東京都福祉サービス第三者評価  評価結果





評価結果基本情報

評価年度 令和元年度(2019年度)
サービス名称 認可保育所
法人名称 社会福祉法人大家族
事業所名称 ひよこハウス豊田
評価機関名称 株式会社 ぎょうせい総合研究所(令和4年3月31日までの評価機関)

コメント

 利用者調査については、提出期限後に郵送されてきた調査票についても集計し、保護者一人ひとりの声が園に届くように配慮しました。
 また、職員自己評価については、契約形態や勤務形態に応じて、回答が行いやすいように工夫し、多くの職員の声が集まるようにしました。
 利用者調査結果については、単純集計のほか、クロス集計やCS分析を実施するなど、保護者から届いたご意見を多角的に分析できるようにし、報告しました。


(内容)
 Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像
 Ⅱ 全体の評価講評
 Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み
 Ⅳ 利用者調査結果
 Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)
 Ⅵ サービス提供のプロセス項目


公益財団法人東京都福祉保健財団
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Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像

1 理念・方針  (関連 カテゴリー1 リーダーシップと意思決定)
  事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)

1) 子ども達がどんな環境に置かれても、頭と身体を使いきって、しなやかに生きていく力を身につける 2) 多世代の人との触れ合いで人生を学ぶ 3) 自然との触れ合いで、生き物としての力を身につける 4) 遊びを楽しみ、工夫し、継続して達成感を味わえるような環境をつくる 5) お祭りなどで、日本の文化や西洋の文化に触れ、日本の伝統を引き継ぐ

 
2 期待する職員像  (関連 カテゴリー5 職員と組織の能力向上)
  (1)職員に求めている人材像や役割

自分の経験だけにとらわれず、当保育園の方針の軸になるモンテッソーリ教育の方針に沿って仕事を進める。              その際、他の職員との協同を大切にする。

 
(2)職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

・新しい事態に対応できる柔軟な発想ができるように心がける。 ・当保育園での保育方針に沿って、一定期間は頑張ってみる。 そのうえで、自分のやりたい保育とは何かを考え長期的な方向性を決める。 ・介護施設と一緒になって複合施設で、大家族のような多世代が集い、触れ合う環境の意識を理解し、保育実践につなげる。

 


Ⅱ 全体の評価講評

全体の評価講評

特に良いと思う点
1 モンテッソーリの教育理論に基づき、子どもたちの育ちを促す保育が実践されています

職員は子どもの一人ひとりの発達の様子に応じて、子どもたちが自分たちで遊びに興味を持ち、自由に活動が展開できるように工夫しながら物と人の両面からモンテッソーリの教育理念に基づいた環境の設定をに取り組んでいます。また、ことばに興味を持ち、語いを豊かにしていく活動としては、絵本や紙芝居の読み聞かせ等を行ったり劇や合奏、合唱などの発表会を通して表現する楽しさを伝えています。こうした活動は大学生や高齢者の方々の力を借りながら実施されており、地域との協力関係の下展開されています。
2 食育や工夫されたメニューなど食に関心を深める取り組みをが展開されています

食について子どもたちの関心を深めるため、きゅうりなどの野菜の栽培やサツマイモの芋掘りなどの収穫活動を行っています。また、ブルーベリーからジャムづくりを行うなど、収穫から調理、食べるところまで、食材がどのように変化していくのか、その間に何をしなければならないのかを体験できるような食育活動も実施しています。メニューについては、季節を感じさせるよう配慮されているだけでなく、酢の物や菜の花など、子どもが食べ慣れていないようなメニューも提供し、色々な食経験をさせることにも取り組んでいます。
3 医療との連携が安心感を生んでいます

小児科医である理事長は定期的に園を訪問し、様子を見てくれるため、園児の急な体調不良の場合にもクリニックと連携し対応することができるようになっています。感染症等の情報についてもクリニックの現在の状況や近隣の状況など、医療的なネットワークからの情報収集も行えており、収集した情報については、保健の掲示スペースや保健だよりを通じていち早く情報を知らせています。こうした医療的なバックアップ体制は、保護者の安心にもつながっています。

さらなる改善が望まれる点
1 苦情解決制度の周知が望まれます

保護者に対する苦情解決の制度の周知については、入園説明会での説明や園のしおりでの周知など、色々な手段を使って実施されていますが、利用者調査の結果では苦情解決の制度に伝えられたと回答した保護者は34.9%に留まっています。「いいえ(しらされていない)」と明確に否定する回答は少数(11.6%)であり、「わからない(無回答)」との回答も多く、普段の園運営に「満足している」ため気にならない保護者が多いことも想定されますが、下記の個人情報の取り扱いとともに保護者に広く浸透する周知の活動が望まれます。
2 個人情報の保護制度に関する周知を期待します

個人情報の入った記録については、必要な人にしか見ることができないような管理を行っています。個人情報の収集の際にも「個人情報保護について」という文章を配付し、同意を得たり、写真撮影等の許可を得るなど分野毎に書面を交えて個別に確認する取り組みを行っています。ただし、園や法人として個人情報取扱いのルールはあるものの、保護者に対して個人情報の開示の仕組みや開示する際の請求方法等を広く周知することは行っていません。今後、周知等に取り組むことが望まれます。
3 総合的な中長期計画の策定に取り組むことが期待されます

現在、園の計画は事業計画を頂点として、各種計画が立案されています。また、これとは別に、以前に行った園舎の改修や現在取り組んでいる職員を育成する取り組みについては、1年度を超える計画を立て、混乱なく計画的にすすめられるよう配慮しています。しかし、改修の計画や人材育成の取り組みは園全体の長期に渡る事業計画の中に位置付けられると園運営全体の整合性を図りながら事業を推進することができます。今後は、この現在作成されていない中長期的に園全体でどういったことに取り組むのかを示す事業計画を策定することが期待されます。

Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み



該当データがありませんでした

Ⅳ 利用者調査結果

調査概要
調査対象:調査当月時点での所属児童が対象ですが「世帯」をアンケート配布対象として実施しました。なお、複数のお子さんが通園している場合は、主に低年齢のお子さんの内容で回答いただいています。

調査方法:アンケート方式  
園から保護者へ手渡しによる配付を実施し、回収は郵送にて行いました。

利用者総数 99人
利用者家族総数(世帯) 75世帯
アンケートや聞き取りを行った人数 43人
有効回答者数 43人
回答者割合(%) 57.3%

総括
園を総合的に見た場合の保護者の評価は、「大変満足」とする回答が34.9%、「満足」とする回答が48.8%となっており、全体として園の保育に満足している割合は8割を超える(83.7%)形となりました。 各設問別でみても、回答の「はい」との割合が90%を超えた設問が3問(問1,3,4)、80%を超えた設問が4問(問2,7,9,11)あり、全設問の平均も75.5%となっており、園で行っている活動が保護者にも十分に伝わっていることがうかがえる結果となっています。 ただし、外部の苦情窓口の認知を問う設問については、認知率(回答の「はい」の割合)が40%に届かず、改善の余地があります。

利用者調査結果

1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
はい 42人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
役立っているとの回答は90%を大きく超えており、役立っていないとの回答もないことから、保護者から大きな支持を受けている結果となっています。なお、本問が最も多くの保護者からの支持を受けた設問となります。自由意見は5件寄せられ、子どもの発達に役立っている、縦割り保育が素晴らしいという内容でした。
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
はい 36人  どちらともいえない 6人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
なっているとの回答は80%を大きく超えており、なっていないとの回答もないことから、保護者から支持を受けている結果となっています。自由意見は1件のみ寄せられている状況でした。
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
はい 40人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
配慮されているとの回答は90%を超えており、配慮されていないとの回答もないことから、保護者から大きな支持を受けている結果となっています。自由意見は6件寄せられ、子どもが喜んでいる、バランスが良い、おやつが少ない等の意見でした。
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
はい 39人  どちらともいえない 3人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
関わっているとの回答は90%を超えており、関わっていないとの回答もごく少数であることから、保護者から概ね支持を受けている結果となっています。自由意見は4件寄せられ、プールや外遊びが少ない、季節の行事や高齢者との交流が良いという内容でした。
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
はい 33人  どちらともいえない 3人  いいえ 2人  無回答・非該当 5人 
対応しているとの回答は80%に迫っており、対応していないとの回答も少数であることから、保護者から概ね支持を受けている結果となっています。なお、「知らないわからない」とする意見が10%を超えていることは留意する必要があります。自由意見は2件寄せられ、対応してくれていると思う、よく対応してくれているという内容でした。
6.安全対策が十分取られていると思うか
はい 31人  どちらともいえない 11人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
取られているとの回答は70%を超えており、取られていないとの回答もないことから、保護者から概ね支持を受けている結果となっています。自由意見は2件寄せられ、セキュリティ対策が不安との意見が挙げられていました。
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
はい 36人  どちらともいえない 5人  いいえ 2人  無回答・非該当 0人 
配慮しているとの回答は80%を超えており、配慮していないとの回答も少数であることから、保護者から概ね支持を受けている結果となっています。自由意見は7件の意見が寄せられました。内容としては、急に変更になるので困る、土曜日はありがたい、祖父母も参加したい、場所に対して人が多い等の意見や要望が挙げられていました。
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
はい 31人  どちらともいえない 7人  いいえ 4人  無回答・非該当 1人 
信頼しているとの回答は70%を超えており、信頼していないとの回答も少ない結果となっています。自由意見は7件寄せられ、担任と話す機会がない、先生による、先生と話しやすいという内容でした。
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい 38人  どちらともいえない 4人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
行き届いているとの回答は90%に迫っており、行き届いていないとの回答もごく少数であることから、保護者から支持を受けている結果となっています。自由意見は3件寄せられ、トイレの位置に関して、ごみが落ちている、水場の水滴まで吹いているなんてすごいという内容でした。
10.職員の接遇・態度は適切か
はい 28人  どちらともいえない 10人  いいえ 5人  無回答・非該当 0人 
適切との回答は60%を超えるにとどまりました。自由意見は8件と最も多くの意見が寄せられました。職員によって異なる、不機嫌な職員がいる、とてもきれいな言葉を使っている等の内容が挙げられていました。
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい 38人  どちらともいえない 3人  いいえ 1人  無回答・非該当 1人 
信頼しているとの回答は90%に迫っており、信頼していないとの回答もごく少数であることから、保護者から支持を受けている結果となっています。自由意見は4件寄せられ、状況説明がない、説明も配慮してくれているという内容でした。
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい 29人  どちらともいえない 7人  いいえ 0人  無回答・非該当 7人 
信頼できるとの回答は70%に迫っており、信頼できないとの回答もないことから、保護者から概ね支持を受けている結果となっています。しかし、知らない・わからないとする回答も20%に迫っている点には留意する必要があります。自由意見は2件寄せられ、傷が残った、こちらから言われて気づいたとの意見が挙げられる結果となっています。
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
はい 30人  どちらともいえない 9人  いいえ 2人  無回答・非該当 2人 
対応しているとの回答は70%に迫っている結果となっています。自由意見は4件寄せられ、先生によって対応が異なるという意見でした。
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
はい 32人  どちらともいえない 6人  いいえ 2人  無回答・非該当 3人 
守られているとの回答は70%を超えており、守られていないとの回答も少数であることから、保護者から支持を受けている結果となっています。しかし、知らない・わからないとする回答も10%近くある点には留意する必要があります。自由意見は4件で、先生同士の会話が聞こえることがある、伝わらないことがある、連絡網は廃止すべきという内容でした。
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
はい 28人  どちらともいえない 10人  いいえ 4人  無回答・非該当 1人 
わかりやすいとの回答は60%を超える結果となっています。自由意見は5件寄せられ、教えてもらえない、コミュニケーションの時間が少ない、幼児クラスはクラスのことがよくわからない、クラスの様子を教えてもらえないことが度々あるとの意見でした。
16.利用者の不満や要望は対応されているか
はい 26人  どちらともいえない 11人  いいえ 3人  無回答・非該当 3人 
対応されているとの回答は60%を超える結果となっています。自由意見は6件寄せられ、伝える機会がない、話しても伝わらない、あきらめている、先生によって異なるとの意見でした。
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい 15人  どちらともいえない 7人  いいえ 5人  無回答・非該当 16人 
外部の苦情窓口の認知率は40%に届きませんでした。知らない・わからないとする回答が30%を超えて最も多く、「いいえ」と明確に否定する回答も10%を超えていますが、保護者は本問に対して関心が薄いということも考えられます。自由意見は2件寄せられ、掲示されていたが読んでいない、先生に相談するので頼る必要がないといった内容でした。

Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)

※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー1  リーダーシップと意思決定
  サブカテゴリー1  事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目2 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  評価項目2 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている 実施状況
  標準項目1 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  標準項目2 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
  評価項目3 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している 実施状況
  標準項目1 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  標準項目3 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
講評
毎月の園長会と職員会議で必要なことを伝達しています

法人で決定した様々な事案については、毎月行われている園長会を通じて、法人理事から園長へと伝えられ、園内では、園長より、毎月行われる職員会議を通じて職員への周知が図られる仕組みとなっています。事案の内容によっては、各部門のリーダーが参加者となるリーダー会を通じて周知するなど、伝える内容によって、伝えるべき相手に効果的に伝わるように配慮しています。

園の大切なことは、入園説明会等を通じて保護者へ伝えています

園の理念や基本方針等、園が大切に考えていることについては、入園時に行われる入園説明会や運動会、卒園会等の行事の際に、法人理事長や園長から直接、保護者に伝えるようにしています。また、毎年配付している「えんのしおり」などの文章でも随時伝えるようにしており、保護者と園とが思いを共有できるようにしています。なお、緊急にお知らせすることが必要な場合は、掲示板に掲示したり口頭で職員から伝えるなど必要に応じて柔軟に対応しています。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー2  事業所を取り巻く環境の把握・活用及び計画の策定と実行
  サブカテゴリー1  事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  評価項目1 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している 実施状況
  標準項目1 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目2 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  標準項目3 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目4 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  標準項目5 事業所の経営状況を把握・検討している
  標準項目6 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
  サブカテゴリー2  実践的な計画策定に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している 実施状況
  標準項目1 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  標準項目2 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  標準項目3 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
  評価項目2 着実な計画の実行に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  標準項目2 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
講評
保護者や職員から意見を聞き、園運営に役立てています

保護者からの意見聴取については、日々の送迎時の会話やノートのやりとりの他、保育参観や個別面談などを通じて収集しています。聴取した意見は、保育や行事の運営等に係る反省材料として活かされています。また、職員には職員会議等の各種会議で意見を発表してもらうほか、個人面談を実施しており、この機会を通じて様々な意見の収集をし、園運営に活かしています。

福祉分野の情報収集は、来園者、行政機関や業界団体を通じて行っています

福祉分野の経営等に係る情報の収集については、各種情報誌、市役所や幼保連携協議会など行政機関を通じて、社会福祉協議会などの業界団体等から情報収集を行っています。それに加え、本園の場合は、理事長が小児科医ということもあり、医療関係の情報についても法人から提供されることがあり、他園に比べると多くのチャンネルから情報を得ることができる体制が整っています。また、地域子育て支援に参加した親子や園の見学者など、地域の子育て世帯から直接、生の声を聞く機会もあり、内容によって園運営にフィードバックされています。

必要に応じ分野毎に計画を立て、計画的な取り組みとなるようにしています

全ての分野を網羅的に計画を立案しているわけではありませんが、以前に行った園舎の改修や現在取り組んでいる職員を育成する取り組みについても1年度を超える計画を立て、混乱なく計画的にすすめられるよう配慮しています。しかしながら、園全体の事業計画の中長期に渡る計画については、作成されていません。今後は、保育等を含め、中長期的にどういったことに取り組んでいくのかを明示し、職員にも周知することによって、より園一丸となって運営が行われるようになることを期待します。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー3  経営における社会的責任
  サブカテゴリー1  社会人・福祉サービス事業者として守るべきことを明確にし、その達成に取り組んでいる
  評価項目1 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  標準項目2 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している
  サブカテゴリー2  利用者の権利擁護のために、組織的な取り組みを行っている
  評価項目1 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている 実施状況
  標準項目1 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  標準項目2 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
  評価項目2 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている 実施状況
  標準項目1 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  標準項目2 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
  サブカテゴリー3  地域の福祉に役立つ取り組みを行っている
  評価項目1 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  標準項目2 ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
  評価項目2 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  標準項目2 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  標準項目3 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
講評
苦情解決制度などを保護者には伝えていますが、あまり浸透できていません

保護者に対する苦情解決の制度の周知については、入園説明会での説明や園のしおりでの周知など、色々な手段を使って実施されていますが、利用者調査の結果では苦情解決の制度に伝えられたと回答した保護者は34.9%に留まっています。「いいえ(しらされていない)」と明確に否定する回答は少数(11.6%)であり、普段の園運営に「満足している」ため気にならない保護者が多いことも想定されますが、本項目は同法人の他園が実施した昨年度の調査でも認知率が高くはなかったため、法人全体として今後も引き続き取り組まれることを期待します。

セーフティネットワークは整っています

虐待や虐待を受けている恐れがある子どもを見つけた場合は、子ども支援センターなどと連携し、地域の専門家等を集めたネットワークで解決する仕組みが定着しています。また、職員も研修を受講するなど、知識を身につけることを定期的に実施しており、もし、事案があったときには速やかに発見し、対応できるように備えられています。また、子どもの権利擁護等については、職員会議等を通じて定期的に職員が確認できるようにも取り組まれています。

