東京都福祉サービス第三者評価  評価結果





評価結果基本情報

評価年度 令和2年度
サービス名称 認可保育所
法人名称 社会福祉法人みつばち会
事業所名称 みつばち保育園
評価機関名称 特定非営利活動法人 ごとくの会

コメント

評価の実施にあたっては、手順等について園長と職員に説明した。評価は利用者調査と事業評価の手法でおこなった。利用者調査は園を利用している27世帯の保護者を対象とし、園から調査票を配付してもらい、回答は評価機関へ直接郵送してもらう形をとった。事業評価は保育現場の観察ならびに共通評価項目による経営層および職員の自己評価を依頼し、その結果を事前に分析するとともに、訪問調査によって各種資料を閲覧させてもらい、関係者に質問をおこないながら正確な情報の把握に努めた。


(内容)
 Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像
 Ⅱ 全体の評価講評
 Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み
 Ⅳ 利用者調査結果
 Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)
 Ⅵ サービス提供のプロセス項目


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Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像

1 理念・方針  (関連 カテゴリー1 リーダーシップと意思決定)
  事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)

1)保育内容の質の向上のため、職員の専門性と質の向上 2)家庭との信頼関係と連携 3)児童の人権の尊重と保護者の就労等の保障 4)地域への貢献 5)職員の労働意欲を喚起し誇りの持てる職場運営

 
2 期待する職員像  (関連 カテゴリー5 職員と組織の能力向上)
  (1)職員に求めている人材像や役割

・目の前にいる子どもや保護者をしっかり見つめる姿勢と、そのままを受け入れる姿勢があること。 ・個々の子どもの個性を生かし、発達を保障する専門性を追求しようとする探究心があること。 ・専門職としてのおごりを持たず、同僚とよく話し合い自分自身の内省を忘れず真摯であること。

 
(2)職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

自分の言動には大きな影響力があることを自覚し、責任の大きな職業であることを自覚すること。専門職として子どもをしっかり育てることを通して、保護者との関係、地域との関係を?げるという専門職としての足場を見失わず、広い視野で自分の役割を果たしてほしい。どんな状況にも、子どもを守り育てるのは自分であるという使命感を失わないこと。

 


Ⅱ 全体の評価講評

全体の評価講評

特に良いと思う点
1 子どもがワクワクしながら自主的に遊びこめる魅力的な園庭

3年前までは、泥んこや砂遊びなどの感触遊びを大切にした保育をおこない、砂地ばかりの園庭であった。しかし、保育環境の見直しのためプロジェクトを立ち上げ、子どもがワクワクする庭を目指し整備している。起伏のある園庭では、全身の筋力が鍛えられ、遊びながら危険認知能力も培われている。ジャンプなどチャレンジして成功体験を繰り返すことで、自分に自信が持て何にでも立ち向かっていく力の土台にもなっている。利用者調査では、子どもの発達を考えた遊びをたくさん取り入れていてありがたいなどの声がある。
2 保護者との良好な信頼関係

利用者調査では、園の方針を理解し共感して子どもを入園させているとの声や、家庭での養育方針と一致しているので安心できる、などの声が多数ある。職員の取り組み姿勢や子どもや保護者への対応についても、高く評価されている。また、保護者は独自に父母会を結成し、役割分担をして独自の行事を計画したり、園の行事に参加するなど、園の運営に積極的に協力している。園に対する要望を父母会で話し合うことにより、保護者にとっても声を上げやすいと感じられている。職員と父母会との協力関係があり、良好な信頼関係が築けている。
3 防災対策への様々な取り組み

「重大事故発生時」「新型コロナ感染症」「119番通報」「行方不明・迷子への対応」「台風上陸対応」の各フローチャートや「不審者対応」「行事危機管理」のマニュアルを作成し、読み合わせをしている。また、保健関係で12種類のマニュアルを作成し、実地訓練もおこなっている。防災訓練は毎月設定を変えて実施しており、台風前には防災対策委員会を開いて事態に備えている。職員自己評価では、園のリスクマネジメントの項目に対し全体的に高い評価となっており、特に良いと思う点について、防災委員会の様々な訓練を挙げる意見がある。

さらなる改善が望まれる点
1 会議などの場で経験の少ない職員が積極的に発言できる工夫を

職員の意見を反映するために、月2回の職員会議、カリキュラム会議、リーダー会議、中間総括、年間総括等で自由に意見を述べる機会を設けている。副園長と副主任が各クラス、部署の意見をくみ上げる工夫をしたことでリーダー層からは積極的な意見が出るようになった。しかし、経験の浅い職員からは、個別の面談や、会議の場で個別に意見を求めれば発言はあるが、自発的には意見が少ない。意見を出しやすい環境づくりの工夫はしているが、少人数での意見交換や雰囲気作りなど、経験の少ない職員が意見を出しやすくするよう、さらなる工夫が望まれる。
2 保育時間の長い子どもの遊びや生活の保障に重点を置いた工夫を

保育室は、各クラスの保育士が、子どもの発達を常に考え、子どもの欲求に応えられるよう環境を整えている。0歳児では、身体の発達に合わせて、這い這いや斜面の昇り降りができるように斜面板や段差を設置している。1歳児では、鉄棒や肋木を置き、ぶら下がったり登ったりができるようにしている。2歳児ではごっこ遊びが楽しめるよう、おしゃれコーナーを置いたり、ソファを置いてくつろげるコーナーを設置している。しかし、玩具は開園当初から使用しているものもあるため、新規に購入するなど保育時間の長い子どもを意識した環境作りが望まれる。
3 中・長期計画の具体化を

中長期計画として、事業計画書に「就学までの施設拡大」「選ばれる園をめざす:質の高い保育と子育て支援」「職員の育成:職員育成計画の作成」「地域との連携」の4項目を掲げている。項目の中には長年実践しているものもあり、年度ごとに振り返りもしているが、計画の具体性に欠けている。職員自己評価では、中・長期計画が職員に定期的に周知されていないため、職員の認識が薄れているとの意見がある。理念達成に向けた中・長期計画であり、年度の事業計画に反映されている部分もあるが、さらに具体化して職員全体での取り組みが期待される。

Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み

1 ★ 新入職員の育成に力を入れて取り組んでいる

新入職員には担当職員がついてOJTを実施している。概ね2年間を4期に分けて、いくつかの項目について育成内容を記載した育成計画表を個人別に作成し、期ごとに担当職員が評価している。新入職員は毎日ノートに感じたことや反省等を記入し、年度末の総括会議で自身の総括を発表している。育成計画表を作成することで、新入職員が身につけるべきことが明確になり、担当職員の評価で達成度が分かるため、新入職員自身の自覚や自信につながるものと思われる。
関連評価項目(事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる)
2 ★ 「子ども主体の保育」への取り組みに力を入れている

園は「子ども主体の保育」を大切にして取り組んでいる。昨年度区の私立園長会で「子ども主体の保育」の研修会を実施したところ、近隣園の保育士から実際に可能なのかとの意見があった。そこで、園が中心となり地区の保育園との交流研修会を計画し、園で3つの実践発表をおこなった。発表に当たっては、担当する職員が資料を作成したり協議を重ね、職員の意識がさらに向上している。園では、今後も「子ども主体の保育」を追求し、区内保育園にも広めたいと考えている。
関連評価項目(サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している)
3 ★ 子どもが食に興味を持ち、楽しく食事ができるように様々な取り組みをしている

