東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

法人の理念に基づき、区の基本理念を踏まえ、保育理念、目標等を掲げ目指すべき方向性を示しています。理念や目標等は、園内掲示、ホームページへの掲載、法人ハンドブックへの記載等により幅広く周知しています。各クラスで年間保育計画等の作成の際は、理念、目標等を確認しながら、保育実践と具体的に連動させて職員の理解を深めています。保護者には、例年、入園説明会や全体説明会で園で大切にしている事や活動内容などを説明していますが、今年度はコロナの感染防止のため、ほいくえんのしおりやわかりやすい資料を配布し、丁寧に伝えています。

経営層の位置づけは、組織図で組織体制が明確に示されています。また、階層別役割で、園長、副園長、看護師、栄養士、リーダーなど、それぞれの役割と内容が示され、行動指針となっています。月２回の職員会議や昼礼など、適宜、検討事項や保育内容等の話し合いを行い、方向性を示し、職員間での相互理解を深めています。さらに、経営層は、さまざまな情報収集を行い、子どもや職員の意向を把握することを心がけ、利用者責任を大切に考えながら最終的な判断、決定を示すよう、役割と責任に基づいてリーダーシップを発揮しています。

会議体系は、職員会議、クラス打合せ、乳幼児打合せ、リーダー会等が設定されています。重要な案件等は、各種会議や各プロジェクト等での検討内容を踏まえ、職員会議や昼礼で決定するものとなっています。決定内容や経緯等は、会議での報告や昼礼で伝え、会議不参加者には会議録の閲覧・確認などで周知しています。非常勤職員等には、資料の配付や、個別に口頭による伝達等で周知に努めています。保護者には、園だよりやお知らせ文書の配付、園内掲示、クラス別連絡メール等により、わかりやすく伝えています。

利用者の意向把握に向けて、行事後の感想、利用者アンケート、意見箱の設置、第三者評価受審時の利用者調査などを実施し、保護者の意向や意見を収集しています。収集した意見や要望は、とりまとめ、内容の把握、検討を行い対応しています。職員の意向は、日常の保育や会議等を通じて把握しています。例年、子育て支援事業や保育園見学などを通じて情報を収集し、マンションや住宅等の安定した雰囲気、小規模保育園の増加など、子育てニーズが高い地域として把握しています。収集・把握した情報は、園運営や地域の子育て支援等に活かしています。

令和２から６年度までの「区子ども総合計画」、平成29から令和３年度までの「保育園第二次中長期計画」が策定され、理念・ビジョンに向けた方向性が示されています。また、保育理念や中長期計画を基に、前年度の評価・反省や行事感想結果、利用者意向等を踏まえて、園における単年度の事業計画、保育の計画を作成し、計画的な園運営に努めています。職員にはコミットメントに年度の保育のねらいが示され、目標達成の方向性となっています。行事等の短期的な計画についても担当者が計画を作成しています。年度当初には予算編成がなされています。

計画の推進に向けて、行事等の短期的な活動では、担当者を中心に進められ、職員会議等で全体の評価、反省が行われています。日常保育では、年間および月間指導計画に基づき、各クラスで定期的に評価・反省・見直しが行われ、年度末に全体でとりまとめ、計画的な推進の取り組んでいます。運営方針は、具体的な保育実践に落とし込み、評価、反省を行い達成状況を確認しています。なお、今後はさらに、事業計画等で設定された運営方針について、園全体の具体的な達成状況を把握していくことが期待されます。

保育に従事する職員として守るべき法、規範、倫理等は、全国保育士倫理綱領、職員ハンドブック等で明示され、掲示等により周知しています。また、新人研修や経験年数別研修で法、倫理、規範等を学ぶ機会が設定されており、職員の理解を深めています。さらに、園長会で作成された保育所保育指針に基づく「人権チェックリスト」等を活用し、年２回、確認しています。また、「人権擁護のためのセルフチェックリスト」を抜粋し、毎週、振り返りを行っています。非常勤職員等に対しては、資料を渡すなど、規範、倫理、法令順守等への理解を深めています。

