東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

方針としてお子さんの安全を第一にあげ、「子ども一人一人と向き合い第二の家のように」を理念として大切にしている。職員へは入職時の他に、職員会議で、命を預かる揺るぎない姿勢と責任感について、具体的実現の方法など意見交換の場を持ち、技術やチームワーク向上の基本方針と共に理念の浸透を図っている。保護者の安心にも重点を置き、運営委員会等で方針説明の他、少人数の園ならではの子どもだけでない保護者へのきめ細かいサポートでアンケートでも高評価を得ており、方針の周知と実践に繋げる取り組みを行っている。

園長主任会議を置き、園運営への意識共有を図りつつ、園長とが中心となって主任がサポートを行っている。法人代表も、定期的に園を訪問して園長支援の他、毎回職員会議に出席し現場職員との意見交換で、経営層と現場の意思疎通を改善し、法人代表の園外での職員個人面談で、個々の背景や悩みをサポート、円滑な運営のための役割を担っている。個人面談で、職員の意志を確認しながら目指す方向を示し、職員アンケートでも方向性が見えてきた等の意見も伺え、園長は直接保育へ入り職員指導等、実務へ繋げる支援を行っており、園運営を牽引している。

重要な課題に対して、法人運営に関わる内容、例えば定員の変更等に関しては、法人代表から園長へ相談、検討し、法人代表が決定後、職員会議にて園長が経緯と共に説明、文書として配布し周知している。園では園運営の中核として職員会議を位置付けており、職員の人事等や実務に関わる重要課題は、毎月の職員会議で決定し、日々の会議の中で、報告周知されている。決定事項は必要に応じて保護者にも、年２回運営委員会や保護者会だより、文書等で配布して伝え、玄関の掲示ボードに貼り出し、漏れのない周知に努めている。

園では保護者とのコミュニケーションを大切に考え、日々の対話、保護者会アンケートを収集分析、フィードバックを行い意向を捉えて子どもと家庭の個々を尊重した支援に繋げている。職員からの待遇等への意見等に対し、処遇改善の検討等を行っている。商工会参加や警察署など公共機関とも連携して地域情報を収集し、東京都認証保育所協会へ加入し業界動向を得て、保育園の保険保証問題などリスクへの対応に活かしている。運営委員会、職員会議で経営情報を積極的に開示し、一緒に課題検討するなど信頼構築にあたり、経営環境の整備にあたっている。

法人としての理念や方針を実現するため、中長期計画として、立地改善や安定した事業継続のための経営課題への取り組みなどを構想している。単年度計画に際して、抽出された課題を踏まえたた計画を策定、実施している。事業計画では保育要請学校との連携を始め、特に職員の定着を見据えたキャリアアップ や技術向上には力を入れており、人材育成に置いて管理者育成のための専門的研修やマネジメント研修を取り入れた計画策定を行っている。個別スキルアップのための年間研修計画、リスクマネジメントの一環としての避難訓練計画などを策定している。

園全体の計画に対しては、園長が月毎に進捗を把握し、職員会議で確認した上で見直しを図っている。避難訓練等、安全に関する計画は園長を防火管理責任者としておき、園長が管理実施し、安全対策を職員と図りながら随時見直しを行っている。職員育成に対し、個人面談を年２?３回及び必要に応じて実施し、進捗や達成度を職員と確認しながら、本人の意向を踏まえて話し合いながら、園長と共に今後の方針や見直しを行っている。目標管理に関して管理シートを取り入れるなど、法人としてのボトムアップも必要と考えており、今後の取り組みに期待したい。

保育人としての教育は新任研修や全国保育士会倫理綱領、人権に関する冊子の読み合わせ、職員会議内で付箋等を使い後からの抱き抱えはどう感じるかなど、実践を想定した研修を行い日常保育に活かしている。入職時、守秘義務に関する覚書を交わし、コロナ禍の臨時休園時の特別保育において保護者職業が耳に及ぶ等の実例を通した研修を行う他、マナー研修を実施している。クラス担当を超えた体験研修を通して、年齢に対応した感じ方等への理解を促し、職員会議内で態度や姿勢について相互に確認する機会を設けるなど、個人を尊重した保育に努めている。

