東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

会社として年に１回の総会で３園の職員・非常勤職員全員が集まり一年の振り返りや新たな目標を共有している。今年はコロナ禍で実施する事ができず、代表の動画メッセージで新型コロナ感染症対策を主として方針や目標を配信し、こども園では職員会議において職員全員で共有し、緊急性のある場合は園長が各お部屋を回って説明している。また保護者に対しても動画メッセージを配信し、感染症対策に園の理念や方針も添えて説明しており十分な理解を得ている。さらに保護者には保護者会で伝える事や保育園システムで伝えている事も行っている。

会社が目指している事の実現に向けて、毎月の幹部会議や日々の施設長(園長)とのコミュニケーションで方針展開され、全職員にはメール文章や動画メッセージを配信し常に共有する事を意識している。動画やメッセージはホームページの「スタッフ共有ページ」に個別パスワードでいつでも見る事が出来るようにしている。また園長と2ヶ月毎の職員個人面談時には、本部として個人別の長期目標と短期目標が記載できる目標設定シートの活用を園長に依頼しており今後展開される予定であり、代表は常にリーディングして職員に具体的に働きかけをしている。

重要な案件の意思決定は園内の職員会議で判断しているが、判断が難しい案件の場合は月１回行われる施設長会議で決定される仕組みとなっている。しかし重要度や急ぎの場合は都度直接代表と相談をして判断、決定する事も行われている。決定された内容は毎月１回行われる園の職員会議で全職員に周知されている。尚、職員会議は全員が参加できるように２日間かけて行い内容を理解し納得できるようにしている。合わせて代表から配信される動画メッセージでも共有ができ、内容はホームページの「スタッフ共有ページ」でも確認が出来るようにしている。

保育参加行事を開催の時に聞き取りやアンケートを実施して園運営の参考としている。意見や要望はまずリーダーで話し合い改善方法を決めて職員会議で周知している。現在はコロナ禍で保育参加も制限があるが、個人面談は１０月初めまでに対話面談で実施し希望者にはオンライン面談も伝えていたが、こども園では広い園庭があり、テラスでの面談で実施が出来ている。また現在コロナ禍を踏まえ送迎は０～２歳児はテラス出入り口、３～５歳児は玄関と分散しているので対話も良く出来ている。個人面談や日々の対話で聞いた意向も園運営に活かしている。

職員の意向は２か月毎に行われる園長との個人別面談で把握して検討が必要な内容は直ぐに対応している。時間は15分前後ではあるが、園の職場環境に対する意見や或は不安や悩み、相談事など丁寧に面談で確認している。また翌年の勤務形態に関する意向確認もしている。個人面談以外でも、園長は日々の保育の中で職員の心配事を抱えている様子や悩んでいる様子に気を配り、立ち話程度ではあるが直接聞いたり確認をしている。また毎日行われる各お部屋ミーティングには同時刻に行われるが出来る限り少しずつ参加し意思疎通を図ったり意見を確認している。

保育の質の向上を目指して、あるべき姿に向けた道筋を中長期計画として策定し３園に展開することが望ましい。中長期計画では年次ごとに達成のレベルを定め単年度計画に反映する事と、現在全体的な計画は施設長会議で十分討議して設定されており、この中の項目から、例えば保護者支援や地域との交流、などを中長期的な視点で検討される事を期待したい。現在は園長の業務が多岐に渡っているので、今後は３園に運営管理者として事務長を配置してより展開が出来る環境設定作りと、本部と各園で予算管理出来るようにする事を準備中で早期展開に期待したい。

入職前には職員心得を説明して行動規範や倫理観を持てるようにしている。また入職時には全員が個別ファイルを持ち、職員心得を含む必要な資料がファイル化されている。こども園では、園長が日々保育現場で気配りをして、こどもに対する声が大きかったり言い方がきつかったり、対応する態度などが気になった場合は都度職員に寄り添いその場で声掛けをしている。一度季節会議の時に職員心得を読み合わせすることを考えており、特に新年度季節会議に全員で再度共有する予定である。

