東京都福祉サービス第三者評価  評価結果





評価結果基本情報

評価年度 令和2年度
サービス名称 認可保育所
法人名称 株式会社ネス・コーポレーション
事業所名称 ナーサリールームベリーベアー日本橋
評価機関名称 株式会社 地域計画連合

コメント

・事前説明にあたっては、令和2年度方式の評点基準、確認根拠資料の準備について、わかりやすい独自資料を用意し、事業者の負担を軽減する工夫を行っている。
・分析シートは記入のポイントを用意し、効果的、効率的に情報が整理できるよう工夫を行っている。
・確認根拠資料は、訪問調査の概ね3週間前までに評価機関への提出を依頼し、根拠の事前確認を行ったうえで訪問調査を実施し、訪問当日は事業所の課題や良い点を把握するためのヒアリングに重点を置いて実施している。
・合議は、訪問調査終了後、同じ日のうちに、速やかに実施している。


(内容)
 Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像
 Ⅱ 全体の評価講評
 Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み
 Ⅳ 利用者調査結果
 Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)
 Ⅵ サービス提供のプロセス項目


公益財団法人東京都福祉保健財団
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Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像

1 理念・方針  (関連 カテゴリー1 リーダーシップと意思決定)
  事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)

1)自分で考え活動できる 2)最後までやりとける 3)我慢すること、相手を思いやることができる 4)豊かな表現力、想像力をもつ 5)友達と仲良くできる

 
2 期待する職員像  (関連 カテゴリー5 職員と組織の能力向上)
  (1)職員に求めている人材像や役割

・意欲的に学び努力して結果を出す人 ・他者とのコミュニケーションを取り、思いやりのある行動がとれる人

 
(2)職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

・新情報を取り入れ、新しいことにチャレンジできる柔軟性 ・主体的に物事を考え、報連相ができる向上心と行動力 ・他社の痛みがわかり思いやりのある言葉をかけられる人

 


Ⅱ 全体の評価講評

全体の評価講評

特に良いと思う点
1 職員研修に力を入れている

本園では、研修に力を入れており、特に法人内研修は、勤務時間や勤務体制を調整することで、1回の研修で多くの職員が参加できるようにするなど、力を入れている。また、新人職員に対してはルーキーサポートプログラムを導入することで、新人が社会人としての規範等を身につけるだけでなく、保育者としての成長をバックアップできるようにしている。
2 こどもがのびのびと活動できる環境がある

本園は、平成31年に認可保育園に移行した際に、現在のビルに移ってきたため、園庭はないものの、屋上に小さな遊び場があったり、各フロアーもゆったりと作られている。そのため、子どもは園内をのびのびと活動できる環境となっている。
3 健康教育に力を入れている

本園では、健康教育に力を入れており、園に配属された看護師が担当し、手洗いや歯磨きなどの保健指導をはじめ、多様な健康教育を行っている。例えば、粘土製の手や頭の模型をドアに挟んだり、ぶつける場面を再現し、部屋の中を走らない、順番を守る、お友達を押さないなどのルールを確認するなど、子どもが目で見て理解できるような形での教育を行っていることで、子どもたちが興味を持ちながら理解を深めている。

さらなる改善が望まれる点
1 BCP(事業継続計画)のコロナ禍へのさらなる対応が期待される

本法人では、東日本大震災を受けて、早期からBCP(事業継続計画)の策定を行い、地震をはじめ、対象を広げてきた。感染症についても項目としては設定してきたが、コロナ禍による教訓等は反映したものにはまだなっていないため、今後さらなる充実が期待される。
2 園以外の相談先の更なる周知が期待される

本園では、利用者調査結果によれば、園以外の相談先の周知で、約2割の方が「知らない」に回答しており、園以外の相談場所の周知が課題となっている。園以外の相談先としては、せっかく地域の民生委員の方に第三者委員を依頼しているため、今後の周知が期待される。
3 園の情報をよりわかりやすい形で、保護者への周知をすることが必要である

本園では、建物がビルであるため、保育園は実質的に4つのフロアーとなっている。そのため、園全体のお知らせは入り口の1階に掲示することが必要となるが、全ての保護者が通過する動線上では、掲示するスペースが少ない。そのため、園では保護者に対する情報の伝達について細心の注意を払って引き続き努力をしていくことが期待される。

Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み

1 ★ コンプライアンス規程を整備し、コンプライアンス室を設置した

本園では、職員の方が安心して勤務できるよう、本年からコンプライアンス室を設置して、何かあれば外部委託された弁護士等とも連携しながら対応ができるようになった。連絡先は職員に明示されているため、本部に相談しにくいような事項でも対応できるよう改善された。あわせて、本年度からストレスチェックについても外注することで、より安心して受けることができるよう改善した。
関連評価項目(社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる)
2 ★ 本園が4つのフロアーに分かれている点を考慮し、手厚い職員配置をおこなっている

本園は4つのフロアーに分かれている。そのため、職員の配置を手厚くすることで、毎日の保育がより安全に、適切にできるよう職員を手厚く配置している。これは、本年度から本部で人材戦略室を設置して、より採用に力を入れるようになったことで、より多くの職員を採用できるようになったためである。
関連評価項目(事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている)
3 ★ コロナ禍の中ではあるが、子どもの興味等を勘案しながら多様な行事を行っている

本園では、コロナ禍の中ではあるが、多様な行事を行っている。まず、行事の企画では、なぜその行事を行うかを職員間で話し合い、日々の保育で子どもたちから出た意見や、子どもの興味、関心の深いものからヒントを得て行事を企画している。その結果、豆まき、ひな祭り、七夕、十五夜など多彩な行事を行っている。
関連評価項目(日常の保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している)

Ⅳ 利用者調査結果

調査概要
調査対象:2020年10月1日現在の施設の利用者(保護者) 48世帯(利用者総数 56名)を対象とした。

調査方法:アンケート方式  
アンケート(自記式)。施設にて担任が保護者に手渡しする形で調査票を配付。記入された調査票は封緘のうえ返信用封筒による郵送又は施設に設置した回収箱による回収。

利用者総数 56人
利用者家族総数(世帯) 48世帯
アンケートや聞き取りを行った人数 48人
有効回答者数 48人
回答者割合(%) 100.0%

総括
・総合的な満足度としては、「大変満足」が 29%、「満足」が 52%となっており、満足と答えた人が 81%となっている。 ●各カテゴリーのうち、「はい」の比率が高かった上位は、以下の項目であった。 問1.園での活動は、お子さんの心身の発達に役立っていると思いますか( 100%、48人) 問2.園での活動は、お子さんが興味や関心を持って行えるものになっていると思いますか 問9.園内は清潔で整理された空間になっていると思いますか (各々 98%、47人) 問3.園で提供される食事・おやつは、お子さんの状態に配慮し、工夫されたものになっていると思いますか( 90%、43人) 問6.安全対策が十分取られていると思いますか 問10.あなたは、職員の言葉遣いや態度、服装などが適切だと思いますか (各々 83%、40人)

