東京都福祉サービス第三者評価  評価結果





評価結果基本情報

評価年度 平成30年度
サービス名称 放課後等デイサービス
法人名称 Catch and Smile株式会社
事業所名称 Catch and Smile
評価機関名称 特定非営利活動法人 市民シンクタンクひと・まち社

コメント

利用者調査はアンケート方式で行った。アンケートの調査票を事業所から本人・家族に配付してもらい、回答は郵送により評価機関が直接回収した。訪問調査にあたっては、経営層の自己評価、職員自己評価、利用者調査の結果をもとに、事前に質問項目を連絡し、管理者から説明を受けた。評価の合議にはさらに客観性を高めるため、担当評価者の他もう1名の評価者を加えて行った。


(内容)
 Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像
 Ⅱ 全体の評価講評
 Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み
 Ⅳ 利用者調査結果
 Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)
 Ⅵ サービス提供のプロセス項目


公益財団法人東京都福祉保健財団
Copyright©2003 Tokyo Metropolitan Foundation of Social Welfare and Public Health. All Rights Reserved.


Ⅰ 事業者の理念・方針、期待する職員像

1 理念・方針  (関連 カテゴリー1 リーダーシップと意思決定)
  事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など)

1)ご家族と利用児にとって安心・安全な場所であること。 2)自立を目指した療育プログラム。 3)ビジネスマナーの早期教育の取り入れ。 4)体験や経験を積み重ね経験値を高める。 5)個性を尊重しながら、自信を持たせる。

 
2 期待する職員像  (関連 カテゴリー5 職員と組織の能力向上)
  (1)職員に求めている人材像や役割

明るい笑顔。 柔軟性と臨機応変に行動がとれ,探求心とユーモアを兼ね備えている。 専門的知識。

 
(2)職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

利用児に対し型にはめない柔軟な対応と利用児一人ひとりの尊厳を持って関わってほしい。

 


Ⅱ 全体の評価講評

全体の評価講評

特に良いと思う点
1 保護者会や勉強会を開催するなど、様々な機会を設け保護者と交流・連携を図っている

学校行事などや子どもの状況に応じて、利用時間には柔軟に対応している。また、家庭が抱える養育上の問題点の対応について具体的な助言を行っている。さらに、保護者から、家族同士つながりを持つ機会を設けてほしいとの要望があり、保護者会を開催している。子どもの日常のプログラム活動の様子をプロジェクターで見て、活動の理解を深める取り組みをしたり、進学・就労の情報を提供する勉強会を開催するなど、様々な機会を設け家族と交流・連携を図っている。
2 研修などの受講推奨・支援をして職員の能力向上を図り、全職員でプログラムの具体的企画をすることで組織力の向上につなげている

事業所は必須研修を職位・等級ごとに定め、一人年間3~4回、外部研修に参加し、レポートの提出を求めることで、職員に専門的な知識・支援スキルの向上を図っている。また、資格取得のための受講も推奨し、これらの受講料・交通費を全額負担するほか、資格試験合格者には祝い金を支給するなど、職員に能力向上を働きかけている。さらに、事業所のミッションプログラムの具体的企画に、全職員の参画を求め検討の場を設けている。終了後はミーティングで振り返りをし次回の企画に活かしており、このことを通じて組織力を高めることにつなげている。
3 分かりやすいパンフレットを作成し、近隣の小中学校に配布するとともに毎週ブログを更新して行事やデイの活動の様子を広く紹介している

パンフレットはB4判を3つ折りにしたもので、写真を添えて優しい色使いとしている。事業所が力を入れて取り組んでいる「コミュニケーションプログラム、運動プログラム、社会へのステップ」の3本柱を分かりやすく伝えている。このパンフレットは学校と関係を築いて、近隣5つの小中学校に配布しており、必要な子どもや保護者に情報が行き渡るように努めている。また、ホームページを開設し、職員が毎週2回程度更新している。通常のプログラムの様子や、地域行事への参加の様子、ハロウィンの仮装などイベントの様子を載せ広く情報を提供している。

