東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

新入職員に対しては新人マニュアルを配布し、オリエンテーションを実施して園の理念や考え方を周知しています。職員全体に対しては会社の全体研修、職員会議や面談等で確認しています。理念や考え方を伝える際はそのまま言うのではなく、説明する相手の立場に立った言葉や説明の仕方をするよう努めています。利用者に対しては、園見学、入園手続きの際、重要事項説明書などの資料に基づき説明しています。入園時の保護者会や行事のあいさつ時にもお話し、理解を深めています。

法人は、モンテッソーリ教育の理念に基づき、子ども一人ひとりの人格を尊重し、保護者、職員同士の信頼関係を深めることが大切であると考えています。これを伝え、運営していくことが園の経営層の重要な役割であると、年３回以上行われる法人主催の園長研修において説明しています。園長は職員会議などで職員の育成、運営、経営を行っていくことについて伝えています。職員とともに運営していくよう話し、一緒に園を盛り立てる中でリーダーシップを発揮しています。

クラス会議、リーダー会議、職員会議などで意見を吸い上げ、運営に反映させています。重要案件については、それぞれが自分の意見を言えるような雰囲気づくりと、自由に討議できるよう配慮して検討をしています。園で決定する案件については、職員会議で意思決定しています。変更点がある場合、運営委員会や入園説明会などで利用者に説明しています。さらに必要に応じて手紙を配布し、個別に対応しています。

定期的に第三者評価を受審しており、受審しない年には、第三者評価の利用者調査と同様のアンケートを行っています。このアンケートをもとに園としての改善案を検討し、年明けにアンケート結果と改善策を公開しています。集計、分析、グラフ化して、集計表、回答表（改善策）を保護者に配布します。アンケートの集計は、第三者性を出すために、系列園の職員が集計します。不正の防止のほか、他園の取り組みなどの勉強の意味合いもあります。また、行事後にもアンケートを実施し、利用者の意見を翌年の行事に反映させています。

職員の意見や意向を反映するために職員アンケート行いました。また、個人面談を年間３回行い、意見を聞いています。特に、近々の課題だけではなく、当園の「５年後はどうなっているか」という長期的な問いを投げかけて、目先のビジョンだけではなく、長期ビジョンを確認し、共有するよう努めています。非常勤職員を含めて全職員に対して、将来像を確認しながら長期ビジョンを作成しています。　　　

事業計画では、中長期計画をもとに、単年度の３つの事業目標を掲げています。また、保育、給食、健康、防災、研修など８つの項目について、それぞれ具体策を事業計画として作成しています。重点項目には予算をあて、実施しています。経理事務も園単位で行っており、毎月収支の状況を確認しながら運営しています。また、４か月に一回の振り返りを書面として本社に提出しています。これをもとに本社と面談などを実施し、事業計画の進捗状況を確認しています。

全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理（個人の尊厳を含む）などを周知し、理解が深まるように新人研修、全体研修の中で周知するとともに、施設長研修、中堅者研修等の研修に積極的に参加しています。また、園内研修で周知しています。また、法人で作成した職員確認表があり、年２回実施しています。内容は、子どもへの言葉かけや身だしなみなどで、毎年重要な１０項目を決めています。確認は園長、主任が行い、面談でフィードバックしています。　　

年に２回子育て交流会を実施し、離乳食、育児相談会など子育て相談の場を提供しています。また、本年度は地域の企業などとタイアップして夏祭りを実施しました。地域の郵便局の販促イベントに地域の企業が協賛する形で実現しました。はがきに子どもの手形や足形を取って親族に送る企画を実施して大盛況でした。この夏祭りの間には、ポストを臨時に園内に設置してもらうなど、楽しいイベントを地域とともに実施しています。

重要事項説明書に保育内容に関する相談・苦情受付窓口を明示しています。相談・苦情受付担当者を示し、相談苦情解決責任者を明示しています。また、苦情解決における客観性と社会性を確保するとともに、苦情申出人に対する適切な支援を行うため、第三者の立場に立つ第三者委員を設置しています。これらを重要事項説明書に掲載し、また玄関に第三者委員の氏名・電話番号の掲示もしています。利用者調査では、「外部の苦情窓口にも相談できることを伝えられているか」の設問に対して６５％弱の利用者がはいと答えています。

