東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

園は入職時の研修や法人の保育を示した「運営ガイドライン」や「学研アプローチシート」によって、保育理念「すべての人が心ゆたかに生きることを願い、今日の感動・満足・安心と明日への夢・希望を提供します」や基本方針が職員に浸透し、法人の目指す保育が遵守されるように取り組んでいます。利用者には、入園前説明会で「生活の手引き（重要事項説明書）」を用いて説明したり、懇談会で伝えています。そのほか、園の玄関に保育理念や保育方針を掲示して周知しています。

園長やリーダー層の役割は「運営ガイドライン」や「期待役割シート」に明記しており、園長は自からの役割と責任を職員会議で伝えています。なお、園長は、外部からのコロナ感染を防ぐ対応と、職員間の連携を確認しながら互いに認め合う職場作りを今年度に取り組むべき重要な役割として園運営しています。また、本部の担当者は園の経理や総務を支援したり諸課題に助言して、園運営が円滑に行われるように支援しています。

日々の保育に関する事柄など園内の重要案件はリーダー会議や職員会議で検討して決定しています。重要案件の決定事項は職員会議で周知されますが、会議に不参加の職員には議事録の閲覧などで周知をしています。また、本部での重要な決定事項は園長会を通じて職員会議で周知しており、利用者には園だよりや掲示、内容により個々の利用者にお知らせの文書を手渡しして伝えています。そのほか、地域に関係した案件の場合には、園の外壁に掲示して伝えています。

園は毎年行事後に利用者アンケートを実施して、利用者の意向を次回に活かしています。連絡帳や見学者との会話、運営委員会の会議からもニーズを把握しています。特に、園運営などを話し合う運営委員会には各クラスの保護者代表が出席しているので、園は保護者と意見交換してニーズを吸い上げています。なお、アンケートの集計結果を記載した文書を各保護者に配布して、要望などへの回答も伝えています。最近の事例では、保護者から「ブログでは伝わりにくいので、メール配信で連絡して欲しい」旨の要望があり、園は対応策を検討して迅速に伝えました。

職員の意向の把握については、年3～4回の職員と園長との個別面談の中で把握しています。また、園長は市の私立園長会に参加して、市内の待機児童の状況など地域のニーズの把握に努めています。さらに、第三者委員に就任している民生児童委員などからも地域情報を収集しています。なお、第三者委員は運営委員会に参加するほか、その後引き続き開催される第三者委員会で園と地域の福祉ニーズなどの情報交換しています。そのほか、市や都が主催している研修から行政や業界の動向に関する情報を収集しています。

法人は中・長期計画を策定しており、法人の中・長期計画に基づいて園は今年度を始期とした期間3年の中期計画と単年度事業計画を策定しています。中期計画は保育や職員育成など5項目について3年後の姿を現在の姿と対比して示しています。併せて、園長は単年度事業計画の内容作りを主導して3月頃に策定し、事業計画に合わせて予算編成を行っています。予算は年間一定金額まで園の裁量で自由に執行できるようになっています。なお、事業計画は年度末に総括の振り返りを行って事業報告書を作成し、次年度の事業計画に反映させています。

法人が作成した運営ガイドラインには、言葉遣いなど保育者の心得を記述した服務規程や倫理綱領が掲載されており、職員がいつでも閲覧・確認できるように事務所に備置しています。また、社内研修のEーラーニング（動画）の際にはグループ企業の行動憲章を具体化したコンプライアンスコード（冊子）を用いて行っています。Eラーニングには全職員が受講し、法令遵守などコンプライアンス意識が高まるように取り組んでいます。そのほか、職員は自己チェックシートでコンプライアンス意識を確認しています。

園は入園説明会や園内掲示で苦情解決制度の仕組みや利用方法を利用者に伝えています。園内掲示には苦情解決の流れがフローチャートを用いて分かり易く説明されており、第三者委員の氏名も明記されています。なお、利用者調査では外部相談先の認知度が前回調査比大幅に改善しています。また、利用者が周囲を気にしないで話せるように個室の保護者相談室を設置しています。そのほか、「虐待ガイドライン研修」を年1回行い、園児に対する職員の言葉遣いや立ち振る舞いの振り返り、マニュアルの説明、自己チェックなど虐待防止に向けて取り組んでいます。