0歳児~2歳児の園で、食に興味を持ち、楽しくおいしく食べることを大切にした様々な取り組みをしている。味付けはだしをしっかりとり薄味にすることで、素材の味を感じることができるようにしている。食材は、旬の野菜や果物を取り入れ、直接触ったり、匂いをかいだりと五感を使って感じる経験を大切にしている。また、野菜を栽培し、毎日の水やりを当番活動として取り入れることで、生長を身近に感じることができるようになっている。子どもが収穫した野菜は、栄養士が目の前で調理しそれを味わうことで、親しみを持ち食への興味につながっている。
関連評価項目(子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している)

Ⅳ 利用者調査結果

調査概要
調査対象:みつばち保育園を利用している27世帯(在籍児童数29名)の保護者を対象に調査をおこなった。兄弟で利用している場合は1回答とした。

調査方法:アンケート方式  
共通評価項目による調査用紙を保育園から保護者あて調査協力依頼文書を添えて各保護者世帯に配付した。回答は評価機関あて直接郵送により回収した。

利用者総数 29人
利用者家族総数(世帯) 27世帯
アンケートや聞き取りを行った人数 27人
有効回答者数 22人
回答者割合(%) 81.5%

総括
「大変満足」が81.8%、「満足」が9.1%、「無回答」が9.1%で、「大変満足」と「満足」を合わせると90.9%が満足と評価しており満足度は非常に高い。特に3つの評価項目では「はい」が100%の評価である。子どもの体の発達を考えた遊びをたくさん取り入れていてありがたい、子どもについて担任だけでなくすべての先生が把握して見守ってくれている、子育ての強いサポーターとして親身に話を聞いてくれる、各保育士の自主性や声が大事にされている、子どもの力を信じて大切にしてくれる、子どもが“育とう”とする力を信じ尊重しながら子育てをしていきたいという家庭の方針と合致している、などの声がある。また、第2の実家のようだとか親子で通う保育園と表現する保護者もいる。3年しか在園できないのが残念、3歳児以降のことが不安であるという声もあり、全体的に園に対する信頼感は強く、小学校入学まで在園できるようにして欲しいという声も多い。

利用者調査結果

1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
はい 22人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」が100%であり、満足度は非常に高い。家庭保育ではできない肋木や思う存分の泥遊びなどの活動、お友達との活動はとてもありがたい、子どもの心身に大変良い影響を与えていると思う、などの声がある。
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
はい 22人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」が100%であり、満足度は非常に高い。本人の好きなことを把握してくれきめ細やかに対応している、部屋のレイアウトや生活リズムなど子どもたちが主体的に活動できるように工夫されている、などの声がある。
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
はい 22人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」が100%であり、満足度は非常に高い。季節の食材や地元の商店街で調達した魚や肉などを使いとても工夫している、安心できる食材で有難い、食事だけでなくおやつ補食もすべて手作りで大変安心している、バリエーション豊かな食事に成長を支えてもらっており本人も家庭でよりも食べている、などの声がある。
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
はい 20人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」が90.9%、「どちらともいえない」が9.1%であり、満足度は高い。どろんこ遊びで土や自然と触れあえる環境で目いっぱい遊べて恵まれている、園庭でたっぷり遊べる、近所の散歩の中でも自然や社会と関われていると感じる、などの声がある。
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
はい 16人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 5人 
「はい」が72.8%、「どちらともいえない」が4.5%、「非該当」が22.7%である。いつも急な連絡だが快く受けてくれる、いつも大変配慮してもらい有難い、などの声がある一方、土曜日の仕事は1か月を切っても入ることが多いので、1か月以内でも受け入れてもらえると大変助かるという声がある。
6.安全対策が十分取られていると思うか
はい 18人  どちらともいえない 4人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」が81.8%、「どちらともいえない」が18.2%である。ときに危険なことにチャレンジする時もよく見てくれている、特に安全面で不安を感じたことはない、などの声がある一方、地震の際建物が崩れないか心配だ、との声がある。
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
はい 21人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」が95.5%、「どちらともいえない」が4.5%であり、満足度は非常に高い。参加しづらいと思ったことは一度もない、感染症が流行しているなか中止・延期になり淋しい、予定している運動会について参加自由にしてもらえると良い、などの声がある。
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
はい 21人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」が95.5%、「どちらともいえない」が4.5%であり、満足度は非常に高い。日々の連絡ノートがきめ細やかで子どもとともに1日を振り返っている、心配事の相談を担任以外のスタッフも気負わずできるのは助かっている、悩みがあると直ぐ先生に相談している、普段のやり取りを通じて先生たちをとても信頼している、などの声がある。
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい 21人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」が95.5%、「どちらともいえない」が4.5%であり、満足度は非常に高い。汚れ等が気になったことはない、新型コロナウイルス対応でさらに丁寧にやってくれている、などの声がある。一方、本がべたべたするとの声もある。
10.職員の接遇・態度は適切か
はい 21人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」が95.5%、「どちらともいえない」が4.5%であり、満足度は非常に高い。言葉遣いや立ち居振る舞いなどお手本にしたいといつも思う、言葉遣いは子どもも日常的にたくさん耳にしているので先生たちの言葉遣いに安心している、などの声がある。一方、鼻を出してマスクをしている職員がいてちょっと不安だ、との声もある。
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい 19人  どちらともいえない 2人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
「はい」が86.4%、「どちらともいえない」が9.1%、「いいえ」が4.5%である。体温など一つの指標だけでなく子どもの様子を総合的に判断してくれるので信頼できる、状況を見て受診を促したり流行っている症状もタイムリーに教えてくれている、などの声がある。一方、1か月のうちにかみつきが何度もありその都度対策しますとのことだったが何も変わらない、かみついた子どもの名前を教えてもらえないのも不満だ、などの声がある。
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい 14人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 6人 
「はい」が63.6%、「どちらともいえない」が9.1%、「非該当」が27.3%である。イヤイヤ期で難しい時期だが先生たちの日々の対応のおかげで健全に成長していると感じている、まだ長引く関係性の悪さなどはないが子どもの気持ちを汲みつつ対応している、などの声がある。
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
はい 21人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」が95.5%、「どちらともいえない」が4.5%であり、満足度は非常に高い。親以上に寄り添ってくれている感じでありがたい、忙しい中でも一人ひとりの子どもをよく見て尊重してくれていると感じる、などの声がある。
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
はい 14人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 5人 
「はい」が63.7%、「どちらともいえない」が13.6%、「非該当」が22.7%である。特に不信を感じたことはない、そういうケースはないが万が一の時にはそのように対応されると思い信頼している、などの声がある。
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
はい 20人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」が90.9%、「どちらともいえない」が9.1%であり、満足度は高い。懇談会や園からのおたより、クラスだよりなどを通して保育内容を知ることができる、連絡ノートやお知らせ掲示板でよく見ている、などの声がある。
16.利用者の不満や要望は対応されているか
はい 15人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 4人 
「はい」が68.2%、「どちらともいえない」が13.6%、「非該当」が18.2%である。不満に思ったことがない、いつも丁寧に話を聞いてくれるので不満や要望も同じように聞いてくれると思う、今までケースがないが信頼している、などの声がある。 
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい 6人  どちらともいえない 5人  いいえ 1人  無回答・非該当 10人 
「はい」が27.3%、「どちらともいえない」が22.7%、「いいえ」が4.5%、「非該当」が45.5%である。掲示やオリエンテーションで教えてくれた、事務室の前に掲示がありいつでも目に入るとの声がある。

Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)

※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー1  リーダーシップと意思決定
  サブカテゴリー1  事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目2 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  評価項目2 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている 実施状況
  標準項目1 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  標準項目2 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
  評価項目3 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している 実施状況
  標準項目1 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  標準項目3 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
講評
法人が積極的に理念・方針の周知に努めている

