東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

法人の保育理念は「子どもたちの笑顔のために」を掲げている。その理念の下に全園8園を統括し、近隣の待機児童の解消に向けて貢献している。保育目標は①丈夫な身体を作り、健康な子どもに育てる②友達と仲良く元気に遊べる子どもに育てる③物を大切にする心を育てる④食を営む力の基礎を培うを掲げ、保育室各部屋に掲示して意識を高めながら推進している。これらは折に触れ職員会議や研修会等で職員の意識高揚を図っており相互理解を深めている。また入園見学会を開催し、入園面談時に重要事項説明書に基づき説明をしており、理解を深めている。

経営層は毎月1回の施設長会議で話しをする機会を設け、自らの役割と責任を伝えている。経営層は特に実践的な教育を重要視しており現場経験から系列園の連携を図りながら、方針に沿った活動の具現化ができるようリーダーシップを発揮している。全園の連携を大切に運営しており現場経験から理念実現に向けて若い職員をリードしている。施設長会議や栄養士会議で職員が取り組むべき方向を示しており、職員の活動や連携がスムーズに進められるよう配慮している。また新たなパンフレットを作り保育理念・保育方針・活動内容を、関係者に伝えている。

重要な案件については決定ルートは明確になっている。クラス会議からリーダー会議そして職員会議、さらに経営層へと伝えられ検討・決議している。重要な意思決定についてはその内容を系列園全体の施設長会議にて話し合い、職員会議にて報告、意見を出してもらっている。系列園全体の施設長会議を月1回実施することで、コミュニケ―ションが一層充実してきている。重要な意思決定は現場の職員の意向を反映できるよう決定までの課程を大切にしている。重要案件の決定事項については必要に応じて保護者全体会や園だより、掲示板で伝えている。

園では入園前、子どもの生活調査票を記入してもらい参考にしている。また各行事ごとにアンケートを実施し状況を把握している。さらに玄関に設置している意見箱にて意向の把握をしている。職員アンケートは年1回実施しており、面談を実施し、意向を確認している。地域の福祉の現状や福祉事業全体の動向等については区の公私立保育園園長会に参加して情報を収集している。園の経営状況については、運営委員会のメンバーを中心に経営状況を把握・検討している。これら把握した情報については施設長会議で検討し、対応すべき課題を抽出している。

保育理念・保育方針は重要事項説明書や新たなパンフレットで明示するとともに、保育課程を基に年度単位の計画を立てている。例年行事等は決まっているが、年度末には次年度会議を行い、保護者アンケートを基に見直し、話し合いで決めていく。保育課程は系列園でフォーマットを共通化しているが、当園はIパッドの導入により、効率的な運用を図っている。短期目標については毎週の全体ミーティング等で計画を立てている。大きな行事に関しては園長、行事担当がスケジュールを組み、その後各職員が分担して計画的に進められるようにしている。

各行事を行う際には計画と共に保育目標を定め、職員個々に意識を高めている。毎月の園だよりに各クラスの保育目標を載せ保護者に明示している。計画の実行にあたっては各行事の反省をしたり、系列園での成功事例・失敗事例等の情報を取り入れながら、より高い成果が得られるように努めている。中間での達成度合いは保育目標を確認しながら職員個々の意識を高めるようにしている。計画の進捗度合については全体会議で話し合い見直しをして、変更をした場合は園だよりやお知らせボード等により早めに伝え混乱を招かないように配慮している様子が伺える。

社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理等は園規則・就業規則を通して、職員に理解され運用できるように努めている。保育所保育指針の読み合わせ勉強会を職員会議やクラス会議を通して開き、理解を深めている。また年1回自己評価制度における目標や意識調査の内容の確認と面談を行っており、職員の意識調査を徹底している。また法・規範・倫理のに関する外部の研修を受講した職員は職員会議で、その研修内容を発表し情報の共有化を図っている。さらに資料の回覧を行い研修で得た情報が隅々に行き渡るようにしている。

園として、日々の送迎時に保護者とのやりとりの中で、ご要望をお聴きするとともに、随時対応している。玄関には意見箱を置き入園の契約時には重要事項説明書に記載している相談先を説明している。また個別の相談が受けられる時間をとったり担任との個人面談を設けている。意見、要望受付書では保護者から見た、家庭での出来事や心配事を相談し、職員側からは園での生活面、身支度等をお伝えしており相互のやりとりを密にして日常の保護者とのふれあいを大切にしている。一方で毎月視診を行い家庭からの怪我・傷などの記録を行い虐待防止に努めている。

