東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

法人の保育理念は「子どもたちの笑顔のために」を掲げている。また園の保育方針は「家庭的で愛情豊かな保育」「安心安全な保育」「豊かな感性を育む保育」を掲げている。これらは職員に理解が深まるように重要事項説明書の読み合わせを行うとともに、「教育及び保育の全体的な計画」を園内に掲示している。またパンフレットやホームページの写しを園内に掲示して意識を高めながら理解の浸透を図っている。また保護者に対しては入園面談時に重要事項説明書や入園時のお知らせに基づき説明をしており、毎月の園だよりを通して理解を深めている。

経営層は毎月1回の施設長会議において、自らの役割と責任を伝えている。経営層は理念・ビジョン・方針を重要事項説明書に明文化しており、取り組むべき方向性に沿った活動が具現化できるようリーダーシップを発揮している。系列園の連携を大切に運営しており現場経験から理念実現に向けて若い職員をリードしている。施設長会議で職員が取り組むべき方向を示しており、職員の活動や連携がスムーズに進められるよう配慮している。また全体的な計画で徹底を図っている。新たなパンフレットでは保育理念・保育方針・活動内容を、関係者に伝えている。

重要な案件については決定ルートは明確になっている。クラス会議から職員会議、さらに経営層へと伝えられ検討・決議している。重要な意思決定についてはその内容を系列園全体の施設長会議にて話し合い、職員会議にて報告、意見を出してもらっている。系列園全体の施設長会議を月1回実施することで、コミュニケ―ションが一層充実してきている。重要な意思決定は現場の職員の意向を反映できるよう決定までの課程を大切にしている。重要案件の決定事項については必要に応じて保護者全体会や園だより、掲示板で伝えており、情報を周知徹底している。

運営委員会参加保護者に対して事前アンケートをとっている。各行事ごとに保護者アンケートを実施して状況を把握している。また意見箱を設置してその都度対応している。年に１回、職員アンケートを実施して本部へ報告している。面談は年１回実施し意向を確認している。地域の福祉の現状や福祉事業全体の動向等については市報や地域だよりを参考にしたり関係機関から情報を収集している。園の経営状況については、運営委員会のメンバーに法人本部の税理士も加わり経営状況を把握・検討している。これら把握した情報については施設長会議で検討している。

理念・ビジョンに基づき、年度単位の計画を策定している。年度始めに年間行事予定表を作成している。また全体的な計画を基本に年間指導計画を作成し、期ごと計画、月の計画を作成している。教育及び保育の内容に関する全体的な計画では保育理念・保育方針・保育目標の他、子供の保育目標と保育の内容について、０歳児から５歳児に渡って、養護と教育、食育に分け明確にしている。養護では生命の維持と情緒の安定について明示し、教育では健康、人間関係、環境、言葉、表現について明示している。また食育では食を営む力の基礎を明示している。

行事計画作成時に目標を定め、職員個々に意識を高めている。毎月の園だよりに各クラスの保育目標を載せ保護者に明示している。計画の実行にあたっては各行事の反省をしたり、系列園での成功事例・失敗事例等の情報を取り入れながら、より高い成果が得られるように努めている。中間での達成度合いは保育目標を確認しながら意識を高めるようにしている。計画の進捗度合については月案会議で振り返り、話し合い見直しをして、状況に応じて変更することもある。変更をした場合は保護者に園だよりやお知らせボード等により早めに伝えるようにしている。

法・規範・倫理等は、児童福祉法、就業規則、保育士倫理綱領の周知を通して、職員に理解され運用できるようにしている。これらの読み合わせを職員会議やクラス会議を通して開き、社会福祉に従事する者としての理解を深めている。また年３回自己評価制度における目標や意識調査の内容の確認と面談を行っており、職員の意識調査を徹底している。また外部研修の受講内容を発表する機会を設けたり、保育所保育指針を用いて園内研修で、情報の共有化を図っている。さらにマニュアルや資料の回覧を行い研修で得た情報が隅々に行き渡るようにしている。

日々の送迎時に保護者とのやりとりの中で、短時間ではあるが、ご要望をお聴きするとともに、随時対応している。入園の契約時には重要事項説明書にて役所の連絡先を周知するとともに、第三者委員の連絡先をお伝えし、苦情解決の相談ができることを説明している。また個別の相談が受けられる苦情窓口の設置をしている。虐待に対し組織的な防止策として、日々の会議や打ち合わせにて、声がけの振り返りを行っている。関連機関との連携では、日頃より、子ども家庭支援センターと密に連絡をとり、状況に応じてケース会議を行う体制を整えている。