保護者の声は、アンケート、日々の対話から得ており、噛みつき等に対して即時園の対処や謝罪、難しいご意見も運営委員会に図り、ご意見のあった場合は速やかな対応を行い、保護者からの評価も高い。苦情窓口は重要事項説明書に明示し、園内にも掲示して周知している。虐待防止へは、健康チェック表、着替え時視診、休園明けの子どもの様子から家庭の様子も確認、疑いがある場合は子ども家庭支援センターに繋ぎ、ご家庭に合わせ相談窓口を紹介している。職員へは勉強会や研修、支援センター巡回時の内部研修等、子どもを守る意識を高めている。

園の情報は、ホームページ、行政の保育園案内、幼稚園へのパンフ配布、運営委委員会などで提供し、広く開示している。ボランティアや実習生は要望があれば受け入れ体制を整え、守秘義務等の説明をしている。園では見学を随時実施しており、見学者から子どもの成長などの相談を受け、必要に応じて専門機関への紹介等を行っている。また、AEDの貸し出し、学校110番など地域への貢献も行っている。認証保育所事業者連絡会、地域ブロック会、行政、教育委員会と連携し、地域のコロナ対策などを議論し、地域の課題解決に協力している。

法人としてリスクへの優先順位は広く全般を方針とし、リスクそれぞれへの対策を法人統一マニュアルに基づいて、職員会議を通じで講じている。特に交通量の多い立地から散歩時の安全対策は子供飛び出し注意の看板設置と職員意見でベストの反射板、赤色点滅誘導棒を採用、危険箇所を園長が確認し、交通安全指導など、園独自の対策をとっている。危険物、SIDSチェック、ヒヤリハットは健康チェック表に記載して共有し、環境チェックを実施している。感染症では換気を重視、侵入に対して催涙スプレーの用意、災害に備え備蓄等対策を実施している。

事業継続計画は法人として法人統一マニュアルにて運用し、園独自に策定している。マニュアル類は、新年度に定期的な見直しを園長と行っている。園内マニュアルは園長が月毎に確認を行い、必要に応じて随時見直しを行っている。コロナ感染症対応として、手洗い・消毒手順の変更などPDCAを実施している。職員へはマニュアル配布・説明を行い周知している。職員会議で、エピペン研修、誤飲研修、消防署によるAEDや救命講習も行い、職員へのリスクへの対応力の向上に努めている。保護者へは引き取り訓練を実施し、入園時、保護者会で説明している。

情報管理は運営規定に定め、個人情報に関する取り扱いを明示し、保護者からは契約時「個人情報についての覚書」を頂いている。秘密情報は施錠庫にて管理し、必要に応じて園長の許諾で閲覧を可能とし、園外への持ち出しを禁じている。データの管理は秘密情報のあるパソコンと職員用パソコンを別に用意し、アクセス権を園長に定め、管理を徹底している。職員へは個人情報に関する研修を実務に即して園内で行い、漏洩防止に努めている。情報開示について、重要事項説明書にて説明し、同意を頂くなど、管理基準を定めてリスク回避への対策をとっている。

園では社会人・保育人としてのバランスを持った責任感のある人を求める職員像とし、人材派遣会社の活用で広く募集を行っている。保育士専門学校との連携により実習生を受け入れる他、保護者の採用も行っている。在職中の人材を大切に考え、法人代表は毎月の職員会議への出席、個別相談等で、コミュニケーションの機会を多く設け、信頼構築に努め、園長の職員指導の工夫等と合わせ、離職率低減に繋がっている。必要に応じて姉妹園への異動も実施している。キャリアパスは、給与規定に示され、連動して個人面談によって人材育成計画を策定している。

職員会議を活用した多様な園内研修と行政等主催の外部研修を、専門性、役職に合わせ個人別研修計画策定して実施し職員の育成に努めている。研修にあたり、パート活用で研修時間を確保する工夫も行っている。個人面談でその成果を確認し、本人と相談しながら計画を進め、見直しを行っているが、成果の指標としてのツールや目安の設計が曖昧な面もあり、今後の導入に期待したい。園では、合同保育を朝、夕取り入れる他、姉妹園との交流保育を行い、園内、園外で指導する職員と共に互いに対応への気づきを与え、職員の質の向上を組織的に支援している。

個人面談、反省会、日常の様子等から職員を評価し、給与規定に基づき、適切な処遇への対応を行っている。有給休暇取得において、子ども優先を理解してもらうよう努め、シフト管理を園長が行い本部でチェックしている。法人代表は気軽に職員から個別相談をLINEにて受け、意識を把握し、意欲の向上にも努めている。多様な機能を備えた職員会議は、気楽に発言できる環境で人間関係の構築、研修発表でスキル共有、気づきの共有、行事合同推進でチームワーク発揮の場として、意欲の向上と共に、組織力の向上としての役割を担っている。