苦情解決受付担当者、同責任者、保健福祉サービス苦情調整委員など苦情解決制度を整えています。保護者には、例年の入園説明会や全体保護者会等での説明、掲示を通じて周知を図っています。意見箱や日常のコミュニケーション等で利用者の意向を把握した場合は、ご意見・要望等受付記録を作成し、職員間で共有化を図り、迅速な対応に努めています。虐待防止に向け、虐待防止マニュアルの整備やセルフチェックによる振り返り等を行い、虐待等の発見や情報を得た時には、関係機関と連携が図れる体制を整えています。

地域社会に対して、第三者評価の受審、結果公表を行い、定期的に外部評価の導入による透明性の確保に努めています。また、ホームページやリーフレット等を活用して、保育園の様子や子育て支援事業などを広く情報発信しています。例年、ボランティアや職場体験等を積極的に受け入れていますが、今年度は、コロナ感染症の状況を踏まえながら、希望に沿った受け入れをしています。ふれあい広場では、今年度は、コロナ感染症対策として、予約制や人数制限などの工夫をしながら、手作り講座や子育て相談等を開催し、専門性を地域に還元しています。

園運営におけるリスクに対して、保育安全、危機管理、災害対応等の各種マニュアルを整備しています。毎月の避難訓練では、様々な場面を想定した訓練や、例年では、消防や警察が関わる機会等があり、危機管理意識の向上に取り組んでいます。また、夏季の熱中症予防、プール前の心肺蘇生講習、感染症時期の嘔吐処理講習、周辺の工事状況の確認など、季節や地域に応じたリスクマネジメントにも取り組んでいます。さらに、当年度は、新型コロナ感染症に対して、区からの通知に準拠した運用方法をとりまとめ、適切な対応がなされています。

区では、地震編・新型インフルエンザ編等の業務継続計画を策定しています。地震編では、保育園等の利用者の安全確保、保護者が迎えに来るまでの応急保育、福祉・補完避難所の開設など、発災から時間ごとに業務開始目標時間を設定しています。区の業務継続計画に準じた対応がなされています。事故・ケガ等の再発防止に向けて、ヒヤリハットに取り組み、記録の習慣化に努め、職員会議でインシデントレポートを基に事例検証、要因分析等を行い、再発防止に努めています。さらに、危険箇所自己チェックリストに基づき、事故予防に取り組んでいます。

個人情報の保護については、区の個人情報保護条例に基づき、個人情報管理規定が作成されています。児童票、保育資料などの重要文書は、施錠できる書庫で保管し外部への持ち出しを禁止し、文書管理の規定に基づき定期的な更新がなされています。電子情報は、区電子情報処理規則に沿って管理し、職員証、パスワードによるアクセス制限を行っています。保護者には、写真等や個人情報の取り扱い、個人情報保護条例による情報の利用目的などを書面で示し、確認と同意を得ています。開示請求は、規程・体制を整備し、ホームページで明示しています。

職員の募集は、法人がホームページ、ハローワーク、就職フェア等により幅広く行っています。職員の採用は、園が求める職員像、職員に必要な能力、人材育成・活用の基本事項等の法人の人材育成方針の必要とする職員像に基づく採用基準により、保育園で行っています。また、採用に向けては、経験年数等バランスのよい人材構成となるよう、必要な人材の確保に努めています。園内の人員配置は、年２回および必要に応じたヒアリング等で職員の意向を把握し、子どもの状況や園運営全体のバランス等を考え、適材適所のクラス配置を行っています。

職員の将来的な目安の活用に向けて、人材育成基本方針が作成され、園が求める職員像、職員に必要な能力、人材育成・活用の基本事項がキャリアパスとして示されています。また、毎年度、職員個別の年間研修計画を作成し、キャリアアップ研修等に基づき職員育成計画を立てています。例年は、職員のコミットメントシートの目標達成に向けた研修受講がなされています。当年度においてはコロナ禍により例年とは異なる研修開催となっておりますが、リモートによる研修や園内での学びの機会などで工夫し、職員の資質と能力の向上に取り組んでいます。

