東京都福祉サービス第三者評価  評価結果





評価結果基本情報

評価年度 令和2年度
サービス名称 認証保育所A型・B型
法人名称 株式会社アンジュ
事業所名称 羽田空港アンジュ保育園
評価機関名称 株式会社ふくし・ファーム

コメント

事前説明には、評価の理解を深めて頂く為、評価の全体像や具体例を用いた判りやすい資料を作成し、丁寧に説明を行いました。事業評価においては、自己評価の事実確認に徹し、第三者性の担保に配慮しました。また、利用者調査および事業評価の集計結果は、独自開発による集計シートを用い、グラフ・表によりわかりやすく報告しました。


(内容)
 Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像
 Ⅱ 全体の評価講評
 Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み
 Ⅳ 利用者調査結果
 Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)
 Ⅵ サービス提供のプロセス項目


公益財団法人東京都福祉保健財団
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Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像

1 理念・方針  (関連 カテゴリー1 リーダーシップと意思決定)
  事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)

1)羽田空港という特殊な環境の中の保育園。 2)空港関連会社のイベントには積極的に参加し地域の連携を図る。 3)羽田空港の職員であるという意識を高く持つ。 4)外部講師による課題保育を取り入れる等保育内容を充実させる。 5)研修に参加し保育士としてのスキルアップを図る。

 
2 期待する職員像  (関連 カテゴリー5 職員と組織の能力向上)
  (1)職員に求めている人材像や役割

きちんと挨拶ができ、笑顔を忘れずにいる。チームワークの仕事なので相手への気遣いを忘れずに行動する。わかったふりをせず質問することでスキルアップにつなげる。オンとオフの切替をうまくして悩みを抱えないようにする。

 
(2)職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

羽田空港の職員であるという意識を高く持ち、園外でも身だしなみ、行動には気を遣う。尊い命を預かっているという責任感を常に感じながら安全安心な保育をすること。子どもたちが憧れるような保育士になってほしい。リーダー職は中間的な立場で大変であるが下の人の相談に乗るなど配慮のできる人となってほしい。

 


Ⅱ 全体の評価講評

全体の評価講評

特に良いと思う点
1 「世界に羽ばたく子どもたちを育む」というキーワードと園の基本姿勢や特徴を明確にした保育実践で、多くの保護者から支持を得ています

「世界に羽ばたく子どもたちを育む」をパンフレットのキーワードにし、基本理念に「十分に愛情・養護の行き届いた環境の下に、情緒の安定を図り、子どもの豊かに伸びゆく可能性を最大限引き出せるようにする」等を掲げています。園長と保育士は、指導計画案策定の会議や昼礼を通し、一人ひとりの子どもに応じた配慮が適切かを確認しており、豊かな遊びと優れた環境が仕組みとして両立することが大切であると認識し、日々の保育に臨んでいます。園の基本姿勢を保護者に明確に伝え、理解を得ながらの保育実践は多くの保護者に支持されています。
2 空港の滑走路を一望できる広い保育室と空港ビルの屋上にある園庭を活用し、子どもたちがのびのびと過ごせる環境を整えています

空港の滑走路を一望できる大きな窓から陽光が差し込む保育室は、広さに恵まれるとともに、ボルダリングウォールを備えるなど子どもの活動を支援する環境を整えています。また、室内の清潔と整理整頓を保ち、カウンターやロッカーを仕切りとして落ち着ける生活空間を設けています。絵本や乗り物も十分な数を用意し、夏は空港ビルの屋上にある園庭にプールを組みたて水遊びを楽しんでします。「空港内のバックヤードにある保育園」というイメージからは想像がつかない、ゆったりとした環境の中で、子どもたちは一日を過ごしています。
3 同じ敷地内にある姉妹園と連携を図りながら効率的な運営に取り組んでいます

園の収支計画は、法人が中・長期計画として、姉妹園を含めた5ヵ年のものを策定しています。また、姉妹園との統合や職員の働き方改革という具体的な目標に対して準備・取り組みを進めるなど、2園共通で進めています。そのほか、園児同士の交流として、「第2アンジュ保育園」の幼児との合同での活動では、乳児は新鮮な刺激を受けながら、様々な表現や社会性を身に着けています。ボルダリング壁に登る時は、1歳児2歳児が幼児を真似て挑戦するなど、立地を活かした異年齢交流に取り組んでいます。

さらなる改善が望まれる点
1 職員の期待感を高めていくものとして事業計画書を作成し、積極的に内容を伝えていくことが効果的であると考えられます

中長期の事業計画を作成する中で、園児や職員の確保など現状を踏まえた課題を抽出し、今後の対応と見通しを示しています。ただし、この事業計画書において、時間の概念が示されていません。姉妹園との統合手順を示していくことも必要です。また、行動計画は、PDCAを明らかにするとともに成果を振り返ることも欠かせません。職員自己評価の結果から、事業計画の周知が進んでいない状況にあることは明らかであり、職員の期待感を高めていくものとして事業計画書を作成し、積極的に内容を伝えていくことが効果的であると考えられます。
2 リスクの発生に備えて想定するケースと対処方法をより多角的に示すなど、事業継続計画の実用性を高めることが期待されます

前年度において、BCP(事業継続計画)を作成しました。ただし、想定されているケースが地震のみになっている他、現場における指揮命令系統や連絡先の優先順位が記載されていないなど、今後さらに作り込む余地がありそうです。特に今年度流行したような新型感染症への対策をタイムリーに作り上げる必要があります。一方で、運営の復旧に向けたプロセスは事業所が単独で主導できるものではないようです。今後とも、空港の運営管理者と連携し、より具体化したものを職員と利用者に周知していくことが期待されます。
3 保護者との価値観の共有や園の保育への理解を深めることで、家庭と連携した保育を目指しています

園だより、クラスだよりに、今月の目標、行事予定、子どもの姿などを記載し、園と家庭が同じ見通しを持って子どもの成長を見守れるようにしています。また、懇談会はクラスごとに日頃の様子を話した後に、2グループ別テーマで「クラス討議」を行い保護者が意見交換や交流をしています。園は、「おにぎらずやたこ焼きを作ったりと家でしないような体験させてあげたい」「作る面白さや失敗する楽しさを感じさせてあげたい」と考えています。今後、保護者との価値観の共有や、園の保育への理解を深めることで、家庭と連携した保育を目指しています。

Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み

1 ★ 姉妹園との統合により、職員の業務負担の軽減と収支予算の見直しを図っています

選ばれる保育園にするため、園は利用者ニーズをくみ取りつつ、保育内容を充実させていく方針です。羽田空港という立地を活かして、空港内で働きたいと希望する優秀な保育士を確保し、育成することに取り組んでいます。同時に、今後の姉妹園との統合を見据えて、職員の配置とシフト構成方法を見直し、業務負担の軽減につなげようとしています。また、法人としては園数が減ることに伴い収支の状況が変わることを前提としつつ、現在の保育環境が維持されるよう調整を進めています。
関連評価項目(着実な計画の実行に取り組んでいる)
2 ★ 職員のビジネスマナーは特に留意して研修などで意識向上を図っています