重要事項説明書の説明時に苦情受付について説明をして多摩市総合オンブズマン制度に加入している事も伝え、保育契約書でも苦情や相談に対して誠実かつ迅速に対応する事も説明している。しかし今回の第三者評価における利用者調査からは保護者にはあまり伝わっていないという結果も出ている。会社や園として責任ある制度でもあるので、調査結果を気づきとして、改めて保護者会でも説明する事を予定している。苦情に対しては職員が勝手に判断する事は行わず必ず内容は園長に報告され情報は一元化しており、内容によっては代表に確認して対応している。

会社では、企業主導型で０～２歳児保育枠の創出で待機児童減少への貢献や、近隣企業と連携して社員のこどもたちを受け入れる事等、コミュニティの創出事業として新たに取り組んでいる。更に学童保育・病児保育・一時保育を実施し、また子育てカフェなども行い地域に対して専門性を活かした貢献として活動としている。こども園では独自の地域への活動は行っていないが、隣接する姉妹施設こどもリビングでは、近隣の農家のもち米販売を行っている。毎年３園が収穫体験をお願いしている農家で、今年はコロナ禍でお餅つきが中止となった事で対応している。

３園とも全て近隣に所在しているので、会社としてリスクを特定し対応している。特に今年は新型コロナ感染症対策について重要事項説明書内に直ぐに記載し、また代表は保護者に対して園の新型コロナ感染症対策を動画配信して理解を促している。危機管理マニュアル、多摩川洪水時避難計画の整備、またホームページでは大栗川の氾濫の危険性と避難手順について掲載し、職員・保護者に注意喚起をしている。こども園は昨年台風被害を受けたこともあり水防避難訓練は適宜行っている。ヒヤリハット・事故簿は職員会議で必ず確認し再発防止策も共有されている。

３園では保育園システムを有効に活用して保護者とのコミュニケーションや職場内の共有や業務改善に繋げている。園では重要資料や児童票、個人情報等の紙媒体は、鍵付きの書庫に保管され園長と事務職員で管理されている。各お部屋に１台ずつパスワード設定のPCがあり保育ドキュメンテーションの作成や資料作成、データ管理等行われている。さらにお部屋ごとにタブレットや携帯端末を活用してこどもの育ちの記録や保護者への発信記録、連絡帳の作成に活用され、持ち帰りは厳禁としたルールで終了後は各お部屋の鍵付き書庫に保管されている。

個人情報取り扱いに関しては、重要事項説明書内の項目で説明し、ホームページや園だより等の写真掲載に関して契約書で同意を得ている。また多摩市では個人情報の提供に関する同意書が義務付けられており対応をしている。しかし重要事項説明書や保育契約書内では、「お子様の写真掲載について」とする項目で説明をしているが、会社で保有する個人情報保護規程に基づき、個人情報や写真掲載等の使用目的や使用範囲、或は開示請求等を園として、会社として説明し理解を得る事が望ましい。その上で同意書を別にもらう事の検討も期待したい。

キャリアパスは１年前に作成し職層毎に求められる具体的な職務内容と１６の評価項目で分かりやすく作られている。現在では園長に説明して共有をした段階で今後は全職員に対して説明をして周知していく予定で有効な周知の方法を現在検討中である。会社では次期施設長候補の育成のための人事異動や役職に就かせる事、また資格取得支援として保育士・モンテッソーリ教師・野外教育リーダー等のサポートもしている。今後はキャリアパスを十分に踏まえて職員の人材育成計画を整備し、資格取得支援や各種研修への参加を連動させていく事に期待したい。