各種マニュアル（防災マニュアル、事故発生対応マニュアル、嘔吐処理マニュアル、食中毒対応マニュアル、調理衛生マニュアル）を作成し、緊急時の対応を行えるように事務所と各クラスに設置しています。また、各種マニュアルに関する研修を行っています。月に1回、地震・火事・不審者などについて、避難訓練を行い、対応の確認、改善策の検討をしています。

事故報告書、ヒヤリハットを活用して事故の再発防止に努めています。ヒヤリハットについては、数多く提出できるように、日誌の中にヒヤリハットの欄を設けて記載しやすいように工夫しています。この方式に変更してからは、週に各クラスで２つ程度が提出されています。内容により緊急の会議を実施して対策を講じ、迅速な園内周知を図っています。また、BCP（事業継続計画）を策定していますが、今後さらに詳細かつ実用的なものにしていくことを予定しています。

法人の規定に基づき個人情報を取り扱い、その方法について利用者に説明し、書面による同意確認を得ています。利用目的を明示した個人情報保護規程を策定し、保護方針を園内に掲示しています。個人情報の記載された書類の持ち帰りを認めないなど個人情報が漏洩しないよう対策を徹底しています。

法人では、個別の育成計画である書式（成長シート）を定めています。環境整備や一般常識などの基本的事項、保育面・モンテッソーリ活動・保健面などの知識や技術、勤務態度などについて本人が振り返り、園長とともに面談の中で達成したこと、今後の課題など目標を明確化しています。こうした取り組みを通して、一人ひとりの着実な成長を図っています。さらに園として、特に新人職員の着実な成長を図っていくべく、保育実践と指導・助言を積み重ね、記録し、気づきを促しています。

法人では、園長研修、主任研修などの階層別研修のほか、法人の特色であるモンテッソーリ研修を行っています。また年に１回は、全職員を対象とした全体研修を行っています。法人主催の研修以外にもエリア内の研修を行っています。なお、東京都の主催の研修など、外部研修には非常勤含めて年に１回以上は参加するように努めています。研修参加後には研修報告書を提出し、職員会議での報告や職員の回覧を行っています。

自治体と連携して園の案内を行っており、市のホームページや多摩市子育てガイドブックに園の概要を掲載しています。また、ホームページでは「園の特色、理念、園の概要、一日の流れ、年間行事」などについて写真とともに紹介しています。ホームページは常に更新をして、新しい情報の提供を心掛けています。併せて、見学者には法人が教育方針として採用しているモンテッソーリ教育について説明した資料も提供しています。

見学は随時受け付けし、希望に合わせて日時を決めています。対応する職員は相手の状況を聞くとともに、施設を案内しながら園の理念や目標、特徴などについて説明しています。園の特徴について、モンテッソーリ教育を取り入れた保育のスタイルを説明しています。理解と関心をよりいっそう深めてもらえる機会として、モンテッソーリ体験会への参加を促しています。

入園を希望する利用者には、契約書や重要事項説明書を取り交わすとともに、児童票・健康調査票などへの記入を依頼しています。アレルギー等食物除去などについては、診断書により把握しています。同時に、園生活について、重要事項説明書をもとに「施設の概要、園の基本的なルール、保育計画、一日の流れ、食事、個人情報の保護」などについて説明しています。重要事項説明書・同意欄への署名と契約書の取り交わしをもって、説明内容に対する同意を確認しています。

入園直後は無理なく徐々に園に慣れていけるように、慣れ保育を実施しています。1週間（5日間）を目安に実施していますが、園児の様子や保護者の就労状況に合わせて個々に調整し、ニーズに応じて慣れ保育期間を短縮または延長するなどの配慮をしてます。本園においても、ニーズの多様化が顕著なようです。なお、年度当初は、特に手厚い保育体制を築いています。一方、サービスの終了時には、一時保育の活用を案内するとともに、継続した相談援助を行うようにしています。

保育所保育指針改定にあたって、職員研修を実施して理解を深め、「全体的な計画」を作成しています。さらに、年間・月案・週日案指導計画と個別月案指導計画を作成し、子ども一人ひとりの成長に合わせた活動を展開しています。具体的な保育活動については週案の中で表現し、保護者にも具体的な活動の予定を伝えています。