ホームページで園の情報を提供、ほのぼのと温かみのある色彩や愛らしいカットを使用、「子どもが自分らしく居られる場所として丁寧に愛情を込めて子どもの成長を見守る」との園の保育方針、施設概要や料金、子どもの笑顔満載の年間行事等を紹介している。通りに面した玄関入口は思わず足を止めたくなるようなやさしい季節感のあるカットで装飾、空き情報、入園対象年齢等を掲示し園の存在を伝えている。HPは姉妹園にもアクセス可能とし、施設概要を載せた簡便なリーフレットを幼稚園に置いてもらう等、入園希望者等への選択の利便に対応している。

園の空き情報を毎月行政の担当課にメールで報告、行政のHPに掲載され地域に反映されている。また、行政が発行する保育冊子にも情報を掲載し提供している。東京都認証保育所協会、地域の保育園連絡会ブロック会に参画、例年は行政等も同席し制度や指針の変更内容の説明や確認、所在地域の子どもを取りまく課題やニーズの理解、虐待防止や感染症対策等の学び、互いの園の取り組み等を共有、発達に関する課題や学びは家庭支援センターや発達支援センター等と連携、加入している地域の商工会議所のイベント等にも参加し地域に園の存在を伝えている。

見学等は希望者の都合に応じて園長が対応、希望が無い場合には10時や13時半頃をお勧めし、時間をかけた説明と活動の様子等を余裕をもって見て頂ける様に配慮している。保育の様子が伝わる写真ファイル等を用い、保育方針、一日の過ごし方、年間行事、保育料、小さな園こその行き届いた保育や円滑な意思疎通等を説明、質問にも応じて疑問が残らない対応に努めている。入園を急ぐ等は近隣園の情報や姉妹園の紹介、発達や家庭保育の悩みには寄り添い必要に応じ相談機関等を紹介する等個別の事情に配慮し、待機中の育児相談対応等も紹介している。

入園前には契約書や重要事項説明書、園の過ごし方や持ち物等を紹介する資料等を読み合わせて説明し、内容を充分理解した上で署名・押印を頂いている。元気に過ごす為の生活リズムや身体の清潔等の大切さ等をお伝えし、入園準備品について説明、病気や体調不良時の対応や緊急連絡先等を確認して園と家庭の連携をお願いしている。見学から入園迄の期間が空いた場合には再度の見学、面談を要請、面談等では子どもの出生から入園までの様子、家庭の情報等を伺って児童票に記録、家庭での子育て観等も把握して個人別月案と保育に反映している。

面談や契約時には子どもの心の安定に繋がる慣らし保育の重要性を説明、保護者の納得を頂き、初日は９時から１０時でスタートし原則５日間の協力を依頼、細かな計画をたて、水分や食事の摂取、午睡、感情表出が出来ること等を完了の目安としている。手放せないタオルや玩具等の持参も認め、見える所に置いて安心、マンツーマン対応や抱っこやおんぶ等で心の安定に繋いでいる。送迎時には泣いていても、園では元気に過ごせた様子等をカメラに収めて保護者にお見せする等で保護者の思いにも配慮、新しい生活の安心のスタートを支援している。

引越しや転園等、中途転園の子どもは各クラスでお別れ会を行いアルバム等を贈っている。年度末には２歳児とその保護者が出席して修了式を行っている。卒園児はしっかりと自分で歩いて修了証の授与を受け、修了証を保護者にありがとうの言葉と共に届け、制作物やアルバムの贈呈、卒園児の歌、保育士のハンドベル、保護者代表の謝辞、集合写真の撮影等々、子どもの成長を実感する感動の時間を共有している。在園児とはお別れ給食会の機会も持っている。保護者には何時でも相談に来れる事を伝え、夏まつりにも招待する等支援を継続している。

出生から入園までの子どもの様子や家庭の状況等は入園時に利用申込書や児童票で把握し、入園後の園での様子や日々の活動、子どもの状況は週案・保育日誌に記録し保育に繋げている。毎朝受け入れ時には保護者から前夜からの家庭の様子を伺い、視診、連絡帳の記載内容等で子どもの様子を把握、身体的な状況は健康チェック表に記録してその推移を把握している。保護者の「個性を伸ばしたい」等の子育て観や「お友達と仲良くできているのか」等の心配事は保護者会、保護者と園の要請で随時行う個人面談等で確認し、月案、週案、個人別月案に反映している。

