東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

地域の多様な保育ニーズに応える、家庭的環境を意識した人間形成の基礎を養うなど、五つの保育方針を表明している。平成23年４月の開園から10年、極めて安定した職員体制の下で質の高い保育を提供、毎年区保健センターなどから紹介されて訪れる見学・入園希望があり、地域から多くの期待と信頼を集め貢献している。職員は毎年計画的に法人本部研修・園内研修で理念の理解と実践を学んでいる。見学者、在園児保護者には入園案内から伝えている。園のホームページ、ブログも公開して園内の様子を詳しく知ることができる。

職員会議や昼ミーティングの中で、園が大切にしている保育者が担うべき社会的使命、その役割と責任について話し合っている。職員には一人ひとりの思いを受け留めながら、園の価値観を共有し同じ気持ちをもって勤務していく環境づくりに努めている。園長は常に職員と同じ目線で自らの思いを伝え、職員は園の理念に共感し保育に専念している。地域の高齢者施設との交流では、子どもと高齢者が相互に見守り助け合う社会を願い、施設と園が災害時の防災協定を結んでいる。法人本部も子どもと職員を共に大切にする園長の理念を支持し応援している。

本部主催の園長会議を毎月行い、園長は法人の経営方針や姉妹園の動向を園内全体会議の前にリーダー会議で報告、リーダーの意見や課題を整理して毎週１回午睡時間内に開催する全体会議で常勤・非常勤職員に詳しく報告している。昼ミーティングも毎日午睡時間におよそ20分行い、子ども一人ひとりの様子を確認し共有している。園長は重要な事柄についてはその対象者を集め、その趣旨についてきちんと理解を深めるようにしている。この他毎日クラス毎に朝礼も行っている。保護者に関係する重要な決定事項は玄関掲示や園だよりで伝えている。

年度末に全体会議で振り返りと総括を話し合い、保護者の意向や地域対応など園が取り組むべき新たな課題を明確にして次年度に備えている。保護者の意向や要望は入園前の生活調査票から把握し、行事アンケートや連絡帳、登降園時の申し送りなどから把握し対応している。職員の意見・意向は職員面談や日常の対話、自己評価シートから把握、本部も毎年職員アンケートを実施している。地域の福祉動向は区の認証保育所連絡会、地域懇談会、巡回訪問、園に訪れる見学者から聞き、園が対応すべき課題は園長会や園全体会議に提起し検討している。

中・長期計画は法人本部が策定を担い、園はその方針を踏まえて課題ごとに単年度計画を策定している。年度末に行う振り返りと総括から把握された課題について、受け入れ定員の決定、年間カリキュラムの決定、年間行事の検討、職員配置の検討、職員育成、安全と防災対策など、重要なテーマは全体会議で検討して職員一人ひとりに個々の年間計画やその対応策について理解を深め、全職員に役割分担を行い、準備や実施のスケジュールを明確にして取り組んでいる。予算については前年実績をベースに置き、新たに生じる経費は本部の承認をとっている。

園の運営と保育に伴う季節行事など、様々な計画の推進は常に目標を明確に定め、担当表・進行表によって見える化し、職員一人ひとりが主体的に役割を担い着実に推進している。職員は常に「たのしいをつくろう」をモットーに時間をかけて全職員で話し合い、子どもたちとともに作り上げていくことを大切にしている。今年度はコロナ禍による休園、さらに子どもたちの活動には大きな制限がかかり、運動会は中止となった。地域の方とも感染予防など話し合い、秋の例年行事は目標通りに実施できた。計画の見直しや行事後には反省会を行い次年度に備えている。

保育士の使命と責任を自覚し実践していく職員の倫理・規範の教育は、開園以来一貫して「保育所保育指針」の読み合せを毎月行い、園内研修も計画的に実施して保育者としての資質向上に努めている。法人本部研修、行政主催の研修では一般社会の様々な問題事例を研究し研鑽している。保護者との対話のあり方、戸外活動における地域の人たちとの交流など、職員は地域おいては責任を持つ園の代表として行動している。東京都福祉サービス第三者評価は計画受審し、職員は年間１回法人統一の自己評価と園長面談を行い振り返りを行っている。

保護者の声には常に傾聴を心がけ、苦情や相談を受ける場合に備えて苦情受付制度を重要事項説明書に明記、受付窓口と解決責任者の氏名、行政の担当窓口も連絡先を明記して入園手続きの際に説明している。玄関にご意見箱を置き、朝夕の申し送りの時、保護者会、行事アンケートなど様々に受け留めている。児童虐待の防止と早期発見には園規則はじめ虐待防止マニュアルを基に園内研修で理解を深め、職員は朝の受け入れ時の視診や着替え時の身体の傷・痣に注意し、疑わしい事例は児童虐待防止法に則り専門機関に連絡連携している。

