東京都福祉サービス第三者評価  評価結果

園では、「安心して子どもを託せる保育」「基本的人権の尊重」「職員が誇りを持って充実感を味わえる保育」「地域社会への貢献（子育て応援広場・子育て相談等）」「保護者、地域の子育て家庭、従事職員の育児力の強化援助」を方針とし、モンテッソーリ教育を主軸とした保育を行っている。職員業務マニュアルに明示し、年初の統括長研修で読み合わせ、理念定着レポートの全員提出や園内研修で方針の浸透を図っている。保護者へは園だより、ホームページ等の他、系列２園合同の保育説明会で、視覚化したスライドを活用、理解を促している。

統括長研修や合同職員会議で理念と共に経営層の役割を説明し、「子どもの幸せ」を第一義として、職員へは保護者会のスライドを活用してモデル職員からの学びの場を作り、地域に向けた子育て学習会で地域理解を図り、共通意識の形成に努めている。代表は各園を巡回し、現場観察や保護者対応、困っている職員への指導等、様々な相談にのっている。新制度を鑑み就学に向け３・４・５歳児保育へ重点を置き、保護者・職員への周知の他、処遇改善新設に伴い組織を変更し、グループでの計画的指導体制づくりや主任育成等、経営層は組織を牽引している。

重要事項の決定に際し、保育グループやミーティングであがった内容に対して、園長副園長会議・3園職員会議で検討後、グループリーダーに検討内容が伝えられ、グループで話し合い、課題に対する意見や確認を行っている。その後再度、園長副園長会議で検討・決定後、職員会議で代表が職員へ伝えている。緊急の内容については園長と代表が検討し決定している。保護者へは、決定事項をメールと保護者会、園だよりで伝えている。特に重要な案件に関してはメール・文書の両方で経緯と内容が伝えられ、手順を決定、実施後検証している。

保護者の意向は、連絡ノートで把握し個別対応している。個別記録に入園時保護者からの情報や子どもの様子から課題を随時記録、個別支援表に反映、個別対応している。保護者アンケートからも要望を収集。職員意向は、自己評価、個人面談で把握している。駅前商店街やお散歩中の掲示板等からの地域情報で豆まきにも参加した。三鷹市子ども子育て会議の委員であり、日本子ども育成協議会に入会し、業界課題を分析し、認可外自己申請手続き等も保護者へご案内している。経営状況は園長が把握し、収集情報と合わせ課題を抽出している。

5年から19年の長期計画・3年間の中期計画を顧問税理士と策定、理念、ビジョンの実現に努めている。園は認可保育所の要件を満たし、将来的に認可移行も視野に入れている。中期ビジョンは、行政と連携、３・４・５歳児の就学を視野に入れた保育充実、主任育成をあげている。中期計画に基づき、年度末に保育所運営を検討し、職員配置、職員育成計画、４月に在園人数に応じて収支予算書を作成している。保育・行事等各分野計画も、園長とともにグループリーダーを交えて計画を策定検討している。期末毎に４期に分けて見直しが実施されている。

職員育成計画では、個別に目標を明示し、自己評価・人事考課表を指標として、月毎に進捗と成果を点数化して達成度合を測り、結果を受け、今後の取り組みを決め、本人が主体的にスキルアップに取り組める工夫をし、次年度に繋げる仕組みは評価したい。短期計画では、日・週・月・期毎に評価反省をグループで記録、園長が結果を園長・副園長が確認し、改善・発展に繋げている。要観察児童においては、心理士から指導を受けてグループで発達指導をする等、組織的に職員からの保育課題を受け、改善活動に繋げており、PDCAが実践されている。

倫理や行動規範は、入職時研修のほか、統括長研修で説明し、個人情報の取り扱いについて確認をするほか、個人情報保護宣誓書を雇用契約時に提出してもらうなど、周知を図っている。園内研修でもマナー研修、ビジネスマナー研修を行い、その他、全国保育士会倫理綱領学習シート・チェックシートを使用しての学習、職員会議で保育指導要領のチェックシートを活用し学習する機会を設け、服務規程にも定め、理解・浸透を深める取り組みが行われている。また、日常的に、職員同士、気になる事など助言するなど風土が築かれている。