地域の福祉ニーズに基づき、園の専門性を活かした取り組みで、園の透明性を図るため、リトミックを中心とした育児講座を毎月3組～4組、地域の親子を招いて行っている。この事により園の知名度向上と地域への貢献に繋がっている。またボランティアの受け入れに対する基本姿勢を明示し受入態勢を整えている。園が地域としての役割を果たすため、区の公私立保育園園長会に参加して福祉関連情報を把握している。また地域のネットワーク内での共通課題について課題があれば、園内でも積極的に取り組むよう提案しており、協同できる体制を整えている。

園児の安全確保のため、園外で何か事件等が起こった場合は、行政からメールが届き、必要に応じて貼り紙等をして保護者にも伝えている。また月毎に地震・火災・不審者侵入など様々な想定をした上で避難訓練を計画し実施しており消防署にも報告している。ヒヤリハット、事故簿、避難訓練の記録簿をつけて再発防止・予防を行っている。感染症が発生した時には貼り紙をし毎日玩具消毒を行い病気について広まらないように情報を提示している。災害時には保育所連絡情報メールのシステムを活用し保護者に一斉メール配信したり、感染症の情報も周知している。

風水害などの天災等は所在地における地域特性を把握し、行政の発行するハザードマップを参考にしている。月毎に災害を想定し避難訓練を実施している。事故・感染症・災害対策については、都度、保育状況把握と対応について確認を行い、即対応、改善を行い再発防止に努めている。保護者へは玄関に貼り紙で知らせている。また災害時マニュアルや不審者乱入・侵入時マニュアルを作成している。このように個々には災害リスクについての対応はできているが、今一度、事業継続計画（BCP計画）についての知識の深堀りと体系的な整備に期待したい。

情報の重要性や機密性を踏まえ、園では情報の管理を一元化している。アイパッドの導入により、各種計画策定や実績報告等、効率的な運用が展開できている。ホームページでは、園の特色を写真や図入りでわかりやすく表現している。また画像はプライバシーや均質性に配慮している。各書類は所定の場所で整理・保管し必要な職員が必要な時に活用できるようにしている。過去の書類は年度毎にファイル分けし、まとめて事務所の奥の保管場所に保管している。また保育所連絡情報メールの活用により、保護者に一斉メールが届くようにしたり改善が進んでいる。

人事制度に関する方針は明確になっており、採用の都度説明をしている。また変更になった時は都度、全体職員会議で説明している。園が必要とする人材については、就職フェアーの出展を月2回重点的に実施し、その他、ハローワークでの募集、ホームページにより、適切な人材確保ができるよう工夫している。法人として将来の人材構成を見据え、新園の展開や認証保育所から認可保育所への展開で職員の配置もバランスのとれた人材配置が必要であり、経験の偏りがないように配慮しながら、ローテーションを図り、適材適所の配置ができるよう取り組んでいる。

職員一人ひとりの能力は、採用時は履歴書を参考に、その後は毎月の面談で把握している。毎月の面談時、翌月の目標を揚げ、翌月はその反省をしている。代表・園長が話し合い、個々に合った研修に参加できるよう計画している。外部の研修には1人あたり年2回、参加できるようにしている。園内研修では特に認証保育所から認可保育所に移行した事を機会に、運営面での理解を深め、学び合うことを大切にしている。様々な外部研修への受講後は、各自研修報告書を提出するとともに、職員全体会議で発表する機会を設け、知識、知恵を共有している。

職員が努力している事、良いなと思う事等は全体で伝え誉めたり、認めていく事でやる気に繋がるようにしている。同じ職場だけでなく、系列園の職員から見ての感想をもらう事により、新たな気づきや発見もあり、やる気、向上心が、より高められるようになっている。毎月の面談では職員の要望や悩みを聞き一緒に改善し、気持ち良く働ける環境づくりを行っている。また行事の後には食事会を開き、楽しく意見交換ができる場を作っている。就業には、シフト希望を募り、偏りがないようシフトを作成、有給休暇等も取りやすい環境を設定し取得している。