園の活動内容はホームページを通じて行事やイベント情報を公開している。園の表には保育相談受入れの案内を表示し、見学会には希望者の育児相談に応じている。一時保育も子育て家庭の実情に対応した受け入れを行っている。今年度はコロナ禍で実績はないが、区社会福祉協議会を通じて保育を目指す学生の保育体験も要望に基づいて受け入れている。地域の二つの高齢者施設と子どもたちが定期交流しており、近隣のグループホームとは花壇で野菜栽培と収穫を共に楽しみ、コロナ禍にあっても感染防止を徹底してホームの高齢者と友好関係を保っている。

園が立地する地域は周辺に河川はなく、水害の危険は少ないが地震と台風による被害を想定し、災害対応マニュアル・震災時における計画表に基づいて毎月防災避難訓練を行っている。園内には区行政が発行しているハザードマップを備え、災害発生時には地震・台風・水害の発生予想個所を把握するとともに、一時避難場所、広域避難場所を園内に貼付している。災害時の備蓄品も最低３日分の水と食料を備え、近隣のグループホームを緊急避難先に指定して相互援助協定も結んでいる。今後は感染症・情報漏洩に備える事業継続計画へさらなる充実を期待したい。

子どもの安全・安心、事故・怪我の再発防止と未然防止に努めている。医療機関での処置は事故簿、軽度の怪我は怪我簿、事故に繋がると予測された事例はヒヤリハットとしてそれぞれ記録し対策している。本部では各園のデータを毎月集計して事故・ケガ・ヒヤリハットそれぞれの内容や子どもの月齢別、発生場所、発生時期・時間帯を把握し、毎月の園長会で各園の状況や再発防止策などの情報交換を行い、園内ではさらに未然防止について全体会議で時間をかけて話し合っている。新型コロナはじめ感染症は保護者と緊密な情報を交換して予防に努めている。

個人情報の保護と管理は法人の定める規程を厳守。職員は入社時に誓約書を提出、ボランティア等も活動前に守秘義務の説明と厳守をお願いしている。紙媒体の文書は園長がキャビネットを施錠管理し、PCはアクセス権限を設定して使用者を限定、インターネット接続も規制、USBは個人の持ち込みを禁止、全ての情報は園外持ち出しを厳禁している。保護者には入園契約時に法人のプライバシーポリシーの意義や目的を丁寧に説明、開示請求の手続きなど文書によって事前に同意を得ている。一方、園長の許可を得た職員には必要な情報は閲覧を可能にしている。

園の職員体制は開園以来極めて安定しており、職員の退職はこれまでなく新たな職員募集は行っていない。一方、人材の募集と採用は法人本部が主となり、法人独自の保育士登録サイトを運用し、人材紹介会社も併用している。園では社会福祉協議会から紹介される大学や専門学校生の保育実習生を積極的に受け入れて、将来の職員を期待して親身に指導している。採用後は法人本部が主体となって新任・中堅・主任・施設長へと職員自身が将来を見通すことができる職員育成制度を展開している。採用後の配置は本人の希望をふまえ、法人と園で決定している。

地域に信頼され、なくてはならない保育園をつくる。子どもたちの明るい未来に向けた園の保育取り組みに対し、地域の信頼は年々高まり、区の保健センターや保育課などから紹介された子育て家庭の見学希望や問い合わせが増加している。法人と園長はその原点は職員の日々の学びと研鑽にあるとの理念を実践してきた。園内では年間計画で職員の育成に取り組み、園内研修はじめ、新任研修、中堅研修、主任研修、施設長研修を実践している。また一般社会の動向にも目を向け、行政や関係機関の研修にも派遣、職員は一人年間２～３回程度参加している。

子どもにとって保育にあたる職員は大人の代表。日々子どもたちの成長と発達を支援する職員は明るく楽しく主体的に保育を実践している。子どものことは担任が一番理解している。園長は自らの体験の中から、職員と同じ目線で話し合い、一人ひとりの思いを受け留め、皆が同じ気持ちをもって保育に専念できる職場環境を大切にしている。職員が努力しているところ、良いと思うところは全体で褒め認め、職員同士信頼し常に声を掛け合い認め合っている。産休を取っていた職員、長期病休していた職員も皆復帰した。やる気とチームワークを高く評価したい。