さらなる改善が望まれる点
1 事業所業務の標準化を図るため、手引書を整備して活用方法などを検討するとよい

事業所では、管理者が必要な時にはOJTで指導しており、手引書(基準書、マニュアル、手順書)は体系立てて作られておらず、請求事務のマニュアルの見直しなどは都度行っている。しかし、今後のサービス提供能力拡大に備え、業務の標準化を図るためにも、リスク管理を含め事業運営に必要な手引書を整備していくとよい。整備にあたり、提供しているサービスの基本事項や手順を明確にし、どのような手順書、マニュアルが必要か、その活用方法、改変の時期、職員や子ども・保護者からの意見や提案をどのように反映するかなどを検討し規定するとよい。
2 事案決定や事業の実施について、意思決定のルールや記録を残す仕組みを構築するとよい

小規模な組織ということもあり、運営面で必要なことは、その都度リーダー職員と話し合って決めている。決定事項については経緯も含めミーティング等で、全職員に伝えている。様々な記録等はタブレットに保存し必要に応じてみているとのことであり、文書化して保存する仕組みがない。現時点では特段問題はないが、今後事業拡大も考えているとのことなので、組織として経営を持続させるためには、予め起案、実施報告に関する規程を整備したり、記録の保存等の仕組みを構築するとよい。
3 事業発展や継続のため、中・長期計画や事業継続計画を策定するとよい

同種事業の空白地域に、新たに事業展開する考えがあるが、中・長期計画としては策定していない。着実な、事業発展を目指すには、中・長期計画を策定し、それに沿って年度の事業計画も立て実施することが必要である。災害対策としては避難訓練を月1回実施するほか、それぞれの対策について、プログラムに盛り込むなどして適宜子どもたちに指導するとともに、保護者とは、大規模災害時における子どもの引き渡しについて文書を取り交わしている。大規模災害が懸念されている折から、関係機関等からの情報も得て事業継続計画の策定に取り組むとよい。

Ⅲ 事業者が特に力を入れている取り組み

1 ★ 「食育」プログラムの調理実習などで、食への意識の向上に取り組んでいる

食育プログラムでは、調理実習、食品添加物の危険性などを学んでいる。調理実習は近隣の施設の調理室を借りて毎月1回行い、旬の野菜を使い、穀類、汁物、副菜の3品のメニューで、子ども達は「洗う」「切る」「焼く」など調理の基本技術を学んでいる。事業所のおやつは、食品添加物を極力避けてヨーグルトなどを提供している。食に対する意識の向上にとりわけ力を入れて取り組んでおり、料理に興味を示さなかった子どもが調理を進んで手伝だったり、好き嫌いが少なくなったり、家庭での食事に食品添加物の少ない食材を使うなどの効果が出てきている。
関連評価項目(【食事の支援がある事業所のみ】子どもが食事を楽しめるよう支援を行っている)
2 ★ 自力通所やミーティングでの挨拶など自立心や社会性が身につくように取り組んでいる

子どもは事業所到着時に、必ず職員へ挨拶をしている。また、プログラム開始前の「始まりのミーティング」では子どもの担当を決め、その日の出席者の氏名などを読み上げ、プログラム終了5分前の「終わりのミーティング」では終わりの手順を読み上げ、主体的な参画を促している。また、事業所は送迎を行わない方針で、期間を区切ったサポートや子どもと距離を取った見守りにより子どもが自力で通所できるように支援している。自力通所や挨拶は自立心や社会性を養う機会として力を入れて取組んでいる。
関連評価項目(子ども一人ひとりの状況に応じて生活上で必要な支援を行っている)

Ⅳ 利用者調査結果

調査概要
調査対象:利用者全員を対象とした。利用者数は、男児29名、女児9名。小学1年生から高校3年生までが通所しており、平均年齢は10歳。支援区分は全員が区分2。