園では保育所保育指針に基づき各計画を作成、３月に振り返りを行って全体的な計画や年間保育計画を作成、月案、個人別月案は毎月末に、週案は週末に其々園長に提出している。園長は「行事等はねらいが明確になっているか、個別計画はその子の発達に見合った内容になっているか」等を助言している。週案には雨の日の取り組み等も明示、子どもの数や健康状態等で計画を変更する場合には都度園長に相談して変更実施している。各計画は保護者会、毎月の園だより、個人別月案は送迎時や個人面談等で保護者に開示し、保護者との連携に繋いでいる。

職員間の情報共有は朝礼、毎日の午睡中の時間を有効活用した申し送り等で取り組んでいる。日々の子どもに関する情報は健康チェック表、複写式の連絡帳、週案・保育日誌に記録し、申し送りはクラス代表が集まり全クラスの情報共有で職員全員が園全体、子どもの状況を理解して適切な関わりが出来るようにしている。職員会議は研修や外部会議の報告で制度や保育の現状の理解、保育スキルのアップ、行事の内容や進め方等、園の全般に関わる内容を検討、日々の保育実践に繋いでいる。健康チェック表に申し送り欄を設け、確実な情報共有に努めている。

子どもの全体的な姿は児童票、登園時の保護者報告や連絡帳、活動や子どもの様子、健康状態は週案・保育日誌、健康チェック表、発達チエック表等に記録、把握している。発達に合わせた玩具や絵本、遊びを選べる玩具配置、散歩で交番や商店、お年寄りと挨拶、犬や猫の動き、おたまじゃくしの成長に興味津々、季節の花や風の音、長靴を履いて雨の日散歩、芋ほり等収穫体験、伝統行事や手遊び、楽器や造形等を通し、人、もの、ことへの興味や関心に働きかけている。微細運動や身体を動かす機会の提供等で一人ひとりの発達に応じた支援に取り組んでいる。

年齢や文化・習慣の違いを自然に受け入れる保育に取り組んでいる。散歩の支度等では年上児やお友達の様子を真似て靴下や靴を掃く、上着に袖を通しボタンをはめる等に挑戦、合同保育では年上児が年下児を抱っこやなでなでで慈しみ、玩具を貸したり、遊び方を教えたり、年上児と同じ遊びに挑戦する等の微笑ましい姿が見られている。ハロウィン等の行事や絵本等を通して他国の文化に、行事に因んだ給食で外国の食習慣に触れる等の機会を提供している。要請があれば意思疎通に工夫し外国籍の子どもや保護者も積極的に受け入れる用意がある。

園では保護者や発達センター等関係機関との連携、巡回相談の助言等を受けながら、特別な配慮を要する子どもが他の子どもと関わりながら共に成長することを支援している。噛みつき等は保護者会で言葉で気持ちを表せない子どもが通る成長過程である事を伝え理解を促し、怪我の予防を最優先に、加害児・被害児両者の思いに寄り添い、「どうしたかったの、痛かったね」等と気持を言葉に代えて伝え仲介している。被害児童の保護者には事実を報告し謝罪、加害児童の保護者には同じ事が続く場合には面談等でその原因等を共に考え対応策を講じている。

登園時には保護者から子どもの前夜からの様子を伺い、連絡帳に目を通し、検温や顔色、活気、皮膚状態等を視診して受け入れている。休日の翌日は誰とどのように過ごしたか等も伺い、体調が万全ではない場合等は食欲や機嫌、保護者の意向を擦り合あわせ、戸外遊びや夏季のプール、食事、午前寝等の配慮の要否を検討し日中の保育活動に反映している。連絡帳は２４時間の時系列で食事や睡眠、入浴、更に園での過ごし方を記入、家庭と園の夫々の様子を記述する複写式書式を使用、子どもの成長の一こまが記される個人記録としても活用している。

基本的な生活習慣の習得は個人差に配慮、年間・月間・週間計画に位置付け丁寧に取り組んでいる。各年齢の発達の特徴、生活習慣の大切さ、生活自立は個人差がある事等を入園説明会や保護者会等で伝え、０歳の月間計画に成長の過程を明文化し支援指針とし、手洗いの習慣や午睡前の着替え、トイレトレーニングは排尿間隔やトイレに座っていられる等でスタート、食事は手掴みからスプーン、フォークに家庭と連携して進めている。登降園時の挨拶、頂きます等のマナー、玩具の片付け等は保育士を手本に習得、出来た時は思いっきり褒め喜びを共有している。