園の専門性を活かした取り組みで、育児講座を地域親子を招いて行っている。また実習生の受け入れを随時行っている。地域福祉ニーズにもとづき、保育所体験の開催や園開放を行い、地域の保育園に通っていない家庭保育中の親子に参加を呼びかけリトミックやふれあい遊びを実施し、アンケートで好評を得ている。この事により園の知名度向上と地域への貢献に繋がっている。園が地域としての役割を果たすため、市の園長会に参加して福祉関連情報を把握している。また地域のネットワーク会議に参加して共通課題の話し合いや保育士同士の交流をもっている。

子どもの命を守ることが最優先であり、危機管理をそれぞれの項目別にマニュアルを作成している。定期的にマニュアルを見直し、職員全体に周知回覧しており、リスクに対し対策を講じている。また月毎に地震・火災等、様々な想定をした上で避難訓練を計画し実施している。本年度は特に新型コロナ感染症対策としてガイドラインを作成し職員に周知徹底を図っている。職員に対し手指の消毒、マスクの着用、検温等を行っている。災害時には保育所連絡情報メールのシステムを活用し一斉メール配信したり感染症の情報も周知している。

風水害などの天災等は所在地における地域特性を把握し、行政の発行するハザードマップを参考にしている。また市のガイドラインを職員で周知している。事故・感染症・災害対策については、都度、保育状況把握と対応について確認を行い、即対応、改善を行い再発防止に努めている。保護者へは玄関に貼り紙で知らせている。また災害時マニュアルや不審者乱入・侵入時マニュアルを作成している。震災を想定した危機管理マニュアルを職員の手の届きやすい場所に置き、事業継続計画（BCP計画）についての見直し更新と継続的な整備を進めている。

情報の収集、利用、保管、廃棄については秘密保持・プライバシー保護についての説明を事務室・玄関へ貼り出し、職員会議で徹底している。実習生等にはオリエンテーションにて説明し承諾いただいている。情報の重要性や機密性を踏まえICTの持ち出しを禁止している。各書類は所定の場所で整理・保管し必要な職員が必要な時に活用している。重要書類は鍵保管を行い、必要な際には施設長に許可を得た上で、事務所内で活用している。園で扱っている個人情報については個人情報保護法を踏まえ、その利用目的や開示請求への対応を規程し、実施している。

必要とする人材確保への工夫としては、採用前の職場見学や職場体験を系列園の巡回により実施している。本部が一人ひとりの状況を把握し、本人の意向も含めて、経験の偏りがないように配慮しながらローテーションを図り、適材適所の配置ができるよう取り組んでいる。園が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望が必要であり、事務室にて資質向上の為の計画を貼り出し周知している。また年に３回の自己チェックを行い振り返りながら施設長との面談を行っている。新しい職員には業務分担の説明と育成計画があることを伝えて、計画的に進めている。

職員には年に２回程度の研修への参加を行い育成を図っている。職員一人ひとりの意向や経験に基づき、職務に合った年間計画書を出している。その他研修予定の回覧を行い、希望者には行けるようにシフト調整等を配慮している。職員一人ひとりの育成の成果を確認し、法人代表、施設長が話し合い、本人のキャリアアップに繋がる研修に参加するよう勧めている。新人や経験の浅い職員の育成についてはベテランの職員とともにクラスを受け持つことによりスキルアップに繋がるよう組み合わせを考慮している。また都度育成計画に沿ったねらいを伝えている。

経験年数に関わらず、良い工夫や取り組みを会議で伝えることにより、職員間で良い影響と活気のあるチームワークができている。経験のある職員が新人職員の意見をよく聞いてくれたり取り入れたりして優しさと新しいものを取り入れる環境になっている。自己評価を年3回行い個々の意識を把握するとともに、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる。コロナの影響で園外での懇親会はできないが、園内で親睦を深める取り組みを行っている。研修に出向いた時は研修報告書を作成し、全体会議で発表し、意見交換するすることにより、知識の共有化を図っている。

園の情報はホームページやパンフレットを利用し提供している。ホームページでは、園の様子を動画で発信。外観や保育室、料金を明示、利用希望者が知りたい情報を解りやすく伝える作りになっている。“子どもたちの笑顔のために”と法人の保育理念を掲げ、園の保育の特徴、専門講師による英語、リトミック・体操教室、造形製作の様子や内容が子どもたちの写真とコメントで紹介され、園が目指す保育や保育の基本姿勢、日常の様子がわかる、利用希望者等への有効な情報発信のツールになっている。

