東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

ホームページには園の理念、年齢別保育目標が明示されており、広く周知がなされている。ホームページは写真を多く使い、明るい装丁となっており、子どもたちの元気な活動や職員のやさしい姿が見られる。ベテランの保育士による家庭的な保育は20年の歴史により地域に浸透しており、園の方針に賛同する方々から多くの協力を得ている。

職員の役割分担がなされており、一覧表にて明示がなされている。常勤・非常勤の区別なく責任感をもった業務を行うよう園を牽引している。大事な子どもたちを預かることを認識し、コミュニケーションを図りながら一体的な運営となるよう努めている。職員が互いを思いやり、職責に関係なく皆で楽しむ姿勢をもつことを運営の基礎としている。

職員会議および毎日昼食時に行う会議にて重要事項および連絡事項を職員に伝えている。皆に適切に伝わるよう努めており、職員間での情報格差がないよう取り組んでいる。職員間で討議する習慣が形成されており、意見が割れる場合においても徹底して話し合いをもつよう取り組んでいる。

お父さんの会をはじめ、保育の運営に保護者が携わり一緒に園を運営している。保護者との距離が近く、何でも言い合える関係性を築けるよう努めている。保育時間や戸外活動内容など要望に耳を傾けながら子どもと保護者に寄り添う保育実践にあたっている。本評価に伴う利用者調査結果において全般において大変高い支持が得られている。

園の方針が盛り込まれた全体的な計画・年間指導計画が策定されており、園の考えが領域ごとに表現されている。また月案・週案がタームごとに策定されており、具体的保育計画が作成されている。期間ごとに反省が付されており子どもたちの発達・発育に合わせた保育となるよう修正が図られている。毎日の昼食時の会議が綿密に行われており、話し合いが反映した内容となっている。

関係機関の会合に参加し、地域や業界の動向の情報収集に努めている。また地域に密着した運営が図られており、近隣とのお付き合いを継続し、地域のニーズに沿った保育の実践が継続されている。認証保育所として園の特長を前面に出し、家庭的な保育を実施する事業所として情報を発信し、園の方針に賛同してもらえるよう努めている。

就業規則等の策定がなされており、専門家への相談のもと体制整備が行われている。就業規則の服務規定は、一般的なものではなく、保育従事者として守らなければならない事項が盛り込まれており、実効的な内容となっている。職員の採用にあたっては保育の経験は無論、人間性を重視しており、多様な情報を取り入れながら職員が成長していけるようサポートに努めている。

園入り口には行事や活動を掲示し、地域の方々へ園の運営を理解してもらえるよう情報の発信がなされている。また園のホームページは活動や方針の掲載など充実した内容となっており、園の全貌を確認できる。地域で育てあうことを理念に盛り込んでいるとおり、地域からの理解をもとに地域とともに歩んでいる。

関係団体、行政との会合に参画し、福祉の動向や地域のニーズ等の情報収集に努めている。認証保育所として家庭的な・保護者に寄り添う・独自の保育を実践するため、地域や行政からの協力を得られるよう広報活動に努めている。保護者が求める保育を継続し、安定した運営となるよう取り組んでいる。

ヒヤリハット・事故報告が設定されており、記録と回覧等情報共有を通して事故防止に繋がるよう取り組んでいる。報告をもとに室内外の安全性が高まるよう補助具を活用して改善を図っている。避難訓練の実施、消防署や行政からの指導を受けながら適切な防災体制の構築に努めている。また防犯カメラの設置、事業継続に対する資料の活用等万一の事態に備えた対応がなされている。

児童票をはじめとする子どもたちの保育状況や個人情報については、施錠できるキャビネットに保管されている。また会話等により家庭や子どもの個人情報が伝わらないよう・配慮するよう職員に対しては徹底した指導がなされている。小規模園ならではの配慮がなされており、保護者・子どものプライバシーが守られるよう取り組んでいる。

契約書には秘密保持と題し、情報の保護について謳っている。第三者評価受審時や運営委員会開催時など提供場面の例示により例外が挙げられており、説明がなされている。またホームページにはプライバシーポリシーとして収集・利用目的・提供・開示等々が記されており、保護者に周知が図られている。

クラスごとの担任制を敷いておらず、職員全員がどの年齢の子どもたちも見られる体制を敷いており、「今日の担当」として毎日掲示がなされている。子ども一人ひとりをどの職員も理解し、一人の考えに縛られた保育とならないようにすることが狙いとして行われている。常勤・非常勤に関わらず高い技術と豊富な経験をもつ職員で固められた体制でなければできない保育が実現している。

関係団体・行政からの案内を見ながら、職員の希望・経験・受講歴等を勘案し、派遣職員を決定している。参加後には報告書を提出し、職員間で回覧し、情報の共有を図っている。新型コロナウイルス感染防止のもと、リモート機器を使用した研修への参加により外部研修への参加が実施・予定されている。