社会人としての倫理や規範などを明記した就業規則を職員がいつでも閲覧できるようにしています。職員の心得の読み合わせをしたり、職員会議で話し合いをして理解を深めています。東京の玄関口、羽田空港内という地域特性から、職員のビジネスマナーについては特に留意して研修等を行い、意識向上に取り組んでいます。利用者アンケートの「職員の接遇・態度は適切か」に対する設問では、全ての利用者が「はい」と応えています。
関連評価項目(社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる)
3 ★ 保護者の終了状況などを理解し可能な限り寄り添った対応に努めています

いつでも話しやすい雰囲気を作り、保護者の気持ちに寄り添うように努めており、勤務事情による延長保育や日曜保育の要請には可能な限り快く引き受けるようにしています。特に、空港関係者の不規則勤務を理解した臨機応変な対応で、子育て中の保護者を応援しています。早朝に登園して昼に帰宅する子どももおり、個別の申し出を受け対応しています。また、園だより、クラスだよりには、今月の目標、行事予定、子どもの姿などを記載し、園と家庭が同じ見通しを持って子どもの成長を見守れるようにしています。
関連評価項目(保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている)

Ⅳ 利用者調査結果

調査概要
調査対象:調査対象は、在園児の保護者全員を対象とし、複数のお子さんが通っている場合は最年少児について、1世帯1回答のご回答をいただきました。
[調査対象世帯数:42世帯(在園児44名)]

調査方法:アンケート方式  
園より保護者全員に調査票を配布して頂きました。回収については、評価機関への郵送、または園内に設置した回収箱への投函により提出して頂くようにしました。

利用者総数 44人
利用者家族総数(世帯) 42世帯
アンケートや聞き取りを行った人数 42人
有効回答者数 22人
回答者割合(%) 52.4%

総括
「現在利用している保育園を総合的にみて、どのように感じていらっしゃいますか」との質問に対して、「大変満足」45.5%、「満足」50.0%、「大変満足」と「満足」を合わせて95.5%の回答率となっています。「どちらともいえない」が4.5%、「不満」が0.0%「大変不満」が0.0%、無回答が0.0%でした。園のサービスに対する保護者の満足度が非常に高いことが確認されました。個別設問では、問3「提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか」、問10「職員の接遇・態度は適切か」について「はい」の回答率が100.0%で最も高く、問17「外部の苦情窓口にも相談できることを伝えられているか」では「はい」の回答率が31.8%と最も低くなっています。

利用者調査結果

1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
はい 20人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の90.9%を占め、「どちらともいえない」が4.5%、「いいえ」が0.0%、「無回答・非該当」が4.5%という結果でした。
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
はい 20人  どちらともいえない 1人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の90.9%を占め、「どちらともいえない」が4.5%、「いいえ」が4.5%、「無回答・非該当」が0.0%という結果でした。
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
はい 22人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の100.0%を占め、「どちらともいえない」が0.0%、「いいえ」が0.0%、「無回答・非該当」が0.0%という結果でした。
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
はい 14人  どちらともいえない 6人  いいえ 1人  無回答・非該当 1人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の63.6%を占め、「どちらともいえない」が27.3%、「いいえ」が4.5%、「無回答・非該当」が4.5%という結果でした。
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
はい 19人  どちらともいえない 2人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の86.4%を占め、「どちらともいえない」が9.1%、「いいえ」が4.5%、「無回答・非該当」が0.0%という結果でした。自由記述では、保育時間の柔軟な対応について満足を示す声が複数寄せられました。
6.安全対策が十分取られていると思うか
はい 21人  どちらともいえない 0人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の95.5%を占め、「どちらともいえない」が0.0%、「いいえ」が4.5%、「無回答・非該当」が0.0%という結果でした。
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
はい 18人  どちらともいえない 3人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の81.8%を占め、「どちらともいえない」が13.6%、「いいえ」が4.5%、「無回答・非該当」が0.0%という結果でした。
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
はい 21人  どちらともいえない 0人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の95.5%を占め、「どちらともいえない」が0.0%、「いいえ」が4.5%、「無回答・非該当」が0.0%という結果でした。
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい 21人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の95.5%を占め、「どちらともいえない」が4.5%、「いいえ」が0.0%、「無回答・非該当」が0.0%という結果でした。
10.職員の接遇・態度は適切か
はい 22人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の100.0%を占め、「どちらともいえない」が0.0%、「いいえ」が0.0%、「無回答・非該当」が0.0%という結果でした。
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい 21人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の95.5%を占め、「どちらともいえない」が4.5%、「いいえ」が0.0%、「無回答・非該当」が0.0%という結果でした。
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい 16人  どちらともいえない 1人  いいえ 1人  無回答・非該当 4人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の72.7%を占め、「どちらともいえない」が4.5%、「いいえ」が4.5%、「無回答・非該当」が18.2%という結果でした。
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
はい 21人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の95.5%を占め、「どちらともいえない」が4.5%、「いいえ」が0.0%、「無回答・非該当」が0.0%という結果でした。
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
はい 19人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 2人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の86.4%を占め、「どちらともいえない」が4.5%、「いいえ」が0.0%、「無回答・非該当」が9.1%という結果でした。
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
はい 21人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の95.5%を占め、「どちらともいえない」が4.5%、「いいえ」が0.0%、「無回答・非該当」が0.0%という結果でした。
16.利用者の不満や要望は対応されているか
はい 13人  どちらともいえない 3人  いいえ 1人  無回答・非該当 5人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の59.1%を占め、「どちらともいえない」が13.6%、「いいえ」が4.5%、「無回答・非該当」が22.7%という結果でした。
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい 7人  どちらともいえない 4人  いいえ 10人  無回答・非該当 1人 
この項目では、「はい」と答えた方が全体の31.8%を占め、「どちらともいえない」が18.2%、「いいえ」が45.5%、「無回答・非該当」が4.5%という結果でした。

Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)

※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー1  リーダーシップと意思決定
  サブカテゴリー1  事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目2 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  評価項目2 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている 実施状況
  標準項目1 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  標準項目2 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
  評価項目3 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している 実施状況
  標準項目1 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  標準項目3 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
講評
羽田空港内にある保育園として、利用者のニーズに応じて365日開園しています

ホームページにおいて「滑走路が目の前に広がるグローバルな環境」と表現しているように、当園は「羽田空港内」という独自の環境にあります。利用者を限定することはありませんが、空港内で働く保護者の子どもを多く受け入れています。そのため、保護者の勤務の曜日や時間帯が幅広く、1年365日休みなく子どもを預かっています。空港の運営会社と連携し、主には空港勤務者のニーズを受け止めながら、「国際感覚を身に付け、マナー教育を実践する」ことを保育の基本理念として運営にあたっています。

経営会議で重要な意思決定を行うとともに、職員会議において理解の浸透を図っています

園長は法人事務部門(組織窓口)や経営者と、経営会議などの場で定期的に打ち合わせを行っています。園は経営的な視点を持つ組織窓口と連携して、これまでの間にも食材の仕入れ方法や備品の在庫管理の方法について改善を図り、効率的な園運営に努めてきました。現在は、同じフロアーにある系列園との統合に向けた準備を進めるとともに、職員の働き方の見直しを図っています。職員に対しては、園内の職員会議などを通じて理念や運営方針に対する理解を促しています。