園は最寄駅から徒歩圏内の商店街の中にあり、花屋や喫茶店、魚屋、公園などが隣接し人通りの多い賑やかな場所に立地している。園の前には掲示板が設置され、園行事の案内や季節ごとの飾りつけがされており、道行く人に保育施設であることを伝えている。行政の保育サイトからリンクできるＨＰを作成しており、系列園の紹介と共に、園の基本情報や保育の特徴を掲載している。ＨＰには動画や写真を多く用い、保育の様子が解りやすい工夫がある。園独自のパンフレットは今年度作成し、幼児教育に力を入れている事や食育、一日の活動などを紹介している。

園は平成１６年度よりこの地で２歳児までの認証保育所を運営、本年度より認可園に移行している。以前から隣接している公園での活動や散歩、行事などで商店街の方々と触れ合う機会が多く、地域の人々には子どもの姿で園の保育を伝えている。行政とは、園児の受け入れ相談や会議などを通して子どもの情報を伝えている。私立保育園園長会や認可園園長会、看護師部会、栄養士研修会に参画するほか、他の認可園の子どもや老人福祉施設との地域交流があり園の情報を発信している。嘱託医や歯科医とは定期的な健診で園の情報を伝えている。

園見学の希望は、９月頃から１１月頃までに３回程度の見学会を開催している。１日１０組程度を目安にし、在園児の散歩時間に合わせて園内を案内している。園の保育はパンフレットや行事の写真を掲示し紹介している。今年度は、約８０組の見学希望者がいたため、日程を増やしたり、幼児教育を見学したい方や複数回見学したい等の個別対応での希望も受け入れている。日本語が苦手な保護者には英語の得意な職員が通訳として対応している。昨年度までは一時保育も受け入れ、今年度は認可となり年度途中の入園も柔軟に対応している。

今年度の入園時説明は個別に行い、重要事項説明書を読み上げ園規約について理解につなげている。持ち物などは実物を見て戴いたり、衣服については、活動しやすく安全なものを着ていただけるように具体的に説明している。子どもの写真の利用については、掲載先など具体的に示し、書面にて保護者の意向を確認している。勤務証明は園にも提出をお願いし、保護者の就労の状況を把握している。緊急連絡先は第一連絡先など具体的に確認するとともに、体調不良時の登園や園の対応について、理解し協力いただけるように丁寧に説明している。

入園前の面接は園長が行い、児童票や家庭生活調査票を確認しながら詳しい聞き取りを行っている。乳児は食事についてのアンケートの記入をお願いし、離乳食の進み具合など栄養士との面談も行っている。慣らし保育については、面談時に大まかなスケジュールを伝え、２週間を目安に１時間３０分程度から始めている。スタートの時間は、実際にお預かりする時間からとしている。おしゃぶりやぬいぐるみ、タオルなど子どもの安心グッズなどの持ち込みも認めている。冷凍母乳もお預かりし、家庭で慣れた哺乳瓶や乳首を使用している。

年度途中の退園では、クラス毎にお別れの挨拶をしたり、職員手作りのメッセージカードや制作をまとめた作品集、園で取りためた写真で作った「おもいで帳」を渡している。３月末には全園児参加のお別れ会を開催、卒園証書授与やみんなで歌を歌ったり、園で大きくなった思い出を心に刻んでいる。卒園後も幼稚園の制服姿で挨拶に来たり、小学校に入ってもランドセルを見せに園に立ち寄る子どもの姿があり、地域に根ざした園であることが伺われる。今後は５歳児の受け入れを視野に入れ、小学校との連携に取り組みたいと園長は考えている。

子どもの全体的な姿は、児童票や保育経過記録、成長記録、子どもの姿個別配慮記録、一日の活動内容などによって把握している。それら記録はＩＣＴ化され、職員一人に一台づつ貸与されたタブレットにて共有されている。子どもの様子は、月１回のクラス会議で困りごとや指導案について検討され、その後に開催される月案会議で、各クラスのねらいを発表、全職員で共有される仕組みが整っている。月案会議では、献立会議も同時に開催され、保護者のニーズによる離乳の進め方なども共有されている。月案や週案は期日内に園長に提出されている。

計画は全体的な計画を踏まえ、年間指導計画、年間保健計画、年間食育計画を立案しそれぞれ４期毎に職員会議などで振り返っている。保健計画は看護師、食育計画は栄養士が作成している。月案、週案は各クラス担任が作成、個別月案は３歳児も作成し子ども一人ひとりの発達に寄り添う計画となっている。保育計画について保護者には、入園時の重要事項説明書にて詳しく説明し、毎月の園だよりにはクラスの活動の様子とねらいを掲載している。更に個別の発達については、お迎え時の対話や個別面談などで保護者と共有し家庭と連携した保育に努めている。