午睡は一人ひとりの状況に配慮、１歳位迄は子どもの体力等に合わせ午前寝も取り入れている。眠れない子どもは職員が寄り添いトントンする等眠りを誘い、眠れない子供は布団で静かに絵本をみながら身体を休ませている。起床時は自然の目覚めを待つようにしている。降園時は「お帰りなさい。お疲れ様」と保護者を労い、「出来た事、褒められた事、興味を持った事」等を具体的に伝えている。初めての寝返り、あんよ等は「そろそろかもしれませんね」と予告、初めて瞬間に立ち会う喜びを家庭で体験する等、家庭保育の楽しみに繋がるように配慮をしている。

本年は、コロナ感染予防対策として、活動を自粛している。戸外保育の基本を散歩に置き、散歩先など子どもの声も受け留め、週案に位置付け、行き帰りで、近隣住民と自然な挨拶、街探検では交番のおまわりさんと触れ合い、八百屋に買い物体験等人との関わりを学んでいる。散歩先の遊具を活用、自主的な遊びに繋げ、身体発達に生かしている。室内活動では、ミニカーやブロック、ぬいぐるみ等好きな玩具を手に取り楽しめる環境があり、本棚も手が届くように設置している。子どもを観察、子どもの興味、主体性、自発性発揮に取り組んでいる。

子どもの豊かな感性、創造力等、発達を意識し実践。毎日、朝の会やお帰りの会で出席を取り、皆でご挨拶、切り替え絵本や読み聞かせ、紙芝居等を取り入れ、大人が美しい日本語を使用し、子どもの見本となり、言葉の大切さを伝えている。毎月の制作活動は、野菜スタンプ等、季節や行事を意識、子どもの感性と創造力を十二分に引き出し、アルバムや持ち帰り、贈る物等楽しんでいる。造形やリトミック等月２回外部講師により活動、カスタネットや太鼓、マラカス等音楽に取り組んでいる。日々の練習成果を披露する運動会やお遊戯会等に取り組んでいる。

戸外活動の基本は散歩で、交通ルールを学び、近隣公園や交番、八百屋さんに買い物体験等街探検、ハロウィンには商店街に繰り出し、楽しんでいる。カエルを発見、帰園後図鑑で確認、ブルーベリー狩り、小学校体育館での運動会、夏のプール等園外で活動している。手洗い、うがい、洋服の着替えはズボンの置き方、手の通し方等も楽しみながら生活自立に取り組んでいる。トイレトレーニングで順番を待つ、玩具の譲り合いや順番で遊ぶ、季節の共同制作や散歩等友だちと交流、食事マナー、日課の中で正しい挨拶や感謝等を伝える心の調整に繋げている。

子どもが主役の行事活動に取り組んでいる。本年は、コロナ感染予防対策として、外出、交流行事を自粛、園内行事に留めている。七夕や運動会の飾り付けを子どもが中心に行い、行事前、絵本や紙芝居、歌、手遊び、制作等で気分を盛り上げ、意欲的な参加に繋いでいる。端午の節句は、こいのぼり制作、こいのぼりランチを楽しみ、七夕では、保護者に協力戴き、短冊作り、子ども皆で季節を味わった。クリスマスはお遊戯会、パプリカダンスやジングルベルを楽しみ、ＤＶＤで保護者に披露している。節分では、豆まき体験等、豊かな実践を高く評価したい。

子どものよい想い出に繋がる、季節感ある日本の伝統的な年間行事に取り組んでいる。経験者、未経験者を各クラスで１名選び行事担当にしている。企画は、子どもの日頃の発言や興味を持った事などを参考に、行事企画書を作成、実践。ブルーベリー狩りや芋掘りなど、皆でわくわく畑に出掛け、協力したり、初体験にドキドキしながら、食育にも繋がる行事に参加している。行事終了後は、全職員で、振り返り、次に繋げている。夏には夏祭り、西瓜割りを楽しみ、お月見、小学校体育館での運動会、正月は魔法で餅つき等達成感の実感に繋げている。

子どもが保護者の協力を得ながら交流、人間関係性等、発達に繋がる取り組みがある。日々散歩で行き来する商店街では、ハロウィンやクリスマスで近隣の方々に笑顔を贈り、クリスマス飾りに参加、子どもの姿は、誇らしげである。母・父の日には夫々手作りのプレゼント、運動会では、リレーや借り物競争など保護者競技に参加頂き、子どもに頑張る姿を披露している。クリスマスは、お遊戯会、、パプリカダンスやジングルベル合奏等ＤＶＤで保護者に頑張った姿を披露している。獅子舞にビックリ、餅つき等。子どもの負担を考えた行事への実践を評価したい。

