東京都福祉サービス第三者評価  評価結果





評価結果基本情報

評価年度 令和2年度
サービス名称 認証保育所A型・B型
法人名称 特定非営利活動法人柳原共同保育所
事業所名称 千住あさひ共同保育園
評価機関名称 特定非営利活動法人 コミュニティケア街ねっと

コメント

利用者調査は保護者全数のアンケート調査とした。評価にあたっては、保育の専門家をチームにアドバイザーとして加えた。当評価機関と保育所には特別な関係性はなく、第三者の視点で評価を実施した。


(内容)
 Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像
 Ⅱ 全体の評価講評
 Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み
 Ⅳ 利用者調査結果
 Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)
 Ⅵ サービス提供のプロセス項目


公益財団法人東京都福祉保健財団
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Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像

1 理念・方針  (関連 カテゴリー1 リーダーシップと意思決定)
  事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)

1)特定非営利活動法人の保育園として、営利を目的とせず子どもが豊かに育つ保育園をめざします。 2)手あつい保育、子どもや保護者に寄り添う保育を行い、一人ひとりを大切にしていきます。 3)子どもの人権を大切にしていきます。 4)多様な保育要求に応えられるような保育園を目指します。 5)職員は国基準以上の配置で、長く働き続けられる保育運営をしていきます。

 
2 期待する職員像  (関連 カテゴリー5 職員と組織の能力向上)
  (1)職員に求めている人材像や役割

・子どもや保護者に寄り添い、信頼関係を深めながら保育をする。                                          ・研修には積極的に参加をし、保育の質を高めていく。

 
(2)職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

・子ども一人ひとりとしっかりと向き合い、丁寧に関わっていく。                                             ・職員同士とも良い関係を築き向上心を持って取り組む。

 


Ⅱ 全体の評価講評

全体の評価講評

特に良いと思う点
1 一人ひとりの保育観を大切にしつつ、園の目指している保育の実現に向けて取り組んでいる

子どもを第一に考えることや子どもの気持ちを考える保育を大切にしており、経営層は会議などの場で職員に伝えている。また、職員一人ひとりの保育観を大切にしつつ、基本の保育は同じであることをさまざまな場で話している。今年は全職員が区の「教育・保育の質ガイドライン」の振り返りシートをもとに保育の自己評価をしたり、子どもの成長の姿とそれに伴った保育の在り方を各自がまとめている。園は話し合いの機会を多く設け、目指している保育について共通理解を図り、保育実践に取り組んでいる。
2 子ども主体の保育実現を図り、遊びの環境を大幅に見直した

外部区からの指摘がきっかけとなり、子どもが遊ぶ環境を大幅に見直した。これまで玩具類はすべて棚にしまい、遊びの時に保育士が選んで子どもに渡していた。これを見直し、玩具はすべて子どもの見える場所に置き、いつでも手に取れるようにした。成長に合わせて保育士が手作りした玩具も追加し、子どもが自分で選び、遊び方を考えられるよう工夫している。特に段ボール等で作られたシステムキッチンは人気であり、子どもが自分で遊び方を考え楽しむ姿が見受けられた。遊んだものを子どもが自分で元の場所に戻せよう、目印も工夫している。
3 事業継続計画(BCP)や職員参集表を策定し、年度ごとに見直しながら災害に備えている

避難訓練は地震や火災を想定し、毎月実施している。事業継続計画(BCP)も昨年度策定しており、職員会議で説明し年度ごとに見直している。内容は基本方針に始まり、初動対応や事業継続可能性の判断、大災害対応などを盛り込んでいる。また、災害時の非常参集についても、職員の家庭状況を確認し、一覧表にするなど大きな災害に備えている。事業継続計画(BCP)や職員参集表の策定は評価したい。

さらなる改善が望まれる点
1 園が推進する子ども主体の保育方針やその成果を外部に発信することが期待される

園ではかつての集団保育を見直し、子ども主体の保育を推進している。全員で一斉に何かをすることは取りやめ、子ども個々のニーズに合わせた保育を実践しており、食事提供、遊び、午睡の取り方など様々な面に反映している事が確認できた。しかしながら、これらの子ども主体・個別具体的な保育の取り組みは、園の保育方針や事業計画、事業報告などに明示されていない。取り組み内容やその成果を、各種の媒体や保護者会ほかで発信していくことが求められる。
2 職員一人ひとりの育成に、さらに取り組むことを期待したい

キャリアパスの具体化は今年度の重点課題としており、職員の個別の課題も事業計画に載せ、年度初めに職員に説明している。課題に沿ったキャリアアップ研修に派遣したり、希望する研修についても受講を促すなど、一人ひとりが積極的に研修に参加し、専門分野を学ぶことを支援している。なお、職員個別の課題を面談で話し合ってるが、取り組んだ成果や課題などを文書化し、職員と共有しながら一人ひとりの育成につなげることを期待したい。
3 中・長期的に取り組む課題を具体的にまとめ、文書化することが望まれる

単年度の事業計画が策定され重点課題などが明記されている。中長期的な視点で取り組むような人材育成や地域の子育て世帯の支援などは、中・長期計画のなかに盛り込むとよいと思われる。中・長期計画は単年度の事業計画に展開し推進することが期待される。また、法人としても中・長期の方針を明文化し、職員の理解を求めることも望まれる。

Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み

1 ★ 新型コロナウイルスの感染症対策に徹底して取り組んでいる

新型コロナウイルス感染拡大防止の対策に力を入れて取り組んでおり、区のマニュアルも参考にして保護者は保育室に入らないことや、保育士はマスクや手指消毒、検温などで体調管理に努めている。子どもの遊びは密にならないようにしたり、おもちゃの消毒の徹底、散歩車は人数を減らしたり、遊びに行く公園の遊具もアルコール消毒している。給食も椅子の間隔を空けて座るなど、都の基準以上の職員配置のため、徹底した感染予防に取り組んでいる。
関連評価項目(事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる)
2 ★ 多様な研修の機会を提供し、職員の学びを支援している

職員個別の課題を明確にしてキャリアパスを支援しており、年間計画のもとキャリアアップ研修等に派遣している。また、職員には希望の外部研修を受講してもらい、受講後は職員会議で報告をするなど共有をしている。栄養士も技術者講習会や保健所の講習会に参加し、力量アップに取り組んでいる。園内研修は職員会議時にテーマを決めておこなうなど、職員一人ひとりが課題や目標を持ち、積極的に研修に参加することを支援している。
関連評価項目(事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる)
3 ★ 卒園した親子、地域の親子の子育て相談に柔軟に対応する体制がある

