東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

子どもの最善の利益を中心に保育を行うという法人の運営理念や地域に根ざして活動をするという運営方針を明確でわかりやすく示しています。保育目標は園内研修や職層別の法人研修で職員に周知するとともに、理念・保育目標を職員会議のレジュメに掲載し会議毎に読み合わせを行うことで浸透を図っています。保護者には、入園面接や保護者会、園のしおり（重要事項説明書）で説明しています。また、保育園事業の6つの目標は、ホームページへの掲載、園内掲示で周知しています。

理事長の職員へのメッセージは第二次中期計画などにおいて伝えられており、月2回発行の「法人ニュース」にも理念に関わる理事長の言葉を掲載しています。園長の役割と責任は人事制度ガイドブックの等級定義で定められており、職員会議で周知しています。また、年度初めには、組織図、役割内容を書面にして職員に配布するほか、それぞれの役割について確認を行っています。なお、園長は職員会議や目標管理・行動評価の面接時などにおいて運営方針を確認しています。

決裁の仕組み（園の運営にかかわる重要事項の決裁権限等、最重要事項については理事会・評議員会により決定する旨）は、定款および組織規程に示しています。園内における意思決定は、園長、主任、副主任からなる運営会で行い、決定事項や協議内容は、毎月の職員会議で報告し職員に周知しています。また、決裁文書はキャビネットで5年間保管しており、利用者には園だよりや園内掲示、近隣の地域住民には住民説明会で伝える仕組みとなっています。

保護者の意向は、おたより帳・意見箱・苦情対応のシステム・行事に対するアンケート・個人面談アンケートにより把握しています。把握した意向は、日々の打ち合わせや定例の職員会議で職員に伝え、利用者の要望に対しては、園内研修における勉強会を実施し改善につなげています。また、日々の打ち合わせや定例の職員会議では職員のニーズも把握するよう努めています。さらに、福祉事業全体の動きについては、地域ネットワーク会議や世田谷区民間保育所連盟に参加し情報収集しており、収集した情報から抽出した重点課題は、事業計画に反映しています。

法人の中期計画は2011年3月に策定しており、今年度が最終年度となっています。中期計画に沿って策定された単年度の事業計画は、職員会議で職員に周知するとともに、キャビネットで保管し確認できる状態にしています。また、保育の現場では、保育課程・年齢毎の年間指導計画に基づいて年間行事の担当者を決め、担当者一覧表・行事計画シートを作成のうえ実行しています。そのほか、計画に沿った予算の編成については、会計責任者が行うこととなっています。

事業計画は、衛生委員会・運営会・地域住民を主体とした運営協議会等で把握した福祉ニーズ・園児への影響・職員の業務負担などを考慮したうえで、各クラスからあがった意見を反映させ策定しています。数値目標を定めている重点目標は入所児数の安定化となっており、計画の進捗状況は職員会議で報告しています。また、単年度事業計画の変更が必要になった場合は、臨時職員会議で検討し、園長が決定しています。事例として、屋上の排気ファンのサイレンサーに対する近隣からのご意見に対しては、緊急対応として改修工事を行っています。

職員・社会人として守るべき法令・規範・倫理は、就業規則、職員倫理規程および職員倫理綱領などに明示しています。また、新人研修では、コンプライアンス研修を義務づけ、福祉従事者として守るべき法令等の学びを深めています。なお、規則はキャビネットに保管し閲覧可能な状態にするとともに、人権研修などでも職員に周知しています。職員が守るべき法令や規則についてどの程度理解しているかは、目標管理シート、行動評価シートで確認しており、理解度が低い職員がいた場合には、12月と3月に実施している個人面談の中で個別に指導しています。

「苦情受付担当者」は主任保育士、「苦情解決担当者」は園長となっており、利用者には苦情解決制度の利用方法、第三者委員の連絡先と合わせ、ポスター掲示とホームページで周知しています。また、重要事項説明書にも掲載し、入園の際にはその仕組みの説明と合わせ、担当以外の職員でも常時受け付ける旨を保護者に伝えています。そのほか、法人のホームページでは、上期・下期の年2回、各事業所で挙がったご意見・ご要望とその回答内容を公表し、透明性を高めています。