法人は保育園2か所を運営し、姉妹園として定期的に課題の協議や情報交換をおこなっている。理念・方針は事業計画書、事業報告書、入園のしおり等に明記し、職員・保護者に周知徹底している。職員には毎年法人研修会を実施し、理念や求める職員像の認識を高めている。今年度は業者委託を取り入れ、グループワークもおこなって職員の意識向上を図り、好評であった。また、法人は新型コロナ対応で、7月に「感染症の罹患に伴う休園時に大事にしたいこと」として、「罹患者にいたわりと愛を持つこと」というメッセージをタイムリーに職員に発信している。

職員の役割分担を増やしたことで職員の意識が向上している

「園長の運営姿勢」を作成し、「めざす子ども像」「事業運営の基本方針」「職員に求める基本姿勢」「職員に持って欲しい使命感」を職員に明確に伝えている。また、職員の役割分担を増やし、「求められる職員像と役割」で各々の職務内容を明確にしたことで、職員の意識が向上している。職員自己評価では、役割を持った職員が力を発揮している、各部署でしっかり報告・連絡・相談ができていて皆が情報を把握しているなどの意見がある。しかし、組織運営や労働条件等への不満の意見も若干あるため、園長・副園長のリーダーシップによる改善を期待する。

重要な案件の協議方法や結果報告が明確に定められている

重要な案件については、リーダー会議、職員会議、理事長・園長・副園長による運営調整会議、姉妹園も含めた理事長・園長による施設長会議、理事会等で協議している。決定内容は、職員には昼礼や職員会議で報告し、保護者には月のおたよりや時宜を得たお知らせで周知している。職員への連絡事項は伝達ノートも作成しており、必ず全職員が共有するよう努めている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー2  事業所を取り巻く環境の把握・活用及び計画の策定と実行
  サブカテゴリー1  事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  評価項目1 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している 実施状況
  標準項目1 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目2 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  標準項目3 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目4 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  標準項目5 事業所の経営状況を把握・検討している
  標準項目6 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
  サブカテゴリー2  実践的な計画策定に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している 実施状況
  標準項目1 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  標準項目2 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  標準項目3 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
  評価項目2 着実な計画の実行に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  標準項目2 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
講評
保護者や職員の意見を反映した園運営に努めている

園の課題を把握するため、保護者には日常の会話や連絡帳、保護者会での声等を重視するほか、父母会からの意見を大切にしている。職員からの意見は、各種会議や個人面談等で把握し、改善に努めている。職員の個人面談は、園長面談と副園長面談で年2回実施し、より多くの意見を出せるようにしている。昨年度は会議の回数や所要時間を見直し、職員自己評価で他クラスや事務所との風通しがよくなった、会議が減って負担が少なくなった、昼礼の内容が密になった、など効果が見られる。また、職員として働きやすいとの意見もある。

園児の定員割れに不安を感じ、対策を講じている

昨今の区内の保育情勢として、園児の定員割れが問題となっている。昨年度から区の待機児は0名となっているが、小規模園の数が増加しているため、区全域で現在570名の定員割れが生じている。その中で、各園は定員充足に備えて職員数を確保しているため、財政が厳しくなっている状況である。園も今年度若干定員割れの状態であり、今後の運営に不安を抱えている。区内私立園長会では、協議して区へ要望書を提出し、区との話し合いをおこなっている。

職員の意見を反映した事業計画を作成している

年度の事業計画は、中間・年間総括や、職員が個々に作成した次年度にやりたいことと今年度の反省文等の内容を踏まえ、園長が案を作成している。園長案は副園長と共有し、理事会で決定する。理事会での決定後は職員会議で報告し、全職員に周知している。また、事業計画の進捗状況については、月の職員会議や中間総括で検討し、必要に応じて見直しをしている。中・長期計画は、事業計画書に4項目挙がっており、それとは別にこれまでの経過をまとめた記録がある。しかし、今後の取り組みが具体的になっていないため、さらなる検討が望まれる。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー3  経営における社会的責任
  サブカテゴリー1  社会人・福祉サービス事業者として守るべきことを明確にし、その達成に取り組んでいる
  評価項目1 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  標準項目2 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
  サブカテゴリー2  利用者の権利擁護のために、組織的な取り組みを行っている
  評価項目1 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている 実施状況
  標準項目1 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  標準項目2 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
  評価項目2 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている 実施状況
  標準項目1 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  標準項目2 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
  サブカテゴリー3  地域の福祉に役立つ取り組みを行っている
  評価項目1 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  標準項目2 ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
  評価項目2 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  標準項目2 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  標準項目3 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
講評
職員が守るべき法・規範・倫理の周知徹底に努めている

職員が守るべき法・規範・倫理については、就業規則の「服務」や「園長の運営姿勢」「クラス運営と保育上の確認事項」に明記している。これらについて、必要に応じて読み合わせをおこなったり、園長面談で確認するなど、職員への周知に努めている。職員自己評価では、この項目でほぼ100%が「そう思う」と答えており、職員の認識の高さがうかがわれる。

子どもの権利擁護のため、苦情解決と虐待防止に取り組んでいる

苦情解決については、入園のしおりに明示するとともに実施要綱を事務所前に置き、いつでも閲覧できるようにしている。投書箱も置き、第三者委員の連絡先も掲示している。園に対する要望は父母会にも窓口があり、誰もが言いやすいよう配慮されている。また、子どもへの虐待防止対策として虐待対応マニュアルを作成して職員に周知し、適切な対応に努めている。職員が子どもを傷つける言動を防ぐために、毎年職員自己評価をおこない自身の行動を振り返ったり、職員間で何でも言える雰囲気作りをしている。利用者調査では、職員への信頼感が大変高い。

地域活動を積極的におこない、地域の福祉に役立っている

園の透明性を高めるために、ホームページ(HP)やSNSで活動内容を紹介したり、地域活動に積極的に取り組んでいる。地域の子育て支援事業は担当職員を決め、平均年8回程度情報紙「おおきくなあれ」を発行している。保育所体験では、どろんこあそびなど園庭での遊びが大変好評でリピーターも多い。担当職員による年間総括を職員会議で共有し、次年度の活動内容を検討している。また、中学生の職場体験を約2校から1度に2名を3日間ずつ受け入れ、簡単な教材作りや掃除、草取り等の手伝いをしたり、園児たちと一緒に過ごして双方が楽しんでいる。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー4  リスクマネジメント
  サブカテゴリー1  リスクマネジメントに計画的に取り組んでいる
  評価項目1 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  標準項目2 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  標準項目3 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  標準項目4 リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  標準項目5 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
  サブカテゴリー2  事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  評価項目1 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている 実施状況
  標準項目1 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  標準項目2 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  標準項目3 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  標準項目4 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
講評
リスクマネジメントに積極的に取り組んでいる

リスクマネジメントに対する意識は高く、危機管理マニュアルを作成し、消防、SIDS、救命、防災、不審者などに対応する訓練をしたり、フローチャートを作成して緊急時に活用できるようにしている。台風が近づくと防災対策委員会を開いて備えたり、「行事安全マニュアル」で事故のないようにするなど、細やかな気配りをしている。また、詳細なBCPも作成している。職員自己評価では、リスクマネジメントに関する評価が高く、自由意見でも危機管理マニュアルの読み合わせを全体でおこなっているとの意見があり、積極的な取り組みがうかがわれる。