職員は、自己申告と目標によるマネジメントに基づき、目標設定や取り組み状況、成果等を評価し、スキルアップと目標管理に取り組んでいます。就業状況では、就業状況では、ストレスチェックの実施、連絡帳の複写式への様式変更や日誌内容の記載項目の検討による業務の効率化など、健康で働きやすい職場づくりに努めています。園内研修では、テーマを設定し、職員の日頃の気づきや工夫について互いに学んでいます。さらに、行事毎のプロジェクトチーム活動では、チームによる目標達成や課題解決に取り組み、組織力の向上を図っています。

保育園に関する基本情報は区が集約し、入園を希望される方に向けて保育施設利用のご案内、めぐろの保育園ガイドなどを発行し、場所、アクセス、定員などを紹介しています。区や法人のホームページには、園の基本情報、子育て支援事業、保育園の行事予定、保育で大切にしていることなど、幅広く情報発信しています。利用に係る相談や申請の窓口は、区役所保育課が担っています。ほいくえんのしおりは、保育で大切にしていることや行事、保育園のいちにち、食育活動の紹介などをイラストや写真などを使い、視覚的にわかりやすく紹介しています。

子育てに関する情報は、区で集約し、就学前の乳幼児を対象に子育てに関する情報をまとめた子育て情報誌「めぐろ子育てホッ！とブック」や、インターネットを活用した「めぐろ子ども子育てネット、めぐろメールマガジン」など、多くの方に届くように幅広く発信されています。また、保育園が主体となって実施する子育て支援事業について、広報紙、子育て支援行事予定表などを発行し、区役所や、住区センター、児童館、図書館等の関係機関等で配布しています。関係機関等と連携を図り、保育施設や子育て支援について、一括した情報提供がなされています。

園見学は、例年、日程の都合を聞き、見学者の希望に沿った個別対応を心がけています。対応は主に園長が行い、園内を案内しています。見学の際には、子どもの主体性を尊重した保育を実践していること、その時の最善を保護者と一緒に考える園であり、可能な範囲での個別的支援の提供に努めているなど、園の特徴を紹介し、質問や疑問に応えています。今年度は、予約制（２０分を１枠とし保護者１名と子どものみ）、入室時検温、家族を含めた体調良好確認など、コロナ感染症対策を行い、見学者のニーズに丁寧に応えるよう努め、適切な対応を行っています。

入園が決まった利用者に対しては、個別面接（家庭状況・健康状況・留意事項）と健康診断を行っています。例年、第二ひもんやほいくえんのしおりに沿って、保育理念、保育で大切にしていること、年齢別保育のねらい、保育園の給食、感染症等の詳細なルールについて、丁寧な説明を行っています。今年度は、利用時間の考え方について伝えたい部分を整理した表記に変えたり、園での生活について、０歳児、１･２歳児、幼児と３ページに分け、画像を増やすなど、コロナ感染症対策として、できるだけ書類等による丁寧な説明を行っています。

入園当初は、面接時に各専門職種が健康上の留意点、慢性疾患、食物アレルギー、生活リズム等を確認、把握し、家庭状況調査書や児童票に記載しています。また、確認、把握した情報は、職員間で共有化を図り、子どもや保護者が出来るだけ安心して園生活に入れるように取り組んでいます。コロナ感染症対策として、例年開催しているクラス懇談会の代わりに、保護者の不安を軽減し、少しでも家庭での会話の充実が図れるよう、子どもの顔写真と名前をクラス前に子どもと一緒に見られるよう、子どもの目の高さにして掲示するなどの工夫をしています。

転園や退園する子どもには、クラスでのお別れの会やお別れカードの作成などしています。転園先が同じ区立保育園の場合は、児童票の引継ぎや必要な情報提供を行い、保護者の不安を軽減できるよう配慮し、子どもへの支援が円滑に継続されるようにしています。卒園・退園後も、保護者の育児に関する不安や心配事をいつでも相談できることや保育園の行事への参加の声掛け、ふれあい広場の案内、いつでも来園できる事などを伝えています。また、卒園時には保育要録を作成して就学先の小学校へ提出し、子どもの状況を伝えています。