地域への情報発信として、全体的な計画についてはポスターを園の表に掲示し、予算・決算報告や財務諸表はホームページで公表しています。また、保育補助のボランティアや保育実習生を受け入れているほか、子育て支援事業として保育所体験と育児講座を3回実施しています。なお、一時保育事業は1年間で124名の方が利用しています。さらに、園長と主任が地域ネットワーク会議「からすやまネット」に出席し、地域課題の解決に取り組んでいます。最近では、自然災害が話題となっており、防災計画の作成が議題にあげられています。

区からは「保育の質ガイドライン」に沿った取り組みを求められており、事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドラインの周知徹底に関する通知などを基に、災害対策、感染症予防等のマニュアルを整備をしています。さらに、園はリスク対策として、感染症（コロナウィルスを含む）、事故（交通事故など）、災害（水害、地震）の順に重きをおいて取り組んでおり、感染症対応マニュアル、おさんぽマップ、防災マニュアルにはそれぞれリスクの対策を明示しています。そのほか、運営に係るリスクへの対策については、運営会で検討しています。

大規模な災害に備え、事業継続計画（ＢＣＰ）を策定（想定復旧期間は3日間、対策本部設置場所は法人本部等）しており、内容については、職員に職員会議で周知するとともに、利用者には園のしおり（重要事項説明書）で伝えています。また、事故、感染症、侵入、災害などが発生した場合は事故簿に記録し、発生要因を運営会で分析し再発防止策を講じています。そのほか、虐待に関しては、職員の言葉遣いや立ち居振る舞いを「保育の質ガイドライン」に則りチェックしているほか、虐待事例を発見した際は、子ども家庭支援センターと連携し見守っています。

情報管理や文書管理の規程は職員会議で確認し、個人情報保護についての研修を行うことで職員の理解を深めています。なお、個人情報や機密性の高い文書は事務室のキャビネットに保管しています。また、保育内容に関する情報は職員全員が閲覧できますが、個人情報は管理者のみとし、システムへのアクセス権限を、VPNは園長・副園長、メールは園長・副園長・主任に限定しています。そのほか、パソコンのセキュリティ管理は園長が行い、個人情報の利用目的や開示請求の方法については、利用者向け資料「情報公開・開示規程」で明示しています。

求人はホームページやハローワークで行っており、採用に関しては区内系列保育園長が共働で採用計画を作成し、人事室が全体の進捗を管理しています。園児の人権尊重、安全安心な保育の土台となるしっかりした倫理観を持っている応募者を求めるとともに、事務的なノウハウを身につける素養に期待をしています。また、法人では、職員等級と評価を制度として整備しており、キャリアパスを通して自分の将来像を描くことができます。そのほか、職員の趣味に対する補助など福利厚生も充実しています。

職員の等級は6段階となっており、初任者は、行動評価シートで13項目をS（素晴らしい）・A（ありがとう）・B（頑張ってほしい）で評価するとともに、目標管理シートでは5段階で評価しキャリアアップを目指しています。また、新入職員向けの初任者研修として「先輩に聞く」があり、新人職員に先輩からのメッセージを届けることで、不安や緊張をほぐしています。そのほか、リーダー研修には、保育園のマネージメントやコミュニケーションなどがあり、研修は社会福祉法人雲柱社保育ブロック研修計画に体系的に掲載しています。

職員全員で就労環境の向上に取り組んでおり、「会議で発言しやすいよう若手職員を指名する」「園児との丁寧な関わりをもつため言葉遣いや姿勢を振り返る」「KJ法を活用して職員の気付きや工夫を提案する」などを「職員みんなでやってみよう目標」という資料にまとめています。また、良好な人間関係を育むため、メンター制度を導入しているほか、福利厚生事業として、映画や旅行、習い事に補助金を支給しており、有給休暇の取得率は75％となっています。なお、本園は開設して4年目ですが、法人全体の正規職員の平均勤続年数は7年となっています。

当保育園への入園または見学を希望する保護者は、区のホームページのほか、法人のホームページや世田谷区烏山地域で作成している情報誌「烏山すくすくネット」(世田谷区内の福祉施設の情報を記載)などから、園の情報を入手することができます。また、来園者には三つ折りのパンフレット「いずみの園保育園」を配布しています。これらの冊子は玄関に設置し、来園された方は自由に持ち帰ることができます。