調査方法:アンケート方式  
アンケート調査は、ホームより利用者・家族等に調査票を郵送で配付してもらい、回答は郵送により評価機関が直接回収した。

利用者総数 38人
アンケートや聞き取りを行った人数 38人
有効回答者数 27人
回答者割合(%) 71.1%

総括
事業所は私鉄の駅から10分ほどの、バス通り沿いのマンションの2階にあり、近くには短期大学や区の福祉施設などが建つ、落ち着いた町中にある。利用者のアンケート調査では、「1.活動は楽しく興味が持てるか」、「3.職員は、あなたの話し相手や、相談相手になってくれるか」、「4.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか」、「8.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか」、「10.個別の計画作成時に、子どもや家族の状況や要望を聞かれているか」等の7問に9割が「はい」と回答している。また、「2.事業所での仲間との関わりは楽しいか」、「6.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか」等の4問に8割が「はい」と回答しており、サービス提供、安心・快適性については満足度が高い。一方、「13.外部の苦情窓口にも相談できることを伝えられているか」については「はい」の回答は5割にとどまっている。総合的な感想では、満足度は大変高く、9割が「大変満足」または「満足」と回答している。

利用者調査結果

1.事業所での活動は楽しく、興味の持てるものとなっているか
はい 26人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
9割が「はい」と回答している。「毎回、色々な学びや行事を考えてくれます」、「とても楽しいと言っています」のコメントがあった。
2.事業所での仲間との関わりは楽しいか
はい 22人  どちらともいえない 2人  いいえ 1人  無回答・非該当 2人 
8割が「はい」と回答している。「まだ、友達の名前が覚えられないから」、「友達がいません。名前がわかりません」、「上のお兄ちゃんに良くしてもらっている」のコメントがあった。
3.職員は、話し相手や、相談相手になってくれるか
はい 24人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 2人 
9割が「はい」と回答している。「とてもやさしく声をかけてくれる」、「間違ったことをしても否定せず、正しい事をわかりやすく教えてくれます」、「そういうことになったことが無いから分かりません」のコメントがあった。
4.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい 25人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
9割が「はい」と回答している。「時々、おもちゃのところに本があったりして、気になる」のコメントがあった。
5.職員の接遇・態度は適切か
はい 23人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 2人 
9割が「はい」と回答している。コメントはなかった。
6.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい 21人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 4人 
8割が「はい」と回答している。「きちんと対処してくれ、かつ不安をなくす声かけをしてくれます」、「そういうことになったことが無いから分かりません」のコメントがあった。
7.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい 20人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 5人 
7割が「はい」と回答している。「特に友だちとトラブルになった事はない」、「トラブルを起こしたことはありません」、「そういうことになったことが無いから分かりません」のコメントがあった。
8.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
はい 24人  どちらともいえない 0人  いいえ 0人  無回答・非該当 3人 
9割が「はい」と回答している。「そういうことになったことが無いから分かりません」のコメントがあった。
9.子どものプライバシーは守られているか
はい 21人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 5人 
8割が「はい」と回答している。「まだ、内緒の話をしたことが無い」、「秘密の話などしたことはありません」、「そういうことになったことが無いから分かりません」のコメントがあった。
10.個別の計画作成時に、子どもや家族の状況や要望を聞かれているか
はい 23人  どちらともいえない 2人  いいえ 0人  無回答・非該当 2人 
9割が「はい」と回答している。「聞いてくださいます」のコメントがあった。
11.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
はい 25人  どちらともいえない 1人  いいえ 0人  無回答・非該当 1人 
9割が「はい」と回答している。コメントはなかった。
12.子どもの不満や要望は対応されているか
はい 21人  どちらともいえない 3人  いいえ 0人  無回答・非該当 3人 
8割が「はい」と回答している。「そういうことになったことが無いから分かりません」のコメントがあった。
13.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい 14人  どちらともいえない 5人  いいえ 0人  無回答・非該当 8人 
「はい」の回答は5割で、「無回答・非該当」の回答は3割だった。「そういうことになったことが無いから分かりません」のコメントがあった。

Ⅴ 組織マネジメント項目(カテゴリー1~5、7、8)

※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー1  リーダーシップと意思決定
  サブカテゴリー1  事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  標準項目2 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
  評価項目2 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている 実施状況
  標準項目1 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  標準項目2 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
  評価項目3 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している 実施状況
  標準項目1 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている ×
  標準項目2 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  標準項目3 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
講評
理念・方針は、事業所内に掲示していつでも確認できるようにしている

