東京都福祉サービス第三者評価  評価結果





評価結果基本情報

評価年度 令和2年度
サービス名称 認可保育所
法人名称 医療法人財団光善会
事業所名称 こはるび保育園
評価機関名称 特定非営利活動法人 せたがや福祉サポートセンター

コメント

園は平成29年4月に開設し、第三者評価受審は2回目である。法人は医療法人財団として10数年、地域福祉に取り組んでいる。機関としては前回からの引き続きの評価である。今年度は、コロナ禍への配慮もあり、訪問回数を極力減らし、経営層のみへの第三者評価説明会(特に3年前と違った点)を行った。また、園との連絡はメール・電話などで密に行った。さらに、評価者として保育園勤務経験者を配するなど、専門性の担保に努めた。


(内容)
 Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像
 Ⅱ 全体の評価講評
 Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み
 Ⅳ 利用者調査結果
 Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)
 Ⅵ サービス提供のプロセス項目


公益財団法人東京都福祉保健財団
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Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像

1 理念・方針  (関連 カテゴリー1 リーダーシップと意思決定)
  事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)

1)保育理念 2)保育方針 3)保育目標 4)保育環境(人的環境・物的環境) 5)保護者対応

 
2 期待する職員像  (関連 カテゴリー5 職員と組織の能力向上)
  (1)職員に求めている人材像や役割

・子どもたち一人ひとりの心を大切にできる職員 ・子育て支援の役割を理解でき、保護者の子育てを肯定できる職員

 
(2)職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

・子育て支援を担っているという自覚、使命感

 


Ⅱ 全体の評価講評

全体の評価講評

特に良いと思う点
1 少人数を活かし、子ども・保護者の一人ひとりと丁寧に関わりながら、きめ細かい保育に努めている

園の保育理念に、「子どもたち一人ひとりの心を大切にし、保護者からも信頼され、地域に愛される保育園を目指します」とあるように、一人ひとりの子どもの気持ちを受け止めながら、きめ細やかな保育に努めている。0歳児から年長児まで、毎日の子どもの様子が連絡ノートによって丁寧に保護者へ伝えられている。さらに、毎月のクラスだよりにも必ず一人ひとりのその月の活動とともに、一番良い表情をカラー写真で伝えている。保護者とも個別の関りを大切にしており、要望や苦情にも時間をとって対応し、「園だより」などへの意見・感想も公表している。
2 コロナ禍の在宅勤務によって、職員が自主自発性の能力を顕在化している

2020年4・5月のコロナ禍による緊急事態宣言を受けて、園では職員の在宅勤務制度を採り入れた。その際、在宅勤務の職員へは自由テーマで日頃の園活動に役立つ検討とその結果報告を求めた。報告されたものの大部分は有用性が高く、秀逸な成果となっている。具体的には、フエルト製の手作り玩具・腰痛防止体操・連絡帳の工夫などがあり、多くが現在活用されている。こうした、自主性ある目標設定は、職員に達成意欲とやる気を生むものであり、また、達成後は褒められ・満足感が生まれるという好循環に繋がり、マネジメントにおける要諦でもある。
3 食育の日を設けるなど、子どもが楽しんで食に関心を持つ活動が展開され、家庭へも食育の大切さを伝えている

食育の計画は、1年を3期に分け、乳児と幼児それぞれのねらいを立て、子どもへの働きかけや活動、及び保護者への働きかけが行われている。食育の日を月に2日ほど設けて、調理師が子どもたちに食に関する話を行っている。7月は、みそ汁と澄まし汁とスープの違いの話であった。また、野菜を当てるゲームをしたり、朝ご飯をバランスゴマに当てはめる体験なども行っている。子どもたちの活動は、2ヵ月に1度の「食育だより」で保護者へ伝えられ、カラー写真による活動の様子をはじめ、旬の食材の豆知識やおすすめのメニューなども載せられている。

さらなる改善が望まれる点
1 職員のキャリアパスを展望した研修体系の確立が期待される

年度の個人ごとの研修計画はあるが、今回の第三者評価の職員アンケートでは、キャリアパスとしての長期的な展望による研修の欠如が指摘されている。個々の職員に何を期待し、どのような職員に育て上げるかというキャリアパスを展望した研修体系の確立が期待される。これは、正職員のみならず非常勤職員にも当てはまることであり、この研修体系の明確化によって、職員のやる気と能力伸長が期待される。
2 人事考課が実施されているが、職員の意欲をより向上させるものであることを期待する

人事考課制度は、法人の仕組みに包含されている。園は、人事考課表の一次評価者となっており、法人本部での二次評価及び三次評価で最終決定がなされる。現状では、人事考課の結果が昇給・賞与に反映されてはいない状況である。人事考課は、評価を通じて職員が頑張り、その結果が報われることにより職員のやる気と成長に繋がるものである。人事考課の結果が報われないことは、やってもやらなくても同じという組織の不活性化を生じがちになる。さらに、直属上司が一次評価を行い、二次評価が園長となるような権限の強化を図ることが望ましい。
3 マニュアル類の整備は進んでいるが、見直しの時期と手順の明示が望まれる

この4年で、職員意見をベースとして、保育の現場で必要なマニュアル整備が進められている。しかしながら、マニュアル類の見直し・修正はこれからと思われる。マニュアル類の見直し・修正に際しては、年に1度或いは2年に1度という見直しの時期を明確にすることと、各委員会或いは職員会議での見直しなのかという手順(方法)の明確化も望まれる。さらに、見直しの時期と手順を職員へ周知するために、マニュアル類のファイルの冒頭に明示することも併せて望みたい。

Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み

1 ★ 年長職員と若年職員の人間関係をよりよくするために、実践的な園内研修を重視している

園は歴史が新しい。開設当時から年齢の高い職員も多く、以前からの保育技法がある。一方、若い職員は学校で習ってきた保育技法で対応しているなど、年長の職員と若い職員とにギャップが生じがちで、人間関係まで軋轢傾向になっている。これを踏まえ、園長は両者のコミュニケーションの良好化に力点を置くべきと考え、園内研修や会議などにおいて実践的なテーマによるディスカッション・意見交換を通じて両者の意思疎通を高めようと努めている。最近では、「気になる子の対応について」というテーマで実施された。
関連評価項目(職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる)
2 ★ 子どもの自主性を大切にし、遊びこめる環境の工夫を行っている

子どもが自主的に遊びを発見・継続できるよう環境を整えることに努めている。在宅ワーク期間、職員それぞれが普段の子どもたちの遊びの観察を通して、興味を持つような玩具を自主的に手作りした。フエルトで作られたホールケーキや、ロールケーキ・アイスキャンデー・イチゴ・キウイなど、子どもたちが好きな食べ物やお弁当が数多くあり、ままごとやごっこ遊びを広げている。さらに、段ボールで作ったキッチン・ガチャガチャあそび・人形の洋服も数多く、また、パネルシアターも種類が多く、子どもが好きな遊びで集中できる環境を構成している。
関連評価項目(日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している)

Ⅳ 利用者調査結果

調査概要
調査対象:定員60人のうち、家庭数である51人の保護者を対象とした。43人(84%)から回答があり、回答者のうち95%が母で、その他は父と父母一緒にとが1人ずつだった。

調査方法:アンケート方式  
機関により第三者評価についての経営層への説明会実施後に、園から保護者へアンケート用紙を手渡ししてもらった。また、園で回収箱を設置し糊付けした封筒に入れたアンケート用紙を回収して、機関へ一括で送ってもらい、機関で集約・グラフ化して園へ報告した。

