東京都福祉サービス第三者評価  評価結果





評価結果基本情報

評価年度 令和元年度(2019年度)
サービス名称 認可保育所
法人名称 社会福祉法人多摩養育園
事業所名称 光明高倉保育園
評価機関名称 株式会社 評価基準研究所

コメント

利用者調査・職員調査は、WEBでの調査を実施し、携帯電話・スマートフォン・パソコンによる回答を中心とし、紙ベース希望者には従来型の紙による回答も可能とした。利用者調査開始時には、調査の趣旨や手法などに関する詳細な説明と個別のID・パスワードを記した案内状を封緘封筒に入れて全家庭に配布し、職員向けにも同様の案内状を配布した。経営層には各標準項目の自己評価を的確に行うための独自資料を提供するなど、事業所向けの配慮も行っている。


(内容)
 Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像
 Ⅱ 全体の評価講評
 Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み
 Ⅳ 利用者調査結果
 Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)
 Ⅵ サービス提供のプロセス項目


公益財団法人東京都福祉保健財団
Copyright©2003 Tokyo Metropolitan Foundation of Social Welfare and Public Health. All Rights Reserved.


Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像

1 理念・方針  (関連 カテゴリー1 リーダーシップと意思決定)
  事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)

1)地域の大きな家構想の推進と地域貢献事業の探求と実践 2)人権擁護の推進 3)理念と和の保育保育方針に基づいた保育の展開と構築 4)人権育成と職場環境の整備 5)行政施行動向及び地域ニーズを踏まえた事業展開

 
2 期待する職員像  (関連 カテゴリー5 職員と組織の能力向上)
  (1)職員に求めている人材像や役割

・利用者、保護者の立場に立った保育支援を展開できる柔軟性と専門性を持っている。

 
(2)職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

・子どもの主体性を大切にして、その中での気づき、思いを具現化しようとする意欲、使命感を持つ。

 


Ⅱ 全体の評価講評

全体の評価講評

特に良いと思う点
1 異年齢児保育を通して子どもの同志の関わりを豊かにし、子どもたちのソーシャルスキルを育んでいる

園が異年齢児保育に取り組み始めたのは、現在の少子化社会の中で、これからの未来を生きていく子どもたちにとってどのような子ども集団が必要なのかを考えた結果だ。異年齢集団での生活や遊びの中で、子ども同士で手伝ったり、教えたり、教えられたりすることが多く見られるようになったという。また直接関わりが無くても、年長児の遊んでいる姿を見て遊びを真似るというように、異年齢集団には、発達の違いによる良好な刺激もある。このような関わりの中で子どもたちは、自然な形で異年齢的社会を体験し、ソーシャルスキルを身に着けている。
2 子どもが主体的に参画する形で運動を楽しむ場を設け、身体を動かす楽しさを十分に感じられるようにしている

毎朝9時30分になると園庭に集まってラジオ体操を行っているが、運動面の育ちを促す以外にも、子どもの主体的な活動を促す場にもなっている。ラジオ体操の際に行われる園内放送は子どもが行っており、その日の当番が次の日の当番を指名して運営しており、子どもが参画する取り組みとなっている。大人が指示して運動するのではなく、子どもが自分たちで楽しんで運動できる形は、主体性を育む園の大事な活動になっている。園庭で身体を動かして遊ぶ選択ができる機会を多く設け、運動を楽しむ気持ちを育むことを大切にしている。
3 心身の健康に対してだけでなく、命や人権に対する意識も高く持って保育を行っている

嘱託医の協力による毎月の健康診断、年3回実施される歯科健診はこの園の大きな特長。日常的にこうした機会を持つことで、園全体の健康に対する意識は、とても高いレベルに保たれている。健診以外にも、園の看護師による(身体面だけでなく)心の健康に対する啓発、年長児を対象にしたプライベートゾーン・命の大切さを伝える機会を設けていることが、園の保育を厚いものにしている。心身のこと、人権のこと、様々な角度から子どもの育ちを支えることは、園が大事にしている「和」のこころにもつながっている。

さらなる改善が望まれる点
1 広いスペース・自立した子どもたちという園の特長を生かして、子どもの遊び環境をダイナミックに発展させていってほしい

幼児の保育室に電車、オセロ、レゴブロック、積み木、塗り絵、粘土など机上の遊びスペースをつくり、廊下には体を動かして遊ぶ「動」のスペースとして活用するなど、豊かな遊びを生み出すよう環境構成を工夫しているが、この部分、更に工夫ができそうだ。広い保育室と建物内の豊かなスペース、他者と調和し自分で生活を組み立てられる子どもたちという、当園の特長を生かせば、協同で遊び続けられる空間や、どんどん延伸できる空間など、子どもたちの遊びの時間・空間の両面でのダイナミックな発展が可能になるだろう。今後の発展が楽しみである。
2 多様な事業を展開する大規模園ゆえの課題は多いが、引き続き職員連携・理念の浸透のための工夫を続けてほしい

「地域の大きな家」という理念の下、休日や夜間延長、トワイライトステイなど、多角的に事業を展開する当園では、業務が多様な分、職員も多く、シフトのバリエーションも多い。そうした中、園は全職員への理念・方針の浸透を心掛ける一方、職員間の心のつながりを創出すべく一円対話を行うなど工夫しており、その努力の結果、職員間の良好な連携が維持されている。しかし、大規模な施設を運営し続けていく中で、理念の共有のための協働作業にゴールはない。全職員が温度差なく理念を共有していけるよう、継続的な工夫が望まれる。
3 園内環境を活用した遊びに加え、地域資源(散歩道、公園等)を活用した計画的な園外活動の充実に期待したい

園内には子どもの興味と関心を深める遊具や遊びの継続性を保証する空間が整えられている。園庭には大きな複合遊具、砂場、広場等があり園内外とバランスのよい環境となっている。さらに保育者は、園内にはないより刺激的な場(公園や散歩等)を周囲の社会的資源に求めているが、園外活動中の事故等のリスクや緊急時に対応できる人員の確保など現状では難しい部分があるという。事前に計画をすることにより、人員の確保や危険個所への注意等、対応できることは多々ある。計画に基づいた、豊かな園外活動の展開に期待したい。

Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み

1 ★ 保育指針と正面から向き合い、保育方法を改革しながら指針の具現化に努めている

保育は常に、保育所保育指針に準じて行う必要性がある。園はその信念の下、年齢別の捉え方や保育者主導の保育の流れに疑問を持ち、2つの大きな軸「子どもの個々に応じた発達を促す」「保育者主導から子ども主導へ(子ども主体)」を意識しながら、異年齢児保育へと大きな転換を図つた。その結果、子どもたちは生き生きと、伸び伸びと自分という存在をアピールし、異なる年齢の子ども同士が相互に刺激し合い、互恵的に関わり合っている。変革に戸惑いはつきものだが、子どもたちに不安はなく、見事に変化に適応していた。今後の発展が楽しみである。
関連評価項目(経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている)
2 ★ 時代の要請に応えた保育方針を「子ども主体」の形で実践し、温かな心を育んでいる

未来にむけて今何が大切なのか。心、自然、平和…。こうした課題に対して法人は、大きな保育方針として「和」=自然・心・礼節・伝統を掲げた。しかしこれらのことは、教えて身に着けさせるものではなく、子ども自身が考え実践し、自然と体得していくものだ。法人が、保育指針の着実な実践を目指して行った「子ども主体の保育」への転換は、ここで園の保育方針ともフィットした。温かく応答的に見守られる中で子どもたちは、柔和な「和」の心を身に着け、豊かに交流している。子ども集団の中で文化が継承され、子どもたちの中に温かな心が育っている。
関連評価項目(日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している)
3 ★ 同じ建物内の介護予防推進センターとの交流により、多様な関わりを生み出している

