東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

「ありがとう昼礼」と題し、選定した徳目の中から唱和をし、感謝の気持ちや接遇に対する姿勢を確認し、ハンドブックの配布により理念・服務等の周知にあたっている。昨年度からは職員の入れ替わりがあったことから特に職員間のコミュニケーションを密にし、園の方針を伝えるよう努めている。多様な経歴を持つ職員が集まっていることから皆で話し合いながら運営を進めるよう取り組んでいる。

園長・主任等の役職をはじめ職務分担表が設置されており、運営体制についても明示がなされている。明るい雰囲気作りと意見の言いやすい環境を目指し、職員のアイディアを集約するよう取り組んでいる。また「ありがとうボード」と題した版に日頃の感謝の気持ちを貼り、園として一体感を醸成するよう努めている。

定期で管理職が集まる、「園長・主任会議」、「認可園長会」、「地域会議」など各種会議が設定されており、法人の決定事項や指導事項について伝達がなされている。職員に対しては、定期で開催する職員会議等にて報告されており、また保護者に対しては園だより・クラスだよりを通じて説明に努めている。昨冬からの新型コロナウイルスの影響を考慮し、職員会議は、職員間の距離を保ち、時間を短縮しながら実施にあたっている。

法人本部にて保護者に対してアンケートを実施し、日頃の保育についての要望や意見の聴取にあたっている。個別面談や連絡帳での相談もあわせて意向の把握に取り組んでいる。また近隣からの要望に対しても行政と歩調を合わせ、屋上を使用しない、窓を開ける時間を限定するなどの対応を図っている。

理念・方針・食育・資金・職員研修・防災・子育て支援・地域交流等を定めた年度ごとの事業計画が策定されており、事業報告書をもってその確認と検証がなされている。その年度の子どもの状況や前年度までの流れを把握し全体的な計画が策定されており、玄関に掲示し保護者をはじめ誰にでも見られるよう周知している。予算についても実績表を確認し、計画性をもった運営となるよう取り組んでいる。

4半期ごとに課題・目標・振り返りがなされる年間保育計画が策定されており、これを踏まえ、月案、週案が策定されている。各計画はそのタームごとに反省と評価がなされ次期につなげげられており、全体的な計画や保育所保育指針の方針が踏まえられているか確認がなされている。昨年度から職員の入れ替わりがあったことから諸計画の周知を図り、園としての方針浸透に取り組んでいる。

就業規則の設置のほか服務について周知するためのマニュアルが設定されており、ハンドブックの配布を通じて、職員の意識の醸成に取り組んでいる。各種規程の確認のほか、遵守の指導をしており、職員間での共有を図っている。子どもの手本となることを目指し、職員が主体的に考えられるよう成長を見守っている。

重要事項説明書（入園のしおり）には、苦情解決のフローが明示されており、園の玄関には苦情解決第三者委員について掲示がなされている。また苦情解決マニュアルの設定、意見箱の設置等意見の申し出やその対応について体制が整備されている。意見箱の意見・苦情や要望に対しては記録簿が備わっている。

区の子育て支援事業としてリトミック・クリスマス会等を通し地域の子どもたちとの交流が図られている。新型コロナウイルスの影響から中断後再開したが、再度の緊急事態宣言により再び中断となっている。また近隣の高齢者施設との交流もコロナ禍のため中断しているが、年賀状を届けるなど交流が継続できるよう取り組んでいる。また終息後は伝承遊び等のボランティアとの交流を希望している。

ヒヤリハット報告書・事故報告書・事故記録の作成、各種リスクに対するマニュアル・フローの策定・避難訓練の実施等によりリスクマネジメントを講じている。今年度は特に水害時の避難経路・体制の確認に注力しており、職員が避難の根源を考えること・いざという場合に適切に動くことができることを考慮して訓練等に取り組んでいる。

重要事項説明書（入園のしおり）には、個人情報の利用について７つの目的を明示している。また重要事項説明書の配布と説明によって保護者への理解が深まるよう取り組んでおり、入園時には書面の提出をもって同意を得ている。

使用するパソコンはパスワードの使用により、アクセスの権限を設定しており、職員個人により使用できる範囲を定めている。また子どもたちの成長の記録と情報については、鍵のかかる部屋および施錠できるキャビネットにて保管し取り扱いに注意をしており、漏洩することのないよう保全されている。

常勤と非常勤のバランスを考慮し、本年度はゆとりをもった職員配置が実現しており、安定した保育が提供されるよう就業環境の整備がなされている。昼礼での徳目の確認により目指す保育の浸透を図り、日々の積み重ねにより保育士としての成長を促している。若い職員が多いことから人材育成必要性を認識しており、来年度のクラス配置に対しては職員育成と保育の継続性の双方に配慮して行う意向をもっている。