入園決定後及び入園以降に把握した子どもの発達や心身・健康の状況、家庭の状況などは、家庭状況調査票や個別記録、児童票に記載しています。毎日の送迎時の会話や個人面談などの際に、子どもの園での生活や心身の発達などについて、家庭と連携を図りながら情報を把握し、個人面談記録、個別日誌、個人月案（５歳児）等を作成・記録しています。また、保健日誌、各種健診記録などを使用し、子どもの健康や家庭の状況等を記録、把握しています。毎月、期、年間など定期的に保育の振り返りや評価・反省を行い指導計画等に反映しています。

全体的な保育計画を踏まえて各領域について考慮し、年間や月、週の指導計画等を作成しています。個別の計画は、乳児クラスでは毎月、幼児クラスでは期ごとに個別保育計画を作成し、子ども一人ひとりの発達を捉え、保護者と共有しています。全体的な計画や年間行事計画、各種計画等は、例年、保護者会やクラス懇談会等で説明していますが、今年度は、コロナ感染症対策のため開催を控え、代わりにクラスだよりや写真の掲示、保育内容伝達のお便りの発行等を行い、わかりやすく子どもの成長した姿を保護者に伝えるなどの工夫をしています。

子ども一人ひとりに関する情報は日誌、連絡帳、健康観察表、児童票等に記録しています。職員会議やクラス会議等では、子ども一人ひとりの対応についての話し合いや検討を行い、職員間の共有化と理解を深めています。会議後は会議録を作成し参加できなかった職員を含め閲覧、確認により周知しています。日常の連絡事項、子どもの急な変化などは、延長保育日誌や昼礼ノート、引継ぎノート、クラスノート等に記録し、昼礼での申し送りや引継ぎで周知し、園全体で共有化しています。非常勤職員等には、昼礼ボードでの内容確認や、口頭で伝達しています。

入園前の子どもの発達過程は、入園時に提出する各種書類や面談で把握して、入園してからは一人ひとりの子どもの発達を複数の目で捉え、指導計画を作成しています。また、毎日の保護者とのやり取りや連絡ノート・個人面談等により、家庭の状況や意向を把握し、職員は共有しています。各クラスには子どもが自由に玩具や教材を選び取れる環境にしており、年齢や発達・興味を促す遊びが展開できるようにコーナーを備えています。保育士は禁止命令指示語を使わないように意識して子どもへ丁寧な言葉がけをするように配慮しています。

異年齢の交流は朝夕・延長・土曜保育、園庭遊びなどで自然な関りがあります。行事は異年齢で取り組み年長児がリーダーとなり子どもたち自身で計画し実施するようにして、関りの中では年下の子は年上の子に憧れたり、年上の子は年下の子に教えてあげるなど優しい気持ちが育まれています。世界の国々を知るために国旗の本やかるたを用意したり、世界地図に知っている国に印をつけるなど興味を持てるようにしています。就学準備では上履きの着用、一定時間の着席、文字や数などに自然に触れる環境や就学前学習の導入をおこなっています。

配慮の必要な子どもに対しては専門機関のアドバイスを受け、個別支援計画を作成しています。計画立案にあたっては全職員で討議して援助しています。また、関連機関に見学に行ったり、研修などにより、理解を深め保育にあたっています。子ども同士のトラブルに対しては、乳児はおもちゃの数を揃えたり空間の使い方を工夫しています。幼児はなぜそのようなトラブルになったのか振り返り、子ども自身で解決法を引き出すようにしたり、保育士は乳児、幼児共に双方の気持ちをに寄り添い援助できるようにして、保護者には双方に伝えています。

