東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

基本理念は「子どもたちが子どもらしく生きる」です。これは子どもたちが人とのつながりを大切にし、毎日を明るく楽しみながら生きてゆくことができる、自立した力を身に付けていくことで、保育園での生活を通して平和な社会を創造することに繋がるとの考えです。また子どもを尊重し、主体的な生活・自発的な活動を保障し、保育士が主導せず見守る保育を行うことを徹底しています。このことにより、色々な事に興味をもって思い切り遊ぶ子ども、友達との生活や遊びを楽しめる子ども、豊かな心を持つ子どもに育ってゆくと考えています。

法人の経営層は、保育の本質が「子ども中心の保育」にあると考えていますが、園側の都合で保育をすることが増えてきた時に保育の質の低下が始まると考えています。保育の質の維持・向上のため、7年前から理念の振り返りシートの活用を始め、毎月チームごとに理念の振り返りを行っています。さらに半期毎に施設自己評価をチームメンバーで行っています。目標に対しての達成状況を、子どもの権利、職員に求められる資質、保育環境、保育内容、生活と遊びの中の教育、食育など項目毎にチェックを行っています。

園内の会議にはクラス担当の保育士によるクラス会、各クラスの代表が集うリーダー会議、全職員が集まり昼間行われる職員会議があります。リーダー会議は園長と主任及び各クラスの代表による会議で、園での重要事項はこの会議で決定され、職員会議で承認、及び周知がはかられています。また、法人内においては園長会議が行われ、各園の報告が行われると共に、法人トップからの指示もこの場で行われています。さらに法人経営層による経営会議で、理事長の方針説明と様々な提案・指示が行われています。

利用者の意向は、送迎時の会話やコノリンピック（運動会）やコノラワールド（おゆうぎ会）など、保護者も参加する行事の終了時に行われるアンケートにより把握しています。職員の意向については、年２回実施する施設自己評価での職員の回答や、クラス会やリーダー会議で把握しています。また地域の保育に関する動向は、市内の私立保育園協会の全大会や、民生委員や中・小学校校長、保育園園長が集う地域ネットワークから情報を把握しています。行政や法人からの保育に関する動向など様々な観点からの情報を検討し、事業計画の課題を抽出しています。

運営法人は、長期計画を平成29年度からの10年間、また中期計画を平成29年度からの5年間という期間の計画を立てています。長期計画では、異年齢児保育を含めた、保育が充実する活動を積極的に行うことを目標としています。さらに社会福祉法人立の施設が地域の拠点となることを可能にする社会福祉充実計画を作成し、幅広い年齢層が利用できる施設づくりを目標としています。また中期計画では、職員処遇改善の方向性を探るため、人事考課制度や給与規定の見直し、法人本部及び本部職員の確立を課題としています。

毎年､環境分析に基づき事業計画を策定していますが、保育方法に関しての基本姿勢は一貫して「見守る保育」です。一斉保育から選択する保育、異年齢児保育、チーム保育、やってあげる保育から見守る保育へなど見守る保育の基本が「見守る保育１０カ条」として事業計画に記載されています。事業計画には、食育、保健計画、地域との連携、社会貢献活動、研修、防災対策などの課題が取りまとめられています。

意見箱やお便りノート、送迎時の会話などで把握した利用者からの苦情や要望は、迅速な対応をモットーに組織的に取り組んでいます。「ご意見申出窓口」を設置し、ご意見反映責任者（園長）、ご意見受付担当者を決め、早い段階で話し合いの場を持つと共に、昼会での状況報告によって職員内での情報共有に努めています。子どもの様子は視診による状態確認を徹底し、虐待が疑われる場合は児童相談所等の関係機関に通報することとしています。職員の子どもへの関わり方は、チーム保育の中で子どもを見る目や関わり方を共有しています。

第三者評価を定期的に受審してその結果の公表や、ホームページに園情報を掲載し、保育園の透明性を確保しています。また中高生の職場体験、保育実習生やキャリア実習生の保育実習などを支障がない範囲で積極的に受け入れています。特別支援学校の生徒の職場実習の受け入れも行い、仕事内容を知る機会を提供しています。職場体験に際してはオリエンテーションを行い、参加者に望ましい服装や個人情報の守秘義務など注意事項を伝えています。ボランティアは学校からの依頼の他、市のボランティアセンターを通じて広く受け入れています。