重要な意思決定は、空港運営会社や保護者の理解を得られるよう説明しています

本園は空港内のバックヤードに位置します。規模の拡大や設備の変更を行う際は、空港ビルの運営会社との協議・調整を行っています。一方、利用者に対しては、サービス内容や保育環境の変更があるような場合は、内容に応じてお便りの発行や説明会を開催して周知し、理解を得ています。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー2  事業所を取り巻く環境の把握・活用及び計画の策定と実行
  サブカテゴリー1  事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  評価項目1 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している 実施状況
  標準項目1 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目2 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  標準項目3 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目4 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  標準項目5 事業所の経営状況を把握・検討している
  標準項目6 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
  サブカテゴリー2  実践的な計画策定に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している 実施状況
  標準項目1 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  標準項目2 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している ×
  標準項目3 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
  評価項目2 着実な計画の実行に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  標準項目2 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
講評
空港管理会社と利用者のニーズを受け止めながら、運営方法と保育内容を設定しています

本園の運営環境は空港管理会社と空港で働く利用者のニーズを強く受けるものとなっています。それらを受け止める体制を整えたうえで、面談・保護者会・行事後アンケート・日常会話を通じて利用者の意向の把握に努め、職員会議で要望や課題に対する改善策を検討しています。その結果、保護者の声を反映した取り組みがある場合は、園だよりに具体的な内容を掲載して周知しています。

経営的な視点において、職員の就労環境の改善と適切な財務管理を図っています

職員の要望については、面談や職員会議などの場で受け止めています。職員の確保と育成は重要課題であり、年中無休で保育体制を整えていかなければならない状況下で、就労環境の改善に努めています。今後予定される姉妹園との統合により、早朝と夜間帯の職員体制にゆとりを持たせることを目指しています。財務状況については、経営会議に税理士が参加し、専門的な見地からの意見を取り入れて適切な判断が行われるようにしています。

姉妹園との統合や職員の働き方改革という運営目標に対して計画的に取り組んでいます

中・長期計画として、法人が姉妹園を含めた5ヵ年の収支計画を策定しています。羽田空港の規模拡大に伴い、空港で働く職員も増加傾向にあり、子育てしながら働く利用者は減少しないであろうと推測しています。一方で、区内保育所数の増加を受けて、利用者を確保するために「選ばれる保育園」である必要性を捉えています。また、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、より幅広い視点に立ったリスクマネジメントの必要性を捉えています。また、姉妹園との統合や職員の働き方改革という具体的な目標に対して準備・取り組みを進めています。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー3  経営における社会的責任
  サブカテゴリー1  社会人・福祉サービス事業者として守るべきことを明確にし、その達成に取り組んでいる
  評価項目1 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  標準項目2 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
  サブカテゴリー2  利用者の権利擁護のために、組織的な取り組みを行っている
  評価項目1 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている 実施状況
  標準項目1 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  標準項目2 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
  評価項目2 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている 実施状況
  標準項目1 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  標準項目2 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
  サブカテゴリー3  地域の福祉に役立つ取り組みを行っている
  評価項目1 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  標準項目2 ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
  評価項目2 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  標準項目2 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  標準項目3 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
講評
空港内という地域特性から、職員に対してビジネスマナーの徹底を図っています

社会人としての倫理や規範などを明記した就業規則を職員がいつでも閲覧できるようにしています。職員の心得の読み合わせをしたり、職員会議で話し合いをして理解を深めています。東京の玄関口、羽田空港内という地域特性から、職員のビジネスマナーについては特に留意して研修等を行い、意識向上に取り組んでいます。職員の接遇・マナーに対する利用者の評価も高いものとなっています。

苦情解決の仕組みを整えるとともに、利用者の人権を尊重する保育に取り組んでいます

苦情解決制度については「入園のご案内」や重要事項説明書に記載しています。重要事項説明書には苦情・相談窓口、第三者委員、受付方法が記載され、区の担当部署の連絡先も記載されています。さらに園内への掲示や入園時の説明など園は周知に努めています。また、子どもと保護者の人権を尊重する保育に取り組んでいます。園長や主任が日常的に園内を巡回して、子どもへの声掛けにおいて不適切な言動がないように点検や指導を行っています。さらに虐待防止の研修に職員を参加させています。

空港内のイベントに参加したり、空港を管理する会社の職員との交流を行っています

当園の設置されている環境下において、地域とは空港内を意味します。空港内にある航空会社への挨拶や空港ビルとの連携に努めています。また、区の認証施設長会議、地域連絡会等への参加を通して地域の社会的ニーズの把握に努めています。具体的な地域連携として、特に空港という特殊な環境であるため、避難訓練は連携して行っています。さらに、空港警察の交通安全イベントなど空港内のイベントへの参加や、空港職員がボランティアで絵本の読み聞かせを行ってくれるなど、園内イベントに協力してくれることもあります。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー4  リスクマネジメント
  サブカテゴリー1  リスクマネジメントに計画的に取り組んでいる
  評価項目1 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  標準項目2 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  標準項目3 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  標準項目4 リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  標準項目5 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
  サブカテゴリー2  事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  評価項目1 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている 実施状況
  標準項目1 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  標準項目2 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  標準項目3 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  標準項目4 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
講評
災害時の対応と日常の事故・けが防止の両面でリスクマネジメントに努めています

当空港ビルを管理運営する会社と連携しながら定期的に避難訓練などを行っています。職員はその会社が作成した防災マニュアルを携帯し、非常時に備えています。入園案内にも防災計画が記載されており、避難場所や警戒宣言が出た場合の保護者の対応、園の対応などが表によりわかりやすく記載されています。また、「安全保育の手引き」を職員に配布し、日常に潜むリスクに対する意識向上にも取り組んでいます。事故などを未然に防止するためにインシデント(ヒヤリ・ハット)報告書を作成して、定期的に集計し、対策を講じています。

書類の管理方法と個人情報保護の方法を規定し、その遵守に努めています

マスコミ等に取り上げられることもあるため、その都度、保護者に対して報告や掲示などで案内し、子どもの写真や映像の使用許諾を確認しています。また、プライバシーポリシーを策定し、個人情報保護の意識を高めています。「入園のご案内」において、個人情報保護法の定義や情報の管理・収集・利用方法を説明しています。一方、園の情報は主に書類で管理しています。この書類の管理については、鍵付きのキャビネットで厳重に保管しています。書類は適宜ファイリングを行い、使いやすいように整理しています。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー5  職員と組織の能力向上
  サブカテゴリー1  事業所が目指している経営・サービスを実現する人材の確保・育成・定着に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている 実施状況
  標準項目1 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  標準項目2 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
  評価項目2 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している 実施状況
  標準項目1 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  標準項目2 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
  評価項目3 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  標準項目2 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  標準項目3 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  標準項目4 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
  評価項目4 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  標準項目2 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  標準項目3 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  標準項目4 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
  サブカテゴリー2  組織力の向上に取り組んでいる
  評価項目1 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  標準項目2 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  標準項目3 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
講評
空港勤務に憧れて入社する職員が多く、求人ルートも独自のものとなっています