園が地域の一員として貢献できるよう取り組んでいます

園では市で開催されるパネル展などを通じて、園内での様々な活動を広く外部の人たちに理解していただけるよう取り組まれています。また、運動会・夏まつり・クリスマス会などの園行事に地域の人々(子ども達含む)の参加ができたり、子育て相談ができる体制をとることにより園の近隣の住民の方々に園での活動の様子を直接目にすることができるようにしています。地域に向けては、要望に応じ園のみこしを貸し出したり、園長会等や幼保小ネットワーク、市役所の各種委員を通じて、情報交換や地域の課題解決に向けた取り組みを実施しています。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー4  リスクマネジメント
  サブカテゴリー1  リスクマネジメントに計画的に取り組んでいる
  評価項目1 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  標準項目2 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  標準項目3 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  標準項目4 リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  標準項目5 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
  サブカテゴリー2  事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  評価項目1 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている 実施状況
  標準項目1 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  標準項目2 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  標準項目3 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  標準項目4 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
講評
マニュアルや訓練等を通じてリスクマネジメントを行っています

事故や感染症、災害などのリスクに対する対応については、それぞれマニュアル作成し、どこがポイントになるのかを明示した上で、読み合わせや内容の更新等を随時行うことで職員への周知を図っています。また、定期的に実施されている避難訓練などの実際のリスクに直面したときにどのように対処するかについてのシミュレーションも定期的に実施しており、想定を毎回変えながら、どんなときでも落ち着いて対応できるようにしています。

個人情報の保護に取り組んでいますが、課題もあります

紙の書類については、個人情報など内容に応じて鍵付きのキャビネットに収納されており、必要な人しか見ることができないように管理されています。個人情報の収集の際にも同意を得たり、写真撮影等の許可など分野毎に書面も交えながら個別に確認する取り組みを行っています。ただし、園や法人として個人情報取扱いのルールはあるものの保護者に対して個人情報の開示請求窓口等を広く周知することは行っていないため、今後の課題です。

事業継続について法人全体として取りまとめることが望まれます

現在、危機管理や危機対応などに関しては、必要なマニュアル等を用意し、実際の訓練も定期に行うことができています。事故等が実際に起きてしまった場合も再発防止等に真摯に取り組み、定期的に振り返りを行う等、しっかりと取り組めています。ただし、災害に巻き込まれた場合や大事故等が起こってしまった場合等、事業の継続についてどうするかについては、各種マニュアル等に断片的に記載があるものの、事業継続計画(BCP)という形でまとまる形にはなっていませんでした。今後は、園と法人とで協力しながら本計画を策定することが望まれます。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー5  職員と組織の能力向上
  サブカテゴリー1  事業所が目指している経営・サービスを実現する人材の確保・育成・定着に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている 実施状況
  標準項目1 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  標準項目2 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
  評価項目2 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している 実施状況
  標準項目1 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  標準項目2 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
  評価項目3 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  標準項目2 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  標準項目3 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  標準項目4 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
  評価項目4 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  標準項目2 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  標準項目3 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  標準項目4 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
  サブカテゴリー2  組織力の向上に取り組んでいる
  評価項目1 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  標準項目2 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  標準項目3 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
講評
キャリパスの制度の確立に向け、計画的に取り組んでいます

キャリパスををわかりやすく明示し、人材の育成に役立てる取り組みを2020年を目標年度と位置付け、計画的、段階的に取り組んでいます。個人面談を実施する中で職員一人ひとりの希望をききながら、法人として、また、園として職員に期待している点なども意見を交換し、どのように成長したいか、また、成長を促すかについて話し合われています。まだ、取り組み途中であるため、明確な成果は現れていませんが、今後の取り組みが継続されることによって成果が現れることが期待されます。

職場環境の良さがモチベーションのアップに繋がっています

職員自己評価で職員が考える園のよいところとして休暇をしっかりと取れることや定時で帰れることが多数挙げられていました。その他、給与が上がった等の意見もありましたが、本園の職員は入れ替わりが少なく、平均在職年数が13年と長く勤めている職員が多いことも特徴です。就労環境が良いということの結果であると考えられます。子どもたちにとっても保護者にとっても職員がいつも変わらず余裕を持って保育に取り組まれていることは評価すべきポイントの一つであると思われるため、今後も継続することが望まれます。

職員が受けてきた研修は書類にし、回覧することが定着しています

職員が受けることができる研修や研修内容については、毎年決まっているわけではありませんが、市役所や社会福祉協議会主催の研修など外部の研修に参加し、園にその成果を持ち帰ることが制度として定着しています。研修内容は報告書にし、職員間で回覧するなどして、一人の職員の中に留まらず園全体で研修内容の共有化を図れるようにしています。また、法人内での合同研修(年2回)なども行われており、毎年、研修成果があがる方法を模索しながら取り組まれている様子が見て取れました。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー7  事業所の重要課題に対する組織的な活動
  サブカテゴリー1  事業所の重要課題に対して、目標設定・取り組み・結果の検証・次期の事業活動等への反映を行っている
  評価項目1 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) モンテッソーリの教育理念に基づいた保育を実現することは、園運営上常に課題として取り上げ、毎年、何らかのステップアップを図ることができるよう、環境の充実や人材の育成を実施しています。今年度は特に物と人の配置をテーマとして取り上げ、予算をつけ、ステップアップを図る取り組みを実施しました。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
物と人の配置について、職員も日々勉強しながら取り組まれており、研修や勉強会が定期的に実施されていることを確認しました。その結果、2歳児クラスにおいて毎週環境設定を変えるということも行われました。日々の子どもたちの様子を反映させた活動しやすい環境設定を模索する取り組みとして実施され、計画、評価、反省が着実に行われていることが確認され、PDCAのサイクルを組織的・継続的に実施できていました。 
  評価項目2 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 昨年度、行事等に係る反省を行う中で、保護者からは特に行事日程に関しての要望が寄せられていることを受けて、今年度は、行事を含む年間計画を早期に決め、保護者へ周知することを実施していました。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
行事を含む年間計画を早期に決め、保護者へ周知することを実施することができていました。取り組みとしては、「実施する」ことが重要との位置づけでしたが、利用者調査でも問7で行事日程について配慮されているとの回答が8割を占めており、取り組んだ内容がしっかりと保護者にも受け入れられていることが推察される結果となっています。 