園庭開放の実施や、他園と共同で道の駅を利用するなど、地域子育て家庭を対象に遊び場の提供等を実施して地域との連携を図っています。また家庭内保育者との連携を強化するため、保育や給食の提供、行事を通じて交流を強化しています。さらに幼稚園・小学校との連携により、子どもに小学校生活を知る機会を設けています。具体的には５歳児の小学校・学童保育所の訪問、職員の行事、授業参観、市の保幼小連絡協議会への参加などを行っています。

毎月の防災訓練では、地震・火災発生時を想定した避難訓練、消火訓練が行われています。９月には引き取り訓練も行っています。緊急時の連絡は、一斉メールとホームぺージ掲載により保護者に連絡します。東海地震情報が発表された時、大地震や火災、風水害が発生した場合、事件や不審者侵入が発生した場合のマニュアルが整備されています。また利用者がインフルエンザなどの感染症に罹患した場合の登園基準や、毎朝の検温、健康観察、感染症予防のための手洗い・うがいの実行、マスクの着用など保護者用のマニュアルが整備されています。

今年度の職員会議では、他園の園児が散歩中に交通事故に巻き込まれた事もあり、散歩や園外保育の意義とリスクについて話し合いの場が持たれました。その中でリスクを減少させるための取り組みは何かが議論されています。園児と保育士の比率、道路の歩き方等が討議されました。その結果、お散歩マップの見直しが行われ、コースや注意箇所、公園内マップ（遊具・注意箇所）、保育士の役割分担・立ち位置、対応手順等がまとめられた新しいお散歩マップが作成されました。

紙媒体の個人情報は鍵付きの書棚で厳重に管理されています。電子情報は、サーバーで保管され、クラス毎に情報共有する仕組みがあります。人事関連の電子データなど重要な情報はアクセス制限をかけており、園長にのみアクセス権が付与されています。また個人情報については重要度を深く認識し。情報の保護を図っています。個人情報の利用目的、第三者への提供については、入園時に個人情報同意書で、使用目的を明確にした上で使用することの同意を得ています。

日々子どもたちと接している保育者の姿は、子どもたちに大きな影響を与えます。この認識の基、法人と園は「望まれる保育者の姿」を提示し、職員が努力して資質向上を図るための支援体制を整備しています。「望まれる保育者の姿」では、入職後の年数、中堅、ベテラン、幹部別に職員としての姿、利用者への態度、仕事への態度がどうあるべきかが提示されています。また、保育士、看護師、栄養士として職種別に望まれる保育者の姿を提示しています。この考え方は人材の資質向上を狙うキャリアパス制度にも活かされています。

「望まれる保育者の姿」の各項目別の提示内容を目標とした「業績評価シート」で自己評価し、それを基に上司と年２回面談を行なっています。評価点については本人と上司の間で合意に達するよう努力しています。そして面談結果に基づき、次年度の業務目標、業務内容や部下の指導・育成、仕事の進め方を作成していく仕組みとなっています。面談時に確認した能力評価を基に資質向上の為の個人別研修計画を立てるようにしています。法人の研修は、新人、２年目、３年目、５年目と１０年以上のベテラン職員対象の研修計画があります。

保育士の確保が困難な時代にあっては、採用と入職後の職員の処遇改善への努力が欠かせません。採用にあたっては、実習生の受け入れも多いことから、当園で学んだ実習生に声をかけ、採用活動を行って一定の成果が出ています。入職後は、給与改善は勿論、長く働き続けられるための環境づくりに力を入れています。また仕事量の削減策として、会議時間の短縮、記録書類の見直し等就業状況の改善に取り組んでいます。心理面ではメンタルヘルスチェックを導入し、自ら振り返る時を設けています。

利用希望者や見学を希望する保護者は、市や園のホームページや見学者に配布される「三つ折りパンフレット」「コラノ」(えんだよりやクラスだより、給食だより、保健だよりをまとめて冊子にしたもの)などから、園の情報を入手することができます。地域に向けては園の外掲示板(日々の活動を写真を活用して掲示)や家庭支援センターに子育て支援事業の案内を設置しています。市のホームページでは所在地、交通手段、電話番号、ファックス、認可定員、利用可能サービス、保育方針が配信されています。

