東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

法人が目指していることや大切にしていることは、マニュアル「ビーフェアの保育」やハンドブックに記載し、新入社員研修でも活用、全体研修では理念を唱和し、法人代表の動画も視聴、年２回の自己評価で理念の理解度を確認している。特に、今年４月開園の当園は、開園前の３月にも理念や方針を伝えている。保護者に対してはホームページやブログを通して理念や方針、園の特徴を紹介している他、開園の際は新型コロナウイルス（以下、コロナ）の影響を踏まえて開園挨拶の文書を配布し、理念や方針、力を入れて取り組むことについて施設長が伝えている。

当法人では、ブロック長やグループ長が様々なプロジェクトに従事して法人全体を運営しながら担当園を巡回し、新任の施設長を補佐することで経営層としての役割と責任を果たしている。当園においてもブロック長が施設長代理で施設長会議に参加し、内容を園の職員にフィードバックすることもあり、職員から様々な相談を受け、助言もしている。また、施設長や副主任はビジョンの理解やリーダーシップ等の職務要件を定めている。職員アンケート調査では、経営層に対してさらなるリーダーシップを求める声も寄せられており、今後の取り組みに期待したい。

重要案件は法人保育事業部の部経営会議や施設長会議等にて決定し、内容は毎月の職員会議や毎日の昼礼等にて周知している。今年度は特に、コロナの影響により、職員に対しては緊急事態宣言下における勤務体制や給与の取り扱い、陽性者等が出た場合の対応方法や出勤可否判断等についての様々な通達を周知している。保護者に対しては、コロナ対応や本社移転等についてホームページに掲載、園では４月に年間行事予定表を配布した他、予定していた保護者会はコロナの影響で中止とし、重要事項を園内掲示、園だより等の文書配布、一斉メールにて伝えている。

園を取り巻く環境について、保護者の意向は法人が実施する年１回のＷＥＢアンケート調査や第三者評価の無記名アンケート調査で把握し、職員に対しては従業員満足度調査にて、法人の運営や社内制度等に対する意向を把握し、課題を抽出している。保護者及び職員への独自の調査は集計結果を分析し、翌年度の全体研修の際に職員に解説している。地域や福祉の現状は、区の園長会への参加を通して把握している他、法人として全国に多くの認可・認証及び小規模保育園を運営していることから様々な福祉業界の情報を把握し、課題を抽出している。

法人では中長期の課題を踏まえた３カ年の中期経営計画を作成し、「量的拡大から質的向上・付加価値重視へ」を掲げ、その内容を年及び月単位に落とし込み、具体的施策を明示のうえ、毎月検証して重点項目シートとして活用している。また、法人全体の会議・研修の年間計画も作成し、計画に基づいた人員配置や予算配分を行っている。園では全体的な計画に基づいて指導・行事・保健・食育・防災計画の他、知育やイングリッシュタイムについても年間計画を作成、行事担当表も作成して行事担当や備品・消耗品、苗の管理、写真等の役割分担も設定している。

計画の着実な実行のために、毎月の会議では保育だけでなく、知育やイングリッシュタイムについても進捗状況を確認、また、調理や看護師、副主任等、様々な立場から計画の進捗状況を確認している。特に開園初年度であるため、その都度振り返って今後どうしたいのかを再確認し、職員の意見・意向も把握しながら進めている。知育も知育会議を開催したり、専用のシートを活用して毎月計画的に進めている。今年度はコロナの影響でスイカ割りや七夕集会等は中止とし、個人面談は来年度４月に実施予定であり、必要に応じて計画を随時修正している。

社会人として守るべき法・規範・倫理については、「ビーフェアの保育」に保育士としての心構えや専門職としての姿勢等を記載のうえ、不適切保育防止のセルフチェックを実施し、気付きを活かしている。また、全体研修でも虐待防止マニュアルや全国保育士会倫理綱領を確認、虐待防止の事例検討も実施し、保育所保育指針の読み合わせも行っている。さらに、今年度は緊急事態宣言下の自粛期間中に、保育所保育指針の改定ポイント、危機管理、服務規程、知育プログラミング等のマニュアルについても再読理解を深めている。

苦情相談先は、入園時に説明しており、第三者委員を選任、玄関にも掲示している。保護者の意向を把握する機会としては、連絡帳や登降園時の会話、個人面談があり、今年度は第三者評価の無記名アンケート調査を実施、今後は保護者会や運営委員会、保護者参加行事終了後のアンケートも実施予定である。今回の無記名アンケート調査で寄せられた要望に対しては、園として対策を協議している。多くの保護者が園の対応に満足しているものの、さらなる満足度向上と信頼関係構築に向けた取り組み及びアンケート調査の保護者へのフィードバックを期待したい。