会社として、保育士資格取得支援や野外教育リーダーズ養成研修、或はモンテッソーリ教師トレーニングセンター受講サポート等、希望が有れば正社員、短時間社員資格取得支援者、パート社員より希望があれば勤務形態に関わらず研修に参加できるようにている。また正規職員は全員防災防火責任者講習を受講、発達支援者研修や講義の受講など幅広く研修に参加出来ている。こども園としては季節会議ごとに園内研修を行っているが都度内容を決める事が多いので、今後は事前に職員の学びたい事を聞き、年間であらかじめ研修内容が分かるように進められたい。

園長は日々職員の心配事や悩み事がないか気配りをして、感じられるときは直ぐに近寄り立ち話で聞くように心がけている。また職員面談では翌年の勤務意向も確認し、会社の仕組みでは時給制・月給制の選択が出来る事から家庭の事情などの相談を受けてアドバイスしている。こども園では職員がお互いの良いところを見つけあい「良い保育」と気が付いた時にはカードに内容を書いて都度事務室に貼っていく仕組みがある。この内容は職員会議で称えあう事で意欲向上に繋がっている。また園長も保育に入っている事でこども園がチームとして上手く機能している。

会社のホームページには、「生み出す喜び！つながる力！もう一つ上の子育てサポート環境へ」を上げ、理念や社訓、目ざす保育や保育者の基本姿勢などが掲載されている。園の欄には、縁日やクリスマス会などの行事や石の収集と観察、野鳥のこと等、野外活動コーディネートと子どもたちの関係も垣間見れ、日常のこどもたちの様子を写真と共に具体的に掲載し、園が何を大事にして保育をしているかがわかるようになっている。また、入園に関する問い合わせや重要事項説明書をダウンロードできるなど、利用者が園の詳細な情報を入手できるようになっている。

行政へは毎月、園の在籍人数の報告をしている。また、臨時情報提供として、在籍人数の確認の問い合わせがあり返答をしている。地域の掲示板には園の行事や会社で運営しているリビングの情報を掲示している。リビングのカフェには園のパンフレットを置き、いつでも見ることができるようにしている。市内の認証保育所のガイドブックを作成し、市役所の所轄課や保健センターに持参している。

見学を希望する人にはインターネットで申し込んでもらっている。直接園に問い合わせもある。見学日は、基本保護者の都合に合わせるようにしているが、園の都合を伝えることもある。見学者にはこどもの様子を見て欲しいので午前中を薦めるようにしている。必要に応じて土曜日も見学対応することもある。見学当日にはお問い合わせカードに氏名や入園希望時間、就労形態などを記入してもらっている。園舎の案内は事務職員が行い、保育に対する質問がある時には園長が対応している。

入園の契約は１０月以降随時行い、単願での申し込みを受け付けている。保育の契約時に、会社の理念や保育目標、保育方針、園の概要、園生活の基本などを話すと共に、重要事項説明書を一緒に読みながら内容を説明している。その後、保育契約書に署名、押印して提出してもらっている。保育契約書の中に重要事項説明確認の項目があり、契約と同時に同意を得る仕組みになっている。入園に必要なこどもの個別の情報は、契約時に書類を渡し、入園前面接時に記入し持参してもらうよう保護者に伝えている。

年度初めの入園では３月に入園前面接を行っている。面接時には児童表、離乳食進行状況調査票、健康アンケートについて、栄養士や看護師も専門職の立場で留意事項を保護者に確認している。また、アレルギーについては保護者からの申請に基づき、栄養士や看護師も確認し対応を話し合っている。担任は食事や排せつ、睡眠や遊び、言語や健康などこどもの生活状況を保護者から聞き取り、統一した書式に記録し、把握できるようにしている。

入園前面接で保護者の就労状況を聞きながら、導入保育の話しをして、契約した保育時間になるまでの予定を、導入記入票に記入し確認をしている。保護者にはこどもに合わせての仕事復帰ができるように伝え、２週間を目途に契約した保育時間になるようにしている。１日目は２時間から始め、ミルクの飲み具合や睡眠、食事などの様子を見ながら、個別に保育時間を延ばすようにしている。導入保育中に必要に応じて栄養士や看護師が個別に面談をしてこどもの様子を共有できるようにしている。