園のホームページでは園の概要(所在地などの基本情報)や1日の流れ・年間行事、保育内容、子育て支援、アクセスマップなどのほか、法人の概要(方針)などを配信しています。パスワードが必要な保護者専用ページもあります。三つ折りのパンフレットには保育の目的、保育目標、保育の方法(見守る保育)、保育園の1日、地域支援などが掲載されています。どちらも写真を活用し子どもの活動の様子をわかりやすく伝えています。ホームページのおたよりは保護者用になっていますが、誰でも閲覧できる内容を精査し配信するなどの検討に期待しています。

見学は随時受け付け、園の状況に応じて出来限り見学者の希望に沿って日程を決めて受け入れています。主な対応は園長、主任、事務職員が行ない、三つ折りのパンフレットをもとに施設を案内しながら園の理念や保育方針、特徴などを話しています。園の特徴としてはパンフレットにも記載されている「保育の方法」、見守る保育を実践し、子ども自ら発達しようとする力を引き出す環境を整え、保育を行なっていることを説明しています。また、スライドを用意し1年間どのように子ども達が過ごしているのか見てもらい、具体的に伝わるようにしています。

入園決定後、入園説明会の日程の案内とともに、児童票や生活状況表などの書類を送付し、記入を依頼しています。入園説明会は2月中旬に行ない、「ほいくえんのしおり」をもとに法人の創始理念や園の理念、目標と方針、保育の実際、基本ルール、保健、給食、持ち物などについて説明しています。説明後には理解した旨の署名をもらっています。個人面談は保護者の都合に合わせて日程(長時間待つことの無いように配慮しています)を決め、書類を確認するとともに、入園までの家庭での様子やアレルギーの有無、既往症などについて聞き取りをしています。

個人面談で聞き取った内容は児童票など決められた書式に記録し、子どもの状況や保護者からの要望を把握しています。説明会では慣れ保育についても説明しており、子どもが無理なく園に慣れていけるように1週間を目途に実施しています。0歳児は初日に親子で過ごし、食事や園での様子を見てもらう機会としています。一人ひとり子どもの様子や保護者の就労状況を踏まえて進めています。子どもの様子や保護者の状況によっては、期間を短縮又は延長するなどの配慮をしています。また在園児の進級を2月末に行ない、新入児の受け入れ体制を整えています。

転園や退園をする子どもについては、いつでも遊びに来てよいことを伝えています。クラスではお別れ会などを行ない、別れを惜しんでいます。卒園する子どもについては、保護者の同意のもとで就学先の小学校へ保育所児童保育要録や就学支援シートを送り、支援の継続に努めています。また、12月に「卒園児の集い」を実施し、招待状を送って小学１年生を園に招待しています。在園中の担任とともに、小学校での生活の様子などを話してもらうなど、思い出話を楽しんでいます。

保育所保育指針改定に伴い、法人として作成された「全体的な計画」を園に合わせて見直し、養護と教育に分けた年間指導計画、月間指導計画を作成しています。具体的な保育活動は週案の中で表現されています。発達状況や心身生活状況などは日誌や定期的に児童票に記録しています。日常の保育の内容は保育の目標と方針を反映して構成され「見守る保育」を基本に、クラスの目標とともに計画が作成されています。毎月ケース会議を実施し子どもの発達状況を踏まえて次月に反映しています。

入園時に把握した子どもの成長や発達、家庭状況、生育歴、保護者の意向と現状の子どもの様子を踏まえて、クラスや個別の計画を作成しています。個別の計画は0～2歳児と支援を要する子どもについて作成しています。年齢ごとの発達の目安や活動の予定、様子はクラスだよりや懇談会などで保護者に伝えています。懇談会は６月初め頃を予定し、子どもの様子を踏まえて1年間の予想される成長の姿を説明しています。個々の発達の目安については個人面談や連絡帳、送迎時の会話などで伝え、発達や成長を共に確認しながら子育ての視点を共有しています。

毎週クラス単位での会議が実施され、子どもの成長について出し合い、課題があれば検討し、計画作成へ?げています。会議には非常勤職員も参加し、共通認識を持って子どもの支援にあたっています。短時間職員へは支援に必要な内容を口頭で伝えています。子どもや保護者の状況の変化については、毎日昼会を実施し内容は昼会記録用紙に記録しています。用紙は朝から各クラスを回覧し、伝えたいことなどを記入して、昼会に臨めるようにしています。記録用紙は出勤したら必ず閲覧することとしており、日々の業務の中で情報を共有しています。

