東京都福祉サービス第三者評価  評価結果





評価結果基本情報

評価年度 令和元年度(2019年度)
サービス名称 認証保育所A型・B型
法人名称 株式会社ネス・コーポレーション
事業所名称 ナーサリールームベリーベアー久が原
評価機関名称 株式会社 地域計画連合

コメント

・事前説明にあたっては、令和元年度方式の評点基準、確認根拠資料の準備について、わかりやすい独自資料を用意し、事業者の負担を軽減する工夫を行っている。
・分析シートは記入のポイントを用意し、効果的、効率的に情報が整理できるよう工夫を行っている。
・確認根拠資料は、訪問調査の概ね3週間前までに評価機関への提出を依頼し、根拠の事前確認を行ったうえで訪問調査を実施し、当日は、事業所の課題や良い点を把握するためのヒアリングに重点を置いて実施している。
・合議は、訪問調査終了後、同じ日のうちに、速やかに実施している。


(内容)
 Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像
 Ⅱ 全体の評価講評
 Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み
 Ⅳ 利用者調査結果
 Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)
 Ⅵ サービス提供のプロセス項目


公益財団法人東京都福祉保健財団
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Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像

1 理念・方針  (関連 カテゴリー1 リーダーシップと意思決定)
  事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)

1)愛情あふれる保育 2)安全に安心して過ごせる保育 3)個性を大切に育む保育 4)心身ともに健康で進んで行動する力をつける保育 5)保護者、地域の方に専門性を生かした情報を発信し子育てを支援のできる園

 
2 期待する職員像  (関連 カテゴリー5 職員と組織の能力向上)
  (1)職員に求めている人材像や役割

相手の立場や気持ちを理解し行動できる人、向上心があり学ぶことに意欲的な人、根気強い人

 
(2)職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

一人ひとりの個性を大切に愛情あふれる丁寧な保育を通し、保護者との信頼関係を築き、進んで活動する子どもを園目標に見守り保育に取り組んでいる。また、保育士・調理師・看護師の専門性を生かした子育て支援をはじめ、食育(子どもの食べる力を育む)を園の独自性に離乳食会、幼児食試食講習会、お便りを発行し地域に根差した園を目指している。

 


Ⅱ 全体の評価講評

全体の評価講評

特に良いと思う点
1 「主体性保育」の実現を目指して、園内環境等を整備している

本園では、法人が目指している「主体性保育」の実現を図るため、法人本部が実施する主体性保育に関する社内研修に多数の職員が参加しているだけでなく、園内での環境づくりを工夫することで、子どもが自主的に考え、行動できるような環境づくりを実現している。
2 食育計画に沿って、各種食育活動を行っている

本園では、年度当初に定める食育計画や、毎月食育指導計画に基づいて、簡単なクッキング活動などを実施している。また、食育活動の一環として、日常の生活の中でも食材カードや絵本等を見せて、興味を持たせるように取り組んでいる。なお、クッキングの様子は写真に撮り、その日のうちに掲示し、話題を提供している。
3 社内研修に力を入れている

本園では社内研修に力を入れており、本法人が有する小ホールにおいて、園の複数の職員も収容できる規模での研修を年数回行っている。本年度は保育指針の改定を受け、汐見稔幸先生、加藤繁美先生、大豆生田啓友先生などの専門家を招き、研修を実施している。さらに今年度は、本法人が進む方向性である「主体的保育」を理解するため、グループディスカッション形式での検討や、先進地であるイタリアのレッジョ視察の報告などが行われている。

さらなる改善が望まれる点
1 BCPのさらなる充実が期待される

法人ではBCP(事業継続計画)として、大地震、火災、その他台風などの災害の3つのカテゴリーで事業継続計画を策定しているが、近年の災害はより多岐にわかっているため、BCPの内容をさらに精査をしていくことで、より多様な災害に対応できるようにしていくことが期待される。
2 園の将来の方向性の検討をさらに進めていくことが期待される

本園の立地する久が原地区でも、世の中の傾向と同様に子どもの人数は今後より減少していくことが予測される。加えて、同一法人の運営する認証保育所が本園から徒歩3分の場所に立地するなど、同じ地域に2つの認証保育所が立地している環境となっている。今度、さらに少子化が進むことを考慮すれば、園の将来の方向性の検討をさらに進めていくことが期待される。
3 事務書類の簡略化が期待される

本園では、各種事務書類の書式が整備され、各職員が的確に記録や書類を作成しているが、書類量が膨大となっており、事務書類の記載に少し時間のかかる状況となっている。法人では今後ICTを活用した書類の簡略化を検討しはじめている状況であるが、職員の負担軽減のためにも事務書類の簡略化が期待される。

Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み

1 ★ 法人の基本的な方向性について、紫カードとピンクカードで示している

本園では、法人が進む基本的な方向性を職員でわかりやすく共有するため、保育理念、保育方針、目指している子どもの姿を「ピンクカード」、目指している職員の姿、3つの能力、12の能力要素について「紫カード」という2枚のカードをつくり、法人の全職員に配付している。カードの表現は簡潔かつ図なども使いながらわかりやすい形としているのが特長である。カードの内容は職員会議等で確認している。
関連評価項目(事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している)
2 ★ 地域に向けて情報提供を積極的に行っている。

本園では、地域に向けて、本園の有するノウハウを活かしながら、地域向けの情報提供を行っている。具体的な内容としては、地域向けに年2回、地域交流会を行い、1回目は栄養相談と離乳食講習会を実施しているなど、小規模な園ではあるものの地域に向けて情報提供を積極的に行っている。
関連評価項目(透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる)
3 ★ 保護者との交流を行っている

本園では、保護者との交流を行っているまた、全員が乳児であるため保護者の姿を見ると普段の子どもの姿にならないことも多いので、子どものありのままの姿を見てもらうために、保護者にはこっそりと見てもらえるようにしてありのままの姿を披露するなどの工夫を行っている。
関連評価項目(保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている)

Ⅳ 利用者調査結果

調査概要
調査対象:2019年7月1日現在の施設の利用者(保護者) 15世帯(利用者総数 15名)を対象とした。

調査方法:アンケート方式  
アンケート(自記式)。施設にて担任が保護者に手渡しする形で調査票を配付。記入された調査票は封緘のうえ返信用封筒による郵送または施設に設置した回収箱による回収。