発信する情報は法人と園が連携、ホームページやパンフレット、ブログ等を活用し利用希望者等に情報発信を行っている。ホームページは園のブログのリンクから始まり、園児募集、保育内容、園の概要、自治体HP、園だよりや保健だより、園内で使用する依頼書等も閲覧でき、園生活を垣間見ることができる情報であふれている。ブログは園長が担当、誕生会やクリスマス、クラスの様子等、行事や子どもの日常生活を分かり易い文章と写真で紹介、子どものあふれる笑顔や真剣に椅子取りゲームをする姿等、利用希望者に園の様子が伝わる媒体になっている。

園では行政の担当窓口への連絡や地域関係機関との関係作りに力を入れ、利用希望者や地域の子育て世帯等への情報発信に繋げている。行政担当者には定期的に空き情報を提供、園のホームページには行政のHPをリンク、園だよりや保健だよりの発信で園の状況を共有して貰える環境も作っている。また、認証保育所連絡会や地域懇談会・見学会、中核園ブロック連絡会等に参加し、園や地域、保育に関わる情報交換を実施、保健センターや巡回指導等でも保育の帳票共有や入園に繋げる連携を図り、利用希望者等への有意義な情報収集や提供に繋げている。

開園10年の継続した取り組みで、地域に園の情報が広く伝わっている。見学希望者等はホームページの閲覧や関係機関からの紹介等で受付、主に園長が対応している。見学は１日４組限定で実施、見学説明会は平日16時から行っている。今年度はコロナ感染症予防対策で1組のみの見学も実施、個々の希望に合わせ対応している。説明時は園の概要の他、認証保育園の特徴や定員の関係で幼児クラスの受け入れが希望通りに沿えないこと等判り易く伝え、質問や育児相談等にも応えている。また、入園困難な場合は関係機関や一時保育等を紹介、サポートしている。

サービス開始にあたり子どもや保護者の状況を理解、安心した園生活の開始に繋げている。入園が確定した家庭には入園のご案内、生活調査書、児童票、契約書、重要事項説明書等を送付又は自宅に届け、1週間ほど時間を置き、契約日を設定している。契約時は書類を持参頂き確認、保護者と重要事項説明書、契約書、入園のご案内を読み合わせ、園の概要や保育方針等を伝達、料金等は分かり易いパンフレットを用いて丁寧な説明を心掛け、納得を得て同意書を頂き入園に繋いでいる。家庭の個別状況も細かく把握、入園後の個別対応や保護者連携に活かしている。

園生活に必要な個別情報や要望等を記録、職員間で連携、一人ひとりに合わせた保育を実践している。入園前に生活調査票、児童票等を基に健康状態やアレルギーの有無、食事の仕方や生活の流れ、就労状況、要望や子育て観等を伺い記録、ミーティングノート等で速やかに園内共有を図り保育計画に繋いでいる。慣らし保育は保護者と相談し登園予定表を作成、馴染みのタオルの持参、子どもの心地よい声掛けや安心できるスキンシップ方法等を伺い、子どもの表情や食べられる、寝られるを完了の目安とし、保護者とのこまめな連携でストレス軽減に努めている。

サービス開始から終了まで保護者との関り大切に、子どもが安心できる生活に繋げている。転居等で途中退園する子どもにはみんなでおやつを囲むお別れ会を実施、例年、年度末には発表会を兼ね、転園児や卒園児のお別れ会を開催、写真やメッセージ入りの「おもいで」をプレゼント、保護者と在園児全員で楽しいひと時を過ごし、良い思い出を作っている。卒園式は卒園児の保護者と卒園児のみで開催、卒園証書の授与、楽しかったことや歌の披露で成長の確認とお祝いで、小学校に送り出している。卒園後も行事に招待、立ち寄って頂ける等、交流は活発である。

園では入園時に保護者が記入する生活調査書、児童票等で子ども一人ひとりの状態、家庭の状況等を把握、記録に残している。生活調査書で基本的な生活習慣、既往歴やアレルギー、発達等、児童票や送迎者登録票で家庭の基本状況や入園前の養育状況、送迎者等を把握、契約時や個人面談、行事参加時等に伺った保護者の子育て観や要望、価値観等と合わせ保育計画作成に活かしている。子どもの状態や保護者の情報は各クラスで都度話し合い共有により適時更新、園内共有が図られ、個々の状態や家庭状況に合わせた新しい計画や保育に繋げられている。