利用者調査結果

1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
はい 48人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
いろいろなあそびを取り入れてくださり子どもも楽しく通っています、今年はコロナでクッキングや発表会が中止になってしまいましたがそのかわりになるイベントを考えてくださりありがたい思いでいます、などの意見があった。
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
はい 47人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
制作もひんぱんにあり英語・体そうも良いと思います、といった意見があった。
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
はい 43人  どちらともいえない 5人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
毎日完食しているようで様々な食材を取り入れて下さりありがたいです、いつも子どもの栄養面に配慮されたおいしそうなお食事を提供して頂いています、子どもの好きなレシピを個別に頂いたことがあり対応が素晴らしいと思いました。柔軟に対応して頂き子どもも喜んでいました、などの意見があった。
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
はい 30人  どちらともいえない 12人  いいえ 5人  無回答・非該当 1人 
散歩や外遊びを楽しんでいる様子を連絡帳や口頭で伝えていただき様子がよくわかります、本年度は新型コロナウイルスの影響で少なくなっており残念です、などの意見があった。
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
はい 34人  どちらともいえない 9人  いいえ 2人  無回答・非該当 3人 
ご迷惑をお掛けしています。柔軟に対応していただいています、いつもたすけて頂いております、などの意見があった。
6.安全対策が十分取られていると思うか
はい 40人  どちらともいえない 6人  いいえ 1人  無回答・非該当 1人 
特に意見なし。
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
はい 30人  どちらともいえない 16人  いいえ 1人  無回答・非該当 1人 
本年度は新型コロナウイルスの影響で行事がほとんどなくなりました。仕方ありませんが子どもの保育園での様子を見ることができず非常に残念です、といった意見があった。
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
はい 33人  どちらともいえない 13人  いいえ 2人  無回答・非該当 0人 
相談にのっていただきやすいです、といった意見があった。
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい 47人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
いつもきれいに掃除してくださりありがとうございます、といった意見があった。
10.職員の接遇・態度は適切か
はい 40人  どちらともいえない 8人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
特に意見なし。
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい 39人  どちらともいえない 7人  いいえ 1人  無回答・非該当 1人 
朝に体調で気になる点をお伝えしておくと帰宅時には1日に様子を教えて下さり安心できます、といった意見があった。
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい 32人  どちらともいえない 11人  いいえ 1人  無回答・非該当 4人 
ケガをした際には必ず詳細をお話しして下さいます、といった意見があった。
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
はい 37人  どちらともいえない 10人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
特に意見なし。
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
はい 35人  どちらともいえない 10人  いいえ 0人  無回答・非該当 3人 
特に意見なし。
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
はい 35人  どちらともいえない 9人  いいえ 3人  無回答・非該当 1人 
写真を撮影されまとめてはり出して頂けるのは、とても良いです、といった意見があった。
16.利用者の不満や要望は対応されているか
はい 30人  どちらともいえない 10人  いいえ 5人  無回答・非該当 3人 
特に意見なし。
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい 11人  どちらともいえない 18人  いいえ 12人  無回答・非該当 7人 
相談したことがまだないので分からない、困ったときがまだないため、などの意見があった。

Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)

※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー1  リーダーシップと意思決定
  サブカテゴリー1  事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目2 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  評価項目2 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている 実施状況
  標準項目1 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  標準項目2 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
  評価項目3 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している 実施状況
  標準項目1 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  標準項目3 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
講評
園の理念については、職員会議や研修等などで確認している

本園では、園の基本理念等については、月1回実施する職員会議や、法人内で行われている理念を理解するための研修を通して確認している。また、職員全員に、子どもの目指すべき姿と、それを実現するための職員の心得を、2枚のカードにわかりやすく記載して職員に内容を説明した上で配布している。カードは常に携帯するようにしているため、職員は内容をいつでも確認できるようになっている。

利用者に対しては、園の考え方等を入園時等で説明を行っている

保護者に対する園の理念等の説明については、入園時に重要事項説明書等に基づいて説明を行うとともに、年2回実施する運営委員会や保護者会、クラス懇談会等を活用してその都度説明を行っている。また、ホームページでも非常にわかりやすい言葉で理念等の説明を行っている。なお、保護者の方とは、お知らせ等や、直接話をするなどの対応をしている。

検討する内容に応じて本部や施設長会議等で検討し、その結果を職員に周知している

本法人での意思決定は、本部や施設長会議などで行うが、内容によっては本園の職員会議の検討事項をもとに施設長会議で話をすることもある。また、施設長会議で決定したことは、職員に対しては職員会議や昼礼により伝達している。また、自己目標シートを通じて理解を進めている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー2  事業所を取り巻く環境の把握・活用及び計画の策定と実行
  サブカテゴリー1  事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  評価項目1 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している 実施状況
  標準項目1 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目2 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  標準項目3 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目4 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  標準項目5 事業所の経営状況を把握・検討している
  標準項目6 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
  サブカテゴリー2  実践的な計画策定に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している 実施状況
  標準項目1 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  標準項目2 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  標準項目3 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
  評価項目2 着実な計画の実行に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  標準項目2 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
講評
5カ年の中長期計画に基づき、年度計画を策定している

本園では、法人本部にて5カ年の中長期計画を策定しており、その計画に基づき、本園の個別計画を園長が策定している。計画の様式は法人にて定められており、前年度の計画と、実施状況の評価、社会情勢等を考慮しながら計画策定に努めている。なお、毎年の園の計画策定にあたっては、前年度の計画の評価・総括を行った上での評価となっているため、円滑にPDCAが行えるようになっている。園の予算は本部で作成しているが、1万円以下の金額は園の裁量で備品の購入が出来るなど、園の裁量が大きいのが特徴である。

行事等の後の意向調査により、改善を行っている

利用者意向の把握については、行事のあとの意向調査を行うなど、利用者の方の意向を把握している。例えば、コロナ禍の影響を受けて、クリスマス会については、感染防止を図るため、保護者を入れ替え制とすることで、保護者の参加したいという要望と、感染予防の要望の両方に対応することにより改善を行っている。