情報管理のための文書を作成し職員に配付している

情報漏えい防止のため、「クラス運営と保育にかかわる確認事項」で、重要文書の取り扱いについて明記している。文書類は園外持ち出し禁止、USBは必ず返却すること、散歩時に使用するカメラは空のSDカードを使うこと、個人情報が記載された文書の処分方法等、詳細に定めている。また、個人情報の記録やファイル等は施錠して保管し、パソコンはアクセス権限を定めてパスワードを設定している。また、事務書類については業者によるセキュリティー強化もおこなっている。

個人情報保護について園の方針を職員・保護者に伝えている

個人情報保護については、個人情報保護規定を作成するとともに、プライバシーポリシーを法人のHPに掲載し、個人情報の取得・開示・照会・訂正・利用停止・削除・管理・問い合わせ先に関する法人の姿勢を公開している。保護者には入園のしおりの「個人情報の取り扱いについて」で周知し、「個人情報使用同意書」をもらっている。また、HP等での子どもの写真使用には、その都度保護者の了承を得ている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー5  職員と組織の能力向上
  サブカテゴリー1  事業所が目指している経営・サービスを実現する人材の確保・育成・定着に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている 実施状況
  標準項目1 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  標準項目2 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
  評価項目2 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している 実施状況
  標準項目1 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  標準項目2 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
  評価項目3 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  標準項目2 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  標準項目3 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  標準項目4 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
  評価項目4 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている ×
  標準項目2 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  標準項目3 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  標準項目4 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
  サブカテゴリー2  組織力の向上に取り組んでいる
  評価項目1 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  標準項目2 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  標準項目3 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
講評
あるべき職員像を明確にし、職員の意識向上が図られている

園は求める職員像について明文化して職員に周知し、年1回の法人研修でも理解を深める取り組みをしている。「求められる職員像と役割」の文書で、勤続1年~2年目、3年~6年目、7年目以上、クラスリーダー、フリーリーダー、副主任、副園長、園長の職務内容や求める姿勢を示している。また、職員一人ひとりの研修計画を作成し、年度の目標と必要な研修内容を明確にしている。これらにより職員の意識が向上し、各職員が責任を自覚し、職員間の連携もよい職場となっている。

職員の意見を大切にして、アットホームな園運営に努めている

園長面談と副園長面談を年1回ずつ実施し、職員の意見や悩みなどに対応している。また、年間で振り返りやストレスチェックを実施して、やる気向上につなげている。今年度は、新型コロナ対策で保育中のマスク着用を義務付けているが、職員から様々な声が聞かれ始めたため、全職員を対象にマスク着用に関するアンケートを実施し、他の職員の考えが分かったことで納得できたなど、職員の声に敏感に対応している。職員自己評価では、職員間の人間関係が良好、雰囲気が良く働きやすい、との意見がある。

職員育成に力を入れており、組織全体が向上している

職員育成に力を入れ、年度の個人別育成および研修計画を作成し、効果的な研修受講につなげている。研修参加後には報告書の作成を求め、年2回研修報告会を実施し1人10~15分の発表をして、研修内容を共有している。新入職員には4期に分けた育成計画を作成し、担当職員がついてOJTを計画的におこない育成している。また、今年度は地区内民間園の保育研修交流会を主催し、3つの保育実践について資料作成から発表、意見交換をおこなったことで、保育に対する見方を深め園全体の保育の質が向上している。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー7  事業所の重要課題に対する組織的な活動
  サブカテゴリー1  事業所の重要課題に対して、目標設定・取り組み・結果の検証・次期の事業活動等への反映を行っている
  評価項目1 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 区内民間保育園長会主催で「子ども主体の保育」を学んだことで、地区の保育職員から「子どもの主体性を大切にした保育実践が本当に可能なのか」という意見があった。これに対し、園で取り組んでいる「子ども主体の保育」の実践を発表することを考え、地区の民間園を対象に「保育研修交流会」を開催した。開催に当たっては、園長、副園長、リーダー3名の計5名でテーマと実施方法を話し合った。交流会は、他園の保育士たちを招き、「1歳児」「2歳児」「フリー」の3つの保育実践発表と、グループディスカッションをおこなった。参加者から大変好評であり、次回開催があったら是非参加したいとの声があった。終了後、園長、副園長、リーダー3名の計5名で検証し、引き続き「子ども主体の保育」の実践をおこなっており、保育の計画に活かしている。今年度も実施する計画だったが、新型コロナの感染防止のため集会によらない方式を模索している。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
園の理念である子どもたちの健やかな発達を保障する高い専門性を追求するすることを課題とし、地区の民間保育園を対象に「保育研修交流会」を実施した。開催に当たっては、園長、副園長、リーダー3名の計5名でテーマと実施方法を話し合った。交流会は、他園の保育士たちを招き、「1歳児」「2歳児」「フリー」の3つの保育実践発表と、グループディスカッションをおこなった。地区の園を含めて、子どもに対しての向き合い方や主体的な保育について学び合い、保育の質の向上につながることをめざし、大変好評を得た。他園の考えを知ることで、園の保育の質が向上している。開催後は、園長、副園長、当日実践内容を発表した3名の計5名で検証し、引き続き「子ども主体の保育」の実践に取り組んでいる。 
  評価項目2 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 理念、中・長期計画に掲げている「地域に根ざした子育て支援を」課題として取り上げた。地域の子育て支援は毎年実施していることであるが、計画する中で、地域の子育て家庭が膨大な情報の中で何を信じどうやって子育てをすればいいか分からなくなっているのではないかと考えた。子育て支援担当職員2名が中心となり、土曜日の午後にお茶会をおこないざっくばらんに話し合う機会を設定した。参加者は2名だけだったが、他園の疑問や意見を話す人もおり、悩みや疑問を話す場の必要性を感じた。開催に対しては検証し、子育て支援担当担当職員が資料を作成して総括会議で報告をおこなった。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
園は基本方針として、「地域との交流を深め、地域を信頼し地域に頼られる子育てのセンターとして、広い視野を持った開かれた保育園を目指す」としており、長年地域の子育て支援に取り組んでいる。その中で昨年度、新たに地域の子育て中の保護者が語り合える場として土曜日の午後に「お茶会」を開催した。参加者は2名であったが、悩みや疑問を話し合うことができた。また、保育所体験事業などその他の子育て支援事業にはたくさんの参加者があった。開催に当たっては、園長、副園長、子育て支援担当職員2名の計4名で計画し、開催後は同メンバーで検証をおこなった。園としては、もっと地域の人々とゆっくり話し合ったりつながる機会を考えたいとしている。そして、地域の保護者の悩みを聞いてアドバイスできるようになり、地域のネットワークの拠点になるとよいと考えている。昨年度末の総括会議で、子育て支援担当職員が詳しい年間総括資料を作成して職員間で共有し、今年度の事業計画に反映させている。 

Ⅵ サービス提供のプロセス項目(カテゴリー6)

カテゴリー6 サービス提供のプロセス
  サブカテゴリー1 サービス情報の提供
  評価項目1 利用希望者等に対してサービスの情報を提供している 実施状況
  標準項目1 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  標準項目2 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  標準項目3 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  標準項目4 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
講評
HPやパンフレット、子育て情報紙で、分かりやすく園の紹介をしている

HPやパンフレット、SNS、子育て情報紙「おおきくなあれ」を活用し、園を紹介している。HPでは園の理念、概要と共に子どもたちの楽しく遊んでいる姿を紹介したり、「見学説明会」について紹介と共に参加者の募集もおこなっている。パンフレットは、クラスや季節ごとの子どもの活動の様子のほか、保健、安全、給食についてカラフルな写真と共に紹介し、さらに地域への子育て支援活動についても紹介している。なお、手軽に利用できるSNSを立ち上げたが、なかなか更新ができず、軌道に乗せることが今後の課題と考えている。