朝と夕、異年齢児による合同保育が行われ、メンバーによってはクラス別保育を基本にしている。遊びは、子どもの自主性を尊重し、好みの玩具やお気に入り絵本を提供。大きな子どもが小さな子どもと一緒に遊び、遊びの上手な子どもが教え、大きな子の真似をして挑戦等で楽しみ、時には掃除をお手伝い、豊かな世界が展開している。数少ない玩具は特別感、頑張ったご褒美に提供。ままごとやミニカー、ブロック等コーナー保育で遊び込める環境を提供、お友だちと一緒に遊ぶ、同じ玩具が好きなお友だちとは仲良し等の空間提供は良質。子どもの安心が伺える。

子どもが落ち着いて保護者を待てる環境を提供している。子どもが安心できる、抱っこやおんぶ等出来る限りスキンシップを多く取り入れている。また、遊びに少し疲れた子どもには、少し横になるなど、静かな環境を提供している。思いっきり遊び、ゆっくり休む、静と動のメリハリある保育が行われている。お腹が空くと元気が無くなり、寂しさに繋がる事から、希望により、簡単な補食を提供している。保護者には、子どもの頑張った姿や出来た事を出来る限り多く伝え、保護者の楽しい家庭保育に?いでいる。また、時間が許せば適宜、保育相談も行っている。

延長保育計画は全体的な計画や年間指導計画に位置付け、細かくは設定せず、職員の自主性に委ねている。０～２歳までのクラス別保育を基本に、様々な保育形態を提供している。散歩は、クラス別や合同等適宜実施している。年間行事は、制作や紙芝居、絵本の提供などはクラス別で取り組み、行事本番は全クラス合同で取り組んでいる。朝、夕は異年齢児による合同保育で、豊かに交流している。近隣保育園とお楽しみ会や消防体験で交流、系列園との合同行事交流等は、子どもの人間関係性や自己肯定感など良い発達に繋がる体験、検討に期待したい

散歩等の活動を積極的に行い、お腹を空かせ食を楽しんでいる。食前の手洗い、手掴み、スプーン、ファーク等、生活自立に取り組んでいる。献立は、系列園と独自に栄養士が行い、薄味で、食材の自然な味や出汁の旨味、香りや彩り、食感等を大切に提供している。主食はご飯、うどんやパン、パスタ等多彩で、主菜や副菜は毎日重ならない献立で、野菜や魚、肉等多彩な食材を使い、沢山の経験食材を目指している。子どもの体格に合わせ、テーブルの高さを３段階用意、着席は自由席、雰囲気や仲良しを大切に夫々のペースを尊重した給食に取り組んでいる。

様々な活動は季節や行事、暦、日本の伝統文化等、子どもの興味を視野に入れている。七夕には星のはるさめスープ、お月見団子、クリスマスのお楽しみ特別メニュー等行事食に取り組んでいる。保護者へ毎日給食サンプルを提示、レシピも配布、給食・離乳食献立表の他、園だよりで、行事食紹介、人気メニュー紹介等、家庭での楽しい食事に繋げている。給食は卵、乳完全除去で、アレルギー対応として、除去や弁当持参等で、テーブル環境やトレイや食器等細かく対応している。好き嫌いには、視覚的に刺激を与え、形態や好きな物と一緒に提供等工夫している。

行事食や誕生日食、食に関する絵本や紙芝居等に加え、ブルーベリー農園での収穫体験やさつま芋掘りに取り組み、給食やジャム等おやつで楽しむ等、子ども自身が収穫した野菜や果物を大切にする食育本来のねらいへの実践は秀逸。日頃の子どもの発言や喫食状況等を考慮、お気に入りメニューも提供、おかわりは自由で、達成の実感を提供している。玉蜀黍や蚕豆の皮むきや季節のクッキング保育、蒸しパンやピザに挑戦する親子クッキング等に取り組んでいる。野菜栽培は現在、環境的に難しい状況であり、苦慮している。工夫に期待したい。

子どもが自分の健康や安全に興味が持てるよう保育を実践している。散歩時職員は危険な場所を子どもたちに分かり易く伝えている。うがい手洗いが何故必要なのか絵本等を活用、興味を引き出し、栄養価のある給食を残さず食べることで元気な身体を作れることも日々伝えている。子どもの興味を引き出す絵本等の働きかけと、活動後のこまめなシャワーや手洗い、うがい等で病気や感染の予防に努めている。また、換気や消毒、玩具やバギー、室内や公園の環境等の点検、避難訓練の実施等で子どもの健康やけがの予防、防止に取り組んでいる。