園は自治体や地域機関と連携し、地域子育て世帯等への情報提供に取り組んでいる。地域自治体へは、定期的に空き情報や説明会日程、見学受付状況等を定期的に提供、自治体のホームページや地域子育て応援サイトに反映、自治体窓口にはパンフレットを設置、地域の子育て世帯に伝わる大切な情報として活かされている。職員は、地域の方々との挨拶や交流を通じて、入園希望者等にもわかりやすく園の存在を伝えている。園長は、園長連絡会や子育てネットワーク会議に参加し情報を共有、情報の発信に取り組んでいる。

園では見学希望者の希望に合わせ、柔軟な見学者対応を実施している。今年度はコロナ感染症予防対策のため、１開催で３組の受付とし９時30分～、11時～30分程度で「保育所体験＆見学会」を９月10月の土曜日に４回開催。問い合わせが多かったため10月以降回数を増やして継続。見学や問い合わせは基本的には園長が窓口となり対応。園では「ふれあいあそび」の育児コーナーを実施し見学会に繋いでいる。コロナ渦の中、普段の子どもの様子は保育室内に掲示している壁新聞を見て頂き、普段の園の様子、子どもの様子から入園希望につないでいる。

園では入園が決まった保護者に連絡し面談日を相談、重要事項説明書、利用契約書で個人情報の取扱いや料金等丁寧に説明、質問に応じ、署名・捺印で同意を頂いている。「新入園児の皆様へ」を用いて、登降園のルールや提出書類、必要な持ち物、離乳食アンケート等について詳細に説明、確認し保護者の理解につなげている。楽しく登園できるように、不安なことはその場で話し解消することに努めている。離乳食等の相談には、栄養士が一人ひとりと面談し説明、必要な情報提供や個別状況の聞き取りから詳細状況の把握に努め、入園後の保育に活かしている。

園では契約後、児童票、生活調査票、アレルギー対応表、写真掲載に関するアンケート等を保護者に配布、のびのびと過ごしてほしい等保育の意向や個々の状況を把握、記録している。新しい環境で過ごすために必要な慣らし保育の重要性について保護者の理解のもと、水分摂取、食べられる、寝られるを完了の目安とし１週間程の期間で実施、馴染みのタオルや毛布、ぬいぐるみの持参や電車が好きな子どもには園の玩具を提供、上手なスキンシップ方法を保護者から受け取り子どもと保護者の安心に繋げている。

園では途中退園や転園のサービス終了時にお別れ会を実施。園での思い出をアルバムとし、年長児と職員からお手紙を添え、新しい生活が送れるように保育している。３月に行われる卒園式には卒園児の保護者、4歳児の子ども、職員が参加。4歳児からは折り紙で作った花を卒園児に渡し、お祝いの言葉や歌などみんなで新しい門出を祝い、保育証書を授与、記念撮影を行い思い出を作っている。子どもの制作作品や思い出の写真、職員からのメッセージはまとめてプレゼント、新しい門出に花を添えている。卒園・退園後も子育ての相談等も受け入れている。

園では入園時に保護者が記入する児童票で子ども様子や家庭の状況を把握している。子どもの身体状況等は保護者との対話や日々の保育で細かく把握、成長を確認、月案や個別計画につなげている。変更事項は契約事項変更届の提出、個人面談、保護者会、保育参観時等での保護者との関りや日々の対話で確認、記録の修正や対応の変更を実施し保育につなげている。子どもの様子はクラスで共有、個人記録や指導計画の評価に記録、成長の記録で発達を確認、保護者に家庭での様子や意見を伺いながらシステムで共有し提供している。

年度末に園長が子どもの様子を踏まえ全体的な計画を作成、職員で共有し検討、個別指導計画、各クラスの計画に繋げている。全体的計画を踏まえた年間指導計画は各クラスで検討し作成、月案、週・日案、個別支援計画が整えられている。食育年間計画は栄養士が作成、保育士と連携した食育を計画、月案会議には主任が同席し検討作成され計画。評価は園長が確認、職員会議で共有、日々の保育に活かされている。行事等の計画後の変更については、各クラス毎に変更内容をお手紙や園だよりで保護者に伝えている。