利用者総数 15人
利用者家族総数(世帯) 15世帯
アンケートや聞き取りを行った人数 15人
有効回答者数 14人
回答者割合(%) 93.3%

総括
・総合的な満足度としては、「大変満足」が 57%、「満足」が 36%となっており、満足と答えた人が 93%となっている。 ●設問の中で「はい」の比率が高かった上位は、次の項目であった。 問1.園での活動は、お子さんの心身の発達に役立っている 問2.園での活動は、お子さんが興味や関心を持って行えるものになっている 問3.園で提供される食事・おやつは、お子さんの状態に配慮し、工夫されたものになっている 問8.お子さんの気持ちや様子・子育てなどについて職員と話したり相談することができるような信頼関係がある 問9.園内は清潔で整理された空間になっている 問10.職員の言葉遣いや態度、服装などが適切  問11.お子さんがけがをしたり、体調が悪くなったときの、職員の対応は信頼できる 問13.職員がお子さんの気持ちを大切にしながら対応してくれている 問15.お子さんの保育内容に関する説明は、わかりやすいと思う 問16.不満に思ったことや要望を伝えたとき、職員は、きちんと対応してくれている (各々 100%、14人)

利用者調査結果

1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
はい 14人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
先生やお友達また一部異年齢の保育の時間もあるため様々な方とのふれあいがとても発達に良い影響を与えていると感じます、という意見があった。
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
はい 14人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
年齢に応じつつすこしずつステップアップできるよう工夫をこらして下さいます、という意見があった。
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
はい 14人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
毎日手づくりでおいしい食事を提供して下さいます。食事に対する先生方の知識も豊富で保護者からの相談にも丁寧に答えて下さいます、という意見があった。
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
はい 13人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
外遊びに関する意見があった。
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
はい 11人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 2人 
いつも柔軟に対応して下さり先生方のおかげで仕事を続けることができています、などの意見があった。
6.安全対策が十分取られていると思うか
はい 10人  どちらともいえない 4人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
床材に関する意見があった。
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
はい 12人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
特に意見なし。
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
はい 14人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
自宅での様子や心配ごとなどいつでも先生にお話できる関係を築いて下さっています、という意見があった。
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい 14人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
特に意見なし。
10.職員の接遇・態度は適切か
はい 14人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
特に意見なし。
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい 14人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
いつも体調不良の時は適切なタイミングで連絡を下さったり園での様子も細かく伝えて下さいます、という意見があった。
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい 10人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
まだトラブル等ないのでわからない、などの意見があった。
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
はい 14人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
特に意見なし。
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
はい 13人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
特に意見なし。
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
はい 14人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
特に意見なし。
16.利用者の不満や要望は対応されているか
はい 14人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 0人 
特に意見なし。
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい 8人  どちらともいえない 4人  いいえ 0人  無回答・非該当 2人 
まだそのような機会はない、という意見があった。

Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)

※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー1  リーダーシップと意思決定
  サブカテゴリー1  事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目2 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  評価項目2 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている 実施状況
  標準項目1 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  標準項目2 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
  評価項目3 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している 実施状況
  標準項目1 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  標準項目2 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  標準項目3 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
講評
法人の基本的な方向性について、紫カードとピンクカードにて示している

本法人では、保育理念、保育方針、目指している子どもの姿を「ピンクカード」、目指している職員の姿、3つの能力、12の能力要素について「紫カード」という2枚のカードをつくり、法人の全職員に配付している。カードの表現は簡潔かつ図なども使いながらわかりやすい形としているのが特長である。カードの内容は職員会議等で確認している。また、年1回会社全体で、全職員の参加する全体集会等を行っており、その中で保育に対する方針等を法人が職員に対して説明している。

保護者等に対して、理念の説明は入園時の説明、保護者会等の機会に説明している

保護者等への理念等の説明は、入園時において契約書、重要事項説明書とともに行っている。また、クラス懇談会、園だよりなどでも説明を行っている。なお、本園の特徴を紙芝居でつくり、保護者会でも見せている、今年度から法人のホームページでも本園の理念、方針等についてわかりやすいページを作成し、保護者向けに作成している。また、法人内研修も園の理念をより深く知っていただく研修を年1回行ったり、基本理念等の背景にあるものと理解するため、学識経験者の話を聞く研修を複数回行うなど、工夫している。

意思決定は、内容に応じて職員会議、施設長会議等で検討し、その結果を周知している

本法人での意思決定は、施設長会議などで行うが、本園の職員会議の検討事項をもとに施設長会議で話をすることもある。また、施設長会議で決定したことは、職員に対しては速やかに会議を開催して伝えている。なお、緊急を要する案件は、個別に対応を行っている。保護者向けの周知方法としては、お手紙で知らせたり、玄関前に掲示するなどして周知を図っている。また、法人において円滑な園運営を行えるよう、今期から人事部をつくるなど、工夫を行っている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー2  事業所を取り巻く環境の把握・活用及び計画の策定と実行
  サブカテゴリー1  事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  評価項目1 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している 実施状況
  標準項目1 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目2 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  標準項目3 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目4 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  標準項目5 事業所の経営状況を把握・検討している
  標準項目6 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
  サブカテゴリー2  実践的な計画策定に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している 実施状況
  標準項目1 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  標準項目2 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  標準項目3 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
  評価項目2 着実な計画の実行に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  標準項目2 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
講評
毎年の計画は、法人の定めた書式に基づき前年度の反省を踏まえている

本園では、毎年、法人全体で作成する中長期計画をもとに、法人で定めた書式に基づき年度計画を策定している。計画の書式は、前年度の総括を行った上で、その内容を反映して今年度の計画に反映するプロセスがわかりやすい書式となっているのが特長である。園の予算は、園で作成する単年度の計画内容と整合を図りながら本部で作成している。なお、1万円以下の金額については園の裁量で備品の購入ができるなど、園の判断で購入できる枠が大きいのが特徴である。

地区の課題を関係機関と連携しながら検討している

地域の課題については、本園をとりまく関係機関と連携しながら、各種会合等に参加することで分析を行っている。また、福祉全体のニーズについては法人が多数加入している全国組織の会員となっており、その組織の会合に、施設長を含め参加したり、そこから得られた情報を園で共有するようになっている。また、その他必要と法人本部が判断した情報は園と共有している。

