4 子どもが様々な表現を楽しめるようにしている
  標準項目5 戸外・園外活動には、季節の移り変わりなどを感じとることができるような視点を取り入れている
  標準項目6 生活や遊びを通して、子どもがきまりの大切さに気付き、自分の気持ちを調整する力を育てられるよう、配慮している
講評
園児自身の興味を重視した活動を支援しています

保育方針の一つに「楽しい集団生活の中で子ども自身が体験する、その実感を土台にして心身の発達を促す保育」と謳っており、専門講師による教育的なプログラムを行うのではなく、園児自身の興味を重視した活動を積極的に行っています。おもちゃや絵本は、園児が好きなものを自由に選んで取れるように配置するとともに、いろいろな興味に対応できるよう、おままごとコーナーやブロックコーナーを設置しています。制作遊びなどの中では、園児同士が話し合いながら決めていけるよう支援しています。

遊びや関わりの中で園児が様々な表現を楽しむ機会を設けています

園児の様々な表現力を養う取り組みとして、リズム体操や読み聞かせなどのプログラムを提供しています。リズム体操では、異年齢で見せあいっこすることで園児の興味を刺激したり、2歳児の部屋のオルガン演奏で一緒に歌うなど、多くの子どもと触れ合いながら保育活動を行っています。また、行事の出し物はグループで話し合ったり、テーマやセリフを考えるなど、園児が自分たちで考えることで、言葉による伝えあいや表現を楽しむ機会を設けています。

積極的に戸外活動を取り入れ、季節を感じる遊びや動植物に触れ合っています

天気がいい日は積極的にお散歩に出かけ、身体を使った様々な遊びを取り入れるようにしています。お散歩では、鬼ごっこや競争をして体を動かしたり、落ち葉拾いやどんぐり拾いなどの季節を感じる遊びのほか、近隣の公園ではやぎ、ポニー、モルモット、うさぎなどを観察しています。また園庭では食育の一環として、季節に応じてキュウリやピーマン、ブロッコリーなどを栽培しています。さらに戸外活動や遊びを通じ、周りの人や相手の気持ちを具体的に話しながら、きまりを守ることで、みんなが心地良く過ごせるということの大切さを伝えています。

  評価項目4 日常の保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している 実施状況
  標準項目1 行事等の実施にあたり、子どもが興味や関心を持ち、自ら進んで取り組めるよう工夫している
  標準項目2 みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
  標準項目3 子どもが意欲的に行事等に取り組めるよう、行事等の準備・実施にあたり、保護者の理解や協力を得るための工夫をしている
講評
様々な季節行事とお誕生会を実施し、日常に潤いを持たせています

主な年間行事として、「子どもの日、七夕、敬老の日、お楽しみ会(クリスマス会)、節分、雛祭り」などの季節行事と、毎月のお誕生日会を行っています。行事の前には、それにちなんだ歌を歌ったり、イベントで使用するものの製作を行うなど、園児の気持ちを盛り上げています。また、今年度は実施していませんが、地域の方を招いてお店屋さんごっこを行う「りんりん祭り」や、5歳児の合宿保育(川遊び)、4歳児のお泊り保育などを計画しています。

参加型の保育参観を実施し、保育の様子を保護者に見てもらう機会を提供しています

保護者が参加できる行事は、保育参観、運動会などがあり、保護者にはあらかじめ年間行事計画を配付するなど、参加しやすいよう配慮しています。幼児については、ご家庭の方にも参加していただく参加型参観(5日間で1日4人)を実施しています。活動の様子はクラス便りや写真で報告しており、保護者が参加した行事ではアンケート調査を実施して、意見や感想を収集し、把握しています。

  評価項目5 保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている 実施状況
  標準項目1 保育時間の長い子どもが安心し、くつろげる環境になるよう配慮をしている
  標準項目2 保育時間が長くなる中で、保育形態の変化がある場合でも、子どもが楽しく過ごせるよう配慮をしている
講評
延長保育時は職員を加配するなど、安心できる環境整備に努めています

開所時間は7時15分から20時15分までとなっており、そのうち延長保育時間は、7時15分~8時30分までと18時15分以降と設定しています。延長保育を利用する場合は、1時間延長は捕食、2時間延長は夕食を提供しています。なお、延長保育時は、職員を加配するなど、安心できる環境整備に努めています。

合同保育では、園児同士の関わりを大切にし見守りながら支援しています

延長保育では、みつあみをしたり、蝶々結びをするなど、指先を使うような職員手作りの玩具で遊んでいます。縦割りを活かし、小さい子が不安にならないように環境設定を配慮しています。合同保育の中では、上の子が下の子に絵本を読んであげるなど、面倒を見る姿が多くみられています。職員は、園児同士の関わりについて、優しい声掛けを伝えるなど見守りながら支援しています。