園の透明性を高める取り組みとして、まだ開催はないものの第三者委員や保護者代表を含めて運営委員会を設立、ブログでも園の活動を紹介している。実習生やボランティアは、施設長が担当者となって受け入れ体制を整え、今年度は実習生２名を受け入れている。地域貢献については、開園初年度でコロナの影響もあるため、具体的な貢献活動の実施には至っていない。園としては、高齢施設との交流や園庭開放等を検討しており、実習生やボランティアの受け入れを含め、今後さらに保育の機能や専門性を活かした具体的な活動の展開に期待したい。

事故防止について、散歩の際はチェック・点検をし出発時や帰園時の人数確認等を実施。散歩マップを園内に掲示している。また、事故事例の集計分析を実施、他園の事故事例も参考にして再発防止に努め、安全目標として「見てる？書いてる？伝えてる？」を掲げ、ヒヤリハットへの意識も高めている。災害については防災計画に基づいて毎月避難訓練を実施し、ハザードマップも確認、防犯訓練も計画に位置付け、合言葉を確認している。災害時の緊急対応マニュアルはあるが、今後は通常の保育が実施できないことを想定した事業継続計画の作成にも期待したい。

コロナ対策としては、法人本部で対策本部を立ち上げ、陽性者や濃厚接触者が出た場合の園及び本社の対応方法及び緊急事態宣言下の勤務体制等について協議し、職員に伝えている。また、職員は出勤前に各自検温のうえ出勤及び退社時に健康チェックリストに体温を記載、保護者にも検温実施と玄関での送迎に協力を依頼している。さらに、保健所等の関係機関とも連携、職員体制も随時見直し、マスクや消毒液等の必要備品については園独自で必要数を確保するだけでなく、法人としても備え、補充できるようにしており、必要なリスク対策を講じている。

情報管理について、書類は会議録、児童票等、種類別に適切にファイル管理している。また、就業規則や各種マニュアル、帳票類は法人内でネットワーク管理し、事故事例も集計して活用、連絡帳や出欠席管理もデジタル化し、本部がバックアップ及びセキュリティー対策を講じ、園でもアクセス権限も設定している。個人情報については、ホームページに個人情報保護方針を明示、保護者による園内撮影は不可とし、写真購入はインターネットを活用して外部へ委託、ブログ等への写真掲載については入園のしおりに記載のうえ入園時に説明、了解を得ている。

採用についてはホームページで求める人材像を示し、会社説明会と個別面接の日程も随時更新、直接エントリーも可能で、スタッフブログやＳＮＳも活用、面接は施設長やグループ長、ブロック長が実施して園が求める人材確保に取り組んでいる。人員配置について、開園初年度は未経験の職員も多いため、今後は適性を見極めながら決定していく予定である。また、職員の希望や将来の育成等を踏まえ、法人内の他園へ異動することもある。なお、ネイティブスタッフも保育の現場に入り、派遣職員からパートへの切り替えも可能である。

キャリアパスについては都のキャリアアップ研修を活用しており、法人としても副主任対象の副主任研修を実施、今年度は自園の保育を自分の言葉で語れる力を養っている。職員育成については、コロナ禍で外部研修受講が難しい中、まず施設長会議にて施設長が研修を受講し、園内にて職員に内容をフィードバックして共有化、職員の質の向上に繋げている。また、法人では全体研修、園内でも嘔吐処理研修を実施しているが、外部研修は受講実績が少なく、今後は職員一人ひとりの希望や課題を踏まえて計画的に受講し、育成に繋げていくことを期待したい。

職員の意欲向上に向けて、地域・資格取得手当、産休・育休制度等の福利厚生制度がある他、休憩時間は１時間確保、自治体の家賃補助等も活用し、懇親会費用の補助や社員旅行もある。また、毎年従業員満足度調査を実施して職場環境や社内制度等への職員の評価を確認、目標管理シートでもやりたい仕事や自分の３年後・５年後・10年後の希望を確認し、目標管理制度に基づいて年２回個別面談を実施している。今後は、まず職員の定着及び経営層と職員とのコミュニケーションを図り、さらなる信頼関係構築に繋げていくことを期待したい。