利用者の意向把握は、アンケートや面談等で把握している

利用者の意向把握については、定期的な利用者アンケートに加え、行事ごとのアンケートや運営委員会、面談等により把握を行っている。また、登園、降園時の会話や連絡帳などからの意見も参考にしている。職員については、目標シートを作成する中で職員との面接を期ごとに行い、職員の意向を把握している。把握したニーズに基づき、本部とも連携しながら改善を行っている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー3  経営における社会的責任
  サブカテゴリー1  社会人・福祉サービス事業者として守るべきことを明確にし、その達成に取り組んでいる
  評価項目1 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  標準項目2 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している
  サブカテゴリー2  利用者の権利擁護のために、組織的な取り組みを行っている
  評価項目1 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている 実施状況
  標準項目1 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  標準項目2 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
  評価項目2 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている 実施状況
  標準項目1 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  標準項目2 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
  サブカテゴリー3  地域の福祉に役立つ取り組みを行っている
  評価項目1 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  標準項目2 ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
  評価項目2 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  標準項目2 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  標準項目3 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
講評
自己評価シート(保育士チェックリスト)により年4回、倫理、規範の確認を行っている

倫理、規範の確認を行うため、本園では、年4回自己評価シートの中にある「保育士チェックリスト」に基づき、保育士などの職員が、守るべき規範、法等の確認を行っている。その結果をもとに、園長と面接を行い、問題等があれば修正を図る。また、保育所運営ハンドブックを年度初めに読み合わせを行っている。さらに、保育所運営ハンドブックのような専門書はいつでも職員が確認できるようになっている。

相談窓口については、地域の民生委員も第三者委員にお願いしている

苦情の相談先については、園、法人本部、区などに加えて、地域の民生委員にも第三者委員をお願いをしているなど、いろいろな相談窓口を準備している。相談先の周知にあたっては、入園のしおりへの記載だけでなく、玄関に見やすく提示したり、保護者会など、機会があれば丁寧に説明するなど工夫を行っている。

地域向けの情報提供等として、年2回地域交流会を行っている

本園では、地域向けに年2回、地域交流会を行っている。内容は、7月に実施した第1回目では栄養相談と離乳食講習会を実施した。各回の講師は、職員の中から講師を選んで行うことで、職員のスキルアップにも役立っている。また、地域での共同課題の解決に向けては、本区の特長である公立園と民間園との連携システムを活用しながら、近隣園の園長と検討を行っている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー4  リスクマネジメント
  サブカテゴリー1  リスクマネジメントに計画的に取り組んでいる
  評価項目1 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  標準項目2 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  標準項目3 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  標準項目4 リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  標準項目5 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
  サブカテゴリー2  事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  評価項目1 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている 実施状況
  標準項目1 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  標準項目2 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  標準項目3 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  標準項目4 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
講評
BCP(事業継続計画)を3つのカテゴリーで策定している

法人ではBCP(事業継続計画)として、大地震、火災、その他台風などの災害の3つのカテゴリーで事業継続計画を策定している。なお、初動対応の部分は各園の業務マニュアルの1つとして記載されており、復旧に関する部分は、主に東日本大震災の教訓を参考にしながら、本部で作成している。また、警察と連携して不審者訓練等を含む各種避難訓練を実施したり、職員が震災被害者の話を聞くことで、体験を共有、再確認を行うなど工夫している。

個人情報及び肖像権の扱いを入園時に保護者に確認している

個人情報及び肖像権の扱いについては、入園時に個人情報及び肖像権に関する依頼書により、保護者向け書類への名前の記載、ホームページの写真館への掲載などの項目で希望をとっている。なお、写真等の公表を希望しない保護者には、ホームページや掲示物にその子どもの写真等を掲載しないように調整している。園内のパソコンはアクセス権限を設定している。また、園内に本園の収益状況を記載した資料(いわゆる損益計算書)を掲示することで、人件費比率などを公開している。

災害時の対応は入園のしおり(重要事項説明書)等で周知している

災害時の対応については、入園のしおり(重要事項説明書)の中で、避難先の周知だけでなく、災害時伝言ダイヤルや、災害用伝言板の使い方、警戒宣言発令時の対応などについて詳しく記載されている。また、災害時に保護者と連絡が取れない場合の対応方法もわかりやすく記載している。また、法人で実施する法人内研修の中では、幼児安全法の研修や、嘔吐処理講習会を行うなど、安全面に関する研修についても積極的に実施している。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー5  職員と組織の能力向上
  サブカテゴリー1  事業所が目指している経営・サービスを実現する人材の確保・育成・定着に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている 実施状況
  標準項目1 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  標準項目2 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
  評価項目2 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している 実施状況
  標準項目1 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  標準項目2 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
  評価項目3 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  標準項目2 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  標準項目3 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  標準項目4 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
  評価項目4 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  標準項目2 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  標準項目3 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  標準項目4 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
  サブカテゴリー2  組織力の向上に取り組んでいる
  評価項目1 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  標準項目2 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  標準項目3 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
講評
ルーキーサポートプログラムを活用して新人を育成している

本法人ではルーキーサポートプログラムを導入することで、新人が社会人として、かつ保育者としての成長をバックアップできるようにしている。具体的には新卒向けの研修や、同期の職員との交流を深めることができる取組で、3カ月に1回程度の頻度で実施しているのが特長であり、主な活動は法人のホームページにて内容を公表している。さらに、職員に法人の給与体系を正しく理解していただけるよう、給与表を職員に公開・説明している。

法人内研修を盛んに実施していることで、園の理念等の周知に努めている

本園では、法人が示す方向性や、園の理念の実現に向け、特に法人内研修を盛んに実施している。特に園の方針の周知を図るため、汐見稔幸先生、加藤繁美先生、大豆生田啓友先生などの専門家を招き、研修を実施している。さらに今年度は、本法人が進む方向性である「主体的保育」を理解するため、グループディスカッション形式での検討や、先進地であるイタリアのレッジョ視察の報告などが行われた。なお、研修の実施にあたっては、自己目標シートの内容に基づき自己研修計画を定め、社外の研修も正職員は勤務扱いとしている。