法人統一の全体的な計画を基に養護と教育の領域に分け年間指導計画を作成、月案、週案、制作指導案等に繋げ、個別保育計画は２歳クラスまで作成、確実な保育を行っている。個別配慮が必要な場合は保護者と相談、子ども発達支援センター等との連携で、個別保育計画を作成、状態に合わせた保育を実践している。保育計画は主任、園長が確認、ミーテング等で園内共有を図り、計画、実践、評価、改善のステップでより良い保育に繋げている。保護者には日々の会話や連絡帳で子どもの様子を共有、毎月の個別目標は個々に説明、理解を得て保育している。

子どもの様子や状態は児童票、発達記録、保育日誌、連絡帳、健康調査票、ミーティングノート等に纏められ、職員は適時確認、保育に活用している。子どもの誕生日や園内共有事項は各クラスカラーのボードに記載され、子どもの様子や変化は毎日の朝礼、昼礼（20分～１時間）、夕礼等で共有、週１回の職員会議では検討事項や研修等を行い園内連携が図られている。園では日々の職員間共有と連携で、担任不在時の送迎時等はすべての職員が対応でき、保護者の状況変化等の情報も速やかな共有が図られ、子どもの安定した保育に繋げられる体制を整えている。

園では子どもの興味に気を配り、一人ひとりの発達に合わせた保育を実践している。子どもの全体的な姿は送迎時の保護者との会話や連絡帳、個別計画作成前の聞き取りや個人面談等で把握、子どもの家庭での状況を含め、日々の保育に繋げている。また、高齢者との関りや小さい子どものお世話等で人へのやさしさを育み、絵本を大事にする、壊れたものを修理することを考える等で物を大切にする心を育て、散歩では季節の移り変わりを体感、鏡餅を供えて新年を祝う等の日本文化に親しみ、子どもが主体的に活動できる機会の提供で、興味関心を広げている。

３歳から５歳クラスが一緒に生活する環境での縦割り保育や朝、夕の異年齢合同保育が日々行われ、子ども同士が互いを尊重する心が育っている。生活場面で５歳クラスが０、１歳クラスで絵本を読んであげる、４、５歳児クラスが３歳児クラスのお手伝いを日常的に行い、高齢者施設訪問では恥ずかしくて高齢者と関わることができない３歳児をリードしてあげる等、慈しみや優しさ、思いやりが育てられ、年長児への憧れが子どもの成長を後押しする、良質な保育の実践がある。また、外国料理を提供、ハロウィン等で異文化に触れる機会も保育に取り入れている。

園では個々の発達の差を捉え、一人ひとりが無理なく生活できるように保育している。特別な配慮が必要な子どもには個別対応できる職員配置を行い、絵カード等を活用、自治体の巡回指導や関係機関と連携し集団の中で過ごせるように保育している。子どもの心の行き違いで起こるトラブルについては、保護者会等で人間関係の土台を作る大切な発達過程であることを事例を用いて説明、子どもの思いを大切に保護者と一緒に保育している。また、給食の配膳等就学に向けた準備や幼保小連携研修会に参加、例年、近隣小学校のイベントや見学で連携を図っている。

保護者とのコミュニケーションを大切に子どもの情報を共有、生活リズムに配慮した保育に繋げている。登園時は体温や体調、家庭の様子を確認、視診で子どもの様子を伺い、連絡帳で生活リズムを把握、ミーティングノート、熱表に記録、職員間で周知、保育に活かしている。降園時は職員間共有により担任以外の職員も対応ができる体制を整え、子どもが頑張ったことや楽しく過ごせたことを話題に取り入れ、親子が笑顔で帰宅できるように取り組んでいる。玄関にはブログ更新時のお知らせ、行事や戸外活動の写真を掲示、保育の様子や情報を公開、伝えている。

園では子どもの気持ちと個々のペースを大切に、生活習慣の習得に取り組んでいる。朝の始まりから挨拶は職員が見本になり、声をかけている。食事は手づかみから発達に合わせた食具を使用、２歳クラスから箸へと移行、家庭保育に繋げている。排泄は子どもの気持ちに寄り添いタイミングを計り、１歳児からトイレに興味が持てる環境を作り、２歳クラスの夏頃までを目途におむつを外している。着替えは子どもの様子を見ながら靴下の脱ぎ履き、着衣の脱ぎ着、荷物管理と進めている。手洗いは抱っこで０歳児から、例年、歯ブラシは３歳から取り組んでいる。