事業所の理念・方針は、事務所と指導室の仕切りの壁面に掲示し,誰もがいつでも目にすることができるようにしている。また、事業計画の冒頭にも記載し、折に触れ職員間で確認している。利用者には、利用開始時や個別支援計画作成時の面談、保護者会などで説明し、その理念の下、各プログラムを展開していることを説明し理解を深めるよう取り組んでいる。

経営者は児童発達支援管理責任者も兼ね、理念実現のため職場をリードしている

経営者は長年、障害者を雇用した経験などから早期療育や教育訓練が必要との想いを持ち、本事業所を開設した。このため、児童発達支援管理責任者となり、様々なプログラムの導入・開発から指導方法、関係機関との連携などに、強いリーダーシップを発揮している。現在は2名のリーダー職員にプログラムの企画を分担したり、資格を取るよう支援したり、将来の管理者として育成することに努めている。一方で、組織として必要な管理規程等の整備で不足している点も見受けられる。

重要な案件については、都度職員間で話し合って決定している

小規模な組織ということもあり、運営面で必要なことは、その都度リーダー職員と話し合って決めている。決定事項については経緯も含めミーティング等で、全職員に伝え、利用者に対しては、必要に応じて保護者会などで報告している。現在は特段問題はないが、今後事業拡大も考えているとのことなので、組織として経営を持続させるためには、事案決定規程等必要な規程の整備に努めるとよい。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー2  事業所を取り巻く環境の把握・活用及び計画の策定と実行
  サブカテゴリー1  事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  評価項目1 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している 実施状況
  標準項目1 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目2 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  標準項目3 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  標準項目4 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  標準項目5 事業所の経営状況を把握・検討している
  標準項目6 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
  サブカテゴリー2  実践的な計画策定に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している 実施状況
  標準項目1 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している ×
  標準項目2 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  標準項目3 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
  評価項目2 着実な計画の実行に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している ×
  標準項目2 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
講評
利用者や職員の意向把握に努めている

利用者の意向は日常的に把握に努めると共に、国の「放課後等デイサービスガイドライン」に示されている「保護者向け放課後デイサービス評価表」によるアンケートを行っている。今後は運営上必要な意見等を聴くため、独自のアンケートもしていきたいと考えている。職員には、実施している各プログラムの必要性などを伝えたうえで意見を聞き、それぞれの得意分野や個性にあったプログラム展開に繋げている。

事業所連絡会、管理者会議などに参加し、福祉ニーズの把握に努めている

地域の福祉ニーズについては、区の子どもの発達支援担当部署が主催する連絡会において収集するほか、子どもの通う学校、町内会等からも収集している。また制度改正や業界の動向に関する情報は、東京都の所管課主催の管理者会議に参加するほか、区や近隣区主催の講演会・勉強会等に参加して収集に努めている。得た情報は適宜、職員ミーティング等で報告・共有して意見交換している。

理念に沿った多様なプログラムを計画的に実施している

事業の空白地域に、新たに事業展開する考えがあるが、中・長期計画としては策定していない。プログラムは月毎に利用者がプログラムを選択・申し込みをする仕組みなので、年度計画として目的と骨子を示し、具体的な内容は、実施月の前月15日までに決定・周知している。季節ごとにイベントも企画し、担当職員は3か月くらい前から施設の下見や、経費見積を行っている。実施状況はタブレットに記録し、HPなどに掲載しているが事務的な処理が不十分な点もあるので、起案から実施報告まで記録を残すことを検討するとよい。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー3  経営における社会的責任
  サブカテゴリー1  社会人・福祉サービス事業者として守るべきことを明確にし、その達成に取り組んでいる
  評価項目1 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  標準項目2 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
  サブカテゴリー2  利用者の権利擁護のために、組織的な取り組みを行っている
  評価項目1 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている 実施状況
  標準項目1 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  標準項目2 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
  評価項目2 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている 実施状況
  標準項目1 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  標準項目2 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
  サブカテゴリー3  地域の福祉に役立つ取り組みを行っている
  評価項目1 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  標準項目2 ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
  評価項目2 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  標準項目2 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  標準項目3 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
講評
毎日の朝礼で日々の心がけを話し合うことで倫理・法令等遵守に努めている