新人採用に関して、法人内に人事部を編成し、人材の確保を図った

本法人では、今まで人材採用は本部の保育関係セクションで行っていたが、法人の規模が大きくなったことや、近年の社会情勢を考慮し、近年人事部を設立し、そこで採用等の活動を行うよう改善した。また、ホームページの採用関係のページのコンテンツを大幅に更新し法人が行おうとしている「主体性保育」について非常にわかりやすく説明したページを、現場の職員が工夫してつくっている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー7  事業所の重要課題に対する組織的な活動
  サブカテゴリー1  事業所の重要課題に対して、目標設定・取り組み・結果の検証・次期の事業活動等への反映を行っている
  評価項目1 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 前年度は、事業計画に基づき、主体性保育を実施していくにあたり、主体性とはどのようなものかを検討を行った。
具体的な取組みとしては、法人が実施する主体性保育を理解するための研修に参加したり、職員会議等を活用して、室内の環境や声かけのあり方等について検討を行った。さらに日常の保育の場面でも、必要に応じて声かけの仕方等で気になる部分があれば、ミーティングの中で確認をするようにした。
その結果、最初は主体性保育の実施に不安を感じる職員もいたが、1年間の間に理解を深めたことで、目指すべき方向が職員間で共有できた。
本年度は、主体性保育についてさらに深く話し合うことで、理解を深めるとともに、保護者にもよりわかりやすい形で伝達するようにした。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
1年間の活動により、職員間で最初はよくわからなかった主体性保育というものが、多数の研修やミーティングなどの機会を通じて理解されてきたため、十分な取組みを行えたと判断した。なお、本法人の場合、社内研修は、小ホールを有する園があるため、1つの園から多数の職員が参加可能なつくりとなっているため、多くの職員が研修を受けることで、より的確に理解が深まったと考えられる。 
  評価項目2 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 計画の中で手作り等で遊び込める玩具づくりを位置づけた。その計画内容に従い、まず職員が研修等に参加することで、遊びこめる玩具づくりの基本を習得した。その上で予算を投じて遊びこめる玩具の作成に努めた。あわせて単に玩具づくりだけでなく、手遊びや遊び込める環境設定について検討した。
その結果、遊び込める玩具が充実するとともに、子どもの発達に応じた玩具の提供等が出来るようになった。
本年度は同様の方向性を示しながら、より子どもが遊び込める環境を充実していくことになった。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
子どもが安心して遊び込める環境をつくるため、従来から玩具の充実を図ってきたが、昨年度はより大々的に玩具の充実を、職員とともに行うことで、より子どもが遊びこめる環境ができた。
そのため、本項目の選定は適切であると考える。また、計画に定めた目的達成のため適切な方向に進んでいると判断した。 

Ⅵ サービス提供のプロセス項目(カテゴリー6)

カテゴリー6 サービス提供のプロセス
  サブカテゴリー1 サービス情報の提供
  評価項目1 利用希望者等に対してサービスの情報を提供している 実施状況
  標準項目1 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  標準項目2 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  標準項目3 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  標準項目4 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
  標準項目5 事業所のサービス利用が困難な場合には、理由を説明したうえで、他の相談先紹介など支援の必要に応じた対応をしている
講評
各クラスの目標、保育の活動内容等をホームページにて提供している

園のホームページを作成し、園での保育の活動内容-各クラスの月の目標など、園の案内・情報を月1回更新し、わかりやすく提供している。1階の入り口の脇に園の三つ折りのパンフレットを置き自由に手にすることができる。パンフレットは園の施設環境・カリキュラム等を写真入りで紹介し、乳・幼児別の一日の生活の流れや年間行事予定などを掲載している。また、区の保育園の案内に園の詳細を記載するとともに、空き情報を区に提供している。

見学希望者には個々の希望に合わせ、個別に対応している

利用希望者の電話による問い合わせには個別に対応し、電話受付簿に記入している。園の見学希望の場合には、日程など保護者の都合を聞き、園の行事やその他の理由で支障のない範囲で希望に合わせて対応ている。見学にあたっては、園長が一人ひとり丁寧に園の保育方針を説明した上で、園内の見学をしてもらうようになっている。

欠員がない場合は事情を説明し、系列園の紹介や区の保育情報を知らせている

入園希望をしながら欠員がない場合は状況を説明をした上で、近隣に立地する系列園の紹介をしたりしている。また、系列園で空きがない場合には、区の保育施設の情報を提供するなど、他のサービスの情報も必要に応じて提供している。空き情報を見ての低年齢児の入園希望、見学希望が多いため、空きが出たら支援することを知らせている。


  サブカテゴリー2 サービスの開始・終了時の対応
  評価項目1 サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている 実施状況
  標準項目1 サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
  標準項目2 サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目3 サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
  評価項目2 サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 サービス開始時に、子どもの保育に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  標準項目2 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように配慮している
  標準項目3 サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
講評
重要事項説明書に基づき、面談を行い保護者の同意を得ている、

入園の際の面談は園長があたり、1人1時間半程度かけてすべてのサービス内容を説明し、保護者の意向を聞き、入園面談表に記録している。入園のしおり(重要事項説明書)により個別に丁寧に説明し、家に持ち帰り再度熟読して、わからない点を質問してもらっている。契約時には両親の同席を依頼しており、両親の都合の良い時間に合わせ、ほぼ全員が来園し、内容を説明し、理解・同意を得た上で署名捺印をもらっている。5月に再度面接し保護者の意向を確認している。

各家庭の状況、子どもの様子に合わせた慣れ保育を実施している

入園に際して、家庭での生活状況や成育歴を児童票に記載してもらい、入園前に職員が子どもの様子を把握できるように努めている。入園にあたっては、一人ひとりに合わせた保育を開始することで、保護者が安心して預けられる環境を整えている。入園当初は慣れ保育を実施し、初回は短い時間から始め、個々の状況に合わせ、柔軟に対応しているのが特長である。

退園後も気軽に立ち寄ってくれる環境をつくっている

退園後も気軽に立ち寄ってくれるよう、卒園後すぐの行事の案内を行ったり、いつでもお子さんの生育環境に応じて相談を受けることができるようにしている。なお、園が小規模のため、退園した園児への行事の案内は期間を限定している。また、退園した子どもの情報は、在園した時に締結した情報提供同意書の内容に基づき対応を行っている。


  サブカテゴリー3 個別状況の記録と計画策定
  評価項目1 定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している 実施状況
  標準項目1 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
  標準項目2 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  標準項目3 アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
  評価項目2 全体的な計画や子どもの様子を踏まえた指導計画を作成している 実施状況
  標準項目1 指導計画は、全体的な計画を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
  標準項目2 指導計画は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況(保護者の意向を含む)の変化に即して、作成、見直しをしている
  標準項目3 個別的な計画が必要な子どもに対し、子どもの状況(年齢・発達の状況など)に応じて、個別的な計画の作成、見直しをしている
  標準項目4 指導計画を保護者にわかりやすく説明している
  標準項目5 指導計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  評価項目3 子どもに関する記録が行われ、管理体制を確立している 実施状況
  標準項目1 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  標準項目2 指導計画に沿った具体的な保育内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
  評価項目4 子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している 実施状況
  標準項目1 指導計画の内容や個人の記録を、保育を担当する職員すべてが共有し、活用している
  標準項目2 申し送り・引継ぎ等により、子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
講評
子どもの心身、生活状況を把握して職員に周知し、保育に当たっている