開園説明会で京進の長年の知見・経験・ノウハウを集約したオリジナルプログラムの「English　time」と「知育タイム」を紹介し空間認識、言語、数的思考の能力を取得する「臨界期」の考え方を、４歳・５歳児を対象としたプログラミング教育の考え方を説明している。情報は、法人ホームページとリンクした園ホームページやブログ、入園のしおりを整備、園の概要、アクセスマップやブログで園の様子（園庭や滑り台等の遊具、ネイティブスタッフによるEnglish　time、知育タイム、自園調理、静と動の遊びや製作）を紹介している。

区の子育てサイトおよび区の保育園の利用調整に提供の他、園長会に出席（５月からはメール及び資料にて）、区の新設保育園への説明会、コロナ対策、熱中症予防対策をはじめ三人乗り自転車購入助成金や就学にむけた４・５歳児向けの生活習慣カレンダー等、子どもや保護者を取り巻く最新の情報共有、巡回指導等の関連機関との連携がある。又ブロック長と連携し法人の動向や他園の状況の把握をし園の保育に活かしている。毎日の散歩では職員は積極的に行きかう方々と挨拶、子ども達も挨拶、地域の中での保育園の活動、存在感のアピールに取り組んでいる。

本部ではホームページの内容や空き情報の更新を迅速に実施している。園は見学を中止。ブログで園紹介、電話対応をしている。区内同時開設の姉妹園の開園説明会での保護者アンケートでは「両親だけでは足りない部分をサポートしてもらえると感じた」「ネイティブスタッフが直接レッスンをしてくれるのはよい」等の声が寄せられている。入園希望の方は秋頃から問い合わせがありEnglish　timeや知育の内容、合同保育かクラス別か等の質問がある。資料送付の他、園の雰囲気だけでもという方にはエントランスでの対応等個別の状況に応じている。

入園の内定後に保護者に電話し入園書類一式を郵送、３月に開園式をクラス毎に実施、施設長が親子面談を実施している。重要事項説明書や入園のしおり、契約書類一式は事前に確認して頂き、押印、面談時迄に提出頂いている。記入頂く書類の不明点や質問には丁寧に回答している。親子面談時には基本情報（連絡票、家庭票、児童票、入園迄の生活状況、コドモンアドレス等）の確認と同行の子どもの園での様子や遊びを見守りながら入園直近の様子を確認、保護者の意向を児童票に記しアレルギーや熱性けいれん等の個別管理の把握をしている。

慣れ保育は概ね１週間としているが目安として食べる、飲むを子ども別に判断、保護者の意向にも合わせ期間を取っている。寝つきが悪い、馴染みのハンドタオル、好きな玩具や歌等を聞き、０・１歳児は担当制で、慣れ保育期間中に子ども自身が担当からの声掛けや抱っこ等で家庭と違う認識を持ち新しい経験を重ねる期間、保護者が園との連携を生活パターンとする期間と出来るよう取り組んでいる。転園の子どもには年齢に応じて１日目は半日、２日目は17時迄、その後通常保育、状況を連絡帳や口頭、電話等で保護者と連携を密にしている。

５歳児の受け入れがなく来年度で幼保小連携への取り組みを予定している。知育による成長の成果の可視化が確立しており２月に乳児の成長を祝う会として０歳児は名前を呼んでお返事、１・２歳児は知育の時間やEnglish　timeの時間の様子をiPad（動画）で保護者に見て頂ている。４歳・５歳児にプログラミングを実施、夫々月１回と月２回としている。５歳児の後半から午睡時間には絵本読みや製作等のワークを実施予定で子ども自身の能動的な取り組みを尊重している。保護者には担当から区からの就学の相談会等のちらしをお届けしている。

入園時までに提出を頂いた基本情報の他、親子面談の折での子どもの様子を感じながら、発達チェック表（子どもの発達と保育者の援助者の確認項目）に基づき課題を明らかにし月案および乳児には個別月案を作成している。園での月案に基づく子どもの発達の姿、過程を日々の保育で理解・確認し保育日誌に記し、保護者とは連絡帳等で情報共有している。どのような遊びや生活自立の促しが必要かなどを確認、次への方向性を見出す取り組みをしている。独自の知育指標（こくご、巧緻性、さんすう、せいかつ）で知育の見える化を図っている。