苦情解決制度は責任者と受付先も掲示し、重要事項説明書に明記し、申し込み時に説明している。ご意見・苦情は連絡ノートで受け、個別対応記録に記載し全職員で確認をしている。即答できない場合は代表・園長と相談し、話し合いの場を設ける等して解決している。行き違い、荷物間違い等の苦情を受け、保護者同士の仲裁に入り、園でも確認を強化する等、改善を図っている。児童虐待防止法に則り、朝の一寸した変化等詳細に観察、毎日視診簿で記録チェックしている。行政と連携し、通報事案等の情報交換を行い、養育力支援など体制を整備している。

自治体ホームページや保育園案内に記載され、地域に活動を紹介し、市認証保育所事業者連絡会やこども子育て連絡会等に参加し、課題解決等で協働している。園では見学会も定期的に開催し、園主催の子育て応援広場は、一般に向けて音楽やモンテッソーリ教育活動の体験等提供している。中学生の職場体験の受け入れ、小学生ボランティアとして卒園児を受け入れている。ボランティア受入規定を基に副園長・グループリーダーが担当、異年齢の交流機会と同時に卒園後の成長を見守る等、地域と共生する施設として資源を提供している。

災害対策を重点項目とし、その復旧や食中毒、経営状態の順にリスクへの対応を取っている。災害対策では、ハザードマップや防災無線等の情報を入手し、２日分の備蓄を玄関に置き、備蓄水も十分に準備している。火災報知器の誤作動があったが、別園に避難することができ、グループ園設置の強みが確認できた。ノロ対策キット、消毒液等をトイレに備え、手洗いの励行など感染防止や食中毒等対策し、実践している。園環境は駅近くの繁華街で煩雑なことから、園長は課題を感じ、交通安全教室などを検討、子どもが学びながら安全な活動に取り組んでいる。

BCP計画を策定し、保護者へは「園生活のお約束」として、職員へは業務マニュアルとして配布し、毎月地震、火災、不審者侵入を想定し防災非難訓練や災害研修を行い、緊急連絡先・非常災害時対応マニュアル等も壁に掲示し周知し、理解を促している。法令改正や利用者・職員などの経営環境変化の確認を行い、マニュアルは適宜、専門家のアドバイスを受け検討・見直しを行っている。ヒヤリハット発生時は、職員全員にメールで注意を促し、保護者へは文章でも配布し、職員会議で共有して検討し、再発防止に努める等、安心した保育への備えを行っている。

個人情報保護法に基づき、文書・情報管理保管規定を策定し、個人情報規定を年初に研修して玄関へ掲示している。職場体験・ボランティアにも、説明して同意書を求め、保護への理解を深める取り組みを行っている。情報はパソコンと紙媒体を併用し、アクセス権を設定して園長が更新・管理し、施錠庫保管している。また、必要な時に閲覧できるように整然とファイルされ、園外持ち出しを禁じている。パソコンはオフライン、メールは園管理の１台の携帯で行い、漏えい防止に努めている。開示請求への対応は、重要事項説明書に記載し、入園時に説明している。

採用は、育児中の短時間勤務希望者を積極的に採用・育成し、正規職員へキャリアアップを進め、昨年度から予定者を含め３名が常勤職員に転向し、職員も多めに採用している。また、家庭が幸せで後悔しない子育てができる事を信条とし、家庭都合を優先し、残業のない職場環境を整え、人材確保・定着に努めている。キャリアパスを踏まえた自己評価を基に、個人面談で本人の意向を考慮し、経営層補助はグループ園で園長経験者が行う等、適所への配置に取り組んでいる。キャリアパスは統括長研修で説明・周知し、長期的な人材育成計画を策定している。

個人別研修計画を作成し、全職員に内・外部研修、モンテッソーリ研修など様々な研修を実施している。研修実績票で園長が把握・確認し、個人面談で進捗状況や要望を聞き補正し、資格取得も奨励してキャリアアップに繋げている。グループ園との合同保育で、先輩保育の観察機会を提供し、スキルアップに取り組んでいる。人事考課制度、自己評価を基に評価し、モンテッソーリ教師資格取得者が副園長に昇進する等、待遇へ反映している。臨床心理士の保育観察や休暇・勤務状況を把握し、相性を考慮した配置など、職員の意欲向上に努めている。

本年度、後進の育成を目指し、代表から園長への権限委譲を進め、主任育成にも力を入れた。また、モデル保育士による保育支援ビデオを撮り、支援内容・方法・環境をグループで話し合って改善日案の作成など保育力向上を目指している。研修レポートは職員会議で発表して共有している。代表・園長が巡回するグループ会議では、気づきや工夫を気軽に話し合って提案メモを提出し、張り出しボードに現場からの報告・提案を付箋で掲示して各自で情報収集する仕組みなど、職員の主体性を高め、組織的に向上への取り組みを行っている。