嘱託医や専門機関と連携、子どもの状態に沿った健康支援ができる環境を整えている。子どもの日々の健康は朝の視診で咳や目やに、機嫌等を確認、検温、食欲、午睡状況、排泄等を健康チェック表に記録、観察している。医療的に配慮が必要な場合は嘱託医や専門機関と連携が取れる体制を作り、エビペン等緊急時対応薬の預かりも実施している。身体測定は毎月、嘱託医の健康診断年２回実施、降園時保護者に書面、口頭で伝達、予防接種は母子手帳共有で把握、成長を一緒に見守っている。また、消防署を招いての救急救命研修受講等、積極的に取り組んでいる。

子どもの健康は保護者と登降園時の会話や連絡帳、園だより、保護者会、保育参観等で情報共有、予防に努めている。SIDSや感染症、慣らし保育の大切さは、入園前の個別面談等で説明、情報を伝達共有している。コロナ等感染症情報は、公表されるニュース等の情報も含め速やかに保護者に提供、注意喚起している。午睡時は仰向け寝で０、１歳は５分・２歳以上10分間隔でブレスチェックと様子観察を行っている。また、入退所の情報は保護者に伝達、在園児には新しく入る、退所する子どもの情報を早めに共有、子どもの心に寄り添う保育に繋げている。

園では家庭の状況や保護者就労状況等個々の事情を受け留め、随時工夫し対応している。土曜保育の提供や急な残業等の事情には柔軟に対応、補食の準備が整わない場合はお菓子等を提供できる体制を整え、準備が必要な提出物等は早目に連絡する等配慮している。今年度はコロナ禍で実施していない行事もあるが、夏祭り、運動会、保護者会や保育参観、親子クッキング等、保護者参加行事を多く用意している。保護者会等では子育ての悩みや不安等、保護者が一緒に考え共有できる話題を選び、保護者同士の関わりが深まる機会と交流の場を作っている。

園では保護者との信頼関係がより良い保育に繋がると考え、丁寧な取り組みを行っている。日々の対話では子どもの様子を共有しながら保護者の様子に気を配り、悩みや不安を抱えていないか配慮、思いを共感することを大切にしている。連絡帳には丁寧に返信、細かな内容は降園時に対話で直接伝えている。園から伝える大切な事柄は伝え忘れを防ぐため、文書配布を必須としている。子どもの様子が気になる保護者には個別に保育参観等を提案し、子育てについての相談等を丁寧に聞き取り、発達の専門的な助言や家庭保育のアドバイスを行っている。

子どもの発達や子育てに役立つ情報等、安心して子育てができる情報を発信、共有している。日々の対話では子どもの成長を一緒に喜べる話題を提供、家庭保育に繋がる関心を持って貰えるように働きかけている。年度当初の保護者会では法人理念を共有、保護者会や運営委員会、園だよりを活用、園の方針や季節、発達に合わせた保育や子育て情報を発信、家庭と園が共通認識を持ち子育てできるように取り組んでいる。保護者会や保育参観、人気メニューを親子でクッキングの機会等を提供、園の保育や他児の様子を共有、発達に合わせた養育力向上に繋げている。

人との関りを大切に育める地域環境を活かし様々な地域資源を活用、保育に活かしている。毎日の散歩では近隣の公園に出かけ、季節の移り変わりを感じ、図書館では土曜保育用の絵本を借り子どもたちに読み聞かせ、商工会議所のクリスマス会に招待され、地域の方々と季節行事を楽しみ、近隣保育園の消防署を招いた行事に参加、他園の子どもたちと楽しい時間を過ごしている。畑に出かけ芋ほりやブルーベリーの収穫体験、コロナ禍で園内実施の運動会も例年、地域小学校体育館を借りる等、積極的な地域資源の活用を取り入れた保育の実践は良質である。

園では園外の方々との交流の場を作り、子どもたちの交流機会を広げている。近隣商店街では八百屋さん、散歩の行き帰りには交番のおまわりさんや近所のお年寄り等と挨拶で交流している。今年度はコロナ禍で行事の開催は限られているが、昨年、様々な取り組みで子どもたちと地域との交流を図っている。ハロウィンでは子どもたちが仮装し近隣商店街に出かけ、地域の方々から沢山の声掛けを頂き、子どもたちの笑顔を届ける充実した交流の時間を過ごしている。夏祭りには学校帰りの兄弟児等も訪れ、模擬店を楽しみ子どもたちと触れ合っている。