地域の課題を関係機関と連携しながら検討している

地域の課題については、本園をとりまく関係機関や、区の園長会等と連携しながら、各種会合等に参加することで分析を行っている。また、福祉全体のニーズについては法人が多数加入している全国組織の会員となっており、その組織の会合や研修に、施設長を含め参加したり、そこから得られた情報を園で共有するようになっているが、本年はコロナ禍ということもあり、参加型の研修は中止となっている。また、その他必要と法人本部が判断した情報は園と共有している。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー3  経営における社会的責任
  サブカテゴリー1  社会人・福祉サービス事業者として守るべきことを明確にし、その達成に取り組んでいる
  評価項目1 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  標準項目2 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
  サブカテゴリー2  利用者の権利擁護のために、組織的な取り組みを行っている
  評価項目1 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている 実施状況
  標準項目1 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  標準項目2 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
  評価項目2 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている 実施状況
  標準項目1 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  標準項目2 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
  サブカテゴリー3  地域の福祉に役立つ取り組みを行っている
  評価項目1 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  標準項目2 ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
  評価項目2 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  標準項目2 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  標準項目3 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
講評
自己評価シート(保育士チェックリスト)で年4回倫理等の確認を行い、面談している

本園では、倫理、規範の確認を行うため、年4回自己評価シートの中にある「保育士チェックリスト」に基づき、保育士などの職員が、守るべき規範、法等の確認を行っている。その結果をもとに、年2回園長と面接を行い、問題等があれば修正を図る。また、保育所運営ハンドブックの読み合わせを行っている。また、入社時には機密保持に関する誓約書にサインするようになっている。また、本年からコンプライアンス室を設置して、何かあれば外部委託された弁護士等とも連携しながら対応ができるようになった

民生委員に第三者委員にお願いしている

苦情の相談先については、園、法人本部、区などに加えて、地域の民生委員にも第三者委員をお願いをしているなど、いろいろな相談窓口を準備している。相談先の周知にあたっては、入園のしおりへの記載だけでなく、玄関にも提示したりしていただいているが、利用者アンケート調査結果をみると「知らない」に回答している人も、一般的な傾向とほぼ同じ割合で多く、今後の周知が課題となっている。

地域交流は、月1回実施してきたが、コロナ禍のため、現在実施を見合わせている

本園は、地域向けに月一回の割合で地域交流を行い、簡単な玩具のつくり方や、面白い遊び、ファミリーサポートセンターの紹介や、法人内のベビーシッターの紹介等を行ってきた。本年度も子育て支援の年間計画を策定したが、コロナ禍で緊急事態宣言等が出されたため、現時点では実施を見合わせている。コロナ禍の状況を勘案しながら、無理のない範囲で実施していくことが期待される。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー4  リスクマネジメント
  サブカテゴリー1  リスクマネジメントに計画的に取り組んでいる
  評価項目1 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  標準項目2 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  標準項目3 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  標準項目4 リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  標準項目5 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
  サブカテゴリー2  事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  評価項目1 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている 実施状況
  標準項目1 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  標準項目2 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  標準項目3 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  標準項目4 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
講評
BCP(事業継続計画)は、地震等のカテゴリーで策定している

法人ではBCP(事業継続計画)として、大地震、火災、その他台風、一般的な感染症などのカテゴリーで事業継続計画を策定している。なお、初動対応の部分は各園の業務マニュアルの1つとして記載されており、復旧に関する部分は、主に東日本大震災の教訓を参考にしながら、本部で作成している。但し、感染症は現状では一般的な内容で、コロナ禍の教訓を踏まえたものではないため、今後さらなる充実が期待される。

個人情報及び肖像権の扱いを入園時に保護者に確認している

個人情報及び肖像権の扱いについては、入園時に個人情報及び肖像権に関する依頼書により、保護者向け書類への名前の記載、ホームページの写真館への掲載などの項目で希望をとっている。なお、掲載内容は、園内での掲示から、法人の刊行物まで6段階に分けて、意向を確認しているため、保護者は一部のみ開示拒否の選択も可能となっている。ただ、本年からコロナ禍の影響で、法人内では園の活動を保護者のみ限定公開の動画で行うケースが多くなっているため、この形式での公開の可否についてよりわかりやすい形で示していくことが今後期待される。

災害時の対応は入園のしおり(重要事項説明書)等でわかりやすく周知している

災害時の対応については、入園のしおり(重要事項説明書)の中で、避難先だけでなく、災害時伝言ダイヤルや、災害用伝言板の使い方、警戒宣言発令時の対応などを想定して詳しく記載されている。また、事故関係の記録は、ヒヤリハット、怪我報告書、事故報告書の3つに分かれており、些細なけがであっても怪我報告書に記載することで、だれでも経緯等を閲覧できるようになっている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー5  職員と組織の能力向上
  サブカテゴリー1  事業所が目指している経営・サービスを実現する人材の確保・育成・定着に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている 実施状況
  標準項目1 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  標準項目2 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
  評価項目2 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している 実施状況
  標準項目1 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  標準項目2 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
  評価項目3 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  標準項目2 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  標準項目3 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  標準項目4 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
  評価項目4 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  標準項目2 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  標準項目3 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  標準項目4 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
  サブカテゴリー2  組織力の向上に取り組んでいる
  評価項目1 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  標準項目2 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  標準項目3 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
講評
ルーキーサポートプログラムに基づき、新人の育成を行っている

本法人で新人の研修にあたってはルーキーサポートプログラムを導入することで、新人が社会人としての規範等を身につけるだけでなく、保育者としての成長をバックアップできるようにしている。具体的には新卒向けの研修が多く行われるだけでなく、同期の職員との交流を深めることができる取組となっており、3カ月に1回程度の頻度で実施している。各種研修で学んだことを日常の保育の中で、どのようにしたらよりよい保育が可能かを、引き続き職員同士で検討していくことが期待される。

コロナ禍に対応して、Web形式での法人内研修を実施している

本園では、法人が示す方向性の周知や、園の理念の実現に向け、特に法人内研修を盛んに実施している。従来は、法人内の園の広いホールでの研修が多かったが、本年度はコロナ禍の影響を受け、Web形式での法人内研修を実施している。具体的な内容としては、保育指針の理解のため、汐見稔幸先生などの専門家の研修に加え、本年度は法人内のベテラン園長が講師となった研修を行うなど、新たな取り組みも実施している。研修の実施にあたっては、自己目標シートの内容に基づき自己研修計画を定め、社外の研修も正職員は勤務扱いとしている。