ホームページで園の活動内容や第三者評価結果を公表して透明性を高めています。また、実習生やボランティアの受け入れ体制を整えており、毎年3人程度の保育実習生を受け入れるなど保育人材の育成に取り組んでいます。さらに、定期的に子育て支援のイベント「子育て玉手箱」を行い、看護師の健康相談や育児相談など専門性を活かした取り組みを行っています。そのほか、世代間交流として近隣の通所施設で高齢者とふれあいの機会を作ったり、市の要介護児童対策協議会など地域のネットワークに園長が参加し、虐待などの課題に協働して取り組んでいます。

園は感染症（新型コロナウイルス）を最優先で取り組むリスクとして、マニュアル（運営ガイドライン「コロナウイルス対応」）を整備しています。感染症の流行状況を市や園医などから情報収集しで掲示で保護者に伝えるとともに、感染症対策として看護師による嘔吐処理など感染症予防策の実技指導や、保育室内では対面にしない座り方や0歳児が舐めてよだれが付着した物を特定の籠に入れて処理するなどの対応をしています。また、事故安全委員会を設置して、看護師が中心となってリスクに対して必要な対策を検討するリスクマネジメントを行っています。

事故と災害が次に優先順位の高いリスクとして、マニュアル（運営ガイドライン「事故対応、危機管理」）の整備や定期的な避難訓練などの対策を講じています。ヒヤリハットの報告があった場合には、即座に朝礼で伝えて情報共有しています。さらに、集計結果を事故安全委員会で分析して再発防止に取り組んでいます。なお、散歩コースを園長が実地調査して安全性を確認するとともに、不審者の侵入に備えて、職員は避難訓練で刺股の使用方法などを学んでいます。そのほか、本部は大地震を想定した事業継続計画（BCP)を策定しています。

法人は「個人情報保護方針」を定めて、個人情報の利用目的、開示請求の手続きなどを明示しています。職員はEーラーニングやガイドライン研修で情報管理について理解を深めており、法人は職員に守秘義務の誓約書の提出を求めています。また、児童票など個人情報が記載された重要文書を施錠付き書庫で保管するとともに園外への持ち出しを禁止しています。なお、パソコン内の情報にはIDとパスワードでアクセス権限を設定して情報漏えいを防止しています。そのほか、ブログなどへの園児の顔写真掲載については、予め文書で同意の有無を確認しています。

正規職員の採用は、法人がホームページやハローワーク、合同説明会などで募集し、園長は面談を行ったり園見学を受け入れるなど、連携しながら採用を行っています。非常勤職員については、園長が面談して決定しており、健康と協調性を採用基準に考えています。また、人事異動によっても人材を確保しています。採用後、新入保育士には先輩保育士がコーチ役となり、1年間OJTで指導しています。なお、職員の年齢構成のバランスについては、異動などで補充する意向もあります。

園は面談と職務申告書で職員の意向を把握し、個人別の研修計画を策定しています。なお、本部研修として、入社時には初任者研修とフォローアップ研修、階層別研修ではリーダー研修や管理者研修、専門研修などを行っています。併せて、新任の職員を指導する先輩職員には本部が定期的にコーチ研修を行って支援しています。また、年に10回程度実践的な内容の園内研修を行っており、園は社内でスキルアップができるように職員育成を進めています。そのほか、都や市が主催している外部研修には園長が適任の職員を人選して、受講を勧めています。

園の人事評価制度は、職員に対する法人の期待役割をどの程度達成できたかを個別面談（期待役割面談）を通じて上司が評価した職務成果主義に基づいています。なお、評価は賞与、昇給などに反映しています。また、職員会議の中で研修報告を行って研修内容を共有しています。園長は発言の少ない若手職員から意見や悩み・不満を引き出すために交換ノートでやり取りして、職員間の連携強化につなげる取り組みをしています。そのほか、園は前月に休暇希望を把握し、勤務シフトを調整して完全消化につなげています。