子どもの心身の状態は、法人共通の様式による日々の連絡帳・健康記録表・保育日誌・個人記録・児童票等に記録している。毎朝受け入れの際、連絡帳を確認し、検温・視診を行い各クラス毎の健康記録表に記録している。健康記録表には個々の契約時間、登降園時間、登園時・午後の検温、食事・おやつの摂食の様子、午睡時間、散歩の有無、登園時・園内での健康状態等を日々一覧表に記入している。朝の受け入れの際の健康状況、伝達事項は朝・夕の申し送りで全職員に伝達している。

子どもの成長・発達、保護者の気持ちを受け止め指導計画を立案し保護者に知らせている

園の全体的な計画を踏まえて各年齢ごとに年間保育計画を立案している。保育計画は子どもの成長・発達や保護者の気持ちを受け入れて立て、週・月・期・年毎に見直し、次の計画に活かしている。各クラスの月の目標は毎月の園だより・給食だよりにのせ、週案は園内に掲示し知らせている。保護者には、個別に月の保育・食育目標カードで伝え、カードを渡す際に口頭でも伝え内容を共有することにより、家庭でも取り入れている。保護者会や運営委員会の際、保護者の要望を聞き、職員会や本部で検討し、取り入れている。

クラスの保育計画は職員が共有している

各クラス担任が月案、週案を計画する際には、年度計画等を参考にした上で、計画策定を行っている。計画策定後は、職員会議で報告、確認し、回覧しやすい場所に保管している。また、子どもの状況等に変化があった場合には、適宜計画の見直しを行うことで、子どもの状態に合わせた内容に変更している。変更した計画は職員間で共有している。


  サブカテゴリー4 サービスの実施
  評価項目1 子ども一人ひとりの発達の状態に応じた保育を行っている 実施状況
  標準項目1 発達の過程や生活環境などにより、子ども一人ひとりの全体的な姿を把握したうえで保育を行っている
  標準項目2 子どもが主体的に周囲の人・もの・ことに興味や関心を持ち、働きかけることができるよう、環境を工夫している
  標準項目3 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう配慮している
  標準項目4 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
  標準項目5 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
  標準項目6 【5歳児の定員を設けている保育所のみ】 小学校教育への円滑な接続に向け、小学校と連携を図っている
講評
子どもが興味や関心を持って遊びこむことができる環境を設定している

子どもが好きな玩具を自分で取り出して遊べる環境を作っている。絵本等はウオールポケットに1冊ずつ入っていて、好きな本を選んで取り出し、また、自分で片づけられるように手の届く範囲に下げている。訪問時子どもたちが散歩に出掛けたが雨が降ってきたためすぐに帰ってきた。戸外で十分発散できなかったようで、室内でも興奮気味であった。保育士はすぐに新聞紙を取り出し、新聞紙ちぎりが始まった。子どもたちはしだいに遊びに引き込まれていた。保育士は身近にある素材をを用意して興味や関心を引き出し、遊びこめる環境を設定している。

異年齢で過ごすことや様々な体験を通して、思いやりや優しい気持ちが育まれている

朝・夕は合同保育をしている。異年齢で過ごすことで、遊びを通して優しさや思いやりの気持ちを育んだり、生活の中でのルールを身に付けて行く。食物アレルギーで誤食を防ぐために、食器などの色が違う子どもが「なんで自分のは違うの」と聞いたことがあった。理由をきちんと子どもに伝えたると納得していた。年齢の違いや生活の違いなどの理由を子どもが理解できる言葉で話して聞かせることで、わかり合うことができている。家庭では体験出来ない人間関係の繋がりを通して、互いに育ちあう良い環境が作られている。

子ども同士のトラブルは保育者が仲立ちとなって、どうしたらよいのか考えさせている

一般的に、言葉がまだ思うように伝えられない子どものトラブルには引っ掻きや噛みつきなどが見られるというが、当園では、こうした事例は見られないという。各部屋は大人が見渡せる高さのパーテンションで仕切られているため、担任だけでなく、園全体で、子どもを見守ることができている。トラブルが起きた時は保育者が子どもの気持ちを代弁して、どうしたらよかったのか考えさせるようにしている。また、噛みつきなどのトラブルについて、改善できないときには職員会議で話し合って改善策を見つけている。

  評価項目2 子どもの生活が安定するよう、子ども一人ひとりの生活のリズムに配慮した保育を行っている 実施状況
  標準項目1 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
  標準項目2 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう援助している
  標準項目3 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
  標準項目4 降園時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
講評
登園時には担任と保護者で直接話をして、家庭での様子を確認している

登園時にはクラス担任が保護者と直接話が出来るような体制をとっている。保護者から家庭での昨夜から今朝の子どもの様子を連絡ノートや口頭で聞きとり、確認している。身体などの変化も目視で健康観察をしている。クラス担任が対応できないときの伝達事項は健康記録表の備考欄に当番保育士が記載して、担任に伝え漏れがないようにしている。家庭と園とで連携を密にして、生活リズムの連続性を大切にした保育を心掛けている。家庭での睡眠時間などを考慮し、午睡時間の長さを決める等子どもに無理のない保育園生活となるように配慮している。

基本的な生活習慣の確立は園と家庭で連携して取り組んでいる

一人ひとりの子どもの発達状況に応じて、声のかけ方や援助の方法など工夫している。排泄は園だけ、家庭だけで行うのではなく、排泄の間隔があいてきた段階で、家庭と連携して、無理のないように進めていく。送迎時に直接保護者と話たり、個人面談で、方向性について園と保護者で話し合い、子どものやる気を大切にして同じような方法で、進めるようにしている。着脱なども、大人の手をかけすぎず自分でしようとする気持ちを大切にして、嫌がらずに着脱が出来るようにしている。

降園時には連絡ノートを手渡しながら直接保護者と会話を交わしている

降園時にも保護者に職員が連絡ノートを渡しながら今日の子どもの保育園での様子などをできるだけ具体的に伝えるようにしている。伝達事項があるときは担任は伝達事項表に記載し、遅番に引き継ぎをしている。遅番保育士は伝達事項表を確認し、伝え忘れがないようにしている。伝達事項表は保護者も目を通すものなので、読んで、その状況がわかるように詳細に記載するようにしている。機嫌が悪い、食欲がなかった等の体調面での伝達は口頭で直接伝えるようにしている。保護者からの質問には丁寧に応えている。