各指導計画はＩＣＴ化によりタブレットで全クラスの情報を共有できる。さらにクラス会議や月案会議を活用し参加出来なかった職員や非常勤の職員には、会議録の回覧で確実に伝えている。週案など天気に左右される活動の場合、振り替えた内容は記録に残すとともに、その都度園長に口頭で伝えている。その日の子どもの様子や保護者からの伝達事項は引継ぎノートに記載、職員にのみ伝達すべき事項は連絡ノートで周知に努めている。毎日１４時１５分から各クラス１名づつ参加し遅番の職員に引継ぎを行い、午前中の子どもの様子について情報を共有している。

各クラスの環境設定は、柔軟にコーナーを設けたり、１種類づつのおもちゃ箱を手の届く場所に配置するなど、自分で選べることを大切にして整えられている。各部屋には、子どもの興味に合わせて、野菜や木の実、動物などの写真を掲示している。イラストではなく、リアル感のある写真を見ることで、子どもの観察する力を養っている。園は商店街に位置しているため、散歩時には様々な人々と触れ合うことができる。今年度は隣接する認可園の子どもたちや高齢者施設との地域交流の機会を設け、様々な人々との関わりを持てる保育に取り組んでいる。

様々な子どもの背景は、入園時の面談や児童票、家庭生活調査票等から情報を収集している。それぞれの子どもにとって安心できる環境で生活できるように個別での対応も可能な限り行っている。外国籍の子どもも受け入れ、基本的には日本語での保育を行っているが、家庭環境や発達の過程に寄り添い、英語での会話など個別対応も行っている。アレルギーや体質的な食事への配慮が必要な子どもには除去や代替え食などで対応している。現在、障害などのある子どもの在籍はないが、認可園となり看護師も配置されたことから受け入れ姿勢は整えている。

現在は３歳児までの利用で、全クラスが見渡せるワンフロアの中で生活している。各クラス毎に仕切りを設けており、活動によってクラス単位や全クラス合同、縦割りでの保育など様々な保育形態を取り入れている。異年齢での活動も多いため、思いやる気持ちが育まれ、大きい子どもへの憧れなど互いが育ちあう環境となっている。発達の過程で生じやすい噛みつきやひっかき等は、子どもの気持ちに寄り添い、代弁や仲立ち、おもちゃを増やす、職員の立ち位置などで対応している。怪我をした場合、加害児の保護者にも伝え、爪を切るなどの協力を促している。

受け入れ時の家庭からの伝達は、保護者から口頭で伝えられることが多く、対応した職員は引継ぎノートに記入し周知できるようにしている。連絡帳はＩＣＴ化され、朝９時までの記入をお願いし、職員はそれ以降に確認している。連絡帳は睡眠や食事、排せつなどを時系列で記入していただくようにお願いし、連続した生活となるように配慮している。登園時は、保護者が着替えなどの補充のため各保育室前まで入室するため、さりげない視診チェックに努め、体調や傷などはその場で確認している。水遊びの可否など活動の制限などは保護者の意向を確認している。

乳児から２歳児の前期ぐらいまでの食事のタイミングは、個別に対応している。２歳児の後期からお当番活動を取り入れ、みんな揃っていただきますの挨拶など、楽しい食事の時間を過ごしている。手洗いは１歳児から、乳児はお手拭きタオルを使用し食事前の清潔習慣に取り組んでいる。手掴み食べも認め、食べる意欲を育てている。食具は発達に応じて取り入れているが、お箸は使用していない。トイレトレーニングは、家庭と歩調を合わせて取り組み、シール表など子どもの意欲を高めるツールも使用し、楽しく気持ちの良い排泄習慣の自立を育んでいる。

朝の会では、「朝ご飯は何を食べましたか？」などのインタビューごっこや生活習慣改善のポスターを見ながら早寝早起きの大切さを子どもに伝えている。午睡は体を休める時間とし、オルゴールの心地よいリズムと眠気を誘う柔らかな明かりで環境を整えている。乳児はセンサーマットを使用、午前寝はベビーラックなども使用し少しずつ生活リズムが整うように配慮している。降園時は、お迎えに来た保護者にまず、労いの言葉をかけ、給食展示や活動の様子記入したホワイトボードと共に子どものエピソードを伝え、家庭保育が楽しくなるように配慮している。