一人ひとりの子どもの発達や生活状況などは、入園時の面談や送迎時の会話、連絡帳などの活用と、定期的に児童票に記録し把握しています。日々の活動の様子や成長状況については、日誌や個人記録に残し、職員会議などで職員間で共有しています。室内は子どもの年齢や発達に合わせて、子ども自ら玩具を出し入れして遊べるように、玩具棚に整理して設置されています。室内環境については「ほいくえんのしおり」にも明記されていますが、遊び込めるコーナーに設定と保育士は常に子どもの発達にあったもの、季節に合った玩具を準備しています。

0～2歳児は年齢別のクラス分けになっていますが、3～5歳児は日常的に異年齢(3クラス)で過ごしています。お互いに協力し学び合い、憧れや思いやりの気持ちを育み、社会性や自発性が身に付くような環境作りをしています。0～2歳児も朝、夕、土曜の合同保育の機会に異年齢と関わり、大きい子の中で健やかな成長が育まれています。異文化に触れる機会としては、外国籍の子どもとの生活や絵本のほか、給食では毎月世界の料理をメニューに加え、食を通して異文化を感じ取れるようにしています。

特別な配慮が必要な子どもの支援にあたり、他の子ども達と一緒に過ごす中で互いに刺激し合い、共に成長していけるよう支援しています。年に１回、市の専門職員による巡回指導を通してアドバイスを受け、支援に活かしています。加配が必要な子どもに対しては職員を増員し、共通認識を持って園全体で支援できる体制を整えています。発達の過程で生じる子ども同士のトラブルに対しては、互いの気持ちを受けとめ、間違いは正し解決に導いています。噛みつきなどを未然に防ぐため、子どもの状況を見極め、適切な職員配置、遊び環境作りを心掛けています。

登園時には視診とともに連絡帳の確認と保護者との会話で、前日からの家庭での様子や体調などについて確認しています。朝保育で得た保護者からの連絡や子どもの様子は各クラス「受入れボード」に記録し、クラス担任への引き継ぎや昼会で報告しています。降園時には日中の健康面や活動の様子を担任が口頭で保護者へ伝えています。夕保育の時間は担任から口頭や各クラス「受入れボード」で引き継がれた内容を、当番保育士が確実に保護者へ伝えています。一日のクラス全体の様子は掲示して伝えています。ホームページでも様子を公開しています。

基本的な生活習慣については様々な機会にその大切さを伝えるとともに家庭での様子を確認しています。年齢ごとの目安や自立に向けた取り組みを説明し、家庭と連携した支援をしています。排泄については個々の間隔をつかみ、トイレに促しています。着脱についてはファスナーやボタンかけなどの手作り玩具を準備し、遊びの中で身に付くようにしています。箸についても遊びの中に準備し、正しく持てるようになった子どもから順次移行しています。歯磨きは0歳児から行ない、看護師が定期的に正しい磨き方を指導し、歯磨きの習慣がつくようにしています。

午睡は年齢や発達に合わせて概ねの午睡時間は決めていますが、連絡帳や保護者との会話で把握した子どもの健康状態、家庭での生活リズムを考慮し、一人ひとりの子どもの状況に合わせて入眠時間や長さを調整しています。状況によっては午前寝も出来るように配慮しています。年1回睡眠時間の調査を実施し、一人ひとりに必要な睡眠が出来るように環境を整えています。5歳児(体力のある子どもは4歳児から午睡をしない子もいます)は就学へ向けた支援として基本的に午睡はしていませんが、体調などによっては横になれるように配慮しています。

室内は年齢や発達に合わせて絵本やごっこ遊び、構成遊びなどのコーナーを子どもの行動の動線なども配慮して設置しています。子ども自ら遊びを選び自由に遊べる環境を作っています。当園の保育方法「見守る保育」を基本に遊びのコーナーを整え、「チーム保育の中で職員は無条件で見守っている存在」であることを示しています。集団での活動は子ども自身が楽しんで関われるように活動内容を設定するとともに、無理に誘うことはせず、個々の発達や状態に合わせて進めています。一定のルールを守ることの大切も伝え、社会性や道徳性も養っています。