新人採用や職員の待遇改善のため、本年度人材戦略室を設置して実施している

本法人では、新人採用や職員の待遇改善のため、本年度人材戦略室を設置した。その中でホームページの採用ページを一新し、主体性保育の説明だけでなく、コロナ禍という点を考慮してWeb形式での採用も行うなど、多様な形での採用活動を行っている。また、コンプライアンス規程を整備し、外部の弁護士への相談も可能なようにしたり、産業医の設置、あるいは待遇改善として給与水準の改定については、次年度からであるが退職金制度の創設などを行っている。あわせて、ストレスチェックについては、本年度から外部の専門家に委託している。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー7  事業所の重要課題に対する組織的な活動
  サブカテゴリー1  事業所の重要課題に対して、目標設定・取り組み・結果の検証・次期の事業活動等への反映を行っている
  評価項目1 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 昨年度は、法人で近年取り組んでいる「主体性保育」の更なる実施を図るため、年間計画の中に日本橋らしい主体性保育を実施することを目標として位置づけた。
具体的な取り組みとしては、まず法人内研修の中で、主体性保育に関する各種の研修に参加して、その結果を職員会議等の中で共有した。あわせて、その内容を保育に反映するため、例えば食育計画の策定にあたって、こどもたちが主体的に関わることができるよう、栽培、クッキング活動、食事のマナー等の計画に反映した。
これらの施策により、園内でも主体性保育に関する認識は高まるとともに、方向性がより明確になった。
本年度も継続して取り組む予定である。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
本目標は、法人の理念の1つである主体的保育の実現のために必要な事項であるため、本目標の設定は適切と思われる。本園は、認証園から認可園になり、定員の拡大により職員数も増加したため、職員間での意識の共有は非常に大切なことと考えられる。なお、すでに法人内に主体性保育を具体的に進めている園も複数あるため、その辺もある程度参考にしつつ、日本橋園独自の良さを引き出すことの出来るような保育が出来れば良いと考えられる。 
  評価項目2 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 前年度は、他園との交流について取り組むことを位置づけた。
しかし、計画策定時点では、他園との交流は計画策定から始める必要があったため、この時点では区のバスを借りて少し遠いところまで散歩にいく等、子どもの活動範囲の拡大にはつなけたものの、交流は準備を進めてきた段階であるが、年度末にはコロナ禍の問題が出てきたこともあり、交流の実現までは至らなかった。
なお、本年度はコロナ禍の影響を受け、交流が非常に難しい状況であるが、計画としては引きつづき位置づけ、コロナ禍の推移を見ながら実現に向けて取り組む方向である。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標が設定されていなかった
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
本園は、法人内では他の園とはいずれも離れており、近隣園との交流を深めるというテーマ設定は適切である。一方、他の園との交流は、散歩先等でのちょっとした交流はあるものの、具体的にどこかの園と行き来した交流になると、年単位の準備が必要である。また、本年はコロナ禍の影響を受け、園の交流は難しい面もあるが、引き続き準備を進めることが期待される。 

Ⅵ サービス提供のプロセス項目(カテゴリー6)

カテゴリー6 サービス提供のプロセス
  サブカテゴリー1 サービス情報の提供
  評価項目1 利用希望者等に対してサービスの情報を提供している 実施状況
  標準項目1 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  標準項目2 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  標準項目3 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  標準項目4 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
講評
本年度、園のホームページを更新し、より見やすい内容とした

本年度は、園のホームページを大幅に更新し、提供する情報をよりわかりやすく整理を行った。その中で、本園(あるいは本法人)に預ける9つのメリットの記載などを加えたことで、園の特徴がより明確となっている。その他には、紙媒体の園のパンフレットも用意されている。パンフレットには1日の流れ等が記載されている。あわせて、区で作成している保育園ガイドにも掲載されている。

見学はコロナ禍の状況を考慮して、短時間で実施している

園見学については、コロナ禍の影響を受けて、比較的短時間での実施となっている。見学にあたっては、園長が園内を案内し、必要な説明を行っている。日時は、園の予定とも整合をはかりつつ、調整している。見学にあたっては、出来るだけ入園後のイメージがしやすいよう、子どもの活動場面を見てもらうよう可能な範囲で調整している。

欠員がない場合は事情を説明し、区の保育情報を知らせている

入園希望をしながら欠員がない場合は状況を説明し、区の保育施設の情報を提供するなど、法人で実施しているベビーシッターの情報や、他のサービスの情報も必要に応じて提供している。なお、園の空き情報や、現在の職員数は毎月区に報告を行っている。空き情報については区のホームページにて開示している。


  サブカテゴリー2 サービスの開始・終了時の対応
  評価項目1 サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている 実施状況
  標準項目1 サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
  標準項目2 サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目3 サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
  評価項目2 サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 サービス開始時に、子どもの保育に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  標準項目2 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように配慮している
  標準項目3 サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
講評
入園前に重要事項説明書に基づき、面談を行い保護者の同意を得ている、

入園の前の面談は園長があたり、丁寧にサービス内容を説明し、保護者の意向を聞き、入園面談表に記録している。入園のしおり(重要事項説明書)により個別に丁寧に説明し、わからない点を質問してもらっている。契約時の特徴としては両親がいる場合には同席を依頼している。両親の都合の良い時間に合わせ、内容を説明し、理解・同意を得た上で、両親の署名捺印をもらっている。

慣れ保育は、子どもの状況を見ながら無理なく慣れることができるよう配慮している

慣れ保育にあたっては、最初に保護者の方に家庭での生活状況や成育歴を児童票に記載してもらい、入園前に職員が子どもの様子を把握した上で、1,2歳児の場合には、おおむね2週間をめどとしつつ、子どもの状況等により期間を調整している。また、家庭で子どもが使っているタオルは持ち込みができるが、おもちゃは安全面を考慮して断っている。

子どもの状態は、児童票を含む関係書類をまとめたファイルに記載している

子どもの状態や要望等については、入園面談表に記入し、児童票や各種関係書類と一緒に、1冊のファイルに綴じて保管している。そのため、ファイルを閲覧することで、担任などがその子どもの状況を理解できるようになっている。また、退園時には、園で相談を受けることができることをつたえ、昨年までは卒園した年度の次の夏祭りに招待していたが、今季はコロナ禍の影響で見合わせている。