園の情報は、市や法人(園)のホームページの閲覧や市で発行している情報冊子から入手することが出来ます。市で発行している情報誌「小平市保育園あんない」には、市内各園の所在地や電話、年齢別定員などが記載されています。また、小平市立園長会で独自に市立園パンフレット「小平市の市立保育園案内」を作成しており、園情報（所在地、定員、保育時間）、一日の流れ、主な年間の行事予定などを記載しています。これらのパンフレットは各園や市で配布されています。

法人のホームページでは、法人としての保育方針や保育目標、「育ちのチカラ」を伸ばす保育や育む取り組み、園生活として給食や病気とケガ、1日の流れなどについて配信し、当園ページでは園の概要や所在地マップ、保護者専用のブログなどを配信しています。見学者に配布される三つ折りリーフレットには、企業理念や保育方針、保育目標、取り組み、所在地、定員、開園時間などの基本情報のほか、申し込みできる方の要件や主な年間行事などが記載されており、イラストや写真を活用して、わかりやすくまとめています。

見学への問い合わせや希望があった場合には、できる限り希望に沿って日時を調整して随時受け入れています。主な対応は園長や事務担当が行ない、三つ折りパンフレットに沿って園を案内しています。見学の際は、「学研が運営する保育園で、スポーツチャンバラ、絵本、もじかずなど学研の素材や教材を多く取り入れている」や「畑などの自然が近くにあり食育に力を入れている」など園の特徴を丁寧に説明しています。なお、見学は園児の活動を見やすい午前中に設定しています。

入園が決まった保護者には児童票や入園までの生活状況などの書類を郵送し、個人面談の日程をお知らせしています。3月には全保護者に対して説明会を実施し、生活の手引き(重要事項説明書)をもとに、保育理念、目標、方針、保育の特色、行事、安全管理、施設概要、個人情報などについて説明しています。なお、説明会後はミニクラス懇談会も実施し、保護者の質問に応じています。また、個人面談では書類の確認と、園長や、栄養士、看護師が園の取り組みや食事、アレルギー、健康面などそれぞれの立場から説明や聞き取りをしています。

個人面談で確認または聞き取った入園までの子どもの状況や保護者の情報は書類に記入し、個人情報の保護に配慮したうえで全職員で共有しています。なお、入園当初は聞き取った内容をもとに保護者が徐々に園生活に慣れることができるように、１週間から10日間の慣れ保育期間を設けています。水分を取らない園児がいた場合は尿量を計測するなど、慣れ保育の期間は特に注意深く園児を観察しています。園での子どもの様子は連絡帳や送迎時の会話で保護者に伝えるとともに、クラスの活動の様子はブログで配信し、安心してもらえるように配慮しています。

転園や退園をする園児については、制作物と四季の園児の写真を綴じたアルバムをプレゼントしています。また、卒園する園児に対しては保育所児童保育要録や就学支援シート(保護者の希望又は同意のもと)を就学先の小学校に提出しています。さらに、卒園後には保護者の要望に応じてイベントに招待するなど、支援の継続性に配慮した取り組みを行っています。

園の全体的な計画は、法人の保育理念「すべての人が心ゆたかに生きることを願い今日の感動・満足・安心と明日への夢・希望を提供します」や方針、目標を踏まえて作成しています。また、全体的な計画をもとに保育過程や各年齢ごとの年間保育指導計画を作成し、養護と教育に分けた月間指導計画を立案しています。なお、具体的な保育活動は週案の中で表現しています。併せて年齢ごとの年間食育計画や年間保健計画も作成しています。