こどもの生活状況や発達の把握は、保護者からの連絡帳からの情報や日々の保育活動を通して、個別の月案や短期指導計画・日誌、成長の記録などで把握し、会社が定めた書式に記録している。こどもの個別の成長の記録は、全お部屋毎に毎月末に記録し把握できるようにしている。保護者のニーズは保育参加の感想から要望をくみ取り、乳幼児のリーダーと話し合い、全員に周知したり、緊急性のあるものは園長がお部屋の日々の振り返り会議の中で伝えるようにしている。

本部で作成した全体的な計画を踏まえ、お部屋毎に長期指導計画を４期に分けて作成し、月毎と期案に対する評価と改善点を記録している。お部屋ミーティングは毎日２時から３時の間に１５分程開催し、園長も参加し今日のこどもの様子や保育を振り返っている。毎月月末にお部屋会議を開催し、園長や栄養士が参加している。職員会議は月末に２回に分けて開催され事務連絡や月間指導計画を持ちよりは話し合っている。職員のいいところを見つけられる目を育てたいと考え、「いい保育」を見つけた時にはお互いにメッセージを書いて共有している。

毎日、短期指導計画・日誌の用紙に、週のねらい（P)と今日のねらい、こどもの姿と保育者の関わり（D)、評価と改善点（C・A)の視点でお部屋ミーティングが行われ、記録し、金曜日には週の振り返りが行われている。日々の情報はお部屋毎の連絡ノートと連絡ボード（伝達事項）があり、事務連絡は連絡ノートに、保護者に伝える内容は連絡ボード（伝達事項）に記録し、電子媒体を使い保護者には伝えられている。日々の申し送りは連絡ノートを確認し、サインをすることになっているが、サイン漏れが見られるので、サインチェックの周知をしている。

保育活動の中で見えない力の手助けができるように、こどもの声を拾うようにして、自ら遊びを選べる環境を作るようにしている。短期指導計画・日誌には週の計画と共に今日のねらい欄があり、毎日のお部屋ミーティングでこどもの姿や保育者のかかわり、評価・改善点が話され記録され、こどもの今に対応した保育ができるようにしている。お部屋での遊びを「おしごと」と呼び、１・２歳児では発達段階に応じてお仕事の中身を先を見通しながら入れ替えている。日々のこどもの姿の観察を通し、環境を整え、こどもの育ちをサポートできるようにしている。

こども同士のトラブルでは、３歳児から５歳児の場合には、見守り、お互いが話ができるように関わるようにしている。お互いに解決できない時には介入する場合もある。保護者に対しては、噛みつきの場合には、噛まれた場合には伝えるが、理由があると考えすべてを伝える対応はしていない。こどもへはお互いの気持ちを代弁するなどして、相手の気持ちの理解が深まるような対応を心がけている。また、病気・ケガ（かみつき含む）一覧表に、日時や場所と詳細や対応などを記録し、職員で共有できるようにしている。

５歳児は、学校に行くからではないが数字や文字に出合うような場面では丁寧にサポートして興味を持ち発展できるようにしている。特に自分の考えていることや思っていることを伝えられるようになることは大事だと考え、話し合ったり考えたりできるように質問をする機会を多くして発表の機会を大事にしている。誰かに伝えたいことがあるとポストに手紙を入れ郵便屋さんになった当番が、みんなの前で誰への手紙かの報告をしてから配達をするなど楽しみもある。こどもたちからはありがとうの言葉が多く聞かれている。年度末には学校訪問の予定がある。

保護者には登園前に電子媒体の連絡帳で配信してもらうようお願いをし、早番職員は登園時に食事や睡眠、体温などを確認している。０歳児から２歳児は再度検温をお願いし、体調の管理に万全を図るようにしている。保健だよりを発行し、熱中症や食事や睡眠の大切さを伝えたり、コロナの情報では熱や咳、倦怠感、のどの痛みなどの症状を掲載し、注意を促している。降園時には連絡帳に子どもの様子を書いてすでに発信し、保護者はそれを見て迎えに来ているので、伝達ボードに記入された健康などの連絡事項を当番職員が直接伝えている。