子どもの日頃の声を尊重し、指導案に出来る限り取り入れ、子どもの自主・自発的で積極的な遊びに繋げている。園内では、ブロックや車、ままごと、絵本、人形など子ども自身が手に取れる環境を設定、自由遊びに繋げている。子どもの「やりたい」を受け留め、遊び別にコーナーを設定、環境を分け、マットなどで空間を区切るなど、一人ひとりの空間を保障し、寛ぎ、集中、遊び込める時間を提供している。毎日の散歩先は、絵本の場面や普段の会話、どんぐりなど木の実、バッタ、だんご虫、遊具の話などに興味を示している姿を受け、公園を決定している。

毎日の散歩では、行き交う方々と自然に挨拶、笑顔を贈り、近隣商店等とはお買い物などで交流、近隣他園児とリトミック交流、自己紹介で触れ合い、学校帰りの卒園児など人間関係を楽しんでいる。絵本は子どもの手の届く環境を提供、毎日数冊の読み聞かせ、場面切り替え等に活用、季節歌や行事歌、月の歌、わらべうた、手遊び、紙芝居に加え、散歩中の職員は常に言葉掛け、一緒に歌うなど言葉による保育を提供。毎月の制作は行事や季節など子どもの興味、関心を視野に提供、音楽に合わせたリズム遊びや身体を自然に動かす体操なども提供している。

子どもの豊かな成長、発達には戸外、園外活動が必要と考え、年月齢に合わせ、風、太陽、陰、空気、土、砂、水、木、葉、花など様々な自然や季節に触れる散歩を中心に、泥んこ遊びや夏のプール、親子遠足、地域商店街など多彩に提供している。散歩先では虫たちと戯れ命の大切さを学び、子ども同士の関係性を大切に、自己主張が発揮される１歳児頃からは、「待とうね」「順番ね」「次貸してね」「玩具は投げない、大切にね」など職員が子どもの気持ちを受け留め、見立て遊びの順番、玩具の譲り合いなどを繰り返し伝え、自身の心の調整に繋げている。

子どもが興味や関心を示し、楽しく参加する年間行事に取り組んでいる。年度始め年間行事計画を決定、職員の各行事担当が自薦を基本に決められている。行事前には、絵本や行事歌、紙芝居、ペープサート、制作など行事に向けて子どものワクワク感や期待を膨らませ、謂れや由来も伝え当日を迎えている。こいのぼり制作、手作りおやつを頬張り、端午の節句。ハロウィンは南瓜とさつま芋でタルト作り。笹飾りを皆で楽しむ七夕会、夏祭りは屋台気分を味わい、夏の衣装を親子で楽しむなど良い想い出に繋がる良質な行事実践を高く評価したい。

子ども同士が協力、創り上げ、達成の喜びを実感する行事に取り組んでいる。ちょうちんやおばけ、たこ焼き、団扇などの制作を皆で作り、夏祭りを盛り上げている。敬老の日にはメッセージスタンドをプレゼント。七夕は親子で短冊作り、願いを込めて飾り付け、サンクスプレゼントは、写真付き、親子遠足で一生懸命歩く姿を披露、一緒にお弁当、お友だちや親子で触れ合った。クリスマス会はクラス発表、日頃練習したリズムダンスやお遊戯を皆で協力、保護者に成長を披露、制作も見て頂いている。節分豆まき、雛祭りなど全園児が協力創り上げている。

保護者、職員が子どもの豊かな育ちを喜び合っている。新しいお友達にドキドキの入園式、クラス別の保育参観は懇談会と同日開催、給食試食会も実施、災害を想定の引取り訓練、親子遠足は保護者の手作り弁当、ゲームなど触れ合いながら楽しんだ。クリスマス会は、歌やダンスなど普段の練習成果を披露、成長を共に喜び合い、子どもの個性的な制作を楽しんでいる。クッキング保育等特別な準備にも協力頂き、子どもだけの行事は、園便りなどで参加する様子や姿を伝え、年間通しての保護者参加行事に理解を頂き、参加協力頂いている。