法令等遵守については、事業遂行上必要な法令をはじめ、福祉サービス従事者として遵守しなければならない法令全般、また社会人として必要な法・規範などについて、日常的に管理者が伝えている。また、所属している団体が発行している企業の朝礼用の冊子を、毎日の朝礼で読み合わせし、その日の心がけ(例:コミュニケーション、手本となる大人、地域との連携等)について職員が自分の気づきや考えを述べて、管理者もコメントし法令遵守や倫理観の醸成に努めている。

情報開示や、ボランティア・実習生の受け入れで、透明性を高めている

事業所の活動については、パンプレット、毎月発行の広報紙「Smileだより」、ホームページのブログなどで伝えている。ブログは週1~2回更新しており、最新のプログラムやイベントなどの様子を伝えている。合わせて、個人情報の取り扱いについてやガイドラインによる事業所の自己評価の結果を開示している。また近隣の短期大学からボランティアを受け入れるなど事業所の透明性を高める取り組みをしている。

関係機関と連携し障害者福祉への地元の理解が深まるよう取り組んでいる

障害者福祉、障害児教育・療育について、地域の理解が深まることが必要と考えている。そのため地域や隣接する短期大学のイベントに利用児童を連れて積極的に参加している。また近くにある区立障害者福祉会館・区民活動センタ―の施設を借りてプログラムを実施することもあり、成人の障害者グループの発表会などに招かれることもある。今後はそのグループなど成人の障害者とも連携することや、利用児童が地域公園の清掃をするなど地域への貢献活動なども考えている。これらの取り組みで地域の理解が深まることを期待する。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー4  リスクマネジメント
  サブカテゴリー1  リスクマネジメントに計画的に取り組んでいる
  評価項目1 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  標準項目2 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  標準項目3 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している ×
  標準項目4 リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる ×
  標準項目5 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
  サブカテゴリー2  事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  評価項目1 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている 実施状況
  標準項目1 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  標準項目2 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  標準項目3 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  標準項目4 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
講評
事故や感染症、災害などのリスク対策はプログラムにも盛り込み子どもに指導している

事業所では子どもの怪我予防を最優先と考え、ヒヤリハットを活用し予防に取り組んでいる。また、感染症対策としてノロウイルス、インフルエンザなどの流行期には手洗い・除菌などの対策をイラストなどを使って指導している。さらに感染症に関する近隣の情報や、学校の情報に迅速に対応できるようにマニュアルを作成することを考えている。災害対策としては避難訓練を月1回実施しており、それぞれの対策については、プログラムに盛り込むなどして適宜子どもたちに指導している。今後は、事業継続計画の策定に取り組むとよい。

個人情報等情報管理は適切に行っている

重要な情報は施錠できる書庫に保管し、閲覧は事務室ですることとしている。個人情報保護方針を定め、知り得た秘密の守秘義務は就業規則、運営規程に定め、ボランティア活動同意書にも記載している。職員、ボランティアそれぞれから、誓約書の提出を得ている。利用者には契約書に守秘義務を記載し、個人情報の利用・写真の使用については使用目的・条件・期間などを記載した個人情報使用同意書で同意を得ている。パソコン内の情報は管理者・リーダー職員のみにパスワードを設定しアクセスできるようにしており、情報管理を適切に行っている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー5  職員と組織の能力向上
  サブカテゴリー1  事業所が目指している経営・サービスを実現する人材の確保・育成・定着に取り組んでいる
  評価項目1 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている 実施状況
  標準項目1 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  標準項目2 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
  評価項目2 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している 実施状況
  標準項目1 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  標準項目2 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
  評価項目3 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  標準項目2 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している ×
  標準項目3 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している ×
  標準項目4 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
  評価項目4 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  標準項目2 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  標準項目3 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  標準項目4 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
  サブカテゴリー2  組織力の向上に取り組んでいる
  評価項目1 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる 実施状況
  標準項目1 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  標準項目2 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  標準項目3 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
講評
人事評価制度による人材マネジメントを行っている