  サブカテゴリー3 個別状況の記録と計画策定
  評価項目1 定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している 実施状況
  標準項目1 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
  標準項目2 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  標準項目3 アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
  評価項目2 全体的な計画や子どもの様子を踏まえた指導計画を作成している 実施状況
  標準項目1 指導計画は、全体的な計画を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
  標準項目2 指導計画は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化に即して、作成、見直しをしている
  標準項目3 個別的な計画が必要な子どもに対し、子どもの状況(年齢・発達の状況など)に応じて、個別的な計画の作成、見直しをしている
  標準項目4 指導計画を保護者にわかりやすく説明している
  標準項目5 指導計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  評価項目3 子どもに関する記録が行われ、管理体制を確立している 実施状況
  標準項目1 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  標準項目2 指導計画に沿った具体的な保育内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
  評価項目4 子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している 実施状況
  標準項目1 指導計画の内容や個人の記録を、保育を担当する職員すべてが共有し、活用している
  標準項目2 申し送り・引継ぎ等により、子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
講評
子どもの心身、生活状況を記録して職員に周知し、保育に当たっている

子どもの心身の状態は、法人共通の様式により連絡帳・健康記録表・保育日誌・個人記録・児童票等に電子機器を活用して記録している。毎朝受け入れの際、電子機器に表示される連絡帳を確認し、検温・視診を行い所定の書式に記録している。朝の受け入れの際の健康状況、伝達事項は、電子システムのソフトを活用して、職員間で共有をしている。あわせて、職員間での連絡事項は、電子媒体の伝言機能を利用して情報共有をしており、確認した人はサインをするようになっている。

1年を4期に分けた指導計画を立案している

園の全体的な計画を踏まえて、1年を4期に分けた計画を電子機器を活用して立案している。保育計画は週・月・期・年毎に見直し、次の計画に活かしている。また、計画の内容は、毎週の主な内容をわかりやすくしたものを玄関に掲示して、保護者が確認できるよう工夫している。あわせて、電子機器を活用して、連絡帳でのやりとりや、その他保護者からの意見を受けられるよう改善された。

クラスの保育計画については、一人ひとりの子どもの状況を勘案して立案している

各クラス担任が月案、週案を計画する際には、年度計画等を参考にした上で、一人ひとりの子どもについて検討を行い、計画策定を行っている。また、子どもの状況等に変化があった場合には、適宜計画の見直しを行うことで、子どもの状態に合わせた内容に変更している。変更した計画は職員間で共有している。


  サブカテゴリー4 サービスの実施
  評価項目1 子ども一人ひとりの発達の状態に応じた保育を行っている 実施状況
  標準項目1 発達の過程や生活環境などにより、子ども一人ひとりの全体的な姿を把握したうえで保育を行っている
  標準項目2 子どもが主体的に周囲の人・もの・ことに興味や関心を持ち、働きかけることができるよう、環境を工夫している
  標準項目3 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう配慮している
  標準項目4 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
  標準項目5 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
  標準項目6 【5歳児の定員を設けている保育所のみ】 小学校教育への円滑な接続に向け、小学校と連携をとって、援助している
講評
子どもの全体的な姿を園と家庭の両面から把握し、日々の保育に活かしている

子どもの成育歴や家庭状況等を児童票に記入してもらい、入園時個別面談では丁寧な聞き取りをしている。入園後は連絡帳で体温や排泄、食事、子どもの様子を把握するなど、子どもの生活状況や発達の過程、健康状態を把握している。職員は子どもの姿を様々な角度から捉え、今後の育ちを見通し、安全で主体的な遊びや生活が展開できる環境を整えることに力を入れている。1歳児は月齢の差が顕著であり、2歳児の発達や個性の違いなども的確に把握し、各保育室ではコーナーを充実させるなど子どもの成長をきめ細かく見ながら丁寧な保育に取り組んでいる。

異年齢の交流や英語遊びなど多彩な活動で、主体的に活動できる環境を整えている

異年齢の交流も大切にしており、同じ空間を過ごすことで関係が成り立ち年下の子どもが年長児を真似たり、年長児が優しく接して見本を示すなどの姿が見られている。日本の伝統文化を伝えると共に、3、4、5歳児の英語遊びの時間では、カリキュラムに沿って季節行事を祝い、英語の歌を歌い、挨拶を覚えたりして外国の文化や言葉に触れている。保育目標に「進んで活動する子ども」「感性豊かな子ども」等を掲げ、レイアウトに気を配り、読み書きや文字、数字に興味を誘う掲示で、自分からやってみたい、知りたいと思う気持ちが高まるようにしている。

配慮が必要な子どもについては専門家の助言を受け、共に成長できるように支援している

配慮が必要な子どもについては区の専門指導の巡回相談に繋げ、行動の意味や理解の仕方、関わりについて助言を貰い保育に活かしている。発達面で気になる子どもにはクラス活動に無理なく参加できるように配慮し子ども同士で発達や個性の違いを認め合って、育って行けるようにしている。集団の中では、自己主張や友達への関心がトラブルに繋がることを職員が理解しており、事前に双方の思いを受け止め、仕草や言葉で伝えることを知らせたり、自分たちで解決するように仲立ちしている。相手の気持ちに気づき、思いやる気持ちが育つようにしている。

  評価項目2 子どもの生活が安定するよう、子ども一人ひとりの生活のリズムに配慮した保育を行っている 実施状況
  標準項目1 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
  標準項目2 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう援助している
  標準項目3 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
  標準項目4 降園時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
講評
子どもの様子については登降園時に直接保護者に確認し、体調等を伝えあっている

登園時は子どもの健康状態を含め、気になる点について口頭で確認し、保護者の申し出等は「健康記録表」に記入している。職員はこのシートの記載事項を確認すると共に、口頭でも引き継いで情報を共有している。1、2歳児の健康記録表には契約時間、登降園、検温、食事、おやつ、午睡時間、排便、散歩、薬、備考欄があり、丁寧に記録している。4、5歳児の健康観察表には伝達事項として「本日の活動フルーツバスケット、散歩〇〇公園、固定遊具と縄跳び」等活動を記入し、降園時には担任または引き継いだ職員が、保護者に漏れなく正確に伝えている。

家庭と連携し、基本的な生活習慣を無理なく身につけることができるようにしている

年齢や月齢、発達に応じて基本的な生活習慣の大切さを伝え、無理なく身につくように取り組んでいる。援助方法や声掛けに工夫し、規則正しい生活から子どもたちの生活リズムの安定を目指している。食事の机と椅子は子どもの成長に合わせて設置し、食器を持ってスプーンや箸で自分で食べ、幼児食まで段階を踏んで食べられる範囲を増やしている。排泄も家庭と連携し、個人差に配慮し、間隔や仕草でタイミングを捉えながら自立に繋げている。4、5歳児では、自分の生活に見通しを持って、物事に主体的に取り組む力を身につけた頼もしい姿が見られている。