園では地域の子育て支援や地域の子育て専門機関として意識した取り組みを行っている。入園希望の保護者には、見学時園の情報を細かく発信、個々の育児の悩みに耳を傾け、必要に応じて家庭支援センター等に繋いでいる。卒園児は例年夏祭りに招待、学校帰りには立ち寄り交流を図り、在園児、卒園児が互いの成長を喜び合える豊かな時間を過ごしている。中学生の職場体験やボランティアも、受け入れられる体制を整え、地域の認証保育所連絡会にも参加、学校１１０番やAEDを設置、地域の方々との関係を深め、協力し合える体制作りにも取り組んでいる。

法人として、個人情報保護方針を持ち、職員、保護者、ボランティアなど園に関わる全ての関係者にその方針を伝え、同意書などを取り付け、徹底に取り組んでいる。子どもの羞恥心に関しては、おむつ交換はロールカーテンやパーテーションを活用し、視線を遮り、着替え、トイレなど意識しての対応に心掛けている。また、おもらしなどは、大きな声を出さず、さり気無く着替えを促すなど、子どもの気持ちに配慮している。さらに、子ども同士の気持ちの行き違いなどには、適宜仲介、代弁などを含め、静かな環境を作り、対話、子ども自身の納得に繋げている。

子ども一人ひとりの価値観やこだわり等を把握、尊重しながら保育を行っている。子どもへの声掛けは、「ちゃん」「くん」を基本に、入園時の聞き取りで保護者の意向を伺い、希望に添う形で行っている。園の保育方針の一つに、無理強いせず、子どもの気持ちを大切にする保育があり、実践されている。日常的に子どもの意思の尊重が行われている。また、朝の挨拶から、おやつや給食のいただきます、外から帰った時やトイレの後は、手洗い、遊びで使った玩具や絵本のお片づけなど様々な活動における生活習慣が身に付くことを目指した保育が行われている。

園では、子どもの気持ちを大切に日常の保育を行っている。子どもの家庭での虐待などの未然防止として、保護者の表情などに視点をあて、対話での変化などにも注意、対応している。登園時や着替え、トイレ時の視診を確実に行い、身体的観察を行っている。現在、虐待事例や育児困難事例は無いが、万が一を考え、職員に対して、虐待などの研修を実施、虐待に関する通報体制の確認と整備が行われている。「虐待予防チェックシート」を整備、運用している。園長は、虐待など子どもの人権に関わる重大事例には、毅然とした態度で接することを指導している。

園では、どの職員も一定のルールや基準に従い、日常的な保育、関連業務を行っている。そのための拠所として、業務に関するマニュアルや手引き、各シフト毎の業務手順書を基本に日常業務が遂行され、加えて病気対応、防犯、重大事故発生時、アレルギー対応、虐待防止、感染症対応、緊急嘔吐物、食中毒対応など各種緊急時におけるマニュアルが整備されている。また、保育環境整備に関しては、保育室やトイレの掃除や玩具などの消毒、午睡時使用の上掛けの衛生など様々な保育に付随する業務のルールを整備し、全職員が対応している。

園では、職員会議の一環として、園内研修を実施している。また、情報の共有の場も学びの場であり、職員会議、園長・主任会議、調理会議に加え、午睡時間には、各職員によるミーティングを実施している。保育の質向上への対応として、職員のスキルアップに力を入れている。職員に対する年間研修計画を作成している。現在その実施に当たっては、課題を感じ、次年度は、職員が希望するテーマを抽出、そのテーマに沿った職員研修を実施したいと考えている。今後の有意義なスキルアップへの取り組みに期待を寄せたい。

各職員からの意見を受け留め、改善が必要と認めたときは、意見を取り纏め、実施に繋げている。子どもの喫食時、口の周りが赤くなり、そのことを記録するものが無いことに気づき、日誌をつけることに取り組むなどの事例がある。園長は、職員に対して、「目に見えない育ち」を伝えている。また、子どもの基本を知ることを目指し、付箋を使って「元気で明るい子どもって」をテーマに、知識向上に取り組んでいる。さらに、子どもの発達の記録である成長の記録へのコメントなどで助言をし、毎日の連絡帳に目を通し、保護者対応についての指導を行っている。