保育所保育指針にもとづき、ブロック長とも方向を合わせ園で作成、全職員に周知している。全体的な計画、食育計画、保健計画、年間指導計画（クラス単位）、月案（クラス単位、乳児は個別）に落とし込み、週案（クラス目標）を作成している。月案はクラスで昼礼やクラスミーティングを実施・作成、施設長は全クラスの月案を確認し副主任と連携している。月案の見直しはクラス及び職員会議で評価と反省、課題の記録をし全員で振り返っている。職員会議には栄養士、看護師も参加している。保護者には連絡帳や送迎時に子どもの見通しを伝えている。

子どもの記録は申し送り表（早番、遅番、中間での連絡等）や連絡帳、各種日誌、児童票や各会議録等で記録の整備をしている。昼礼を実施しておりクラスから１人が参加、各クラスに連絡ノートで連絡、早番・遅番で気がかりなことやヒヤリハット等を含め日々のことは全職員で周知している。職員は出勤時と退勤時に申し送り表、昼礼ノート、共有ノートの確認をしている。職員体制は施設長、副主任、各クラスには常勤職員を配置、毎日の昼礼、月１回の職員会議で情報共有している。栄養士等は隔月でグループの調理会議に参加、食育情報の共有をしている。

園では児童票等で出生から入園迄の健康や発達、家庭環境や保護者の子育て観、好きな玩具や歌等を把握、毎日の登降園時の保護者との対話やコドモンでの情報共有に取り組んでいる。園では家庭との連絡ツールとしてコドモンのアプリを使い家庭での食事内容や睡眠時間、体調管理やケガ等の細かな情報のほか、離乳食の進め方やアレルギー対応など保護者の相談に栄養士が丁寧に応え「小さく刻めば食べてくれる」など家庭での食事の形態や様子をお聞きし園での食事提供につなげている。子どもが安心して過ごせるように子ども全体の姿を捉えている。

園では保育理念である「ひとりひとりを大切にする保育」「主体性を大切にする保育」を大切に、職員一丸となり優しさや慈しむを育てる保育を実践している。０歳児、１歳児、２、４歳児クラスに分かれ発達に合わせた活動を基本に保育、園庭や戸外活動、延長保育は異年齢で過ごす、外国籍の子どもの受け入れ等、年齢による違いや文化、個々の習慣の違いを認めあう機会の中で、他児に優しく関わる子どもの姿が見られ、子どもの世界を広げ豊かな育ちにつなげている。職員は子ども一人ひとりに個々の違いを尊重することを伝え、働きかけている。

園では日々の保育活動の中で縦割りの保育活動を積極的に取り入れ互いの発達の違いを知り、尊敬、慈しむ心を育てている。子ども同士のトラブルは双方の気持ちに寄り添い、相手を思いやる気持ちに気付ける保育に取り組んでいる。２歳児同士が心の行き違いで玩具の取り合いをしている場面では「ちょっと、ちょっと」と４歳児が声を掛け、２歳児に「〇〇ちゃん、待てる」と諭す姿が見られる。互いの違いを知り尊敬の心と豊かな経験につながる支援を行っている。配慮が必要な子どもは区の巡回指導と連携、日々の保育につなげ保護者の支援に努めている。

園では、登園時に昨夜からの子どもの様子や体調を、保護者と対話やコドモン、視診で把握している。視診では子どもの表情や顔色、活気、咳、鼻水を視診して子どもの様子を観察している。休み明けや病後等は過ごし方や経過を詳しく伺い、必要に応じては常駐看護師が丁寧に聞き取り、戸外保育等への参加、午前寝や午睡調整、食事を調整する等、子どもの状況に合わせた保育の提供に繋いでいる。保護者からの聞き取りや視診での様子などはコドモンで確認し、情報共有としている。出勤した職員は必ず確認し情報共有に努めている。

園では職員を手本に挨拶、子どもの発達を見ながら基本的生活習慣の習得に取り組んでいる。０歳児から職員と一緒に腕をまくり手洗い、うがいは２歳後半から、歯磨きは４歳児から取り組んでいる。現在はコロナ感染予防対策で飛沫が飛ばないように配慮し歯磨きは行わずお茶で口中清潔、食事は手掴み、スプーン、４歳児から箸に移行。歩行がしっかりしている、おむつが濡れない、トイレに座っていられる等が見られると０歳児からトイレトレーニングを開始、無理強いはせずに子どもの興味ややりたい気持ちを尊重し、出来たら褒める等で習得に努めている。