利用希望者や見学希望者に向けた分かりやすい情報の発信として、区のホームページでは所在地や電話番号、保育方針、運営主体、目指す子どもの姿、特徴などが掲載されています。法人のホームページには、法人概要、採用状況、創立者について、ご意見受付窓口、お問い合わせが記載されているほか、法人が行っている児童館、支援センター、障がい児・者支援事業の情報を発信しています。また、園で発行している三つ折りのパンフレットには、一日の生活や年間行事などの情報が写真付きで分かりやすく表現されています。

見学への問い合わせや希望があった場合には、できる限り希望に沿って日時を調整し随時受け入れています。主な対応は園長、主任保育士、副主任保育士が行ない、三つ折りパンフレットに沿い園を案内しながら園の特徴などを説明しています。見学の際は、「少人数制の縦割り保育を実施し異年齢交流を育んでいる」など園の特徴を丁寧に説明しています。また、毎月1歳児の子どもがいる保護者と子どもを対象にした保育体験会を実施し、園の様子を見てもらっています。

入園内定後、各世帯に電話連絡し、入園説明会の日程を案内しています。入園説明会では、いずみの園保育園しおり(重要事項説明書）に沿って、法人概要、園概要、保育園での生活、園生活でお願いしたいこと、などを説明しています。なお、説明については、園生活で用意するものは実際に現物を用意し見せたり、説明内容に合わせて担当を分けるなど伝わりやすいように工夫しています。説明後は、内容について同意書を取り交わし双方で確認しています。

入園当初は1週間程度の「慣らし保育」期間を設定し、徐々に園生活に慣れていけるように進めています。「慣らし保育」については個人面談で日程や内容について説明し、保護者の理解を得た上で実施しています。「慣らし保育」は、面談で把握した入園前の園児の状況や保護者の就労状況に配慮しながら、個々の事情に合わせて実施しますが、食事や睡眠がとれることを基本とし、保護者へ協力を依頼しています。また、初めて食事をとるときは、保護者と一緒に確認したり、迎えの際に早く来てもらって園児の様子を見てもらうなど配慮しています。

転園や卒園などの際には園児や保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行なっています。転園する園児については、転園先から問い合わせがあった場合には丁寧に回答しています。また、就学先の小学校には、保育所児童保育要録や必要に応じて就学支援シートを提出するとともに、交流する機会を設けています。そのほか、転園した未就学の子どもには、翌年のイベント（ファミリーデイ）に招待するとともに、卒園児には「1年生の会」や「2年生の会」に招待するなど支援の継続性に努めています。

保育目標やキリスト教保育などの実現を目指して「全体的な計画」を作成しており、それをもとに、園児の姿や発達状況に応じて、養護と教育に分けた年間指導計画と月間指導計画を作成しています。なお、具体的な保育活動は週案の中で表現されています。また、保護者には入園説明会などで、クラスごとに年間の指導計画を文章化し、説明・配布しています。説明の際は、実際の園児の様子や予想される姿をもとに説明するなど、保護者が不安にならないよう配慮しています。

園児一人ひとりに関する情報は児童票や成長記録、健康記録に記載しています。また、保護者と情報を共有し記録する手段として連絡帳を使用しています。連絡帳は、1・2歳児は複写式になっており、園でも保管しています。なお、3歳児以上については、ノート型の連絡帳を使用しています。そのほか、個別の計画は1・2歳児と、配慮を要する子どもについて作成しており、記録した内容をもとに一人ひとりに合わせて作成しています。

職員の情報共有の手段として、毎月の職員会議やクラス会議などの定期的な会議のほか、職員連絡簿などを活用しています。当園は朝礼、夕礼など毎日の会議は行っていませんが、週打ち合わせとして週案の振り返りや園児の遊びを検討する会議を毎週行っています。また、職員は必ず出勤時に職員連絡簿を確認し、確認後チェックする仕組みになっており、情報の漏れがないよう努めています。

当園は、小規模な特徴を活かし、全ての職員が全園児を身近に感じられる環境設定に配慮しています。会議や連絡簿などで頻回に情報共有を行うとともに、毎日午睡時にはクラスで環境設定や園児の遊びについて検討することで、園児の発達を見通した最適な保育室作りに取り組んでいます。なお、一人ひとりの園児の発達の過程や生活環境は、入園時の面接や提出してもらった調査票、送迎時の会話、連絡帳などで全体的な姿を把握し、状況に合わせた保育を心掛けています。