時間外労働・有給休暇の取得については記録と保管がなされており、職員それぞれのワークライフバランスに配慮した就労となるよう取り組んでいる。日々管理職が一緒に保育に入っていることから保育の現場感覚が反映された処遇に取り組んでいる。また外部講師を招へいしての研修実施や子育て支援員資格取得の奨励等も行っている。

ホームページには園の理念、年齢別保育目標等園の概要が示されており、入園希望者や就職希望者が欲する情報が網羅された内容となっている。写真を多く使い、明るい装丁となっており、子どもたちの元気な活動や職員のやさしい姿が見られる。園の明るい雰囲気がよく現れたサイトとなっている。

玄関、行政等関係機関にパンフレットを設置し、地域の方々に園の存在と保育内容の周知を図っている。A4一枚のパンフレットには、保育の様子、給食のサンプルなどの写真が配置の工夫によりふんだんに使用されており、園の活動が理解できる。

見学の希望については全員受け入れており、今日の担当制、ビオトープの設置など園の特長については詳細な説明に努めて、園への理解を深めてもらえるよう取り組んでいる。また子どもたちの様子をよく見てもらえるよう写真をふんだんに使った説明用のパネルを作成など工夫がなされている。

周知会と題された保護者会は新入園の保護者だけでなく、在園児の保護者も含めて参加し、開催がなされている。体調不良時の対応、職員体制、園の約束、方針等の説明や年度がわりによる変更事項等について重要事項説明書を用いて周知している。今年度は新型コロナウイルスの影響から個別の説明会に変更しており、今後も状況を見ながら進めていく予定としている。

入園時には児童票等、子ども・家庭についての情報を提供してもらい、特に既往歴等については詳細な把握に努め、迎え入れている。またアレルギー対応については見学時より説明しており、早期の対応に努めている。またおむつの廃棄については入園時に希望をとり、園での廃棄・持ち帰りの双方の希望に添った対応にあたっている。

保護者の就労を鑑み、各家庭の事情や子どもの年齢を考慮した慣れ保育に努めている。子どもの不安に応じられるよう職員体制を考慮し、子どもに寄り添えるよう取り組んでいる。また冷凍母乳についても希望者には対応しており、家庭の要望に添った支援が実施されている。

日々の活動の記録・子どもの様子については、保育日誌に収められており、一人ひとりの状況についてすぐに確認できるよう整理されている。また子どもたちの課題や目標については月案の個人別記録に毎月記載されている。「今日の担当制：クラス担任を決めず、ローテーションにて日々の担当者を配置」は、記録の確認および一人ひとりの把握なくして実施できないため、特に話し合いを重視している。

子どもを主体としより良い環境の提供を謳った全体的な計画が策定されており、これを基に年・月・週それぞれの期間の指導計画が作成されている。主任・作成担当者を中心に策定がなされており、ポイントを押さえ、わかりやすい内容となるよう作成に努めている。期間終了後は、自己評価をもって振り返りが行われている。

昼食時に毎日会議を開催しており、子どもの状況や保育方法等々について話し合いがなされており、子どもたち一人ひとりの状況把握がされている。計画や記録を共有するというよりは、会議にて話しあい・確認したことを記録するという方法をとっている。徹底した把握と情報共有により「今日の担当制」という形態が実現している。

毎年度在籍する子どもたちの特長にあわせた遊びができるよう、また集中して落ち着いて遊び込めるよう環境提供に取り組んでいる。職員と子どもがマンツーマンで接する機会を大事に捉えており、個々の状況に応じた保育が実践されるよう取り組んでいる。合同の保育時も異年齢の交流により一緒に遊びながら相手を尊重する気持ちが育つよう努めている。

噛みつきなど子ども同士のトラブルやケガについては、状況や状態を把握し、適切な対応となるよう努めている。また家庭での様子を聞きながら、時に保護者への指導を交え、改善されるよう取り組んでいる。保護者への報告についてもケースを判断し、両者に理解を求めながら皆で一人ひとりの成長を見守れる環境となるよう取り組んでいる。

自然や動植物に親しむ活動に注力しており、時にどろんこになりながら子どもたちが主体性をもって遊べるよう取り組んでいる。見学や入園時から活動内容については保護者に対して説明しており、園の方針への理解が深まるよう努めている。また雨天時も園庭で遊べるよう屋根を設置しており、スペースをうまく使い、体を動かせるプログラムを用いながら元気に遊べるよう取り組んでいる。

登園時には顔色を注視し、健康状態の確認に努めている。また降園時からの食欲や健康状態を保護者に確認し、連絡帳により報告・連携に努めている。特に0歳児については連絡帳や送迎時のコミュニケーションを通じて家庭との連携を密にし、安全・安心に過ごせるよう取り組んでいる。