当園は3歳児未満の子どもの保育をおこなっており、3歳までに別の保育園に移動していく。子ども、親ともに園の移動には不安やストレスを抱えており、当園では、卒園後もアフターフォローとして親の相談に対応している。電話・来所どちらでも受け入れをしており、親子の不安軽減、子育ての悩み相談などに努めている。また園の大きな行事であるあさひ祭りの際に、子育て相談のコーナーを設け、地域の親子の相談も受け付けている。園児・卒園児ではなくても、日常的に地域からの相談を受けており、園の休日保育などの紹介もしている。
関連評価項目(保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている)

Ⅳ 利用者調査結果

調査概要
調査対象:利用家族全世帯に向けて保護者アンケートを実施した。

調査方法:アンケート方式  
今年度よりWEBによるアンケートを導入し、当園については、WEBアンケートと従来の紙ベースによるものを併用した。紙ベースのアンケートについては返信用封筒で評価機関に直接戻ってくるようにした。

利用者総数 28人
利用者家族総数(世帯) 26世帯
アンケートや聞き取りを行った人数 28人
有効回答者数 20人
回答者割合(%) 76.9%

総括
綜合的な満足度は「大変満足」と「満足」を合わせて100%であった。また、「はい」が100%の項目が4項目、95%が「はい」と答えた項目が2項目、90%が「はい」と答えた項目が4項目という結果で、全17項目中、90%以上が「はい」と回答した項目数は10項目であった。全体的に利用者の満足度が大変高い園といえる。

利用者調査結果

1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
はい 20人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者全員が「はい」と答えており、満足度が高い。「話す言葉が増えた。」「お友達との関係も学んでくれていると感じる。」との意見が複数あった。
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
はい 18人  どちらともいえない 1人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
「はい」が90%、「いいえ」「どちらともいえない」が各5%であった。
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
はい 19人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
「はい」が95%、「未記入」が5%であった。
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
はい 14人  どちらともいえない 2人  いいえ 4人  無回答・非該当 0人 
「はい」が70%、「どちらともいえない」が10%、「いいえ」が20%という結果であった。
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
はい 17人  どちらともいえない 0人  いいえ 2人  無回答・非該当 1人 
「はい」が85%、「いいえ」が10%、「非該当」が5%であった。
6.安全対策が十分取られていると思うか
はい 18人  どちらともいえない 1人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
「はい」が90%、「いいえ」「どちらともいえない」が各5%であった。
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
はい 10人  どちらともいえない 2人  いいえ 5人  無回答・非該当 3人 
「はい」が50%、「いいえ」が25%、「どちらともいえない」が10%、「非該当」が15%であった。「以前は配慮されていたが、現在はコロナの影響で行事が少なくなっている。」というコメントが複数あった。
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
はい 18人  どちらともいえない 1人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
「はい」が90%、「いいえ」「どちらともいえない」が各5%であった。
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい 19人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」が95%、「どちらともいえない」が5%であった。%、
10.職員の接遇・態度は適切か
はい 20人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」が100%であり、満足度が高い。職員の言葉遣いや態度、服装が適切であると思われる。
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい 20人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
回答者全員が「はい」と答えており、満足度が高い。「話す言葉が増えた。」「お友達との関係も学んでくれていると感じる。」との意見が複数あった。すぐ連絡と詳細の説明があるので、安心してお任せできる。」「素早く連絡をくれる。」などのコメントが見られた。
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい 13人  どちらともいえない 1人  いいえ 4人  無回答・非該当 2人 
「はい」が65%、「いいえ」が20%、「どちらともいえない」が5%、「非該当」が10%であった。
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
はい 18人  どちらともいえない 1人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
「はい」が90%、「いいえ」「どちらともいえない」が各5%であった。
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
はい 16人  どちらともいえない 1人  いいえ 1人  無回答・非該当 2人 
「はい」が80%、「どちらともいえない」「いいえ」が各5%、「非該当」が10%であった。
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
はい 20人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」が100%という結果であった。
16.利用者の不満や要望は対応されているか
はい 14人  どちらともいえない 0人  いいえ 1人  無回答・非該当 5人 
「はい」が70%、「いいえ」が5%、「非該当」が25%であった。不満や要望がないという人が「非該当」にしたと思われる。
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい 8人  どちらともいえない 1人  いいえ 1人  無回答・非該当 10人 
「はい」が40%、「どちらともいえない」「いいえ」が各5%、「非該当」が50%であったが、項目16と同じく、相談することがないという人が「非該当」にしたものと思われる。

Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)

※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー1  リーダーシップと意思決定
  サブカテゴリー1  事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目2 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  評価項目2 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている 実施状況
  標準項目1 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  標準項目2 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
  評価項目3 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している 実施状況
  標準項目1 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  標準項目3 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
講評
職員会議等で園の目指している保育について共通理解を図っている

年度初めや年度終わりの会議では、園の目指している保育について事業計画書を基に説明し、職員に理解を深めてもらっている。毎月の職員会議では研修報告もおこなっており、乳児保育と子どもの権利の尊重などを重ねて考えることで保育を振り返っている。また、会議では目指している保育をぶれないように軌道修正するなど、園の保育について共通理解を図っている。保護者には入園前の説明会や保護者会で運営方針や保育目標、保育内容など丁寧に説明しており、保護者アンケートでも回答者全員が、園の保育内容の説明は分りやすいと答えている。

園長は自らの役割と責任を果たしリーダーシップを発揮しながら園運営に取り組んでいる

園長は、子どもを第一に考えることや子どもの気持ちを考える保育を大切にしており、会議などの場で職員に伝えている。また、一人ひとりの保育観を大切にしつつ、基本の保育は同じであることをさまざまな場で伝えている。個人面談を実施し、これまでの保育の振り返りや今後の課題などについて話し合っている。コロナ禍で休園した際には、全職員に区の「教育・保育の質ガイドライン」の振り返りシートで自己評価をしてもらい、それをもとに話し合った。園長は保護者会を開き、自らの役割と責任を果たし、園運営に取り組んでいる。

案件は職員会議で検討・決定し、職員会議で再確認している

案件は職員会議で検討・決定し、職員会議で再確認している。緊急の場合はリーダー会議で話し合って決定し、職員会議で周知している。参加していない職員は会議録を確認し、サインすることとなっている。また、分からない事がある場合は園長等に質問するように伝えている。保護者に伝える内容については、お知らせ文書を作成したり、園だよりに載せたりしている。特にコロナ禍での子どもの受け渡しに関することは迅速に情報を提供している。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー2  事業所を取り巻く環境の把握・活用及び計画の策定と実行
  サブカテゴリー1  事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  評価項目1 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している 実施状況
  標準項目1 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目2 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  標準項目3 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目4 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  標準項目5 事業所の経営状況を把握・検討している
  標準項目6 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
  サブカテゴリー2  実践的な計画策定に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している 実施状況
  標準項目1 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  標準項目2 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  標準項目3 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
  評価項目2 着実な計画の実行に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  標準項目2 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
講評
園を取り巻く環境について情報を収集し、課題を検討している