園では個々の生活リズムや体調に配慮した休息で、子どもの健康的な生活に配慮している。登園時保護者からの聞き取りと連絡帳で生活リズムを把握、家庭と園で一体となり子育て環境を整えられるように就寝時間や体調等に配慮している。睡眠不足の子どもは午前寝や早目の午睡、戸外活動等に配慮、個別対応している。眠れない子どもには気持ちに寄り添い、身体を休めることの大切さを伝えながら休息を促している。また、午睡時は布団で、呼吸しやすいように上掛け等に気を配り、寝方やブレスチェックを実施、室温・湿度等の室内環境にも配慮している。

保育室はワンフロアで、同じ空間の中、譲り合い、クラス活動を行っている。クラス別保育を基本に、コーナーや自由遊びも織り込み、各クラスの声や様子が行きかう環境で、気持ちの融合を体験、夫々の子どもの好みの居場所が作られている。子どもの声を全職員が受け留め、好きな遊びや寛ぎ方を把握、提供している。区民農園のじゃが芋堀に招待され、体験、高齢者施設と豊かな交流等様々な人々と関わり社会性や人間関係性を学んでいる。当番活動や、大きな子どもが小さな子のお世話や絵本の読み聞かせ等主体的な活動、豊かな発達に繋げている。

子どもの言葉は、大人が見本と捉え、美しい日本語を使い、伝えている。季節や行事等テーマを決め、絵本を読み聞かせ、紙芝居やパネルシアターなどを提供。散歩で四季の変化や自然の美しさ、異年齢児での会話など言葉を楽しんでいる。月の歌や行事歌、リズムダンスや手遊び、夏祭りの写真を子どもが説明。サンタ「ペパキゾ」の着ぐるみ登場、皆でヤッターサンタがやってきたを合唱。ピアニカやハンドベル、手作り楽器で合奏。絵の具、落ち葉や木の実、粘土、毛糸、折り紙等造形活動やお遊戯会等感性、創造力の発揮に繋げる等良質、高く評価したい。

戸外活動の基本は散歩で、四季を身体一杯受け留めている。本年はコロナ感染予防対策として、外出交流等を自粛している。園外活動は、隣の高齢者施設の花壇を借りて「はなまる菜園」で大根やさつま芋を栽培収穫を楽しみ、泥んこ遊びも体験、区民農園のじゃが芋堀に招待され収穫体験、園前花壇でも園芸を楽しんでいる。商店街ではハロウィンで交流等多彩な人々と関わっている。挨拶はしっかり、トイレの順番は並んで待つ、玩具は丁寧に、譲り合い、しっかり片づける、戸外の約束、交通ルール、帰ったら手洗い等様々な心の調整、ルールを伝えている。

子どもが主役を意識し、関係者全てが楽しめる季節感ある伝統的年間行事やイベントに取り組んでいる。行事は年間保育計画に位置付け、全職員が協力、実施している。本年はコロナ感染予防対策として、交流外出行事は自粛し、子どものみの行事に留めている。飾り付けの準備、制作など、子どもが皆で協力、保護者にも協力頂いている。日本の伝統文化を大切に雛祭りや鏡開き、折り紙兜の子どもの日、笹飾りに願いを込める七夕会、商店街とハロウィン交流、クリスマスの点灯式には「やってきたペパキゾちゃん」など季節を伝える実践は良質、高く評価したい。

子どもが積極的に参加し、やり遂げることを実感する行事に取り組んでいる。本年はコロナ感染予防対策として、保護者参加行事を自粛、動画編集を工夫し保護者に映像で楽しんで頂いている。例年であれば、保育参観、夏のひと時を楽しむ夏祭りは、かき氷など屋台気分を楽しんでいる。近隣小学校の体育館を借りての運動会は親子遊戯等で子どもの成長を実感している。子どもの日頃の練習成果を披露する発表会など保護者参加行事は、土曜日開催、子どもの成長を喜び合い、子どもの達成感に繋いでいる。評価したい。

子どもの良い思い出に繋がる年間行事に保護者や様々な人々の協力を頂いている。七夕の笹は近隣からのプレゼント、短冊作成に保護者が協力、ハロウィンは商店街の方々に笑顔をプレゼント、隣接高齢者グループホームとは畑を借りたり、泥んこ遊びやラジオ体操など披露、豊かな交流は良質。保護者参加行事自粛対策として、保護者の協力の基、発表会等子どもの頑張る姿を動画に編集、保護者に視聴頂ける取り組みを行っている。様々な人々と関わりながら、子どもの社会性や人間関係性を豊かに育み、自己肯定感に繋がる取り組みは良質、評価したい。