同じ建物の上の階にある介護予防推進センターとの関係づくりを非常にうまく行っている。園児の散歩として訪問する機会も設けており、同じ建物でありながら子どもが楽しめる活動にもなっており、センターの利用者やスタッフとの交流も自然と行われることで多様な人との関わりも生まれている。またセンターで園のボランティアの募集を行うことで、高齢者のボランティアが園に数多く来てくれることにつながっている。同じ建物で違う事業が運営されているメリットが十分に生かされ、子どもの経験が広がっているのは、この園の大きな特長である。
関連評価項目(地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている)

Ⅳ 利用者調査結果

調査概要
調査対象:調査開始時点での本園の?用世帯125世帯(145名)を対象として実施した。なお、兄弟姉妹がいる世帯は1世帯として扱った。

調査方法:アンケート方式  
調査項目は共通評価項目に準拠した。回答は、弊社オリジナルWEBベース方式(パソコン・携帯・スマホ)で?いWEB回答できない保護者には紙ベースの回答を、園で回収・弊社宛てに郵送してもらい集計に加えた。

利用者総数 145人
利用者家族総数(世帯) 125世帯
アンケートや聞き取りを行った人数 125人
有効回答者数 63人
回答者割合(%) 50.4%

総括
総合的な感想では、園に対する満足?は「大変満足」が31.7%、「満足」が57.2%の合計88.9%であり、保護者から園への信頼は高い数値となっている。設問別では「子どもの心身の発達」、「子どもの興味や関心」、「けがや体調への対応」の3項目で90%以上の保護者が満足と答えていた。

利用者調査結果

1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
はい 60人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」が95.2%、「どちらともいえない」が4.8%という結果だった。自由意見では、「生活習慣、集団生活経験を積む上でとても有意義。同年齢の友達とここまで集まって過ごせるのは保育園くらい。」、「お友だちとの関わりを通して沢山のことを吸収していると思っています。」などの意見があった。
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
はい 58人  どちらともいえない 5人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」が92.1%、「どちらともいえない」が7.9%という結果だった。自由意見では、「乳児クラスはコーナー遊びをしてくれていて、自分が好きな遊びを充分に楽しめると思う。」、「わりと自由に過ごせていると感じている。また、全体行動でも色々な興味を喚起してくれているとおもう。」などの意見があった。
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
はい 54人  どちらともいえない 8人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
「はい」が85.7%、「どちらともいえない」が12.7%、「いいえ」が1.6%という結果だった。自由意見では、「味が薄く、栄養も取れてると感じています。 いつも、ありがとうございます。」、「バラエティーにとんだ栄養バランスのよいメニューで、とても楽しく食べているとおもう。」などの意見があった。
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
はい 53人  どちらともいえない 5人  いいえ 5人  無回答・非該当 0人 
「はい」が84.2%、「どちらともいえない」が7.9%、「いいえ」が7.9%という結果だった。自由意見では、「施設の特性を生かした外部の方々との交流が利点。」、「いきいきプラザとの交流はとても良いと思う」などの意見があった。
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
はい 56人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 4人 
「はい」が88.9%、「どちらともいえない」が4.8%、非該当が6.3%という結果だった。自由意見では「急な変更の際には電話連絡になりますが、事務の方の電話対応が大変良いと感じています。」、「いつも快く受けてもらえて感謝しています。」などの意見があった。
6.安全対策が十分取られていると思うか
はい 44人  どちらともいえない 17人  いいえ 2人  無回答・非該当 0人 
「はい」が69.8%、「どちらともいえない」が27%、「いいえ」が3.2%という結果だった。自由意見では、「地震など先生たちの対応が早い」などの意見があった。
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
はい 49人  どちらともいえない 11人  いいえ 3人  無回答・非該当 0人 
「はい」が77.7%、「どちらともいえない」が17.5%、「いいえ」が4.8%という結果だった。自由意見では、「考慮されているし、父母からの意見を踏まえて変更等も検討いただけている。」などの意見があった。
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
はい 42人  どちらともいえない 16人  いいえ 4人  無回答・非該当 1人 
「はい」が66.7%、「どちらともいえない」が25.4%、「いいえ」が6.3%、非該当が1.6%という結果だった。自由意見では、「信頼できる先生はいます。」、「自分の送迎時間の関係で、なかなか先生と話す時間がとれないが、信頼しています。」などの意見があった。
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい 56人  どちらともいえない 5人  いいえ 2人  無回答・非該当 0人 
「はい」が88.9%、「どちらともいえない」が7.9%、「いいえ」が3.2%という結果だった。自由意見では、「毎日、夕方に棚の中までお掃除してくださっていて有難いです。」などの意見があった。
10.職員の接遇・態度は適切か
はい 49人  どちらともいえない 8人  いいえ 6人  無回答・非該当 0人 
「はい」が77.8%、「どちらともいえない」が12.7%、「いいえ」が9.5%という結果だった。自由意見では、「服装は特にありません。」などの意見があった。
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい 59人  どちらともいえない 4人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
「はい」が93.7%、「どちらともいえない」が6.3%という結果だった。自由意見では、「初期対応は厚く、しっかりと報告もある。」、「細かいことも紙面で教えてくれている。」などの意見があった。
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい 43人  どちらともいえない 16人  いいえ 1人  無回答・非該当 3人 
「はい」が68.2%、「どちらともいえない」が25.4%、「いいえ」が1.6%、非該当が4.8%という結果だった。自由意見では、「双方の話、保育者の目撃情報を総合的に報告してもらえる。」などの意見があった。
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
はい 54人  どちらともいえない 8人  いいえ 1人  無回答・非該当 0人 
「はい」が85.7%、「どちらともいえない」が12.7%、「いいえ」が1.6%という結果だった。自由意見では、「クラス担任の先生方は子供の特徴を理解し接してくださり信頼できます」、「子どもは先生たちが大好きです。気持ちを大切にしてくれているからこそ、毎日楽しく保育園に通えていると思う。」などの意見があった。
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
はい 52人  どちらともいえない 7人  いいえ 2人  無回答・非該当 2人 
「はい」が82.5%、「どちらともいえない」が11.1%、「いいえ」が3.2%、非該当が3.2%という結果だった。自由意見では、「今のところは大丈夫です。」などの意見があった。
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
はい 48人  どちらともいえない 8人  いいえ 7人  無回答・非該当 0人 
「はい」が76.2%、「どちらともいえない」が12.7%、「いいえ」が11.1%という結果だった。自由意見では「細かく話をしてくださっていて良い印象です」などの意見があった。
16.利用者の不満や要望は対応されているか
はい 47人  どちらともいえない 13人  いいえ 0人  無回答・非該当 3人 
「はい」が74.6%、「どちらともいえない」が17.5%、非該当が4.8%という結果だった。自由意見では、「先生方はよくきいてくださいます」などの意見があった。
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい 47人  どちらともいえない 11人  いいえ 1人  無回答・非該当 4人 
「はい」が74.6%、「どちらともいえない」が17.5%、「いいえ」が1.6%、非該当が6.3%という結果だった。自由意見では、「第三者委員がいることは教えてもらっています」などの意見があった。

Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)

※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー1  リーダーシップと意思決定
  サブカテゴリー1  事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目2 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  評価項目2 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている 実施状況
  標準項目1 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  標準項目2 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
  評価項目3 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している 実施状況
  標準項目1 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  標準項目3 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
講評
園の保育理念を自分の言葉で語ることで、理念の消化・保育への浸透に努めている