園児一人ひとりに関する情報は、日誌や児童票に記録しています。個別計画は、成長の様子をもとに一人ひとりに合わせた内容で作成しています。個々の成長の様子や目安については連絡帳や個人面談でわかりやすく伝え、子育ての視点を共有しています。なお、成長発達の経過記録は個人別のファイルに綴じて保管しています。今後はＩＣＴアプリの導入を予定しており、職員間および園と保護者の間で、利便性を高めながら情報の共有を図っていこうとしています。

作成した計画や記録に基づき、クラス会議で園児の活動状況と喫食状況、病気、ケガ、保護者の状況などを伝え合っています。その上で、次期の計画を作成し、援助の方法を確認しています。その際、必要に応じて専門機関とも連携しています。日々の引継ぎについては、園児の状況や保護者からの連絡事項は申し送りノートに記載し、職員がリレー式に確認しています。このように、園内全体で情報を共有し、一貫した援助ができるようにしています。

入園時の面談や送迎時の会話、連絡帳などから一人ひとりの園児の発達や生活状況などについて把握し、日誌や児童票に記録しています。また、全職員が園児の状況を把握し、それぞれの状況に応じた丁寧な関わりが出来るように努めています。室内の環境としては、全クラスでモンテッソーリ教育を取り入れていることから、園児の発達や状況に合わせて教具を準備しており、教具棚に整理して設置しています。このような環境で、園児たちは好きな教具を自発的に選んで遊んでいます。

個々のペースに寄り添う支援と年齢に合わせた環境を整えつつ、日常の中で、または散歩や行事を通じて、自然と異年齢の子どもと関わる機会を設けています。クリスマスやひな祭りに際して、１・２歳児が合同で食事をする機会も設けています。そのような関わりの中で、小さい子に対するいたわりの気持ちや、大きい子への尊敬の心が育つように援助しています。一方、異文化に触れる機会として、給食の献立を工夫し、外国の料理を取り入れています。

特別な配慮が必要な園児については、他児と共に成長していけるように支援する体制を整えています。必要に応じて子育て総合センターなど関連機関に相談しています。発達の過程で生じる園児同士のトラブルに対しては、園児の気持ちを汲み取り、適切に対応することを職員間で確認しています。噛みつきなどを未然に防ぐために、会議などで園児の状況を共有し、個々に寄り沿うなど配慮しています。

登園時には視診とともに連絡帳の確認と、保護者との会話で前日からの家庭での様子や体調などについて聞き取りをしています。降園時にも、園児一人ひとりの園での様子を連絡帳で報告しています。夕保育担当職員には保育日誌や登降園表を活用して引継ぎ、担任以外の職員でも確実に保護者に1日の様子を伝えられるようにしています。また、クラスの活動内容は毎日掲示で報告しています。

基本的な生活習慣については、送迎時の会話や個人面談などを通してその大切さを保護者へ伝え、家庭と連携して身に付くように一人ひとりに合わせて援助しています。排泄については、個々の間隔を把握してトイレに促し、成功したら褒め、次への意欲に?げています。着脱については午睡時の着替えを通して練習しています。食具についても教材として準備し、個々の様子に合わせて順次移行しています。箸は、2歳児クラスの子どもの成長に合わせて個別に使用を進めています。歯ブラシは１歳児から使用し、習慣づけています。

午睡は年齢ごとに一日の生活の中で、基本的な入眠時間や長さは決まっていますが、連絡帳や保護者との会話で把握した園児の健康状態、家庭での生活リズムを考慮し、一人ひとりの園児の状況に合わせて入眠時間や長さを調整しています。月齢などによっては午前睡眠出来るような配慮もしています。

園児の発達段階を的確に把握し、園児の状況に合わせた環境設定をしています。生活環境には、身支度・食事・遊びなどの目的に応じてコーナーを設けています。また、興味や関心に合わせた無理のない遊びや活動を提供し、園児自ら遊びたい遊びや玩具を選んで遊べるように環境を整えています。また、モンテッソーリ教育を基本とした教具を準備し、定期的に見直しを行ないながら、発達段階に沿った活動が出来るように配慮しています。鏡台を置いて身だしなみを整えることができるようにもしています。

日常の保育の中で月齢に合わせた保育士からの言葉がけや手遊び、絵本などの読み聞かせの中で発語を促し、言葉のやり取りを楽しめるように援助しています。その際、言葉に対する興味を観察し、物の名称、動作の名称など正しい日本語を伝えています。また、お集まり等で発表する機会を設定し、人前で話すことに慣れるようにしています。特徴的な遊びとしては、わらべ歌や昔ながらの伝承遊びを取り入れたり、リズム遊びを楽しんだりしています。