幅広く関係者や関係機関に園の情報を提供している

区の支所にパンフレットを提供し、園の情報紙「おおきくなあれ」については児童館や福祉会館に配付している。また、園だよりは近隣の保育園にも郵送している。子育て情報紙「おおきくなあれ」は地域で子育て支援活動グループとして登録している人や、保育体験や園の見学をした年間で約80~90名の保護者たちにも配付している。

入園希望者への見学説明会は園の様子が分かるよう工夫している

HPや子育て情報紙で見学の日について一般に知らせ、希望者を募り、9月末の土曜日に2部に分けて説明会を実施している。内容はパンフレットに基づいての説明、園内の見学、パワーポイントやビデオを利用し、子どもたちの活動の様子を見てもらっている。さらに給食の試食もおこない、園の様子がわかるように工夫している。日程の都合が合わない人に対しては、状況に応じ、予約を取って個別に実施している。見学は園長又は副園長が対応し、丁寧な説明を心がけている。


  サブカテゴリー2 サービスの開始・終了時の対応
  評価項目1 サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている 実施状況
  標準項目1 サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
  標準項目2 サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目3 サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
  評価項目2 サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 サービス開始時に、子どもの保育に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  標準項目2 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように配慮している
  標準項目3 サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
講評
入園に際し丁寧な説明をし、希望を確認するとともに同意を得ている

区から2月上旬に1次、3月上旬に2次の入園児の連絡があり、2月後半と3月後半にそれぞれ入園面接とオリエンテーションをおこなっている。入園のしおりをもとに園の基本的ルールや重要事項を説明し、説明を受けた確認の同意書、及びSNSやHPでの写真掲載に対する個人情報使用同意書をもらっている。健康診断は各自園医に受診し、書類を提出してもらっている。保護者との面談はクラス担任がおこない、希望等を記録し副園長に提出し、全職員に周知している。アレルギーのある子どもは看護師や栄養士が関わり情報を得ている。

入園時の不安やストレス軽減のため慣らし保育を実施している

慣らし保育は職員の配置を十分におこない、基本的には1日目は2時間、2日目は4時間、3日目は6時間の3日間でおこなっている。保護者が育児休暇を取得中の場合には短時間保育を続けるなど、子どもや保護者の状況に合わせて柔軟に対応している。また、慣らし保育期間を過ぎても不安感が強いときには、必要に応じて職員配置を厚くするなど、子どもに無理強いをしないように、個別に対応している。

卒園後の転園について親子共に不安がないよう工夫し、丁寧に対応している

2歳児までを対象とした保育園であり、卒園後は転園となる。転園後の保護者の不安を軽減するため、父母会が卒園児の保護者による転園後の体験談を聞く会を主催し、園長と複数の職員も参加している。また、職員が付き添って、転園予定の保育園に半日体験入園し、子どもたちの不安の軽減にも努めている。卒園児に対しては、子どもたちの近況報告会を兼ねて、年2回、園庭での泥んこ遊びの機会を設けているが、今年度は雨天のため1回のみ実施し、20世帯参加した。今後は卒園した小学生に対し、園児と遊ぶ機会を設けたいと、園庭遊びを計画中である。


  サブカテゴリー3 個別状況の記録と計画策定
  評価項目1 定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している 実施状況
  標準項目1 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
  標準項目2 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  標準項目3 アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
  評価項目2 全体的な計画や子どもの様子を踏まえた指導計画を作成している 実施状況
  標準項目1 指導計画は、全体的な計画を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
  標準項目2 指導計画は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化に即して、作成、見直しをしている
  標準項目3 個別的な計画が必要な子どもに対し、子どもの状況(年齢・発達の状況など)に応じて、個別的な計画の作成、見直しをしている
  標準項目4 指導計画を保護者にわかりやすく説明している
  標準項目5 指導計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  評価項目3 子どもに関する記録が行われ、管理体制を確立している 実施状況
  標準項目1 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  標準項目2 指導計画に沿った具体的な保育内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
  評価項目4 子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している 実施状況
  標準項目1 指導計画の内容や個人の記録を、保育を担当する職員すべてが共有し、活用している
  標準項目2 申し送り・引継ぎ等により、子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
講評
保育上必要な情報は保護者との面談や連絡帳で把握し、決まった様式で記録している

子どもの心身の状況や生活状況等、保育をする上で必要な情報は入園前に各家庭で記録してもらい、面談で確認し把握している。入園後は登降園時の保護者との会話や連絡帳等を通して把握している。また、5月と1月にクラス別の保護者懇談会を開催し、クラス担任のほか園長、副園長、事務職員が出席し、保護者のニーズなどの確認をしている。これらで得た情報は園で決めた様式や、昨年より導入した保育業務システムを利用し、きめ細かく記録している。

「全体的な計画」を踏まえ、子どもの様子や希望を反映して個別指導計画を作成している

指導計画は、「全体的な計画」をもとにクラスごとに年間指導計画を立て、それをもとに月間指導計画を立てている。月間指導計画は月1回定期的に開催するリーダー会議で検討している。また、個別指導計画は個人面談等の希望を反映して立てている。指導計画、個別指導計画は子どもの状況に変化が生じた時にはクラス会議、リーダー会議、全体会議で見直しをしている。指導計画について、保護者に対してはクラスだよりや連絡帳、懇談会などで伝えている。

子どもの記録は丁寧になされ、全職員がタブレットを利用し毎日確認している

子どもに関する情報は昨年度より導入した保育業務システムを利用し、子ども一人ひとりの状況を記録している。申し送り事項や子どもや保護者の状況に変化があった場合には、伝達漏れがないよう体制表に記入し、全職員が毎日タブレットで確認しており、昼礼の場でも報告している。児童票、発達の資料、アレルギー等子どもに関する記録は事務室内の鍵のかかる書架に保管している。ICT化を図り、パスワードは園長、副園長が有し、各職員は個別のIDを持ち、各々に権限を付けて利用している。紙ベースの方が使いやすいという声もあり今後の課題である。


  サブカテゴリー4 サービスの実施
  評価項目1 子ども一人ひとりの発達の状態に応じた保育を行っている 実施状況
  標準項目1 発達の過程や生活環境などにより、子ども一人ひとりの全体的な姿を把握したうえで保育を行っている
  標準項目2 子どもが主体的に周囲の人・もの・ことに興味や関心を持ち、働きかけることができるよう、環境を工夫している
  標準項目3 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう配慮している
  標準項目4 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
  標準項目5 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
  標準項目6 【5歳児の定員を設けている保育所のみ】 小学校教育への円滑な接続に向け、小学校と連携をとって、援助している -
講評
子どもが安心して主体的に活動できるよう、2歳まで担当制の保育をおこなっている

0歳児から2歳児までの園であり、発達の過程や生活環境の違いによる影響が大きい年齢のため、一人ひとりの全体的な姿を把握しながら環境を整えている。特に食事・排泄・睡眠の生活の場面では、子どもが安心して自主的に活動できるよう、2歳までは緩やかな担当制をとったり、グループ分けをして少人数で過ごすことを大切にしている。いつも同じ大人が関わることで、愛着関係が築け、子どもの個性を受け止めやすく継続的な関りが持てている。また、生活の動線を工夫し、いつも同じにすることで、子どもが自主的に活動できるようにしている。