人材の募集はホームページで行ったり、過去の実績において反響の良かった求人媒体を利用しています。新卒採用では法人事務局が大学を周り、募集活動をしています。羽田空港で働くことに憧れを抱き入社する職員が多く、独自のルートおよび広報により保育士を確保していくことが必要な状況になっています。また、採用の際には本人だけではなく、両親にも来園いただき、家族が納得の上での入職に努めています。

目標管理制度の導入と定期的に行う能力評価により、人材の育成に努めています

自分の持ち味を出す保育士、自分で考える保育士を目指し、目標管理制度を取り入れています。目標管理制度では面談による年間の目標、課題を設定し、ここで研修プランなども設定していきます。また、定期的に22項目に及ぶ能力評価を行って、法人が必要とする人材の育成に努めています。研修内容は区が主催するものを中心に、子どもの安全や健康管理、保育実践に関する基本事項に関わるものへの参加実績が多くなっています。

職員の働き方改革を推し進め、勤務時間の安定と負担軽減を図っています

年中無休で運営しているとともに、午前7時から午後11時まで長時間の預かりを行っています。そのため、勤務体制の調整が特殊な環境であり、休暇の取得が容易ではありませんでした。そこで保育士資格を持つ非常勤職員の追加採用によりシフトを組みやすくしました。さらに職員同士がお互いに協力してシフト調整し、有給休暇の取得を促進したり、仕事の持ち帰りを無くすため、仕事内容の見直しに取り組んでいます。今後姉妹園との統合を図ることで、職員の働き方改革をより一層推し進める方針です。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー7  事業所の重要課題に対する組織的な活動
  サブカテゴリー1  事業所の重要課題に対して、目標設定・取り組み・結果の検証・次期の事業活動等への反映を行っている
  評価項目1 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 空港内にある保育所という特殊な運営環境下にあって、独自の利用者ニーズに応えうる唯一の園として安定して園児を獲得することが出来ています。ただし、それゆえに365日年中無休で開園し、子ども達を預かるという役割を担っています。そのため、職員の安定した雇用を実現していく必要があり、職員体制の拡充と業務の改善を図っています。また、本園は同じフロアーにある姉妹園と連携して乳児から幼児まで一貫した保育にあたってきましたが、このほど東京都の理解を得て、運営を統合して1つの園とすることが決まりました。これにより、職員の朝夕の勤務体制にゆとりを持たせて、働き方改革の促進につなげようとしています。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
この程決定した姉妹園との運営統合は、開設当時から描いていた本来のイメージに沿ったものであり、ようやく実情に合わせた運営体制の実現に至ることができます。これにより、園長以下職員の配置や職員会議の持ち方、情報共有の仕組み、事務環境、保育室内の環境設定、賃貸するスペースと賃料など、変更・見直しを伴なう事項が多々生じてきます。今後はそのような状況に対して、より具体的な事業計画を整備していくことが必要になります。また、事務的業務の効率化に向けて、保育業務を支援するICTシステムの導入を検討する時期に至っているものと思われます。 
  評価項目2 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 園内の安全管理について、従来より事故防止や災害対応、感染症対策、事故怪我の防止などの視点で仕組みと環境の整備に取り組んでいました。それに加えて、前年度末より新型コロナウイルスの感染が拡大するなどの影響を受け、本園の安全対策も視野を広げていく必要に応じてきました。なお、防災の具体的な対策内容および対応手順については、空港管理会社とマニュアルや訓練の機会を共有し、連携が図られるようにしています。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
本園の防災機能は、空港内にあって自然災害や外部からの侵入に対する対策を万全のものとしています。運営年数を積み上げるとともに、空港管理会社との連携を深めており、日常的な情報共有や職員間の交流も進んでいます。一方で、「大災害発生後の子どもの受け渡し方法」「交通手段を含むインフラの復旧状況に応じた保育業務内容」などについて、園や法人で独自の対応手順を示していく必要があります。具体的なリスクの内容に応じて、事業継続計画(BCP)の整備・活用を促進させていくことが今後の方策となっています。 

Ⅵ サービス提供のプロセス項目(カテゴリー6)

カテゴリー6 サービス提供のプロセス
  サブカテゴリー1 サービス情報の提供
  評価項目1 利用希望者等に対してサービスの情報を提供している 実施状況
  標準項目1 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  標準項目2 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  標準項目3 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  標準項目4 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
  標準項目5 事業所のサービス利用が困難な場合には、理由を説明したうえで、他の相談先紹介など支援の必要に応じた対応をしている
講評
法人ホームページやメディアレポートで、園の特色や活動の様子を広く発信しています

法人のホームページで、保育所を探す保護者等に園の情報を発信しています。保育室の環境、遊び、食事の様子などを沢山の写真で紹介し、子どもたちの園生活を視覚的に理解できるようにしています。園長は、園紹介や職場訪問などの多くのメディアの取材に応じ、季節行事や日々のエピソードを語っています。園が、空港関係者だけでなく誰にでも利用できる認証保育園であり、目の前の滑走路に飛行機が停まり、遠く富士山を見渡せる環境であることや、ボルダリング壁を設置し、室内運動会ができるくらい、ゆったりと広い空間であることを紹介しています。

ハンディータイプのパンフレットを用意し、利用を希望する人に情報を届けています

3つ折りのハンディータイプのパンフレットには、園が大切にしている4つの基本理念と共に、保育内容や環境と設備、安心安全の取り組み、食育などを写真で紹介しています。所在地が空港旅客ターミナル内の一角であることからアクセスと詳細な案内図、問い合わせ電話番号も載せ、保育の基本時間や料金も記載しています。区の公式ホームページにも区内認証保育所一覧があり、園名からホームページにつながります。また、認証保育所の保育料負担減額補助金のページもあります。区の担当課に毎月の利用状況を報告し、情報交換や相談をしています。

見学は園長や看護師が対応し、園の特徴について丁寧に説明しています

園見学を希望する方には、月曜から木曜の14時からを基本の見学時間と定め案内しています。「子どもたちが、すやすやと眠っている姿を見て安心してもらいたい」との園の意向から、見学は14時開始が最良と考えています。見学は園長または看護師が対応し、「保育時間が長く1年365日休みがない保育園」など園の特徴について丁寧に説明しています。見学後は、見学者記入シート(受付表)に記入を依頼し、今後の説明会の案内や、空席が出た時に入園希望の確認作業に使うなど、効率よく連絡出来る体制を取っています。


  サブカテゴリー2 サービスの開始・終了時の対応
  評価項目1 サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている 実施状況
  標準項目1 サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
  標準項目2 サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目3 サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
  評価項目2 サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 サービス開始時に、子どもの保育に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  標準項目2 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように配慮している
  標準項目3 サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
講評
入園する子どもの保護者には個別面接を実施し、保育方針や園のルールを説明しています