本園は大型マンションの一画にある保育園です。園内には広いテラスがあり、気候の良い季節には外出しなくても外気にふれることができます。また、園の立地は都のニュータウン構想により開発が進められた大型団地内にあり、敷地内に車が入り込んでこない安全な環境が整えられています。そのため、子ども達は安心して散歩に出かけることができます。地域内は自然環境が充実しており、植物園にも出かけています。また、生活環境が安全であるが故、あえて散歩に際して交通ルールを指導しています。

日常の中で楽しんでいることを行事に取り入れるよう工夫し、子どもが楽しめる行事となるよう心掛けています。保護者が参加する主な行事として、「入園進級のつどい・親子遠足・夏祭り・運動会・成長を祝う会」など、成長が感じられる機会や親子の触れ合いを育む機会を設けています。また、「七夕のつどい・お月見会・収穫祭・クリスマスの日・ひな祭りのつどい」など、季節に因んだ行事も楽しんでいます。その他、月例で誕生会を行っています。

年度当初に行事予定表を配布し、保護者が参加する活動に関しては年度当初に伝え、見通しを持って予定を立てられるようにしています。「親子遠足・夏祭り・運動会・成長を祝う会」などの保護者が参加する行事については、園だより等で練習の様子や準備してほしいものを伝えています。行事後には保護者アンケートで感想や意見を寄せてもらい、改善点については職員間で検討し、次開催に活かしています。

入園時に把握した園児の状況や登園時の視診、保護者からの聞き取りによって得た園児のその日の様子を踏まえて、無理のない生活の流れの中で過ごせるように配慮しています。保育室は年齢毎に分けており、家庭的な雰囲気の中で安心できる環境を作っています。その中で、モンテッソーリ教育を基本にそれぞれの遊びに集中できるようにしています。

本園では7時から20時を開所時間として定めています。朝夕の延長保育時間帯には、異年齢の子どもが合同で過ごしています。ゆったりと過ごせるような環境を用意し、通常クラスと違う場所、雰囲気の中でもくつろいで遊べるようにしています。クラス保育から合同保育へ移行する際は、担任から担当保育士へ必要事項を確実に申し送りし、園児一人ひとりの状況に配慮しています。

給食は落ち着いて食事をとれるように環境を整えています。椅子やテーブル、食具は年齢や発達に合わせて使用し、正しい姿勢や持ち方で食べられるようにしています。献立は法人系列園共通で2週間サイクルで季節の食材をとり入れ、素材の味を大切に栄養に配慮した給食を提供しています。園内のクラス会議で確認した園児の喫食状況などをもとに、法人内で献立作成者等が給食会議を実施し、献立など給食全般の見直しと改善を行っています。行事の際には飾り切りなど盛り付けを工夫し、見た目も楽しく提供しています。

調理の方法は食べやすさに配慮し、成長に応じて離乳食から普通食に至るまで段階的に変えています。また、食物アレルギーのある園児については、医師の診断書と生活管理指導表を年1回確認するとともに、毎月保護者とクラス担任、調理者が面談し、代替え食を用意しています。提供時には、専用の色付き食器とトレイで配膳し、誤食の無いように細心の注意を払っています。

食育年間計画を年齢毎に設け、お腹を空かせて楽しく食事し、完食を目指すことなどを目標に掲げています。正しい食具の使い方や食のマナーなどについて学んだり、調理体験をしています。給食材である野菜に触れたり、匂いを嗅いだり、バナナの皮を剥いたりしています。クッキングやお弁当作りも体験しています。また、１歳児室と２歳児室において、壁面の装飾によって果実や野菜が育つ姿を伝えています。さらに、食を通じて行事（収穫祭や七草粥、節分など）の由来を伝えたり、外国の文化を伝えています。

子どもが自身の安全について関心が持てるように、手洗いや着替えを援助したり、鼻の拭き方などを指導して清潔を保てるようにしています。併せて、散歩に際して交通マナーが身につくように指導しています。また、嘱託医による年２回(８月、１月)の定期健康診断を実施し、園児の健康管理に努めています。定期健診のほか、保護者からの相談に応じて保健相談も実施するなど、専門機関と連携した支援をしています。与薬は基本的に行なっていませんが、医師の指示書に従い慢性疾患などについて引き受けています。