子どもの安心な長時間保育に心がけ、落ち着いて保護者のお迎えを待てる環境を提供している。全園児に対して、クラス別月案、個人別月案、週案を作成、個別性に配慮した保育がある。登、降園は家庭環境により様々、年月齢、人数に考慮し、絵本やブロックなどのコーナー保育や子ども同士の自由な気持ちを尊重した豊かな時間を提供する合同保育を実施、毎週テーマを設定、紙粘土などを取り入れ、メリハリある保育を提供している。必要に応じ補食、夕食の用意もある。スキンシップを多めに提供、マットなどを活用し空間を設定、安心な環境を提供している。

園での連携記録は園務日誌で連絡帳や各指導案、成長の記録はアイパットで共有。発達に関する確認は、児童票による発達チェックと経過記録により行われ、園長が定期確認、気になる場合は、担任などと話し合っている。月案会議記録や定期職員会議、法人主導の施設長会議などさまざまな情報共有で子どもの姿を把握している。年間を通しての制作は、８月はうさぎ、９月はとんぼ、１０月はぶどう、敬老の日のメッセージスタンドプレゼントなど記録に残し、次に繋げている。子どもが取り組む姿や制作過程における振り返りなどへの取り組みにも注目したい。

全体的な計画に基づき、各種指導案を作成実践している。０、１、２歳児の年齢別クラス編成で設定保育を基軸に、季節行事や地域交流などは一斉保育、誕生日会は主役紹介、インタビュー、職員の出し物は毎回パネルシアター等工夫を凝らし、ケーキを楽しみ、カードを贈り、皆で歌を歌って祝福している。散歩などは全園児での縦割り保育を設定、朝、夕は、異年齢による合同、コーナー保育、自由保育を提供。挨拶やお手伝いなどを学び、生活自立を意識しトイレ、食事具、手洗いなども学んでいる。園長は、観察、寄り添った保育を目指している。評価したい。

給食、離乳食献立表は、栄養士が季節や行事等に配慮して作成、給食日誌を記し、振り返っている。調理も栄養士が担当、旬や産地にこだわり、味付けは、薄味を基本に食材本来の味を大切に、だしを活かし、彩り、香り、食感など五感への刺激も忘れずに、メリハリ良い、優しい給食が提供されている。年４～５回系列８園の栄養士が集まり、おやつのサンプルを持ち寄り意見交換等食育を中心とした栄養士会議が行われている。主食は米飯を中心に、麺やパンなどで、ひじきの煮物や切干大根など和食を基本に洋食、中華など多彩に提供している。

子どもの健康的な食に取り組んでいる。食物アレルギー対応は、入園時、保護者との面談で聴き取り、医師の診断書、指示書やガイドラインを確認、対応計画を作成、全職員に周知、徹底している。園の基本的な給食提供は、卵、乳を使用せず、アレルギー対応児には、テーブル、食器を分け、職員を配置し、着替えなどにも注意を払っている。家庭の価値観や拘り、文化、宗教などにも対応する用意がある。栄養士が喫食ラウンドし、職員と情報共有、好き嫌いや食べず嫌い、食への無関心、遊び食べ等保護者と連携、子ども一人一人の食の改善にも取り組んでいる。

子どもが様々な経験を通して食の大切さを学んでいる。年間食育計画を作成「食を営む力の基礎を培う」を目標に取り組んでいる。プランターでトマト栽培、皆で水遣り、成長、収穫を楽しんだ。行事計画表・食育を作成、粘土でクッキングごっこ、ココアや南瓜、ほうれんそうドーナッツ、スイートポテト、ハロウィンクッキングは南瓜とさつま芋でタルト作り、八百屋さんに秋の食材を見に行き、ワクワクで野菜に触れている。絵本や絵カードを活用、食材を学んだり、行事食は栄養士が、食に纏わる話をするなど取り組んでいる。更なる実践に期待したい。

子ども自身が危険に気づき安全に生活できる力が身につくよう援助。年間を通して身体を思い切り動かす散歩や水遊びを実施、外出時は全園児お揃いの青い帽子とスモックを着用、出来るだけ車の少ない道を歩き危険想定箇所では必ず安全指導を行い、子どもと職員の安全意識に繋げている。公園では安全に遊べるか確認、遊具の使い方を子どもと約束。職員は救命講習を受講し意識や技術を向上。必要箇所にクッション材を施し指挟み等怪我予防、転落・転倒・打撲等予防の為保育室に安全チェックリストを掲示。今後は警察と連携した交通安全教室にも期待したい。