利用者総数 60人
利用者家族総数(世帯) 51世帯
アンケートや聞き取りを行った人数 51人
有効回答者数 43人
回答者割合(%) 84.3%

総括
「大変満足」が27人(63%)、「満足」が13人(30%)で、満足度は93%と大変高い。その他、「無回答」が3人(7%)だった。自由記述には、「体操教室・英語教室が楽しみ(複数)」「子どもが毎日笑顔で楽しみに通っている(多数)」「他のクラスの先生も子どもに声を掛けてくれ、子ども第一に保育をして下さる」「園庭がないため、駐車場の砂場や屋上のアスレチックなど工夫をしてくれて感謝」「公園に行くときも事前にリサーチしてくれて安心」「連絡帳へ丁寧に書いてくれて、少しの変化もお迎えで伝えてくれる」「コロナでも可能な限り行事や遊びを充実させてくれた」「自宅待機の時も、事情を話せば延長保育をしてくれた」「トップ(理事長・園長)が保護者と向き合っていて良い」等、感謝や満足の言葉が多く記されていた。意見・要望として、「スイミングもあれば嬉しい」「もっとイベントがあると良い」「子どもの身だしなみに対する配慮が欲しい」「園で撮影された写真を買えるようにしてほしい(複数)」「4~5歳児がもっと満足できる保育を」等、記されていた。また、調査意見として、「このような調査があるのは良い」「アンケートはWEBが良い」と、記されていた。

利用者調査結果

1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
はい 42人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
「はい」が98%、「非該当」が2%だった。設問記述には、「工作や芋ほりなど、自宅では難しいことを行ってもらい、良い経験となっている」「遊びを通して運動や言葉を沢山覚えているようです」と、記されていた。
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
はい 40人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」が93%、「どちらともいえない」が7%だった。設問記述には、「自宅でも、楽しかった活動は引き継いでいる」「家ではできないおままごとなど遊べているようです。工作(粘土・お絵かきなど)もたくさんやってもらいたい、作品の持ち帰りがあると嬉しい」と、記されていた。
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
はい 42人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」が98%、「どちらともいえない」が2%だった。設問記述には、「砂糖は上白糖でなく、てんさい糖やきび砂糖を使ってほしい」「とても恵まれた食事を頂いている」「同じメニューが多い」「食事に力を入れてくださっている」と、記されていた。
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
はい 37人  どちらともいえない 5人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
「はい」が86%、「どちらともいえない」が12%、「いいえ」が2%だった。設問記述には、「園庭がなく、戸外遊びが少ないと感じる」「コロナの影響があるため、何とも言えない」「コロナ禍で仕方がないが、今後は他園や施設・団体との交流が増えてほしい」「室内遊びが多いようだが、近隣の神社・公園へ良く行っている」「体操教室にもっと力を入れてほしい」「プール遊びや公園で異年齢交流がある」「せっかくの屋上があまり活用されていない。来年からはもう少し活用してほしい」と、記されていた。
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
はい 33人  どちらともいえない 4人  いいえ 1人  無回答・非該当 5人 
「はい」が77%、「どちらともいえない」が9%、「いいえ」が2%、「非該当」が12%だった。設問記述には、「柔軟な対応で非常に助かっていて、対応も良い」「遅くなる時はあまり心良い返事ではない(引き受けてはくれるが)」「急がなくて良いですよの温かい声掛けがありがたい」「夕食の申し込みが前日13時まで、キャンセルは1週間前までで利用しづらい」と、記されていた。
6.安全対策が十分取られていると思うか
はい 36人  どちらともいえない 5人  いいえ 2人  無回答・非該当 0人 
「はい」が84%、「どちらともいえない」が12%、「いいえ」が5%だった。設問記述には、「園に入る時、車が通ることが多いので危ない。先生が立って対応してくれているが心配」「遠くの公園や移動時間の長い散歩は避けてほしい」と、記されていた。
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
はい 33人  どちらともいえない 9人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
「はい」が77%、「どちらともいえない」が21%、「非該当」が2%だった。設問記述には、「行事はすべて日曜日」「行事は、土日祝日勤務の保護者もいるので、3ヵ月前には案内が欲しい」「月末月初に保護者会が行われるが、仕事の関係上参加しづらい」「コロナの影響があるため、何とも言えない」「運動会が日曜でありがたい。保育参観は、勤務上もう少し早く案内があると良い」「保育参観の日程決めは素晴らしく本当に助かる」「保護者会がどの業種も忙しい月だと困る」と、記されていた。
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
はい 39人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
「はい」が91%、「どちらともいえない」が7%、「無回答」が2%だった。設問記述には、「発達のことなど、些細なことでもきちんと話を聞いてくれるので安心」「園長と話したり相談できる機会があるのがありがたい、心強い味方です」「若い先生もいますが、経験豊富な先生がいてよく見てくれる」「信頼関係はあるが、コロナ禍で玄関ロビーの引き渡しで話せない。ノートに書くのも限界があり伝えられない」「相談事に対して対応してくれて助かる」と、記されていた。
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい 39人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
「はい」が91%、「どちらともいえない」が7%、「無回答」が2%だった。設問記述には、「表はきれいだが、テレビの裏側のほこりが気になる」「いつ見てもきれい」「消毒もしっかりされているようで安心」「狭い室内ながら、よく考えて整頓されている」と、記されていた。
10.職員の接遇・態度は適切か
はい 39人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
「はい」が91%、「どちらともいえない」が7%、「無回答」が2%だった。設問記述には、何も記されていなかった。
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい 39人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
「はい」が91%、「どちらともいえない」が7%、「無回答」が2%だった。設問記述には、「降園前に熱があったので明日は登園を控えるようにと言われたが、家では熱がなかった。一度の検温で言われるのはどうかと思った」「臨機応変に対応してくださり助かる」と、記されていた。
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい 30人  どちらともいえない 6人  いいえ 0人  無回答・非該当 7人 
「はい」が70%、「どちらともいえない」と「非該当」が各14%、「無回答」が2%だった。設問記述には、「保育参観で保護者へいたずらする子がいて驚いた。対応がどうなっているのかと思った」「何も聞いたことがないので不安になることがある」「園での子ども同士のトラブルについて情報がないので困る(複数)」「先生の見ているところでは対応されているが、大きくなると見ないところで起こっている。連絡帳に書かれていないと指摘したら、会えば話していると言われた」と、記されていた。
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
はい 36人  どちらともいえない 6人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
「はい」が84%、「どちらともいえない」が14%、「無回答」が2%だった。設問記述には、「集団生活なので難しいかと」「クラス担任は個々を尊重してくれる。その他の先生は雑な面がある」「人見知りで引っ込み思案な子だが、よく見てくれ、少しの変化にも気づいてくれる」と、記されていた。
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
はい 38人  どちらともいえない 1人  いいえ 1人  無回答・非該当 3人 
「はい」が88%、「どちらともいえない」と「いいえ」と「無回答」が各2%、「非該当」が5%だった。設問記述には、「園に入れないこともあり、たくさん保護者がいるときには他に聞かれそう」「先生と保護者の会話が聞こえてしまった。プライベートな内容で、話す場所・タイミングに気づかいがほしい」「その時の子どもの気持ちと様子を考え、別の場所で過ごさせていることがあり、配慮されていると思う」と、記されていた。
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
はい 36人  どちらともいえない 6人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
「はい」が84%、「どちらともいえない」が14%、「無回答」が2%だった。設問記述には、「年齢のみで記載してあるので間違えやすい。クラスもあると良い」「いつも参考になる」「成長とともにあえて詳細は言わない方針かなと思う」「お便りや掲示物で写真が多く使われており、わかりやすい。保育目標も記されている」「理念はわかるがどういった活動がその理念に繋がっているかは伝わりにくい。何に力を入れているかをもっと知りたい」「コロナ禍もあり子どもの生活が見えづらい」と、記されていた。
16.利用者の不満や要望は対応されているか
はい 34人  どちらともいえない 4人  いいえ 0人  無回答・非該当 5人 
「はい」が79%、「どちらともいえない」と「非該当」が各9%、「無回答」が2%だった。設問記述には、「担任だけでなく、園長もフォローしてくれ、しっかり報告してくれる」と、記されていた。
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい 17人  どちらともいえない 8人  いいえ 4人  無回答・非該当 14人 
「はい」が40%、「どちらともいえない」が19%、「いいえ」が9%、「非該当」が30%、「無回答」が2%だった。設問記述には、「経験したことがないのでわからない」と、記されていた。

Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)

※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー1  リーダーシップと意思決定
  サブカテゴリー1  事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目2 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  評価項目2 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている 実施状況
  標準項目1 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  標準項目2 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
  評価項目3 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している 実施状況
  標準項目1 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  標準項目3 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
講評
保育理念は、事務室への掲示及び事業計画書にも明示し、職員会議でも共有されている

園が目指し、かつ職員が共有すべき保育理念は、誰もが出入りして目に触れやすいよう事務室に掲示されている。毎日開催される昼礼においても、その都度、話題にされ、共有されている。また、毎年7月・12月・年度末の年3回実施される人事考課の目標設定にも掲げている。保護者に対しては、入園のしおりやパンフレットにも掲示するとともに、入園説明会・入園式・保護者会で丁寧に説明している。

経営層は、自らの役割と責任を認識し、積極的に率先垂範を行って園をリードしている

法人の最高責任者である理事長の園に対する思い入れは強く、園運営のバックアップに努めている。理事長には相談しやすいため、園長は全面的に安心かつ信頼して園運営にあたっている。園長の前職は区保育園の園長経験者であり、初代の運営管理者としての気概と責任をもって保育運営にあたっている。年度保育運営に際しては、全職員の職務分掌を定めて責任を持たせており、経験年数の長い職員が多く、各人が充分にその役割を果たしている。また、各種マニュアルも充実しており、若い職員へは日常保育の中でOJT的に意識づけを行っている。

毎日の昼礼と昼礼ノートによって、業務情報の周知徹底を図っている

園の円滑な運営を図るために、法人理事長・園長・利用者代表等からなる「運営委員会」がある。一方、園の事業計画や重要案件の決定は、実質的には法人本部が行っており、年度末の会議で新年度の方針等を説明している。また、法人の朝礼に園から主任等が出席し、法人との連携を取っている。園では毎日の昼礼において、諸連絡や細かい事項の合意を行っている。出席できない職員は昼礼ノートの記載事項を確認することとなっている。個々の保護者への連絡事項については、送迎時に口頭での通知や連絡ノートなどで行っている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー2  事業所を取り巻く環境の把握・活用及び計画の策定と実行
  サブカテゴリー1  事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  評価項目1 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している 実施状況
  標準項目1 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目2 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  標準項目3 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目4 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  標準項目5 事業所の経営状況を把握・検討している
  標準項目6 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
  サブカテゴリー2  実践的な計画策定に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している 実施状況
  標準項目1 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している ×
  標準項目2 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  標準項目3 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
  評価項目2 着実な計画の実行に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  標準項目2 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
講評
中・長期計画を作成し、職員の事業参画への意識を強めたい

開設後4年の保育園であり、歴史はまだ浅い。当然ながら保育課程や事業計画は作成されており、将来への展望も経営層は描いているが、書面としての中・長期計画は作成されていない。中・長期計画は、理念・ビジョン等の実現の具体的イメージであり、単年度計画策定の礎となるものである。また、職員に対して事業の今後の方向を具体的に明示することは、職員へ安心感を与えるとともに、参画意識や結束力を植え付、職員の日々の行動によい影響を及ぼすと言われている。精緻なものでなくてもよいから将来の方向感を示すことが望まれる。

保護者懇談会で保護者と接する機会を多く設け、保護者意向の確認が図られている

玄関先に意見箱を設置し、保護者からの苦情・要望などを受けており、外部の第三者委員として弁護士・税理士に委託を行っている。保護者からの意向の集約・分析はサービス向上にとって重要なものとしており、行事(今年度は幼児クラスのみの運動会など)の感想・年3回の保護者懇談会・年2回の個人面談・年1回の保育参加日などでの聞き取り事項を役立てている。また、子どもの送迎時における保護者とのコミュニケーションによって有益な話を得ることも多い。

園を取り巻く事業環境の把握に努めているが、さらなる地域との連携に期待したい

園長は、地域の園長会及び私立保育園園長連絡会に参加しており、そこで得た地域や事業環境の情報を昼礼で職員へ伝えている。隣接する法人理事長が地域の福祉情報収集を担当しており、福祉事業全体の動向等のマクロ的な事項は、園長が法人全体会議に出席して情報を得ている。昨年、近隣公園で運動会を催すべく地元と調整を行っていたが大雨のため中止となり、今年は、コロナ禍で計画も出来なかった。しかし、今後は小中学校との交流や自治会との連携により、地域との密着を深め、園行事などに反映することを期待したい。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー3  経営における社会的責任
  サブカテゴリー1  社会人・福祉サービス事業者として守るべきことを明確にし、その達成に取り組んでいる
  評価項目1 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  標準項目2 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
  サブカテゴリー2  利用者の権利擁護のために、組織的な取り組みを行っている
  評価項目1 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている 実施状況
  標準項目1 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  標準項目2 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
  評価項目2 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている 実施状況
  標準項目1 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  標準項目2 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
  サブカテゴリー3  地域の福祉に役立つ取り組みを行っている
  評価項目1 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  標準項目2 ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
  評価項目2 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  標準項目2 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  標準項目3 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
講評
保育に携わる者としての守るべき法・規範・倫理は、文書による周知が望ましい

園長は全職員に対して、社会人及び福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、理解が深まるよう取り組んでいる。職員会議等を通して、日頃から人権や人間としての尊厳などを含めた守るべき法・規範・倫理を説いている。特に、年3回の職員との人事考課面接では、その都度、法・規範及び倫理の遵守を説いている。一方、入園時に渡す「入園のしおり」の中に倫理等の概念が盛り込まれている。これに加えて、園の玄関への掲示や職員名札カードの裏側に倫理綱領を明示するなど、常に確認できるような対応がより効果的と思われる。

ボランティアや実習生の受入れは、現状では、要望があれば受け入れるという姿勢である

開設4年になる園であるが、第三者評価は2回目の受審である。園外に掲示板を設け、行事案内などの園情報を公開している。現時点のWEB上では区の総括的な保育園一覧と案内にとどまっているが、開かれた園として情報を開示するためにホームページ開設の計画がある。但し、コロナ禍の影響で中断中である。一方、法人の協力もあり、豊富な備品類(和太鼓、楽器等)を他の公立保育園に貸し出している。ボランティア・実習生受入れ・中学生の職場体験受入れは、ほとんどなく、今後の積極的な姿勢が期待される。

虐待防止への組織的な対策・対応を行っている

子どもへの虐待には、職員によるものと、家庭におけるものとがある。前者については、子どもの気持ちを傷つけるような言動や虐待が行われることのないように、職員が相互に日常の言動の振り返りを行っている。また、児童虐待対応マニュアルやチェックリストなどの整備、及び研修実施による対応を行っている。後者については、園での子どもたちの着脱時にチェックを行う他、虐待を受けている情報を得た際には、区の所管及びこども家庭支援センターや児童相談所などと連携した対応を行っている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー4  リスクマネジメント
  サブカテゴリー1  リスクマネジメントに計画的に取り組んでいる
  評価項目1 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  標準項目2 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  標準項目3 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している ×
  標準項目4 リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  標準項目5 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
  サブカテゴリー2  事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  評価項目1 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている 実施状況
  標準項目1 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  標準項目2 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  標準項目3 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  標準項目4 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
講評
子どもの安全確保のため、職員が分担して種々の自衛組織や措置を講じている