園では登園児の保護者からの確認や保育の中での子どもの様子に合わせ休息や午睡は一人ひとりの状況に沿って調整を行っている。０歳児は個々のリズムや午睡寝、いつでも休息が取れる環境を整え保護者からの午睡の調整の相談にも応じ家庭と連携し個別対応で午睡時間の調整や休息を保育の中で取り入れている。体調や家庭の事情にも配慮、眠れないや早く目が覚めた場合等は絵本を読み静かにする、コットにごろごろして体を休める等で対応。現在５歳児はいないが、様子を見ながら4月から午睡時間を調整しワーク等に充てて就学に備える準備を行っている。

園では、クラス別保育を基本に、毎日のEnglish timeの中で、自発性を引き出し、友達との関わりの中で心と体のバランスの良い発達を目指し取り組んでいる。職員は一人ひとりの発達を捉え、集団活動や個々の活動への働きかけを保育計画に盛り込み、日々の保育を実践。園庭で、縄跳びやかけっこ、ボール遊び、室内では跳び箱や平均台、マットを使い、「ここでジャンプ」「GO！GO！」など英語でやり方を説明。４歳児は、年少児の午睡時のシーツを出す、２歳児の心の行き違いの仲裁を行う等、主体的な活動の豊かな発達につなげている。

園では、子どもの身体能力向上、体力増強を目指し散歩や園庭での戸外活動に取り組んでいる。子どもの言葉は職員が見本と捉え、絵本を読み聞かせ、パネルシアター等提供。散歩中には四季の変化や自然の美しさを身体で感じ、散歩時に見つけたどんぐりや落ち葉を持ち帰り、室内でどんぐりのモチーフの制作など静と動の遊びをバランスよく組み合わせ、子どもの主体性を大切に取り組んでいる。朝の会では鈴やタンバリン、カスタネットを使って月の歌の合奏、リズムダンスや手遊び、絵の具、粘土等の造形活動や毎月の制作、創造力の発揮につなげている。

園では散歩や園庭での戸外活動を実施し子どもの成長、発達を意識した活動に取り組んでいる。本年はコロナ感染予防対策として戸外活動はクラス別で実施。散歩先では大型固定遊具を使った遊び等で身体を動かしている。０歳児はバギー、１歳児からお友達と手を繋ぎ、４歳児は２歳児と手を繋ぎ道中では交通ルールを学び、地域で働く人々や近隣住民や他の子どもと自然に触れ合い社会性を身に付けている。戸外の約束、交通ルール、「小さい子をおさないように」で片付ける４歳児の姿、外から帰ったら手洗い等様々な心の調整、ルールを伝えている。

今年度、コロナ感染予防対策として外出、交流行事を自粛し子どもだけでの活動に取り組んだ。開園式から始まり、短冊に「苦手なものが食べられますように」と願いを込め笹飾りを楽しむ七夕、水遊び、お月見、「お菓子探しゲーム」に仮装して参加したハロウィン、特別メニューでのクリスマス会、心の中にいる泣き虫鬼やいじわる鬼を退治した節分、顔はめパネルで写真撮影した雛祭り、成長を祝う会など日本の伝統的な文化を伝える節句を含め多彩に行われている。子どもの興味関心を刺激、子どもが互いに関わり自主性を発揮、様々な行事を行っている。

今年度はコロナ感染予防対策として保護者参加行事を自粛。行事やイベント前にはパネルシアターで気分を盛り上げ行事の由来等を子どもに伝え、導入プログラムでわくわく感で参加。お月見では栄養士が作った団子を見せ「キレイ」「つやつや」など初めて見た子どもが反応、誕生日会では誕生児の紹介、「好きな食べ物」等のインタビューを行い、栄養士がハンバーガー屋さんに扮し工夫、提供。１年目の園で苦慮するところはあるが今後は高齢者施設、八百屋等との交流や買い物体験など子どもがやり遂げる喜びを味わえるような取り組みを今後検討している。

園では保護者と共に、良い想い出に残る年間行事に取り組んでいる。今年度はコロナ感染予防として予定していた保護者会、保育参観、親子遠足、夏祭りなど保護者参加行事を自粛。七夕の笹に親子制作の短冊を飾り付けや園に対するアンケート協力は頂いている。家庭では見せないお友達同士の関わりから成長を実感する日々の取り組み、行事については降園時に口頭でお伝えし、ブログなどで紹介し提供している。また担任がコドモンに写真を掲載し活動報告をするなどコロナ禍で工夫し実践、取り組んでいる。月１回、写真の販売も行っている。