子どもが保護者のお迎えを安心して待てる環境を整備、落ち着ける空間を提供している。朝９：００までと夕１６：００から年齢構成や人数に応じて段階的に合同保育を実施。遅番専属の職員を配置。長い時間、園生活を送る子どもがいることから、ストレスなども考慮、飽きないよう、スキンシップを多めに提供、夕方専用の玩具でコーナーなども交ぜながら特別感を提供している。空腹は、淋しさを招く事から、炭水化物等腹持ち良いおやつ、補食や夕食等希望で提供している。長時間保育は全体的な計画、年案に位置付け、通常保育との関係性に考慮している。

子どもの一寸した変化にも気づき、適切な対応に繋がる職員連携がある。異常に気付けるためには、子どもの平常を知る事が必要と考え、入園時からの記録を纏めた児童票ファイルに常時目を通し、細かな対応に繋げている。情報連携として、朝、昼のミーティング、ノート、申し送りなどの情報共有を励行。午睡時のミーティングをベースとして全体会議、研修も含め様々な情報共有を実践。合同保育のプログラムは、粘土や知育活動、時には散歩、切り替えを絵本で行うなど、静と動を組み合わせ、メリハリ良く提供、落ち着ける環境提供が行なわれている。

園では、様々な保育形態を子どもの有意義な発達に繋げている。０歳から５歳までが在籍する園で、日常的な保育はクラス別の活動で、誕生日会や年間行事等は園全体での取り組みで、それぞれの年齢の関わりを大切に提供している。０、１歳児や３、４、５歳児が一緒に活動したり、乳児と幼児が同じ遊びを活動に取り入れている。また、年長児が乳児のお世話をしたり、絵本の読み聞かせや上手な玩具の遊び方を乳児に教えるなど子どもの豊かな世界が繰り広げられている。午睡前の絵本の読み聞かせは全園児が一緒に静かな時間を過している。

散歩で思いっきり身体を動かし、お腹を空かせ帰園、給食室からの良い匂いがお腹を刺激する。献立は栄養士が健康や好き嫌い、喫食状況を把握、工夫を凝らし、旬を意識して作成、４０種類を超える食材使用等良質。和食中心に、郷土料理にも触れ、薄味を基本に、香り、彩り、テクスチャーなど五感に刺激を与える給食、おかわりも食べすぎ等職員が見守り、達成感に?いでいる。その日の雰囲気で着席、クラス別に楽しい給食に繋いでいる。お誕生日会にはリスさんおにぎり等一寸工夫、七夕素麺やハロウィンのお化け君おにぎり等行事食も工夫している。

園長が重要視している日本の伝統文化を伝える実践は、正月の七草に続き、鏡餅を年始全園児で鏡開き、上巳の節句（雛祭り）、端午の節句、七夕など節句を愛でる心が育つ取り組みは秀逸。食物アレルギー対応は、入園時に保護者の詳細な情報で、除去、代替にて給食、おやつを提供、専用トレイや食器、食事具等安全対策を講じている。登園時の保護者情報の体調不良には牛乳や油除去、軟食等栄養士と連携している。疾病対応では、専用ミルクを持参頂き、たんぱく質管理を提供、保護者と連携、宗教や文化・習慣等食の拘りにも対応する用意がある。

子どもが様々な経験を通して、食の大切さを実感する取り組みがある。毎月の園だよりや給食だより、献立表を保護者にお渡し、子どもの食育活動を応援頂いている。近隣高齢者グループホームに花壇を借り「はなまる農園」として大根等、園前花壇ではさつま芋等を栽培、時には泥んこ遊びも楽しんでいる。毎日の給食サンプルは、玄関に展示。子どもの人気メニューやおやつのレシピも提供している。本年はコロナ感染予防対策として、クッキング保育を自粛、スイートポテト等の調理に留めているが、例年は２歳児以上が毎月クッキング保育に挑戦している。

換気や空気清浄機、清掃や玩具の毎日消毒、年月齢に合わせた保育用具や玩具の提供等保育室の環境衛生、安全に配慮している。園内外の活動は、「走らない、見えない場所に行かない、物を投げない、歩道を歩く、お友達の腕を強く引っ張らない、転んだら手をつこう」等々をお約束とし、紙芝居や歌、絵本等を活用して子どもが楽しく取り組めるように工夫している。感染予防の手洗いやうがいは戸外遊びや排泄後、食事前等に実施、手洗いは０才児も職員の支援で行い、幼児は寒暖に合わせた上着の着脱等、自ら判断する力や危険察知力の育成に取り組んでいる。