園の情報提供にはホームページを活用している。創設からのプロフィール、環境、生きる力の芽生えを楽しく育てる「モンテッソーリ教育」等保育や行事等の取り組み、保育室等の施設・設備等を写真を多用し、視覚から関心を喚起している。更に、保育目標、一日の流れ、年間/月間の行事、心身の健康の管理や専門講師による保育等を紹介、子育て支援の講座や見学会等のお知らせもタイムリーに更新している。英文概要も準備する等細やかな配慮がなされている。更に、電柱や園使用のビルの総合案内、園入口のシンボルマーク等で園の存在を広く伝えている。

行政にはFAXで最新情報を提出し市のHPの子育てネット等の空き情報に反映、市内保育園案内冊子に保育園の情報を掲載して市役所の窓口等で保育園情報が入手できるように利便に対応している。市の認証保育所連絡会、市子ども子育て会議等に代表や園長等が出席、新しい保育の施策の理解や子どもや保護者を取り巻く課題等を共有し学びの機会を持っている。更に、子育て支援広場事業にも参画、乳幼児を保育する父母等を対象に音楽会や離乳食講習等を開催する等、行政等と連携して児童福祉の地域拠点としての役割を果たしている。

年５回程度の見学保育説明会や実際の保育を見て頂く保育見学会を開催して入園を検討する保護者のニーズに対応している。見学会は平日・土曜・日曜と参加し易さに配慮し、大型スクリーンでパワーポイント、写真等を活用し、運営方針や保育内容等を伝え、どの会でも同じ内容となる様に対応している。突然の来園等の見学希望は代表が対応している。その際には子育ての悩み等の相談に応じ、利用が困難な場合には保育園一覧等で他園紹介等に繋いでいるが、更に一時預かり等の諸制度紹介等で保護者の気持ちに寄りそった対応の工夫が期待される。

入園が決定すると保育委託契約書と重要事項説明書を事前にお渡しし、契約当日にはそれを読み合わせながら、基本的なルールや保育内容を説明、充分な理解と納得の上で署名と捺印による契約を行っている。怪我や病気の際に保護者と連絡が取れない場合の園の対応、アレルギーへの対策、料金等は特に丁寧に確認している。更に、入園前のオリエンテーションで園生活のお約束、慣れ保育の考え方や予定、全体的な計画等今年度の保育に関する資料等を配布している。保護者の意向や要望、子育て方針等も伺って記録し保育計画に反映している。

入園前に提出頂いた児童票、生活調査・意向調査票、入園前面談で伺った子どもの状況等を把握して入園日を迎えている。慣れ保育の必要性は前もって説明、出生から就業迄を「エンゼルプラン」でシミュレーションして頂いて、うさぎ・くまコースの慣れ保育期間を検討している。初日は保護者と共に過ごし、食べられる、寝られる、感情表出できる等を完了の目安としている。抱っこやおんぶ、マンツーマン等の個別対応で子どもの気持ちに寄り添い、お気に入りのタオルの持参も受け入れ、少しづつ集団に慣れる等、園生活の安心のスタートを支援している。

転居や認可園、幼稚園等への転園等のサービス終了時には思い出を大切に新らしい場所での円滑なスタートを支援している。毎月の作品や写真を成長の記録として纏め、保育士や子どもたちの絵や手紙等のメッセージカードを添え贈っている。認可園転園時には保護者の希望があれば申し送り書を準備している。卒園、修了式には保護者も出席、年度修了証書を授与し、作品ファイルやアルバムを贈呈、記念撮影、入園から卒園の各場面を歌「思い出のアルバム」の歌詞に合わせ保護者の姿も映った映像で振り返る感動的な時間は秀逸、高く評価したい。

子どもの出生からの成長や発達、生活状況等は入園時に提出頂く児童票、生活調査票、日々の保育や子どもの状況は複写して個別日誌として活用する連絡ノートや視診簿、経過記録に記録し把握している。保護者の保育や子育てに関する意向は意向調査書、個人面談で把握している。経過記録で子どもの発達を確認しながらどのような遊びや生活自立の促しが必要か等の保育内容を保護者と確認、毎月２０日から月末に見直し、反省、評価を行い次月の月案、個別計画に繋いでいる。保護者には送迎時や個別面談、連絡ノートでその取り組みをフィードバックしている。