登園時には保護者に明るく挨拶をして、子どもをしっかり視診して、保護者から家庭での様子や健康状態を聞き取ります。連絡ノートは0～5歳児クラスまで使用し睡眠・食事・排せつなどや家庭と園での様子を記載しています。各クラスの健康観察表には必要事項を書き入れ、連絡ノートは手渡ししています。職員の打ち合わせの昼礼では、各クラスの出欠席や保健・給食・用務からの連絡・明日の保育・明日の体制・連絡事項などをクラス代表、各部門代表者が伝え合い、他の職員に伝えて共有しています。お迎え時には子どもの様子を口頭で伝えています。

早寝・早起き・朝ごはんを食べる等の生活リズムの大切なことはほけんだよりや直接保護者に伝えています。基本的生活習慣の習得に向けては家庭と連携を取りながら進めています。園では指導計画に沿って年齢に応じた手洗いや歯磨き、食事のマナーなどの必要性を意識できるように援助しています。排せつ指導は子ども自身の発達の状況に応じて行い、年齢で区切ることはしていません。1歳児では芽生えた着脱の意欲を認めながら、立ったまま保育士につかまってズボンをはくことで体幹の支持力が養われることを大事にしています。

休息や午睡は子ども一人ひとりの年齢や生活リズムを配慮して行い、就寝時間や起床時間を確認しています。1歳未満児以外は午睡は夜の睡眠の補完と捉え、夜の睡眠が中心となるように乳児でも1時間半から2時間以内の睡眠時間にしています。0歳児～乳児ではその子に必要な眠りを満たし、目覚めたらすぐに起こしています。午睡室は室温や湿度・換気・採光などを整え快適な睡眠がとれるようにして、年長児は就学に向けて9月頃より徐々に午睡を減らし、12月からは無くしていますが、児によって必要な時は必ず休めるように配慮しています。

幼児クラスは可動棚で仕切られていますが、3クラス共通のコーナーを設定し子どもが自主的に遊びを選びとれるようにし、遊びが展開していくように配慮しています。どのクラスも子どもの目、手が届く場所に玩具、教材などを配置し、幼児の造形コーナーには、廃材、絵の具用品・筆・のり・布・紙などの描画制作素材を用意して自由に制作表現活動をおこなっています。5歳児はボードを用意して1日の予定を知らせ、子ども自身が活動や時間も含めて見通せるようにしています。また、積み木などは基本的に1週間は継続できる環境にしています。

保育士は受容的態度で子どもに対して丁寧な言葉がけを行い、明瞭な発語に心がけ、子どもの思いを引き出し、言葉にして、子どもが話す場を設けたり、子ども同士で話し合う機会を設定し自分の思いを伝えたり、他の人の意見や思いを聞けるようにしています。また、,絵本や紙芝居を見たり、詩・早口言葉・反対言葉・回文を諳んじたり、絵を見て擬声語で表現する活動を通して、日本語の語感の面白さを伝え、豊かな言語表現につなげています。ほかに制作表現活動やリズム遊び・歌・楽器遊び・劇遊びなど様々な表現遊びを楽しんでいます。

園庭には布がはってあり、風をはらんで揺れる布の下で遊び天候により風の強さの違いを感じたりしています。冬はビオトープが凍るのを見てバケツに水を入れて翌朝凍っているかを楽しみにしています。散歩の行き帰りには色づいた葉が落ちてくるのを見て、「きれいだね、葉っぱが落ちているね」など、季節の移り変わりを感じたり、季節に合わせた行事や歌を楽しんでいます。また、生活や遊びの中にはルールがあることがわかり、納得できない気持ちを言葉で表現できるようにして受け止め、徐々に気持ちを調整できるように援助しています。

行事の計画は日常の保育から生み出されたものと考え、子どもが主体となって行うことを大切にし、子どもの願いを引き出し具現化する援助が保育者の役割として捉え、結果だけではなく子どもが取り組むプロセスを大事にしています。また、行事は幼児からの参加を原則としています。各行事は年長がリーダーとなり、異年齢のグループで取り組み、子どもたち自身で計画して実施しています。誕生日会はその子の生まれた日をクラスで友達とお祝いしています。伝承行事は友達と一緒に日本の文化や慣習を知り楽しい思い出となることに主眼を置いています。