  評価項目6 子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している 実施状況
  標準項目1 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
  標準項目2 メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
  標準項目3 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している                                                                                        
  標準項目4 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
講評
「おなかをすかせてしっかり食べる」というコンセプトで薄味の食事を提供しています

管理栄養士と栄養士を配置しており、2週間のサイクルメニューを自園調理しています。料理は薄味に仕上げられています。「おなかをすかせてしっかり食べる」というコンセプトに基づき作られるため、0、1、2歳児は午前のおやつは出さず提供しています。また行事食については、誕生会の日は手作りのパフの提供や、子どもの日はこいのぼりのご飯、七夕の日はそうめんに星の型抜きをのせるなど、見た目にも楽しめる工夫を行っています。なお、調理室には園児の目線の位置に窓が取り付けられており、調理する様子を見ることができます。

アレルギー児への対応はマニュアルに沿って対応し、誤食を防いでいます

一人ひとりの発達や健康の状態に応じて、食事を提供しています。アレルギー児への対応は、医師の診断(または指示書)をもとに、「アレルギー児給食対応マニュアル」に沿って、除去食及び代替食を提供しています。また誤食防止策として、専用のトレーや食器の柄の変更、顔写真付きのアレルゲン表示などを行い、調理士と保育士でダブルチェック後、提供しています。そのほか、入園時にアンケートを実施して、各自の喫食状況を確認しています。

食育計画に沿って、園児の食への興味や関心を高める活動を実施しています

食育計画に沿って、さまざまな食育活動を実施しています。農園を借りて、サツマイモ掘りを体験したり、お別れ会や食育バイキングではバイキング形式の食事を楽しんでいます。また調理体験は3歳児から始め、自分達で栽培したピーマンなどの野菜を使って、ピザトーストなどを調理しています。この食育活動を通じて、ピーマンが嫌いな園児が食べられるようになる姿も見られています。そのほか園内では、ジャガイモ、プチトマト、キュウリなども栽培し、日ごろから園児が野菜に触れ合う環境を整えています。

  評価項目7 子どもが心身の健康を維持できるよう援助している 実施状況
  標準項目1 子どもが自分の健康や安全に関心を持ち、病気やけがを予防・防止できるように援助している
  標準項目2 医療的なケアが必要な子どもに、専門機関等との連携に基づく対応をしている
  標準項目3 保護者と連携をとって、子ども一人ひとりの健康維持に向けた取り組み(乳幼児突然死症候群の予防を含む)を行っている
講評
日ごろの安全指導を行うとともに、怪我の防止に向けた環境整備に配慮しています

有事の際に園児を守る取り組みとして、毎月の避難訓練や年2回の防犯訓練を実施しています。また日常生活においても、遊びや散歩の際の約束事を確認したり、手洗いやうがいを習慣づけるよう、指導しています。また交通ルールや公共のマナーについては、戸外活動の際に都度指導して、安全についての意識を高めています。そのほか乳児クラスは、危険ヶ所への取り組みとして、テーブルなどの角にスポンジを取り付けたり、プランターの配置での回避など、怪我の防止に向けた環境整備にも配慮しています。

毎月の身体測定や検診を通し、園児の健康管理に努めています

園児の成長と健康管理のため、毎月の身体測定や0歳児検診、2~5歳児クラスを対象にした歯科検診を行っています。また医療的ケアが必要な園児については、看護師が中心となり専門機関と連携して対応する体制を整備しています。そのほか、予薬は原則行っていませんが、予約依頼書に基づき対応しています。

感染症やSIDSの発生の予防と、保護者への注意喚起に努めています

園児の健康管理については、保護者会や毎月の園だよりで保護者に伝えています。またSIDSについては、午睡チェック表を用いて、体位・呼吸・顔色を確認しています。なお、0歳児はベビーセンサーも併用し、確認しています。感染症の予防策としては、看護師による研修や、毎月の職員会議の中で嘔吐処理などの研修を実施しています。また保護者に対しては、入園時に配布する「保健のしおり」に子どもがかかりやすい感染症や、ホームケアのポイントが記載することで、注意喚起に努めています。

  評価項目8 保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して支援を行っている
  標準項目2 保護者同士が交流できる機会を設けている
  標準項目3 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
  標準項目4 子どもの発達や育児などについて、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
  標準項目5 保護者の養育力向上のため、園の保育の活動への参加を促している
講評
入園前面談や個別面談などで個々の家庭の状況を把握し、支援を行っています

子育てに関する保護者の価値観や就労状況は、入園前面談や年2回実施する個別面談で把握し、個別の対応に配慮しています。急な延長保育の依頼についても、できる限り対応するよう努めています。また、保育参観や運動会などの行事後にはアンケートをとり、保護者の意見を次回開催時に反映させるよう検討しています。そのほか、保護者と情報を共有する手段として、連絡帳を有効活用するとともに、毎日の登降園時のコミュニケーションを大事にしています。