子どもの年齢や体調等に考慮し、必要な休息や睡眠が取れるようにしている

1、2歳児は布団で、3、4、5歳児は簡易ベッドを用意し、各年齢に応じた休息や午睡を取っている。1歳児は午前中にも必要に応じて睡眠が取れるようにしており、4、5歳児は個々の生活リズムや体調に配慮して、疲れが取れるようにしている。早く目ざめた子どもは静かな遊びをして体を休めるなど、午睡時間は個人差があることも配慮して、一人ひとりに合った休息を考えている。保育室には空気清浄機と加湿器を置き、ロールカーテンを下ろし室温を管理し、午睡環境が快適になるように職員が気を配っている。

  評価項目3 日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している 実施状況
  標準項目1 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
  標準項目2 子どもが、集団活動に主体的に関われるよう援助している
  標準項目3 子ども一人ひとりの状況に応じて、子どもが言葉による伝え合いを楽しみ、言葉に対する感覚を養えるよう配慮している
  標準項目4 子どもが様々な表現を楽しめるようにしている
  標準項目5 戸外・園外活動には、季節の移り変わりなどを感じとることができるような視点を取り入れている
  標準項目6 生活や遊びを通して、子どもがきまりの大切さに気付き、自分の気持ちを調整する力を育てられるよう、配慮している
講評
集団活動や一人遊びなど、多くのプログラムに子どもが自ら取り組める環境を整えている

子どもが好きな遊びを見つけて遊べるように、手の届くところに絵本やブロック、知育玩具、ままごと道具、文具類など年齢に応じたものを置いている。棚にカゴを並べ種類ごとに整理して置き、遊びやすく元に戻せるようにしている。職員が子どもの興味や発達に合わせて環境を見直し玩具の入れ替えをして興味を誘っている。職員手作りの玩具も多く、ままごとやブロックのコーナーを設けている。数や文字遊び、外部講師の体操と英語遊びに取り組むなど、子どもたちが体験を増やしいる。制作や遊戯を皆ですることで苦手な事にも興味が持てるようにしている。

子どもの発信を丁寧に聞きとり、豊かな表現活動で言葉の感覚を養えるようにしている

子どもたちは音楽に合わせた表現遊びや季節に因んだ制作・描画、今月の歌など様々な表現活動に取り組んでいる。お店屋さんごっこなどの模倣遊びで人と言葉、物の関わりも学んでいる。職員は子どもが発する言葉や仕草を見逃さず、言葉を遮らないことや否定的な表現をしないことを申し合わせている。保育室に年齢に応じた絵本を用意し、子どもの興味に合わせて読んだり、日常会話や歌遊び、手遊びをしながら言葉の感覚を養っている。子どもたちは思いを言葉で伝え、相手の言葉を聞き、話したり伝え合う楽しさを知り友達とのかかわり方も学んでいる。

屋上遊びや多彩な戸外活動で、自然に触れて季節の変化を感じる機会を大切にしている

日本橋のオフィスビルの中に位置する園は、多彩な戸外活動を計画に入れ子どもたちが自然に触れ季節の変化を感じることができるようにしている。どのクラスも目的に応じて公園散歩に出かけており、動植物に興味を持ち春夏秋冬、季節の訪れを感じている。地域性を活かして季節ごとの店舗のディスプレイを楽しむこともある。公園ではアスレチックや気に入った固定遊具で身体を動かしルールのある遊びを楽しむこともある。葉や木の実を集めて持ちかえり制作に使っている。日当たりの良い広々とした屋上は、外気浴や夏のプール遊びに最適となっている。

  評価項目4 日常の保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している 実施状況
  標準項目1 行事等の実施にあたり、子どもが興味や関心を持ち、自ら進んで取り組めるよう工夫している
  標準項目2 みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
  標準項目3 子どもが意欲的に行事等に取り組めるよう、行事等の準備・実施にあたり、保護者の理解や協力を得るための工夫をしている
講評
日々の保育として多くの日本の伝統行事や文化に触れる取り組みをしている

行事企画では、なぜその行事を行うかを職員間で話し合い、日々の保育で子どもたちから出た意見や、子どもの興味、関心の深いものからヒントを得て行事に盛り込み子ども自らが進んで取り組めるようにしている。日本の四季の行事や文化の伝承に力を入れ、お正月遊びでは、皆で作った袋ダコを広い公園に行って揚げ、昔遊びとしてコマ回し等を楽しむなど準備を進めている。豆まき、ひな祭り、七夕、十五夜などでは行事に因んだ歌を唄い、制作に取り組んで気持ちを高めている。訪問調査時も節分のための鬼づくりに熱中する子どもの姿を見ることができた。

工夫を凝らし様々な形で行事を企画し、クリスマス会等みんなで一つの物を作り上げた

コロナ感染症の影響により一堂に会しての行事は困難な状況となり、園内で検討を重ね、時期や開催方法にアイデアを出し合って実施した。運動会はクラスごと行いDVDにして貸し出しをした。ハロウィンはダンスパーティーとして楽しんだ。クリスマス会は、子どもたちの日頃保育の発表の場として是非とも実施したいと考えた末、保護者は入れ替え制を敷いて見てもらった。動物に変装したり、手話の歌やジングルベルなどの歌と合奏でクリスマスの雰囲気を味わい、4、5歳児はそれぞれ創作劇を演じ、やり遂げた姿を見てもらい達成感と自信につながった。

園の行事に保護者の理解や協力を得られるように、様々な工夫をしている

毎月の誕生会は、誕生月の子どもの写真とコメントを掲示し、誕生月の子どもにカードを渡し、手作りの果物いっぱいのチョコレートケーキなどを用意し、シルエットクイズやスケッチブックシアターなど職員の出し物で祝う家庭的な会となっている。年度の初めに行事予定表を保護者に配付し、行事が近づくと園だよりへの掲載や掲示物で案内している。夏祭りなどの行事は、例年であれば親子が楽しめる企画として保育に取り組む姿や子どもの成長を見て貰う機会になるが、今年は変更を余儀なくされ、保護者会でクラスの様子を写真やビデオで伝えるなどした。

  評価項目5 保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている 実施状況
  標準項目1 保育時間の長い子どもが安心し、くつろげる環境になるよう配慮をしている
  標準項目2 保育時間が長くなる中で、保育形態の変化がある場合でも、子どもが楽しく過ごせるよう配慮をしている
講評
保育時間の長い子どもが安定した気持ちで過ごせるよう環境づくりに配慮している