特別な配慮が必要な子どもには、区の巡回相談を受け、専門的な助言を得ている

保護者や園が、子どもの発達において気になることがあった際には、区の臨床心理士が年に3回来園し、子どもの様子を見て助言している。保護者からの寝つきが悪いなどの相談や、園で気になる子どもの姿があると、事前に子どもの姿や課題を記録して、保護者の承諾を得て、区に提出し来園依頼をする。子どもの様子を直接観察した臨床心理士の、専門的な立場からの助言を担任保育士や副園長などが受け、保育に活かしたり、保護者に伝えたりしている。職員間でも総括やクラス会議などで話し合い、共通理解を深めている。

子ども同士の発達上のトラブルは、双方の気持ちに寄り添いながら関わっている

0歳児から2歳児までの発達段階は、ひっかきやかみつきなどのトラブルが起こりやすい年齢であるため、入園時のオリエンテーションで、基本的な園の考え方と対応についてのお知らせを配付している。トラブルが起こる原因となる発達過程や園での防止方法、子どもへの対応、保護者への対応などをていねいに伝え、保護者の理解を得られるよう努めている。また、子ども同士のトラブルがあった場合には、双方の気持ちに寄り添い、簡単な言葉で話しかけながら、関わり方が分かるようにしている。職員間では情報共有し、トラブル防止に努めている。

  評価項目2 子どもの生活が安定するよう、子ども一人ひとりの生活のリズムに配慮した保育を行っている 実施状況
  標準項目1 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
  標準項目2 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう援助している
  標準項目3 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
  標準項目4 降園時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
講評
送迎時には保護者との対話を大切にし、子どもの様子を全職員で共有している

登園時は、保育士が子どもと保護者に声をかけ、ていねいに受け入れをおこなっている。保護者からは、家庭での子どもの様子や体調を聞き取ると同時に、必ず連絡帳を預かり、その場で内容を確認し、情報の共有をしている。職員間で共有したい内容は、昼礼や「園児メモ」を活用している。降園時も保護者との対話を大切にし、園での様子を伝えている。担任以外でも情報共有ができているため、どの職員でも対応できるが、個別に伝えたいことがある時には、担任が保護者と話せるような当番体制を取り、保護者の安心につなげる配慮をしている。

基本的生活習慣の自立に向け、一人ひとりの子どもに合わせて家庭と協力して進めている

基本的生活習慣の自立に向け、一人ひとりの今の発達状況を捉え、先を見通した支援をおこなっている。連絡帳には、食事、睡眠時間、排泄など、生活習慣を家庭と園との双方で記載していて、子どもの生活を24時間で捉えている。園での様子を細かに伝え、家での子どもの様子を聞き取ることで、一人ひとりに合った方法で開始でき、保護者と協力して進めている。排泄の自立については、個々の排尿間隔や排泄感覚など、発達状況に応じて保護者に今の子どもの様子を伝え、共有しながら家庭と一緒におこなうことを大切にしている。

たくさん遊んで、いっぱい食べて、安心して休息がとれる生活リズムを大切にしている

園での生活リズムの基本的な考えは、「たくさんあそんで、いっぱい食べて、安心して休息がとれる」ことが大切としている。身体を十分に使って遊んだり、友だちとのかかわりを持つことで、自然とお腹が空いてくる。食べたいという気持ちを引き出し、意欲的に食べることができる。お腹が満たされることで眠りを誘い、いつも見守られている安心した環境の中で自然と眠りにつく。このような自然の流れができるように子どもの動線を整理し、いつも同じ動きになるように環境を整え、子どもが自発的に生活できるようにしながら生活リズムを整えている。

  評価項目3 日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している 実施状況
  標準項目1 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
  標準項目2 子どもが、集団活動に主体的に関われるよう援助している
  標準項目3 子ども一人ひとりの状況に応じて、子どもが言葉による伝え合いを楽しみ、言葉に対する感覚を養えるよう配慮している
  標準項目4 子どもが様々な表現を楽しめるようにしている
  標準項目5 戸外・園外活動には、季節の移り変わりなどを感じとることができるような視点を取り入れている
  標準項目6 生活や遊びを通して、子どもがきまりの大切さに気付き、自分の気持ちを調整する力を育てられるよう、配慮している
講評
泥んこ遊びや庭での研究遊びなど、子どもがいきいきと遊べる取り組みをしている

子どもがいきいきと自主的に遊べる環境作りを目指し、プロジェクトを立ち上げ園庭の環境作りに力を入れている。庭の中央には砂で大きな築山を作り、タイヤを置いたり、板で橋を作ったりしている。斜面にはブルーシートを敷き滑り台にしたり、夏には水を使ってウォータースライダーや泥んこ遊びが思いっきりできる環境にしている。また、片栗粉を使って感触遊びや重曹と酢を混ぜ合わせて泡を作るなど研究遊びも取り入れ、子どもがわくわくドキドキするよう取り組んでいる。利用者調査では、泥んこ遊びができるから入園を決めたという声がある。

室内の環境は、子どもの自主性と遊びこめる空間作りを大切にしている

子どもが自ら遊びを見つけ、興味を持って遊べるよう室内環境を工夫している。自分が経験したことが遊びにつながり、イメージの世界で楽しめるように、おしゃれコーナーやカウンターを設置したり、絵本コーナーやくつろぎコーナーを作り、一人でゆったりとできるコーナーも整えている。また、高い所に登ったり、狭い所に入ったりすることができるよう、ベビーベッドを常設している。子どもの挑戦する気持ちを大切にしながら、保護者には、設置に対する園の思いと使い方を知らせ、事前に質問に答え、理解を求めるとともに共有している。

絵本やごっこ遊びなどを日常的に取り入れ、共感の姿勢で言葉を引き出している

絵本の読み聞かせは、子どもと大人のコミュニケーションと捉え、大好きな大人の膝の上に座り、くっついている時間は安心する癒しの時間として大切にしている。繰り返し見ていく中で、物の名前を覚えたり、同じものや違うものの区別が解るようになり、言葉に置き換えながら共感し応答することで、自然と言葉を引き出す取り組みをしている。また、廊下に「みつばち図書館」を設置し、絵本を自由に家庭に持ち帰り、一緒に読んで楽しみ、子どもと共感することで、子どもへの理解にもつながり、さらに言葉を引き出せる取り組みとなっている。

  評価項目4 日常の保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している 実施状況
  標準項目1 行事等の実施にあたり、子どもが興味や関心を持ち、自ら進んで取り組めるよう工夫している
  標準項目2 みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
  標準項目3 子どもが意欲的に行事等に取り組めるよう、行事等の準備・実施にあたり、保護者の理解や協力を得るための工夫をしている
講評
行事は日々の遊びの延長と考え、子どもが楽しく興味を持って参加できるようにしている

季節の歌や絵本、普段の遊びを通して、日々の生活の中に行事があることを知らせ、興味・関心を持ち、楽しく参加できるように心がけている。運動会では、0歳児は「へんしんトンネル」と競技名をつけ、日頃楽しんでいるトンネルくぐりをしたり、歌の好きな1歳児は、「犬のおまわりさん」の歌をモチーフに、保護者と一緒に歌ったり、走ったりしている。2歳児は大好きな恐竜をテーマに、いつも遊んでいるタイヤを使ってジャンプし、保護者と探検に行くストーリーになっているなど、興味を持って楽しく参加できるようにしている。

保護者参加の行事は事前にお知らせし、行事後は感想や要望を集約し、次につなげている

入園説明会や保護者会で年間行事予定を配付し、あらかじめ予定を組んでもらえるようにお願いしている。保護者参加の行事は土曜日に設定し、多くの保護者が参加しやすいように調整している。また、園だよりやお知らせ、玄関への掲示やHPでその都度知らせている。運動会やお楽しみ会など、行事に向けて取り組む子どもの姿をおたよりなどで伝えることにより、家庭でも会話が弾むように努めている。行事後は、アンケートを実施し、保護者の感想や要望などを集約して、次年度の行事に反映するようにしている。