園では日々の子どもの様子は子どもや保護者の状況は児童票や個人記録、連絡帳、保育日誌等に記録している。月案や個人指導計画、週案に計画に沿い働きかけや子どもの様子を記録、振り返り・評価を実施。申し送りは毎日、クラス会議は随時午睡の時間を活用し実施。職員は登園時の視診、保護者との対話や連絡帳から子ども一人ひとりの体調等を把握、引き継ぎ表、各クラスの引継ぎノート、口頭等で共有をしクラス会議で子どもの様子を確認、職員会議で各クラスの様子や振り返り、次月のねらいや配慮、個別状況等を共有、園全体での保育につながている。

園では子どもの全体的な姿は個別記録、保育日誌等の記録と保護者との対話、面談等で把握、クラス会議等で一人ひとりの発達に合わせた関りや保育方法を職員間で検討し保育につなげている。毎日の散歩では地域の公園等に出掛け近隣の方々と関り、七夕や節分、春の七草、立体的な雛祭りの制作等、季節行事や日本の文化に触れ子どもが主体的に興味関心を持ち活動できる保育が実践。１歳児から自分で着替え、５歳児はロッカー掃除、自分で頑張って取り組む姿、気持ちを育てている。子どもが主体的に人、もの、ことに興味関心が持てる保育に努めている。

園では朝夕の合同保育や日々の関りの中で異年齢での活動を取り入れ、互いを尊重しながら関われる保育を実践している。姉妹園との交流、２歳児が０歳児と遊ぶ、５歳児が３歳児３人に絵本を読み聞かせをする、５歳児クラスで飼育しているかたつむりを他クラスの子どもが訪問し観察に来る等異年齢の関わる姿が見られ、子ども同士関りの中で慈しみや優しさが育まれた実践がある。子どもは文化や習慣の違いがあっても違和感なく馴染み、特別な配慮が必要な子どもには保護者と専門機関等と連携を図る仕組みを整え、全職員で子どもの育ちを見守っている。

園では子ども同士の気持ちの行き違いによるけんかや噛みつき等は、大切な発達過程と捉え保育を提供。噛みつき等が多くなる年齢や時期前は大切な発達の過程であり園の対応方針や思いを年度初めに保護者に伝え理解につなげている。トラブルが起きた場合は双方の気持ちに寄り添い、理由を聞き思いを確認、気持ちに寄り添い代弁し保育を提供。5歳児は毎週金曜日ロッカー掃除、月曜は自分の布団にカバーを準備する等のお手伝いに取り組んでいる。園では小学校の教員との対話から「話を聞く力」を身に着けられるように保育に活かし就学準備している。

園では子どもの生活の連続性を意識、家庭との連携を大切にした保育に努めている。子どもの様子は登園時、表情や体調、機嫌など視診で確認、保護者には家での様子や食欲、降園時間、連絡事項など伺い連絡帳と合わせて状況を把握し園内で共有している。登園時の確認で把握した子どもの状況に合わせ対応。無理をさせない食事量の調整などは栄養士と連携し対応。早目の休息や午前寝、午睡時間の調整等を個別に配慮した対応。早番、遅番への引継ぎ等、園全体で共有・観察し生活の安定に繋げている。

園では子どもの発達や年齢に合わせて基本的な生活習慣を身に着ける保育実践に取り組んでいる。基本的生活習慣や生活自立は保護者に相談し身に着けられるように取り組んでいる。職員は率先し挨拶や声掛けを行い、食事は子どもの食べたい気持ちを大切に手づかみから食具へ０歳児からスプーンを５歳児からお箸を使用、１歳児後半から便器に座りトイレトレーニング、自分でやる・やりたい気持ちの芽生える１歳児から取り組む着替え、２歳児の手洗い、個々のリズムに合わせた睡眠等、子どもの興味や意欲を大切に子どもに寄り添った保育が実践されている。

園では、登園時の保護者からの確認や保育の中での子どもの様子に合わせ、休息や午睡の調整を行っている。子ども一人ひとりの生活リズムを大切に０歳児は５分、１歳児以上は10分毎のSIDSに対する配慮に留意しながら休息の支援を行っている。子どもの様子を見ながら休息の時間や午前寝、早目の午睡等の対応を行い室温等にも配慮、十分睡眠が取れるように対応。降園時は、食事や排泄、睡眠等の基本的な生活状況と楽しそうだった子どもの具体的なエピソード、システムにアップした情報などを伝え、保護者が安心できる家庭保育につないでいる。