登降園確認のICカード利用・消防署や警察署などの関係機関からの指導・毎月の避難訓練実施など、子どもたちの安全確保を図るために様々な対処を行っている。区役所や保健所とは、日常連絡も含めたメール送受信で繋がっている。防犯対策として、事務室内ではビデオカメラが常時稼動しており、玄関をはじめ8ヵ所が撮影されている。一方、「防火管理組織」、「自営消防組織」「地震防災組織」「水害防止組織」が編成され、職員はいずれかの役割を担っている。さらに、保護者からの要望による緊急時発信メール体制も構築されている。

ヒヤリハットや事故発生の際には迅速な対応を図っている

園では、保育環境の整備(人的保障・備品・安全面・衛生など)を重視している。平成29年4月の開園時の職員採用にあたっては、経験の高い保育士の採用を行っており、保護者の安心感も高い。職員全員に対していざという場合のために、電話及びメールの連絡網が構築されており、迅速な対応体制をとっている。園での「ヒヤリハット」や外部報告を要しない「事故報告」は多くはないが、いずれも発生の都度に昼礼で話し合ったり、「状況及び対応・その図示・原因・改善策」の各項目に記述された報告書により、スピーディな対応が行われている。

個人情報保護が徹底され、パソコンは効率運用と情報漏洩防止の両方に配慮してる

個人情報保護の重要性を認識しており、入園時には、子どもの写真の取り扱いや利用目的及び第三者提供を行う場合もある旨を説明し、同意書を受領している。パソコンは、全部で8台(園児クラスごと5台、他)あり、事務室で使用されるとともに、一括保管されている。また、各パソコンにはパスワードを設定しており、共有フォルダーは内容によって権限者設定のパスワードを付すなど、システム面の情報保護に努めている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー5  職員と組織の能力向上
  サブカテゴリー1  事業所が目指している経営・サービスを実現する人材の確保・育成・定着に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている 実施状況
  標準項目1 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  標準項目2 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
  評価項目2 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している 実施状況
  標準項目1 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  標準項目2 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
  評価項目3 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  標準項目2 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している ×
  標準項目3 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している ×
  標準項目4 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
  評価項目4 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  標準項目2 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  標準項目3 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  標準項目4 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
  サブカテゴリー2  組織力の向上に取り組んでいる
  評価項目1 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  標準項目2 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  標準項目3 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
講評
職員研修は、職員一人ひとりの長期的な個人別育成計画による実施が望まれる

職員の能力伸長のためには研修が欠かせないとして、外部研修は支障のない限り、積極的に受講させる方針である。年度初めには各人ごとに計画を明示しており、昨年度は多くの実績があったが。本年度はコロナ禍によって、充分な研修を行うことが出来なかった。園内研修においては本来、園の人材育成計画と職員一人ひとりの意向にもとづいた個人別育成計画が策定されることが望ましい。園長と職員の個人面談が年3回行われているので、この仕組みを活用した個人別研修育成計画の策定を期待したい。

日常業務は順調であるが、人事権限や予算管理等、園としての自主性も望まれる

職員は、園長・主任・一般職員とシンプルである。しかし、園長の権限は日常業務遂行に限られており、人事や予算立案などの権限の殆どが本部にある。また、園の事務も法人本部事務部門の出先的な位置づけにある。法人内での園全体の年度業務分担は20近く区分けされており、それぞれ個人別に担当が割り当てられている。園長及び主任が不在の場合は、一職員の主体的な判断・行動でも業務遂行上の支障がないように、全職員の電話・メールの連絡網が整備されている。

職員のやる気向上のために、多様な施策が図られている

人事考課制度は、法人全体の制度の中に包含されており、個人面談も目標成果表と連携した形で年3回行われる仕組みとなっている。この面談で、園長と職員の距離感が近くなる効果も見られる。人事考課は多段階評価で、最終的に法人理事長の考課まで行われ、考課内容によって賞与などの処遇に差をつける仕組みとなっている。園長立案の、否定し合うのではなく、その人の良いところ・行動を発見する「その人の良い所の見つけ報告」を実践しており、それらの報告を掲示するなど、職場の雰囲気を明るくしようと努めている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー7  事業所の重要課題に対する組織的な活動
  サブカテゴリー1  事業所の重要課題に対して、目標設定・取り組み・結果の検証・次期の事業活動等への反映を行っている
  評価項目1 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 子どもたちの健やかな心を育てるためには、健康な体作りが欠かせないと捉え、園庭のない状況での子どもたちの体力作りが重要課題となっている。園では、運動プロジェクトを立ち上げ、年齢に応じた運動を考えて、体力づくりを進めることとした。年間を4期に分け、期ごとに、その都度、話し合いを行い、内容を検討した。①毎月の共通の体操を決めどのクラスでも行う。また、各年齢で楽しめる体操もクラス単位で行う。幼児クラスはラジオ体操第2も取り入れる。体操カリキュラムを作成し、担当を決めて行った。「どうぶつ体操」「はなびどっかーん」「とんがり体操」「ブルブルブルドック」等が取り組まれている。②クラスごとにリトミック、リズム運動を取り入れ、継続して行っていく。0歳児から5歳児まで、大まかな計画を立てて行う。4・5歳児は後半には、スキップやギャロップ、片足バランスなども取り入れられている。③毎日散歩に出かけ、脚、体幹を強くする。これら3つの活動を継続して行った。また、体操教室(外部講師)との連携も行い、室内と戸外運動の内容もバランスよく計画して行った。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
子どもたちが楽しみながら、体力づくりをすることをねらいとして継続してきた結果、転んだり、怪我をする子どもが少なくなってきた。体を動かすことの喜びが感じられ、自分から積極的に動く子どもが増えてきた。開園当初は、年長児も少なかったが、今は各年齢の子どもが定員を満たし、4・5歳児の運動する姿が、他のクラスの子どもたちの憧れともなっている。年長児の縄跳びは、小さな子どものクラスでも真似して縄を跳び越す遊びが発展した。また、子どもたちは、走ること、鉄棒あそび、、マット運動、ボール遊び、集団ゲーム等、体を動かす体験がさらに広がった。職員が意識的に取り組んだ結果でもあり、継続することの重要性も確認された。今後も計画的にさらに子どもたちの体力づくりが推進されることを期待したい。 
  評価項目2 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) <設定した課題・目標>
目標として「園内研修の充実を図る」を掲げた。

<上記の課題を抽出した理由・背景>
保育サービスの充実には、職員の保育の質の向上を図ることが何よりも必要である。それには園内研修の充実が必要と認識した。研修といっても、一般的なレクチャー方式の研修ではなく、とかく意思疎通が充分でないと言われがちであったので、ディスカッションを充実させた職員同士のコミュニケーションの場の提供とともに、お互いの保育意思などを知り合う必要があると認識したからである。

<目標を達成するために行った具体的な取り組み>
研修の内容はカンファレンス方式とディスカッション方式を重視し、事例(ケーススタディ)を上げて、保育及び子どもの姿に対しての振り返りと課題の整理を行う。英語ができる職員による園内研修を通じて、子どもの保育の充実を図った。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
<取り組みの結果>
研修を通じて学んだことを子どもへの言葉がけなどにも気を付けていくことで、職員の質の向上にも繋がっていった。職員の中に英語に精通した職員がおり、英語教室(幼児)を週1回実施していくことで子どもたちが喜んだ。英語レッスンを要望していた保護者も喜んでいた。

<振り返り(検証)・今後の方向性>
職員の充実感と子どもが喜ぶ保育サービスを深めるために、今後も引き続き園内研修の内容を考えていく。 

Ⅵ サービス提供のプロセス項目(カテゴリー6)