さまざまな事業を営む当園では職員の業務も多岐にわたり、人数も多い。そこで園は、法人の70周年を記念して理念をもう一度見直そうと考え、朝の会での経営理念の唱和を行っている。ここで園が大切にしているのは、形だけ、言葉だけにとどまらず、自分で考え、話すというプロセス。理念の読み上げだけでなく、それについて自分なりに考えたフリートークを(回り持ちで回ってくる)職員全員に課しているという。その機会は、経営理念を自分の保育にどう落とし込んでいるかの確認となり、保育の質の向上につながった。

保育の方法を改革しながら、理念の実現に向かって一丸となって進んでいる

園の保育方針である「和」、その4つの柱が自然、心、礼節、伝統。こうしたことは、子どもに教え込んでも本当の意味では身につかない。自分からそう思うようになるようにしなければと園は考え、従来型の保育方法を改革し、子どもを見守り、子ども自身の主体性を育む保育へ保育方法を改革した。子どもの主体性と自律心を第一に、暮らし・生活から具体的に改革。実際の保育の形として理念を示すやり方で、理念の実現に向けて一丸となっている。

現場の主体性を重視し、下から上がってくる力を生かし重要な案件を決定している

検討・決定が必要な事項については、毎月の職員会議で係が案を出し、承認を得るという形が基本。運動会係など、年度初めに事業計画で係を分担している。大きな組織だからこそ、下から上がってくる力、現場の主体性を重視しているという。会議には必ず各クラスからの代表が参加し、その場で意思決定。不参加のメンバーには会議録の回覧を徹底するなどし決定事項を共有している。重要な案件については、職員の総意が反映できるよう、常に開かれた場で話し合い決定するよう努めている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー2  事業所を取り巻く環境の把握・活用及び計画の策定と実行
  サブカテゴリー1  事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  評価項目1 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している 実施状況
  標準項目1 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目2 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  標準項目3 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目4 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  標準項目5 事業所の経営状況を把握・検討している
  標準項目6 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
  サブカテゴリー2  実践的な計画策定に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している 実施状況
  標準項目1 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  標準項目2 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  標準項目3 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
  評価項目2 着実な計画の実行に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  標準項目2 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
講評
地域のニーズに多角的な事業で応え、地域の人々に安心感を与えている

交通も便利な当園の地域では、保護者の職種としては都心等で働く正規社員が多いという。昨今の時流の中、保護者の長時間労働はやや減り、4時間延長の稼働率が下がってきたと園は近況を分析する。こうしてリアルタイムに地域のニーズをつかみながら、幅広い事業展開で地域のニーズに応え続けている。本体の保育での子ども主体の考えや環境の工夫に加え、多様なニーズに応えることで園の地域での存在意義は高まり、地域の人々に安心感を与えている。

さまざまなニーズに応える多様な事業で、園の理念を実現し、地域のニーズに応えている

当園は、保育だけではなくトワイライトステイ、推進センターを包括した、市の「いきいいプラザ」という計画を担う多目的施設の一角である。「私たちは、地域の人々が、安心して、輝いた人生を実現できるよう、慈悲のこころで支援します」という経営理念を、こうした地域のさまざまなニーズに応える事業で実現しているのだ。そして園としてさらに掲げる目標は、「地域の大きな家」。休日や夜間延長、世代間交流など、施設のスペックを最大限に生かしながら、地域のニーズに最大限に応え、地域の子育てを支えている。

地域の動向やニーズを予測しながら、中長期の計画を策定している

4時間延長、休日保育、トワイライトという形で多様な地域ニーズに応えている当園が、今、こうしたものとは別に付加価値的なニーズとして重視しているのが、保育園利用者の習いごとニーズだ。そうしたニーズを踏まえ、園はまず中期の計画として英会話やダンスといった教育的サービスの導入を検討、長期的な展望としてはその教育的サービスの小学校低学年までの拡充を視野にいれている。地域動向やニーズを把握し将来を予測しながら、地域に必要なサービスの拡充に努めている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー3  経営における社会的責任
  サブカテゴリー1  社会人・福祉サービス事業者として守るべきことを明確にし、その達成に取り組んでいる
  評価項目1 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  標準項目2 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している
  サブカテゴリー2  利用者の権利擁護のために、組織的な取り組みを行っている
  評価項目1 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている 実施状況
  標準項目1 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  標準項目2 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
  評価項目2 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている 実施状況
  標準項目1 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  標準項目2 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
  サブカテゴリー3  地域の福祉に役立つ取り組みを行っている
  評価項目1 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  標準項目2 ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
  評価項目2 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  標準項目2 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  標準項目3 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
講評
地域の子育て家庭を招いたイベントを実施し、地域の子育てに貢献している

地域に対して園を開く大きなイベントとして、今年度8月、一時保育やひろば事業、併設の介護予防推進センターとも連携し、「光明フェスタ」を実施した。具体的なないようとしては、未就園児を中心に地域子育て家庭を招いて育児相談やハンドマッサージ、遊び方教室や園見学を行った。一時保育、サテライトに加えこうした活動から入園につながることもあり、今後も続けていくという。地域に開かれた、だれにでも親しみやすい地域貢献の取り組みである。

高齢者から小学生まで、多彩なボランティアを受け入れ、園の生活を厚くしている

「地域の大きな家」という園・法人の大きな理念に基づき、ボランティアの受け入れと活用を積極的に行っている。同じ建物内にある介護予防推進センターと連携した高齢者ボランティアから小学生ボランティアの受け入れまで、常に(幅広い年齢層の)5~6人のボランティアが園に入っている。地域の力を生かし、その人自身の経験ややりがいという意味で地域を力づける取り組みだが、これと同時に園児たちにとっては、さまざまな年齢層の人と触れ合うという貴重な経験になっている。多彩なボランティアが、園の保育を厚いものにしている。

保育者一人ひとりが毎月自らを振り返る自己チェックを徹底し、人権擁護に努めている

子どもの人権を守るために、園が最も重視しているのは「子ども主体」ということ。その確認のため理念自己チェックシートを用い、例えば「子ども主体、子ども中心、見守る保育はできましたか?」という問いに答える形で、一人ひとりが理念に沿った保育ができたかチェックする。さらに、人権擁護の視点からは、人権擁護のためのセルフチェックリストを用い、「物事を強要するようなかかわり、脅迫的な言葉かけ」がなかったかなど、具体的に子どもの権利条約に照らしながらチェックする。自己チェックの徹底で、人権擁護の意識を高めている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー4  リスクマネジメント
  サブカテゴリー1  リスクマネジメントに計画的に取り組んでいる
  評価項目1 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  標準項目2 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  標準項目3 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  標準項目4 リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  標準項目5 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
  サブカテゴリー2  事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  評価項目1 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている 実施状況
  標準項目1 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  標準項目2 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  標準項目3 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  標準項目4 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
講評
園での定期的なチェックと法人全体のデータ共有で、リスクマネジメントに努めている

副主任をリーダーとする安全管理委員会を中心に園の危険をチェック。職員室や調理スタッフも含め各クラスから代表を出し毎月園内を点検、改善課題やヒヤリハット事例の抽出を行い、それを職員会議で検討している。さらに法人全体の合同リスク委員会により、各園の状況を共有。スケールメリットを事故の原因分析や対策策定に活かし、リスクマネジメントに努めている。

規程を整え、保護者の同意を得ながら適切な情報管理を行っている

園児の情報は鍵の付いた書庫で管理をし、パソコンにはパスワード設定、仕事のデータの持ち帰りは不可とするなど、しっかりと園での情報管理を行っている。個人情報保護については、個人情報保護ポリシーを策定・掲示し利用者に周知。年度の初めに個人情報保護の取り扱い・個人情報の同意書を配布・回収し、子どもの写真の使用についても保護者の理解を得た上で行っている。