園児に関する情報は日々の日誌に記録しているほか、定期的に児童票に記録しています。(毎月の月案や個別月案と3ヶ月ごとの経過記録で振り返っています)0～2歳児と支援を要する子どもについては毎月個別指導計画を作成し、連絡帳や個人面談を活用して保護者に発達の状況や成長の目安について伝え、園児の発達や成長を共に確認しながら子育ての視点を共有しています。また、日々の園での園児の状況は連絡帳、保護者との会話のほか、クラスの活動の様子はホームページのブログで伝えています。

職員の情報共有の手段として、毎月開催しているクラス会議、幼児会議、週案会議、職員会議、非常勤会議など各種会議のほか、毎日の朝礼、終礼などがあります。なお、職員会議の中では、給食会議や事故安全委員会など専門的な会議も行われています。会議後は議事録が作成され、朝礼ノートや週礼ノートの記載とともに個人レターケースで回覧しています。そのほか、クラス間の情報共有を強化する取り組みとして今年度よりクラスノートを開始しています。

一人ひとりの子どもの発達の過程や生活環境は、入園時の面談や送迎時の会話、連絡帳などで全体的な姿を把握しています。近隣に畑などが多く、自然と触れ合える環境の中にある園内には、スポーツチャンバラ、絵本、もじかずなど学研の素材や教材を多く取り入れた保育環境を整備しています。また、園児たちの希望によって作られるままごと、ブロック、机上遊びコーナーのほか、乳児のクラスには食事、着脱、排泄のコーナーが常設されています。なお、玩具の配置棚に玩具の写真を張るなど、園児が興味や感心をもって主体的に遊べるよう工夫しています。

園では、朝夕の合同保育のほか、戸外活動や行事で異年齢交流を図っています。また、午睡時にも1・2歳児と4・5歳児時は同じスペースで眠っています。廃材遊びの際には、下の子が上の子を真似ながら製作するなど、上の子への憧れの気持ちや、下の子への思いやりの気持ちが育まれています。そのほか、5歳児クラスでは英語で歌を歌ったり、外国の話をしながら国旗を製作するなど、異文化に触れられる取り組みも行っています。

発達の過程で生じる子ども同士のトラブルへの対応については、気持ちが伝えられなくて発生しているものだと考え、両者の気持ちに寄り添いながらお互いの気持ちを伝える支援をしています。特別な配慮が必要な子どもについては、年4回の巡回相談や子ども家庭支援センターなどの専門機関と連携し、情報を共有しながら対応しています。なお、かみつきなどの事故が発生した際は、事故安全委員会で検討するとともに、事故の背景や統計を分析し予防処置を検討しています。

登園時には視診とともに連絡ノートや保護者との会話から家庭での様子（前日の保育園での様子も考慮）や体調などについて聞き取りをしています。保護者から得た情報は朝礼ノートや終礼ノートでにより職員間で共有しています。降園時には連絡ノートの活用のほか、クラス前に掲示しているノートで一日の様子を伝えています。そのほか、クラス活動の様子はブログでも伝えています。

基本的な生活習慣の大切さについては、個人面談や園だより、保健だより、連絡ノートなどで保護者へ伝えるとともに、一人ひとりの園児の発達に応じた対応で支援ができるようにしています。具体的な取り組みは年間指導計画や月案により定めており、食事指導ではままごとの中でつまむ練習をしたり、排泄指導ではトイレに行ったらシールを張るなど、遊びの中に取り入れ楽しみながら身に付けられるよう工夫しています。

午睡は年齢ごとに基本的な長さや時間帯は決めていますが、健康状態や家庭での生活リズムを考慮し、一人ひとりの状況に合わせた入眠時間や休息時間を調整しています。なお、午睡には寝具として、布団、毛布、バスタオルなどを使用しています。また、5歳児は小学校就学に向けて１月から午睡をなくしていき、もじかずのワークや卒業制作を行っています。園は今後、午睡時に眠れない園児が過ごせる場所の整備したいと考えています。