子どもたち一人ひとりの発達・発育状況に合わせながらトレイトレーニング等の生活習慣習得に取り組んでいる。保護者に対しても状況を報告し、時に園が促し・サポートしながら進めている。子どもの意思に反して無理をして進めるのではなく、子どもの様子をよく観察し、職員に見守られながら進めていく方針がとられている。

午睡時には呼吸・顔の向きを確認するチェックがなされており、安全に睡眠がとれるよう取り組んでいる。また午睡を希望しない保護者に対しても睡眠の大事さを説明し、規則正しい生活習慣を通して健康が維持されるよう努めている。食べる・寝る・遊ぶなど子どもの成長にとって必要な事項は、各種計画に盛り込むだけでなく、保護者を導き、一緒に取り組むよう努めている。

外部講師を招いて造形あそび教室が開催されている。日々職員も子どもたちの表現力の醸成に対しては注力した活動をしているが、講師の素晴らしい指導により子どもたちの自由な発想や心の解放が促され、楽しみながら活動がなされている。講師による指導を日々の保育に繋げていけるよう努めている。

園庭にはすべて手作りのビオトープが設置されており、魚の種類ごとに３つ用意されている。自然に親しむ機会を有しており、限られたスペースを有効活用している。またこのほかに水槽やプランターなどで動植物を育てており、様々な生き物と触れ合う機会が提供されている。地域の方々との交流の機会ともなっている。

子どもの玩具や絵本については、節約することなく、充実させるよう取り組んでいる。活動の合間を使いながら、絵本の読み聞かせをしており、子どもたちがじっくりと世界に入り込み、創造力を養えるよう努めている。また、行事や活動を通じて表現することの楽しさを伝え、様々な経験ができる環境づくりに努めている。

電車の旅、納涼祭、クリスマス会、七夕等々多様な行事が開催されている。季節を感じまた伝統を継承できるものも取り入れており、自分の歌をつくり楽しむなど工夫がなされている。また毎年同じ企画内容で実施するのではなく、過去のものを参考にプラスアルファをしながら担当者を中心に企画されている。実施後は反省会をし、次年度に繋げるよう努めている。昨冬からの新型コロナウイルスの影響において自粛や縮小せざるを得なくなっており、工夫した取り組みに努めている。

在園児の父親が中心となった自治組織として「お父さんの会」が活動しており、数多くの行事が企画・実施されている。父親の育児参加しやすい取り組みとなっており、保護者の姿勢と園の尽力の成果として捉えることができる。また親子で参加できる行事を多数用意しており、開催曜日の設定、早めの日程連絡など配慮しながら多くの参加者を募っている。自身の子どもだけでなく、他の子どもたちの成長を一緒に温かな眼差しで見てもらえるよう取り組んでいる。

ベテラン保育士による少人数保育の実施により子どもたち一人ひとりに合わせた保育が実施されており、長時間にわたる場合でも元気に活動できる環境を提供している。また絵本の読み聞かせやじっくりと遊び込む活動を取り入れ、メリハリある保育内容にて子どもの健康を考慮するよう取り組んでいる。

保護者の就労に合わせて延長保育など保護者の気持ちに寄り添いながら柔軟に対応しており、働く親の気持ちを汲んだ対応が随所になされている。駐輪場の無償提供、希望者のおむつの有償処理などにもそのことが表れている。また延長保育実施の子ども自体が少ないことからじっくりと落ち着いて過ごすよう努めている。　　

楽しい時間となるよう食事の際は雰囲気作りに努めている。昼食時の会議の中で、職員から栄養士に喫食状況が伝えられており、献立作成や調理方法の参考としている。また栄養士には子どもたちの食事状況は見て確認している。安全安心な食事提供を第一とし、成長にあわせた食事作りについては改善を重ねている。

季節の野菜をプランターにて栽培しており、食物を身近に感じられる取り組みがなされている。また近隣には農家が残っており、地産地消への取り組みをはじめ子どもたちの興味を育てる環境にも恵まれている。給食・おやつは手作りされており、行事食をはじめ、工夫した給食が提供されている。子どもたちの食欲も旺盛であり、健康な体作りに取り組んでいる。

野菜が苦手な子どもたちが無理なく食べられるよう野菜のカットを工夫するなどの取り組みを実施している。好き嫌いについても無理強いすることなく自然に好きになってもらえるよう努めている。無添加の素材、繊維質の野菜など素材本来の味を大事にし、子どもの健康にとって良い薄味の味付けにて調理がなされている。