年間行事に基づき、子どもが主体となって活動できるような行事を実施しています。どの行事も日々の保育の積み上げであると捉え、子どもの興味関心を捉えながら進めています。行事に向けた準備では、友達と協力しながら自らの力を発揮し作り上げ、やり遂げた充実感や達成感を味わい友達と共有できるように工夫しています。運動会は2階ホールで幼児は入れ替え制で座席を指定して行いました。また、劇遊びは年間で読んでいた本の中からクラス毎に子どもたちが話し合いで決めています。ほかにお店屋さんごっこは乳児・幼児クラスでおこなっています。

年度の初め4月の園だよりで園の「行事に対する姿勢」を知らせ、年間行事について説明し、保護者参加の計画が立てられるようにしています。また、次月の行事予定を園だよりやエントランスプロジェクターで全体掲示をしています。今年度は密を避けるために少人数の参加にしたり形式の変更などがありましたが行事の狙いはしっかり実践されています。子どもたちの取り組みの様子は連絡ノートで伝えたり、行事の後には写真に説明を付け掲示し、保護者に様子を知らせ、理解を深めてもらうようにしています。また、アンケートを取り次回の参考にしています。

保育時間の長い子どもが一日を楽しく過ごせるように、室内や戸外、活動や休息など静や動のバランを取り、メリハリのある活動をおこなっています。乳児室は子どもが身体を伸ばし寝転がれるコーナーがあり、幼児室には椅子机のほかに、座卓や、少人数用のベンチがあります。朝夕ともに、園児の人数を目安に集団とせずに、発達段階を配慮して集団を分けて保育をおこない、移動する時は保育士は危険のないように見守っています。夕食を取る子どもには、ランチョマットを敷いて衝立を使用し、保育士が必ず一緒に食べる等家庭的雰囲気を大事にしています。

延長保育時は専用の玩具を使い楽しくくつろいで過ごせるようにしています。長時間保育の中では自由に休息しリラックス出来るような空間を確保して、異年齢の関りではきょうだいのように親しみ一緒に育ち合う姿が見られます。また、遊びの中で乳児が幼児の遊びを中断させてしまった時には、幼児が乳児に完成したドミノ倒しをやらせてあげると次回からは中断させることがなかったなどの良い関りが見られます。保護者がお迎えの時は担当者は子どもの様子や伝達事項を口頭で伝え、保護者からの連絡事項があれば延長日誌に記載し次の日につないでいます。

園では子どもがたくさん遊んで充実感を持ち、お腹を空かせて食事に向かうことを大切にしています。乳児クラスは担当制により同じ人と同じ席で食べることで安心して食べています。献立は和食を基本として子どもの成長に合わせて栄養バランスを考え、旬の食材を取り入れた給食を提供しています。また、誕生日メニューや行事食は担当職員と調理職員とで目的や子どもの状況に合わせてメニューを計画しています。保育日誌に喫食状況を記載し、毎月2回献立会議を行い、園長・栄養士・保育士が子どもの喫食状況の評価反省を行い、次月の計画を立てています。

アレルギー食は食物アレルギーの対応マニュアルに沿って、除去食だけではなく代替え食も提供し見た目も変わらないように配慮しています。提供する時はトレイを替えチェック表を用い、最後に配膳するなど誤食防止に努めています。毎月末に、保護者と園長・看護師・担任・栄養士と共に翌月献立のアレルギー確認をおこなっています。保護者の個別の除去依頼についても保護者と話し合いの上で実施し、水分摂取量を配慮する子どもなどにも対応をしています。離乳食は栄養士が子どもの様子を見て次の段階に進む時は注意事項などを保護者に伝えています。