カテゴリー6 サービス提供のプロセス
  サブカテゴリー1 サービス情報の提供
  評価項目1 利用希望者等に対してサービスの情報を提供している 実施状況
  標準項目1 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  標準項目2 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  標準項目3 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  標準項目4 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
講評
園パンフレットに加え、区や保育連盟及び法人のホームページで広く周知を図っている

ホームページ・園パンフレット・入園のしおり・園だよりなど、保護者や利用希望者の目に触れるものは、原則イラストを多用して、明るく楽しく分かりやすく作られている。子どもの写真を掲載する場合は、入園時に「個人情報の取り扱い」で保護者からの同意を得ているが、掲載に際しては再度の承認を得ている。法人及び保育連盟のホームページへは、事務職員が、随時、園の情報を提供している。また、パンフレットは原則2年に1度、見直し・改訂を行っている。今年度は、パンフレット及び園のしおりを改訂して、新たに200部が印刷されている。

「入園のしおり」や毎月の園だよりなど、分かりやすい情報提供を心掛けている

園は、「園だより(こはるび便り)」「食育便り(フルーツバスケット)」「献立表」「保険便り」の他に、各クラスごとの「クラス便り(つぶつぶみかん、ブドウジュース、等)」などを月次発行している。今年度はコロナ禍で、保護者参加の園行事や保護者会などが中止となったため、それぞれの「お便り」に特に力を入れ、写真・イラストを多用して、保育の日常が良く分かるものとなっている。また、コロナ対策についても、保護者へのお手紙によって、保健所からの連絡事項や園の動向を随時知らせるように心掛けている。

見学希望者へは、園長・主任を担当として、時間をかけて丁寧に説明している

毎年、見学希望者は10月がピークとなる。例年では園内見学に時間をかけているが、今年度は写真などで保育の様子を見て貰っている。見学者へは、原則として園長・主任が日程や時間を調整しており、見学当日は30分~1時間程度をかけ、園のパンフレットや入園のしおりなどもを使用しながら、説明及び質問への丁寧な対応を行っている。また、子育て相談や区内の他保育園情報などを求められることもあり、可能な範囲で応じている。なお、園では「見学者ファイル」も作成している。


  サブカテゴリー2 サービスの開始・終了時の対応
  評価項目1 サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている 実施状況
  標準項目1 サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
  標準項目2 サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目3 サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
  評価項目2 サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 サービス開始時に、子どもの保育に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  標準項目2 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように配慮している
  標準項目3 サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
講評
「入園のしおり」と「園則」による重要事項説明を行い、保護者からの同意を得ている

入園時面接で、「入園のしおり」と「園則」に沿って、園の理念と方針・園の概要・保育の内容・主な行事・給食・健康・感染症対策・災害時対応など、重要事項及び必要なことについての丁寧な説明を行っている。保護者からは、説明を受けて同意したことについて記名・押印を得ている。「入園のしおり」には、巻末に「子育ての手引き」を掲載しており、0歳児から5歳児までの発達の状況が、イラスト入りで分かりやすく提示されている。また、毎年、入園と進級のお祝いを兼ねた「入園お祝い会」を開催し、パネルシアターや先生の紹介を行っている。

入園時面接で聞き取った子どもの情報を全職員が共有し、入園後の支援に繋げている

入園時面接では、園長・主任に加えて、担当保育士・看護師・管理栄養士などが必要に応じて同席する。保護者からの質問に答えるとともに必要事項についても確認している。入園時面接で聞き取った子どもの入園前の生活状況・健康状態及び保護者からの要望・意見は、個別ファイルにまとめられている。また、アレルギーのある子どもの場合は、「アレルギーファイル」にまとめて、全職員への周知を図っている。一方、入園直後の「慣れ保育」は、1週間程度を目安とするが、保護者の就業状況や子どもの様子を見ながら、保護者と相談を密にして行っている。

卒園児へ旧担任が園行事参加の呼びかけを招待状で送り、関係性の維持に努めている

開設4年目であるが、昨年から、卒園児たちへ旧担任が大きな行事(運動会・夏祭りなど)への招待状を送っている。さらに、近隣の児童館や町会掲示板にもポスター掲示を行い、卒園児の保護者たちの目に留まるよう工夫している。一方、卒園後も保護者からは子育てに関する相談などが寄せられており、園長及び職員が丁寧な対応を心掛けている。また、理事長(必要に応じて園長も)は近隣小学校からの入学式・卒業式・大きな行事(運動会・学芸会など)に出席して、卒園児たちの状況への配慮を行っている。


  サブカテゴリー3 個別状況の記録と計画策定
  評価項目1 定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している 実施状況
  標準項目1 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
  標準項目2 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  標準項目3 アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
  評価項目2 全体的な計画や子どもの様子を踏まえた指導計画を作成している 実施状況
  標準項目1 指導計画は、全体的な計画を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
  標準項目2 指導計画は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化に即して、作成、見直しをしている
  標準項目3 個別的な計画が必要な子どもに対し、子どもの状況(年齢・発達の状況など)に応じて、個別的な計画の作成、見直しをしている
  標準項目4 指導計画を保護者にわかりやすく説明している
  標準項目5 指導計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  評価項目3 子どもに関する記録が行われ、管理体制を確立している 実施状況
  標準項目1 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  標準項目2 指導計画に沿った具体的な保育内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
  評価項目4 子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している 実施状況
  標準項目1 指導計画の内容や個人の記録を、保育を担当する職員すべてが共有し、活用している
  標準項目2 申し送り・引継ぎ等により、子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
講評
入園前の子どもの生活状況・健康状態・保護者の意向などは、個別に記録されている

入園時に配布される資料一式には、児童調査票・健康の記録・入園までの生活状況・延長及び土曜保育申請書・離乳食及びアレルギー対応、などが含まれている。入園前の子どもの状況と状態及び保護者の意向などを、事前記入して、面接時に確認を行っている。これらの記録は、子どもたち個別のファイルにまとめられ、保育に関わる全職員が情報共有して、日常保育に役立てている。また、園では保育ソフトを活用し、子どもたちの情報を統一した書式で記録しているが、活字を用いた書類もまだ多く、分類・整理は引き続きの課題と思われる。

園の全体的計画に沿って、クラスごとの年間指導計画・月案・週案が作成されている

3月に前年度の全体計画の振り返りと見直しが各クラスごとに行われ、それらの意見をもとに園長・主任が次年度の全体計画案を作成して、4月初めの職員会議で確認・決定がなされている。園の全体計画を基本として、幼児クラス(3歳~5歳)では、各クラスごとの年間指導計画が作成され、職員会議で発表・確認がされている。その後、クラスごとに月案・週案が作成される。月案は、月末にクラスごとに前月の月案の評価・振り返り後に次月案が作成され、主任が月初に確認している。一方、乳児クラスでは、個別の指導計画が同様に作成されている。

日々の子どもの状況は個人記録やクラス日誌に記され、「成長の記録」へ転記されている

乳児クラスは、個別の連絡ノートによって園での様子を保護者へ伝えている。さらに、園での毎日の子どもたちの様子は、それぞれのクラス日誌に記されており、園長が6冊のクラス日誌の確認を毎月行っている。また、3ヵ月ごとに、個別の「成長の記録」へ転記されている。一方、クラス日誌・連絡ノート・成長の記録などの記録類については、書き手によっての差が出ないように書き方ポイントがマニュアル化されている。なお、園だよりには毎月の各クラスの目標(月案)が掲載され、保護者への周知が図られている。