基本的な生活習慣については、短期指導計画の中で計画をして、一人ひとりのこどもの状態を把握し、個別に応じた支援が出来るよう取り組んでいる。保護者に対しては、連絡帳の食事や排せつなどから把握した様子を踏まえ、園での様子を伝え、身につくように援助している。連絡帳を電子媒体にしたことで、ノートを使っていた時より、よく家庭の状況を書いてくれる保護者が増えている。時には子育ての楽しさのメールや長文の相談メールが届くなど、こどものことを共有する機会や家庭との連携に変化が見られている。

睡眠の時間は個々の生活のリズムを把握し、家庭との連携の基に進めることが大事だと考え、前日からの睡眠時間や睡眠の状態、朝の体調、食事の様子、機嫌などを把握し、その日の睡眠や生活時間を決めるようにしている。例えば、連絡帳から午前寝が必要かを判断したり、朝の食事の時間を見て早めに給食を用意するなどの配慮をしている。その日の様子は保護者に伝えるようにしている。５歳児は夏以降から、１４時頃までは活動をして、その後短時間体を休める時間帯にするなど、こどもの体力に合った休息の対応を心がけている。

こどもの発達を理解し、興味や関心がどこにあるのかを把握し教具や教材を用意している。今年は糸をテーマにした活動に取り組み、糸巻の歌を歌いながら、最初はトイレットペーパーの芯に糸を巻くことから始め、次の段階では角をつけた段ボールに糸を巻くなど難度をつけたり、小枝を組んで糸を巻くなどこどもが考えながら挑戦できるよう工夫をしている。日常的に糸を使う活動があり、５歳児になると糸刺しで作品をつくり、額に入れ園内に掲示している。こどもが自分から遊ぶ場所や遊びを選べるように、こどもの自己選択を大事にしたかかわりをしている。

毎日の保育活動の中で話し合いの場をつくっている。３歳児から５歳児の集まりの場では話したいことがあるのかを訊ねたり話すことが苦手な子には目に見える事象を伝え言葉にする経験ができるようにしている。縫い針が落ちていたことがあり、こどもたちに投げかけ話し合った結果毎日当番が本数を確認しみんなの前で報告することが決まるなど自分たちの問題として考える力を育てている。遊びの中で勝ち負けにこだわり参加しない姿もあるが負けても次があるよの声がこどもから出たり一緒にやろうと誘うなど、友だちの中で気持ちを調整する体験をしている。

天気のいい日には、園庭に出たり、散歩に出かけている。１・２歳児が園庭で遊ぶ時には園庭チェック表で安全を確認し、裸足で遊ぶことを選択できるようにして土や水、石や草花などの自然物に触れて遊ぶことを楽しんでいる。５歳児は数字に興味を示すようになり、散歩に行く時にどの位の距離を歩けるのかが話題になり、万歩計を使い出かけている。森のある公園や河川敷を１時間程歩くと約７０００歩程になるなど数字を確認できたり、川遊びを通してバランス感覚を養うなどこどもたちの基礎体力つくりにもなっている。

日常の保育活動の発展から、行事の活動に繋がっていると考えている。毎年やっている縁日は、こどもたちの声から日時を決めて実施している。今年はやる？やらない？の声かけに対して、やりたいのこどもの声からスタートし、何をやるのかはこどもの意見で内容を決め、昨年のやり方を踏襲することはしないようにしている。当日はお面やさん、アクセサリーやさん、魚釣り、モグラたたきなど５歳児を中心に考えたお店やさんが並んだり、新聞紙を破って段ボールに貼って花火の絵を描いたお神輿を園庭で担ぎ、模造紙が鉢巻きになるなどの行事を楽しんでいる。