乳児期から日常の丁寧な語り掛けと絵本などの読み聞かせの中で発語を促しています。部屋には絵本を設置し自由に絵本に親しめるようにするとともに、5歳児は年下の子どもに読み聞かせをする機会や中学生の保育ボランティアによる読み聞かせの機会も持っています。文字や数を学ぶ時間は設けていませんが、日常の保育の中にさりげなく取り入れ関心が持てるようにしています。表現活動としてはコノラワールド（おゆうぎ会）などの行事の他、日々の保育の中で自由に制作出来るように、素材の準備や、ラジカセ、楽器などを手軽に使える環境を作っています。

園庭遊びでも子ども達は自由に好きな遊具を選んで出し入れしながら、自発的に遊んでいます。積極的な戸外遊びの中で近隣の恵まれた環境を活かして散歩にも出かけています。近隣にはブランコ・滑り台・ジャングルジム・健康遊具などが設置された公園や、湧き水を利用した池や様々な木々が植えられている雑木林、四季折々の野草や植物が豊富な公園があります。春には大学通りの桜の花見や秋には公園の紅葉、生息する生物などとの触れ合い、気温などを通して、季節の移り変わりを体感しています。

日本の伝統的な七夕や節分、、成長を感じられるコノリンピック(運動会)やコノラワールド(おゆうぎ会)、季節を感じられるコノラ祭り(夏祭り)、餅つきなど様々な行事を実施しています。その他プレイデイ(親子遠足)やこま回し大会、毎月誕生会なども行なっています。季節の行事は日常の保育に変化を与え、日本古来の風習を知る機会として実施しています。保護者参加のコノリンピックやコノラワールドなども含めて、様々な行事は日々の保育の延長と捉え、「日常を行事に、行事を日常に」と考え計画し、当日もその1日として実施しています。

コノリンピック(運動会)は保育活動や遊びの中で培ってきた、運動面をかけっこやダンス、リレーなどを通して、保護者に披露する機会としています。日頃の活動の中で子ども同士話し合い(勝ったり負けたりする中でどうしたら勝てるかなど)、協力し合って競技を楽しんでいます。コノラワールドでは年度当初からの取り組みの中で、子ども達の興味関心を持っていることから演目を決め、当日を楽しみに役決めや小道具作りなどをしています。子ども同士の話し合いと協力の中で進めることで、行事後には満足感と達成感を感じられるようにしています。

年度初めに「年間行事予定」を配布し、保護者参加の行事に見通しを持って予定が立てられるようにしています。コノリンピックやコノラワールドなど保護者参加の行事(土曜日の実施)の前には、園だよりやクラスだよりなどで日程の案内や簡単な内容などの案内をし、当日を楽しみ出来るようにしています。日頃の取り組みの様子は連絡帳や掲示で伝えているほか、ホームページの保護者専用サイトで写真なども活用し、子どもが活き活きと活動している様子を配信しています。行事後にはアンケートをとって保護者の感想や意見を募り、次回に活かしています。

0～2歳児は年齢ごとにクラス分けし、家庭的な雰囲気な中で成長発達に合わせた支援をしています。食事や生活、睡眠の場を分け、一人ひとりの生活リズムに合わせた生活をすることで、長時間保育の子ども達もゆっくり落ち着いて過ごせるように配慮しています。玩具は定期的に見直し、自ら好きな玩具を選んで遊びべるように配慮しています。日中クラス活動から離れて一人になりたい子どもについては、事務所やコノラの部屋(多目的室)で受け入れ、気分転換してクラスに戻れるように配慮しています。

17時30分からは学年ごとに合同で過ごし、18時には全クラスがホールに合流し降園まで過ごしています。出来る限り顔なじみの職員が保育にあたり、部屋の移動が少ない保育体制を組んでいます。ホールではそれぞれ好きな遊びを楽しみながら、異年齢での自然な関わりが出来るように、職員が仲立ちとなり楽しく遊べるように配慮しています。夕保育時の非常勤職員は同じ職員が担当し、安心して過ごせるようにしています。日中の子どもの様子は「申し送り受け入れファイル」で引継ぎ、子どもの姿を共有して対応できるようにしています。