さまざまな状況を想定した防災マニュアルと事業継続計画を定めている

大災害時の事業継続計画(BCP)を含めた防災マニュアルを策定、とくに災害については、震度6以上の地震や河川の氾濫など具体的なケースを想定しながら、通常の「初動対応」発動、大災害時の「大災害対応」発動という形で、事業継続のための行程が記されている。法人理念・状況から、その場でできることを判断する。これは、災害時行動指針の3項目目にある言葉だ。地域の人たちへの支援という法人の理念が、災害マニュアルの中にもしっかりと組み込まれている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー5  職員と組織の能力向上
  サブカテゴリー1  事業所が目指している経営・サービスを実現する人材の確保・育成・定着に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている 実施状況
  標準項目1 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  標準項目2 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
  評価項目2 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している 実施状況
  標準項目1 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  標準項目2 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
  評価項目3 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  標準項目2 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  標準項目3 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  標準項目4 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
  評価項目4 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  標準項目2 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  標準項目3 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  標準項目4 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
  サブカテゴリー2  組織力の向上に取り組んでいる
  評価項目1 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  標準項目2 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  標準項目3 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
講評
法人が計画する多彩な分野の研修と自園での学びで、一人ひとりの資質を高めている

当園を運営する法人本部で多様な研修を毎月複数回実施。内容は保育に関してだけでなく、人事、総務、財務などの業務テーマ、看護や調理といった専門職のものまで園の業務ジャンルを網羅している。そうした法人研修とは別に、園内では看護師が中心となり、嘔吐処理やプール対応などについて研修を行っている。新人、中堅、管理職といった職層ごとに法人内で集まって話し合うキャリアパス研修も実施。総合的な学びの機会を用意し、一人ひとりの学びを深めている。

自施設振り返りチェックシートによる総合的な振り返りを行い、改善につなげている

自施設振り返りチェックシートを見た。例えば玄関の項目では「訪問者を笑顔で迎えている」というチェックポイントがあり、保育室の項目では「子どもの動線が考えられたゾーニングになっている」というチェックポイントがある。こうした施設環境的な項目に加え、運営管理、保護者対応、職員関係、地域との関わりなどチェック項目は多岐にわたる。一人ひとりが定期的に自らの保育環境を具体的に振り返ることで、一人ひとりの気づきや改善を促し、組織としての力を向上させている。

くつろいだ対話の機会をつくり、チームワークの醸成に努めている

職員同士が発案し、話し合い、自主的に環境づくりを考えていけたらという願いから、さまざまな職種からランダムに抽出した7人グループが丸くなって対話をする「一円対話」を定期的に行っている。対話のテーマは任意で、仕事を離れたところでくつろいで話ができる。会のまとめ役はその都度グループ内から1名を出し進行とまとめの役割を果たす。こうした自由な形の対話は、いわばコミュニケーションのトレーニング。その結果職員の相互理解は進み、チームワークが深まったという手ごたえを園は感じている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー7  事業所の重要課題に対する組織的な活動
  サブカテゴリー1  事業所の重要課題に対して、目標設定・取り組み・結果の検証・次期の事業活動等への反映を行っている
  評価項目1 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 「一人ひとりを大切に」という園の理念の実現のためには、従来型の学年別クラス編成では不十分ととらえ、異年齢チームによる異年齢クラスを編成。子ども集団の作り方という、園の土台ともなるところに目を向け、大胆に改革した。その改革のために試行的に異年齢活動を行ったり、その意義を保護者に伝えたりと丁寧な準備も行った。また異年齢チームの実践の後は、子どもの姿そのもので、その意味を保護者に丁寧に伝えている。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
「一人ひとりを大切に」という園の理念の実現に向けて、日々行っている保育の形そのものに目を向けて改革の一歩を踏み出したことを評価したい。学年別のクラス編成から異年齢のチームへ。異年齢活動の意義を保護者に伝えながら活動するなど、入念な準備の上の実践だったが、異年齢チームを本格導入したところ、数多くの不安の声が出たという。今までやってきたことを変えることには、当然こうした反発は出るもの。しかしそうした不安の声に対しては、毎日掲示で活動の様子を知らせるなど、実際の子どもの姿を積極的に伝えることで、丁寧に応えてきた。その結果、自由な時間の子ども同士の関わりが自然と深くなり、子ども同士が適切な距離感をつくり関わり合うことができるようになってきたという。当園の保育方針「和」のなかに心、礼節という項目があるが、こうした取り組みにより、子ども自身の中に、思いやりの心、優しい心、善悪を判断し善行を行える力が培われているように思う。理念の実現のために保育の形そのものを大胆かつ丁寧に改革した行動力。今後のさらなる成長に期待したい。 
  評価項目2 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 多様な事業を営む当園における職員集団の課題として、(正規と非常勤、さまざまな職種、異なる時間帯での勤務など)多様で大規模なチームの中のコミュニケーションの向上があると考え、職務を一歩離れたところで全員が話し合える場を設け、継続的な話し合いをすることで、職員間の相互理解を深めた。話し合いの繰り返しの結果、相互理解はすすみ、一人ひとりのコミュニケーションの向上が見られた。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
一人ひとりを大切にという理念の実現のために導入した異年齢チーム保育。それを見守る大人も当然、保育者のチームということになる。そこで園が重視したのが、チーム内で自由に意見が出せ、出した意見が否定されず、考えながら協力できるチーム風土。そこで園は、風通しよく自発的な集団をつくるために、仕事を一歩離れて自由に話す場、くつろいでなんでも話せる場、職種をまたいだ小チームによる一円対話を計画した。正規と非常勤の間にもコミュニケーションが生まれ、自由な雰囲気がまず生まれたという。こうした対話を繰り返すことで、なんでも話ができる、なんでも言い出せる風土ができてきた。人間の素の部分でのつながりに目を向けたこの方法は、一見遠回りで実は深く、近い。こうした対話の積み重ねがチームの良好な空気感を維持し、チーム力のさらなる向上につながることを期待したい。 

Ⅵ サービス提供のプロセス項目(カテゴリー6)

カテゴリー6 サービス提供のプロセス
  サブカテゴリー1 サービス情報の提供
  評価項目1 利用希望者等に対してサービスの情報を提供している 実施状況
  標準項目1 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  標準項目2 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  標準項目3 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  標準項目4 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
講評
ホームページやSNSを活用し、幅広く園の情報を発信することに努めている

園のホームページでは園の基本情報や理念や方針だけでなく、保健だよりや給食だより、献立表を載せているなど、幅広い内容の情報提供に努めている。府中市のホームページや保育団体のホームページからも園の情報を見ることができ、園の情報にアクセスしやすくなっている。また法人でSNSを運用し行事の様子を発信しており、より多くの方へ情報を届けることに対しても力を入れていることが分かる。それ以外にも来園者には園のしおりやお便りを手渡すなど、様々な手段で情報提供できるようにしている。

関係機関に情報発信の協力をしてもらい、園の利用を積極的に促している

保育事業だけでなく、ひろば事業、一時保育、トワイライト事業も行っているため多くの方に情報を届けることが求められているため、ホームページや来園時の情報提供以外にも、府中市の情報誌に情報を載せてもらって発信を行っている。また、保健センターの担当者にも協力をお願いし、利用者に対して積極的に園の情報を提供してもらうようにもしている。園の上階にある介護予防推進センターでは行事やボランティア募集のお知らせを行っていることで、多くの高齢者が園に関わってくれることにつながっている。