子どもの日頃の声を尊重し、指導案に出来る限り取り入れ、子どもの自主・自発的で積極的な遊びに繋げている。園内では、ブロックやプラレール、ままごと、絵本、ぬいぐるみ等子どもが手に取れる環境を設定、自由遊びに繋げている。子どもの「やりたい」を受け留め、遊び別にコーナーを設定、環境を分け、マットなどで空間を区切るなど、一人ひとりの遊びを保障し、寛ぎ、集中、遊び込める時間を提供している。毎日の散歩先は、「○○公園で、はないちもんめをしたい」、バッタや木の実等興味を尊重、子どもの声を受け留め、公園等決定している。

当番活動は３歳以上で朝の会の挨拶や給食準備、帰りの会でエピソード披露等年月齢毎に設定。子どもの言葉習得は大人が手本と捉え、美しい日本語使用を指導、絵本の読み聞かせや紙芝居、季節歌や月の歌、わらべうた、手遊び、しりとり、かるた等言葉の楽しさ、大切さを伝えている。毎月の制作は行事や季節をテーマに木の実や葉っぱ、絵の具や毛糸、廃材で鉛筆立て等多彩な素材を提供、リズムダンスやリトミック、ピアニカや鈴などでクリスマス合奏、クラス別にダンスや寸劇を披露する生活発表会等豊かな感性や創造力に繋げている。高く評価したい。

子どもの成長、発達に必要な戸外、園外活動に取り組み、風、太陽、陰、土、砂、水、木、葉、花等様々な自然や季節に触れる散歩を中心に、泥んこ遊びや夏の水遊び等に取り組み、年長児が小学校を見に行ったり、姉妹園と待ち合わせ散歩等取り組んでいる。本年はコロナ感染予防対策として遠足等園外活動を自粛した。普段は、散歩先で虫たちと戯れ命の大切さを学び、子ども同士の関係性を大切に、「待とうね」「順番ね」「次貸してね」「玩具は投げない」等気持ちを受け留め、見立て遊びの順番、玩具の譲り合いなどを繰り返し伝え、心の調整に繋げている。

年度始め年間行事計画を決定、終了後保護者アンケートを実施、振り返っている。行事前、絵本や行事歌、紙芝居、ペープサート、制作など子どものワクワク感や期待を膨らませ、謂れや由来も伝え当日を迎え、行事食等楽しんでいる。本年は、コロナ感染予防対策として行事を自粛、クラス別開催など工夫している。園長が笹を準備、笹飾りを皆で楽しむ七夕会、夏祭りは秋祭りに変更、お店屋さんごっこや西瓜割りを楽しんだ。正月遊びや楽しい制作の節分、ひな祭りなど季節行事をクラス別に楽しみ、七夕には素麺や七草粥等行事食も楽しんでいる。

本年はコロナ感染予防対策として、交流行事等を自粛。運動会は公園と保育室でミニミニ運動会、ハロウィンは、姉妹園と合同で、ファッションショー、魔女に扮した園長がお菓子をプレゼント。玄関前には皆で協力、七夕飾りが季節を伝えている。生活発表会は、０歳山の音楽家のダンス、１歳ピヨピヨ体操、２歳パプリカダンス、３歳森のおふろの劇、４歳絵本の寸劇、５歳桃太郎を役割や台詞、大道具等皆で準備、練習成果を披露。クリスマスは「あわてんぼうのサンタクロース」を皆で合奏している。皆で創り上げる保育のための行事は良質、高く評価したい。

保護者が子どもの豊かな育ちを喜び合っている。本年はコロナ感染予防対策として、保護者参加行事を自粛。例年は懇談会や保育参観、給食試食会、個人面談等を実施している。災害を想定の引取り訓練は園を引き取り場所として実施。例年の親子遠足は保護者の手作り弁当、ゲーム等で触れ合い楽しんでいる。生活発表会の歌やダンス、寸劇など子どもの日頃の練習成果の披露やミニミニ運動会、クリスマスの皆で合奏等DVDに録画、保護者に動画で提供、家庭で子どもと一緒に楽しんで頂いた。季節行事等は壁新聞やクラス便りで保護者に伝えている。

子どもの安心な長時間保育に心がけ、落ち着いた時間と環境を提供している。全体的な計画や年間指導計画に長時間保育を位置付け、クラス別月案、個人別月案、週案等で連携している。登、降園は家庭により様々、年月齢、人数に考慮し、朝８時半頃まで、夕５時半頃から、絵本やブロック、プラレール等のコーナー保育や自由な気持ちを尊重した豊かな時間を提供する合同保育を段階的に実施、設定保育とのメリハリにも配慮している。夕６時半頃希望により補、夕食も用意、多めのスキンシップやマットなども活用し空間を設定、安心な環境を提供している。