園では、嘱託医による内科健診を０歳児は毎月、１歳児以上は年２回、歯科検診を年２回実施。身長・体重は毎月、頭囲・胸囲は年１回測定し健康票に記載し保護者に伝えている。年齢に応じた身長・体重は看護師が把握、子どもの成長・発達等で気になる場合は嘱託医と相談、保護者の安心に繋げている。１歳児からの手洗い、２歳児のうがいは洗面台の前で見上げた場所に子どもの大好きな絵を貼り指導。処方された外用薬・目薬はお預かり。医療的ケアが必要な子どもが入園した際は、診断書を提出していただき嘱託医と連携を取る体制を整えている。

子どもの体温と食事量、睡眠、排泄等をチェックし保護者に伝達。保護者の健康に関する戸惑いや疑問には登降園時の対話で対応。園玄関へ感染症やSIDS情報、行政・保健所等からのお知らせを掲示し保護者へ喚起。食材の放射線検査結果を公表。隔月発行のほけんだよりには、日常的な衛生、季節的な流行に関する注意点や対応、予防接種情報等を記載、手洗い指導のポスターや早寝早起きのガイドの持ち帰り等保護者へ確実な情報発信を実施。午睡時のプレスチェックは０、１歳児５分、２歳児以上１０分毎に実施、０歳児は体動センサーを導入している。

入園前の見学は個別を基本に４月入園に向けて一斉見学会・説明会を適宜開催。入園内定者には契約書・重要事項説明書・入園案内等を読み合わせ保育内容に関して同意を得た上で署名・捺印を頂いている。保護者から入園前の生活状況や要望等を児童票に記入して頂き保育計画を作成。慣らし保育は必要である事を伝え短時間から徐々に進めているが個々の状況にも配慮。入園時に家庭状況に応じた保育時間を決めているが、状況に応じた時間変更は協議した上で決定、急な残業等による保育時間変更に柔軟に対応し直近の連絡でも補食を提供している。

保護者同士、園関係者が交流できる機会として入園式、保護者会、クラス懇談会、保育参観、親子遠足、クリスマス会等を開催。懇談会では子どもたちに人気の玩具、絵本、パネルシアター等を体験、保育参観はマジックミラー越しに我が子の自然の姿を確認、親子遠足では親子が一緒に飛んだり跳ねたりの障害物競争をはじめとする競技参加、遊びながら職員を探すシールラリー、手作り弁当を囲み和気あいあい。今後も保護者に寄り添った支援、新しい交流の場等の提供、子どもと一緒に参加できるイベント企画を検討している。

発達等子育て、家庭保育に関する様々な保護者対応を実施。毎月の保育目標をクラスだよりに記載、個別計画は口頭で伝え、保護者理解に繋げている。登降園時の保護者対応は勿論、連絡帳を有効なツールと位置づけ、園長、主任は記録の方法、文面の表現、マンネリ化、質問への回答内容等、職員に対して細かく指導を実施。東京都第三者評価を定期受審、行事後の保護者アンケートで生の声を受けとめている。園は今年度認可園に移行、今後は年度末毎に１年の園運営を振り返るための保護者アンケート実施への取り組みにも期待したい。

天気の良い日には公園や戸外に出かけ、地域との交流実施。お揃いの帽子やスモックを着用してクラス毎や合同で出発、年月齢に応じて避難者や手繋ぎ歩行で出かけている。園は商店街に面し、様々な年代の地域の方々と出会い元気な挨拶に「行ってらっしゃい」と声がかかり、公園で出会った親子と遊具を共有し自然な関わりがある。定期的に図書館に通い好きな絵本を堪能、借りる本を選び園で大切に楽しんでいる。クッキング保育のための食材を八百屋さんに買い出し、ハロウィンでは近隣商店の方々が子どもの姿を心待ちにしてくださっている。

今年度近隣の高齢者デイサービスとの交流もデビュー、ドキドキしながら自己紹介、歌のプレゼントまでは緊張の面持ち、握手でようやく笑顔が見られふれあい遊びを楽しみ一緒に「はとぽっぽ体操」。子どもたちが皆で作った折り紙制作をプレゼントし、「また来てね」とお見送りされて満足顔で帰園。今後の継続的な交流に期待したい。園では在園児の保護者や地域の子育て家庭を対象に地域公開講座を開催、今後は「あそびにきませんか」と誕生日会やリトミック体験に地域の人の参加を呼びかける企画を検討している。