  サブカテゴリー4 サービスの実施
  評価項目1 子ども一人ひとりの発達の状態に応じた保育を行っている 実施状況
  標準項目1 発達の過程や生活環境などにより、子ども一人ひとりの全体的な姿を把握したうえで保育を行っている
  標準項目2 子どもが主体的に周囲の人・もの・ことに興味や関心を持ち、働きかけることができるよう、環境を工夫している
  標準項目3 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう配慮している
  標準項目4 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
  標準項目5 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
  標準項目6 【5歳児の定員を設けている保育所のみ】 小学校教育への円滑な接続に向け、小学校と連携をとって、援助している
講評
子ども一人ひとりの発達状態を把握した上で、個々に合った保育を行っている

子ども一人ひとりの発達情況は、日々の連絡ノート・保育日誌・個別の成長記録などに記録されている。連絡ノートは、0・1・2歳児クラスだけでなく、今年度から全クラスで使用されている。幼児クラスでも、毎日、園と保護者とのやり取りが行われ、子どもの情報交換になっている。成長記録は、子どもが入園してから退園するまでの一人ひとりの成長が月ごとにまとめられている。子ども一人ひとりの情況を把握し、次の月のねらいに沿って保育が行われ、個々の子どもの情況は会議などによって全職員が共有し、日常保育に役立てている。

異年齢での合同保育の中で、お互いを認め合う心が育まれるように支援している

少人数の園の良さを活かし、異年齢での活動機会を多く設けている。意図的に異年齢での散歩の機会を作ることもあるが、朝・夕の合同保育では自然な関わりが見られている。4・5歳児は合同で過ごすことが多いことから、月日を重ねるごとに会話も増えて、5歳児の遊びを模倣する4歳児の姿や、折り紙を教える5歳児の様子が見られている。また、5歳児が1歳児クラスに行ってお世話をする機会もあり、年長児としての自覚を持って小さい子を可愛がる姿も見られている。さらに、友達同士で「いいところを見つける」活動も年長児で続けて行われている。

特別な配慮の必要な子どもについては、家庭や専門機関と連携しながら進めている

特別な配慮を要する子どもについては、保護者の意向や専門家の助言を参考にして保育を進めている。子どもの状態に応じた最も生活しやすい環境を、保護者の意向を聞いて話し合いながら決めており、実年齢より下のクラスで生活している。また、子どもの通う発達センターとも連携を取りながら、個別の記録へ丁寧に記載している。巡回指導の際に専門家から受けたアドバイスを、どの職員も同じように関わることができるために、全職員で共有している。クラスの子どもたちとともに無理なく生活しながら、実年齢と同じ子どもたちとの交流も行っている。

  評価項目2 子どもの生活が安定するよう、子ども一人ひとりの生活のリズムに配慮した保育を行っている 実施状況
  標準項目1 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
  標準項目2 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう援助している
  標準項目3 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
  標準項目4 降園時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
講評
登園時や降園時には、保護者との情報交換に努めている

登園時は、早番の職員が保護者とあいさつを交わし、子どもの健康状態を聞き取りながら受け入れを行っている。現在は、新型コロナウイルス感染予防の観点から玄関での受け渡しとなっているが、保護者からの伝言などは聞き取った後に各クラスノートへ記載し、各クラスの担任が出勤した際に口頭での引継ぎに加えてノートも手渡され、情報が確実に引き継がれるようになっている。降園時も、同じく玄関対応になっているが、顔を合わせてひと言添えるように心がけている。また、子どもの活動の様子は、毎日、写真入りで玄関に張り出して保護者へ伝えている。

基本的な生活習慣については、家庭と協力しながら個別に対応している

基本的な生活習慣については、子どもの発達情況を見つつ、クラスの計画に沿った形で家庭と話し合いながら進めている。また、子どもの気持ちも大切にしながら、「自分でやりたい」という思いを受け止めている。トイレトレーニングなどは、2歳の夏頃から取り組み始めるが、個々の情況に応じて、個別に対応している。他の子どもの様子を見て、自分も「お兄さんパンツはきたい」と子どもが言い始め、家庭と話し合って始めることもあった。

子どもの休息時間は、個々の情況に応じて調節している

保育園での一日の生活の中で、休息時間は生活リズムを整えるためにも必要であると捉えており、子どもの情況に合わせた対応に努めている。午睡の時間を少し短くしてほしいという保護者からの申し出にも個別に対応して、早めに起こし静かに過ごしている。午睡を嫌がる子どもに対しては、無理に寝かせるのではなく、静かに横になっていることで休息を取らせている。年長児は、就学に向けて1月半ば頃から午睡がなくなって、活動時間が増えるが、テーブルに伏せて体を休める時間を短時間ではあるが設けている。

  評価項目3 日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している 実施状況
  標準項目1 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
  標準項目2 子どもが、集団活動に主体的に関われるよう援助している
  標準項目3 子ども一人ひとりの状況に応じて、子どもが言葉による伝え合いを楽しみ、言葉に対する感覚を養えるよう配慮している
  標準項目4 子どもが様々な表現を楽しめるようにしている
  標準項目5 戸外・園外活動には、季節の移り変わりなどを感じとることができるような視点を取り入れている
  標準項目6 生活や遊びを通して、子どもがきまりの大切さに気付き、自分の気持ちを調整する力を育てられるよう、配慮している
講評
子どもが自主的に遊べるよう手作り玩具などを配置し、環境の工夫を行っている

子どもたちから自主的に「これをやりたい」という声を大事にして、活動が継続される支援を行っている。12月頃に幼児クラスで空き箱などを使った制作を行ったところ、一度は出来上がったものを持ち帰ったが、子どもたちはまた園に持参して続きを作りたいと希望したため、職員がさらに材料を集め、満足するまで継続して行うことになった。また、コロナ禍による在宅ワークで、職員が様々な手作り玩具を作成し、フエルトの食べ物・お弁当・人形の洋服・キッチンセット・ガチャガチャあそびなどの多くの玩具が作成され、子どもたちの遊びを広げている。

様々な集団活動や表現活動を楽しめるように、多彩なプログラムが用意されている

子どもたちは、集団での活動も楽しみにしている。月に2回行われている体操教室では、外部の体操講師が子どもたちと楽しく運動遊びなどを行っている。園庭の無い施設ではあるが、近くの公園で十分に体を動かすことができている。また、0歳児からリズム運動やリトミックを取り入れたり、毎月、クラスで体操を行うなど集団でも子どもが楽しんで活動している。表現活動では、季節に因んだ制作を多く取り入れている。クリスマス制作では、年齢に合った素材で、手形や足形のツリー・松ぼっくりのツリー・紙粘土のスノードームなどを作っている。 

戸外活動では、子どもが季節を体感できる活動を多く取り入れている

毎日、天候が許す限り、子どもたちは戸外へ出ている。園庭は無いが、それに代わる環境や経験ができるように考えて支援している。様々な自然の様子を体感できるように、雨上がりの散歩・風の強い日の散歩・虹の観察・夏の蝉取り・秋のどんぐりや色とりどりの落ち葉拾いなどを楽しんでいる。一方、戸外への散歩だけでなく、体操教室も近くの公園を利用して行っている。また、法人の老人施設の屋上に子ども用のアスレチック遊具が設置されており、2歳児以上が利用し、外気に触れて体を動かす場所ともなっている。

  評価項目4 日常の保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している 実施状況
  標準項目1 行事等の実施にあたり、子どもが興味や関心を持ち、自ら進んで取り組めるよう工夫している
  標準項目2 みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
  標準項目3 子どもが意欲的に行事等に取り組めるよう、行事等の準備・実施にあたり、保護者の理解や協力を得るための工夫をしている
講評
季節に応じて、子どもたちが興味や関心を持って取り組める行事を行っている