合同保育の時間は、子どもにとって特別で、豊かな交流を楽しんでいる。担当職員は引継ぎ表を確認している。数少ない特別な玩具や年下の子どもの玩具を懐かしみながら遊ぶ年中・長児、乳児が幼児に甘え、幼児が乳児をあやしながら上手な遊びを教えるなど豊かな子どもだけの時間が繰り広げられる等子どもの慈愛や慈しみ、人間関係性等豊かな精神発達への取り組みは良質、評価したい。気分転換に外気浴やマットでゴロゴロ等も提供している。園の連携記録は園務日誌や合同保育日誌で、発達確認は、発達チェックと経過記録で行い、園長が定期確認している。

全体的な計画に基づき、各種指導案を作成実践している。０から５歳児の年齢別クラス編成で設定保育を基軸に、季節・文化行事や地域交流などは一斉保育や乳児、幼児別縦割り保育や幼児のグループ保育など多彩に取り組んでいる。誕生日会は主役紹介、インタビュー等工夫を凝らし、ケーキを楽しみ、カードや歌で祝福している。散歩はクラス別や縦割り保育、朝、夕の異年齢合同、コーナー、自由保育等を提供。挨拶やお手伝い等学び、生活自立を意識しトイレ、食事具、手洗い等も学んでいる。園長は、観察、寄り添った保育を目指している。評価したい。

給食、離乳食献立表は、栄養士が季節や行事等に配慮し作成、給食日誌で振り返っている。調理も栄養士が担当、旬や産地に拘り、薄味で食材本来の味を大切に、だしを活かし、彩り、香り、食感など五感への刺激も忘れずに、メリハリ良い、優しい給食を提供している。法人の栄養会があり、詳細な食に関するガイドラインを設定確実な給食提供に繋げている。系列８園栄養士が年４～５回集まり、サンプル等持ち寄り食育中心の会議を実施。主食は米飯を中心に、麺やパンなどで、海藻や野菜の煮物や切干大根など和食を基本に洋食、中華など多彩に提供している。

テーブルは密を避けて４人掛け、個別の盛り付け量でお替り自由、カウプ曲線を意識し担任が見守っている。食物アレルギーは、保護者面談で聴き取り、診断書、指示書やガイドラインで対応、全職員に周知している。登園可能疾病や口の怪我には軟食や油除去など連携。園の給食は卵、乳未使用、アレルギー対応はテーブル、トレイ、食器を分け、職員配置、着替え等にも注意している。家庭の価値観や文化、宗教等も対応の用意がある。栄養士が喫食ラウンドし、職員と情報共有、好き嫌いや食べず嫌い、食への無関心、遊び食べ等改善に取り組んでいる。

年間食育計画を作成「食を営む力の基礎を培う」等を目標に取り組んでいる。プランターで茄子やオクラ、玉蜀黍を栽培、皆で水遣り、お絵かき等で記録、成長を見守り収穫、給食や野菜スタンプなど制作を楽しんだ。七夕素麺や七草粥等行事食を提供、栄養士が謂れ等伝えている。年長児が散歩中に出会った農家の畑でじゃが芋堀りを体験している。本年はコロナ感染予防対策として、野菜の皮むきやふりかけおにぎり等簡単なクッキングを実施、年長児が今日の給食献立を黒板で紹介、３群栄養素や各種食材等絵本や絵カードで学ぶなど良質な食育を評価したい。

園全体で子どもが健康や安全に関心を持つことができるように取り組んでいる。コロナ感染予防対策で改めて子どもたちに正しい手洗いやうがいの方法を伝え、散歩に出かける前は交通ルールを確認、公園では遊び方のルールや危険個所を共有している。今年度は看護師が保健の授業を実施、感染予防と合わせ５歳クラスには命の大切さ、４歳クラスは室内で走ることの危険性、３歳クラスは人の体の仕組みを分かり易く説明、子どもが自主的に予防する姿に繋がっている。歯磨き指導や交通安全教室の実施等、自分を守ることを意識する良質な保育が実践されている。