異年齢保育を通し、園児自身が互いを大切にし合える環境を整え、大きい子への憧れや小さい子への思いやりの気持ちを育んでいます。3・4・5歳児では、グループを二つに分け、異年齢ペアやグループでの遠足やお散歩などの縦割り活動を進めています。また、異文化交流の取り組みとして、園の隣の外国籍の方が多く住んでいるシェアハウスとの交流を計画しています。

発達の過程で生じる子ども同士のトラブルに対しては、互いの気持ちを尊重し見守りや必要に応じた仲裁をし、自分達で解決できるよう導いています。配慮が必要な子どもについては、区の担当課や子ども家庭支援センターなどの専門機関と連携しながら対応しています。そのほか、就学への取り組みとしては、区内の保育園の年長が集まって交流するイベントへの参加や、校長先生の話を聞く機会を設けるなど、保護者と園児の不安軽減に努めています。

登園時には、保護者に家庭での様子や体調の聞き取りを行うとともに、連絡帳のやり取りや視診を行ない健康状態を確認しています。なお、把握した情報は、視診簿や職員連絡簿に記載し、職員間で共有しています。また、降園時には連絡帳を活用するとともに、口頭で1日の様子・体調・怪我等の報告を行っています。そのほか、園内に活動時の写真を掲示し一日の様子を伝えています。

基本的な生活習慣については、全体的な計画・年間指導計画・月案・個別カリキュラム・保育日誌などに記載しており、それらに沿って指導しています。保護者には、日々の会話や保護者会、園だよりなどを通して伝え、園と連携して身に付くように援助しています。具体的な取り組みとしては、食事指導では栄養士が食事中に訪問し、スプーンや箸の持ち方を指導したり、着替えでは、クラスの発達状況に合わせて、折り紙を使用した手作りの掲示板を作成し順番を伝えるなど、楽しみながら習得できるよう支援しています。

午睡は身体を休める時間と捉え、基本的な時間帯や長さを決めていますが、年齢や健康状態、家庭での生活リズムなど一人ひとりの状況に合わせた入眠時間や長さ、時間帯の配慮をしています。寝具は、午睡専用マットを使用しており、眠れない園児や早く起きる園児がいた場合は、廊下で静かに遊んだりして過ごしています。なお、5歳児は小学校就学に向けて、1月後半ごろから午睡をなくしていきます。

園内には、廃材を使用した手作りの多目的コーナーが設置してあり、絵本のコーナーやお寿司屋さん遊びなど、園児がやりたい遊びに沿って多目的に使用することができます。また、園児同士が意見交換できる機会として、「サークルタイム」を行っています。「サークルタイム」は、毎日実施しており、散歩先やクッキング、遊びの内容などを決めたり、休みの日の過ごし方など自分の思いをみんなの前で発表するなど、一つのことに意見を言い合える機会となっています。

お話し会や製作活動のほか、外部講師によるリトミックなどを実施し、園児が様々な表現活動を楽しめる環境を設定しています。リトミックでは、リズムをとったり楽器を使ったりしながら、音楽の様子に合わせて優しくしたりダイナミックに表現する方法を学んでいます。また、日常的にお絵描きや廃材遊びができるよう準備するなど、園児が自由に使用できる環境を整備しています。なお、園内には、園児が書いた行事イメージ画を掲示しています。

園庭では、砂場遊び、水遊び、ボール遊びなどを楽しんでいます。また、園庭では、つつじ、柚子、モミジ、たんぽぽなどの植物に触れることができ、園内では、カブトムシ、クワガタ、カマキリなどの生き物を飼育しています。カマキリは卵から孵化させ、その後は餌の蜘蛛を食べる様子まで観察し、命の育みを経験しています。そのほか、天気がいい日はできるだけ散歩に出かけ、四季の移り変わりを感じています。

園では、進級お祝い会、ファミリーデーなど園児の成長を感じられるものや、プール開き、遠足、クリスマス会などの季節を感じられるものなど、様々な行事を実施しています。全ての行事にはお話し会という名称が付けられており、絵本の読み聞かせや紙芝居などで行事の由来や伝統を伝えています。特に、クリスマスに関しては11月30日の週から「アドヴェント礼拝」を行い、毎週ヒイラギなどで飾ったロウソクに火を灯しながら園児とともに心待ちにしています。