保護者の意向は、降園時や連絡帳などのやり取りのほかあさひ祭り(園のお祭り)や給食の試食会などではアンケートを取って把握に努めている。職員の意見は職員会議や個別の面談などで聞き取っている。地域のニーズは入園説明会などで把握に努めたり、あさひ祭りでは保育の相談コーナーを設け、入園希望者の相談に乗っている。園の経営に関しては社労士と定期的に経営状態の確認をおこなっている。園では保護者代表や民生委員などが参加する運営委員会を年2回開催しており、地域の現状や園の運営について検討している。

単年度の事業計画を策定し、年度末には事業報告としてまとめている

中長期計画を単年度の事業計画書に落とし込んでいる。事業計画にはキャリアパスの具体化など重点課題のほか、職員の係分担や職員育成、会議の持ち方や職員の健康管理、保護者支援、子育て支援などを盛り込んでいる。事業計画は園長が作成して内容を主任に確認してもらい、年度末には事業報告としてまとめている。事業計画は年度初めの職員会議で説明し、意見を求めている。なお、中長期計画は期間を明示して取り組む内容を明記する事もよいと思われる。

単年度の事業計画は会議の場で取り組みを確認している

事業計画については、会議の中で取り組みを確認したり振り返りをしている。検討事項や改善点があった場合は職員会議やリーダー会議で話し合っている。保育については、区の教育・保育の質ガイドラインの振り返りシートで自己点検することで、自分の保育を見つめ直す機会としている。なお、事業計画の重点課題や目標などは年度途中で取り組みを振り返り、成果や課題を明確にし推進することが期待される。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー3  経営における社会的責任
  サブカテゴリー1  社会人・福祉サービス事業者として守るべきことを明確にし、その達成に取り組んでいる
  評価項目1 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  標準項目2 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
  サブカテゴリー2  利用者の権利擁護のために、組織的な取り組みを行っている
  評価項目1 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている 実施状況
  標準項目1 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  標準項目2 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
  評価項目2 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている 実施状況
  標準項目1 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  標準項目2 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
  サブカテゴリー3  地域の福祉に役立つ取り組みを行っている
  評価項目1 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  標準項目2 ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
  評価項目2 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  標準項目2 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  標準項目3 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
講評
園職員として守るべきことを周知し、順守されるよう取り組んでいる

職員は、入職時に園職員としての守るべきことを保育の基本マニュアルなどで確認している。また、保育マニュアルには子どもの権利の尊重などについて触れられており、会議の場で伝えている。また、人権に関する研修は積極的に受講を促し、受講者には研修内容の報告をしてもらい、全員で再確認している。個人情報保護法に関しては取り扱い規定を作成し、利用目的や情報開示、対応などについて明示し、職員には誓約書を提出してもらっている。園は職員として守るべきことを周知し、職員の理解を深めるよう取り組んでいる。

意見や苦情等は職員会議やリーダー会議で検討し、迅速に対応する体制を整えている

保育内容に関する相談苦情の窓口を明示し、入園時に苦情解決責任者や受付担当者、第三者委員について説明している。苦情等を受け付けた場合はリーダー会議などで対応や改善策を話し合い、相談・苦情解決責任者である園長が申し出た保護者に説明している。保護者の意向は日々の登降園時や連絡帳、個人面談などで聞き取り、職員会議やリーダー会議で検討し、直ぐにできることや時間のかかることに分けて伝えている。また人権尊重の取り組みとして、子どもの気持ちを傷つけるような言動がないか振り返りシートで自己点検をしている。

一時保育や休日保育、「あさひ祭り」など地域貢献に取り組んでいる

開かれた園を目指しており、園の情報は区に提供し、利用希望者には区のコンシェルジュが園の紹介をしている。実習生も受け入れる体制ができているが、現在はコロナ禍であり、受け入れはしていない。地域貢献の取り組みとして一時保育や休日保育をおこなっており、地域の子育て家庭に利用してもらっている。園の行事である「あさひ祭り」は在園児のほか卒園児も参加し、保護者や地域の親子など300人を超える一大イベントとなっている。今後もさらに園の専門性などを地域に還元する取り組みを検討されたい。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー4  リスクマネジメント
  サブカテゴリー1  リスクマネジメントに計画的に取り組んでいる
  評価項目1 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  標準項目2 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  標準項目3 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  標準項目4 リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  標準項目5 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
  サブカテゴリー2  事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  評価項目1 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている 実施状況
  標準項目1 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  標準項目2 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  標準項目3 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  標準項目4 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
講評
新型コロナウイルス感染対策に取り組み、予防を徹底している

リスクに関するマニュアルを整備しており、危機管理マニュアルや防災マニュアルなどを作成し、職員会議で内容の確認をおこなっている。優先順位の高い新型コロナウイルス感染症対策では、区のマニュアルも参考にして、保護者は保育室に入らない、子どもが遊ぶ時に密にならない、おもちゃの消毒の徹底、散歩車の人数を減らす、遊びに行く公園の遊具のアルコール消毒などを決めて実行している。訪問時は、椅子の間隔を空けて給食を摂っている子どもたちの姿が見られ、徹底して感染対策に取り組んでいることがうかがえた。

事業継続計画(BCP)や職員参集表を作成するなど大災害に備えている

避難訓練は地震や火災を想定し毎月実施している。事業継続計画(BCP)も昨年度策定しており、職員会議で説明して年度ごと見直している。また、パート職員にも説明して理解してもらっている。内容は基本方針に始まり、初動対応や事業継続可能性の判断、大災害対応などを盛り込んでいる。災害時の非常参集についても、職員の家庭状況を確認し一覧表にするなど、災害に備えている。ヒヤリハットや事故は記録に残し、再発防止策をクラスで話し合い、職員会議で報告している。記録は5W1Hで書くようにし、伝えたい情報を分りやすくしている。

個人情報の取り扱い文書を明文化し、情報の保護管理に努めている

個人情報の取り扱い文書を明文化し、職員には入職時に守秘義務などを説明している。また、個人情報の利用目的や情報開示対応なども明示し、入園時に保護者に説明している。子どもの写真をホームページなどに載せる場合はその都度確認したり、行事の時は自分の子どもだけを撮影することなど伝えている。園の書類は園長と職員の棚に分け、どちらも施錠し管理し、パソコンも職員にはパスワードを付与してアクセス権限を設定している。職員自己評価でも回答者全員が、情報の収集・利用・保管・廃棄について規定やルールを理解し順守していると答えている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー5  職員と組織の能力向上
  サブカテゴリー1  事業所が目指している経営・サービスを実現する人材の確保・育成・定着に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている 実施状況
  標準項目1 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  標準項目2 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
  評価項目2 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している 実施状況
  標準項目1 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  標準項目2 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
  評価項目3 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  標準項目2 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  標準項目3 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  標準項目4 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
  評価項目4 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  標準項目2 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  標準項目3 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  標準項目4 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
  サブカテゴリー2  組織力の向上に取り組んでいる
  評価項目1 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  標準項目2 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  標準項目3 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
講評
職員一人ひとりの課題を明確にし、研修計画を作成している