  評価項目3 日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している 実施状況
  標準項目1 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
  標準項目2 子どもが人と関わる力を養えるよう援助している
  標準項目3 子ども一人ひとりの状況に応じて、言葉に対する感覚を養えるよう配慮している
  標準項目4 子どもが様々な表現を楽しめるようにしている
  標準項目5 子どもの心身の発達が促されるよう、戸外・園外活動(外気浴を含む)を実施している
  標準項目6 生活や遊びを通して、子どもが自分の気持ちを調整する力を育てられるよう、配慮している
講評
散歩中の挨拶や他園の子どもたちとの交流を通して、人と関わる楽しさを伝えている

散歩中や散歩先などで、保育者が挨拶したり、他園の子どもたちに声をかけ、一緒に遊ぶ体験を通して、人と関わる方法を学んでいる。公立保育園に招かれ、泥んこ遊びなど2カ月に1度ほど交流して遊ぶ機会がある。年長児たちのダイナミックな動きや、楽しそうに遊ぶ姿、また、やさしく声をかけて一緒に遊んでもらう体験は、刺激的であり、人と関わることの楽しさを味わうことができている。人との関わりの中で、思いやりの心や優しくされるうれしさを感じる体験は、子どもたちにも人への優しさや思いやりの心を芽生えさせ、良い学びができている。

天気の悪い日以外は散歩に出掛け、体を十分動かして遊んでいる

園庭がないため、天気が悪い日以外は戸外に出て散歩を楽しんでいる。遊具などで遊ぶための公園、駆け回って遊べる公園、木々など自然物が豊かな公園などがあり、遊ぶ目的を考えて、散歩先の公園を決めている。また、夏場は室内にビニールプールを置いて、水遊びなど、夏ならではの遊びを堪能している。秋には色づいた落ち葉などを拾う楽しみや拾ってきたものを絵画教室で活用するなど、自然物で遊ぶ楽しみがある。日々戸外に出て豊かな遊びを展開し、満足して帰園するので、よく食べ、よく眠るという、規則正しい生活が展開されている。

子ども同士のいさかいは、保育者が介入しすぎず、どうすれば良いのか考えさせている

遊びの中で、玩具はなるべく人数分を揃えるようにしているが同じものを欲しがって取り合いになることもある。そのような場面でも保育者が子どもの気持ちを代弁することで、相手の気持ちをわかり合えるようにしたり、気持ちを汲み取るなどして、子どもが納得できるまで見守っている。強引に大人の気持ちを押し付けたり、解決に導いたりはしない。子ども達が自分の考えで「ごめんね」「どうぞ」などが言えるようになるまで見守る。園では子どもに考えさせながら自分の気持ちを調整する力を育てている。

  評価項目4 日常の保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している 実施状況
  標準項目1 行事等の実施にあたり、子どもが興味や関心を持ち、自ら進んで取り組めるよう工夫している
  標準項目2 みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
  標準項目3 子どもが意欲的に行事等に取り組めるよう、行事等の準備・実施にあたり、保護者の理解や協力を得るための工夫をしている
講評
行事は子どもが興味や関心を持っている活動を取り上げて企画している

子ども達が興味を持っていることや発達の様子がわかる活動を保育士で話し合い、普段の遊びの中で取り組んでいけるように企画している。従って、行事のための練習ではなく、楽しみながら遊んでいることをそのまま保護者に見てもらう行事にしている。また、遊びの中で楽しいことを、保護者に見てもらいたいと子どもが内容を決めることもある。行事前には、子どもたちの様子を保護者に伝えることで、保護者や親族など大勢の人が参加してくれる。無理せず、子どもたちが楽しめる行事は保護者にとっても子どもの成長を知楽しい行事になっている。

運動会やクリスマス会では、子どもたちの作品を使って小道具などを作っている

運動会やクリスマス会では、子どもたちの手が加わった作品を使用して、当日着る衣装を作っている。子どもたちは自分たちの作品が衣装に使われることで、行事への期待とやる気が生まれている。保育者は行事の当日よりも、それまでの過程で子ども一人ひとりの育ちを実感し、当日保護者の前で見せる子どもの姿に、喜びと感動を保護者と共に共感することができている。園では子どもの作品が行事に活かされ、行事に向けて子ども自身が楽しんで取り組むことが出来る行事を目標としている。

行事には保護者がほぼ100%参加して子どもの成長を感じている

年度初めには年間行事予定表を保護者に配付し、予定を組んでもらっている。また、行事の前にはお知らせ版を早めに配付して、参加協力を依頼している。送迎時にも保護者に声をかけ子どもが楽しんで練習している様子を知らせているので、ほぼ全員の保護者が行事に参加している。年度当初の予定表や、早めの通知文が功を奏している。行事の当日などの保護者の協力依頼はしてないが、参加してもらうことが協力になっている。本調査の行事の日程は配慮されているかの質問にたいして、「はい」と86%の人が肯定の回答をしている。

  評価項目5 保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている 実施状況
  標準項目1 保育時間の長い子どもが安心し、くつろげる環境になるよう配慮をしている
  標準項目2 保育時間が長くなる中で、保育形態の変化がある場合でも、子どもが楽しく過ごせるよう配慮をしている
講評
保育時間の長い子が安心して保護者の迎えを待てるように工夫している

長時間保育の子ども達が楽しく過ごせるように、一人ひとりとじっくり関わって寂しさを感じさせないように遊びを工夫している。できる限り年度当初は各クラスの担任1名は当番にあたれるようにシフトを組み、子どもに不安感を与えないようにしている。迎えの保護者に日中の子どもの様子を詳しく伝達することができている。保育者は子どもを見守るための自身の位置や声のかけ方、スキンシップ等を考慮しながら、子どもが興味や関心のある遊びを提供している。子どもたちは楽しく遊びながら保護者の迎えを待つことができている。