園では入園時に医療的なケアやアレルギー等の対応について確認、個別対応が必要な場合は看護師や栄養士が面談に同席、保護者から具体的な対応方法や配慮、詳細な情報を伺い、嘱託医の助言を受け、専門機関と連携できる体制を整えている。今年度は医療的ケアの必要な子どもの在籍はないが、「新入園のみなさまへ」のしおりに与薬や疾病、熱発等についての基準を明記、薬は預かれないこと、朝夕２回の処方にして頂きたいこと、薬を飲んでの登園は処方箋のコピーを持参して頂くこと等のお約束を伝え保護者との連携で、子どもの健康・安全に繋げている。

子どもの健康状態を保護者に確認、健康的な暮らしに繋げる保育に取り組んでいる。嘱託医の健康診断は０歳毎月、１歳以上年２回、身長・体重は毎月、年2回頭囲・胸囲測定を実施、記録媒体健康表と紙の表で保護者と共有している。SIDS予防は入園時に説明し慣らし保育を実施、11月を強化月間とし再度伝達、睡眠時の注意・啓発を行っている。午睡時ブレスチェックは０歳５分、１歳から10分、仰向け寝を基本に安心な睡眠を確保している。園だより、ほけんだよりや食育だよりで子どもの健康維持に関する情報を提供、保護者と連携に取り組んでいる。

園では毎日の対話や個人面談等で家庭の状況や就労状況等を把握、個々の事情に合わせ子どもが無理なく生活できるように対応している。補食は提供時間までの連絡で用意、急な残業等や土曜日の休日出勤等は事情に合わせ、受け入れることができる体制を整える柔軟な対応で子どもが安心できる環境に繋げ、行事等の日程は早めに伝達、保護者の就労にも配慮している。今年度はコロナ感染予防対策で開催していないが、例年、保護者会、保育参観懇談会、保育参加、親子遠足、クリスマス会、発表会を実施、保護者同士の交流の機会を設け関りを深めている。

保護者とコミュニケーションの積み重ねを大切に信頼関係作りに取り組んでいる。登園時は就労に配慮、降園時を大切に保護者と子どもの成長を共有、連絡帳等の返信や記載にも配慮、今年度はコロナ感染予防対策で懇談会等は中止したが個人面談は全員と行い、保護者の思いを受け止め保育に繋げている。壁新聞週1回掲示、発表会DVD配布、予定変更等は適時、手紙配布やシステムにアップロードで情報共有を行った。保護者アンケートで具体的な保育園生活を知りたいと意見があり、園長はホワイドボード活用等の工夫を考え準備をしている。期待を寄せたい。

園では入園時に保育理念、運営方針、クラス保育目標の詳細を説明、例年、保護者会や保育参観、懇談会等でクラスの取り組み等を共有、保護者と共通認識が得られるように取り組んでいる。えんだより、クラスだよりでは行事予定やカリキュラム、クラス目標とねらい、子どもの様子等を掲載、子どもたちの育ちを共有している。ほけんだよりや給食だよりで感染予防や水分摂取の大切さ、行事食や食育、栄養やレシピ等を伝達、家庭保育に繋げている。子どもにとって何が良いのかを保育参加の機会を提供し、保護者と一緒に考えられるように働きかけている。

園の周辺は自然に触れ合うことができる公園が多くあり、地域の方々からは温かく見守って頂いている環境で、子どもたちは毎日戸外へ出て、身体を動かしたり四季折々の自然の中で虫探しや草花鑑賞等で戸外活動を楽しんでいる。コロナ感染症予防対策で中止したが例年、地域の大きな公園へ遠足に出かけ、地域体育館を借りて運動会を行っている。今年度は近隣警察署に交通安全教室開催を依頼、交通安全フェスティバルに参加、図書館では絵本や紙芝居を借りに出かける等、日常的な交流も育まれている。地域情報は行政の地域巡回員と連携し収集に努めている。

子どもたちが地域の方々との関りを深め、楽しい思い出を作れる活動に取り組んでいる。今年度は感染予防に気を配り地域の八百屋さんやお豆腐屋さん、花屋さんで買い物、例年、高齢者福祉施設に歌や踊りのプレゼントで地域の方々と交流を楽しみ、お世話になっている消防署や警察署に感謝のお手紙やお絵描きを届けている。職員が声をかけ関係作りに取り組んだ地域住民の農地を借り今年度初めて５歳クラスがじゃがいも堀り、収穫体験を楽しむ等積極的な地域資源開拓も行っており良質である。また、AEDの設置を知らせ地域の緊急時にも備えている。