園では、子どもたちが興味のあるものを中心に、年間の予定にもとづいて行事を行っている。今年度はコロナ禍によって、中止や縮小を余儀なくされている。毎年、老人施設とともに行っていた夏祭りは中止となったが、運動会・ハロウィン・クリスマス会などは縮小したり、工夫をして行っている。運動会は、幼児クラスのみで行い、Ⅱ時間程度で参加人数も絞っている。保護者アンケートでは、開催への感謝と、「子どもたちが楽しそうに競技に参加する姿に感動した」「子どもの成長した姿を見られて嬉しかった」などの声が多く寄せられていた。

子どもが力を合わせて取り組み、達成感の持てる活動が行事に繋がっている

開園して4年目になるが、当初から年長の子どもたちを中心に、園長の指導による太鼓の活動が続いている。毎年、夏祭りや運動会で披露することになっているが、今年の夏祭りは中止となり、運動会での披露となった。練習を続ける中で、子どもたちが太鼓の音をしっかりみんなで合わせようという気持ちが強くなり、音が合った時の気持ちの良さを感じ、当日は、「みんなでやった!」という達成感を味わうことができた。また、4歳児のバルーンも、力を合わせてきれいな形を作ることができ、保護者からも褒められて子どもたちは満足感を味わっていた。

行事には保護者も協力的であり、園と家庭とが共に楽しめる活動となっている

園の行事は年度当初に保護者へ周知しており、それぞれの行事が近くなると、園だよりやクラスだよりによって、行事に関することや、行事に向けての子どもたちの様子などが伝わるようになっている。保護者の行事への参加は良好で、ほとんどの家庭が参加している。運動会では、準備や片づけなど保護者が進んで行っており、ハロウィンでは、子どもが仮装したいと希望する衣装の協力をお願いしたところ、快く準備してくれた。また、午前中の活動を子どもたちと一緒に楽しむ保育参加でも、毎年ほとんどの保護者が参加している。

  評価項目5 保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている 実施状況
  標準項目1 保育時間の長い子どもが安心し、くつろげる環境になるよう配慮をしている
  標準項目2 保育時間が長くなる中で、保育形態の変化がある場合でも、子どもが楽しく過ごせるよう配慮をしている
講評
夕方の異年齢合同で過ごす時間も、子どもが楽しく過ごせるよう工夫を行っている

園は複合施設となっているため、他施設への通路が広く、子どもたちが遊べるスペースとして活用されている。おやつの後に、4・5歳児が合同で、その通路スペースで体を動かして遊ぶことができる。5時頃からは3歳児も合同になり、異年齢で関わり合って遊んでいる。また、乳児クラスも、5時頃から0・1・2歳児が合同となる。日常的に異年齢で過ごすことが多く、一つのフロアでの保育なので、他のクラスの様子が常時感じられる。全職員が他クラスの様子もよくわかり、形態が変化しても変わらずに対応できるので、子どもたちは安心して過ごしている。

保育時間が長くなっても安心して過ごせるように、関わりを丁寧に行っている

夕方5時半頃からは子どもの人数も少なくなり、個別の対応ができるようになる。保育時間は長くなるが、子どもたちにとっては自分の好きな遊びができる環境になっている。お気に入りのおもちゃを他の部屋から持ってくることができたり、職員に1対1で好きな絵本を読んでもらったりなど、家庭にいるようにのんびりと過ごしている。夕食を食べる子どもがいる場合は、ゆったりとした雰囲気の中で落ち着いて食べられるように、遊んでいる子どもたちとは場所を分けて、職員に見守られながら食べている。

  評価項目6 子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している 実施状況
  標準項目1 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
  標準項目2 メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
  標準項目3 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している                                                                                        
  標準項目4 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
講評
献立会議を通して、子どもが楽しく食べられるメニューを工夫している

毎月、食育担当者・調理師・園長・主任などで献立会議を設け、子どもたちがより楽しく美味しく食べられるようにメニューの工夫を行っている。献立は毎日の日替わりで、和食を中心に季節の旬のものを多く取り入れている。おやつも手作りが多く、例えば、12月には大根餅・きな粉揚げパン・わかめおにぎり・大学芋・サツマイモまんじゅうなどが提供されている。行事食もクリスマスには子どもが喜ぶケーキがおやつで提供されている。誕生日メニューがあり、子どもが誕生日を迎えると、その日は、その子どもだけの給食に飾りが付き、皆で祝っている。

様々な子どもの状況に合った食事が調理され、安全に提供されている

離乳食については、入園時に「食材確認連絡表」を保護者から記入して貰っており、個々の子どもの状況に応じた形態での提供に努めている。アレルギーに関しては、入園時に「アレルギー疾患対応の手引き」を保護者へ配布して説明するとともに、食物アレルギーがある場合には、園の給食では完全除去食を行っている。現在、卵や牛乳などのアレルギーがある子どもが7名在籍しており、除去食が提供されている。また、アレルギーのある子どもの給食トレイの色を別にしたり座席も決めるなど、提供する際にも二重三重のチェックが確実に行われている。

食育計画にもとづいて、年齢ごとの食育活動が進められ、保護者への周知にも努めている

園では、食育年間計画に沿って子どもたちの食育活動が進められ、「食育だより」を通して保護者へも食育への関心を深めてもらう取り組みを行っている。「食育の日」を設けて、調理師から食に関する話を聞いており、10月には、食材断面の写真を見て当てるクイズ・バランスゴマ・箸を使って豆を器に入れるゲームなど、子どもが楽しみながら食に関心が持てる活動を行っている。また、施設の屋上でサツマイモや落花生の収穫なども経験している。「食育だより」では、子どもの人気メニューや旬の食材を使ったレシピを提供している。

  評価項目7 子どもが心身の健康を維持できるよう援助している 実施状況
  標準項目1 子どもが自分の健康や安全に関心を持ち、病気やけがを予防・防止できるように援助している
  標準項目2 医療的なケアが必要な子どもに、専門機関等との連携に基づく対応をしている
  標準項目3 保護者と連携をとって、子ども一人ひとりの健康維持に向けた取り組み(乳幼児突然死症候群の予防を含む)を行っている
講評
子ども自身が健康や安全に気づけるような支援を行っている

子どもの健康づくりについては、子ども自身が自分の健康について関心が持てるように働きかけている。手洗いの指導を看護師が行い、2歳児から5歳児までの子どもたちが実際に手を洗い、ブラックライトに手を当てて、洗い残しが目で見てわかる体験を行っている。自分で見て感じることによって、手洗いを丁寧にすることの大切さを子どもたちは実感できている。また、散歩での道の歩き方や公園の遊具の使い方など、日常の中で体験しながら気づけるように職員は声掛けを行っている。

ヒヤリハットの情報共有などを通して、子どもの安全を守る取り組みを行っている

子どもを怪我から守る取り組みの一つとして、職員のヒヤリハットの情報共有がある。ヒヤリ体験については、日時・場所・状況・現場にいた職員の行動・改善案などが記録されている。記録は職員全員が周知し、特に重要な場合には会議でも取り上げられている。また、各クラスの事故防止チェックリストがあり、毎週のチェックと安全点検を行っている。1歳児クラスのチェックリストには、「かみつきやひっかきがみられる時なので未然に防ぐよう子どもの姿を十分に把握している」があり、かみつきが続く場合などは会議で対応を検討している。

子どもの健康づくりは、家庭との連携と情報共有を行いながら実施している

園では、年間保健計画に沿って子どもの健康づくりを進めている。年間目標に、「心身ともに健康で楽しい園生活が過ごせるようにする」「保護者の健康に対する意識を高める」の2つを挙げ、保健活動が進められている。家庭に対しては、4月に年間の保健行事・病気や感染症・予防接種などのお知らせを配布し、さらに、保健だよりを毎月発行している。新型コロナウイルスの予防についても、毎日の検温・マスクの対応・飛沫防止スタンドの設置・消毒についてなど、詳しい情報を保護者へ提供しながら、感染予防に努めている。