園では子どもが長時間の保育を楽しく、安心して過ごすことを目指し取り組んでいる。17時頃からの合同保育では長時間契約や延長保育等保育時間が長い子どもの気持ちの安定に配慮しながら、保育室でバルーンボールを使って走り回るなどで合同保育を実施。日中の活動と重ならない活動を意識、子どもの好きな曲を流し歌やダンスをのリズム遊び、静かに塗り絵、絵本の読み聞かせ、ブロック、人形や特別な玩具、選択環境を提供している。子どもが保護者のお迎えを安心して待てるよう静動のメリハリをつけた遊びを取り入れ取り組んでいる。

園では子どもの園生活が安心で想い出に残る事を目指し、精神的な安定、園ならではの体験や多彩な経験を提供。２・４歳は縦割り保育として同じ空間で活動。夫々の立ち居地をしっかり受け留め、クラスのお友だちと協力、時には行き違いや仲裁する等、豊かな成長、発達につなげている。４歳児は園のリーダーとして乳児に上手な遊びを教え、甘えてくる乳児を慈しみ、午睡の準備や片付けやお手伝いなど生活自立に取り組んでいる。入園時に保護者から伺った、安心できる抱っこやスキンシップを多めに提供、降園時には保護者に今日、頑張った事を伝えている。

園では子どもが様々な体験を通して楽しみながら寛げる園生活を目指し取り組んでいる。常に温・湿度管理を行い、夏や冬の厳しい環境の季節には特に、子どもの活動を意識した環境設定を行っている。縦割りや年齢を超えたグループ活動に取り組み土曜保育では、異年齢児が手をつなぎ景色の良い場所まで散歩。子どもが戸惑わないよう活動と活動の区切りや行事の絵本、パネルシアター等を工夫し提供、保育形態に取り組んでいる。おやつは、腹持ちよい炭水化物等で、夕方、人数が少なくなると淋しさを感じることから、補食、夕食を希望により提供している。

園では、栄養士を２名配置、年間食育計画を作成、実践している。重ならない給食献立、離乳食、補食献立は栄養バランス、旬食材など基本に和食を中心に多彩に提供。旬を意識、香りや彩り、食感など五感を刺激、味覚や口腔発達、咀嚼機能を意識した食材の下拵えにも工夫。コロナ感染予防対策としてパーテーションで仕切り、テーブルや椅子は体に合わせ、グループ給食等クラスの状況で設定、落ち着いての給食を提供。子どもの好評なおやつは翌月の給食だよりに「作ってみよう。保育園のおやつ！」としてバナナパウンドケーキ等レシピを掲載している。

園では子どもの様々な状態、状況に配慮し給食の提供を行っている。食物アレルギーへの対応では情報を基に除去・代替し、専用トレイ、色分け、名前付き等を活用し、ダブルチェック、チェックシートで管理。毎月の献立表は除去食をマーカーで引き保護者に確認、押印後に発行し提供。保護者からの体調報告には軟食や油除去で対応。経験食は家庭を優先、離乳食は各期の喫食状況等の情報を保護者と連携し幼児食への移行を実践。外国籍の宗教上の子どもには豚肉を鶏肉に代替し提供。外国籍の子どもの食へのこだわりに対応し文化的価値観も受け入れている。

園では子どもが様々な体験を通して食の大切さを学んでいる。今年度はコロナ感染予防対策として、クッキング保育や園外保育を自粛。お月見や節分の行事では、本物の団子や豆を観察。お正月メニューではお節料理、お汁粉を。ウインナーで角、焼きそばで髪の毛、鬼の顔はライスで作った節分メニューなど行事食を提供。栄養士によるハンバーガー屋さんで誕生日メニューを楽しんでいる。保護者に協力を頂き、各家庭のお雑煮の写真を園内に掲示。保護者へは、園だよりや給食だより、献立表、給食サンプル展示等情報提供、子どもの食育を応援頂いている。

園では、子どもの安全な生活を視野に入れ、子ども自身が危険を察知したり清潔な環境を理解しながら清潔を大切にすることに取り組んでいる。散歩では、道を歩く時の注意事項や行先で守るべきことなど、子どもたちに伝え確認してから出掛けている。歩いている時は、自分のことだけではなく、手をつないでいるお友達や前後のお友達を意識した歩き方、横断歩道や信号の見方等、状況に合わせて伝達、自ら考え気づく力を養っている。公園では、危険のない遊具の使い方や危険物が落ちていないか職員が確認。戸外活動後は手洗いを習慣として徹底している。