見学者の知りたいことや気になることについても丁寧に説明している

見学は随時受け付けており、来園された際は主任保育士が「保育園のしおり」を渡して実際の様子を見てもらいながら、園のことを丁寧に説明している。それだけでなく、保護者の知りたいこと、気になることを聞き、それについて答えることも行っている。年間で100名を超える見学者が来られるため、主任保育士が対応できないときは他の職員が対応することもあるが、それが可能なのはどの職員も園の理念や方針をしっかりと把握しているからである。ひろば事業を利用された方に対してもお便りを渡すなど積極的に情報提供を行っている。


  サブカテゴリー2 サービスの開始・終了時の対応
  評価項目1 サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている 実施状況
  標準項目1 サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
  標準項目2 サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目3 サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
  評価項目2 サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 サービス開始時に、子どもの保育に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  標準項目2 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように配慮している
  標準項目3 サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
講評
入園説明会での丁寧な説明により、入園後の円滑な保育につながるよう配慮している

入園説明会を実施する際には「保育園のしおり」を使用し、園長が理念や保育方針について、主任保育士が生活のルールについて、栄養士が食事にについて、看護師が健康面の注意事項について伝えるなど、分かりやすく説明することを心がけている。入園面接では面接シートを使用して、生育歴や食事面のこと、既往歴などを細かく確認している。そこでの情報は、子ども1人ひとりの発達に応じた保育を行っていくために欠かせないものとして、職員会議の場で職員全員で共有し、スムーズに園生活がスタートできるよう配慮している。

入園時の不安やストレスを軽減するため、個々に応じた慣らし保育を行っている

入園面接で個々の配慮事項を聞き取った内容を面接シートに記入し、それを担任が読んで個々の配慮事項を確認している。保護者の要望や就労状況に配慮して、個々に応じた慣らし保育を実施しており、保育時間を少しずつ延ばしていくことで子どもが園生活に対してストレスや不安が生じないように心がけている。家庭によっては仕事の都合で慣らし保育を実施できないケースもあるが、その際には丁寧な観察、丁寧な保護者とのやり取りを行うことで子どものストレスを少しでも軽減できるよう配慮した対応を行っている。

卒園児が小学校へスムーズに移行できるよう、小学校との交流や情報共有を行っている

小学校の5年生が園に来てくれて交流をしたり、小学校へ遊びに行かせてもらったりと、園児が小学校との交流を楽しむ機会も設けて小学校を意識できるようにし、小学校に対して期待をもって移行していけるように配慮している。また卒園児に対しては、じゃがいもパーティーや夏祭り、運動会の招待状を送り、卒園後も園との関わりを持てるよう積極的に働きかけている。卒園児の情報について小学校の職員と直接話をして細かく伝える機会も計画されており、小学校へのスムーズな移行のサポートが行われている。


  サブカテゴリー3 個別状況の記録と計画策定
  評価項目1 定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している 実施状況
  標準項目1 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
  標準項目2 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  標準項目3 アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
  評価項目2 全体的な計画や子どもの様子を踏まえた指導計画を作成している 実施状況
  標準項目1 指導計画は、全体的な計画を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
  標準項目2 指導計画は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化に即して、作成、見直しをしている
  標準項目3 個別的な計画が必要な子どもに対し、子どもの状況(年齢・発達の状況など)に応じて、個別的な計画の作成、見直しをしている
  標準項目4 指導計画を保護者にわかりやすく説明している
  標準項目5 指導計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  評価項目3 子どもに関する記録が行われ、管理体制を確立している 実施状況
  標準項目1 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  標準項目2 指導計画に沿った具体的な保育内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
  評価項目4 子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している 実施状況
  標準項目1 指導計画の内容や個人の記録を、保育を担当する職員すべてが共有し、活用している
  標準項目2 申し送り・引継ぎ等により、子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
講評
子どもの発達と現状の双方をとらえた視点で保育計画を構成している

法人内で検討・立案された全体計画を踏まえながら、月案・週案などの短期的計画を立案している。法人全体の統一書式を利用しつつ、主任会で事前に記入された目標を基本的なベースとし立案。園ごとの地域差や職員の経験によるレベルの差を無くすため、まず法人として目標とすべき子どもの発達の目安を示し、それを目標として各園の活動を組み入れていく形だ。こうすることで園は、法人全体の経験をベースにした広範な視点のもとに一人ひとりの子どもたちの発達を捉えられ、その上に現場の子どもの現状に応じた目標を入れることができている。

保育者は発達の連続性を踏まえながら、ひとり一人に応じた適切な計画を作成している

発達には連続性があり、その1つ1つを繋げていくことが重要だという考えの下、計画の書式も個別の発達の繋がりを尊重し工夫されている。たとえば0歳児では現在の様子を個別に記入する項目に加え、「次週に向けて」という次の発達を意識した記載(・・・ができるよう補助していく等)が見られる。また幼児クラスでも「先週の子どもの姿」という項目があり、活動や生活を「繋がる、繋げる」という連続性を意識している。更に自由記載欄は一日ごとに一人の子に焦点を当て子どもの様子を具体的に記載しており、専門的な視点での振り返りが行われている

チームとしての子どもの育ちの共有が、適切な保育に活かされている

保育計画は一人の職員が主観で作成するものではなく、多様な視点で作成するものだとして、複数の職員の意見をすり合わせながら保育計画を立てている。まずクラスの集団的な育ちの状況を把握し、次のステップとして子ども一人ひとりの発達状況(保育支援ソフトを活用し、領域別の子どもの今の発達と次の発達を把握)を共有。次の発達を予測しながら個別的な支援計画に繋げている。更に特別に個別の配慮が必要な子に対しては、事例検討委員会という会を開催し、より個別的且つ多様な視点の対応について検証している。


  サブカテゴリー4 サービスの実施
  評価項目1 子ども一人ひとりの発達の状態に応じた保育を行っている 実施状況
  標準項目1 発達の過程や生活環境などにより、子ども一人ひとりの全体的な姿を把握したうえで保育を行っている
  標準項目2 子どもが主体的に周囲の人・もの・ことに興味や関心を持ち、働きかけることができるよう、環境を工夫している
  標準項目3 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう配慮している
  標準項目4 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
  標準項目5 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
  標準項目6 【5歳児の定員を設けている保育所のみ】 小学校教育への円滑な接続に向け、小学校と連携をとって、援助している
講評
保育ソフトを活用し、子ども1人ひとりに応じた保育を展開している

子どもに対して適切な保育環境を整えるためには、保育者の主観的な捉え方ではなく、発達に基づいた客観的な捉え方が必要だと考え、保育ソフトを活用し、子どもの今の発達を把握している。客観的にその子の現在の発達を理解することで、より具体的に次の発達の課題を意識することができ、よりよい個々の支援や環境構成が可能になる。保育ソフトによる発達の把握は、成長・発達が著しい0歳児については毎月1回、3歳児以上については3か月ごとに行っている。その上で担当職員が意見を出し合うことで、職員同士の多面的な視点も加えられている。

保育者は子どもの言葉や遊びの様子から環境を整え、応答的な環境構成を意識している

保育者は「子どもが直に手にする遊具は子どもの手の届くところにある」よう心掛け、子どもの自発性を尊重して環境を整えている。遊びは与えられるものではなく、子ども自身が環境に興味・関心を持ち、自ら選択して触れるものという考えからだ。また発達(クラス別の部屋)に応じた玩具は、保育者が日常の子どもたちの会話や遊びの様子を見て適切に(量を増やす等)変化させている。更にどの遊びも落ち着いて展開できるよう、ままごとをしたい子はゆっくりできたり、車遊びをしたい子は邪魔されずにできたりと、空間に余裕を持たせるよう工夫している。