職員一人ひとりの課題を明確にし、キャリアパスを支援しており、年間計画のもと、キャリアアップ研修や中堅保育士研修などを受講してもらっている。栄養士も技術者講習会や保健所の講習会に参加している。また、希望する研修についてはアンケートなどで把握に努め、受講を促している。キャリアパスの具体化は今年度の重点課題として事業計画に載せ、年度初めに職員に説明している。園は職員一人ひとりが課題や目標を持ち、積極的に研修に参加して専門分野を深く学ぶことを支援している。

日々の学びを大切にし、よりよい保育を目指している

園内研修は、職員会議時にテーマを決めて実施している。また、外部研修を受講した職員は園内で伝達講習をおこない、職員間で共有している。職員の学びたいとの気持ちを尊重しており、参考になる書籍なども揃えている。クラスにおける保育の課題はクラスリーダーが中心になって話し合ったり、クラスミーティングを実施している。また、日ごろの気づきを大切にしており、職員会議で報告し合って、よりよい保育を目指し取り組んでいる。

職員の働きやすい職場づくりに取り組んでいる

働きやすい職場づくりに取り組み、休暇なども取りやすい体制を作っている。今年度は産休・育休後に復帰した職員もおり、子育てをしながらも働きやすい職場を目指している。職員の健康管理にも取り組み、声掛けしたり悩み事などは相談に乗っている。また、インフルエンザの予防接種は全額補助がある。職員自己評価でも、「子育て中の職員も働きやすい」や「職員間の関係が良い」、「相談ごとを事務所に話しやすい雰囲気がある」などのコメントがあった。昨年は離職者もなく、ゆとりのある保育ができていると思われる。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー7  事業所の重要課題に対する組織的な活動
  サブカテゴリー1  事業所の重要課題に対して、目標設定・取り組み・結果の検証・次期の事業活動等への反映を行っている
  評価項目1 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 前年度の重要課題の一つに「子どもに寄り添える保育園、子ども主体の保育園はどのような保育園なのかを、園全体で考え保育内容を振り返る」を掲げ、目標を設定した。課題を抽出した理由として、職員一人ひとりの保育観の違いは大切にしているが、園の理念や保育方針が理解できていないと感じる保育が見られたためであった。取り組みとして、年度初めの職員会議で園の理念や保育目標について話をし、その後は研修を受講した職員による報告をもとに基本に立ち戻り学んできた。また、乳児の発達の姿から日々の保育の進め方を考えたり、教育・保育の質ガイドラインを基にした振り返りシートで、一人ひとりが保育の反省点を見出すことができてきた。職員との個人面談でも、園の目指している保育につなげて考えていくことができるよう話し合ってきた。取り組みの検証では、職員一人ひとりの保育観を大切にすることと、変えなければ園の目指す保育につなげられない難しさがあることを痛感し、今年度においても引き続き重要課題とし、丁寧に保育の見直しを進めることを目標とした。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させていない
【講評】
園の保育目標の根幹は子ども主体の保育であり、職員個々は念頭にあるが実際の保育につながっていないことを課題とした。一朝一夕には解決しない課題であるが、園全体が意識して継続して取り組むプロセスが重要と思われる。とくに振り返りシートによる保育の反省や個人面談は、園の目指す保育の共通理解を図るうえでよい取り組みと思われる。また、子ども主体の保育は子どもの意思を尊重することにもつながり、子どもひとり一人の関心のあることを深めていけると思われる。取り組みを検証し引き続き今年度の重要課題としている。なお、重点課題は文書化し職員と共通認識のもと取り組むことが望まれる。 
  評価項目2 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 前年度の重要課題として「子ども主体で遊べる保育環境づくりをする」ことを掲げた。行政からの指摘もあり事業計画に盛り込み目標とし、新年度のスタート時から各クラスで取り組むこととした。そのために関連する研修を受講したり、各自が調べてクラスで話し合いながら一年を通して取り組んできた。クラスごとに差はあったものの職員同士が悩み考えながら取り組んでいることがうかがえた。とくに手作り玩具が工夫して作成されており、評価者の訪問時には牛乳パックで作ったテーブルや椅子、段ボールで作った電子レンジや冷蔵庫などが確認できた。「保育環境づくり」は一定の成果が見られており、今年度についても環境設定を重要課題としてかかげている。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させていない
【講評】
重要課題として「環境設定」を掲げて取り組んだが、コロナ禍においてタイムリーな課題設定と感じられた。環境設定は各クラスで取り組んでおり、職員がチームを組んで話し合うことで、お互いの学びや職員間の協力体制につながったと思われる。評価者も職員が労作した実物を実際に見ることができ、子どもが楽しく遊んでいる姿も見られた。この成果は新たな環境設定につながると思われる。今年度についても、子どもたちの遊びの姿を把握し、見通して立てて設定することの大切さを知り、工夫しながら進めることを目標としており、今後の取り組みが期待される。なお、重要課題であり事業計画等にも載せるとよいと思われる。 

Ⅵ サービス提供のプロセス項目(カテゴリー6)

カテゴリー6 サービス提供のプロセス
  サブカテゴリー1 サービス情報の提供
  評価項目1 利用希望者等に対してサービスの情報を提供している 実施状況
  標準項目1 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  標準項目2 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  標準項目3 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  標準項目4 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
  標準項目5 事業所のサービス利用が困難な場合には、理由を説明したうえで、他の相談先紹介など支援の必要に応じた対応をしている
講評
利用希望者には多様な媒体で園の情報を分かりやすく提供している。

ホームページでは、園の歴史や園の紹介、お知らせや新着ニュースなど多様な情報を掲載している。「あさひだより」(園だより)では園の行事で子どもたちが楽しく過ごしている写真も載せている。入園前説明会でも保育内容を説明し、子どもの様子を写真で見てもらっている。園が主催する「あさひ祭り」は地域の人にも案内し、利用希望者にも楽しんでもらっている。また、子育て支援として一時保育もおこなっており、園の情報を伝えたり保護者の相談に乗っている。入園を希望する保護者には多様な媒体で園の情報を分かりやすく提供している。

利用希望者の見学は園長が対応し、園のしおりをもとに説明している

利用希望者から問い合わせや見学等の連絡が入った場合は、園長が対応し日程を調整している。翌年の入園前説明会は、7月くらいから年明け2月まで人数を調整しておこなっており、入園のしおりをもとに運営方針や保育内容を丁寧に説明したり、保育の様子を写真で見てもらっている。入園前説明会に参加できない保護者にも、個別の状況に応じて対応している。入園説明会は受付票で管理し、来訪者カードで連絡が取れるようにしている。区にも園情報を提供しており、コンシェルジュからも情報を得ることができる。