園では嘱託医による０歳児健診は毎月２回、１歳児以上は年２回、毎月の身長・体重測定で成長を確認している。健康診断後は保護者に成長の記録、健康診断の結果を伝え、捺印を頂いている。入園時には熱性けいれん、アトピー、アレルギー等の既往症を把握。薬の預かりは基本していないがアトピーの塗り薬を看護師が塗る等、指示書と共に１回分をお預かり、保護者との密な連携で服薬事故回避に取り組んでいる。看護師による４歳児の歯科指導。薄着の習慣や下着の着用、うがいで喉を守る等の情報を看護師がほけんだよりに記載し毎月各家庭に配布している。

園では保護者と密な連携し子どもの健康的な暮らしに取り組んでいる。午睡時のブレスチェックは０歳児５分、１歳児以上10分で、仰向け寝を基本に職員が観察チェック。食物アレルギーは除去・代替食の提供、専用トレイを使用配膳。登園時の保護者との対話で子どもの睡眠時間が足りない場合は午睡時間で調整。お腹が緩い子には栄養士と連携し柔らかい形態で食事を提供。コロナ感染症予防への取り組みとして一人ひとりの空間を確保し給食時はパーテーションで仕切り、午睡時は息がかからないように距離を保ち配置。ソーシャルディスタンスに努めている。

園では個々の保護者の就労や家庭の状況にも配慮、保護者の急な残業等での保育時間の延長も対応している。急な残業等お迎えが遅れる場合でも柔軟に対応。子どもが落ち着いて保護者のお迎えを待つ、保護者と一緒に夕飯が食べられるように腹持ちが良いおにぎり等炭水化物をおやつ時に提供、捕食ではビスケットなど一寸した物を提供。送迎時には労いの言葉をかけ、子どもの頑張った様子やエピソードをお伝えすることを全職員で心掛けている。今年度は保育室の外での対応とし日々の活動内容の様子は、コドモンに写真とコメントを添えて提供している。

コロナの影響により開園式以来、今年度は保護者のイベントは中止、保護者会の実施も行っていない。子どもの行事や日々の保育活動はコドモンや降園時の対話で報告し情報共有に努め、日々の園での保育活動を写真で撮り毎月写真販売を行っている。登降時には保育の様子を参観する機会でもあり同じ時間帯に保護者同士の交流、同じ年齢の子どもを育てる保護者同士が学び合う機会として一寸した会話を交わすなど交流の場とし提供。保護者に協力をお願いし各家庭の雑煮の写真を提供して頂き園内に掲示。登降園時に閲覧できるように取り組んだ。

園では、家庭と連携した保育ができるように子ども一人ひとりの発達に合わせた支援を伝えている。発達段階における子どもの感情や周囲への関心、言葉の獲得、言葉でうまく伝えることができず手を出してしまう行動など人間関係性や社会性を身に付ける大切な時期である事を伝え、共通の認識で子どもの確実な発達につながるように努めている。今年度は個人面談は中止としたが、おむつを外したい、好き嫌いが多くて困っている等の相談を降園時に個別で施設長と対応、面談。子どもが無理なく食事できるように家庭の状況をお聞きした上で園でも対応している。

園では天気の良い日には毎日、公園や戸外に出掛け地域との交流を図っている。散歩時には職員が積極的に挨拶をし、子ども達も自然と行き交う地域の方に笑顔で挨拶。八百屋さんや花屋さん、薬屋さんなど地域で働いている人の姿やお店で買い物している人の姿などを観、子どもの多様な体験につながっている。公園では大型固定遊具で滑り台やジャングルジム等を楽しみ、電車が見える場所や風景の良い場所までの散歩など様々な地域資源を活用し提供している。どんぐりや落ち葉を持ち帰り、絵の具を使った秋の風景やモチーフ作り壁面制作に取り組んでいる。

開設初年度ではあるが、コロナ感染予防対策で活動を自粛している。５歳児の在籍はないが、来年度の就学に向けた相談会の区からのチラシは４歳児の保護者に配布。来年度は小学校との連携を検討している。年３回巡回指導が来所。ごっこ遊びやコーナー遊びについてのアドバイスを頂いた。妊婦さんからの相談にも応じ、様々な情報収集、地域性の把握、近隣住民や家庭保育の現状理解などに取り組んでいる。子どもが地域の一員であり、大切な存在であることが実感できるような取り組みや地域向けの保育相談の告知やAEDの地域開放などにも期待を寄せたい。