新年度入園の申し込みは、前年の11月2週目の土曜とし、抽選の結果を11月中にはがきで知らせています。入園が決まった子どもの保護者に必要書類一式を取りに来てもらい、入園前に3月に行う健康診断と面接、契約時に記入して持参してもらっています。0歳児は約20名の新入園児を迎えていますが、面接等の流れを工夫し、午前中に済むようにして保護者の負担を軽減しています。個別の面接では、園のサービス内容を判りやすく記載した冊子「入園のご案内」を使用し、用意する持ち物はリーダー職が実物を見せて説明しています。

保育園の環境に無理なく慣れるよう、短時間から徐々に保育時間を伸ばしています

新入園の子どもが環境の急激な変化に影響されないように、最初は短時間保育から始め、徐々に時間を伸ばして通常の保育時間に移行する「慣らし保育」の期間を取っています。通常は3日程で完了としていますが、保護者と相談の上、ペースを決めています。休暇中の母親の意向でゆっくりと移行する場合もありますが、入園直後から長時間利用の依頼もあり、個々の状況に合わせて対応しています。入園時に提出された児童票、園児調査票等には入園までの生活状況があり、入園前の面接には看護師も参加して記録を残し、基礎資料として支援に役立てています。

日頃より保護者との信頼関係を築き、転園する際にも継続した支援に努めています

保護者とは信頼関係を築き、保護者の転勤や認可園への転園など、不安な時も率直に相談してもらえるようにしています。特に0歳児は、月齢でグループ分けして、離乳食を食べさせたり、保護者への報告などをする担当保育士を決めるとともに、笑顔で遊んでいる様子を写真に撮り、クラスボードに貼って伝える等の配慮をしています。年度途中で転園する子どもにはクラス担任が工夫し、月々の制作作品を冊子にし、集合写真を撮ったり寄せ書きを渡しています。なお、アンジュ第二保育園の卒園児は、毎年翌年の夏祭りや運動会に招待しています。


  サブカテゴリー3 個別状況の記録と計画策定
  評価項目1 定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している 実施状況
  標準項目1 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
  標準項目2 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  標準項目3 アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
  評価項目2 全体的な計画や子どもの様子を踏まえた指導計画を作成している 実施状況
  標準項目1 指導計画は、全体的な計画を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
  標準項目2 指導計画は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況(保護者の意向を含む)の変化に即して、作成、見直しをしている
  標準項目3 個別的な計画が必要な子どもに対し、子どもの状況(年齢・発達の状況など)に応じて、個別的な計画の作成、見直しをしている
  標準項目4 指導計画を保護者にわかりやすく説明している
  標準項目5 指導計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  評価項目3 子どもに関する記録が行われ、管理体制を確立している 実施状況
  標準項目1 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  標準項目2 指導計画に沿った具体的な保育内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
  評価項目4 子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している 実施状況
  標準項目1 指導計画の内容や個人の記録を、保育を担当する職員すべてが共有し、活用している
  標準項目2 申し送り・引継ぎ等により、子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
講評
保育課程を基に年間・月間の指導計画を立て、3歳未満児には個別月案を作成しています

園長が年齢別領域別に詳細な保育課程を作成しており、それを基礎として各クラスが年間指導計画、月間指導計画を作成し、週案では具体的な活動を計画しています。0歳児から3歳未満児には一人ひとりに個別月案を作成しています。月案には「ふり返り」を記入し、翌月に課題を引き継いでいます。保護者には、年度の初めに保育課程を渡し、子どもの発達過程を理解してもらえるようにしています。また、毎月の子どもの園生活を分かりやすく伝え、家庭での様子を聞くことで個別の月案を見直し、無理のない支援が計画に基づいて行えるようにしてます。

日々の保育を保育日誌に、子どもの成長する姿を発達記録に記録しています

クラスの一日の様子は保育日誌に記録しています。この保育日誌は、区と相談し、昨年度より更に詳細で書きやすい書式に変更しています。一人ひとりが成長してく姿は、年間を期に分けて期ごとに発達記録に記入しています。発達記録は、健康・人間関係・環境・言葉・表現の各領域での成長の指標に、達した時期にチェックを入れ、更に文章で発達の特徴を記しており、その子の在園中の記録が蓄積していくようになっています。

職員会議や昼礼、連絡ノート、引継ぎ簿により子どもたちの情報を共有しています

出勤した職員は情報を共有する連絡ノートを読んでから保育に就く習慣になっています。連絡ノートには「知らせたい事全てを詳細に書く」と定めています。毎日の昼礼では、子どもと保護者の情報、園全体で把握すべきことなどを伝えています。昼礼に参加していない職員は口頭やクラスノートでその内容を確認しています。毎月の職員会議は日中の時間帯を使って実施し、月間指導計画や個別月案、子どもたちの様子を共有しています。早番・遅番の引き継ぎでは、アレルギー食対応、夕食用意、特記・伝言等が一目で判る書式の「引継ぎ簿」を使用しています。


  サブカテゴリー4 サービスの実施
  評価項目1 子ども一人ひとりの発達の状態に応じた保育を行っている 実施状況
  標準項目1 発達の過程や生活環境などにより、子ども一人ひとりの全体的な姿を把握したうえで保育を行っている
  標準項目2 子どもが主体的に周囲の人・もの・ことに興味や関心を持ち、働きかけることができるよう、環境を工夫している
  標準項目3 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう配慮している
  標準項目4 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
  標準項目5 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
  標準項目6 【5歳児の定員を設けている保育所のみ】 小学校教育への円滑な接続に向け、小学校と連携を図っている ×
講評
様々な角度から子どもの姿を把握し、食事、午睡など過ごしやすい環境を整えています

入園時に提出された児童票や健康の記録、入園後の経過記録を基に子どもの発達段階を把握しています。クラス別の保育を基本としていますが、子どもたちのやりたい気持ちに従って遊べるコーナーを整え、多面的で幅広い成長を促しています。乳児では一人ひとりの子どもの発達に応じた個別計画を策定し、子どもたちの成長に合わせて、快適に過ごせるように環境設定に力を入れています。保育室は玩具を子どもの目線に設置し、季節や発達の状況に応じてパズルなどの玩具を用意しています。

アンジュ保育園の基本理念に則り、子ども一人ひとりを尊重した保育を実践しています

「世界に羽ばたく子どもたちを育む」をパンフレットのキーワードにし、基本理念に「十分に愛情・養護の行き届いた環境の下に、情緒の安定を図り、子どもの豊かに伸びゆく可能性を最大限引き出せるようにする」等を掲げています。園は、年齢や文化の違いを認め合う保育に取り組んでいます。2歳児は、毎週1回、英語遊びの時間を楽しんでおり、体育指導では専門講師の指導で一生懸命挑戦する心を養い、ピアノのリズムに合わせて全身を使って表現するリトミックもあります。運動会や発表会ように日頃の保育を発表し達成感を味わう機会もつくっています。