年度当初に全体的な計画とそれを踏まえ養護・教育の各領域を考慮して年間指導計画を作成している。更に、毎月末、毎週末に月案、週案、個別保育計画を作成して園長の助言と確認を受けている。計画の見直し、反省、評価の方法は職員マニュアルで周知、計画は年度始めの保育説明会や保護者会で説明、園だよりでグループ別の今月の目標を保護者に伝え、玄関には月の活動計画を掲示する等、保護者への周知に努めている。個別指導を要する場合には保護者と連携して専門機関に繋ぎ、助言を個別計画に反映し適切な保育、推移の把握に努めている。

子どもの様子や情報は視診簿や昼ミーティング等を活用して職員全員が把握、共有、職員は出勤時に視診簿を、早番職員は前日の情報も確認して業務に入る事としている。体調不良等子どもや保護者の状況変化は視診簿に赤字で記入して徹底している。保護者からの情報は伝言ボードにグループカラーで色分けした付箋で即座に記録、緊急情報は必ず園長等がグループミーテングに出向いて伝える等、手軽で確実な伝達システムは職員にも好評で高く評価できる。個別目標等は保育室に貼付して職員が確認しながら保育にあたっている。

子どもの全体的な姿は児童票や入園時面談記録、意向・生活調査票、個人面談や援助経過等で把握している。モンテッソーリ教育法のお仕事を見やすく配置する、子どもが鏡を通して自身の動作を見て着脱や鼻拭きを確認できる等子どもが主体的に過ごせるような環境設定が配慮されている。子どもが興味をもって取り組める創作活動、散歩等での交流、勤労感謝の日訪問や買物で働く人々と触れ合い、伝承遊び、野菜などの観察、オタマジャクシの飼育等子どもが主体的に周囲の人、もの、ことに興味関心を持ち働きかける環境や取り組みの促しが工夫されている。

年月齢や発達に合わせたグループ保育、外国人講師によるキッズアートやイングリッシュ等で日常的に年齢、文化、習慣の違いに触れる機会を提供している。年下児を慈しみ、遊び方を教えたり、役割を分担する等の姿が見られている。国旗や世界地図、世界のテーブルマナーや外国語の歌等で異文化を知る機会を持っている。特別な配慮を要する子どもは専門機関等の助言を受けたり家庭の過ごし方を参考に他児と共に過ごす保育やクールダウンの機会等を組み合わせながら子ども同士が互いに認め合い、助け合って楽しく園生活が過ごせる様に支援している。

言葉で気持ちを充分伝えきれない年齢の子どもたちに起きる心の行き違いについては保育説明会や園便り等で保護者に説明している。日々の保育では危険回避を最優先、被害児の心の傷やケアに注力すると共に、その場面での両方の子どもの気持ちを「痛かったね」「貸して欲しかったのね」等言葉にして尊重、その上で噛んだり手を出したりしてはいけない事を伝えている。充分な数の遊具を準備、２歳からは子ども同士での解決を見守り、必要な場合に仲介して解決力も育んでいる。学校行事への参加、要録の提出等小学校との連携にも取り組んでいる。

登園時に家庭での子どもの様子や体調を連絡ノート、保護者との対話、視診で把握している。視診では表情や顔色等をさり気なく観察、前日に欠席や体調不良があったあった場合には保護者との連絡がスムーズにとれるように所在や連絡先、散歩や体操教室等の参加についてを確認している。睡眠不足の場合には年月齢によって午前寝、食後早めに布団に入る等を配慮している。当日の保育の変更だけでなく、家庭の状況変化や子育ての不安や悩み等が寄せられた場合には、伝言ボードも活用して情報の周知、園長等の助言が適切に受けられる体制と対応に努めている。

年齢や発達に合わせ基本的生活習慣を身につける保育を保護者と連携して行っている。挨拶は登降園時、毎日の保育を通して自然に身に着くように職員自らの実践で働きかけている。食事は手摘まみからスプーン、手指の発達に合わせ箸に、歯磨きはぶくぶくが上手に出来ると歯磨きに移行している。排泄は排泄間隔、トイレに行きたがる、便座に座れる等を見極めて保護者と相談しながらトイレ排泄に繋いでいる。着脱は保育に被る、入れる等の動作を楽しむ玩具を手作りしできたら褒め興味を動機づけに、いずれも保育計画にも位置付けて取り組んでいる。