事業所では職員の処遇について、職位や役職、等級を定め、それぞれの昇格条件や必須の研修、賃金を明示している。人事評価規程に基づき、毎年人事評価シートを使い評価を行い、賃金や昇格に連動させることとしている。評価は管理職、一般職、アルバイト職について、職務遂行能力や技能に関する基本的能力、同専門的能力について自己評価し、上司の面談・評価を経て、会社が評価することになっている。

研修受講や資格取得の支援などで職員の能力向上を図っている

職員に必要な研修は職位・等級ごとに定めている。研修内容は個人情報の取り扱い、自己分析・自己理解、専門的な知識・支援スキルの向上などと規定し、これに基づき一人年間3~4回、外部研修に参加し、レポートを提出することとしている。また、放課後等デイサービスの職員として必要な資格取得のため、受講する者もいる。事業所は受講料・交通費を全額負担し資格試験合格者には祝い金を支給するなど、職員の能力向上を図っている。

プログラムの企画や日々のミーティングで情報を共有し組織力の向上につなげている

事業所は子どもに生活能力向上や社会との交流促進のため、様々なプログラムを展開している。事業所のミッションプログラムとして、「コミュニケーション」、「運動」、「社会へのステップ」を基本に、日々具体的な訓練や学習、また季節ごとのイベントなどを実施している。この具体的プログラムやイベントの企画は、全職員で考え実践に移している。終了後はミーティングで振り返りをして情報を共有し、次回の企画に活かしており、このことを通じて組織としての能力を高めることにつなげている。


※実施あり:、実施なし:×、非該当:-  
カテゴリー7  事業所の重要課題に対する組織的な活動
  サブカテゴリー1  事業所の重要課題に対して、目標設定・取り組み・結果の検証・次期の事業活動等への反映を行っている
  評価項目1 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 【課題・目標の設定】事業所の開設にあたり地域の理解を得ること、特に子どもの通う学校の理解を得て連携することが重要と考え、対象の学校(小中学校6校)を訪問し連携関係を築くことを目標とした。
【取り組み】管理者またはリーダー職員が学校を訪問、学校長と面談し事業所への理解と連携の了解を得ることに努めた。多くの学校と①毎月情報交換・共有するようになった。②通級指導学級の担当教諭が事業所に来訪しプログラムを見学、連携が図れるようになった。③スクールカウンセラーと面談、情報共有④養護教諭と情報共有ができるようになった。しかし、中には学校長の意向などで、十分な連携に至らなかった学校も2校あった。連携ができた結果、学校生活での困難さもわかり、受け入れの手段や方法の参考になりスムーズに移行できるようになった。
【検証】連携ができた学校とは担当教諭から、子どもに関する相談があったり、事業所で成功した対応の仕方を学校側でも行うようになり子どもが落ち着いた等の効果も見られ、さらに連携を強化する必要性を感じている。十分連携できなかった学校とは、アプローチの方法を変え、理解を求めていくこととした。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
【目標の設定と取り組み】様々な機関との連携が必要だが、最も必要性が高いと思われる利用児の通学校との連携を優先して目標を設定した。そのため、管理者と社会福祉士・教員資格保有のリーダー職員が学校訪問し学校長や関係の教諭と連携関係を構築する取り組みを行ったことは適切な取り組みと評価できる。
【取り組みの検証】多くの学校とはうまく連携でき、その成果は事業所、学校共指導に役立っている。一部理解を得られなかった学校についてはさらに取り組みを検討する必要ありと結論している。この取り組み成果については29年度事業報告書にも記載されている。
【検証結果の反映】検証結果を踏まえ次年度も連携は続けていくこととしている。うまく連携関係ができなかった学校とはアプローチ方法を変えて取り組むとしている。 
  評価項目2 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ) 【課題・目標の設定】29年4月事業所開設にあたり利用者の確保を重要課題とした。
【取り組み】事業所を開設したこと、事業内容等を記載したチラシ2400枚程度作成し、管理者以下全職員で近隣住宅にポスティングし、区の掲示板に、許可を得て掲示した。また地域内の小中学校に出向き学校長に挨拶・説明した。近隣小中学校5校に配布してもらえた。
【取り組みの結果】取り組みにより問い合わせなどが入るようになり、夏休み前に、20名と利用契約した。夏休みに入ってからはチラシを見た教諭の見学があったり、保護者同士の口コミなどで希望者からの問い合わせがあり、秋には現在の35名に達した。
【検証】取り組みについては、学校との連携のきっかけともなり、効果があったと分析している。人数については毎日の受け入れ定員10名となっており、現在でも希望者がオーバーしてしまうプログラムもあるので、ほぼ適切と考えており、今後は、希望があれば随時受け入れていくこととしている。
評語
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
【課題・目標の設定】開設当初の課題として、利用者の確保は重要課題であった。先発の事業所は、定員を60名ほどにしているところが多かったが、数字についてはあまりこだわらなかった。
【取り組みの検証】チラシのポスティングや掲示を全職員で行ったことで地域の様子を知ることができ、学校との連携のきっかけともなったと検証したが、その記録は残していない。
【検証結果の反映】半年間で現在の利用者数となり、事業規模としてほぼ適切とし考え、希望があれば受け入れていく方針で、重点課題からは除外した。今後、空白地域に新たに事業所を開設することとした判断は適切と評価できる。 