子ども同士のトラブルや関わりは成長の過程の出来事と捉え、保育士が見守っています

子ども同士のトラブルに関しては、発達過程で起きる大切な経験であり、お互いの成長の機会と捉え保護者の理解を求めています。また、配慮が必要な子どもが、その子なりのペースを守って成長できるように配慮しています。保育士を充当させ、専門機関と連携を図り適切な支援の継続に努めています。発達面で気になる子どもについては区の巡回指導につなぎ、配慮事項を個人別の指導計画に盛り込み保育に活かしています。

  評価項目2 子どもの生活が安定するよう、子ども一人ひとりの生活のリズムに配慮した保育を行っている 実施状況
  標準項目1 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
  標準項目2 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう援助している
  標準項目3 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
  標準項目4 降園時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
講評
登降園時には会話や連絡帳で子どもの様子を保護者と共有しています

登園時の受け入れでは、子どもの健康状態を中心に配慮が必要な事柄がある場合には、看護師も参加して状況を確認しています。0歳児は登園時に検温をお願いしており、乳児の連絡帳は、24時間の目盛りに食事、排せつ(便)、睡眠を記入し健康状態について家庭と園が相互に細かく連絡し合えるものを使用しています。受け入れ担当職員は、健康状態、機嫌、散歩やプール遊びの可否、夕食などを確認し「引継ぎ簿」に記載しています。降園時はお迎えの保護者と職員が短い時間でも会話し、活動の様子を伝えて、安心して帰宅してもらえるようにしています。

子どものやりたい気持ちを引き出し無理なく基本的生活習慣が身に着くようにしています

子どもの発達状況や個人差に配慮する中で、基本的な生活習慣の大切さを子どもたちに伝えています。保護者には保護者会などで成長の目安を伝え、園児にはうがい、歯磨き、手洗いなどパネルシアターや絵本を使って説明し、イラスト掲示で戸惑うことなく良い習慣が身に着くようにしています。また、離乳食は家庭で食べた食材を園で提供できるように、細かい配慮をしています。上着を着る、帽子をかぶる、おやつを食べるなども、子どもたちが自分でやろうという気持ちを引き出しています。排泄自立への取り組みも家庭と連携し無理なく進めています。

子どもの体調や生活リズム活動内容に合わせ、心地よい休息が取れるようにしています

午睡は子ども一人ひとりの生活リズムや年齢、活動内容によって柔軟に対応しています。家庭での睡眠時間や体調に配慮し午前睡や夕寝も取り入れています。子どもたちは各保育室の所定の場所で午睡をしており、安心して心地よく眠りに入れるように職員が配慮しています。寝具はベビーラックやコットベットを使用し、静かな環境の中で眠りに誘っていますが、カーテンは閉めずに子どもの寝顔が職員に見えるようにしています。早く目覚めた子どもは静かに体を休めています。なお、乳児は全クラス5分毎に睡眠状況を確認しています。

  評価項目3 日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している 実施状況
  標準項目1 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
  標準項目2 子どもが人と関わる力を養えるよう援助している
  標準項目3 子ども一人ひとりの状況に応じて、言葉に対する感覚を養えるよう配慮している
  標準項目4 子どもが様々な表現を楽しめるようにしている
  標準項目5 子どもの心身の発達が促されるよう、戸外・園外活動(外気浴を含む)を実施している
  標準項目6 生活や遊びを通して、子どもが自分の気持ちを調整する力を育てられるよう、配慮している
講評
様々な絵本や玩具を各保育室に用意し子どもたちが遊びを発展させながら成長しています

0、1、2歳までの子どもたちが、一緒に過ごしながら様々な体験をする時間を大切にしています。国際的に評価の高い木製・樹脂製の玩具類を配置し、子どもたちは思い思いに塔やレールを組み立てています。同時に、手先の器用さを養ったり、目と手を対応させて遊ぶ玩具、着せ替え人形など、五感を刺激する玩具を、職員が身近な素材で手作りしています。保育室では椅子に座り絵本を読み、様々な素材で制作に夢中になり、誘い合ってごっこ遊びをする姿が見られます。保育士は子どもたちの思いを受け止める姿勢で保育に臨み自発性や意欲を育てています。

日常の保育の中で、豊かな感性を育むための多彩な取り組みをおこなっています

子どもたちが楽しく取り組んでいるリトミックは、発達に合わせて無理なく表現する事を大切にしています。保育士のピアノに合わせて歌う時も、綺麗な声が心地よいことを感じ取れるようにしています。歌に言葉遊びを入れて自然に音楽に親めるようにし、子どもたちは終始笑顔です。健康な体づくりをめざし始めた体育指導は専門講師が担当しています。同じく毎週一回の英語遊びも子どもたちの感性を育む機会となっています。第二保育園の幼児が日本の伝統文化である茶道を体験し書道に取り組む姿を目にする機会も多く、乳児に思いやりの心が育っています。

異年齢児での活動や戸外活動で、好奇心や探求心、豊かな感性を養っています

園内では、自然な形で異年齢の関わりがあり、兄弟姉妹のような関係を作っています。同じフロアの「第2アンジュ保育園」には幼児が在園しており、合同での活動では、乳児は新鮮な刺激を受けながら、様々な表現や社会性を身に着けています。ボルダリング壁に登る時は、1歳児2歳児が幼児を真似て挑戦しています。子どもたちは、建物の屋上にある園庭からの景色や、遠くの山並みから季節の移り変わりを感じ取っています。散歩ではしっかりたくさん歩いており、つくしやタケノコが出る場所や、きれいな花や葉に触れることができる原っぱにも行きます。

  評価項目4 日常の保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している 実施状況
  標準項目1 行事等の実施にあたり、子どもが興味や関心を持ち、自ら進んで取り組めるよう工夫している
  標準項目2 みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
  標準項目3 子どもが意欲的に行事等に取り組めるよう、行事等の準備・実施にあたり、保護者の理解や協力を得るための工夫をしている
講評
節分やひな祭りなど日本の伝統や文化を感じる行事を開催しています

行事への取り組みは、子どもの体験の幅を広げるとの考えから、子どもの日、七夕、月見、正月、節分、ひな祭りなどの日本の伝承行事を大切にしながら、職員が入念に検討して企画しています。当園は乳児の保育園のため、行事食を中心に季節や文化に触れています。なお、2歳児は第2アンジュ保育園のクリスマス会や運動会、新年会に参加し雰囲気を感じています毎月の誕生日会は各クラスで行ない、職員が劇、音楽などの出し物で誕生月の子どもを祝っており、乳児クラスにふさわしい優しい温かい雰囲気の会となっています。

成長にふさわしい活動として発表の場を設け、様々な体験ができるようにしています

行事は日常の保育の延長とし、子どもたちの成長した姿を保護者と共有できる機会と捉えています。保護者参加行事として一番盛大な行事は12月の生活発表会です。園長は「どの子にとっても、保護者にとっても楽しい物にしたい」と話し、クラスの出し物は保育士に任せています。好きな絵本や制作、歌などに結び付け、子どもが主人公になって行えるように工夫し、劇遊びで使用する大道具に色を塗ったりして、日々の保育の中で制作しています。行事で使った愛着ある制作物は処分せず、日頃のままごと遊びに使ったり、段ボールの家も保育室に置いています。