毎年、５歳児はお泊り保育を経験している。昨年のお泊り保育では、郷土の森で行きたいところややりたいことをノートに書いたり、どんなことができるかを調べたりして、みんなで話し合いをしている。当日のプログラムの中身を決め、しおりを作成している。勤労感謝の日の意味を伝え、給食の食材を搬入してくれるお肉屋さんやお米屋さん、魚屋さんに「ありがとう」を伝える機会がないので、みんなで話し合い協力して「ありがとうカード」とプラバンをつくり、渡している。当日は、みんなを代表してプレゼントを渡す人を決め、気持ちを伝えている。

年度初め年間予定表を保護者に配付している。今年は親子参加の行事がないので、遠出をする散歩に参加する日を調整し、小さい子を連れての散歩で手をつないで歩いてもらうなどの手助けをしてもらっている。行事は日常の保育のこどもの興味や関心事から発展すると考えているので、こどもの日常の姿を発信する機会を増やしている。３歳児から５歳児は毎日あったことを玄関に掲示したり、週末には今週のお部屋の様子としてタイトルをつけて、写真と共に具体的な様子や取り組みの意図などを配信し、保護者からは好評の意見が寄せられている。

玄関を入った１階の１・２歳の部屋を朝夕の保育の場として活用している。３歳児から５歳児は日常的には２階での生活になるので、小さい時に遊んだブロックや手縫いのおもちゃで遊ぶなど、くつろいだ姿が見られている。職員体制は、パート職員も含め３名が交代で長時間の保育にあたるようにするなど固定した体制をとり、こどもたちがいつも見慣れた職員がいることで、安心して過ごせるようにしている。

保育時間の長いこどもは少ないので、少人数になるとミニカーなど個別に遊べる玩具を出して、楽しく遊べるようにしている。０歳児や１歳児がいる場合には、必要に応じて夕寝をする場合もある。１８時４５分頃になると補食を食べ、夕食日誌で食数や喫食状況、こどもの体調、手洗いの確認、提供物の温度、異物混入や異臭などの確認をして記録することになっている。夕食か補食かは選択できるようになっていて、遅くなっても家で食事をしたいという保護者の要望に応えられるようにしている。

玄関わきに給食室の入り口があり、いつも給食の匂いがして身体をたくさん動かして遊んだ後空腹で食事に向かえる環境がある。個別のテーブルにクロスをかけお花を飾るなどして雰囲気をつくり落ち着いて食事ができるようにしている。ランチョンマットを使用して食事をしているが、０歳児はお皿一つと食具を置く場所の刺繍、１・２歳児は主食、汁物、副菜、コップの置き場とスプーンとフォークの置き場の刺繍、３歳児以上は刺繍は施されていないなど年齢に応じて食事を秩序立てて食べることができるように配慮され食事に集中できる環境が用意されている。

献立は会社本部で作成し、出し汁を効かせた和食を中心にした献立にしている。食育計画にも旬の食材欄があり魚や野菜、果物などが記載され献立作成に参考になるように配慮されている。０歳児の離乳食は、園と家庭が同じ方向で進めることができるように、家庭との連携を大事にしている。毎日の喫食状況や残食状況は園長が把握し、給食日誌に記録している。毎月、給食会議が開催され、献立反省や来月の献立の検討や離乳食の状況が報告されている。苦手な献立があった場合には、味付けを変更したり、苦手なものを減らすなどの工夫をしている。

アレルギー食の提供では、保護者から看護師と栄養士が聞き取り医師の生活管理指導表に基づき実施している。毎月アレルギー児用の献立を保護者と確認しながら提供している。配膳時には、トレーに食器を載せ献立名が書かれたボードを口頭で確認している。提供時には給食担当と担任が内容を確認しお部屋では担任同士が確認し、個別のテーブルに配膳し誤食がないようにしている。夏野菜を植えて収穫して調理してもらい食べたり、土手でのよもぎ摘みや大豆を収穫して黄な粉にしたり、竹の子の皮むき、アスパラ折など食に興味を広げる活動が展開されている。