園の一日は計画に沿ってバランスの取れた流れになっており、静かに活動する時間や体をおもいきり動かす時間、休息の時間などが保育に組み込まれているが、保育時間の長い子どもたちの中には、疲れが出る子どももいる。夕方からの過ごし方は、その日の活動や園児の数にもよるが、17時ごろになると園児が1階の保育室に集まり異年齢保育の時間帯となる。その際に職員は、子ども同士の関わりが密にならないように遊び方にも気を配りながら、子どもがゆったりと過ごせる空間を作り、遊びたい内容を自分で選べるようにするなど、環境づくりに努めている。

異年齢の子どもたちが一緒に過ごす時間は、お互いを刺激し合って学ぶ場となっている

異年齢で過ごす環境は、子どもが一緒に過ごす喜びを感じられるように職員が配慮している。延長保育の時間帯は、同じ年齢のクラス活動とは違った環境となり、子どもたちがお互いに刺激し合う場にもなっている。年下の子どもが大きな子どもの遊びを真似したり、大きい子どもがお手伝い活動の延長で小さい子どもの世話をしたりする姿が見られ、双方にとって良い体験となっている。職員は、横になりたい子どもが休息できる場所を用意したり、膝の上で絵本を読むなど、子どもの気持ちを受け止め、安定して過ごせるようにしている。

  評価項目6 子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している 実施状況
  標準項目1 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
  標準項目2 メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
  標準項目3 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している                                                                                        
  標準項目4 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
講評
季節感のある美味しい食事を提供し、楽しく食べることができるように配慮している

給食は皆で楽しく食べることを大切に考えている。子どもが待つことが無いように配膳を済ませたら自由に食べ始めて良い事になっている。献立は栄養士会の献立チームが持ち回りで作成した2サイクルの物を使用し、旬の食材を取り入れ彩を大切にしている。日本各地の郷土料理や誕生日食や行事食もある。子どもの年齢や体格、手指の発達に合わせたテーブルや椅子、食具を用意している。盛り付けは子どもの意思により食前で少し減らしたり、意欲的に食べて食べきった喜びを持てるようにしている。おしゃべりは控えめにし友達と一緒に楽しく食事をしている。

子どものアレルギーの対応には個別に配慮し、マニュアルに沿って誤食等を防いでいる

フードロスが無いように意識して取り組む法人の姿勢に則り、栄養士は子どもの喫食状況や残食を確認している。アレルギー児の対応は、主治医からの書類の提出により、献立を組み替えるなど除去や代替えで対応している。「乳製品除去献立表」などそれぞれの子ども用に除去食献立表を用意し、保護者と面談して確認している。アレルギ―源が小麦や卵の場合、使用しない献立を工夫したりしており、一緒に給食時間を楽しめるようにしている。マニュアルの手順を職員全員が把握し、専用席とトレーを用意し、重ねてのチェックで誤食等が無いように努めている。

年間活動計画に基づき、毎月全クラスで年齢の応じた食育活動に取り組んでいる

食育目標を「食べることを楽しみ大切にする子ども」と定め、「食材、料理に興味関心が持てる子ども」等5つの力を掲げている。3名の栄養士が中心となって年齢ごとの「食育指導計画」を立案し、年間目標を立て狙いを定めて計画的に食育活動をしている。栽培や当番活動、マナーなどは園長と担任が担当するなど、職員が連携して食育に取り組んでいる。5歳児の食育目標の一つに「調理することの楽しさを知る」を挙げたが、コロナ禍で調理保育は中止となっている。クッキングをテーマにした絵本や、郷土料理、世界の伝統料理を掲示するなどしている。

  評価項目7 子どもが心身の健康を維持できるよう援助している 実施状況
  標準項目1 子どもが自分の健康や安全に関心を持ち、病気やけがを予防・防止できるように援助している
  標準項目2 医療的なケアが必要な子どもに、専門機関等との連携に基づく対応をしている
  標準項目3 保護者と連携をとって、子ども一人ひとりの健康維持に向けた取り組み(乳幼児突然死症候群の予防を含む)を行っている
講評
子ども自らケガや感染症から身を守る意識を持つために、看護師が健康教育を行っている

看護師が健康管理を担当し、手洗いや歯磨きなどの保健指導をしている。毎月の健康教育では子どもたち自ら病気やケガを防ぐことができるように指導している。「事故防止『あぶない!』」をテーマに挙げた健康教育では、粘土製の手や頭の模型をドアに挟んだり、ぶつける場面を再現し、部屋の中を走らない、順番を守る、お友達を押さないなどのルールを確認した。散歩時の横断歩道や信号の渡り方、耳の構造から鼻のかみ方、感染症予防やトイレの使用ルールなど、看護師の健康教育は幾つかのテーマで実施し子どもたちが興味を持ちながら理解を深めている。

定期健康診断や歯科検診、身体計測などで子どもの健康維持に努めている

子どもの健康状態を把握し急な体調変化に備え、それぞれの子どものかかりつけ医を把握している。定期検診、歯科検診を実施し、身長と体重の計測の他、年3回頭囲、胸囲を計測している。入園のしおりには保健衛生のページを設け、園での約束を丁寧に記載して伝えている。薬の取り扱いでは、保育園での与薬は原則行わないことを伝えており、慢性疾患等で継続して服薬が必要な場合に限り、ルールに沿って対応している。他にも登園許可証が必要・不要の感染症の一覧、症状と出席停止期間なども明記し、園内で感染症発生時は掲示することも伝えている。

保護者に乳幼児突然死症候群や感染症の情報を提供し、予防に力を入れている

感染症対策、予防接種など区からの案内等を玄関に掲示して案内し、新型コロナウイルスや胃腸炎など流行している感染症や病気の予防が大切なことを知らせている。「保健だより」「園だより」には季節の話題や家庭で役立つ健康情報を掲載している。看護師が職員と共に感染症対策、熱中症、ノロウイルス等感染症、乳幼児突然死症候群、授乳・離乳食支援、予防接種関連資料などの手順を確認している。玩具の点検と消毒は職員が注意を払っており、看護師が講師となり嘔吐物処理の実践演習をし、嘔吐物処理セットを各保育室に常備している。

  評価項目8 保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して支援を行っている
  標準項目2 保護者同士が交流できる機会を設けている
  標準項目3 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
  標準項目4 子どもの発達や育児などについて、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
  標準項目5 保護者の養育力向上のため、園の保育の活動への参加を促している
講評
職場や家庭など保護者の個別の事情に配慮し、子育てや就労を支援している