６月には近隣保育園５園が集まる地区交流会に３歳児が参加、「猛獣狩り」で人数集めゲーム、ボール遊びで対戦、ままごとや砂・どろんこ遊びで交流。９月には近隣保育園の３歳児が来園、「大きくなってこんにちは」「ドレミの歌」「とんぼのめがね」等リトミックで心と体を開放後はコーナー遊び、１１月には先方に出かけ、いすとりゲームやパプリカダンス等を楽しんだ。小中学生等の職場体験やボランティアに門戸を開き受け入れている。園は平成１７年に開設しその存在を地域に標榜、地域資源を活かし地域の子育て拠点としての取り組みを展開している。

入園時に契約書と重要事項説明書の中で個人情報保護方針を保護者に説明して同意を得、写真展示やHPへの写真や映像の公開についても年度当初にアンケートを取り個々の意向を確認している。児童票等の個人情報は子どもの支援の為日中は事務所内で閲覧可能、就業後は施錠し園長が厳重管理。おむつ交換は専用の場所を決め他からの目線を遮り、トイレは扉を閉め、お漏らしはさり気ない着替えを支援、着替えは「脱いだら着る」を約束、０歳児クラスから職員が意識して肌の露出を少なくしている。子どもへの言葉かけは諭すように丁寧な言葉を使っている。

子ども一人ひとりの価値観や拘り等を把握し尊重しながら支援実施。子どもへの声かけは「くん」「ちゃん」を基本に保護者の意向を確認、毎月の誕生日会の他誕生日当日には「おめでとう」をプレゼント。無理強いせず子どもの気持ちを大切に意思を尊重、日常の観察や対話から子どもの個性の理解に努めている。朝やおやつ・給食等生活に必要な挨拶、戸外から帰った時やトイレ後は手洗い、衣類畳みと収納、玩具や絵本の片付け等様々な活動における生活習慣取得を目指し個別支援実施。様々な場面で気持ちの調整が難しい子どもに寄り添い丁寧に関わっている。

子どもの表情や仕草等小さなサインを見逃さず、保護者の子育ての不安や気がかりについても傾聴して育児困難や虐待防止への支援実施。虐待防止について園外研修から職員全員が学び知識向上に努めている。玄関には行政のパンフレットを掲示、早期発見が出来るよう一人ひとりを把握している。職員が子どもの気持ちを傷つける不適切な言動をしないよう保育中の様子が職員間でよく見える環境を活かし、互いの関わり方を話し合える環境は自己肯定観を育む良質な取り組み。気になる子どもへは関係機関と連携する体制を整えている。

一定水準の保育を確保する為危機管理・緊急時対応、児童虐待、個人情報保護、応急手当、健康、食中毒発生時等のマニュアル、感染症対策、アレルギーガイドラインを職員がいつでも閲覧できるよう事務所に常置、園外保育や水遊び、子どもへのことばかけ、保育のマニュアルは日々の保育実践・見直しに役立てている。マニュアル類は園内研修で読み合わせ保育室には児童憲章や法人の運営理念を掲示して職員の意識向上に繋げ、新人職員には園長からの机上研修後は現場で悩んだり迷ったりした時に相談できる先輩指導係を配置し指導している。

月１回法人の施設長会議を開催、各園の状況報告や保育情勢の把握、法人として保育に関する課題等話し合う他、年度末には新年度に向けて法人本部でマニュアルの内容を確認。会議内容は記録を残し、見直し項目・根拠を明らかにしている。ヒヤリハット・事故報告についても怪我の発生状況・傾向を把握し環境整備等保育に活かしている。各園の栄養士が参加する会議は隔月開催、その日のおやつを持ち寄りレシピ案内と試食で各園の取り組みを共有、意見交換し新たな献立開発・食育への取り組みに繋げている。会議内容は議事録を纏め周知している。

日常の保育業務や行事等については、職員の意見やアイデアと行事後の保護者アンケートや保護者会、クラス懇談会、個人面談、運営委員会、日常の対話から得られた意見・要望、子どもの様子から反省・検討をして見直し、系列園とも連携を図りながら常に最新でより良いサービスを法人全体で提供できるよう取り組み、一定のレベルを保つよう努めている。保護者からの提案でクリスマス会を土曜日開催に変更、災害時を想定し子どもの安全確保を最優先した避難方法を再確認、備蓄品を見直し新たにミルク、離乳食、簡易トイレを導入等柔軟に取り組んでいる。