園では地域の方々をお招きし子どもたちの生活の幅を広げている。今年度はコロナ感染予防対策でクリスマス会に地域の方々を招けなかったが、学生ボランティア３名を受け入れおままごと等で一緒に遊んだり、絵本を読んでもらう等の交流機会で沢山の刺激を貰っている。また、地域の子育て専門施設として公園等で親子に声掛け、今年度は９月・10月に４回「保育園であそぼう」の育児講座を開催、例年、お誕生会に招き紹介、メダルをプレゼントする等、地域子育て家庭の支援に取り組んでいる。園長は地域の新設園との交流等にも取り組みたいと考えている。

個人情報保護について玄関に掲示し常に配慮した取り組みで保護に努めている。職員は個人情報保護マニュアルに則り取り扱いを確認、個人情報に関わる帳票やタブレット等の持ち出しを制限、ボランティア等にも個人情報保護の同意を得ている。HPやSNS等の活用は保護者と都度取扱いについて確認、同意を頂き保護に取り組んでいる。子どもの羞恥心に気を配り、おむつ交換は他者の視線を遮る環境を整え、着替え時は露出を控える働きかけを行い、水遊び時等は外部からの視線を防いでいる。子どもの羞恥心とプライバシーを守る環境で保育を実践している。

園では全体的な計画に子ども一人ひとりの人権・人格の尊重を位置付け保育を行っている。子どもへの声掛けは「ちゃん」「くん」を基本に入園時等保護者に確認、丁寧に呼びかけている。子どもの誕生日当日はクラスで歌をプレゼント、保護者にもお祝いの言葉を掛け、大切な一日を過ごし、子どもの個性や思いを大切に生活のペース等にも配慮、意欲を引き出す等で尊厳を守っている。保護者の価値観は送迎時、個人面談、例年、懇談会等で把握し職員間で共有、保育に繋げている。個々の家庭の状況を把握することで、夫々の思いに寄り添う保育を実践している。

園では定期的な研修や学びの場、自己チェック等で、虐待防止や育児困難家庭への支援に取り組んでいる。全職員が年１回「人権擁護の為のチェックリスト」で自己チェックを実施、園長は職員の状況に応じた指導を行い、子どもを尊重する保育に繋げている。園内研修では子育てネットワークの虐待事例や子ども家庭支援センターの育児困難事例を確認、職員間で事例を基に支援方法や関係機関等との連携を学び、理解と知識向上に努めている。園長は今後も様々な研修を通し学びを深め、職員スキル向上を図りたいと考えている。取り組みに期待を寄せたい。

園では法人統一冊子マニュアル等に接遇・保護者対応、虐待、事故防止、救急、集団感染等、業務全般を網羅、園独自マニュアルも活用している。園独自マニュアルは危機管理（避難・事故・心肺蘇生等）、保育、保健、給食・栄養等を作成、今年度は保健、給食・栄養マニュアルを改訂し看護師、栄養士業務に活用、散歩、水遊びマニュアル等は適時職員間で検討、保育に繋げており園の状況に合わせた取り組みは良質である。法人マニュアルは法人と園で連携、定期的な見直しを実施、今年度はコロナ感染予防対応マニュアルを作成、保育、園運営に活かしている。

園では“子どもたちの笑顔のために”の理念の理解を深め保育所保育指針を確認、保育の質向上と園内の標準化を目指し取り組んでいる。クラス会議や月間会議、毎日の昼礼等で保育や園の業務について共有、ヒヤリハットやインシデント報告書等を活用し業務全般の確認を全体会議で行い、園内で検討、見直しを実施している。園長・栄養士は本部会議に参加、法人内統一で手順の見直しや業務改善を図り、質の向上に繋げられている。マニュアルの改訂や業務内容の変更等は回覧等で速やかに園内共有、不明点は主任、園長等に確認できる体制が整えられている。

園では行政が主催する会議に出席、運営に必要な基本的な事項を確認、職員は昼礼、各種会議で子どもの様子や保育、業務を共有、意見を出し合い、保護者からも確認、様々な意見に耳を傾け、業務改善やサービス向上に繋げている。今年度はコロナ感染予防対策で保育の様々な場面で職員意見を取り入れ変更、保護者が保育参加ができない状況で写真販売を希望し対応する等、子どもと保護者の利益に繋げる対応を行っている。例年、保護者から送迎時の対話や個人面談、懇談会、行事毎のアンケート等で子どもの様子や意見・要望を把握、取り組みに活かしている。