入園時に健康調査録や食物アレルギー等の必要な診断書等を提出して頂き子どもの健康の様子を把握している。健康診断は０才児は毎月、１才児以上は年２回、身長体重測定は毎月実施、保護者の心配は主治医に伝え、結果は連絡帳の所定の場所への貼付、口答説明で保護者と共有、成長を確認している。園での与薬は原則行わないが指示書や診断書の提出で必要な支援を実施、熱性けいれんや代謝異常等の医療ケアを要する子どもも受け入れ嘱託医との連携で適切な対応に努めている。成長発達の支援には巡回心理相談等の関係機関と連携して保護者を支援している。

入園時に環境変化とＳＩＤＳの関係性を保護者に説明し慣らし保育を実施している。午睡用に呼吸し易い布団を園で準備、０歳５分、１・２歳１０分、３歳以上15分毎のブレスチェック、仰向け、横向き寝を確認している。毎月のほけんだよりで健康、食事、運動、睡眠等成長に大切な健康情報等を発信、玄関には感染症の発生情報や予防接種、発達指導や学びの機会等の情報を掲示して保護者の注意や関心を喚起している。新入園児は主任が担当、別空間活用等も工夫しつつ、出来る限り落ち着いて一緒に過ごせるように仲介する等在園児の安心にも配慮している。

入園時に保護者の就労の状況や家庭の事情を伺って保育時間等を決めて保育を開始している。保育時間等は届出で変更するがその際は契約変更か延長利用か保護者の立場で助言している。また、急な早出や残業等の登降園時間変更は直前連絡にも対応、当日の12時迄の連絡で補食、夕食にも応じ、保護者の就労に配慮している。園では連絡帳や送迎時の保護者の様子、対話等を通して保護者の変化等を汲み取り、連絡帳に寄せられた質問等は必ず返信を徹底、必要時には園長が声を掛け、面談に繋げる等で保護者に寄り添い、安心して子育て出来る様に支援している。

保護者会は年２回、全体会とクラス別の懇談会、給食やおやつ試食会等を組み合わせ保護者同士、職員が対話し理解を深め、互いの子育てを学ぶ機会としている。希望者には担任や園長等との個人面談を実施、「言葉が遅いのでは」等の具体的な悩みを相談、適切な助言等で子育ての自信に繋いでいる。運動会や発表会等の保護者参加行事ではリレー等で保護者同士や職員が力を合わせ、年１回の保育参観では子どもの成長を実感、運営委員会は園の理解の場としている。今年は中止や開催方法の変更もあり、園長との直接相談のツールを導入し保護者の信頼に応えた。

入園のしおりに保育方針や年齢別保育計画を明記、年度初めの保護者会では年月齢に応じた成長発達や保育の取り組みを説明している。毎月の園だよりやクラスだよりには子どもの成長の姿や月毎の保育のねらい、行事予定等を掲載、個別計画書の内容は送迎時に目標を保護者に伝えて共有している。連絡帳には頑張った事や出来た事等成長を感じられる園でのひとこまを記入、３歳以上児は手紙や付箋、対話で補足して園の生活を伝える等共通認識を図っている。更に、行政等の子育て学習会のポスター等を玄関に掲示、参加を促し、養育力向上に働きかけている。

天気の良い日は１日に２回、年月齢に応じてバギーや手を繋ぎしっかり歩いて地域の公園や戸外に出かけ、季節の花や風の香り、遊具や広い原っぱでのかけっこ等身体を動かし自然を満喫、商店街や清掃車等で働く人々、猫や犬の動きや水の流れ等への興味を喚起、行きかう人々との挨拶、同じ公園で遊ぶ他園の子どもたち等と遊具を譲り合い、貸し合う等の様々な人々との交流や体験の機会が実現している。通常は週１回程度図書館で絵本を選んだり、地域の学校の体育館を借りて運動会、近隣他園の子ども達と一緒にお弁当を食べる等の豊かな時間を過ごしている。

地域の高齢者施設等との定期交流等で社会性を育んでいる。隣接GHの花壇の草刈りを担い、野菜や高齢者に喜んで頂ける綺麗な花を育て、収穫やプレゼント、今年は室内交流は休止、外で体操や遊戯を披露、泥んこ遊びの姿等で高齢者に元気を提供、子どもは自らの活動に自信を深め、町会の夏祭り等で声を掛け合う姿等が見られている。ハロウインは仮装して商店を練り歩き、様々な商店等がプレゼントを準備し大歓迎、卒園児の通う学童保育とも交流、近隣の竹林からは七夕の笹を頂き、区民農園のじゃが芋堀に招待される等、地域に愛される存在となっている。