子どもたちが食に関心を持てるように野菜の栽培をしたり、日本の食文化を伝えています。毎年食のテーマを決めて、日本の食文化に関心を持てるようにしています。今までは郷土料理などを毎月取り入れていましたが、今年度は「乾物・干物」をテーマにして毎月様々な乾物（高野豆腐・干ししいたけ・切干大根・ひじき等)を献立に取りこみ興味関心を育んでいます。また、栄養士は食事のマナーや栄養素の話をしています。毎月献立表を配付し、裏面は給食だよりで旬の食材やメニューの紹介などをして、レシピをエントランスのカウンターに置いています。

今年度は子どもたちに手洗いの徹底（遊びの前と後に手を洗う）、咳エチケット・顔、口周りを触らない・登降園時の一方通行・玩具を午前午後に分けて、昼に入れ替えたり、保護者の園滞在時間短縮・保育室のごみ箱をすべて足ペダルの蓋つきに変更・2歳児以上食事の際にパーテーション使用・園児・職員の検温などの対策をおこなっています。毎月避難訓練を行い地震や火事から身を守るようにしたり不審者訓練をおこない、散歩時には保育士が横断歩道の渡り方などの交通安全指導を行い、事故防止チェックリストで子どもの安全を守っています。

医療的ケアが必要な子どもについては、園長・看護師と保護者が定期的に面談をおこなっています。与薬の必要な子どもに対しては与薬マニュアルに従い医師の意見書を以て与薬をしています。健康診断は0歳児は毎週1回、1～5歳児は年に2回、歯科検診は年に2回、眼科検診、耳鼻科検診（3、4、5歳クラス）は年に1回、身体測定は毎月行い保護者に伝えています。ほかに、歯磨き指導（4、5歳児）、健康教育は手洗い指導を2歳児から行い、日頃から遊具の正しい使い方や爪切り・うがい・手洗いの大切さを折に触れて話をしています。

今年度は乳児の保護者には登園時に手洗いをお願いしています。感染症が流行した時は直ちに全体掲示し、必要に応じてクラス掲示、、プリントの配布などをおこなっています。SIDSについては入園時の面接で伝え、園の保育マニュアルにも「乳児クラスはうつぶせ寝はしない」と定め、11月のSIDSの予防強化月間にはパンフレットを配付し注意喚起しています。園では午睡時に0～2歳児クラスは5分ごとに午睡チェックを行い早期発見に努めています。また、保健だよりを隔月に発行し健康や時期にはやる感染症についての情報などを掲載しています。

入園時の面接や入園後の個人面談、送迎時の会話や連絡ノート等で各家庭の就業状況などを把握・考慮し、保護者が安心して子どもを預け、仕事が出来るように支援しています。把握した情報は、児童票等に記載し、職員会議等で共有化しています。また、保護者の急な残業や家庭の都合での早い登園、時間延長、遅い登園などの際は、保育時間を柔軟に対応するなど、個々の事情に配慮しています。例年は、年度初めに保護者参加行事が明示されている年間行事計画を配付し、少しでも多くの保護者が参加できるように配慮しています。

保護者同士が交流する機会として、例年、クラス懇談会等の機会を設け、内容の工夫をしています。懇談会では、より活発に自分の思いや意見、日頃の悩みなどを言いやすい雰囲気づくりを行い、保護者同士で育児の参考にできる情報交換を行っています。今年度は、コロナ感染症の影響により、クラス懇談会等を控えており、保護者同士が交流する機会が少なくなっています。保育の取り組みは、一斉メールでの情報配信や、画像による行事や保育活動紹介の掲示などにより情報の共有化を行い、保護者との信頼関係を深めています。

子どもの園での生活に触れる楽しみを感じてもらえるように、例年では、乳児の保育参観、幼児の保育参加を開催し日頃の子供の様子を見てもらっています。幼児については、日常の活動を通してより深く子どもの成長を見る機会をつくっています。また、クラス懇談会、個人面談などで保育やクラスの状況、成長発達について伝えています。今年度は、コロナ感染症の状況をみながら面談を実施し、園での保育の様子は、画像による行事や保育活動紹介の掲示等で、子どもの成長した姿を保護者に伝えるなどの工夫をして、保護者の養育向上に努めています。