多くの保護者の理解と協力で、子どもも保護者も楽しめる行事を企画しています

保育参観週間にも子どもの成長した姿を見ることができるようにしており、行事のリハーサル見学もできるようにしています。そのほか、保護者が参加できる行事は、夏祭り、運動会、生活発表会などを計画しています。園は、子どもたちが懸命に力を発揮し、多くの拍手を貰う事で、自己肯定感を育んで行きたいと考えており、保護者の理解と協力を求めています。全ての園行事は、子どもたちの大きな成長を感じることができる場として、保護者の協力を得て実施しています。

  評価項目5 保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている 実施状況
  標準項目1 保育時間の長い子どもが安心し、くつろげる環境になるよう配慮をしている
  標準項目2 保育時間が長くなる中で、保育形態の変化がある場合でも、子どもが楽しく過ごせるよう配慮をしている
講評
保育時間が長い子どもが、落ち着いた環境で過ごせるように職員配置など配慮しています

園は保護者の就労やニーズに合わせ保育時間を設定しています。朝8時から21時までを基本保育時間とし、7時から8時、21時から23時までを延長保育としています。長時間にわたる保育ですが、子どもたちが安全で快適に過ごせるようにしています。18時には夕食を提供しており、0歳児は極力静かで落ち着いた環境の中でお迎えを待てるようにしています。また、入園当初の子どもは、担任職員でないと落ち着かないことが多いので、特に上半期の延長保育の際は、担任職員が担当するなど配慮しています。

職員間で子どもの様子を共有し、個別のエピソードなどを確実に保護者に伝えています

園長は保護者と直接会話する機会を大切に考えており、保護者に直接話す必要のある時は、複数担任のうち一人が残って保護者と会話することがあります。降園時に担任以外が対応する場合でも、子どもの様子を保護者に確実に伝えています。お迎え時は「引継ぎ簿」の記載事項を確認し、更に口頭やメモで申し送りをして連絡漏れを防いでします。日々の活動はクラスのホワイトボードの写真掲示でも知らせており、個別のエピソードは口頭で伝えています。保育日誌にはその日の活動内容を丁寧に記載しており、職員間の情報共有も十分です。

  評価項目6 子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している 実施状況
  標準項目1 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
  標準項目2 メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
  標準項目3 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している                                                                                        
  標準項目4 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
講評
旬の食材を使ったバランスの良い献立による美味しい食事を提供しています

美味しい食事をお腹いっぱい食べる子どもたちの味覚の幅を広げたいと、栄養士と調理担当がその力量を発揮しています。旬の食材を使用し、家庭では調理しにくい大豆や干しシイタケなどの乾物、魚料理も献立に登場しています。楽しく食べることを大切にしており、栄養士や給食室の職員が考えたバランス良い美味しい給食を提供し、小さい子どもにも安全な食器を使用しています。ひな祭り、七夕、クリスマスなどでは「お楽しみメニュー」を提供し、伝統行事の由来を保育士が話しています。栄養士と調理担当は昼食時に保育室で喫食状況を観察しています。

食物アレルギーの対応は主治医の診断書に基づき実施し、誤配膳の防止にも努めています

食物アレルギーの有無や種類は入園時の面接で把握しており、毎日職員が記入する「引継ぎ簿」にはあらかじめ「アレルギー対応」を印刷し誤食を防いでいます。また、トレーを変え、二重チェックを行うことで誤配膳を防いでいます。アレルギー対応は基本的に「医師の指示書」に基づき個別に対応していますが、宗教上の理由で食べられないものがある子どもがいた場合は、申し出により意向食を用意しています。離乳食については栄養士が中心となり、0歳児クラスの保育士、看護師が保護者と相談しながら離乳初期食から完了食へと進めています。

園庭で野菜を栽培しており、園児たちは五感で野菜の生長を感じています

年間を通して計画的に食育に取り組んでおり、各年齢別に目的を定め食育計画を作っています。計画にはそれぞれの年齢の発達段階を明記し、働きかけと食育活動を明記しています。園庭では、ピーマン、サツマイモ、ジャガイモを栽培しており、苗の状態から花が咲き、小さい実ができるまでの過程を観察し、葉っぱの嗅いを嗅ぐなど五感で野菜を感じています。職員は園児たちに、「自分のおててより大きくなったら収穫しておいで」と伝え、園児たちはそれぞれ大きさを確認しながら収穫しています。

  評価項目7 子どもが心身の健康を維持できるよう援助している 実施状況
  標準項目1 子どもが自分の健康や安全に関心を持ち、病気やけがを予防・防止できるように援助している
  標準項目2 医療的なケアが必要な子どもに、専門機関等との連携に基づく対応をしている
  標準項目3 保護者と連携をとって、子ども一人ひとりの健康維持に向けた取り組み(乳幼児突然死症候群の予防を含む)を行っている
  標準項目4 子どもの入退所により環境に変化がある場合には、入所している子どもの不安やストレスが軽減されるよう配慮している
講評
病気やケガの予防、安全教育は、子どもが自ら興味と関心を持てるように話しています

看護師の指導のもと感染症予防への取り組を積極的に行い、うがいや手洗い指導をしています。職員が手本を見せて良い習慣が身につくようにしています。ケガや病気をしない健康な体づくりや、病気になっても直ぐに回復する体を作るにはどうしたらいいか、絵本等を使って話しています。園庭での安全な遊具の使い方の約束もあります。危険な場所への立ち入りや遊びについても話し、自ら事故を予防できるように指導しています。散歩に出かける前には、公共のマナーや歩道の歩き方、安全のためのルールや様々な危険について話しています。

子どもの健康を守り、急な体調変化に速やかに対応できる体制があります

空港内クリニックの定期健康診断は全園児について年2回実施しています。日々の子どもたちの様子は看護師が「保健日誌」に記録し、健診・身体測定の結果は児童票に記載し、連絡帳等で保護者に報告しています。0歳児は登園時に検温し、検温表に記録しています。急な病気やケガでは、入園時に保護者から提供を受けた緊急連絡先に連絡し、早めに受診できるようにしています。看護師が全園児の体調変化に対応しており、嘱託医と相談し、症状別の対応を的確に判断するなど、速やかに医療につなげる体制があります。看護師は頼りになる存在となっています。

乳幼児突然死症候群の予防に努め、服薬依頼にも手順を守り看護師が実施しています

入園時の面接に看護師が同席するとともに、保健だよりを配付し、季節の感染症情報や健康に関する知識を伝えています。感染症発生時には、病名や症状、予防法を記載した書面を玄関に掲示して保護者に知らせています。乳幼児突然死症候群については、乳児は5分ごとに呼吸チェックをして「睡眠観察表」に記録しています。午睡時は必ず職員が付き添い見守っており、うつぶせ寝などの体位、咳、呼吸、顔色なども確認しています。与薬は、医師の処方薬に限り「薬同意書」の提出により看護師が対応しています。吐物処理セットも各保育室に常備しています。

  評価項目8 保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して支援を行っている
  標準項目2 保護者同士が交流できる機会を設けている
  標準項目3 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
  標準項目4 子どもの発達や育児などについて、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
  標準項目5 保護者の養育力向上のため、園の保育の活動への参加を促している
講評
保護者の勤務状況等に臨機応変に対応し、安心して子育てできるようにしています