新型コロナウイルスの影響から各種外部研修が中止となっているものの、研修に参加できたものについては研修報告書が作成・提出されている。また法人ではオンライン研修を実施しており、園内研修とあわせて職員のスキルアップが図られるよう取り組んでいる。新型コロナウイルス終息後は、アレルギー対応、アンガーマネジメントなど専門研修への派遣を検討している。

職員の異動が多かったことから、キャリアアップの制度活用については職員への周知等にとどまっているが、来年度以降は処遇改善加算の取得を検討している。処遇改善を通して管理職に準ずる職員への貢献評価やモチベーションアップにつなげ、職員の定着や育成を図っていく意向をもっている。

パンフレットを作成しており、保育理念・保育方針・開園時間・保育の特色等が記載されている。特に行事予定・施設配置図については、簡易ながら保育内容をイメージすることができる内容となっている。また法人にてホームページが策定されており、サイト内には園のページが設定されている。保育理念・方針、法人の概要・沿革等の情報が掲載されており、子育てに対する法人の思いを感じることができる内容となっている。

行政に園の情報を提供しており、区のホームページに掲載されており、一覧には定員、開園時間、入園可能年齢等の詳細の情報も記載されている。また区のホームページからは本園のホームページにリンクされており、幅広い方々への周知する手段となっている。今後は法人ホームページに園の活動や身近な取り組みを掲載していくなどホームページの情報充実を図る希望をもっている。

入園希望者の見学については、緊急事態宣言下においては中断しており、解除後再開している。写真を用意する、午前と午後に一組ずつ、人数を制限、見学箇所の限定をもって実施しており、在園児の健康と衛生に配慮している。入園希望児のニーズにあわせた説明をし、戸外活動・用意するもの等の質問に応じるなど丁寧な説明に努めている。

今春の入園児説明会は、部屋を分けるなど新型コロナウイルスの影響を考慮しながら実施し、重要事項説明書（入園のしおり）に沿って保育内容や留意事項を説明している。また子ども・保護者の状況・状態の確認および要望や意見の聴取がなされており、児童票、食事状況調査票等の提出がなされている。来年度の説明会についても時間をずらすなど工夫した対応を思案している。

入園時には保護者の就労状況や子どもの状態を鑑み、慣れ保育が実施されている。入園時の提出書類の確認・保護者の意向把握にあたり、子どもたちの年齢や新しい生活・共同生活への慣れ具合を勘案し、実施期間については柔軟に対応している。保護者の協力的な姿勢もあり、スムーズな入園が実現している。

退園児の就学先が多数に渡るが、近隣小学校とは運動会の見学、校庭の使用等を通して連携を図っている。児童要録の提出や電話でのやりとり等を通じて情報共有を図り、安心して就学できるよう取り組んでいる。小学校に向けての準備は生活習慣への確立や最低限の学習にとどめており、それぞれの小学校での教育に影響をおよぼさないよう配慮に努めている。

入園前には健康、食事、アレルギー、送迎等々の状況・状態について所定の様式に記載し、提出がなされている。提出された各種情報は、書庫に収められており、職員が使用しやすいよう保管されている。また年齢ごとに保育の状況や発達・発育について記録様式を定めており、0から1歳児については個別保育計画を立案し、子どもたちの成長を確認しながら保育を実践する仕組みが整えられている。

全体的な計画、年間指導計画の方針に沿った月案・週案が設定されており、担当職員による作成、管理職によるチェックのもと職員に周知が図られている。週案についてはねらい・配慮する事項・反省と評価等の欄が設けられており、児童票については書式を変更し、小学校への接続や振り返りをしやすいよう工夫にあたっている。

全体的な計画は園の玄関に掲示しており、年間および園全体の保育方針が保護者に伝わるよう努めている。また毎月発行している園だより・クラスだよりには具体的保育内容の説明が記載されており、園の方針を理解してもらえるよう取り組んでいる。計画を基にしながらも、状態や環境を考慮し、修正を図りながら保育を進めている。

家庭との連携を通して各種計画立案や子どもたち一人ひとりの発達・発育を職員間で共有し、子どもたち一人ひとりに対応した保育となるよう取り組んでいる。子どもたち一人ひとりの思いや成長のスピードを考慮して保護者に対して声をかけ、子どもたちの全体的な姿を把握し、成長できる環境となるよう取り組んでいる。

コーナーの設置など子どもが選択し、主体性をもって遊べる機会を設けるよう努めている。子どもたちが持つ意識を大事にするよう努めており、子どもたちそれぞれが多様な興味をもてるよう保育展開に注力している。また配慮の必要な子どもに対しては行政による巡回指導・保育所等訪問支援を活用し、アドバイスを保育に活かすよう努めている。