午睡は身体を休める時間として子どもひとり一人の状況にあわせ対応、寝すぎない時間配慮や眠くない子どもには無理強いしない様にしている。午睡チェツクは0歳5分、１歳以上は10分間隔で行い、呼吸状態、２歳児迄は体勢も記録している。お迎え時には保護者が家庭保育を楽しめるように配慮、連絡ノートの記帳に加え、出来た事、頑張った事等を直接伝えている。また安心して帰宅して頂ける様に持ち物の間違いがないように慎重に対応している。３歳児からは連絡ノートに子どもがスタンプ等を活用して自分で記帳や自らの報告を促し支援している。

全体的な計画を基本に、各種指導案、デイリーを作成、保育実践している。保育の基本軸に、職員が専門資格を取得、モンテッソーリ教育法を導入、教具やプログラムを子ども自身が選択、準備など自主、自発性に?げている。日々の保育では、発達に合ったもの、教具、用具、遊具、文房具、絵本など子どもの興味に沿った活動環境を提供している。テーブルや椅子、マットなど落ち着いた個別活動空間、時間を確保し、子どもと環境の連携を確認後は見守っている。季節や風物などをテーマに制作も毎月行い、落ち着いて取り組めるプログラムを提供している。

子どもの気持ちを大切に発達支援に取り組んでいる。近隣公園や動物園に散歩に出掛け、行き交う方々との自然な挨拶を交わし、挨拶ごっこやままごと、２歳児以上はサークルタイムでお友だちの話を聞き、自身の体験や気持ちを発表している。実物と名前、絵カード、手遊び、歌遊び、絵本などスモールステップで楽しく言葉に触れ、無理なく美しい日本語を獲得。キッズアートや音楽教室、体操教室、英語、テーブルマナー、音楽鑑賞会、表現発表会など専門講師を招き表現力習得に取り組むなど人間関係性や言葉、表現などへの保育は良質、高く評価したい。

毎日、天候などを把握、大型公園競技場や動物園など午前、午後の散歩を実施、雨の日は就学を視野に雨具使用など学んでいる。姉妹園交流や３園合同運動会など交流活動も実施。地域のスポーツクラブと提携、水泳教室参加援助、体操教室をプログラム化している。地域に畑を借り、野菜栽培も実施。年齢が進むにつれ、同一遊具の数を減らし、交代や順番を経験、適切な援助を受け、大人に見守られ規則的な生活を通し、考えながら見通しを持ち、主体的な生活を意識し、自己調整力の習得に繋がる確実なディリープログラムは良質、高く評価したい。

前年度を振り返り、年始、年間行事を決め、予定表を作成、行事終了後、評価反省、記録に残し、次年度に繋げている。また、行事のための保育ではなく、保育のための行事に取り組む姿は良質。クリスマス会は音楽教室の発展とし講師や子ども、保護者全員が協力、子どもの劇や歌をサポート、子どもの達成感、保護者の感動に繋げた。日常の文化活動（夏祭りー宇宙）の発表を中心に行事を構成している。保護者作成の短冊を飾り付ける七夕、表現発表会、動物園へのお弁当遠足、ブルーベリー摘みなど良い想い出に繋がる、行事理念の実現は良質、評価したい。

子どもが積極的に関わり達成を実感している。幼児は運動会競技や夏祭りの太陽系発表、合奏練習を通して、協力してやり抜く楽しさを経験、乳児は親子で発表、楽しさを共感している。系列園合同運動会は、恩賜公園グランドで、組別対抗で、宙グループ園児の開会の言葉でスタート、会場を彩る万国旗は、子ども皆で協力、国旗の本を参考に制作、クラス別、保護者競技など参加者全員の一体感に?げている。制作は持ち帰る物、贈る物、制作アルバムに残す物に区分七夕、雛祭り、月見など文化的な活動に繋げている。子どもの達成感ある実践を高く評価したい。

子どもが様々な人々と豊かに関わり、人間関係性を育んでいる。行事の発表演目は年月齢別に、毎年同じ傾向で構成、成長と共に演目がわかることで、次年度の楽しみに?げている。降園時、親子で練習、発表の歌詞カードや台詞を保護者に配布、家庭で練習、当日の想像に?げる等工夫している。行事予定表を保護者に配布、行事は土曜開催など、参加に配慮。歌のコンサートやキッズアート体験、モンテッソーリ父母学習会、歌コンサート、地元阿波踊り行事に飛び入り連で参加などわくわくな行事を様々な人々との交流から構成する良質な実践を高く評価したい。