園の利用が困難な家庭には理由を説明し、相談先などを紹介している

園での受け入れが困難な場合は、それぞれの家庭の状況を把握した上でファミリーサポートセンターなどを紹介している。なお、保育が早急に必要な家庭があっても、体制が取れず受け入れができないこともあり、難しさを感じている。行政等への情報提供では、区に対しては在籍児童状況報告書で園の情報を毎月提出している。また、保護者代表や民生委員などが参加する運営委員会では、園の現状を説明して園運営について話し合ってもらっている。


  サブカテゴリー2 サービスの開始・終了時の対応
  評価項目1 サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている 実施状況
  標準項目1 サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
  標準項目2 サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目3 サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
  評価項目2 サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 サービス開始時に、子どもの保育に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  標準項目2 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように配慮している
  標準項目3 サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
講評
入園後には重要事項を説明し、承諾書で同意を得ている

入園決定後には、保育内容や給食、散歩・外遊び、園と保護者の連絡、園の規則などの重要事項を説明し、承諾書をもらっている。入園前の担任との面談では個々の家庭の生活状況の把握に努め、保護者の意向等を丁寧に確認している。また、園長は入園前の説明会や保護者会で、運営方針や保育目標などを丁寧に説明しており、園の目指している保育について理解を深めてもらっている。保護者アンケートでも回答者全員が「保育内容の説明は分かりやすい」と答えており、丁寧な説明がうかがえる。

入園直後は子どもの不安が軽減されるよう配慮している

入園にあたってはできる限り子どもや保護者に寄り添い、無理なく園生活が始められるよう心掛けている。入園前面談をおこなう事で保護者の不安に耳を傾けて受け入れ、少しでも不安が解消されるよう努めている。子どもの保育に必要な個別事情等は保護者が記入した生活状況表にて確認をしている。園はゆとりのある職員配置をしており、入園直後の子どもの不安やストレスには丁寧に対応している。事情により退園した子どもの保護者にも休日保育が利用できることを伝えたり、「あさひ祭り」では卒園児にも声をかけるなど、関係が途切れないようにしている。


  サブカテゴリー3 個別状況の記録と計画策定
  評価項目1 定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している 実施状況
  標準項目1 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
  標準項目2 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  標準項目3 アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
  評価項目2 全体的な計画や子どもの様子を踏まえた指導計画を作成している 実施状況
  標準項目1 指導計画は、全体的な計画を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
  標準項目2 指導計画は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況(保護者の意向を含む)の変化に即して、作成、見直しをしている
  標準項目3 個別的な計画が必要な子どもに対し、子どもの状況(年齢・発達の状況など)に応じて、個別的な計画の作成、見直しをしている
  標準項目4 指導計画を保護者にわかりやすく説明している
  標準項目5 指導計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  評価項目3 子どもに関する記録が行われ、管理体制を確立している 実施状況
  標準項目1 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  標準項目2 指導計画に沿った具体的な保育内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
  評価項目4 子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している 実施状況
  標準項目1 指導計画の内容や個人の記録を、保育を担当する職員すべてが共有し、活用している
  標準項目2 申し送り・引継ぎ等により、子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
講評
全体的な計画に基づいて年間指導計画、月間指導計画が立案され保育が進められている

園長が全体的な計画を作成し、年度初めの職員会議で内容の確認をおこなっている。計画は乳児・1歳児・2歳児ごと養護と教育の各領域を考慮し、きめ細かく立てられている。全体的な計画に基づいて年間のクラスの指導計画が作成され、職員会議で検討している。年間の指導計画に基づいて作成した月案はクラス会議で前月の反省をもとに立てられ、必要な情報は職員会議で共有されている。さらに週案・日案と展開され、クラス全体で保育が進められている。

子ども一人ひとりの個別の指導計画を共有し保育に取り組んでいる

保護者との個人面談で子供の発達状況や家庭状況、意向などを把握している。子どもの心身状況や生活状況を踏まえ、個別の月間指導計画を作成しており、活動内容やねらい、環境配慮などを明確にしている。指導計画は前月の反省をもとに作成し、クラス会議で共有されている。また、アレルギー児については医師の指示書をもとに対応している。個別の計画は保護者との個人面談時に説明している。職員自己評価でも、9割近い職員が「計画については子どもの実態や取り巻く状況の変化に則して作成・見直しをしている」と答えている。

子どもの状況は記録に残し、職員間で共有を図っている

子どもの発達状況は月齢ごと児童票に記録しており、必要に応じて職員会議で報告している。保護者からの情報や保護者に伝える事はクラスノートで共有し、朝礼ノートでも必要なことを各クラスに伝達している。日々の保育内容や活動の反省点などは日誌に記録している。リーダー会議後のクラスへの伝達がうまくいかないこともあり、課題としている。職員自己評価では「子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載する仕組みがあるか」の設問に対し、職員全員が「ある」と答えており、記録の仕組みが機能していることがうかがえる。


  サブカテゴリー4 サービスの実施
  評価項目1 子ども一人ひとりの発達の状態に応じた保育を行っている 実施状況
  標準項目1 発達の過程や生活環境などにより、子ども一人ひとりの全体的な姿を把握したうえで保育を行っている
  標準項目2 子どもが主体的に周囲の人・もの・ことに興味や関心を持ち、働きかけることができるよう、環境を工夫している
  標準項目3 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう配慮している
  標準項目4 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
  標準項目5 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
  標準項目6 【5歳児の定員を設けている保育所のみ】 小学校教育への円滑な接続に向け、小学校と連携を図っている -
講評
玩具の提供の仕方・環境を見直し、子どもが主体的に遊びへ参加できるよう工夫した

これまで玩具類は棚にしまっており、保育士が選んで子どもに与えていた。この環境を見直し、子どもが自分で玩具を選び、遊びを考えることができるよう環境整備に取り組んだ。玩具は見える場所に置かれ、自由に手に取れるようにした。子どもたちが創意工夫して遊びを生み出せるよう、保育士らが玩具を手作りもしている。特に段ボール等で作られたシステムキッチンは人気を集めており、子ども個々が思い思いの使い方をしていた。片付けもしやすいよう、ミニカー置き場には駐車場マークなどの目印がつけられていた。

集団的保育から個別保育への切り替えを推進しており、月案の記載内容を見直しした

当園では子ども個々の発達に合わせた保育を推進している。その一環として月案の見直しを行った。これまでの月案は、集団的な活動中心の記載となっていたが、今年度4月より、個別具体的な支援内容を併記するように改めた。かみつきなどの課題を抱える子どもへの対応も、月案の個別欄に記載している。子ども個々の状況は日々の記録に書き、定期的に評価や振り返りをしている。一方で集団保育から個別保育への切り替えが難しい保育士もいるとの事で、今後のスキルアップが期待される。