園児の病気や感染症への対処・対応ついて入園時に説明しています。園だよりや保健だよりでも、季節に応じた病気や健康管理の方法などを保護者に伝えています。園内で感染症が発症した時には、速やかに発生状況をクラスや玄関に掲示して注意喚起しています。乳幼児突然死症候群（ＳＩＤＳ)の予防に向けて、０歳児は５分毎、１歳児と２歳児は１０分毎に午睡チェックを実施しています。

保護者の就労など、個々の事情については入園時に聞き取り、基本的な保育時間を決めていますが、急な残業などによる時間変更には柔軟に対応するなど、保護者の立場に立って支援しています。降園時には連絡帳の活用のほか、保護者一人ひとりと必ず言葉を交わし、常にコミュニケーションをとることで園での園児の様子を詳細に伝え、安心して預けてもらえるように配慮しています。併せて、年2回の個人面談で子どもの成長を伝える他、保育写真の公開を行い、園と保護者が子どもの成長を共有できるようにしています。

「親子遠足・運動会・成長を祝う会」などの保護者が参加する行事に際して、保護者同士の交流を支援しています。一方、職員と保護者との共通理解を促す機会として、クラス別懇談会・個人面談・保育参観を各年2回実施しています。保育参観で園における子どもの姿や保育の様子を見てもらったり、モンテッソーリ体験会を開催して教育方法に対する理解を深めてもらったりしています。さらに、保護者アンケートや運営委員会でのヒヤリングを通して、運営の方法が保護者のニーズに沿うよう努めています。

散歩で近隣の公園で遊んだり、出会った人と挨拶をかわし、交流を図っています。また、夏祭りや育児講座、モンテッソーリ体験会には地域の人にも参加を呼びかけており、その参加者と園児が触れ合う機会も得ています。さらに、高齢者施設と交流したり、小学校の体育館を借りて運動会をしたりするなど、地域資源の活用も進めています。前年度には大学生２名が保育補助としてボランティアで訪れました。このような取り組みにより、地域や職員以外の人と触れあうことを援助しています。

個人情報の取り扱い(使用目的)については園のしおりに明記されており、入園時に保護者へ説明しています。外部とやり取りする必要がある時については、その都度保護者の同意を得る事としています。園児の羞恥心への配慮としては、おむつ交換は決まった場所で行い、他児への配慮もしています。洋服の着脱時は、裸にならないよう上下別々に行うように指導するとともに、カーテンを使用して外部からの視線を遮っています。

法人として全園で取り組んでいる「モンテッソーリ教育」の考え方として、園児のやりたい気持ちを大切にし、見守り援助をしています。一人ひとりの気持ちへの寄り添い、自主性の尊重を大切にすることを職員会議で確認しています。人権については、法人でも人権研修を実施しています。

園児と保護者の価値観や生活習慣については、入園時の面談で把握するとともに、日々保護者とコミュニケーションをとることを心掛け、それぞれの価値観を把握・尊重した関わりをしています。虐待防止に関する取り組みとして、職員を外部研修に派遣するとともに、報告を受けて全職員が理解を深めています。虐待が疑われるケースが生じた場合は、自治体の虐待防止マニュアルに沿い、速やかに市の子育て総合センターや関係機関と連携する体制を整えています。

法人全園統一の業務マニュアル「チャイルドタイムの一員として仕事をする心構え、調理衛生、食中毒対応、感染症対応、嘔吐下痢症、ＢＣＰ、防災」を事務所や各クラスに整備し、職員は分からないことが起きた場合や手順に疑問が生じたときなどにマニュアルや職員規定を活用し、基本事項を確認しています。入社時にはオリエンテーションを実施し、一通りの基本事項を理解した上で、仕事に臨めるようにしています。業務マニュアルは園長会で随時見直しをしています。

園内に配置した「モンテリーダー」が月例で行われる法人内のモンテッソーリ研修に参加し、持ち帰った資料をファイリングしています。蓄積した研修資料はボリュームがあり、内容を整理して職員が繰り返し学べるようにしています。特に乳児を対象に実践できるノウハウを抽出し、実用性を高めています。また、保護者アンケートや運営委員会を行い、各種マニュアルや重要事項説明書の見直しに取り組んでいます。