長時間の保育を提供する子どもが安心して保護者のお迎えを待ち、寛げる環境を提供している。長時間保育計画を位置づけ、朝と夕、クラス別保育とは別に、人数や年齢構成により、合同保育を実施、１８時以降は最も安全な０歳児室で、落ち着ける環境を提供。合同保育は、遅番保育者を固定化、子どもの安心に?げている。机や椅子を少なくし、異年齢の子どもの安全でリラックス出来る空間を整備している。数少ない１点物やままごと、ブロックなど特別な玩具も提供、好みの玩具で集中して遊べる環境を提供。異年齢児の豊かな交流が繰り広げられている。

子ども一人ひとりの気持ちを大切に、日頃の意見や行動を細かく観察、年月齢、発達進行などを意識した確実な保育形態を提供している。３園園長、副園長会議を年５～６回実施、職員会議の他、保育会議を月２回実施など夫々を把握できる工夫は解かり易く、秀逸で、様々な保育展開に繋げられている。毎月の誕生会や年間行事は、一斉保育を基本に、朝・夕は異年齢児による段階的合同保育、乳児、幼児別の縦割り保育、お仕事では、子どもの気持ちを優先しての希望保育、チームを編成しての保育等多彩な保育形態に取り組んでいる。

子どもの様々な様子を確実に保護者に伝え、楽しく安心できる家庭保育への取り組みが行われている。送迎担当、送り出し担当の職員が保護者との登・降園時対応を大切にしている。職員は、視診簿に記載された内容を口頭で伝え、遅番終了後、保護者の質問など翌日の早番、担任に伝えるべき事は視診簿に赤字で記入など工夫している。保護者への重要な連絡事項は、シール貼付やメール配信など工夫を凝らし、伝達漏れに繋げる等、良質。降園時の保護者へは、子どもが褒められた事、挑戦、頑張った姿など楽しい家庭保育に繋がる話題を伝えるなど配慮している。

子どもが楽しみながら食の大切さの実感に取り組んでいる。食の提供の基本は、落ち着いた環境でゆったりとを園全体の最優先と考えている。０、１歳児は発達に合わせ小集団や背合わせ介助で職員だけを視野に入れるなど落ち着いた食の提供を工夫している。２歳児以上はテーブルを囲み、当番がベルで開始を知らせ、栄養士さんに感謝を伝え、３歳以上児はランチョンマットを使用、準備や片づけなど係りを決めている。栄養士が栄養バランスや季節などに配慮し、２サイクルで献立している。１歳以上は年数回、小遠足で自然の中での戸外ランチを楽しんでいる。

園では、様々な食文化提供を意識し、和食、中華、イタリアン、季節、行事食など多彩に献立、化学調味料は使用せず有機調味料を使用、薄味のみを避け、味にメリハリをつけ、産地を意識、旬の食材使用、彩りや香り、テクスチャーなど健康的給食に取り組んでいる。食物アレルギー対応は、保護者と園長以下関係者が献立チェック、除去、代替食を提供、前日に献立確認、名札付きトレイを使用、テーブルを分け、栄養士から担任に手渡しなど徹底している。登園時の保護者情報により、体調に合わせ、澱粉食や離乳食など量や形態に配慮、提供している。

年間食育計画に従い、多彩な食育に取り組んでいる。主食は米飯、パン、麺などバランス良く多彩で、近隣に畑を借り、野菜栽培を予定、プチトマトや野菜、豆の芽栽培、０歳児から野菜に触れる機会を提供。玉葱や蚕豆、筍、じゃが芋などの皮剥き、野菜洗い、マッシュポテト、フルーツポンチ、精米、米とぎ、おにぎり、クッキー、味噌、梅ジュース、終了はカレーパーティーなど年月齢毎のクッキング保育を実践している。３歳以上児は毎週パン作りの日、宙カフェを開き、ミルクやバナナ、パンの販売、おもてなしに?げるなど良質、実践を高く評価したい。