子ども主導であることを尊重した生活空間が、一人ひとりの発達に適応している

園は常に保育者主導の生活ではなく、個々の発達に応じながら子どもの主体性を尊重した生活空間を整えている。例えば園での子どもたちの主な活動を、遊ぶ空間、食べる空間、そして寝る空間として区分している。そうすることで子どもたちは個々の活動が十分に満たされ、自分のペースで活動の切り替えを行うことが可能となる。子どもたち一人ひとりの落ち着きと生き生きとした表情は、個々の生活リズムが保証されている証左だろう。子ども主体の豊かな空間が、居心地のよい遊び、「ゆっくり、じっくり」という落ち着いた生活リズムを生み出している。

  評価項目2 子どもの生活が安定するよう、子ども一人ひとりの生活のリズムに配慮した保育を行っている 実施状況
  標準項目1 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
  標準項目2 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう援助している
  標準項目3 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
  標準項目4 降園時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
講評
保育者は保護者との会話等を通して、家庭から園への自然な引継ぎを大切にしている

保育者は子どもたちの生活リズムの安定を目的とし、家庭と園との連続性を様々な方法で確認している。例えば0~2歳児は園の連絡帳を利用し、前日からの睡眠や朝食、機嫌の確認を行い、子ども一人ひとりに応じた支援へと繋げている。3~5歳児は連絡ノートによる家庭からの連絡や健康チェツク表(朝食、排便、体温、その他連絡等)の確認、更に「〇〇してますね。▲▲ができるようになってきましたね」というように自然な会話で子どもの様子を伝えることで、保護者を含め子どもたちが安心して園での生活がスタートできるようにしてる。

保育者の子どもに対する応答的な関わりが、子ども一人ひとりの自発性を引き出している

保育者は子どもの欲求や思いに対して応答的に援助していくことを大切にしている。例えば家庭で睡眠が十分とれていない子には睡眠の場所を確保したり、園で午睡時に眠たくないと主張する子は他の子の邪魔にならないように少し離れた場所で落ち着いた遊びを提供している。いつでも自分たちの思いを主張でき、意見が尊重される経験を通して、子どもと保育者との信頼関係が十分に構築されている。子どもたちは保育者の声掛け等がなくても、次の活動への見通しを持てており、食事の準備や活動後の着替え、トイレ等も自分でやろうとする姿が多々見られた。

1日の保育の様子を写真や事例等を用いて掲示し、保護者の共感性を高めている、

園での経験や子ども一人ひとりの様子を伝えること、見て感じてもらうことが、保護者の安心感へと繋がっている。その日の様子はできる限り直接担任が伝えるが、勤務の都合上難しい場合は伝達表に記入された内容を別の職員が伝えている。また健康上の問題(けが、気を付けてもらいたいこと等)は保健連絡表でイラストを用いて伝えるようにしている。更にその日の活動を(写真・活動内容・保育者の気付きを記し)掲示している。こうした丁寧な発信により、保護者は、よりその日の様子を感じることができ、明日への期待を持つことができる。

  評価項目3 日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している 実施状況
  標準項目1 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
  標準項目2 子どもが、集団活動に主体的に関われるよう援助している
  標準項目3 子ども一人ひとりの状況に応じて、子どもが言葉による伝え合いを楽しみ、言葉に対する感覚を養えるよう配慮している
  標準項目4 子どもが様々な表現を楽しめるようにしている
  標準項目5 戸外・園外活動には、季節の移り変わりなどを感じとることができるような視点を取り入れている
  標準項目6 生活や遊びを通して、子どもがきまりの大切さに気付き、自分の気持ちを調整する力を育てられるよう、配慮している
講評
子どもの選択に基づいた生活と遊びの空間が、子どもたちの自主性を引き出している

遊びの環境と生活空間を意図的に構成することで、子どもたちの自主性と自発性を自然に引き出している。まず生活においては、遊ぶ場所・食べる場所・寝る場所が空間的に区分され、子どもたちが選択し行動することができる。遊びにおいても、3~5歳は(部屋別ではあるが)電車、オセロ、レゴブロック、積み木、塗り絵、パズル、粘土など机上の遊びの場を「静」、体を動かしたいという欲求を満たせるように廊下を「動」のスペースとしてサーキット遊びを展開するなど、多様な遊びを可能にする空間構成の工夫がある。

日常的に生まれる集団遊びでは、保育者の意図性に加え子どもの意見を尊重している

日常の生活支援や設定的な遊びの中で保育者の役割は理解者、受容者、支援者、指導者、見守る者として多岐にわたる。特に乳児の場合、集団的な遊びは主に保育者主導で行いながら適宜、子ども同士の関係性に繋げている。また幼児クラスでは自然に発生する子ども同士の遊び(サッカー、鬼ごっこ、ドッジボール等)を子ども自身が主体的に広げ、深めていけるよう支援を行っている。そうした遊びの中で更に生まれてくる「こうしたい!」といった子どもたちのアイデアに対しても、可能な限り選択肢を準備して対応するなど、子どもの意見を尊重している

生活や遊びの中での異年齢児保育を通して、子どもたちの多様な社会性を引き出している

園での生活と遊びは、子ども集団の中での子ども同士の関わりを構築することを目的として、同年齢と異年齢のクラスで構成されている。特に3~5歳児では、異年齢で構成されたクラスの中で大きな発達の差があるが、保育者はそれを踏まえ、この大きな発達差を生かし子ども同士の「教え、教えられる」関係性を上手に引き出している。更に自由遊びの際はクラス編成に拘らず、子どもたちは自由に行き来ができるようにしている。意図的に構成された子ども集団と子ども自身が作り出す集団が、生活と遊びの中にバランスよく組み込まれている。

  評価項目4 日常の保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している 実施状況
  標準項目1 行事等の実施にあたり、子どもが興味や関心を持ち、自ら進んで取り組めるよう工夫している
  標準項目2 みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
  標準項目3 子どもが意欲的に行事等に取り組めるよう、行事等の準備・実施にあたり、保護者の理解や協力を得るための工夫をしている
講評
行事は日常の生活と遊びの延長上にあるものと考え、子どもの参画が大切にされている

園では行事を日常の生活と遊びの延長上にあるものと考え、その中で子どもたちがどんなことをしたいのか、どのようにしていきたいか考える場を提供している。例えば発表会では、保育者は保育の中でよく読んでいた絵本をテーマとして提案、その後の役決めなどは子どもたち自身で行った。また内容についても、例年やっていたお遊戯を劇に変え、日常の異年齢集団をスムーズに劇の配役につなげる工夫をしたという。日常の保育と行事が密に連携している。

保育者は子ども自身の「やろうとする意欲」を尊重しながら行事を実施している

みんなで協力し、やり遂げる喜びを感じるための工夫として、「自分たちで考える時間」を大切にしている。例えば運動会で行われたリレーでは、グループや走る順番を決める際、子どもたちは一人ひとりの特徴を理解しながら話を進めた。更にメンバーが多い状況になると、「勝ちたい」という共通目的のため自発的に1名の子が抜け、勝利の原動力となったという。このような、子ども自らが考え決定するプロセスこそが、園が目指す子どもの姿なのだろう。またこうした子ども同士のやり取りはしっかりと記録され、望ましい子どもの育ちとして掲示されている。