保護者が参加できる園行事は、保育参加、ファミリーデー、誕生会（幼児のみ）などがあり、年度初めに「年間行事予定」を配布し、保護者参加の行事に日程調整など見通しを持って参加できるよう配慮しています。ファミリーデイは、競うという目的ではなく、保護者とともにできるようになったこと、成長を共有する目的で実施しています。巧技台やはしごで演技を見せたり、保護者と協力してテーマに合わせた製作物を作ったりと協力することで親子の絆を深めています。保護者が参加しない行事については、クラスだよりや園内の写真掲示などで伝えています。

室内にはマットや畳を設置しており、疲れたとき横になるなど自由に休息を取ることができます。また、長時間の園での活動の中で、集団から離れて一人になりたい園児については、コーナーを分けることで落ち着いて過ごせる体制を整えています。なお、職員は、園児の気持ちに寄り添い、不安や甘えを受けながらの保育に努めています。

18時16分～20時15分までの時間を延長保育とし、1歳児室と2歳児室で過ごしています。なお、延長保育1時間利用の園児には捕食を提供し、2時間利用の園児には軽食を提供しています。また、延長保育は職員2名体制で行っており、必ず1人は延長保育専任の職員を配置することで、毎日同じ職員と関わることができるよう配慮しています。さらに、絵本やマグフォーマーなど延長保育用の玩具を別途用意するなど園児が飽きないよう工夫を凝らしています。

食事は、保育室内やランチルームで行っており、居場所の固定化（乳児）や、少人数で間隔の確保（幼児）などにより、落ち着いて食事ができる環境整備に努めています。また、職員は、園児が苦手な食べ物が出た時の対応に配慮し、苦手な食べ物が出た際は無理に進めず、少ない量にしたり、一口でも食べられるよう支援しています。なお。食べられなかった場合でも、食べられなくても大丈夫ということを優しく伝え、園児の食事に対する苦手意識を軽減しています。

食事は全ての活動の源となる大切なものと考え、安全でおいしい食事を目指しています。旬の食材を取り入れ、園児の嗜好を取り入れた和洋中バランスの良い食事は、自園調理で2週間のサイクルメニューで提供しています。食物アレルギーのある園児については、食物アレルギー対応マニュアルに沿って除去食及び代替食で提供しています。アレルギー食の配膳の際は、専用のトレー、食器、ラップ（名前、除去・代替内容記載）、食材確認票（アレルギーファイル）を使用し、提供前、配膳直前に栄養士、担任が目視で確認し、誤食を防いでいます。

年間食育計画に沿って食育活動を実施し、園児の食に関する関心を高めています。調理体験は2歳児から行っており、キノコをバラバラにちぎったりと食材に触れ合う簡単なことから始まり、型抜きや皮むきなどで食に関わる経験をしています。また、園内で栽培している野菜も、オクラおかか和えやミニトマトサラダにしてもらい食べています。そのほか、行事の際は料理を大皿盛りにしてみんなに見せたり、魚の形の料理は食べた後骨が出てくるといった工夫を凝らし、園児たちを楽しませています。

毎月の避難訓練や年2回の不審者訓練を実施し、園児の怪我や事故の予防を図っています。また、区からの冊子をもとに、保健や散歩の際の安全についての説明を行い、園児が病気や自身の健康について関心が持てるように取り組んでいます。日常の健康指導としては、看護師による正しいうがいや手洗い、咳エチケットなどの指導を行っています。そのほか、安全チェックリストを用いて園内の危険個所を確認しています。

園は、年3回の健康診断(皮膚含む)や看護師による健康指導の実施など、専門機関や専門職との連携を図りながら園児の健康維持に取り組んでいます。園での与薬は基本的に行っていませんが、医師の診断によりやむを得ず保育時間内に薬の服用が必要な場合は「与薬依頼書」をご提出いただき、1日1回分のみ預っています。なお、長期間服用が必要な場合は、医師の指示書を提出してもらっています。

園児の健康管理については、保護者会などで健康管理の説明を行うとともに、年10回程度発行する保健だよりで感染症予防や皮膚のケアなどの情報を発信しています。園内で感染症が発生した場合は、園内掲示や一斉メールにより保護者に伝えています。また、ＳＩＤＳに関しての取り組みとして、午睡時には午睡チェック表に基づいて、1、2歳児は5分毎、3歳児以上は30分毎に入眠状態を確認しています。