Ⅵ サービス提供のプロセス項目(カテゴリー6)

カテゴリー6 サービス提供のプロセス
  サブカテゴリー1 サービス情報の提供
  評価項目1 利用希望者等に対してサービスの情報を提供している 実施状況
  標準項目1 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  標準項目2 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  標準項目3 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  標準項目4 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
講評
園の情報は複数の媒体で発信しています

園に関する情報については、法人が運営するホームページで来園しなくても手軽に内容を確認できるようにしています。ここでは、園の方針、園の特徴などのほか、保育の様子や行事の様子などを写真や図等も使いながらわかりやすく紹介しています。また、来園した際は「えんのしおり」を配付しており、内容としては、保育方針、保育目標のほか、保育園生活に関する決まりごと、一日の過ごし方、年間行事など、ホームページよりもより詳細な情報が記載されています。「えんのしおり」は毎年更新されており、在園児の家庭にも配付されています。

関係機関を通じた情報の発信も行っています

市役所とは密に情報のやりとりをしており、市の保育施設利用のしおりに園の情報を掲載していたり、市役所で行われる催し物に園の様子をパネル展示するなどしています。また、地域子育て支援の情報についても市の広報紙に地域の方が参加できる園の行事を掲載するなど地域に向けて積極的に園の情報を発信しています。市役所以外にも系列のクリニックに園の行事のポスターを掲示するなど、園外の各種機関とは良好な関係が築けており、情報発信の際にご協力を頂いています。

園の見学方法は多様です

園では、通常の園見学も行っていますが、地域子育て支援の一環として体験保育や育児相談なども受け入れているほか、園行事にも参加できるものを用意し、これら全てを園を見ていただくための良い機会と位置付け、これら子育て支援の各種事業にも積極的に取り組んでいます。特に体験保育は好評であり、今年度も11月までで10組の親子を受け入れました。通常の園見学も年平均40人程度を受け入れており、今後の継続的な取り組みが期待されます。


  サブカテゴリー2 サービスの開始・終了時の対応
  評価項目1 サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている 実施状況
  標準項目1 サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
  標準項目2 サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目3 サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
  評価項目2 サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 サービス開始時に、子どもの保育に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  標準項目2 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように配慮している
  標準項目3 サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
講評
入園説明会を通じて園の大切にしていることを直接伝えています

入園時には説明会が開催されますが、この中で理事長のあいさつのあと、園長から、園が大切に考えているモンテッソーリ教育の保育理論をもとにした保育について説明を行っています。この説明の際は「えんのしおり」を用いて行われ、前述の園の理念・方針のほか、年間行事、1日の過ごし方、慣れ保育や延長保育について、入園にあたって用意するものなどについて、詳細に説明しています。

保護者の意向は入園時の個人面談を通じて把握します

子どもの様子や家庭の状況等については、入園時に行われる個人面談で把握します。各クラスリーダーが中心となり、保護者に記入していただいた書類をベースに聞き取りを行って、家庭での過ごし方、食事、排泄、睡眠などの様子を聞き取っています。また、看護師が既往症、予防接種歴等子どもの健康状態について、栄養士がアレルギーの有無などを聞き取ります。さらに、保育園にお願いしたいことや子育ての悩みなどこれから家庭と園とで共に子どもを育てるために必要な情報も引き出し、入園後の生活や子育てに不安がないように取り組まれています。

子どもも保護者も無理なく園生活に慣れるように配慮しています

前述の保護者から聞き取った内容については、児童票等の必要書類に転記され、実際に入園するまでに職員間で情報共有を行っています。入園後は、特に基準は設けていないものの、原則として慣れ保育を実施し、園の生活に徐々に「慣れて」いくようにしています。ただし、保育園の経験があったり、家庭でやむを得ない事情がある際は柔軟に対応することも行っています。この時期は子ども3人に1人職員が付く体制で臨み、預かり時間も極力ずらしたうえで、新入園児や保護者と保育者がじっくり向き合うことができるようにしています。


  サブカテゴリー3 個別状況の記録と計画策定
  評価項目1 定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している 実施状況
  標準項目1 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
  標準項目2 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  標準項目3 アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
  評価項目2 全体的な計画や子どもの様子を踏まえた指導計画を作成している 実施状況
  標準項目1 指導計画は、全体的な計画を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
  標準項目2 指導計画は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化に即して、作成、見直しをしている
  標準項目3 個別的な計画が必要な子どもに対し、子どもの状況(年齢・発達の状況など)に応じて、個別的な計画の作成、見直しをしている
  標準項目4 指導計画を保護者にわかりやすく説明している
  標準項目5 指導計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  評価項目3 子どもに関する記録が行われ、管理体制を確立している 実施状況
  標準項目1 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  標準項目2 指導計画に沿った具体的な保育内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
  評価項目4 子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している 実施状況
  標準項目1 指導計画の内容や個人の記録を、保育を担当する職員すべてが共有し、活用している
  標準項目2 申し送り・引継ぎ等により、子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
講評
子どもの情報は児童票に、保育の計画は指導計画にそれぞれまとめられています