行事への保護者の参画を促しながら、保育の方針・方法への理解を深めている

行事は時として、園=見せる方、保護者=見る方という関係性を創り出してしまう場合がある。しかし当園では、様々な行事やイベントの中で、保護者の様々な役割を考え、保護者の参画を促している。例えば運動会のゴールテープ係、1等2等の等賞旗係やお楽しみ会での手伝いなど通じて保護者は子どもたちの育ちだけでなく、職員の子どもに対する声掛けや関わり方を身近で感じることができる。こうした協働により、保護者の園の保育方針への理解は深まり、更に積極的な行事への参画へと繋がっているという。

  評価項目5 保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている 実施状況
  標準項目1 保育時間の長い子どもが安心し、くつろげる環境になるよう配慮をしている
  標準項目2 保育時間が長くなる中で、保育形態の変化がある場合でも、子どもが楽しく過ごせるよう配慮をしている
講評
保育時間の長短に関らず生活の始まりを意識付けしながらスムーズな生活へと繋げている

園での生活のスタートを意識するため、毎朝の体操が取り入れられている。職員と子どもたちが毎日定時に園庭で行う「ラジオ体操」や「元気一番府中体操」がそれだ。この体操には、時には同一施設内にある高齢者施設の方も参加するという。この取り組みは、健康面に加え生活リズムを創り出すという面で大きな意味を持っており、特に長時間利用の園児にとっては、園の一日のスタートの効果的な意識付けになっている。生活の中の区切り(遊びから食事へ等)においても、一斉的な指示や命令でなく、一人ひとりが自らのリズムで取り組みやすくなっている。

様々な保育利用に対して適宜環境を変化させることで、子どもの気持ちを切り替えている

園は地域の様々な利用のニーズに対して幅広いサービスの提供を心掛けている。22時までという長い開所時間の中でずっと同じ部屋で同じ人と生活するというのは子どもにとっても大きなストレスとなりかねない。そのため早朝合同保育やクラスに分かれての保育、夕方合同保育、夕食が必要な子における保育など、その時々に人数が少なくても寂しさを感じないような部屋であったり、少し寝転がってゆっくりと過ごせる部屋など、利用人数に応じて適切に使い分けられるよう多様な環境を整えている。

生活と遊びの中の子どもの自己選択が、子ども自身の情緒の安定をもたらしている

園は生活と遊びの両面において、子どもたちの選択の機会を保障している。例えば遊・食・寝の3つの生活要素をそれぞれ保証した空間構成は、一人ひとりの個人差に応じながら、子どもたちがどの場面でも安心してじっくりと活動に取り組むことを可能にしている。また遊びの場面では、静かに遊ぶ場と体を動かして遊ぶ場を空間的に分けており、一人ひとりのやりたい意欲を損なわない。常に自己選択できることで、子どもたちの情緒は安定し、子ども主体の生活が実現している。

  評価項目6 子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している 実施状況
  標準項目1 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
  標準項目2 メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
  標準項目3 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している
  標準項目4 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
講評
「レストラン給食」スタイルにより、子どものコミュニケーションスキルを高めている

園は3~5歳の配膳において、「レストラン給食」というスタイルをとっている。これは当番が配膳台に立ち、子どもたち一人ひとりが注文をし、自分で自分の分を運ぶというもの。「どれくらい?」「多く? 少なく?」という会話で子ども同士のやり取りが生まれる上、好きな場所に座ることができるので、食事の提供や座る場所の話題でも大いに盛り上がっている。3~5歳児が混合で座るので、会話の幅が広がり、年長児が年少児の会話を引き出すことを意図したような環境が自然と成り立っている。

四季折々の食材や素材そのものを味わう機会をつくり、食への興味・関心を育んでいる

園の保育方針「和の保育」の4つの柱「自然」「心」「礼節」「伝統」の「自然」から食に繋がる取り組みとして「精進料理」をメニューに加えている。これらは宗教的な側面というよりも、日本の伝統文化を身近に感じてほしいということからだ。クッキング活動としてこの精進料理が行われ、子どもたちの食・生命への興味・関心を高める機会となっている。またメニューも2サイクルで構成され、1サイクル目に見えてきた課題(残食が多い、味つけが濃い薄い等)を2サイクル目に改善するなど、高い意識で食に取り組んでいる。

栽培から調理へと繋がる活動が食への意識を高め、感謝の心につながっている

園では季節に応じて様々な野菜などを育てている。野菜の生長を身近に感じるとともに、キャベツちぎりや皮むきなどのお手伝いから、食材としての野菜そのものに触れる機会を大切にしている。また1、2歳児では、ジャムづくりやジュースパーティーなど簡単にできる活動を行い、乳児期から食への意識を高めている。勤労感謝の日には、子どもたちが育てた大根を浅漬けにし、「いつもありがとう」という気持ちを込めて保護者にプレゼントしたという。食の営みを、生命・食材への感謝、また人への感謝へと繋げている。

  評価項目7 子どもが心身の健康を維持できるよう援助している 実施状況
  標準項目1 子どもが自分の健康や安全に関心を持ち、病気やけがを予防・防止できるように援助している
  標準項目2 医療的なケアが必要な子どもに、専門機関等との連携に基づく対応をしている
  標準項目3 保護者と連携をとって、子ども一人ひとりの健康維持に向けた取り組み(乳幼児突然死症候群の予防を含む)を行っている
講評
嘱託医との連携による健康状態の丁寧な把握だけでなく、看護師の指導も充実している

嘱託医との密な連携が行われており、健康診断を毎月実施することで子どもの健康状態をきめ細かく把握できている。嘱託医が発達相談も行っているため、特別なケアが必要な子に対する対応も十分に行えている。歯科健診の実施も年3回行っており、健康面のサポートが非常に手厚い。2名の看護師による手洗いや歯みがきの指導だけでなく、保護者から敵今日してもらう生まれた時の写真を使った「命のお話」も行っており、身体の健康だけでなく心の育ちに対する取り組みも積極的に行っている。

子ども自らがリスクを回避する力をつけることを目指した指導や取り組みを実施している

子ども自身でリスクを回避できる力をつけることを目指しており、職員が劇を通して園生活や遊びの中でのリスクについて子どもたちに伝える取り組みを行っている。リスク回避の基礎となる基礎体力の向上に対する意識も高く、毎朝ラジオ体操を実施したり、誕生会後にリズム遊びを取り入れたり、マット運動も実施する等、運動を行う機会を多く設けている。実際の遊びの中で自ら他児との距離を適度にとってぶつかることを回避する姿が見られるなど、園の取り組みがリスクを回避する力の育ちにつながっている。

目視だけでなく午睡チェックシステムも活用し、乳幼児突然死症候群の予防に努めている

乳幼児突然死症候群を防ぐため、0歳児は5分ごとに目視を行うだけでなく、布団に敷いているマットによって寝ている向きと呼吸をチェックし、職員が管理するタブレットでのチェックも行っている。1歳児は10分ごと、2歳児は15分ごとにチェックを行い、その様子を午睡時チェック表に記録している。また、当園では22時までの延長保育を行っているため、長時間の延長保育を利用する子どもについては日中から体調管理を丁寧に行い、延長保育の担当者に伝えることで安定した状態で過ごすことができるよう配慮している。

  評価項目8 保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して支援を行っている
  標準項目2 保護者同士が交流できる機会を設けている
  標準項目3 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
  標準項目4 子どもの発達や育児などについて、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
  標準項目5 保護者の養育力向上のため、園の保育の活動への参加を促している
講評
施設の貸し出しを行い、保護者同士の交流が進むよう支援している

保護者同士が子育ての情報や悩みを共有し互いに支え合う関係を築いてもらうことを目指しており、園がハブとなった交流の場を作るため、日中は使用していない夜間保育室を開放するなど、施設の貸し出しを積極的に行っている。保護者が集まってゆっくり話をすることに使われている。その他にも懇談会の後に茶話会を実施するなど、交流を促す機会を多く設けている。行事の手伝いをお願いすることの目的の1つに保護者同士の交流があり、園が目指す保護者が支え合って子育てをしていく関係づくりのきっかけとして機能している。