子ども同士のトラブルについては、お互いの話を聞き、聞き決めつけることがないよう留意し適切な対応となるよう努めている。かみつき等についても度重なる場合には保護者と一緒に考慮していくよう取り組んでいる。高年齢児については、相手の気持ちを考えていける時間をつくる・紙芝居や絵本を活用して話していくなど対応方法の検討をしている。

登園時には保護者と家庭での健康状態や状況についてコミュニケーションを図っている。また連絡帳でのやりとりを通して家庭での様子を確認している。視診等による観察結果は、「観察チェック表」にまとめられ、他の伝達事項とあわせて職員への共有を図るよう取り組んでいる。

トイレトレーニング・離乳食等をはじめとする基本的生活習慣の習得については、子どもたち一人ひとりの発達・発育状況を見極めながら家庭と相談し進めている。「あせらない・遅くならない」よう適切な時期を考慮し、タイミングを見極めながら声をかけていくよう努めている。児童票にて成長の結果や目標を記載し、園として確認しながら進めている。

午睡については子どもたち一人ひとりの状況を勘案し、睡眠としてだけでなく体を休めることを主眼として行っている。無理に午睡をするのではなく、体を横にするだけにとどめるなどの対応が図られている。毎朝９時から体操の時間を設けるなど子どもと保護者にわかりやすいよう特に生活リズムの確立に注力している。

園庭はないものの、積極的に戸外に出かけ、様々な公園での遊びを通して自然に触れる・身体を使って遊ぶなど多様な活動に取り組んでいる。子どもたちの体力低下を危惧しており、少しずつ散歩の距離を長くしたり、走ることができるよう広い公園へ出かけたりなど年齢等を考慮し、工夫にあたっている。

外部の有資格講師によるリトミックと体操指導を実施しており、自由に・遊びながら表現することを学ぶ機会を提供している。子どもたちの成長に役立てていることは無論、職員が専門講師に相談や質問をする機会としても有効に活用されている。得た知識を日々の保育に役立て、表現力や体力の醸成にあたっている。

遊びの中で時間や約束を守ることを学べる機会を提供しており、教えるのではなく子どもたちが自身で視覚から理解することができるよう掲示物を整えるなど工夫を凝らした取り組みがなされている。足形のマーキングは、トイレのスリッパを整えるだけでなく、ソーシャルディスタンスを保つためにも活用されている。

運動会、遠足、発表会等々年度において多くの行事が企画・実施されており、保護者が参加する行事については曜日配慮がなされている。今冬からの新型コロナウイルス感染防止策により縮小等工夫をしながら衛生・環境に配慮して実施している。子どもを中心に据え、特に幼児については達成感を味わえるよう取り組んでいる。

行事後には、結果や経過について詳細な記録が残されており、伝承していけるよう取り組んでいる。子どもたちが人に見てもらうことでモチベーションをあげ、頑張ることを大事にしており、新型コロナウイルスの影響により保護者に見てもらう機会が減少していることについて対策を思案している。他のクラスの子どもたちや職員に見てもらう、動画を撮影し保護者に見てもらうなど工夫をしながら補うよう取り組んでいる。

延長保育を実施する家庭は少ないものの、少ない人数でも楽しめる雰囲気をつくるよう努めている。新型コロナウイルス感染防止の観点から朝夕の合同保育時も密にならないよう場所や人数の設定がなされている。子どもたちの体調や環境を考慮し、段階をおって集めるなど工夫し、子どもたちの健康と衛生に配慮するよう努めている。

水分補給・午睡時間等、保育が長時間にわたる場合について配慮しながら進められおり、日頃より職員全員が全園児を把握することで交替制であっても安心ある保育ができるよう努めている。また特に午後の時間帯はケガ等事故につながらないよう静的な遊びを主体とするものの、子どもたちの意思をなるべく尊重した活動を展開できるよう取り組んでいる。

栄養士により園独自の献立がたてられており、子どもたちの嗜好や栄養バランスに配慮された食事が提供されている。毎月の給食会議での話し合い、日々のラウンドにより子どもたちの喫食状況を把握している。季節感への考慮、必ず一手間加えた工夫をもって食事提供がなされており、丁寧な園の保育方針が食事作りにも表れている。

食事の時間が楽しい時間となるよう雰囲気づくりに努めており、それぞれの年齢において量の調節や提供の仕方を考えた食事提供がなされている。また年度において食育計画が作成されており、クッキング・食育が設定されている。新型コロナウイルスの影響からクッキング保育は、時間や方法を工夫して行っているが、終息後は一連の流れにおいて実施し、食への理解を深めていく意向をもっている。