子どもの発育や発達の様子など、子どもに関する情報については、児童票に集約され記録されます。記録のサイクルは年齢毎に決められており、保育士が記載を行い、園長等経営層がチェックする形が確立しています。また、どのように保育を行って行くかについての保育の計画は、年・月・週の単位で指導計画にまとめられています。これらについてもクラス毎に前回の反省を行った後、次回の計画を検討、立案し、経営層によるチェックを経て、確定するという流れができており、しっかりと園全体として保育が行えるように取り組まれています。

指導計画は入園説明会・保護者会と各種たよりで知らせています

保護者の方への指導計画の説明については、入園時に入園説明会で大方針や大切に考えていることをお伝えしたうえで、4月に実施される保護者会で年間の取り組みを、各月の様子やねらいについては、園だよりやクラスだよりを通じて伝達しています。個別の取り組みについては、普段の会話やノートのほか、個人面談等も使いながら必要なことを伝えるようにしています。利用者調査でも保育内容に係る問1~4については、8割以上の保護者から肯定的に受けとめられており、保護者にもしっかりと伝わっていることが推察されます。

情報の伝達・共有についても制度が確立しています

子ども一人ひとりの情報の共有については、職員会議や周知会議、乳児・幼児部会などの会議で周知・共有されています。また、一日の中での情報の伝達についても、周知用のクラスノートや延長番・早番連絡ノート(職員用)などを用いながら、口頭と書面の両者を通じて実施されており、概ねうまくいっている様子がうかがえました。ただし、職員自己評価ではこの評価項目に対する自己評価が他の項目と比べると低い傾向にありました。職員一人ひとりが自信をもって保育に臨めるよう、もう一工夫があるとよいのではないでしょうか。


  サブカテゴリー4 サービスの実施
  評価項目1 子ども一人ひとりの発達の状態に応じた保育を行っている 実施状況
  標準項目1 発達の過程や生活環境などにより、子ども一人ひとりの全体的な姿を把握したうえで保育を行っている
  標準項目2 子どもが主体的に周囲の人・もの・ことに興味や関心を持ち、働きかけることができるよう、環境を工夫している
  標準項目3 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう配慮している
  標準項目4 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
  標準項目5 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
  標準項目6 【5歳児の定員を設けている保育所のみ】 小学校教育への円滑な接続に向け、小学校と連携をとって、援助している
講評
子ども一人ひとりにあわせた丁寧な保育が行われています

乳児期の子どもは、月齢の違い等で発達に差がでますが、担当制保育を導入し、子どもの個々の発達に合わせたおもちゃを用意したり、一斉活動はせず発達に応じて分かれて活動するなど、発達に合わせて、一人ひとりを尊重した保育が行われています。保護者からもこうした活動は良く伝わっており、子どもの発達が促されている、子どもが興味を持てる活動が行われているとの2問に対する問に対する回答が90%を超える結果となっています。

幼児クラスでは縦割り保育を行っています

3歳児~5歳児の幼児クラスでは、「お仕事」の活動も実施され、年齢や発達に合わせどのような活動が最適か、十分検討されたうえで、計画・実施されています。また、たて割り保育を実施しており、年長児は小さい子に遊びのルールやお約束ごとを教えることで、自覚と自信をつけたり、といったことも日常的に体験できるようにしています。

  評価項目2 子どもの生活が安定するよう、子ども一人ひとりの生活のリズムに配慮した保育を行っている 実施状況
  標準項目1 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
  標準項目2 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう援助している
  標準項目3 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
  標準項目4 降園時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
講評
登園時の様子をしっかりと確認し、一日の保育がスタートします

登園時には、保護者との会話や連絡ノートで子どもの家庭での様子を確認しています。子どもの具合が悪かったり、寝不足気味等体調に変化がある場合は、保護者に必ず確認を行います。子どもの状態に気になることがあれば記録に残し、職員間での情報共有を行います。子どもの状態を見ながら、場合によっては、事務所で職員がついて過ごすなど、柔軟に対応しています。

子どもの発達に合わせて基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう支援しています

子どもの発達の状況に合わせて、子どもたち自身に基本的な生活習慣の大切さを伝えています。着替えなどは自分で衣服を出し入れしやすいように環境を整えて子どもが主体的に取り組めるようにしています。食事等は楽しく食べられるようにしていますが、苦手なものは「1口だけ食べてみよう」と言葉がけをし無理強いしないようにしたり、排便はひとりひとりのリズムを尊重、トイレトレーニングは発達状況を考慮して、興味が出てきた時に対応するようにしています。

幼児クラスの活動の様子はボードを通じても知ることができます

個別の子どもの様子等は、連絡ノートや口頭で保育士から伝えられますが、その日あった出来事やクラス全体の様子については、クラス毎に用意されているボードに活動内容の記載があり、こちらでその日の様子を知ることができるようにしています。また、けがやけんかなどのトラブルがあった際には、必ず職員が個別に説明できるようにしています。

  評価項目3 日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している 実施状況
  標準項目1 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
  標準項目2 子どもが、集団活動に主体的に関われるよう援助している
  標準項目3 子ども一人ひとりの状況に応じて、子どもが言葉による伝え合いを楽しみ、言葉に対する感覚を養えるよう配慮している
  標準項目4 子どもが様々な表現を楽しめるようにしている
  標準項目5 戸外・園外活動には、季節の移り変わりなどを感じとることができるような視点を取り入れている
  標準項目6 生活や遊びを通して、子どもがきまりの大切さに気付き、自分の気持ちを調整する力を育てられるよう、配慮している
講評
モンテッソーリ教育を基本に環境設定(物的・人的)をしています

職員は子どもの一人ひとりの発達の様子に応じて、子どもたちが自分たちで遊びに興味を持ち、自由に活動が展開できるように工夫しながら環境の設定をしています。モンテッソーリの教育理念に基づいた物と人の配置について、職員も日々勉強しながら取り組まれており、今年度は2歳児クラスにおいて毎週環境設定を変えるということも行われました。日々の子どもたちの様子を反映させた活動しやすい環境設定を模索する取り組みは大変評価できます。