園は児童福祉専門施設としての意識を持って地域に貢献している。入園を考える保護者等を対象にした見学会を開催、それをきっかけに育児相談に応じ、電話等での相談にも園長が積極的に対応、コロナ下では特に子育て世代の孤立や悩みは深刻で「食事を食べない」「イライラする」等多くの相談が寄せられた。更に、園児の長期欠席等空きがある場合には一時保育事業で地域の子育て世代を支援している。今年は休止となったが、保育専門学校生の保育ボランティアや小中学生の体験学習等も受け入れる等子育て世代支援や次世代育成等に積極的に取り組んでいる。

重要事項説明書にプライバシーポリシーを明示、契約時に個人情報の定義や利用について丁寧に説明し同意の署名・捺印を頂いている。園内やブログ等への写真使用も意向を伺い、必要に応じモザイク加工等配慮している。児童票等の個人情報は事務室内での閲覧を徹底、終業後は施錠管理している。名前はちゃん、くん、または保護者の希望の愛称で呼び、誕生日は当日に子ども、保護者の双方に祝福の言葉をかける等で個の尊重に努めている。羞恥心は年月齢や個人差に応じ、上下順番に着替える等を指導、トイレは仕切りやドア付を設置する等が配慮されている。

入園時に家庭での子どもの様子や子育て観等を確認、毎日の保育や正確な観察で子どもの状況を把握して日々の保育に繋いでいる。おもらし等は目立たない場所で速やかに処理、叱る時は声のトーンを抑えどうしたかったのか等言い分に耳を傾け、「まだ遊びたい」等の主張は「どこまでやったら」等と見通しを示す等で子どもの自尊心と納得を大切にしている。夜更かしや朝食を食べてこない等家庭保育の課題は「お友達と遊べない、食事中に眠くなる」等と園の様子を伝え、午前寝等で対応しながら保護者の納得にゆっくり寄り添い、子どもの利益に繋いでいる。

虐待防止の園外研修参加と園内報告、全体会議等での保育倫理等の学び、事例検討等で職員の虐待への共通認識と防止への意識化を図っている。送迎時の保護者との対話や連絡帳、子どもの表情や活気、着脱時等の皮膚観察、食事の様子等から、保護者の子育ての行き詰まりやSOSを早期に発見、気になる場合はリーダーや園長に伝え会議等で全職員が共有、面談等必要な対応に繋いでいる。園長は職員のきつい言葉遣い等を速やかに指導、玄関の虐待防止ポスター掲示等で保護者にも注意喚起、必要に応じ専門機関などに繋ぐシステムも整備している。

園ではマニュアルを整備し業務の基本事項や手順を明確化、職員に必要な遵守事項は「約束事項」に、おむつ交換、トイレトレーニング、ミルクの作り方や散歩の約束等具体的な手順は「保育マニュアル」に纏めている。入職時には園長がオリエンテーションでマニュアルを読み合わせ、約束事項は配布して学んでいる。マニュアルは職員が迷った時等に確認しやすいように事務室の何時でも手に取れる場所に配置し、更に緊急時の組織図や連絡網、非常時の役割等は事務室に掲示、いざという場合に誰もが迷わず適切な対応が出来る様に対策して活用を促している。

マニュアルは年１回、園長会で制度変更や保護者アンケート、各園の会議結果等を持ち寄り実態に合わせ見直し更新、園の手順書は子どもの構成や保育時間、保育士の就労状況等にあわせ変更、保育実践の振り返りや保護者アンケートも参考に行事や業務内容を点検、見直しに繋いでいる。今年度は合同保育の場所や食事場所の見直し、保護者の意見で行事の動画配信に着手、園長は、ヒヤリハット提出時等にマニュルを読み返しをしたか等を確認し日々の保育でマニュアルの活用を促している。新型コロナ対応の経験を活かしたマニュルの更なる整備が期待される。

業務標準の維持、向上を支える職員のスキルアップに取り組んでいる。積極的に外部研修に参加する機会を持ち参加後には園内で報告伝達研修を行う事で更に学びを深め、その内容を職員で共有している。また今年は自粛中だが、法人内の他園に園長、クラスリーダー、保育士、栄養士が出向き、それぞれ同職種、同じ年月齢クラスの実践を体験し学ぶ機会も提供、互いの実践を交換、持ち帰って現場に活かしている。日々実施しているミーティングや全体会議等に参加できないパート職員には園長が口答で内容を伝え、情報共有しながらレベルの維持に努めている。