  評価項目8 保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して支援を行っている
  標準項目2 保護者同士が交流できる機会を設けている
  標準項目3 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
  標準項目4 子どもの発達や育児などについて、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
  標準項目5 保護者の養育力向上のため、園の保育の活動への参加を促している
講評
保護者交流会を実施し、クラスを超えた交流を図っている

保護者同士の交流機会は、日常の子どもの送迎の際・行事の参加・保護者会・保育参加などがある。さらに、園では、「保護者交流会」を設けている。毎年実施する、保護者交流会についてのアンケートを参考にして、内容や講師を決めている。アンケートでは、「習ってみたいこと、希望の回数や日程」を聞いている。また、講師の募集も行っており、今までには、父親の集まりである「お父さんの交流会」や「おいしいフルーツの見分け方」「ヘアアレンジ」「フラワーアレンジメント」などが土曜日の午後2時~3時に開催され、常時10名程の参加者がいる。

日々の送迎や面談などで、保護者とのコミュニケーションに努めている

保護者と職員の関係作りでは、日々のコミュニケーションを重要視している。現在、新型コロナウイルスの感染防止の面から、朝夕の子どもの受け渡しは玄関対応になっているが、保護者と1対1での会話を出来るだけ大切にしている。また、クラス別の保護者会や個人面談においても、保護者の一人ひとりと十分に話せるように努めている。さらに、苦情や要望があった際は園長が個別に対応しており、丁寧に保護者の気持ちを聞き取り、職員全員に情報の共有を図っている。

行事・保育参加・園だよりなどにより、園の保育活動の理解を図っている

保護者が園の保育活動を知る機会としては、保護者参加の行事や日常の保育に参加する保育参加などがある。保育参加は、1日1組の参加となっており、1ヵ月で全員の保護者が参加できるように設定されている。乳児クラスでは、保護者が子どもに気づかれないように変装するなど、普段の保育の様子を見てもらう工夫も行っている。また、「園だより」では、園での子どもの活動や園長の思いが細かく記載され、特にクラスだよりのコーナーには、子ども一人ひとりの写真がカラーで毎月載せられ、子どもの表情が園での活動の楽しさを伝えている。

  評価項目9 地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている 実施状況
  標準項目1 地域資源を活用し、子どもが多様な体験や交流ができるような機会を確保している
  標準項目2 園の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
講評
環境学習などを通して、地域との関りを大切にしている

地域の清掃局からゴミ収集車が来園して、幼児を中心に環境学習を行っている。環境学習での子どもたちは、ゴミの分別やリサイクルの話を真剣に聞き、クイズにも参加し、ゴミの積み込み体験や収集車の作業ボタンを押すなど、楽しみながらゴミについて学ぶことができた。その後、自分たちの体験を描いたり、家庭に帰って保護者へゴミの分別について教えるなど、体験の広がりが表れている。また、プラネタリウムや児童館などへも出かけて活動の幅を広げており、地域との関わりを大切にしている。

地域の施設や建物内の老人施設などとの交流機会を設けている

昨年度までは、近隣の保育園・小学校との交流や、併設施設の老人施設との定期的な交流が行われており、子どもが保育園の職員以外の大人と関わる機会も多く設けられていた。特に、併設の老人施設へは毎月訪れて、子どもが歌を歌ったり、一緒に手遊びを行うなど、定着した交流となっていた。さらに、夏祭りやハロウインの行事も一緒に行って関わりも多かったが、今年度は、コロナ禍によって中止や延期となり、他施設との関り事体が難しくなっている。


  サブカテゴリー5 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
  評価項目1 子どものプライバシー保護を徹底している 実施状況
  標準項目1 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目2 子どもの羞恥心に配慮した保育を行っている
  評価項目2 サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している 実施状況
  標準項目1 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
  標準項目2 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した保育を行っている
  標準項目3 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
講評
「保育園における個人情報の取り扱いについて」を整備して、同意書を得ている

入園時に保護者へ渡す「個人情報の取り扱いについて」には、①利用目的②第三者提供を行う場合③その他の利用目的が各項目ごとに具体的に記されており、最後に個人情報の取り扱いについて同意する旨が記され、保護者が記名・押印する欄が設けられている。また、③には、子どもの写真を園だよりなどへ掲示することやビデオ視聴に活用する場合があることも記されているが、実際に子どもの写真を活用する場合は、その都度、保護者へ説明して承認を得ている。

園の保育理念にもとづいて、一人ひとりの子どもを大切にした日常保育に努めている

「入園のしおり」の冒頭には、「児童憲章」と「児童福祉法」が記され、続いて、園の理念である「子どもたち一人ひとりを大切に」が明記されている。園は、この理念に則って、日常保育において個々の子どもの意思を尊重することを職員へ周知している。毎日の昼礼や月4回の職員会議の場などを活用して、園長から或いは職員間で、子どもを大切にした保育の確認を行っている。今年度はコロナ禍により、登園児の減少や職員の在宅ワークなどが増えたことで、日常保育を見直すきっかけともなっている。

「体罰防止マニュアル」を整備し、関係機関と連携して虐待防止に配慮している

園ではこれまでに事例はないが、「体罰防止マニュアル」を整備して職員周知を図るとともに、区や子育て支援センターなどと日頃から連携を密にして、虐待防止に努めている。日常保育においては一人ひとりの子どもの意思を尊重するとともに、子どもの羞恥心に対しての配慮にも努めている。乳児のおむつ替え・トイレトレーニング・夏場の水遊び・毎日の更衣など、職員の配慮はもちろんだが、子どもたち自身の羞恥心を育てる対応にも努めている。


  サブカテゴリー6 事業所業務の標準化
  評価項目1 手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  標準項目2 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  標準項目3 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
  評価項目2 サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている ×
  標準項目2 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている
講評
日常保育に必要な「業務マニュアル」を整備して、職員への周知を図っている

日常保育に必要な個別の業務マニュアルの他に、「事故防止マニュアル」「緊急時対応マニュアル(アレルギー・感染症、他)」「災害時対応マニュアル」、さらに、「入園面接時の説明チェックリスト」「指導計画作成マニュアル」「体罰防止マニュアル」「日誌・記録の活かし方」など、園で必要なマニュアル類の整備が進んでいる。一方、月4回開催の職員会議での職員意見がマニュアル作成に反映されているが、今年度のコロナ禍など、変動する時代に合わせたマニュアル類の整備は今後も必要と思われる。

マニュアル類の整備は進んでいるが、見直しの時期と手順の明示が望まれる

この4年で、職員意見をベースとして、保育の現場で必要なマニュアル整備が進められている。しかしながら、マニュアル類の見直し・修正はこれからと思われる。マニュアル類の見直し・修正に際しては、年に1度或いは2年に1度という見直しの時期を明確にすることと、各委員会或いは職員会議での見直しなのかという手順(方法)の明確化も望まれる。さらに、見直しの時期と手順を職員へ周知するために、マニュアル類のファイルの冒頭に明示することも併せて望みたい。

毎年、保護者アンケートを実施して、保護者意見の反映に努めている

園は、毎年保護者アンケートを実施して、保護者の意見を園運営に反映するよう努めている。例年、「保護者交流会アンケート」を実施しているが、今年度は、コロナ禍によってやむなく縮小して行った運動会についての感想を求め、10月に「運動会感想集計」として保護者へ周知した。殆どの保護者が、コロナ禍の中で運動会を開催したことへの感謝と満足を記しており、今回の評価でも、保護者の満足度は93%と高い。また、園ではご意見箱を玄関に設置するとともに、保護者からの個別相談に園長・主任が対応を行って「子育て相談ノート」に記録している。