異年齢で遊びながら、人への優しさや遊びのルールなどを自然に身に付けている

17時からの合同保育は1・2歳児が異年齢で同じ部屋で過ごしている。遊びがマンネリ化しないように人数に合った玩具を設定したり、0歳児には安全を配慮した玩具を用意している。同じ玩具を使っても、2歳児の遊び方の違いや「貸して」「どうぞ」等のルールを活用して上手に遊ぶ姿を見て、1歳児も真似をする等、自然に遊び方を学んでいる。2歳児も1歳児に優しく接するなど、共に過ごす中で自然に人への関わり方を身に付けている。職員の子どもへの優しい声のかけ方や接する姿も子どもに安らぎと安心感を与えている。

異年齢保育の中で、のびのびと遊びを楽しみながら迎えを待つことができている

0歳児は18時までは自室で過ごしている。1・2歳児は17時から縦割り保育になり、一緒の部屋で過ごしている。18時になると子どもの数も減ってくるので、1歳児室にすべての子どもが合流する。職員は17時30分までは3~4名の職員で保育にあたるが17時30分には1人減り、2名~3名体制になる。十分な保育体制で、子どもは安心して、のびのび遊ぶことができている。2歳児が最年長なので、0歳児も大きい子の動きを恐れることなく、のびのびと遊ぶことができている。

  評価項目6 子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している 実施状況
  標準項目1 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
  標準項目2 メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
  標準項目3 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している
  標準項目4 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
講評
さりげない介助で楽しく食事が進むよう配慮している

園は、給食は各クラスがランチルームで食べるようになっている。部屋には、今日使用した食材がバスケットに入れられ見たり触れたりできるようになっている。また、食材の絵カードを作成して、今日の給食には何が使われているか子どもたちと一緒に確認できるようにしている。0・1歳児は手づかみで食べる子もいるがさりげなく介助しながら、無理のない進め方で、スプーンなどの食具にも慣れるようにしている。子どもが楽しみながら食事が取れるように,声掛けなどを大切にしていることから、子どもは保育者を信頼し、安心して食べることができている。

食物アレルギーを持つ子どもの食事は、慎重にチェックし、誤食がないようにしている

食物アレルギーを持つ子どもについては、保護者、園長、調理担当、担任が一緒に面談を行い、アレルギー対応を確認している。アレルギーチェック表をもとに、除去食献立表にマーカーで色分けし、保護者の確認を得ている。誤食を防ぐために、アレルギー食はすべて他児とは色の違う食器に盛り付け、プレートを立てて個人別のトレーに載せ職員に手渡している。受け取った職員は確認をした後に子どもに提供し、返却もトレーに空き食器を乗せて手渡しで返却している。テーブルや椅子は固定し、誤食をしないようにしている。

食育指導計画に添って、簡単なクッキングを実施している

毎月食育指導計画に基づいて、簡単なクッキング活動を実施している。季節の食材を取り入れ、トウモロコシの皮むきをしたり、ピザを作っている。クッキングを実施する前には関係する絵本を読んだり、エプロンや三角巾を家庭から持ってきて、身に付けて準備をしている、日常と違う衣装を付けるだけでも子どもはわくわくして、楽しみながら取り組んでいる。食育活動の一環として、日常の生活の中でも食材カードや絵本等を見せて、興味を持たせるように取り組んでいる。またクッキングの様子は写真に撮り、その日のうちに掲示し、話題を提供している。

  評価項目7 子どもが心身の健康を維持できるよう援助している 実施状況
  標準項目1 子どもが自分の健康や安全に関心を持ち、病気やけがを予防・防止できるように援助している
  標準項目2 医療的なケアが必要な子どもに、専門機関等との連携に基づく対応をしている
  標準項目3 保護者と連携をとって、子ども一人ひとりの健康維持に向けた取り組み(乳幼児突然死症候群の予防を含む)を行っている
  標準項目4 子どもの入退所により環境に変化がある場合には、入所している子どもの不安やストレスが軽減されるよう配慮している
講評
散歩に出かける前などに、危険な箇所、交通ルールなどを話してから出掛けている

日頃から紙芝居や絵本等で、安全面や健康面などの話を取り上げているが散歩に出かける時には、道の歩き方や遊具の正しい使い方等の話を月齢に合わせたわかりやすい言葉で伝えてから出かけている。園長は実際に子ども達の散歩に同行し、安全な道や危険な道路などを再確認して、職員会議で話し合い、共通認識が持てるようにしている。危険個所については園長会などでも提案したり、話し合いを何度も重ねている。感染症予防のための手洗いやうがいなどは看護師資格のある非常勤の職員が子どもたちに伝えている。

園医や子どものかかりつけの医者と連携を取って対応している

園の3階は小児科医院があり、当園の園医でもある。子どもたちの中には園医が家庭でのかかりつけ医になっているケースが多い。毎月0才児は健康診断を園医から受けていることもあり、子どもについて熟知しているため、病気についての相談にはすぐに応じてもらえ、適切な助言を受けている。また、過去に他の病院が主治医だった場合でも、変事が起きた時、主治医と連絡を取って、対応の仕方を学び、大事にいたらなかったケースもあった。園では熱性けいれんが起きた場合を予測して、職員が対応方法をシュミレーションして備えている。

入・退所によって、子どもが不安定になっている場合には心のケアに努めている

認証保育所では年度途中で退園や入園をするの子どもがいるが新入園の子どもが慣れるまで泣いたり保育者から離れないこともある。在園の子どもが環境の変化でストレスを感じ、不安定になる場合もある。園ではこうした事例がある場合には、保育士と子どもが1対1の時間を取ったり、スキンシップの時間を設けて、子どもが安定するように努め、心のケアを図っている。園では、日頃からクラス担任に拘らず、他クラスの保育士とも慣れ親しんでいるため、子どもの変化に気付いた保育士はすぐに援助の手を差し伸べることができている。

  評価項目8 保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して支援を行っている
  標準項目2 保護者同士が交流できる機会を設けている
  標準項目3 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
  標準項目4 子どもの発達や育児などについて、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
  標準項目5 保護者の養育力向上のため、園の保育の活動への参加を促している
講評
親子参加の行事を通して、保護者同士が交流を図っている

年度当初に年間の行事予定表を配付しているため、園の行事には多くの人が参加している。また、年2回開かれる運営委員会には役員だけでなく、参加できる保護者は皆参加することが可能なので、父親たちも参加をし、親睦を深めている。また、送迎時園で顔なじみになる保護者も、同じ年頃の子どもを持つ親同士、悩みを相談し、助け合ったりしていくうちに交流が深まっている。特に園として保護者の交流会などの企画はないが、小さい園なので、保護者同士が知り合い、親しくなるのも早い。