子どもが体の仕組みや働きについて興味を持ち、健康を意識できるような保育がある。年長児は肺に手を当て呼吸に合わせた体の動きを感じたり、腸の長さを絵で見て意識する活動を行っている。手洗いの導入は、お座りができたらテーブルの上で水に触れ、立てるようになったら戸外活動後や食事前に水道を使用している。年齢に合わせた交通安全の取り組みとして標識などの絵本の読み聞かせを実施、更に警察による交通安全教室の開催なども考えており今後に注目したい。

現在医療的なケアが必要な子どもは在籍していないが、食物アレルギーや熱性けいれんの恐れのある子どもは受け入れ、小児用抗痙攣剤も預かっている。常勤職員は全員が普通救命講習を受講し、救急法については毎年消防署の指導で全職員対象に行っている。内科検診は年2回、歯科検診は年1回、身体測定は毎月実施している。感染症などの登園可否は医療機関の判断を仰ぎ、書類の提出にて確認している。発達などが気になるケースでは、市の巡回相談や法人が依頼している臨床心理士に相談し、専門機関につないだり個別の保育にアドバイスを受けている。

入園時には、子どもがかかりやすい感染症や発熱など、登園の決まりを保護者に伝えている。園で感染症が発生した場合は、「感染症のお知らせ」を玄関に掲示し、保護者に注意を促している。ＳＩＤＳの予防については、園の取り組みを伝え、午睡時には0歳児5分毎、1歳以上は10分毎に姿勢や呼吸などをチェックしている。今後は家庭での危険についても伝え、子どもを守る意識を共有する取り組みに期待したい。年度途中での入退園は、在園児の保育に影響が無いように、園長やフリーの職員が適宜応援に入り、スムーズなクラス運営につなげている。

園では、働く保護者に寄り添い急な残業による延長保育、補食、夕食の提供に快く対応している。子どもは保護者の帰りを安心して待てる環境で落ち着いて過ごしている。個別のケースとして送迎などの相談にも出来る限り応じ、子育てを応援する姿勢は高い。双子などの子育ての負担が大きいケースでは系列園とも連携し、弾力化や一時保育での受け入れを相談できる体制をとるなど、個別の事情に配慮する仕組みを整えている。一方、契約以外のサービスを期待する保護者には寄り添う姿勢で園の役割りを伝え、親としての育ちも励ましながら見守っている。

保護者同士が交流できる機会として、3園合同運動会、保護者参観、夏祭りなど親子行事、親子お仕事体験などを実施している。運動会では親子ふれあい競技や父親の阿波踊り、母親のフラダンスなどで盛り上がり、同じ地域での子育て仲間として知り合えるきっかけとなっている。保護者会主催のブルーベリー摘みや図書の購入など保護者の活動を見守り、図書の貸し出しなど協力姿勢も示している。園行事や運営には保護者の意向を反映し、今年度は保育参観後のアンケートを実施している。企画内容や行事日程など保護者の興味や参加しやすい運営に努めている。

今年度は、保護者の養育力向上に向けて子育て学習会を開催、「科学、数学の参加体験型プログラム」ＧＥＭＳの専任講師を招待し、子どもの興味を引き出す遊びを体験した。子育てについて理論的な内容であり、保護者からは子どもの遊ばせ方が分かったや保護者自身も興味を感じたなど、実施後のアンケートからは好評であったことがうかがえる。また、お仕事体験会では降園時の20分間や土曜日を利用し、七夕飾り、クリスマスオーナメント、鬼のお面、お雛様などを親子で製作し一緒に作る楽しさを実感、家庭での会話を増やすきっかけとなっている。

園周囲は自然豊かな恩賜公園や地元出身の小説家の記念館、有名神社などが多くあり十分に活用している。恩賜公園には動物園も併設され、リスの散歩道や猿山など小動物の姿をまじかに観察したり、広場でお弁当を食べる小遠足や競技場でのかけっこなど豊かな自然と触れ合っている。記念館では美しい洋風建築や庭園を眺め厳かな雰囲気を感じている。神社では節分の豆まきに出かけ宮司や地元の人々一緒に「福は内」の掛け声を響かせている。地域の伝統まつり阿波踊りにも親子で参加、豊かな地域資源を十分に活用し、研ぎ澄まされた良質の感性を育んでいる。

園では様々な人々と子どもが知り合い、関わり合うことで社会性の発達を育んでいる。卒園児の小学生ボランティアや中学校の職場体験などを受け入れ、大きいお姉さんやお兄さんへの憧れを感じている。系列園合同での行事も多く、運動会や体操教室などで他園の職員や子どもとも交流する機会を持っている。英会話や音楽、体操等幼児教育は外部講師の指導を受け、メリハリのある学びに程よい緊張感を持って触れ合っている。秋には祖父母参観を企画するなど多様な世代の人々との交流への取り組みが行なわれている。