室内は、年齢ごとの園児の状況や興味にあった玩具を準備し、ままごとや絵本などのコーナーを設置しており、園児たちは自由に玩具を出し入れしながら好きな遊びを楽しんでいます。また、園児が集団活動に主体的にかかわる取り組みとして、幼児クラスでは日々の保育の中でデイリープログラムを考えています。みんなで一つのことをやるというルールの上で、お絵描きやお散歩などの意見について、園児同士で相談して決めることもあります。

園児が様々な表現に触れる機会として、リトミックや楽器遊びなどのプログラムを実施しています。また、絵本に触れてもらうため、園内に専用の絵本のお部屋を設けており、いろんな絵本の整備や貸し出しを行っています。1歳から3歳までの園児には毎月1冊絵本を無料配布しており、園内には園児たちが好きな絵本を紹介するコーナーも設けてあります。そのほか、法人では、「育ちの力グランプリ」として、絵本を通した好事例を系列園内で発表する機会も設けています。

園庭での活動や散歩など、戸外遊びを積極的に取り入れ、季節の移り変わりを感じています。近隣の公園では、桜、どんぐり、ひまわりなどの植物と触れ合い、園庭には四葉のクローバーを植えています。また、園内ではサワガニ、カブトムシ、クワガタなど、年間を通して生き物を飼育しています。なお、散歩は散歩マニュアルに沿って安全に実施するとともに、近隣公園マップを園内に掲示し、保護者へも場所を知らせています。そのほか、活動の中で基本的習慣を身に付け、ルールのある遊びや散歩時に交通ルールを伝えています。

日本の伝統的な文化や伝承に親しむこどもの日の会、七夕、お月見会、年始の会のほか、園児の成長が感じられる誕生日会、運動会、発表会などの行事を実施しています。また、行事の中では日本の食文化に触れる機会として、お楽しみ会の中で、園児と一緒に漬けた梅干を使用して手巻き寿司を作っています。この行事は、初めての梅酢の臭いや酸っぱさなどを五感で感じられる貴重な機会となっています。園は今後、園児が立案し、計画・準備・実施をする行事を深めていきたいと考えています。

行事は年度当初に年間行事予定表を配布し、保護者参加の行事について見通しを以って参加の予定を立てられるよう配慮しています。保護者が参加できる行事は入園式、運動会、発表会、卒園式などで、連絡帳の活用や園だより、クラスだよりを配布し、行事の日程や内容を案内しています。今回の運動会では、保護者のお父さんに運営のお手伝いをしてもらったりと保護者と一緒に作り上げる取り組みを行っています。なお、行事後にはアンケートをとっており、アリーナ席を設けて見えやすいよう入れ替え制にするなど改善に役立てています。

当園の誕生会はクラス単位で実施し、小さな集団の中でアットホームに行っています。誕生日の園児には、写真付きカードのプレゼントのほか、誕生児紹介や月の歌など各クラスの出し物を披露しています。なお、今年度より、クラスごとにお祝いを（歌を歌ったり楽器を演奏するなど）動画で撮影し上映する方法に切り替えています。こうすることで、よりゆっくり観覧することができ、園児たちも喜んでいます。そのほか、誕生日メニューとしておやつにケーキなどを提供しています。

各室内は玩具棚やマットを活用して、落ち着いて過ごせるように配慮しています。また、日々の保育の中で異年齢での交流の機会を持っており、夕保育の時間になっても遊びに入っていくことに戸惑いがなく自然に遊ぶ姿が見られています。なお、クラスの活動から離れて一人になりたい園児は、絵本の部屋に設置している手作りの家の中などで静かに過ごしています。

夕方の合同保育は、乳児は1歳児の部屋で過ごし、幼児は4・5歳児の部屋で過ごしています。手作りの玩具で遊んだりかくれんぼをしたりと、少人数で遊べる遊びを取り入れ、園児が飽きないような工夫を行っています。また、職員は園児がやりたいことを尊重して関われるよう配慮しており、寂しくなった園児は気分転換もかねて園内散歩など行っています。なお、園児の人数によってはシフトを調整して、加配するなど安全管理に向けた工夫をしています。