ことばや表現など様々な学びができるように取り組んでいます

ことばに興味を持ち、語いを豊かにしていく活動としては、絵本や紙芝居の読み聞かせや言葉遊び、大学生の協力により月1回実施している人形劇などを通じて行われています。また、劇や合奏、合唱などの発表会を通して表現する楽しさを伝えていますが、普段の活動では、リトミックが月1回 バイオリンが月3回 コンサートを月1回実施しており、これらを通じて学び、発表会へ向けての素地ができるように取り組まレっています。

散歩や栽培活動で、子どもたちは季節の変化を感じています

指導計画の中には、自然との触れ合いを盛り込んでいます。近隣の浅川などへ散歩に行き、子どもたちが季節の移り変わりに気づくようにするとともに、野菜の収穫や花の栽培なども実施されています。なお、散歩の際には、安全に配慮し、しっかりと約束事を覚えることも行われ、職員が周囲に注意するだけでなく、子どもたち自身も安全な行動について考え、実践できるように取り組まれています。

  評価項目4 日常の保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している 実施状況
  標準項目1 行事等の実施にあたり、子どもが興味や関心を持ち、自ら進んで取り組めるよう工夫している
  標準項目2 みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
  標準項目3 子どもが意欲的に行事等に取り組めるよう、行事等の準備・実施にあたり、保護者の理解や協力を得るための工夫をしている
講評
子どもの達成感や自信につながような行事を行っています

園の行事については計画が立てられ、しっかりと目的や意図を明確にした上で実施されるようにしています。基本的に行事は、毎日の保育の中で子どもの主体性、意欲、興味を大切にし、達成感を自信につなげ、それを発表できる場と考えています。実施する行事によっては、年長児が司会をすることもあり、司会することを喜ぶ姿も見られるとともに、大きな行事では地域の方が参加する行事もあり、子どもたちがひとつのことを協力してやり遂げる喜びと楽しさを保護者や地域の方々とも一緒に味わえるようにしています。

様々な交流が図られるように行事を行っています

園では同じ敷地内にある高齢者施設と毎月交流を行っており、高齢者に読み聞かせをしてもらったり、誕生会に出席させてもらったりしています。また、ハロウィンは0歳児から、読み聞かせは2歳から参加し、園全体で交流や行事が行えるようにしています。夏祭り(7月)、運動会(5月)、おたのしみかい(11月)などは地域の方も参加する行事で交流が行われるほか、クリスマス会や新年の集いなど、季節に応じた 季節が感じられる行事もあり、1年を通じて子どもたちが学べる環境を整えています。

行事に対して、保護者の理解を得られるように配慮しています

保護者には年度初めに年間行事予定表を配付して園で行う行事を知らせており、保護者が参加しやすい日時に設定し、できるだけ親子で参加し、楽しめるように配慮しています。園では行事を日常の保育の延長線上に捉え、子どもの状況に合わせて、子どもも保護者も無理なく参加して、ともに楽しめるように配慮しています。利用者調査でもこの点は保護者から理解されており、行事に対して配慮されているとの回答は83.7%を占めています。

  評価項目5 保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている 実施状況
  標準項目1 保育時間の長い子どもが安心し、くつろげる環境になるよう配慮をしている
  標準項目2 保育時間が長くなる中で、保育形態の変化がある場合でも、子どもが楽しく過ごせるよう配慮をしている
講評
保育時間の長い子どもが、落ち着いて過ごせる環境を設定しています

長時間の保育になる子どもには、少しでもくつろげる場所となるように工夫して取り組まれています。普段とは違うおもちゃを用意する、人数が多いときは幼児と乳児を分け、危険のないようなおもちゃを用意したり、余裕のあるときは異年齢で交流する設定を行い、年長児が年下の子どもと友に静かに遊ぶ機会と設ける、子どもたちがゆったり過ごす場所や疲れたら横になれるようなコーナーを設ける、乳児には、個別に対応し、少人数で楽しめる遊びを取り入れるなど、人数や年齢構成、その日の体調など、日々の状況に合わせ柔軟に対応できるようにしています。

  評価項目6 子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している 実施状況
  標準項目1 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
  標準項目2 メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
  標準項目3 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している
  標準項目4 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
講評
食事も縦割りグループで実施しています

幼児クラスでは、食事の際も縦割りのグループでの活動が行われています。お当番活動を通じて配膳をしたりすることを通じて、子どもが楽しく食について興味がわくようにしたり、縦割りのグループごとに用意ができたところからご挨拶をし、大きい子が小さい子の面倒を見ながら食事をとれるようにしています。

子どもたちの育ちを促すメニューを心がけています

メニューについては、旬の食材を取り入れ、季節を感じさせるメニューとなるよう心がけています。基本としては、子どもが好むメニューを取り入れつつも、酢の物や栗ご飯、菜の花など、子どもが食べ慣れていないようなメニューも提供し、色々な食経験をさせることにも取り組んでいます。また、歯ごたえのある食材を取り入れ、そしゃく力の向上につなげるようにも心がけています。なお、お腹のゆるい子、歯を折った子など子どもの体調や状況を考慮し、メニュー変更をしたり、きざみ食を提供するなどの配慮も行っています。

食に関心を深めるさまざまな取り組みをが展開されています

食について子どもたちの関心を深めるため、きゅうりやミニトマト、ピーマンなどの野菜の栽培を行ったり、サツマイモなどの芋掘りを近所の農園にて行う活動を行っています。また、収穫した野菜の泥を払ったり、皮をむくなど調理補助の活動につなげたり、サツマイモからスイートポテト、ブルーベリーからジャムづくりを行うなど、収穫から調理、食べるところまで、食材がどのように変化していくのか、その間に何をしなければならないのかを体験できるような食育活動も実施しています。