0～2歳児は食事と活動の場を分け、落ち着いた環境で食事がとれるように配慮しています。3～5歳児はグループごとに会話を楽しみながら食事をしています。テーブルや椅子、食具は年齢や発達に合わて使用しています。クリスマス会では大皿料理の食事を楽しみ、行事に合わせた装飾やランチョンマットを使用して、いつもと違った雰囲気での食事も楽しんでいます。世界の料理の時には栄養士がメニュー表を作って提供しています。幼児クラスの昼食はビュッフェ式で、一人ひとり食べたい量を伝え配膳されます。子ども当番活動として配膳に加わっています。

給食は2週間サイクルで季節の旬の食材をとり入れ、栄養に配慮して提供しています。栄養士が各部屋を回って子どもの喫食状況を確認し、味つけや刻み方の変更などの見直しをして次回に活かしています。行事の際には内容に合わせて、飾り切りなど盛り付けを工夫して見た目も楽しいメニューを提供しています。また、毎月世界の料理をメニューに加えています。食物アレルギーのある子どもについては、除去食(メニューによっては他児と変わらない見た目での提供も心掛けています)を専用のトレイや別テーブルにするなど、誤食の無いように提供しています。

食育計画で目標を「食を営む力の基礎を培う」テーマを「楽しく食べよう」とし、毎月のテーマも決めて食のマナーや食べ物の働き、健康な身体づくり、伝統料理を知る機会を設けています。また、調理計画として野菜の栽培やトウモロコシの皮むきなどの給食食材の下処理の手伝い、おやつ作りと年齢に合わせた活動をしています。さらにスプーンから箸までの計画も作成し、年齢発達に合わせた取り組みの中で正しい持ち方が身に付くようにしています。園での活動の様子は給食だよりなどの配布やホームページで配信し、保護者も関心が持てるようにしています。

身の回りの危険やその防止について、年長児に向けては警察官による交通安全指導(信号機などを持参し園庭で模擬訓練)をしています。散歩に出かけた際には道路の歩き方など交通ルールについて話しているほか、遊具の使い方についての話や危険個所を子どもと一緒に確認しています。健康については月案の中にその機会を設け、紙芝居や絵本を通してわかりやすく伝えているほか、看護師がクラスを回って、うがい、手の洗いの指導や大きな歯の模型を使って、正しい歯の磨き方を指導しています。また、積極的な戸外活動を通して丈夫な体作りに努めています。

嘱託医による年2回の内科健診(0歳児は毎月)や年1回の歯科健診を実施しています。職員は嘱託医や看護師と連携し、子どもの健康管理に努めています。与薬は基本的に行なっていませんが、医師の指示により必要な時には、与薬指示書や申し込み書を提出してもらい、1回分を預かっています。自動体外除細動器（AED）の使い方やアナフィラキシー緊急補助治療に使用する緊急用キットの使い方については、年1回消防署員からの指導と、研修への参加や看護師から、練習用キッドを使って正しい使い方を学び、緊急時に備えています。

子どもの健康に関する情報は「ほいくえんのしおり」に明記されており、入園時の説明会で説明しています。また毎月配布している保健だよりでは時期によって流行する病気や生活リズムの大切さを伝えています。さらに行政から送られてくる啓蒙ポスターの掲示をしています。園内で感染症が発症した時には速やかに掲示(潜伏期間、主な症状、治療、休園期間など)し注意喚起しています。乳幼児突然死症候群（SIDS)については入園時に説明するとともに、園ではベビー呼吸センサーの使用(0歳児)や午睡チェックを実施し、呼吸や体位を確認しています。

保護者の就労など個々の事情については入園時に聞き取り、基本的な保育時間を決めていますが、急な残業などによる時間変更には柔軟に対応しています。日々の子どもの様子は連絡帳の活用やホームページの保護者専用サイトで写真にコメント添えて配信し、子どもの成長を共有しています。送迎時にはできる限り一人ひとり声かけし、保護者との会話を大切にしています。保護者懇談会での意見交換に加え、個人面談で子どもの成長の目安や子どもの現状を伝え、保護者と共通認識を持って支援出来るようにし、信頼関係の構築に努めています。

保護者参加の行事(コノラ祭り、コノリンピック、コノラワールドなど)への参加や、保護者懇談会などで保護者同士が交流する機会を設けています。プレイデイ(全学年の親子遠足)ではウォークラリーのほか、保護者同士が懇談する時間を設けています。保護者懇談会では担任から話題を投げかけるなど話しやすい雰囲気作りをし、保護者から育児についての悩みなどを話してもらい、意見交換や情報交換しながら共感し合えるようにしています。その結果、園を介さない保護者同士の交流も見られます。