特別な配慮が必要な子どもは区の相談機関等と連携する体制がある

子ども個々の発達の記録を作成している。気になる子どもがいた場合、専門の相談機関との連携も視野に入れながら、支援方法の検討をしている。保護者と話し合い、外部の専門機関に相談を勧めることもある。保育士個々のスキルアップのため、区などが主催する発達障害児保育、感情のコントロールが難しい子どもへの関わり方などの研修にも積極的に参加している。

  評価項目2 子どもの生活が安定するよう、子ども一人ひとりの生活のリズムに配慮した保育を行っている 実施状況
  標準項目1 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
  標準項目2 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう援助している
  標準項目3 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
  標準項目4 降園時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
講評
午睡や食事は子ども個々のリズムに合わせており、時間で一斉にはおこなっていない

子ども個々に、朝食の時間や量が異なっていることを考慮し、園の昼食は、全員そろって頂きますという形にはしていない。訪問時には、お腹の減った子どもからテーブルに来て食べ始める様子が見られた。また午睡も、無理に寝かせたりせず、自由な休息時間として位置づけている。午睡時間だからといってカーテンを閉めることもない。遊びたい子どもは遊びを続け、昼寝をしたい子どもは畳スペースに敷かれた布団に横になっていた。園が推進する子ども主体・個別の対応が反映されていた。

新型コロナウィルス対策を受け、連絡帳の健康確認欄をより詳細に改訂した

新型コロナウィルスの感染防止対策の一つとして、連絡帳に加え、健康チェック表を作成した。これまでの連絡帳でも家での様子、食事状況、体調などを記載してもらっていたが、健康チェック表では更に細かく、具体的に体調を確認できるようになった。一方で保護者の負担増を考慮し、チェック方式で記入できるようにするなど工夫もしている。健康チェック表の項目は、体温、睡眠、食欲、セキ、鼻水、発疹など、多岐にわたる。引き続き、子どもの体調を家庭と園とで共有し、健康の維持に努められたい。

感染予防のため保護者の立ち入りを制限しており、意見交換の機会が減少している

新型コロナウィルス感染防止対策の一環で、保護者の園への立ち入りを制限している。これまでは各クラスまで保護者が入ってきて、子どもの遊ぶ様子などを見ながら、保育士と話ができていた。しかし、現在は保護者はクラスの中まで入ってくることが出来なくなっている。1階のクラスは、ガラス扉や窓からクラス内の様子をうかがっている。また2階のクラスは子どもの受け渡しが階段の踊り場でおこなわれており、保育士とゆっくり会話したり、相談することも厳しい現状となってしまっている。

  評価項目3 日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している 実施状況
  標準項目1 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
  標準項目2 子どもが人と関わる力を養えるよう援助している
  標準項目3 子ども一人ひとりの状況に応じて、言葉に対する感覚を養えるよう配慮している
  標準項目4 子どもが様々な表現を楽しめるようにしている
  標準項目5 子どもの心身の発達が促されるよう、戸外・園外活動(外気浴を含む)を実施している
  標準項目6 生活や遊びを通して、子どもが自分の気持ちを調整する力を育てられるよう、配慮している
講評
区のコロナ対応ルールに沿い、人数制限などを取り入れて外遊びに出かけている

区の新型コロナ感染防止にまつわるガイドラインがあり、当園でもこれにそって保育をしている。外に散歩等に出かける際、これまでは子ども同士で手をつないで歩いていたが、現在は保育士と子どもとで手を繋ぎ、散歩に出かけている。年少の子のお散歩カートは、一台に3人までとし、密にならないようにしている。公園に着き、遊具で遊ぶ際は、保育士が遊具の消毒をおこなっている。当園には園庭がないため、ルールを守りながら外に出かける機会を作っている。

遊びの環境を見直し、子どもが主体的に遊びに取り組めるよう改善した

外部の指摘などを受け、子どもの遊ぶ環境の見直しをおこなった。これまでは玩具を棚にしまっており、遊びの時間になると、保育士が選んで子どもに渡していた。現在は子どもの手の届く棚に、玩具が見えるように置かれている。子どもたちは、自分の好みに合わせ、主体的に玩具を選び、自分で遊びを考えている。また保育士による手作り玩具も増えてきており、創意工夫して遊びを考えられるようなものが多く見受けられた。片づけ方の工夫もされており、環境の改善が確認できた。

集団生活の中で、子ども個々が自分の思いを素直に表出できるよう支援している

保育園は集団生活であり、子ども同士のトラブルが生じる場面もある。トラブルの際は、表面的に「ごめんなさい」と言い合って終わりにするのではなく、それぞれの思いを保育士が汲み取り、どうすればよかったのか、振り返りをしている。おもちゃを貸してと言われた時に嫌だったのなら断ってもよいのだと教え、断り方なども伝えている。保育士は日ごろの子ども同士の関わりの中で、自分の気持ちを相手に伝える方法を教え、子どもたちが自身の思いを素直に相手に伝えられるよう援助している。

  評価項目4 日常の保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している 実施状況
  標準項目1 行事等の実施にあたり、子どもが興味や関心を持ち、自ら進んで取り組めるよう工夫している
  標準項目2 みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している ×
  標準項目3 子どもが意欲的に行事等に取り組めるよう、行事等の準備・実施にあたり、保護者の理解や協力を得るための工夫をしている
講評
発表会や行事では、子どもが主体で好きなものを自己表現している

発表会や行事などでは、子どもが主体となって楽しむことを大切に考えている。子ども個別の好みや意向に合わせて、普段の姿を見てもらうようにしている。行事前に、保育士主導で演目などを練習することはしていない。日々の生活の中で子ども個々の興味を深め、それを発表に繋げている。これは園が推進している子ども主体、子ども個別を大切にする方針を反映したものである。

年間を通じて数々の行事を企画しており、保護者の参加率も高い

保育園の行事は年間を通じてさまざまなものが企画・実行されている。毎月の行事の一つとして、各クラスの誕生会がある。プレイデーでは保護者の保育参加、給食試食を行っている。あさひファミリーデーでは、体育館を借り、家族とともにミニ運動会を開いている。保護者が参加しやすいよう、行事は土日に設定することが多い。他にも園祭り、クリスマス会のなどの行事がある。保護者の行事参加率は約8割とのことである。現在はコロナ禍のため、行事は中止・縮小等が余儀なくされている。

親子で参加できる行事を無理のない範囲で増やしたいと考えている

園では、年間を通じ親子で参加できる行事を複数企画している。しかしながら、親子行事および地域の人も参加できる行事などは、まだまだ少ないと感じている。保護者や親族、地域住民などが参加できる行事をさらに増やし、子どもたちの社会性を伸ばしていきたいと考えているが、新型コロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言、外出の自粛などを受け、これらの計画はストップした状況である。今後の見通しも未だ立っておらず、検討を再開できる日が待たれるところである。