園では、散歩時行き交う地域の方と積極的に挨拶を交わすことや公園では近隣の保育児と一緒になることもあり、譲り合う気持ち等を学ばせている。今年度は、区からの依頼で子育て支援の実習生２名を受け入れた。区の園長連絡会にも参加。集まることが難しい今年度は資料配布での対応。コロナ禍ではあるが、小中高生の職業体験や近隣の花屋、電気屋、薬屋など働いている地域の人との交流や高齢者施設との交流など、地域の中での保育園の活動、存在感をアピールできるような交流を図り取り組みを園長は考えている。更なる地域交流を期待したい。

定められた個人情報保護方針を全職員に徹底し確実な実行に努めている。保護者からは重要事項説明書に記載、同意書を頂いている。園内撮影禁止の依頼や入園のしおりの「写真展示販売サービスのご案内」で園での写真の取り扱いについての誓約書の提出の依頼、「ホームページ等への写真・動画掲載に関するお願い」においても同意の確認をしている。日々の保育の子どものプライバシー保護、羞恥心への配慮にも努め、基本マニュアルにそって上衣、下衣を別々に、排泄表に基づくオムツ替えや年齢に応じた着替え場所やトイレ設備の対応をしている。

保護者の保育観による子どもの価値観・生活習慣に配慮した対応に取り組み、園における基本的な生活習慣（食事、排せつ、睡眠、衣服の着脱、清潔、お手伝い）の確立等のしつけの内容や状況を保護者と連携を密にしている。乳児では授乳（哺乳瓶）時の姿勢に保護者のやり方を倣ったり外国籍の子どもについて食材の配慮、子ども達の食事量、好き嫌い、体調などでも無理強いをしないようにしている。保護者支援が必要な子どもには保護者と職員の信頼感が子どもと職員の信頼関係に繋がり気持ちを汲み取った保育が出来るようになっている。

職員は、朝の視診で保護者と子どもの表情や顔色、様子を確認、連絡帳で家庭での生活を把握、ケガや傷などに気配りし保護者の様子にも配慮している。看護師はクラスからの情報を見て全クラスを巡回、子どもの様子を確認している。グループ長による研修とセルフチェック、自粛期間中にもマニュアルの再読をしている。NGワードに留意、声のトーンや態度や身だしなみ等に留意、保護者には配慮した連絡帳の記載をしている。新園の為、職員は同期入社、仲良くコミュニケーションがよく取れている。職員同士の気づきの他、園内での指導体制も作っている。

ノウハウをまとめた保育基本マニュアルが整備され、抱っこや着替えなどには写真による手順、ダメな例・良い例を載せている。法人は保育グループとしての標準化にむけて、更に、グループ長やブロック長で構成する知育や研修、マニュアル管理等のプロジェクトを立ち上げている。グループとして取り組む安全については、水遊びプールマニュアルの整備、従来の危機管理マニュアルに加えてコロナ対策本部からの通達の徹底、クレーム対応、虐待防止、グループ全体のヒヤリハットや事故記録の取り纏め等で、自園以外に視野を広げてみることが出来る。

プロジェクト要員であるブロック長は、新園立ち上げや運営安定に支援をしており統括する園への巡回やマニュアルの活用を含め相談、報告、連絡を受けている。プロジェクト会議では、共通・優先する課題に対して各プロジェクトとのすり合わせをし研修との連動、施設長会議とも連動する仕組みがあり水準の維持をしている。施設長は社内研修に参加し昼礼や職員会議でのマニュアル確認や報告、看護師による定時巡回等からもクラスの状況を把握している。又、区からの情報は常に最新版を整備、区の書式や区への報告ルールや流れもファイルしている。

保護者からは送迎時や連絡帳、WEBアンケートや個人面談で、日々子どもや保護者に接している職員の意見は昼礼や会議、個別面談等の機会がある。今年度の第三者アンケートには、名札や先生の顔と名前の一覧表等の意見には直ちに対応しエントランスに掲示している。コロナ対応の保育への変更など運営安定迄の慌ただしさの中、職員はその日の内にするべき清掃個所や共用ノートによるシフト編成の引継ぎ、連絡帳記載で保護者に子どもの園での生活をお届けすることに取り組んでいる。施設長は、自転車置き場が暗いとの声を聞きブロック長と相談している。