地域に根ざした保育園を目指し様々な地域資源を活用しています。例年では、中学生との職場体験での交流、ボランティア活動や実習生の受け入れなど、様々な経験、体験をしています。また、学童クラブのホールを借りた週１回のリズム運動、、警察署からの交通指導（公園で自転車の乗り方）、図書館で自分の好きな本を借りて来る楽しみ等、子ども達は様々な経験、体験を築いています。このような取り組みを通して、子どもの社会性を育んでいます。今年度は、コロナ感染症対策のため、活動の制限がありますが、できる範囲での取り組みが検討されています。

職員以外の人と交流する機会として、ふれあいひろば参加者の地域の子育て家庭が保育園で多様な体験ができ、子どもたちとの交流の場にもなっています。例年では、年長クラスは小学校との交流事業などに参加し、就学に向けた心構えを得る機会になっています。また、実習学生や職業体験の小中学生の受け入れ、近隣の老人会との交流など、園の子どもたちにとって、様々な年代の地域の人と触れ合う良い機会になっています。さらに、近隣保育園との地域の公園での交流会への参加など、子ども達が職員以外の人と関わる取り組みが行われています。

個人情報保護については、区の個人情報保護条例に基づき適切な取り扱いを心がけています。入園前の面接時や入園説明等で個人情報の取扱いについての説明を行い、管理や取り扱い項目、利用目的等を記載した同意書により保護者の理解と確認を得ています。子どもの羞恥心への配慮として、プールや水遊びでは、外部から直接見えないように目隠しを設置しています。また、排泄後の後始末など年齢に応じて他の子どもの目に触れないよう配慮しています。日々の保育の中では、一人ひとりの気持ちに配慮し、尊重して関わり、対応するよう心掛けています。

０歳、１歳児クラスでは満２歳になるまでは、週案を個人別に策定し、必要に応じて個別カリキュラムや個別記録をとっています。また、園で用意した個人用保育用具には、個人の名前やマークを記入し、保育士は受容的な言葉を用いるよう努め、子どもの主体的な活動を心がけています。子どもの権利は、職員会議や研修などを通じて学ぶ機会があり、一人ひとりの思いに寄り添い、日々の保育に活かしています。さらに、人権擁護のためのセルフチェックリストを職員一人ひとりに配布し、年２回、各自のチェックと全体での振り返りを行い、理解を深めています。

虐待防止等については、児童虐待防止対応マニュアルが整備されています。また、日常的には、研修への参加や会議等でのマニュアルを活用した話し合いなど、虐待防止に向けた学びや理解を深める機会を設けています。研修等に参加した際は、会議で報告し職員間で共有するとともに、資料を基に理解を深めています。虐待等の発見や情報を得た時には、保育課や子ども家庭支援センター等の関係機関に連絡する仕組みが整っています。

保育園で活用するマニュアル類は、区統一では、保育園運営の手引き、看護師・栄養士業務の手引き、危機管理マニュアルなど、法人では、業務マニュアル、法人ハンドブック等が整備されています。業務の基本事項や手順等の確認に向けて、嘔吐処理方法の確認や救命救急講習、施設点検チェック、など、適宜、業務の見直しと確認がなされています。各種マニュアル類は、事務所で管理し、職員が利用しやすいようにしています。今年度は、コロナ感染症対策として、子どもたちの手洗いの徹底、消毒など、業務点検による適切な対応がなされています。

マニュアル等の作成・見直しには、区立保育園共通のものは主管課を通じ、園長会・副園長会・看護師協議会・栄養士協議会で検討しています。園内で活用しているマニュアル類については、期毎、年度末に確認を行い、マニュアルに反映させ、次年度に活かせるようにしています。また、行事や保育内容等については、行事アンケートや連絡ノート、会議記録、保護者との日常のコミュニケーション等で把握した感想・提案等を会議で話し合い、見直しや検討を行い、次回の行事やサービスの向上など、業務改善に活かしています。