  評価項目5 保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている 実施状況
  標準項目1 保育時間の長い子どもが安心し、くつろげる環境になるよう配慮をしている
  標準項目2 保育時間が長くなる中で、保育形態の変化がある場合でも、子どもが楽しく過ごせるよう配慮をしている
講評
早番・遅番の職員がおり、延長保育中も常に馴染みの職員と過ごせるようにしている

子どもの預かりを開始する7時台から勤務する早番職員と、延長保育の時間まで対応する遅番職員をシフトに組み込んでいる。早番・遅番職員は、各クラスの正規職員を当てるようにして、延長保育の子どもが、馴染みの保育士と安心して過ごせるよう気を配っている。17時までは各クラスで過ごし、その後は1階の延長保育のスペースに子どもたちを集めている。各クラスの玩具の持ち込みも許されており、子どもが安心して場所の移動ができるようにしている。日中の様子はクラスノート等に記載され、遅番職員に申し送りがなされている。

20時までの延長保育を行う体制があり、家庭の状況に応じて実施している

当園のホームページやパンフレット等には、13時間開所、休日保育、年末保育を行うことが明示されている。また延長保育は20時までと記載されている。これらの保育は、家庭の状況に応じて実施するとのことであった。第三者評価の訪問調査時は、20時までの延長保育を利用している子どもはおらず、概ね18時までに保護者が迎えに来ていることが確認できた。20時まで延長保育ができる体制およびその利用方法については、引き続き保護者に周知していくことが期待される。

新型コロナウィルス対策のため、早番・遅番の業務増となっている現状にある

区のガイドラインに沿い、新型コロナウィルス感染防止対策を実施している。玩具や室内の物品の消毒もその一つだが、頻回に行う必要があり、早番・遅番職員の手を取られてしまっている。早番・遅番の職員は延長保育等、本来の業務も行う必要があり、負担の大きさに疲弊している現状である。区のガイドラインを遵守し、子どもの安全確保を行いつつも、延長保育等の業務へ影響が出ないよう、保育の質の維持に努めている。今後も続くと思われる新しい生活様式での保育のあり方について、引き続き園で検討していくことが大いに期待される。

  評価項目6 子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している 実施状況
  標準項目1 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
  標準項目2 メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
  標準項目3 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している                                                                                        
  標準項目4 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
講評
子ども主体を大切にし、個別の空腹感や食べたいものを尊重する保育を実践している

当園では子ども主体かつ個別の支援を推進している。そのため食事時間も、一斉に揃って頂きますをするのではなく、食べたい子どもから順に食事のテーブルについて食べ始めている。また個別の空腹感、好みのメニューがあることを尊重し、残さず食べさせることはしていない。残さず食べる事が保育士の力量では無いことを職員間で共有している。園では午前食・午後食と、2回の食事を提供しており、子どもがしっかりと栄養を取れるように配慮している。食材は添加物が少ないものを選んでおり、子どもにとって安心・安全な食事環境づくりに努めている。

厨房の外部委託はしておらず、保育士・調理師・栄養士がこまめに意見交換している

園の厨房は自営であり、外部委託などはしていない。調理師、栄養士は職員会議に参加していないが、保育士と日常的に意見交換している。自営の厨房ならではの細かい対応もしている。延長保育の時間を除き、調乳や冷凍母乳の提供も厨房がおこなっている。行事食では、子どもがケーキに生クリームや果物をトッピングして楽しめるように工夫している。午前食・午後食の2回の食事では、ご飯、パン、麺などの主食とおかず類をパランスよく組み合わせている。

離乳食・乳児食の進め方を書いたプリントを配布し、家庭と連携して食事を提供している

離乳食・乳児食の作り方を、段階に応じて説明したプリントを作成し、保護者に配布している。やわらくかく煮る、つぶす、こまかく切るなど、初めて子育てする保護者にも分かりやすいよう工夫している。園の玄関に、その日の離乳食や乳児食等を展示しており、保護者に説明もしている。連絡帳には家庭でどこまで離乳食を進めたかわかるよう、「おためし表」が貼付されている。園では家庭で食べたものを確認の上、離乳食、乳児食を提供するなど、家庭とこまめに連携していることが確認できた。

  評価項目7 子どもが心身の健康を維持できるよう援助している 実施状況
  標準項目1 子どもが自分の健康や安全に関心を持ち、病気やけがを予防・防止できるように援助している
  標準項目2 医療的なケアが必要な子どもに、専門機関等との連携に基づく対応をしている
  標準項目3 保護者と連携をとって、子ども一人ひとりの健康維持に向けた取り組み(乳幼児突然死症候群の予防を含む)を行っている
  標準項目4 子どもの入退所により環境に変化がある場合には、入所している子どもの不安やストレスが軽減されるよう配慮している
講評
近隣に園の嘱託医がおり、乳児検診や緊急対応などで連携している

園から近い場所に嘱託医のクリニックがある。年2回の乳児検診は、嘱託医が園を訪問して実施している。これ以外にも、ケガをした子どもを緊急でクリニックに連れていくこともある。子どものかかりつけ医を嘱託医にする保護者も多く、子どもの体調を嘱託医が一元的に把握できる状況である。一方で、クリニックの予約が取りづらい状況も生じており、今後の対策検討も促される。

人数の少ない2歳児クラスでは、子どもの気持ちにさらに寄り添うことが必要と思われる

新規入園の子どもには慣らし保育の期間を設け、少しずつ時間を延ばして園に慣れるよう配慮している。当園は3歳未満の子どもを預かる認証保育所であり、少人数・家庭的な環境である。保育士の目も行き届きやすく、子どもたちが安心した表情で遊んでいる姿が見受けられた。一方で、3歳が近づくと、次の保育所が決まった子どもから次々に退所していく。訪問調査時、0歳~1歳児が30名ほどいるのに対し、2歳児は3名のみだった。2歳児クラスについて、子どもが減っていく寂しさや不安感が無いか、さらに目配りしていくことも促される。

食物アレルギー、発達の遅れなどケアが必要な子どもに対し、必要な対応をしている

食物アレルギーの子どものファイルがあり、必要な情報を整理している。アレルギー除去食のメニューは個別に作成し、職員間で共有されている。食事提供の際は、2名の職員がダブルチェックをし間違いが無いようにするとともに、確認票にチェックをして、記録にも残している。発達等に問題があると思われる場合は、対応の仕方などを丁寧に話し合っている。

  評価項目8 保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して支援を行っている
  標準項目2 保護者同士が交流できる機会を設けている
  標準項目3 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
  標準項目4 子どもの発達や育児などについて、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
  標準項目5 保護者の養育力向上のため、園の保育の活動への参加を促している
講評
保護者会があり、保護者同士の交流の良い機会となっている