子どもの発達や育児などについては、連絡帳のやり取りや送迎時の会話、保護者懇談会、個人面談などで説明し、保護者に共に育てる姿勢を示しています。必要に応じて看護師や栄養士からの情報提供や会話の機会を設けています。園だよりやクラスだよりなどでは年齢ごとの子どもの成長の様子や目安などを伝えています。保育参加が定着しつつあり、保育の手伝いをしながら一日過ごし、保育への理解を深め身近に感じ、子どもや保育への理解に繋がっています。

近隣には大小様々な公園があり、目的や年齢に合わせて出かけています。春には大学通りの桜の見学も楽しめます。四季折々の植物や昆虫に触れ、十分に体を動かして遊んでいます。また、高齢者施設との交流(園への招待や訪問)や小学校(見学や校庭の使用)や学童との交流もしています。さらに、勤労感謝訪問を行ない、近隣で働いている人に感謝の気持ちを伝えています。さらに、警察官による交通安全指導や消防署員による消火訓練を実施しており、地域資源を活かした活動をしています。

上記施設の活用のほか、子育て支援事業の青空保育(月1、2回)や園庭開放(月～金曜日)などを実施し、コノラ祭りや七夕会、クリスマス会、餅つきへの参加を呼びかけています。地域の中学生による職場体験の受け入れや、実習生の受け入れも行なっています。また、近隣私立中、高校との関わり(学園祭への招待、絵本の読み聞かせなど)など、様々な地域施設の活用や職員、在宅子育て家庭など、子どもが職員以外の人と交流できる機会を設けています。

個人情報の取り扱いについては、写真の掲載も含めて入園時に説明し、同意した旨の署名をもらっています。その他外部と情報をやり取りする時には、内容により同意を得ることもあります。子どもの羞恥心への配慮としては、トイレは年齢に応じてドアを設置しています。排泄の失敗などの時には、他児から見えないところで着替えるなどの配慮をしています。プール遊びは屋上で行ない、周りを囲って外部から見えない様にしています。ラップタオルを活用して移動し着替えは部屋で行なっています。幼児クラスは出来る限り男女別で着替えるようにしています。

保育理念として「一人ひとりの成長を保障し、自己肯定感を育む」や、保育方針「子どもの気持ちを尊重し主体性、豊かな心を育む保育を実践する。」とあり、日常の保育の中で一人ひとりの子どもの状況を把握し、見守る保育を基本に適切な支援が出来るように努めています。入職時には「子どもの権利条約」(生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利)を配布し、理解を深め職務に就けるようにしています。マニュアルの中には使ってはいけない言葉の事例を添付し、毎月チームごとに自らを振り返る機会を設けています。

虐待防止や育児困難家庭については、支援に関する会合や研修会に積極的に参加し理解を深めています。収集した情報は職員会議でなどで全職員で共有しています。日常の保育の中で子どもや保護者の変化を見逃さない様に注意深く観察し、迅速な対応が出来るようにしています。虐待が疑われる場合や気になるケースを発見した時には、園のマニュアルの中の「虐待について」に従い、適切な対応が出来るようにしているとともに、速やかに市や家庭支援センターや児童相談所などの関係機関と連携する体制が整えられています。

法人の保育方針、服務規程、勤務の心得、身だしなみ、環境整備(固定遊具の使い方など)、危険予防(手洗いについてなど)、危険対応(主な病気の対応など)、給食、衛生管理、安全管理(危機管理のための配慮)、防災などを一冊にまとめ、園の「マニュアル」(法人共通の「コンセプトブック」に園独自のマニュアルを加えたもの)として職員一人ひとりに配布しています。職員は分からないことが起きた場合や手順に疑問が生じたときなどに活用し、基本事項を確認しています。基本事項や手順については「チーム振り返り」で見直しをしています。

各種マニュアルの基本事項や手順については、年度が変わる前に見直しをしていますが、必要が生じた時にはその限りではありません。行事などのアンケートや第三者評価の利用者評価などから得た保護者の意見などを参考にし、見直し検討をしています。リーダーが中心になり会議で意見を出し合い、より良い解決に努めています。職員からの提案についても出来る限り採用し、個々のアイディアで遊具作りなどを行ない、子どもにとって楽しく遊び込める環境作りをしています。