クラスごとに食事コーナーを作り、（コロナ禍ではパーテーションを活用し、距離をあけて）向かい合い会話を楽しみながら食事ができるような環境を整えています。なお、5歳児クラスは好きな席で好きな友達と食事をしています。また、食具は落としても割れにくい強化磁器を使用しており、5歳児クラスについては、小学校就学に向けておやつをそれぞれのトレイで食べる練習をしています。園は今後、より落ち着いて食事のできる環境作りに取り組んでいきたいと考えています。

献立は2週間のサイクルメニューで、地元の八百屋さんから購入した季節の食材を使用した料理を提供しています。また、行事の際に七夕ではニンジンを星にしたり、子どもの日は卵やケチャップでこいのぼりを作ったりと、目にも楽しめる工夫を凝らしています。これらのメニューは、園児の喫食状況をもとに給食会議で検討しています。そのほか、食物アレルギーのある園児については、色違いの食器や専用のスペース設置など、アレルギー対応マニュアルに沿って対応しています。

年齢ごとの食育計画を作成し、食への関心を深める取り組みをしています。近隣に住んでいるオーナー宅の畑を借りて、トマト、ピーマン、きゅうり、オクラ、サツマイモをそれぞれのクラスごとに決めて栽培し、収穫後はスイートポテトや焼き物、野菜スタンプなどの食育活動に繋げています。また、本格的な調理体験は３歳児クラスから実施しており、葉っぱちぎり、玉ねぎの皮むき、おにぎりづくりなどで食材に触れ合っています。

年間保健計画で掲げた目標において、先ずは子どもの体力増進により風邪や怪我 の予防を図ろうとしています。その上で、園児の防災・防犯意識を高める取組みとして、避難訓練や防犯訓練、交通安全教室などを行っています。また、園児の健康指導として、日頃よりうがい・手洗いが習慣として身に着くよう促すとともに、 看護師による手洗いや歯みがき指導を集会形式で実施しています。

園児の健康状態を把握するため、園医による検診（0歳児月1回／1～5歳児年2回）を実施しています。与薬は基本的に行っていませんが、てんかんや中耳炎な どの医師の処方した薬に限り、与薬依頼書とともに預かっています。また、園内の事故・怪我防止に向けた対策として、棚に防護カバーを施しています。そのほか、園内に事故安全委員会を設け、ヒヤリハットや事故に係る報告内容を把握し、対応を 検討しています。なお、法人でも月毎に事故・怪我集計表をまとめ、統計的に把握しています。

保護者と理解および情報を共有する仕組みとして、保健だよりを毎月発行し、季節に応じて配慮するべき子どもの健康管理の方法などを伝えています。また、保護者会には看護師が出席して、直接専門的な説明を行う機会も設けています。併せて、感染症が発生した場合は、玄関前ホワイトボード掲示で情報提供しています。さらに、午睡時はSIDSチェック表を使用し、個別に健康状態を確認・記録しています。そのほか、感染症やSIDSに関する研修として、職員とともにガイドラインの内容を確認しています。

保護者の就労などの個々の事情については、入園時の面接などで把握し基本的な保育時間は決めていますが、急な時間変更などできる限り柔軟に対応しています。また、日々の園児の様子は連絡帳や送迎時の会話などで伝えていますが、必要に応じて個人面談を実施しきめ細かい支援をしています。そのほか、職員の接遇力向上の取り組みとして、運営ガイドライン「保育の手引き」の中に場面に分かれて掲載している内容の研修や、習熟度テストを各項目に応じて実施しています。

保護者参加の行事や懇談会を通して、保護者同士が交流する機会を設けています。年2回の懇談会では、保護者間で自己紹介をしたり、事前にとったアンケートをもとに、保育の悩みや園児の家庭での好きな遊びの紹介など意見交換をしています。なお、日々の保育の様子は、お便りや連絡帳、クラス前掲示、ブログなどで伝え、保護者と共有しています。