遅刻、早退、欠席が前もってわかる時は連絡を貰い登園・降園時間に配慮し、急な残業や土曜保育の依頼も個別の申し出を受け対応している。保護者の就労状況を把握し、意向に沿えるようにしている。送迎時の保護者との会話や個人面談等で話す機会を持ち相談にも応じている。数年前の認証保育所時代から継続して利用の保護者は園に馴染んでいるが、建物の構造上、1階から3階までに各保育室が、4階に園長が机を置く事務室があり、保護者とのコミュニケーションも取りづらい状況にありますが、保護者の少しの変化にも気づいて声をかけるようにしている。

保護者同士が交流する機会を作り、子どもの様子を伝えて理解を深めている

実施予定だった保護者同士が交流できる懇談会や保育参観への参加も、コロナ感染症予防で見直しや中止、変更をしている。その中で、クリスマス会は参加の保護者を入れ替え制で招待したため、保護者間で交流が生まれた。関心の高い給食については当日の給食をサンプルケースで紹介している。行事や日々の保育は、連絡帳やホワイトボードへの記入、写真掲示、DVDの貸し出しなどで伝えている。園は、更に活動に取り組む子どもの姿勢や、エピソードを伝え、成長した喜びを保護者と共有したいと考えており、その具体的な方法については現在検討中である。

意見要望の言いやすい環境づくりなど、保護者との信頼関係の構築に取り組んでいる

コロナ感染症予防で保育室への入室制限をしたり、保護者会、懇談会の開催も難しくなる中、園長はじめ職員は保護者との会話を大切にし、個人面談の開催で保護者の意向を確認している。例年の個人面談では基本的な生活習慣や、偏食などの食の課題、交友関係や就学など保護者が気がかりに思っていることや、家庭での様子、園での様子を伝え合う機会となっており、保護者の要望を聞き相談しやすい環境を作り、意見・要望には速やかに返事を出している。運営委員会で意見を収集し、保護者アンケートを実施し集計分析結果を保育に反映させている。

  評価項目9 地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている 実施状況
  標準項目1 地域資源を活用し、子どもが多様な体験や交流ができるような機会を確保している
  標準項目2 園の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
講評
毎日の散歩やバス散歩など、地域資源を活用し子どもたちが豊かな体験をする機会がある

子どもたちは天気のいい日には毎日散歩に出かけ、出会う地域の人に挨拶をしている。ビルに囲まれた園であるが、散歩先の公園は数多くあり、子どもたちは園外保育を楽しんでいる。昨年秋の「バス散歩」は職員5名と子どもたち18名で大きな運動公園に出かけた。公園周辺の散策をテーマに実施したが、当日はあいにくの雨となってしまい、行事の進行に工夫を凝らしての実施となった。子どもたちは、雨の中、カッパ着て公園内を散策し園外保育の楽しさを満喫した。職員会議では行事反省として職員が意見を共有し、次の企画に活かそうと考えている。

地域との積極的な交流は、今後積み重ねていきたいと考えている

地域の子育て家庭の支援等、園の資源の活用については、開設から日が浅い事もあってその実現が今後期待されている。保育士、看護師、栄養士等の専門職が勤務しいる園として、地域の子育て世代の相談にも乗っていきたいと考え可能性を探っている。5歳児の就学に向けての取り組みでは、就学先が同じ他園の園児との交流企画などが予想され、地域行事への参加や高齢者施設との交流なども企画したいが、コロナ感染症対策の徹底や、オフィスビルに囲まれた立地の問題で困難も伴っている。今後の取り組みへの工夫や検討が期待される。


  サブカテゴリー5 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
  評価項目1 子どものプライバシー保護を徹底している 実施状況
  標準項目1 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目2 子どもの羞恥心に配慮した保育を行っている
  評価項目2 サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している 実施状況
  標準項目1 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
  標準項目2 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した保育を行っている
  標準項目3 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
講評
プライバシーの保護については保護者の同意を得て実施している

個人情報や写真撮影の取扱いについては入園時の説明会で重要事項説明書に基づき、いくつかの段階に分けて、保護者の方はどこまで公開して良いかを選べるような書式にて同意書にサインをいただいている。トイレ、シャワー室、おむつ交換台は、プライバシーが十分確保された空間に配置されており、利用にあたってはドアを閉めるなど配慮している。衣服の着脱の際には全裸にならないように着替えるように指導している。

虐待防止マニュアルの確認や、研修に参加して虐待の早期発見、防止に努めている

虐待防止や育児困難な家庭への支援には、研修や勉強会に参加し理解を深めている。研修は常勤、非常勤を問わず、全職種の職員を対象とし、研修後は資料を回覧し、知り得た情報を職員会議等で全職員に周知し、共有している。法人の保育マニュアルの中に虐待防止マニュアルが整備されており、期毎に確認をしている。虐待を疑われる場合には、「虐待早期発見チェックリスト」に記入し、防止する体制ができている。また、個々の職員については、「保育士チェックリスト」に基づき、年4回確認を行い、園長と年2回の面談を行うなどしている。


  サブカテゴリー6 事業所業務の標準化
  評価項目1 手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  標準項目2 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  標準項目3 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
  評価項目2 サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  標準項目2 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている
講評
各種マニュアルは事務室内に保管し、活用できるよう整備されている

法人の本部が定める各種のマニュアルが事務室に整備されている。保育マニュアルには健康管理及び衛生管理、安全管理、虐待防止、苦情処理マニュアルを含み、ボランティア受け入れマニュアルも整えられている。各種マニュアルはわからないことがあった時、直ぐに活用できるよう1つのファイルにまとめられている。

マニュアル等は保護者、職員の意見を取り入れ、見直しを行い次の計画に反映させている

毎月の職員会議は施設長会議の後に開催し、会議での決定事項や経過をしっかり伝え、全職員が共通の理解をし、マニュアル等も周知、徹底し保育に反映している。マニュアル等は期毎に職員と見直し検討後、施設長会議で検討し、決定している。保護者等からの提案等は運営委員会や保護者アンケート、個人面談等、電子媒体による意見提出等により意見・要望を聞き、職員は日々の生活で気づいた時に、進言したり、職員会議で意見を挙げている。

コロナ禍に応じたマニュアルの周知を行っている

マニュアルのうち、嘔吐処理マニュアルのように、実践での体験もしないとむずかしい事項については、コロナ禍の前までは実践的なシミュレーションを行ってきたが、今年はコロナ禍ということで、法人内の認可園の看護師が動画を作成し、法人本部を経由して、各園にその動画を配信し、それを職員が閲覧するという形に変更するなど、コロナ禍の影響を受けて手法の改善を行っている。