父母会として保護者が役割を持ち、職員と連携して行事に取り組んでいる

保護者は、独自に父母会を立ち上げ、子どもたちが楽しめるよう、職員と連携して行事に取り組んでいる。父母会は会長、副会長、各クラス代表で構成している。夏まつりや運動会、バザー、転園を祝う会など様々な行事に、1世帯一つの役割を持ち取り組んでいる。また、行事に取り組む様子や結果などは、園からおたよりやお知らせなどの配付があるが、父母会独自でも父母会だよりとして発行し、保護者の視点から捉えた内容となっている。保護者と職員が連携して行事を進めることで、信頼関係が築け、子どもの育ちを共感できるようにしている。

  評価項目5 保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている 実施状況
  標準項目1 保育時間の長い子どもが安心し、くつろげる環境になるよう配慮をしている
  標準項目2 保育時間が長くなる中で、保育形態の変化がある場合でも、子どもが楽しく過ごせるよう配慮をしている
講評
保育時間の長い子どもが、安心して過ごせるよう職員を配置している

保育体制は、開園時から8時までは合同保育をおこなっている。8時からは0歳児が登園してくるため、0歳児室で受け入れし、安心して過ごせるように配慮している。9時からはクラス別の保育をおこなっている。17時からは担任保育士から当番保育士に引き継いでいる。0歳児は17時30分より1歳児と合同保育をおこない、18時からは子どもの様子を見ながら2歳児が少しずつ合流するなど、子どもの様子に合わせて柔軟な対応をおこなっている。延長保育は、現在の利用者は少ないが、職員2名で保育をおこなうことができる職員配置としている。

延長保育時のおもちゃの補充や空間の充実など、さらなる工夫が期待される

保育室の環境は、子どもが自主的に遊べるようなコーナー作りを大切にしている。保育時間の長い子どもが、一人でゆっくりとくつろげるよう、ソファーやマットを設置し、ごろごろ出来るようなコーナーを作ったり、狭いスペースが好きな子どもの姿を捉えて、中に入り込めるような場所も設置し、一人の時間が作れる工夫もしている。おもちゃの設置については常設しているものだけではなく、少人数でできるようなおもちゃを用意している。しかし、延長保育用におもちゃや空間を充実させることが、今後の課題と考えており、さらなる工夫が期待される。

  評価項目6 子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している 実施状況
  標準項目1 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
  標準項目2 メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
  標準項目3 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している                                                                                        
  標準項目4 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
講評
献立は薄味で、季節を感じることができるよう、旬の野菜や果物を取り入れている

給食年間計画では、食を通して五感を育むことを目標とし、食べることが楽しいと思えるように、様々な工夫をしている。味付けは、だしをしっかりとり、薄味にしている。旬の食材を使い、地元の商店街で調達した魚や肉を使ったり、おやつには毎日果物を提供し、季節を感じられる献立にしている。今年度は、栄養ソフトを導入したことで栄養価が把握しやすくなり、献立にも反映されている。献立は1か月ごとに2サイクルで繰り返しているが、同じ献立でも喫食状況によっては、味付けや切り方を変えるなど工夫している。

アレルギーがある場合の対応や離乳食など、個々の状況に応じた細やかな配慮をしている

アレルギーのある子どもへの食事の提供は、保護者に栄養士・看護師が面接して聞き取り、医師からの指示書をもとに対応している。離乳食では、初めて食べる食材は家庭で試してから使用している。食事の提供は、間違いがないようトレーに載せ、柄のついたお皿に替え、調理室内でダブルチェックし、担任と読み合わせするなどマニュアルに沿って提供している。離乳食の進め方は、月齢や個々の発達などに合わせて、柔らかさや大きさを調整しながら進めるようにし、保護者には園の様子を伝えながら一緒に取り組んでいる。

野菜を栽培し、目の前で調理し食べることで、さらに食に興味が持てるようにしている

食育として、野菜に興味が持てるように、1歳児は野菜に触れ、2歳児はプランターで野菜を育てている。野菜に触って「やわらかいね」「冷たいね」と感触を楽しみ、匂いをかいでみる経験をすることで、その野菜を使っている給食にさらに興味が持てている。2歳児はナスやキュウリを栽培し、当番活動として水やりをすることで身近に感じ、野菜の成長を喜び、食べることに期待を持つようになっている。収穫した野菜は、栄養士が目の前で切ったり茹でたり炒めたりし、それを食べることで、さらに食に興味を持てるようにしている。

  評価項目7 子どもが心身の健康を維持できるよう援助している 実施状況
  標準項目1 子どもが自分の健康や安全に関心を持ち、病気やけがを予防・防止できるように援助している
  標準項目2 医療的なケアが必要な子どもに、専門機関等との連携に基づく対応をしている
  標準項目3 保護者と連携をとって、子ども一人ひとりの健康維持に向けた取り組み(乳幼児突然死症候群の予防を含む)を行っている
講評
手洗い指導では、汚れを目で見るなど興味が持てるような工夫をしている

年齢の小さな子どもでも、健康や安全に興味を持ちやすいように、様々な取り組みをしている。手洗い指導では、目に見えない汚れを知らせるために、専用のローションを汚れに見立てて手に塗り、普段通り手を洗い専用のライトを当てると、洗い残した部分が光り汚れを目で見ることができる。それにより子どもが手洗いの意味を知り、興味を持つことができている。うがいの指導では、うがいが難しい年齢だが、頬を膨らませることを知らせることで、少しずつぶくぶくうがいができるような取り組みをおこなっている。

子どもの健康管理については、看護師を中心に嘱託医と連携して対応している

子どもの健康状態は、看護師が中心となって把握している。嘱託医による定期健診は0歳児は月2回、1・2歳児は月1回おこなっている。身体計測は0歳児は月2回、1・2歳児は月1回計測している。また、半年ごとに胸囲や頭囲の計測をしている。その結果は健康記録に記録し、その都度保護者に伝え、子どもの成育を共有している。歯科検診は年2回実施するが、今年度は新型コロナの対応のため、1回となっている。個別に配慮が必要な場合や医療的ケアが必要な子どもがいる場合には、嘱託医と連携して対応している。

情報は、ほけんだよりやHPを通じて発信し、積極的に保護者との対話から共有している

毎月発行する園だよりやほけんだよりに、保健や感染症に対する情報を掲載するほか、HPや掲示も活用している。季節ごとの感染症は、流行前に予防策や罹患してしまった時の症状や対応策などを知らせている。感染症が発生した場合には、すぐに保護者に伝えている。新型コロナの対応については、園の思いを伝えながら、保育上の対応には限界があることを、保護者が理解し協力してもらえるよう看護師から発信している。乳幼児突然死症候群については、新入時、進級時に睡眠時の体位や注意事項などを保護者に伝え、防止に努めている。

  評価項目8 保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して支援を行っている
  標準項目2 保護者同士が交流できる機会を設けている
  標準項目3 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
  標準項目4 子どもの発達や育児などについて、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
  標準項目5 保護者の養育力向上のため、園の保育の活動への参加を促している
講評
送迎時の会話や連絡帳の活用で、保護者との信頼関係を築いている

送迎時には会話を大切にし、連絡帳を活用しながら常にていねいな対応を心がけている。職員は子どもの状況などを昼礼で確認したり、個人メモを共有することで、誰でも保護者に声をかけたり、その日の様子を伝えることができるようにしている。コミュニケーションを図ることで、保護者が悩みを相談したい時に、気軽に相談に応じられるように心を配っている。利用者調査でも、日々の連絡帳がきめ細やかで子どもと共に一日を振り返っている、心配ごとの相談は担任以外のどのスタッフにも気負わずでき助かっている、など信頼感が高い。