保護者が行事の手伝いを積極的に行ってくれ、共に保育を進める関係ができている

保護者の園に対する協力の意識が非常に高く、行事の際には積極的に手伝いを行ってもらえる関係が作られている。年長児の高尾山遠足は台風の影響でルートを変更することになったが、新たなルートでの登山のサポートをしたいと保護者の方から申し出あり、楽しく安全に遠足が行われた。運動会の手伝いや年長児が夜まで過ごすおたのしみ会でも保護者が手伝ってくれることなどからも、園の方針や活動に対する理解が非常に深いことが窺える。送迎時の丁寧にコミュニケーションを行っていることも保護者と共に保育を進めていくことにつながっている。

送迎時に子どもの様子を伝える会話を大切にし、相談しやすい園となるよう心がけている

保護者からの相談はいつでも受け付けているだけでなく、面談や懇談会も設定し、不安に感じていることを話してもらいやすくしている。普段から保護者と何でも話せるようにしておくことが相談しやすい関係づくりでは重要と考えており、送迎時の短い時間でも保育者から積極的に園の様子を伝えるなど会話をするよう努めている。必要があれば関係機関と連携をとって支援にあたるようにしている。年10回の臨床心理士による巡回相談では希望する保護者は相談することができ、安心して子育てができるよう支援している。

  評価項目9 地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている 実施状況
  標準項目1 地域資源を活用し、子どもが多様な体験や交流ができるような機会を確保している
  標準項目2 園の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
講評
ボランティアの受け入れを積極的に行い、子どもが様々な人と関わる機会を作っている

子どもたちが様々な世代の方と交流する中で多様な人がいることを知り、個々の違いを生かし合うことで社会が成り立っているのを知る機会を作ることができるのも保育園の役割であることから、小学生から高齢者まで幅広く、積極的にボランティアの受け入れを行っている。ボランティア希望者は保険に入ってもらうために登録をしてもらうことになっており、登録後に保育や行事のサポートを行ってもらっている。ボランティアや実習生など、地域の方と触れ合うことに子どもたちは慣れており、自然な関わりが行われている。

介護予防推進センターとの連携により日常的に地域との交流が行われている

同じ建物の上の階に介護予防推進センターがあることを活かし、積極的に交流を行っている。同じ建物内ではあるが、センターへ出かけることを散歩と位置づけており、子どもたちは出かけることを楽しんでいる。センター内では園のボランティア募集の案内が行われており、その案内を見た利用者がボランティアに来てくれることも多く、園から出向くだけでなくセンターからの人が来てくれる仕組みづくりがうまく機能している。園が大事にしている地域との交流が日常的に行われる関係づくりができている。

園行事に地域の方を招待するだけでなく、地域の行事にも参加して交流を深めている

園の行事には地域の方も積極的に招待し、園児との交流が生まれる機会を作っている。夏祭りは建物全てを使って行い、地域の方も合わせて500名以上の参加がある大きな行事となっている。園の近くで畑を借りており、そこでできたサツマイモを調理して食べる会を行い、地域の方を招待している。それ以外にも発表会や餅つき会など地域の方を招待する行事を多く行っている。園に来てもらうだけでなく地域の行事に参加する機会もあり、府中市の福祉祭りでは年長児が出し物を披露するなど、地域との関係を丁寧に作っている。


  サブカテゴリー5 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
  評価項目1 子どものプライバシー保護を徹底している 実施状況
  標準項目1 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目2 子どもの羞恥心に配慮した保育を行っている
  評価項目2 サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している 実施状況
  標準項目1 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
  標準項目2 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した保育を行っている
  標準項目3 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
講評
子どもの意思を尊重し、選択することができる保育を実践している

子どもの主体的な活動を保障するために、子ども自身が活動を選択できる保育を行っている。部屋ごとに違う遊びのスペースが用意されており、子どもはどの部屋のどの遊びでも自由に選択できるようになっている。アイスクリーム屋さんをやるために段ボールがほしいと要望があれば段ボールを用意するなど、子どもの希望する活動ができるよう保育者はサポートしている。食事は前半と後半に分かれており、自分のお腹の具合に合わせて食事をとる時間を選べるようにしている。睡眠も体力に合わせて寝ない選択もできるようにしている。

子ども一人ひとりを大切にした保育を行えているか、点検する機会を多く設けている

子ども一人ひとりの権利を保障した保育を行えているかを点検できるよう、人権擁護委員会を設置して子どもの人権について考える場を設けている。委員会が用意したチェックシートを職員全員がチェックし、それを委員会メンバーが集計し職員会議の場でフィードバックを行っている。法人の行動規範にも「子どもを一人の人間として尊重し」「一人ひとりの発達に合わせた援助を」とあり、個々の発達を把握するソフトを活用して個々の違いに応じた保育を行うための確認の機会を多く設けている。

園は「個人情報の基本的方針」に基づいて取扱を定め、同意を得ている

園は個人情報について①取得・利用目的、②第三者への提供、③個人情報の管理、④写真や動画の掲示・掲載に区分して、取扱について入園前の説明会等で伝える場を設けている。また同意書では上記の①~③に同意欄、別に④の同意欄をそれぞれ設け、各家庭の個別状況に応じて細かく対応できるよう配慮している。更に保護者から特別な相談が生じた場合は、相談内容に応じて管理者だけで留めておくなど配慮している。それぞれの家庭の必要性に応えながら、プライバシー保護を徹底している。


  サブカテゴリー6 事業所業務の標準化
  評価項目1 手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  標準項目2 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  標準項目3 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
  評価項目2 サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  標準項目2 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている
講評
業務標準化のための各種マニュアルが整備され、いつでも確認できるようにしている

保育、調理衛生、アレルギー対応、保健対応など各種マニュアルが細かく整備されている。実習生やボランティアの受入、来客対応のマニュアルも整備されており、保育だけでなく園運営全般についてどの職員でも迷わず対応できるようになっている。これらのマニュアルは一覧表も作成して各保育室で保管し、いつでも閲覧できるようにしてあるため、確認しなければならない事項等が出た場合には、職員はマニュアルを見て確認している。内容の改定や新規の追加項目もあり、業務の変化に応じて常に見直しを行いながら、業務の標準化に取り組んでいる。

各種会議で事例を元にしたマニュアルの見直しが行われる仕組みができている

法人の園長会や主任会、看護師会、栄養士会でマニュアルの確認と見直しが行われている。法人全体の多くの事例を元に、様々な視点からの見直しが行われる仕組みとなっている。法人のリスク委員会からの提案によりプール遊び時のマニュアルが作成されるなど、必要に応じて新規のマニュアルが作成されている。またリスク委員会ではマニュアルの作成だけでなく実際に起きた事故を共有する場にもなっており、そこからのマニュアルの見直しはもちろん、各園でより注意を促すよう働きかける役割も果たしている。

日々の保育や行事について保護者からも意見を聞き、適宜見直しを行っている

日々の保育で改善が必要なことがあれば、まず少人数の集まりである乳児会議や幼児会議の中で意見を出し合い、それを全体の職員会議で検討して改善につなげている。内容によっては幼児のリーダー、乳児のリーダーのみが集まって話し合うこともあるなど、見直しや改善のための協議の機会は多く用意されている。保護者からは行事後のアンケートや懇談会での質疑応答を通じて意見を出してもらい、その意見を元に話し合いを行って、行事や活動の内容だけでなく進め方や周知方法等についても見直しが行われている。