年に3回の保護者会があり、交流の機会となっている。係決めもあり、クラス委員、運営委員、あさひ祭係になった保護者は、園とその他の保護者の橋渡し役を果たしている。保護者会で関心の高いテーマは「保活」であり、3歳以降の預け先について保護者たちが積極的に意見交換している。今年度は新型コロナウィルス感染拡大防止対応のため、保護者会は縮小となっており、少ない人数で入れ替え式に開催する予定である。工夫しながらも、保護者会を継続していくことが期待される。

新しい生活様式を受け、園と保護者との連携の仕方を工夫する必要がある

新型コロナ感染防止対策により、各種の行事は中止となり、保護者はクラスの中に入れない状況が続いている。これまではクラスで子どもの様子を見ながら保育士と保護者が情報交換していたが、今は連絡帳と降園時の短い会話のみとなっている。新しい生活様式が続く中で、保護者との関りが薄くなることが懸念される。ホームページで園での子どもの様子を伝えたり、園だよりを更に充実させ、子どもの様子を伝えていく工夫が求められる。

退園後も相談ができることを呼びかけ、多くの相談が寄せられている

3歳未満までの子どもを預かる保育園であり、次の保育園が見つかった子どもから順に退園していく。しかしながら、園の移動は子どものストレスや親の不安が伴うものである。丁寧なアフターケアは園が力を入れて取り組んでいることの一つであり、当園では退園後も保護者の悩みや不安を聞く体制を整えている。相談は電話、来所どちらでも受け付けており、必要な保護者に利用してもらっている。休日保育も実施しており、利用の呼びかけをしている。

  評価項目9 地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている 実施状況
  標準項目1 地域資源を活用し、子どもが多様な体験や交流ができるような機会を確保している
  標準項目2 園の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
講評
隣接した大学や地域の公園、体育館で行事を開催し、地域交流を図っている

毎年5月におこなうあさひ祭りは、園に隣接する大学の敷地を借りて開催している。出しものや子どもの遊びコーナーなどを通じ、地域と園との交流の場となっている。区が大学構内で実施した、夏の打ち水行事に園が参加したこともある。また、園には広い園庭が無いため、あさひファミリーデーは、地域の体育館を借りている。また、日常的な散歩で地域の公園に行くなど、積極的に地域資源を活用し、地域交流に繋げている。

地域の子育て相談を柔軟に受入れ、園でアドバイスをしている

園の大きな行事であるあさひ祭りでは、子育て相談のコーナーを設け、広く地域の子育て相談を受けつけている。また、日常的にも地域の親からの相談があれば受けつけ、アドバイスをしている。園では、園児や卒園児の保護者に限らず、地域の子育て相談にも柔軟に対応していく方針をとっている。家庭の状況に応じて園の休日保育の情報も提供し、利用を呼び掛けている。地域の方子育て家庭にも、離乳食の作り方の説明プリントを渡し、丁寧に伝えている。

地域交流については、今後のさらなる取り組みが期待される

地域資源の活用、地域ニーズへの柔軟な対応など、園の機能を活かした地域交流のあり方を続けている。しかしながら、3歳児未満の子どもを預かる比較的小さな園ということもあり、地域交流の拡大は今後の課題である。預かる子どもの年齢が小さいため、高齢者施設や小学校等との連携・交流は難しい。。現在は、新型コロナウィルス感染対策のため、外出も制限されており、既存の行事も中止となってしまっている。園のできる事・できない事を明確にし、今後の地域交流のあり方を検討していくことが期待される。


  サブカテゴリー5 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
  評価項目1 子どものプライバシー保護を徹底している 実施状況
  標準項目1 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目2 子どもの羞恥心に配慮した保育を行っている
  評価項目2 サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している 実施状況
  標準項目1 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
  標準項目2 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した保育を行っている
  標準項目3 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
講評
子どものプライバシーや羞恥心に配慮した保育に取り組んでいる

個人情報の保護・管理に努めており、個人情報の利用目的や個人情報の取り扱い等について明文化している。子どものプライバシーの保護を徹底しており、個人情報の取扱いについては新入園児面談で保護者に説明し、同意を得ている。子どもの写真をホームページや便りに載せることについては入園時に同意を得ているが、掲載時は必要に応じて再確認している。また、夏のプール遊びでは外部から見えないように周りにシートを付けたり、着替えやオムツ交換場所も配慮するなど、羞恥心にも配慮した保育をおこなっている。

子どもの気持ちを理解し一人ひとりを尊重した保育に心掛けている

日常の保育はゆとりのある体制であり、一人ひとりと丁寧に関わり、子どもの気持ちを理解するようにしている。また、子どもや保護者の価値観や生活習慣にも配慮しており、保護者の保育観を共有したり確認しながら、個々に合った保育に心掛けている。年間の子どもの姿はアルバムにして保護者に渡し、成長を見てもらっている。園の考え方は子どもを真ん中に保育士、保護者等がともに育ちあえる場とすることであり、保護者に寄り添いながら保育を進めるよう努めている。

職員一人ひとりが振り返りシートで言葉遣いや行動を振り返っている

子どもの権利を尊重した保育に努めており、権利擁護の研修を受講した職員が伝達し共有している。区の「教育・保育の質ガイドライン」を活用し、職員一人ひとりが振り返りシートで人権について確認をしている。保育においても、子どもを通称で呼ばないことや呼び捨てにしないなど、一つひとつ意識しておこなっている。言葉かけや関わり方で振り返る必要がある時は、話し合いの時間を持っている。保護者アンケートでは回答者全員が「職員の言葉遣いや態度は適切」と答えており、子どもを尊重していることがうかがえる。


  サブカテゴリー6 事業所業務の標準化
  評価項目1 手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  標準項目2 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  標準項目3 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
  評価項目2 サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  標準項目2 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている
講評
保育マニュアルをもとに保育水準の確保に努めている

保育マニュアルが作成されており、年度初めには読み合せをしたり必要に応じて内容の確認をしている。手順書通りの保育となっているかは園長や主任が確認し、問題があれば職員会議で話し合って、個々の保育観を尊重しつつ標準化に心掛けている。また、分からない事があればマニュアルを確認したり、新人職員にはマニュアルを見て確認するよう話をしている。職員自己評価でも、88%が「園はマニュアル等で保育の基本事項の手順を明確にしている」と答えており、標準化に取り組んでいることがうかがえる。

新たなマニュアルを取り入れるなど保育の質の向上を目指している

保育の基本事項などは、年度初めに重要事項説明書(入園のしおり)をもとに確認している。日々の保育はマニュアルをもとにおこなっており、今年は新型コロナウィルス感染症対策として、区の感染症予防マニュアルを付け加え、職員に周知している。しかしながら、新型コロナウィルス感染症対策には限界があり、保育の難しさを感じている。日々の面談や連絡帳から得た保護者の意見は園運営や保育に反映させ、質の向上を目指している。