保健計画に基づき、手洗いの感染症予防の指導を年２～３回、歯磨き指導を年１回、看護師が実施している。こども自身から自分の体調の変化を伝えられるように、例えば、どこで転んだのか、何をしたから痛くなったなどについて、保育者が丁寧に声をかけ、状況を把握しながら、こども自身から痛いところを言えるようにサポートすることを意識してかかわるなど、こどもが自分の健康に関心を持てるようにしている。こどもが生活環境に興味を持てるように、こどもサイズのほうきやちり取りが部屋の隅に掛けられ、必要に応じて使えるようにしている。

薬は原則預からないことになっているが、医師が処方した薬で与薬が必要な時には、くすり連絡表に必要事項を記入してもらい預かっている。会社の取り組みである病児保育や小児科オンラインで夜１０時までに予約すると病気の相談にのってくれる仕組みを紹介している。こどもの定期健康診断は年２回、歯科検診は年１回実施し、結果は保護者に対して、お知らせとして配布したり、身体計測は電子媒体で個別に配信している。また、保健だよりで健康に関する留意事項を掲載するなど情報提供している。

登園時の手洗いの奨励や午睡前や午睡後に検温をして、日常的な感染症の予防や健康管理に配慮している。入園前面接の時に、乳幼児突然死症候群について説明をし、日常的な予防対策として午睡時に０歳児は５分毎、１・２歳児は１０分毎に姿勢や顔色、呼吸などの睡眠状況を把握し記録している。記録用紙には、傍を離れないことや仰向け寝を徹底することなど対応する視点が明記されている。感染症が発症した時には、玄関に掲示するとともに、電子媒体で保護者に配信するなど情報を提供し、こどもの体調の変化に対して注意を促している。

入園前面接時に、保護者から就労状況や個別の事情を聞き取り、保育時間を決定している。保護者の急な残業の申し出や体調不良に対しては、１３時間開所の原則を踏まえできる限り対応している。電子媒体を活用することで保護者からの相談が増え、その都度対応ができるようになっているが、利用者調査では安心して預けることができる、園としての考えを丁寧に配信してもらっているなどの意見と共に、園の様子がわからないやコミュニケ―ション不足を感じるなどの意見もある。今後更に保護者から声をかけやすい関係や環境を作ることを期待したい。

５歳児は７月から１０月にかけて個人面談を対面やオンラインで実施している。保護者会や保育参加、参観も実施できない中で、日常のこどもの様子や保育活動の状況を丁寧に伝える方法を考え提供している。園では計画を立てこどもの育ちを見ているので、個々のこどもの育ちとして感動の一場面として写真とコメント付きで伝えたり、お部屋からの発信では散歩に出かけた様子、自然物を使った色水つくりなどと共に今後・・として保育の課題を記載したり、週末にはお部屋の様子をタイトルを添え発信するなど、保育に対する理解を深める機会にしている。

年間の生活の予定は年度の初めに保護者に知らせている。保護者が参加する親子遠足や芋ほり、餅つき、などの行事の後に保護者会を設定しグループワークを企画するなど参加しやすい日程や内容にしている。行事に対しては発表をするような実施は考えず、こどもたちがやりたいことを大事に成長を感じる機会を共有することは大事にしていきたいと繰り返し伝えるようにしている。毎年クリスマスの時期になると保護者が集い手作りの物を作る機会をもっている。毎年テーマを決めたオーナメントを渡し同じものを作ることで共感できるようするなど工夫している。