保護者に園の保育参加を促す取り組みとして、保護者参加や懇談会を行っています。また、地域及び園内の子育て支援を行う事業として「子育て玉手箱」を実施しており、親子ヨガや、看護師による予防接種や感染症の話、身体測定などを行い、子育て世代の養育力向上に繋げています。園は今後、保育参観の随時受付の実施や、保護者講師の講座・勉強会（料理など）の実施に取り組んでいきたいを考えています。

地域資源の活用として、地域の農家を借りて、トウモロコシ狩りや皮むきを経験したり、発表会で花小金井北地域センターを使用しています。また、近隣の老人福祉施設とは、合唱を聞きに訪問したり、園児から披露したりと頻回に交流に機会を持っています。さらに、近隣の保育園とは、歌遊びのお兄さんに来てもらって一緒に遊んだり、公園で体育遊びごっこやゲームをしたりと積極的に交流を図っています。そのほか、交通安全指導などは警察の方に指導してもらうなど、地域機関と連携した多様な経験の機会を提供しています。

園は、地域の子どもたちを0・1・2歳児のふれあい遊びに招き、園庭で一緒に遊んだり、手作り楽器を製作するなど園外の人と交流する機会を設けています。また、実習生・ボランティア受け入れマニュアルを整備し、ボランティアや保育実習生の受け入れも行っています。そのほか、就学支援の取り組みとして、近隣小学校に訪問し1年生に学校の紹介をしてもらったり、ランドセルを背負う経験などを行うなど幅広い年齢の方との交流の機会を設けています。

個人情報の取り扱いについては、入園時に配布される「生活の手引き」(重要事項説明書)に明記しており、、個人情報保護方針として遵守、開示などや利用目的について説明しています。なお、説明後には同意(署名捺印)を得ています。また、子どもの羞恥心への配慮として、トイレは年齢に合わせてドアを設置したり、プール遊びの際には周りから見えないように配慮しています。なお、着替えは男女別で行っています。

法人の保育方針の一つに「子ども一人ひとりの認知・発達に応じた、個別の発達支援」とあり、理念とともに子ども一人ひとりを尊重した支援を実践しています。子どもの権利の尊重や関わり方のついては、運営ガイドラインに明記しており、職員は必要に応じて確認しています。なお、必要に応じて個別に面談し丁寧に対応しています。加えて、人権についての印刷物を作成して職員間で読み合わせを行い理解を深めています。そのほか、年2回セルフチェックで自らを振り返る機会を設けているほか、園長との面談も行ない一人ひとり目標や反省を記録しています。

虐待防止や育児困難家庭については、市で実施している研修への参加や、「運営ガイドライン」や「人権ガイドライン」をもとに、毎年勉強会を実施し、全職員で理解が深まるように努めています。虐待防止については保護者へも入園時に説明しています。また、虐待の情報を把握した時には担任から園長や主任などへ報告し、速やかに区の子ども家庭支援課や児童相談所などの関係機関に通報するなど、適切に対応できる仕組みを整えています。そのほか、小平氏要保護児童対策地域協議会実務者部会に参加し研修や情報交換を行っています。

法人各園共通のマニュアル「運営ガイドライン」を作成しており、保育方針、服務規程、子どもの権利、虐待、保育の手引き、危機管理、個人情報などの情報がまとめられています。また、「生活の手引き」には家庭との連携を大切にし、子どもが本来持っている「育ちのチカラ」を伸ばし、子どもの主体的な活動を援助する養育と教育を一体化した保育を行なうことなどが記載され、職員は分からないことが起きた場合や手順に疑問が生じたときなどに活用し基本事項を確認して事業所業務の標準化を図っています。

「運営ガイドライン」は法人委員会に於いて意見の収集などを行ない、意見交換しながら検討し必要に応じてその都度見直し改善をしています。連絡帳や行事などのアンケートで寄せてもらった保護者の要望や意見は、職員間で検討し改善や保育に反映しています。なお、マニュアルや手順についての職員からの意見や要望は、職員会議などで検討し見直しを図っています。