園は、駅前に立地しており今年度商工会に参画した。園周囲で働く様々な人々の職業を知り、生活の幅が広がる保育に取り組んでいる。消防署や交番、貸農園、診療所、駐輪場、様々な商店の人々と日常的に交流し、勤労感謝の日には感謝カードを消防署に届け、商店では買い物を体験している。今年度はビルの管理人さんや診療所の職員との交流も予定されている。また貸農園では野菜の栽培指導も受けられることになり、子どもの生活が豊かに展開されることが期待できる。年長児は小学校主催の体験会に招待されるなど、子どもの育ちを地域で見守っている。

園では、情報セキュリティーポリシー、プライバシーポリシーを掲げ、個人情報保護方針に遵守して運営している。園からの直接受診などで個人情報を使用する場合は入園時に重要事項説明書や契約書であらかじめ説明し同意を得ている。ホームページなどに子どもの写真を使用する場合は口頭でも伝え書類での同意を確認している。職員は、倫理規定の中で守秘義務を伝え契約時に誓約書を交わしている。ボランティアは小学生であっても誓約書を交わし、保護者にサインを頂いている。虐待など専門機関との連携はケースにより子どもの命を優先する対応がある。

子どもの羞恥心に配慮した保育が行われている。0歳児からオムツ交換や着替えは外部からの視線を遮断できる場所で行ない、3.4.5歳児は男女別の着替え、トイレも個室へ誘導している。子どもの尊厳を守る保育について職員会議で学ぶために、着替えや食事、排泄時の保育について、基本となる職員の保育の仕方を撮影し確認している。日常では子どもの依頼にお手伝いしていくことを基本にし、モンテッソーリの保育者の姿勢を常に意識し、職員は笑顔で所作も落ち着いている。そのことが子どもの心の安定につながり落ち着いた保育となっている。

家庭の価値観等は個人面談や生活調査票、意向調査票で確認している。園での衣服は子どもが生活しやすい物を伝え、3歳以上は標準服を勧めているが私服希望の意向に配慮し制服とはしていない。登園時の視診簿には虐待チェックの欄を設け親子関係を専門的視点で観察している。子どもを危険な場所に置いておくなど保護者の意識が十分でない場合は、職員の指導を受け入れてもらえるように丁寧に対応している。保育士倫理要綱の配布とチェックシートで職員の意識を高め、障がい児を持った母親の体験発表など心にゆとりを取り戻す育児学習会を開催している。

スムーズなクラス運営に繋がるデイリープログラム（業務予定表）を掲示している。デイリープログラムは時系列に記入し、遅番や早番などの業務も明記して確実な実施に繋げている。すべての職員がその日の活動を理解した安心できる保育の実践であり評価できる。また、給食調理、感染症、危機管理、苦情解決、虐待防止など業務に関するマニュアルはいつでも確認できるようにファイリングされている。今年度は着替えやおむつ交換など適切な保育の実施となるようにモデル職員によるビデオ研修を行い、マニュアルの遵守と共に質の向上に繋げている。

園長、副園長は昼の巡回ミーティングとして各クラスの様子を把握し、その都度業務に関する相談を受けたり保育の様子を確認して指導の場としている。改善などの希望はクラス毎のカラー附箋に内容を記入し日誌に貼付することで、直接相談ができない場合でも確実に伝達される仕組みが作られている。業務改善はタイムリーに行い、常により良い保育が提供できるように努めている。業務水準が標準化されるように新人指導はＯＪＴで行い、モンテッソーリは外部講師による内部研修を年2回以上開催、全クラスに有資格者が関わることでその理解を深めている。

園業務や運営、保育に関する保護者の意見には真摯に耳を傾ける姿勢があり、育児学習会後のアンケートの実施や第三者評価を毎年受審している。行事日時や企画内容は保護者の意向をできるだけ反映して開催している。ヒヤリハットや事故報告、苦情などは早急に対応し解決策を検討し「サービスの見直しと手順改善書」の記入で職員が確認している。その一例として持ち物の入れ間違いなどは、「持ち帰り荷物チェック表」を作成し保護者にも確認して頂く事を依頼し、気持ちよく園を利用できるように改善している。業務改善の仕組みが整っており評価したい。