自然に囲まれた環境があり、日常的に戸外で活動する機会に恵まれている。１・２歳児は多摩川で、河をみたり感じたり、風を感じるなどの経験を大事にしている。３歳児から５歳児は、河川敷でボールを使ったあてっこや氷鬼や十字鬼を楽しんでいる。近隣の農園でトウモロコシの収穫や芋ほりをしたり、野鳥に詳しい人から話を聞くなどの交流をする機会もある。野外活動にはコーディネーターの力を借りて実施し、危険を予防し安全に配慮した活動ができるようにしている。散歩確認表をつくり出た時間や帰園時間を把握できるようにしている。

地域にある図書館には定期的に出かけ、本をみたりする機会をもっている。本は職員が借りて、園に持ち帰り見ることができるようにしている。昨年は中学生の体験学習があり、こどもたちが職員以外の人との交流をする機会に恵まれていた。園舎の隣にあるコミュニティカフェに来る親子に挨拶をしたり、散歩先であった地域の人には挨拶を通して触れ合うことを意識している。今後は、近隣の住民とコミュニケーションが取れるような取り組みをしてきたいと考えている。

保育契約の項目の中に、職員の秘密保持や第三者機関への情報提供、運営上必要な情報の提供について明示し、重要事項説明書の中には、こどもの写真掲載についての項目があり、保護者の同意を得て写真を活用している。また、取材など外部への情報を提供するような場合にはその都度保護者に確認を取っている。園の運営や保育上必要な個人の情報の収集の種類や使用目的、第三者へ情報を提供する際の内容と共に、情報の保護に対する基準を明示するなどの検討を期待したい。

こどもの羞恥心に対しては、写真の掲載内容については細心の注意を払うようにしている。全裸にならないように、１・２歳児の時からおむつ交換時や着替えの時に丁寧に関わるように配慮している。こども自身も人なので、やってほしいことと欲しくないことがあると考え、大人だらかやっていいことではなく、こどもを人として大事にしていきたいと考えている。保護者の価値観や生活習慣に対しては、日々の送迎時や個人面談で把握し、連絡帳で相談にのるなど多様な方法で対応し配慮できるようにしている。年度末では個別の情報を次年度に引き継いでいる。

市から配布されている子ども虐待防止対応マニュアルがあり、いつでも閲覧できるように事務室に整備している。虐待防止のポスターを玄関わきに掲示するなど注意喚起を促している。虐待防止のマニュアルは手に取って読むことを促している段階なので、今後、虐待や育児困難家庭への理解を深めるために、マニュアルの読み合わせや研修会に参加するなどの機会を増やしていきたいと考えている。

園の業務の水準化を図るために、危機管理マニュアル、感染症予防対応マニュアル、調理衛生管理マニュアル、看護師業務マニュアル、コロナガイドラインなど１３種類のマニュアルが整備され、安全対策や災害時の対応、衛生面や保育業務内容を明確にしている。職員には職員研修資料として、基本の心得、こども・大人・人間関係、仕事人の心得、電話対応マニュアルなどを個別ファイルにして配布し何時でも内容を確認できるようにしている。マニュアルは事務室の書棚に整理され、必要に応じて確認できるようにしている。

提供しているサービス内容の日常的な点検は、調乳チェックリスト、園庭チェック表、遅番チェック表・自主点検表（日常）などがあり、園庭は早番がガラス片やタバコなどを点検し、園庭に出る都度不備を確認するしくみをつくり、夏場には熱中症指数を記入するなどの予防対策をしている。遅番チェック表・日常点検表では、日々の点検確認の中で不備や欠陥がある場合には防火管理者にすぐに報告することが義務づけられるなど、見直しが行われるようになっている。

業務の見直しにあたっては、保護者からは、日々の送迎時の会話や、連絡帳。意見箱、個人面談などから意見を収集している。マニュアル関係の見直しは、本部の幹部会議での検討を予定している。職員からは誤飲や園庭チェックなどについて意見が出され、園庭の危険個所のチェックができるようにするなどの改善をしている。今後は救急の訓練を予定している。園内外の業務の見直しは、主に職員会議で実施しているが、必要に応じて、お部屋会議を活用するなどして、意見を言いやすい環境になるよう工夫している。