Ⅵ サービス提供のプロセス項目(カテゴリー6)

カテゴリー6 サービス提供のプロセス
  サブカテゴリー1 サービス情報の提供
  評価項目1 子どもや保護者等に対してサービスの情報を提供している 実施状況
  標準項目1 子どもや保護者が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  標準項目2 子どもや保護者の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  標準項目3 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  標準項目4 子どもや保護者の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
講評
ブログを毎週更新し、行事や活動などを紹介している

パンフレットはB4判を3つ折りにして写真を添えて優しい色使いとしており、事業所が力を入れて取り組んでいる「コミュニケーションプログラム、運動プログラム、社会へのステップ」の3本柱を分かりやすく伝えている。パンフレットは学校と関係を築いて、近隣の5つの学校に配布するなど、必要な子どもや保護者に情報を提供している。また、ホームページを開設し、職員が毎週2回程度更新して通常のプログラム活動の様子を伝えたり、地域行事への参加の様子やハロウィン仮装のイベントや料理教室などの様子を載せて広く情報を提供している。

事業所の情報は区担当部署に提供し、区の「発達支援ニュース」にも掲載している

事業所の空き情報、利用児の平均年齢などの情報は、区担当部署や管轄の保健所、地域の障害者相談支援事業所などに提供しており、区のホームページからも検索できるようになっている。また、区の障害児支援担当発行の「発達支援ニュース」にも事業所の情報を掲載している。

利用の問い合わせには手順を決めて対応している

電話やメールなどの利用の問い合わせには、まずパンフレットを郵送し、事業所の方針や支援の方法、1日の流れやサービス対象者、送迎を行わず自立に向けての支援を重視することを読んでもらう。その後、予約のうえ、プログラムの見学・30分程の体験とともに管理者から提供するプログラムについて説明し、質問も受けている。見学や体験に当たっては、子どもの特性に配慮して対応し、障害者相談支援事業所に連絡の上、「障害児通所支援の利用申請」をする必要があることを伝えている。


  サブカテゴリー2 サービスの開始・終了時の対応
  評価項目1 サービスの開始にあたり子どもや保護者に説明し、同意を得ている 実施状況
  標準項目1 サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を子どもや保護者の状況に応じて説明している
  標準項目2 サービス内容や利用者負担金等について、子どもや保護者の同意を得るようにしている
  標準項目3 サービスに関する説明の際に、子どもや保護者の意向を確認し、記録化している
  評価項目2 サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 サービス開始時に、子どもの支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  標準項目2 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  標準項目3 サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
  標準項目4 サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
講評
契約時は重要事項説明書、利用契約書の読み合せをし利用料金について説明している