送迎時の保護者との会話や連絡帳の記載事項で、子どもの様子を丁寧に確認しています。いつでも話しやすい雰囲気を作り、保護者の気持ちに寄り添うように努めており、勤務事情による延長保育や日曜保育の要請には、可能な限り快く引き受けるようにしています。特に、空港関係者の不規則勤務を理解した臨機応変な対応で、子育て中の保護者を応援しています。早朝に登園して昼に帰宅する子どももおり、個別の申し出を受け対応しています。この度の利用者調査の総合的満足度も、回答した保護者の9割以上が「大変満足・満足」と答えています。

懇談会では保護者同士の交流を図り、行事参加、面談などで園の方針を伝えています

園での様子を知らせ、保護者の理解が深まるようにしています。園の玄関と0歳児室の入り口には、今日の活動、最新のお知らせや給食とおやつのサンプルの掲示のほか、食材と平均摂取栄養量、たんぱく質量を明記した献立表を配付しています。また、園だより、クラスだよりには季節の話題と共に、今月の目標、行事予定、子どもの姿などを記載し、園と家庭が同じ見通しを持って子どもの成長を見守れるようにしています。懇談会はクラスごとに日頃の様子を話した後に、2グループ別テーマで「クラス討議」を行い保護者が意見交換や交流をしています。

保育参観では、子どもの発達や行動を多面的に理解できるようにしています

年度の初めに、保護者参加の行事一覧と大まかな日程を知らせ、予定を立てやすくしています。各行事の実施日、内容、場所、持ち物などについても、可能な限り早めに知らせています。個人面談の日程も、一定の期間から選べるようにしています。保育参観は、子どものどのような様子が見たれるかを書いた「〇〇くんのデイリープログラム」を渡し、その日の活動予定と「こんな姿が見られます」を記し、予想する子どもの行動から得る情報について、どう理解したらいいかを保護者に示しています。裏面には保護者の「参観の感想」を記録しています。

  評価項目9 地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている 実施状況
  標準項目1 地域資源を活用し、子どもが多様な体験や交流ができるような機会を確保している
  標準項目2 園の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
講評
空港警察の交通安全教室や各種イベントに招待されるなどで体験の幅を広げています

園が入居している空港ビルの中は多くの商店が並び、人が集まる場所でもあります。季節感豊かなイベントが沢山企画され、第2アンジュ保育園の幼児を中心に参加のお誘いがあります。7月には航空会社の七夕飾りの下で歌を披露し、12月のクリスマスシーズンのイベントにも招待され英語の歌を唄いました。2月のバレンタインでは3歳以上児がクッキーを焼いて空港で働く人たちに配りました。空港警察の交通安全教室も開催されました。幼児が区内老人福祉施設で歌を披露することもありました。


  サブカテゴリー5 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
  評価項目1 子どものプライバシー保護を徹底している 実施状況
  標準項目1 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目2 子どもの羞恥心に配慮した保育を行っている
  評価項目2 サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している 実施状況
  標準項目1 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
  標準項目2 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した保育を行っている
  標準項目3 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
講評
子どもと保護者の個人情報の関しては「プライバシーポリシー」に沿って対応しています

子どもと保護者の個人情報の保護については、入園の際に「プライバシーポリシー」として説明し、同意を得ています。「入園のご案内」を使用し、個人情報の定義から収集、管理までを説明し、目的外の組織や第三者への提供をしないことを約束しています。子どもの制作作品、掲示物への記名、園だよりクラスだよりへの名前の記載、園児一人、あるいは複数園児の写真をホームページ等への掲載など、細かい部分にも配慮し、保護者の意向を聞いています。

着替えやプール遊びが人目に触れないように、羞恥心への配慮をしています

子どもの羞恥心に配慮し、おむつ替えはパーティションの陰などで行ない、目立たないようにしています。トイレは、成長に伴って仕切りと扉のある個室タイプを使用できるようにしています。園庭は管制塔のあるビルの下になりますが、夏季プール遊びの際は日よけネットで覆い、人目に触れないようにしています。園外保育等、公園や出先でトイレを使用する時も保育士が必ず付き添って安全に使用できるようにしています。児童虐待や、虐待かもしれない兆候の早期発見、育児困難家庭支援については職員が研修に参加し知識を共有しています。

子ども自身が自らの力で育っていく事を信じ、応援する立場での保育をめざしています

園長は「0歳から3歳までの小さい子どもも、自ら育つ力を持っており、保育士はそれを信じて応援する立場で保育して欲しい」と考え、人権の尊重に関して、日頃から職員と話し確認し合っています。子どもを呼び捨てにすることは無く「ちゃん」、「くん」をつけて呼んでいます。週1回のクラスミーティングでは、保育に一所懸命になるあまり、口調がきつくなりすぎないよう職員が助言し合うこともあります。子どもへの対応で問題が感じられた場合は、職員会議で話し合って共通認識を持ち、その後は主任保育士が個々の職員に注意するようにしています。


  サブカテゴリー6 事業所業務の標準化
  評価項目1 手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  標準項目2 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  標準項目3 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
  評価項目2 サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  標準項目2 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている
講評
アンジュ保育園「安全保育の手引き」を職員に配付し、業務水準を確保をめざしています

アンジュ保育園「安全保育の手引き」を職員に配付し、日々の保育に活用しています。第一章には職員の基本姿勢、職員の心得を、第二章には、安全保育のためにとして、園内保育、長時間保育、園外保育、登降園、防犯についてそれぞれ職員が守るべき大切な事柄が箇条書きで書かれています。この「安全保育の手引き」は保育業務全般を網羅した内容となっていますが、新年度に新人職員が多数入職することもあり、園長が「職員の心得」として纏めなおしています。

職員全員が子どもたちの安全性に配慮した保育をおこなえるような仕組みを整えています

空港と言う特殊な環境にある園であるため、保育園へのアクセスは関係者専用入り口を使用するなど、万全の防犯体制が整っています。保育では、特に衛生管理に努め、看護師の指導のもと嘔吐物処理の研修をおこない、処理セットを常備しています。安全管理では、「安全保育の手引き」の最終ページに「保育園における安全管理についての確認項目(チェックシート)」を付けており、日常の安全管理と緊急時の安全確保の項目を設け、確認作業に努めています。ヒヤリハット、事故報告書を記入し、集計結果を職員が共有することで、再発を防いでいます。

マニュアルは職員の意見を踏まえ定期的に見直しを行っています

園のマニュアルは、定期的に園長、主任、クラスリーダーが参加するリーダー会議で内容を検討し、職員会議で意見を聞いたうえで見直しを行っています。園長は職員に「マニュアルは最低ラインと認識し、マニュアルを超えた保育実践をして欲しい」と望んでおり、職員が自分の責任で工夫し、積極的にやってみる事を勧めています。考える保育から「実践してスキルを獲得することが大切」と話しています。なお、毎週のクラスミ―ティングでは職員が案を出し合い、適切な判断と確認のもと保育に取り組んでいます。