  評価項目7 子どもが心身の健康を維持できるよう援助している 実施状況
  標準項目1 子どもが自分の健康や安全に関心を持ち、病気やけがを予防・防止できるように援助している
  標準項目2 医療的なケアが必要な子どもに、専門機関等との連携に基づく対応をしている
  標準項目3 保護者と連携をとって、子ども一人ひとりの健康維持に向けた取り組み(乳幼児突然死症候群の予防を含む)を行っている
講評
子どもが健康や安全について、自ら考えられるように取り組んでいます

子どもたちは、看護師から手洗いやうがいについて指導する機会が設けられており、安全について学ぶ機会も年2回、計画されています。歯科の指導も年3回実施されており、子どもたちが、普段接する職員以外の専門家から学ぶことができるようにしています。

園の看護師を中心に子どもの健康状態を把握し、専門機関と連携しています

感染症が出た場合には保健の掲示スペースでいち早く情報を知らせています。また、理事長も定期的に園を訪問し、様子を見てくれたり、感染症の最新情報を伝えてくれたりするため、園児の急な体調不良の場合にもクリニックと連携し対応することができるようになっています。こうした医療的なバックアップ体制は、保護者の安心にもつながっています。なお、看護師は職員向けの研修の講師を務めることもあり、園の安全確保の重要な役割の一端を担っています。

保護者に対して健康に関する情報を提供するとともに予防に努めています

園では月1回発行する「ほけんだより」でその季節に流行する感染症やそのほかの健康についての情報を保護者に伝えています。園にはクリニックからの情報とその他の関係機関から届く情報の2種あるため、なるべくタイムリーに必要な情報が、保護者に届くよう気を配っています。また、保健だよりでは毎月の保健の取り組みを知らせたり、病気だけではなくケガの予防などについてもお知らせています。

  評価項目8 保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して支援を行っている
  標準項目2 保護者同士が交流できる機会を設けている
  標準項目3 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
  標準項目4 子どもの発達や育児などについて、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
  標準項目5 保護者の養育力向上のため、園の保育の活動への参加を促している
講評
さまざまな機会に保護者の考えや意見を聞き、それを保育に反映させています

個人面談や保護者会、連絡ノートや送迎時の会話など、様々な場面を通じて保護者からの要望や意見を把握するように努めています。さらに保護者が園での子どもの様子を直接見る機会として、保護者が参加できる行事を年間を通じて計画し、開催しておりその際に寄せられるご意見なども収集しています。こうして収集した意見や要望は、その都度、反省し、検討を行った上で、改善できる点はすぐに対応するように努めています。なお、保護者の個別の相談については、ゆっくりと話せるよう降園時に行うようにしています。

職員と保護者の信頼関係が深まるよう配慮しています

保護者会には園長、担任が子どもたちの日々の様子を詳しく話しています。また保護者には連絡ノートや毎日の送迎時に必ず声をかけ、コミュニケーションを取ることで信頼関係を築いています。日ごろから保護者の個別の事情や、子育ての状況を把握して子育ての悩みを共有し、アドバイスを行っています。また栄養士や看護師もそれぞれの立場から相談に乗ったりアドバイスをするなどで保護者の安心につなげています。

  評価項目9 地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている 実施状況
  標準項目1 地域資源を活用し、子どもが多様な体験や交流ができるような機会を確保している
  標準項目2 園の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
講評
園の子どもたちも地域の子どもたちも共に育つ事業が充実しています

園の夏まつりやクリスマス会などについては、園内の子どもたちだけの行事という位置付けではなく、近隣の子育て家庭等も招待し、実施されています。また、地域子育て支援の事業である体験保育等についても、園で地域の子どもたちと園の子どもたちが交流できる機会を設けています。学生の受け入れ(職場体験・保育体験・実習生)や併設の高齢者施設との交流など、幅広い年代の人々と広く交流できるようにしており、子どもたちも楽しみながら園外の人々と接することができています。


  サブカテゴリー5 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
  評価項目1 子どものプライバシー保護を徹底している 実施状況
  標準項目1 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目2 子どもの羞恥心に配慮した保育を行っている
  評価項目2 サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している 実施状況
  標準項目1 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
  標準項目2 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した保育を行っている
  標準項目3 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
講評
あらかじめ個人情報保護に関する同意書を作成しています

個人情報の保護に関しては、法人が定める規程がありますが、園では、写真撮影の許可については、あらかじめ保護者からの同意を取っています。また、それ以外にも子どもの情報について外部とのやりとりが発生する際は、やりとりをする前に保護者からの同意を取るようにしています。保護者からもこの点は評価されており、利用者調査では3/4の保護者から個人情報は守られているとの回答を得ています(74.4%)。

子ども一人ひとりを尊重し、大切に保育しています

職員は、子どもの名前を呼び捨てやあだなで呼ぶことはせず、「○○くん、○○さん」などの敬称をつけるようにしています。また、命令口調を使わないなど、常に子どもたちを人として尊重する気持ちで接するように配慮しています。職員は個々の子どもの特性を理解し、子どもに合わせて声かけを行っています。職員の子どもへの声かけや対応などについて気になることが場合には、園長からその都度声をかけ伝えています。ただし、利用者調査では、保育士の声掛けや服装等について適切との回答は、65.1%にとどまっています。


  サブカテゴリー6 事業所業務の標準化
  評価項目1 手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  標準項目2 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  標準項目3 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
  評価項目2 サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  標準項目2 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている
講評
目的別に様々なマニュアルが用意されています

前項でも触れた緊急時対応に係る各種マニュアル(危機管理・防災・事故・感染症等)をはじめ、乳児と幼児で分けた「お仕事のマニュアル」も作成しています。毎月の指導案作成の際に参照し、突合せを行っているほか、普段の保育の場面でも迷ったときには参照できるようにしています。特に「お仕事のマニュアル」については、すぐに参照できるようにしており、活用されている姿が見られました。

マニュアルの定期的に見直しされています

マニュアルの内容については、職員が自ら気づいたことや保護者からの意見などを受け、職員会議などで都度話し合われるほか、年間の反省時にも見直しが実施されています。