保育参観を通して、園児の様子を共有しています

保護者の日々の保育に対する思いや希望を把握するため、年2回保護者会を開催し、運営へのご意見を収集しています。また、日ごろの園児の様子を見てもらうため、保育参観を実施しています。幼児は春ごろ5日間と冬1日、乳児は春秋冬に各1回を予定しています。そのほか、保護者間の交流促進の取り組みとして、保護者会の中で、自己紹介や意見交換を行う時間も設けています。

栄養士の食育講座などを開催し、保護者の養育力向上を図っています

保護者の養育力向上の取り組みとして、栄養士の「食育講座」や「人気メニューの作り方」などの講座を開催しています。開催日は土曜日を設定するなど、働いていても参加しやすいよう配慮しています。また、地域向けの講座として、年に1回「ベビーマッサージとふれあい遊び」を開催しています。主なターゲットは、0歳児の子どもがいる保護者で、毎年7~8組の方が参加されています。

  評価項目9 地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている 実施状況
  標準項目1 地域資源を活用し、子どもが多様な体験や交流ができるような機会を確保している
  標準項目2 園の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
講評
地域との交流の機会を持ち、園児が多くの方と交流できるよう努めています

日常的に行っている地域との交流として、散歩の際の挨拶を通した触れ合いを行っています。また散歩の際に、図書館などの公共施設にも訪問しています。さらに法人の規定に沿って近隣町会などに毎月保育室を貸し出すなど、園児が多くの方と交流できる環境を整備しています。

地域向け講座を毎月開催するなど、地域に開かれた施設運営に取り組んでいます

毎週月曜日に園庭開放を実施し、広く地域の方を招いています。併せて、「ベビちゃんZ’」という地域の子どもと園児が交流する事業や、「ベビーマッサージと子育て講座」という地域向けの事業を開催しています。さらに、卒園児を毎年運動会に招待し、その子たちが参加するプログラムの実施や、ノートなどの記念品をプレゼントするなど、継続した支援も行っています。そのほか、卒園児のボランティアや実習生などを毎年10名以上受け入れています。


  サブカテゴリー5 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
  評価項目1 子どものプライバシー保護を徹底している 実施状況
  標準項目1 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目2 子どもの羞恥心に配慮した保育を行っている
  評価項目2 サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している 実施状況
  標準項目1 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
  標準項目2 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した保育を行っている
  標準項目3 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
講評
個人情報の取り扱いについては入園のしおりに沿って説明し、同意を得ています

個人情報については、入園のしおりに「個人情報の理念、個人情報の利用目的、個人情報保護体制の管理、個人情報の会・削除」などの項目が記載されており、入園前説明会で説明した後、同意書に押印してもらい、同意を得ています。また、園児の受診が必要な場合は、保護者に直接連絡をし、受診に必要な情報を提供する同意を得るようにしています。園児の羞恥心への配慮としては、着替えの時は裸にならないよう指導したり、屋上でプールをする際は、遮光ネットで周囲から見えないようにするなど、配慮しています。

園児や保護者の価値観や生活習慣に寄り添った保育を心掛けています

子どもや保護者の価値観や生活習慣については、入園時に確認し、一人ひとりに寄り添った保育を心掛けています。また、保育参観時にはアンケートを取り、そこであがった要望や意見については、できる限り対応するように努めています。併せて、毎週の保育士会議や毎月の職員全体会議で職員が振り返る機会を設けています。

区の虐待防止マニュアルに沿って対応し、研修やセルフチェックで理解を深めています

虐待防止については、区の虐待防止マニュアルに沿って対応しています。研修も同マニュアルを使用し、確認しあったりセルフチェックを行ったりしています。また、全国保育士会が発行する人権擁護のためのセルフチェックリストも活用して、自己チェックを行っています。虐待を受けている疑いや、受けている情報を把握した際には「虐待防止マニュアル」に従い、適切な対応ができる仕組みを整えており、子ども家庭支援センターなどの関係機関と連携をとる体制が整備されています。


  サブカテゴリー6 事業所業務の標準化
  評価項目1 手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  標準項目2 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている ×
  標準項目3 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
  評価項目2 サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている ×
  標準項目2 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている
講評
各種マニュアルを整備し、業務の標準化を図っています

業務の標準化を図るため、「感染予防マニュアル、アレルギーマニュアル、お散歩マニュアル、事故対応マニュアル、危機管理マニュアル、不審者対応マニュアル、苦情相談対応マニュアル」などの各種マニュアルを整備しています。職員は、分からないことが起きた場合はマニュアルを活用して、基本事項を確認しています。マニュアルは必要に応じて見直しています。