日々の綿密なコミュニケーションを大切にし、保護者と保育者の信頼関係を深めている

送迎時には、保育園での様子をできる限り具体的に伝えるようにしている。保護者からの質問には丁寧に対応しているが、年2回開かれる個人面談を行い、園での子どもの発達の様子などを丁寧に伝えている。今回の利用者調査で、「子育てなどについて、職員と話したり相談が出来るような信頼関係があると思うか」との質問には、100%の保護者が「はい」と肯定の回答をしている。保護者と綿密にコミュニケーションをとる取り組みは日々の保育の内容が保護者に浸透し、理解されるとともに、保護者の信頼を得ることができている。

何時でも、ありのままの子どもの姿を見てもらい養育力の向上に?げている

玄関には各クラスの1週間の保育内容(週案)を掲示して、子どもの活動内容を紹介している。また、保育の実際を見たい保護者には何時でもこっそり見てもらえるように工夫している。子どもの普段の様子や子どもと保育者の関わり方、声のかけ方等を保護者に見てもらうことで、保護者の養育力向上に?げている。乳児の施設であるため、保護者の姿を見ると普段の子どもの姿にならないことも多いので、クリスマス会では子どものありのままの姿を見てもらうために、保護者にはこっそりと見てもらえるようにして、ありのままの姿を披露した。

  評価項目9 地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている 実施状況
  標準項目1 地域資源を活用し、子どもが多様な体験や交流ができるような機会を確保している
  標準項目2 園の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
講評
近くの公園に出かけて、系列園と交流し、楽しい体験を重ねている

近くの公園や商店街などに出かけている。地域の商店街では顔なじみの人達から声をかけられたり、挨拶を交わしたりして親しく交流している。勤労感謝の日には、日頃の感謝の意を伝え、手作り品をプレゼントしている。また、行事などは系列園と一緒に実施しているので、近くの公園で一緒に遊びながら、行事に向けての遊びに取り組んでいる。公立園が拠点になって2カ月に1回一緒に遊ぶ機会がある。同じ年齢の子ども達と遊ぶ体験を重ねることで、友達との関わり方を学んだり、興味や視野を広げる取り組みをおこなっている。

地域の子育て中の親子のために離乳食講習会などを開催している

施設が小さいため、行事に地域の人の参加を呼び掛けることはしていないが、地域の子育て中の親子のために離乳食講習会(年2回)や親子でふれあい遊び(年4回)、育児相談会などを実施している。育児講座と育児相談会は同日に行っている。玄関前に地域交流のお知らせビラを置いているが、園としては声掛けが足りていないと感じている。商店街との関わり、地域の方への声掛けや活動内容を広げていき、いつでも気兼ねなく保育園に来られるような対策を考えて交流を大切にしていきたいと考えている。

園のパンフレットや地域向けの「おたより」を発行して、地域に働き掛けている

玄関前に入園のためのパンフレットを置いているが、同じ場所に毎月の食育の地域向けのおたよりを置いている。地域の人の口込み等で浸透して、部数も少しずつ伸びてきている。お誕生日ケーキの紹介とレシピや9月には「災害時に備えよう」と題して、妊産婦や乳幼児のいる家庭の備蓄品の紹介をしている。1週間分の食料品の紹介、食生活に関係する生活用品の例、乳児用液体ミルクについてなどが記載されている。乳幼児を持つ家庭では知っておきたい記事になっている。「おたより」は保育園の専門性を外に発信する良い手段となっている。


  サブカテゴリー5 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
  評価項目1 子どものプライバシー保護を徹底している 実施状況
  標準項目1 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
  標準項目2 子どもの羞恥心に配慮した保育を行っている
  評価項目2 サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している 実施状況
  標準項目1 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
  標準項目2 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した保育を行っている
  標準項目3 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
講評
プライバシーの保護については保護者の同意を得ている

個人情報や写真撮影の取扱いについては入園時の説明会で重要事項説明書に基づき、守秘義務を順守し子どもの保育以外の使用をしないことと、保護者にも守っていただくことを説明し、同意書に署名・捺印をもらっている。トイレ、シャワー室、おむつ交換台はドア等により見えにくい場所に配置している。衣服の着脱の際には全裸にならないように着替えるように指導し、水遊びの時には、すだれを立て、衣服を着けて遊ぶ等の配慮をしている。

虐待防止マニュアルの確認をし、研修に参加して虐待の早期発見、防止に努めている

虐待防止や育児困難な家庭への支援には、研修や勉強会に参加し理解を深めている。研修は常勤、非常勤を問わず、全職種の職員を対象とし、研修後は資料を回覧し、知り得た情報を職員会議等で全職員に周知し、共有している。法人の保育マニュアルの中に虐待防止マニュアルが整備されており、期毎に確認をしている。虐待を疑われる場合には、「虐待早期発見チェックリスト」に記入し、防止する体制ができている。個々の子どもを尊重するように言葉づかいの指導もしている。


  サブカテゴリー6 事業所業務の標準化
  評価項目1 手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  標準項目2 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  標準項目3 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
  評価項目2 サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  標準項目2 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている
講評
各種マニュアルは事務室内に保管し、必要に応じて活用できるよう整備されている

法人の本部が定める各種のマニュアルが整備されている。保育マニュアルには健康管理及び衛生管理、安全管理、虐待防止、苦情処理マニュアルを含み、ボランティア受け入れマニュアルも整えられている。各種マニュアルは解らないことがあった時、直ぐに活用できるよう事務室の目につく場所に置かれている。

年度初め、年間4期末毎に手引書等の確認を行っている

職員の年間研修の園内研修において年度初めに保育マニュアルの確認をし、重要事項説明書の確認をはじめ、勤怠管理、保育書類の書き方、個人情報、機密事項の考え方などを学んでいる。年間4期の期末毎に反省会を開くと共に、自己評価シート保育士チェックシートに標準基準により記入し、次期の課題、目標を設定して、園長の評価を経て保育事業部に提出するシステムとなっている。

マニュアル等は保護者、職員の意見を取り入れ、見直しを行い次の計画に反映させている

毎月の職員会議は施設長会議の後に開催し、会議での決定事項や経過をしっかり伝え、全職員が共通の理解をし、マニュアル等も周知、徹底し保育に反映している。マニュアル等は期毎に職員と見直し検討後、施設長会議で検討し、決定している。保護者等からの提案等は運営委員会や保護者アンケート、個人面談等により意見・要望を聞き、職員は日々の生活で気づいたt時に、進言したり、職員会議で意見を挙げている。