行事の参加を通じて、保護者同士の交流や保護者と園との連携を深めている

保護者は、父母会として園の行事に積極的に参加し、職員と連携して取り組んでいる。バザーでは、地域の人も参加でき、事前に品物を集め、当日はたくさんの人が集まり、交流の場として人気の高い行事となっている。保護者は、集まった品物に値段を付けるなどの準備をしたり、一緒にお店を担当することで情報交換をしたり、共通の話題も増えている。また、懇談会では、子どもの育ちについて意見交換したり、子育てで気になることなどを話題にし、保護者同士が積極的に話せる機会をもち、交流を深める場としている。

子どもの育ちに必要なことは園だよりなどで伝え、保護者と共有している

毎月、園だよりやほけんだよりなどを発行して、月の行事やお知らせ、子どもの様子や季節ごとの話題について情報提供をしている。毎月クラスごとにおたよりも発行し、子どもの様子を知らせたり、子どもが好きな歌や手遊びをタイムリーに紹介したりし、家庭で子どもと共通の話題が持てるように工夫している。また、年1回公開保育を実施し、保護者向けに給食体験も実施している。園と家庭での子どもの姿の違いを感じ、子どもの育ちについて保護者との共通認識が得られるよう努めている。なお、希望者には随時個人面談も実施している。

  評価項目9 地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている 実施状況
  標準項目1 地域資源を活用し、子どもが多様な体験や交流ができるような機会を確保している
  標準項目2 園の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
講評
近隣の消防署に行くなど地域資源を活用し、様々な経験ができている

近隣には消防署があり、消防車をみたり、消防署員に声をかけてもらうことが、子どもたちのお気に入りの散歩コースになっている。また、「中高生プラザ」を活用し、児童館で遊んだり、図書館で自分の好きな本を選んで見たりしている。公共の施設を利用することで、普段経験できない公共施設でのルールなどを、少しずつ知る機会になっている。地域の商店街には、散歩で出かけ、実際に買い物をする経験をするなど、地域資源を活用し、子どもが園ではできないような、様々な経験ができる取り組みをおこなっている。

保育所体験などの行事を通じて、地域と園の子どもが交流する機会がある

地域の子育て支援の行事に積極的に取り組んでいる。保育所体験では、毎回各クラス1組の地域の親子が参加できるようにしている。参加する子どもの年齢と同じクラスに入ることで、様子や発達がわかりやすく、子どもへの理解を深めることを目的としている。地域の子どもと一緒に遊んだり、食事をすることで、子どもにとってもいつもとは違った関わりが持てるようになっている。焼きいもは、地域の親子にも人気の行事となっており、募集人数がすぐにいっぱいになってしまうほどで、園庭で一緒に楽しむ行事となっている。

地域の商店街などを巻き込み、子どもの生活の幅が広がる保育の実践を模索している

事業運営の基本方針では、地域との交流を深め、地域を信頼し、地域に頼られる子育てセンターとして、広い視野を持った開かれた保育園を目指している。保育の実践を地域に広げ、地域のネットワークづくりに貢献しようと考えているが、0歳児から2歳児の乳児の保育園であるという点や新型コロナ予防や対策などから、現状では課題が多いと感じている。今後は、地域の商店街や取引をしているお店などを巻き込んで、地域に在住する園の子どもが、いろいろな経験ができるよう、アイデアを出しながら取り組むことが期待される。


  サブカテゴリー5 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
  評価項目1 子どものプライバシー保護を徹底している 実施状況
  標準項目1 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目2 子どもの羞恥心に配慮した保育を行っている
  評価項目2 サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している 実施状況
  標準項目1 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
  標準項目2 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した保育を行っている
  標準項目3 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
講評
プライバシーの保護に配慮している

受診や転園のために子どもに関する情報を外部に発信する必要性のある場合には、入園時に同意書をもらっている。また、HPでは園児たちの様子の写真を掲載している。HPの写真は4、5年おきに更新しているとのことであるが、写真掲載についても入園時にあらかじめ保護者から同意を得ている。子どもの人権や尊厳を大切にする保育を心がけており、着替え時ロールカーテンで目隠しをしたり、全裸にならないように工夫をしている。

子ども一人ひとりを大切にした保育をおこなっている

園の保育方針に、「私たちの目指す子ども像」として「人を大切にし、自分を表現できる子ども」と掲げているように、子どもの気持ちを大切にし、気持ちを汲み取る対応を心がけている。具体的には子どもの生活リズムを大切にし、否定的な言葉を使わないようにするなど、職員は忍耐強く子どもたちに接している。利用者調査では、親以上に寄り添ってくれていると感じる、忙しい中でも一人ひとりの子どもをよく見て尊重して保育をしてくれていると感じる、などの声があり、園の対応を評価する声が多い。

子どもや保護者の価値観を尊重し、良好な信頼関係を築けている

子どもや保護者の生活習慣や価値観を尊重した保育をおこなうよう努めている。利用者調査では、子どもの“育とうとする力”を信じ尊重しながら子育てをしたいという家庭の方針と合致している、などの声があり、保護者は園の方針を理解したうえで入園し、安心して子どもを預けていると思われる。保護者の間では独自に父母会が結成されており、役割分担をして園の行事などの活動に協力している。また、園に対する要望も父母会で話し合われるなど、保護者にとっても要望の声を上げやすい環境作りに役立っており、良好な信頼関係を築けている。


  サブカテゴリー6 事業所業務の標準化
  評価項目1 手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  標準項目2 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  標準項目3 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
  評価項目2 サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  標準項目2 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている
講評
保育上の確認事項や危機管理など、各種マニュアルを整備している

業務の標準化を図るために、不審者対応マニュアルや重大事故発生時フローチャート等の危機管理マニュアル、クラス運営と保育上の確認事項のほか、保育コミュニケーションや職場体験等に関する保育のマニュアル、その他健康管理上の課題に対応する保健のマニュアルなど各種マニュアルを整えている。危機管理マニュアルは各人に配付し、全体で読み合わせ、内容の検討とともに周知を図っている。他のマニュアルについては事務所に保管しており、職員は必要な時に利用している。

研修や各種会議、園長面談等を通し、業務水準の向上に努めている

業務水準の向上のために、職員の研修には力を入れ、研修計画を立て受講を図るとともに、新人の育成については個別に担当職員を付け育成計画を立て、OJTを中心に指導している。職員は各種会議で自由に意見交換をするほか、園長面談を通して各自の目標について話し合い、個別に意見・要望を伝えている。また、年間総括の場で職員一人ひとりが実践報告や総括をおこなっている。さらに、地区の保育園との保育研修交流会を開催し、職員が実践報告したり、他の園の職員と意見交換をおこなうことで、スキルアップを図り保育内容の向上につながっている。

会議の場で勤務経験の少ない職員が発言できる工夫が望まれる

業務水準の向上のためには多様な意見が必要と考え、職員が常に話し合える環境を整える工夫をしている。しかし、会議の場などではリーダークラスの職員等先輩職員が意見を述べるようになってきてはいるが、経験の少ない職員は発言しないことが多い。個別に指名すれば意見を述べるが自発的に意見を述べることは少ない。職員自己評価のなかにも、会議の場で発言しにくいという声もある。少人数での話し合いや、会議の規模を小さくしたり、話しやすい雰囲気を作るなど経験の少ない職員がもっと積極的に発言できるような工夫が望まれる。