栄養士が各クラスをラウンドし、行事食の反応等を見極め、時に子どもたちの意見をきくなど子どもたちにあった食事の提供に注力している。また全国各地出身の職員がいることから出身の郷土料理を提供し、日本地図とともに写真を提供する取り組みを企画しており、来年度以降実施し、子どもたちが多様な興味をもっていけるよう取り組む意向をもっている。

危機管理マニュアルの確認等により子どもたちが安全に衛生的に過ごすための環境づくりに取り組んでいる。保健衛生に関するポスター掲示、感染症対応への指示等保護者に対しても健康管理への協力を促し、連携した取り組みに努めている。また子どもたちに対しても絵本を使用して話をするなど健康への関心をもてるよう取り組んでいる。

午睡時の顔の向きについては年齢ごとに定めた時間置きにチェックをし、0歳児についてはベビーセンスを導入するなど機器を活用しながら安全の担保に努めている。また新型コロナウイルスへの対応として消毒の徹底、保護者の送迎時の検温、行事への配慮等がなされており、健康と衛生の維持に努めている。

子どもたちの年齢よりに定められた期間ごとに嘱託医による健康診断・身体測定を実施しており、記録と保管、保護者との相談と連携により子どもたちの健康管理にあたっている。また慢性疾患をもつ子どもに対しては保護者から状況を聞き取り連携して対応を図れるよう取り組んでいる。看護師・管理者がいない場合も対応できるよう子どもの情報共有を図っており、更に医療知識を増やしていくことを目標としている。

連絡帳は成長の記録としていつまでも残るものであることを意識し、家庭との情報の架け橋として意識した記載に取り組んでいる。子ども・保護者の個々の生活状況を考慮し、コミュニケーションを通して信頼関係構築に努めている。またホワイトボードを利用して日々の活動を報告しており、園の保育への理解が深まるよう取り組んでいる。

昨冬からは新型コロナウイルスへの対応により状況に応じて、個別面談・行事への参加を自粛・縮小しているため、子どもたちの活動がわかるようポートフォリオを玄関に掲示するなど配慮に努めている。文字だけではわからない子どもたちの活動時の表情等を見てもらい、子どもの成長を実感してもらえるよう努めている。また保育参観については、新型コロナウイルス終息状況・保護者の就労への配慮をしながら実施を検討している。

区内の私立園長会への参加を通して地域との交流や情報収集にあたっている。また新型コロナウイルスの影響から実習生・ボランティアの受け入れはなされていないものの、受け入れ体制は整備されており終息後の受け入れが期待される。法人内の他園が近郊にないため、近隣園との交流を更に拡張していくことを目標としている。

近隣の高齢者施設とは交流が図られており、コロナ禍においても年賀状を届けるなど心温まる親睦が継続して深められている。また遠足等では地域の社会資源を利用するなど子どもたちが多様な経験を積めるよう取り組んでいる。今後も近隣住民には園を理解してもらえるよう努めていく意向をもっており、行政と協調し、共生を図れるようできうる努力をしていくことを表明している。

重要事項説明書（入園のしおり）には、個人情報の保護について７つの目的を明示している。また写真の使用についても説明をし、その周知と確認を実施している。写真の撮影についても漏洩等しないよう配慮しており、写真の保護者への配布についても専用のシステムを使用するなど配慮に努めている。

子どもたちの着替え・おつむ替え・シャワー実施については、子どもたちへの指導や方法の工夫によりプライバシーに配慮するよう努めている。休息や基本的生活習慣の習得については家庭の方針や価値観を尊重し、子どもたちの健康・発達・発育の状況を見ながら適切な保育の実施にあたっている。

送迎時の様子については注意をもって観察し、観察チェック表をもって記録と確認にあたっている。また職員による虐待防止チェックリストの実施、研修での学びを通して子どもたちを尊重した保育が実践されるよう取り組んでいる。本分野についても外部研修の受講等により環境の変化に目を向け更に研鑽を積んでいく意向をもっている。

不審者対応、安全確保、アレルギー対応、健康管理、食中毒等のリスクマネジメントをはじめ、各種マニュアルが完備しており、就業規則、給与規程、経理規程等の諸規程も整備されている。それぞれファイリングされ職員が誰でも見られるよう保管されている。またガイドブックを配布し、服務等の周知にあたっている。

完備されたマニュアル・規程は法人主導にて策定されている。法改正や情勢の変化により、都度見直しがなされており、メール等にて連絡の後差し替え等がなされている。法人として現場が保育に集中できる体制整備に取り組んでおり、本取り組みからは法人の現場への配慮、子どもへの想い、ガバナンス、コンプライアンスへの注力が理解できる。

清掃のやり方等園独自のルールが設定されており、ルールブックとしてまとめ職員への周知が図られている。保護者アンケートや職員の意見を考慮し、年度末等にて見直しが図られているものの、今後は見直しの明確な時期設定や更なるマニュアルの周知を図っていく意向をもっている。