入園時に保護者の就労状況や子育ての価値観などについて把握し、急な残業など保育時間の変更についてはできる限り柔軟に対応するなど、保護者に寄り添うよう努めています。また、年2回（春・秋）の個別面談や保護者アンケートを実施し、定期的に保護者の要望や意見を確認しています。そのほか、職員の接遇力向上の取り組みとして、接遇マニュアル「社会人としての心構え」を配布し研修を行っています。

保護者同士が交流する機会として、保護者参加の行事や年2回（全体・クラス別）の保護者会を行っています。クラス保護者会では、前半はクラスのお話や伝達事項を行い、後半は懇談会という形でテーマに沿って保護者間で会話をする機会を設けています。また、年1回（春または秋）に保育参加を実施するとともに、登降園時のコミュニケーションで職員と保護者の交流を図っています。

園児の成長の目安や現状の様子、園での取り組みについては、全体保護者会や個人面談、保育参加を通じて説明しています。また、育児などについて保護者から相談があった場合は、内容によって他の関係機関を紹介しています。園は今後、保護者対象の育児講座を開催（小さい子どもがいる方へ食事に関する育児講座など）したいと考えており、実施に向けて検討中です。

地域の関係機関との交流を通して園児に多様な経験の機会を提供しています。社会福祉協議会と連携した事業では、園内で食育「らでっしゅぼーや」を開催し、地域の方とともに野菜を育てています。また、区内系列園とは、電車に乗って一緒にプラネタリウムを見に行くなど園児の経験の幅を広げる活動に取り組んでいます。園は今後、近隣保育園との交流（特に年長児）について取り組んでいきたいと考えています。　

戸外活動の際、出会う地域の方とは元気よく挨拶を交わしています。また、近隣アパート集会所を借りて、お茶べり会や地域住民との交流会を実施するとともに、歌や踊りなどの地域イベントへ参加し、地域交流を図っています。そのほか、保育実習生を受け入れることで、園児が多様な方と交流する機会を提供しています。

個人情報の取り扱いについては、入園児説明会で「いずみの園保育園しおり」（重要事項説明書）に沿って利用者に説明しており、説明後は同意書により双方確認しています。なお、外部への情報公開が必要な際には、個人情報保護規定に沿って適切に対応しています。そのほか、園児の羞恥心への配慮としては、プールや着替えの際に、他者の前ではプライベートゾーンは隠すことなどを伝え、恥ずかしいと思う心を育んでいます。

法人の事業基本理念の一つである「一人ひとりの人格を尊重し、その成長を支援します。」に沿って、園児一人ひとりの価値観を尊重した対応を心掛けています。保護者や園児の価値観や生活習慣は、入園児の個別面談やファミリーデーのアンケートなどで把握し、具体的な対応は「保育の質ガイドライン」に沿って実施しています。また、職員の意識を高めるため関連するテキストを用いて園内研修を実施しています。

虐待や育児困難家庭については、関係機関との連携や研修を通して職員間で周知・徹底を図っています。日常の保育の中での変化や、虐待を受けている疑い、受けている情報を把握した際には、マニュアルに従い子ども家庭支援センターなどの関係機関と連携をとる体制が整備されています。今年度は、「人権の尊重」「虐待防止」というテーマの園内研修を実施し、全職員がその重要性を認識し、改めて保育園・保育士の使命、役割を再確認することが出来たと園は感じています。　　　　

法人は、「保育ブロック職務基準書」や「けがの対応マニュアル」、「アレルギー対応マニュアル」などを整備し、業務の標準化を図っています。マニュアルは、都や区のガイドラインをもとに、法人看護師が専門用語を使わず分かりやすく伝わるよう配慮しながら作成しています。また、園でも「いずみの園保育園の手引き」というマニュアルを作成し、具体的な業務について定めています。

提供しているサービスの基本事項や手順などの改変の時期や見直しは、年度末の会議で職員の声を聞きながら行っています。なお、制度改定などで急に見直しが必要になった場合には、臨時の会議を開催し検討しています。また、園では職員の研修参加などから業務の改善を図っており、今年度は法人の主体的保育の研修をもとに保育の見直しを行っています。乳児クラスの物の配置などを生活しやすいようレイアウト変更を行うなど、環境整備に繋げています。