嘱託医による年に２回の健康診断、毎月の身体測定がなされており、記録と共に子どもたちの健康が管理されている。基本的に薬の預かりや投薬はしていないが、虫よけなどについては柔軟に対応している。近隣の病院とは親交を図り、急病等緊急時には対応してもらえるよう連携に努めている。

午睡については、年齢に合わせた間隔により睡眠状況をチェックし、安全に配慮した取り組みがなされている。乳幼児突然死症候群についてはその危険性について職員に周知を図っており、職員が連携しながら子どもたちの安全を見守っている。水分補給についても小まめに行い、熱中症等の予防に取り組んでいる。

これまでも感染症対策を行っているが、職員のマスク着用、玩具の消毒、体温チェック、保護者への協力の呼びかけ等更に注力し、子どもたちの健康、衛生への配慮に努めている。行事等についても状況を勘案し、保護者の意向等を踏まえて実施の検討がなされている。

慣らし保育の期間など保護者の就労に対して配慮をもって取り組んでいる。また希望者の園での有償による紙おむつの廃棄、駐輪場の無料貸し出しなど園でできうる支援を考案し、実施している。子どもたちばかりでなく、働く保護者への気遣いが隅々まで感じられ、本評価に伴う利用者アンケートにおいても保護者から高い支持が得られている。

親子遠足にはじまり、季節の行事への協力など多くの活動に保護者の協力を得ている。またお父さんの会の発足など他に例を見ない活動は本園の特長であり、本園のこれまでの児童福祉に資する貢献の証しともいえる。新型コロナウイルス禍においては保護者にも混乱ら影響を感じており、今後もこれまで同様サポートに努める意向をもっている。

保護者の個別面談は定期にて行わず、随時要望に添って行うことで柔軟かつ迅速な対応を図れるよう努めている。子どもの発達・発育についての悩み等保護者に寄り添った支援となるよう取り組んでいる。子どもの乳幼児期に保護者にとっても幸せだったと思える期間となるよう誠心誠意真心を込めた保育となるよう心掛けている。

近隣には、公園など様々な社会資源が存在しており、それらを活用しながら子どもたちの活動範囲を広げている。それら社会資源において出会う他の子どもたちとも交流を図り、多様な経験が積めるよう努めている。またそれらに出かける際には安全に十分気を付け、小さな子どもたちを守るべく職員が常に外側に立つなど徹底するよう取り組んでいる。

園にて設置したイルミネーションやビオトープは近隣の方々に来訪してもらい、園を知ってもらうきっかけや園を理解してもらう機会としている。また絵本や野菜の寄付等近隣の方々の協力は園運営の大きなサポートとなっている。新型コロナウイルス終息後は、高齢者施設訪問など更なる交流を検討している。

ホームページにはプライバシーポリシーが掲載されており、個人情報の利用目的・第三者への提示・開示と訂正が記されている。また入園時に締結する契約書にも秘密保持として題され、第三者評価受審時および運営委員会開催時の提供が謳われている。子ども・保護者の情報の口外は無論、取り扱いに留意するよう指導にあたっている。

保育経験・子育て経験の豊富な職員で固められた職員体制が敷かれており、経験を活かし、安心・安全な支援の実施に努めている。子どもの行動や発言をしっかり観察し、真剣な対応により子どもの成長の一助となるよう取り組んでいる。園庭にはシートを使用し、子どもたちのプラバシーを守るよう努めている。

毎朝の視診と情報共有により子どもたちの安全と健康を見守っている。経験豊富な職員による習慣化した観察は、管理職も信頼を置いており、保護者の様子も含めて、注視されている。健康診断結果の確認、関係機関との連携など子どもたちが安全・安心に暮らせる環境となるよう・児童福祉を担う職責を全うするよう取り組んでいる。

行政・関連団体等々から収集したパンフレットや通達を集積し、リスクマネジメント等の標準化を図っている。熱中症・アレルギー・災害対応等衛生・防災等を中心に集積されており、新しくなる都度差し替えがなされている。新型コロナウイルスへの対応についても一冊のファイルにし、すぐに確認できるよう対応している。

職員それぞれが特技をもっており、それらを活かせるよう役割分担がなされている。環境整美、計画作成、端末操作など職員が好きなことをやることにより、管理職からの指示がなくても率先して行い、効率的かつ活気ある職場となるよう取り組んでいる。成熟した人間性をもった職員が集まり、互いに助け合い・教え合う環境が形成されている。

防犯カメラが設置されており、不審者対策等子どもたちの安全が守られるよう環境整備がなされている。また０、１，２歳という自身の意思をうまく伝えられない子どもを預かる職員は「細かなことに目が行く・機転が利く」必要があり、チームワークを活かしながら危険を察知するよう努めている。室内ばかりでなく、戸外活動時にも職員が十分な見守りをするよう指導・指示がなされている。