サービス開始に当たり、重要事項説明書、利用契約書を読み合せして、1項ずつ丁寧に説明して理解が得られるようにしている。特に利用料金については、基本サービス利用料金や家庭連携・関係機関連携などの加算料金について説明している。また、おやつ、イベント・創作活動のための実費などを示し利用者負担額を説明し、世帯の所得に応じて負担上限額があり、受給者証に記載されていることを伝えている。また、災害発生時の対応については「災害発生時におけるお子様引渡書」で説明し、記入の上提出してもらい、安心して利用できるようにしている。

利用開始時には、個人記録シートなどに記入してもらい個別事情や要望を把握している

利用開始前に個人記録シートを保護者に渡して、1 家族状況、2 成育歴、3 学校名や医療機関名などの教育・関係機関、4 療育手帳、福祉サービス利用状況などの福祉関係、5 家庭生活での食事・衣服の着脱・排泄・入浴などの状況、意思疎通の状況・移動・余暇活動など活動についてを記入してもらっている。さらに、子どもの支援に必要な子どもの特性を専門的立場から再確認するため、書式を整え把握するとよい。

家庭や学校のこれまでの生活をふまえてデイサービスでの過ごし方を支援している

デイサービスの平日プログラムでは、来所からその日の「プログラム」開始までを自由時間として、子どもたちは、個別学習や季節のイベント工作などをして過ごしている。個別学習が終了して時間が空くと、子どもの興味や習慣などに合わせて、手芸が好きな子どもには時間をかけずに完成する裁縫や編み物などができるようにしたり、外遊びが好きな子どもには、状況をみながら職員が同行して公園で遊べるようにするなど家庭や学校のこれまでの生活をふまえて、デイサービスでの過ごし方を支援している。


  サブカテゴリー3 個別状況に応じた計画策定・記録
  評価項目1 定められた手順に従ってアセスメントを行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している 実施状況
  標準項目1 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
  標準項目2 子ども一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  標準項目3 アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
  評価項目2 子どもや保護者の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している 実施状況
  標準項目1 計画は、子どもや保護者の希望を尊重して作成、見直しをしている
  標準項目2 計画を子どもや保護者にわかりやすく説明し、同意を得ている
  標準項目3 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  標準項目4 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
  評価項目3 子どもに関する記録が行われ、管理体制を確立している 実施状況
  標準項目1 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  標準項目2 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
  評価項目4 子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している 実施状況
  標準項目1 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  標準項目2 申し送り・引継ぎ等により、子どもに変化があった場合の情報を職員間で共有化している
講評
保護者からの情報をもとに、アセスメントして個別の計画を作成している

インテークシートを保護者に記入してもらい、面接で確認しながら子どもの心身の状況や生活状況を把握している。インテークシートには児童の性格、行動、危険行為・注意点、親子・交友関係、特技・趣味・頑張っていること・将来の夢、学習能力や、医療情報、生活リズム・ADL等と地域との関係などについて自由記述してもらっている。あわせて子どもの望みや、保護者の要望も聴き取り、支援内容につなげている。事業所として子ども一人ひとりのニーズや課題を明示する書式を定め、定期的な見直しの時期と手順を定めるとよい。

個別の計画を作成し、「月の様子」でモニタリングしている

個別支援計画は、短期目標を1~3か月、長期目標を3~6か月として、計画は保護者と面談の上見直しをしている。計画内容は毎日の各プログラムに落とし込めるようにしており、職員は毎日子どもの活動の様子を日誌に記録し、日々の生活状況について簡単にコメントしている。このコメントは、事業所で、毎月のモニタリングの手立てとしている「月の様子」作成に役立てている。「月の様子」は、支援目標とその実施内容と、その時の出来事の評価を記載し、実施の状況を詳細に記入し、今後の改善点など出来事に照らして保護者に報告するものにしている。

開始時の朝礼、終了時のミーティングで子どもの情報を共有している

毎日開始時の朝礼には、管理者を含めた常勤職員3名が出席し、朝礼用の冊子を活用して朝礼した後に、子どもの情報を共有している。また、終了時には非常勤職員も参加し、終了時ミーティングを行っており、保護者やスクールカウンセラーからの子どもの様子の報告などを共有し、必要な時には計画の変更も検討している。また、職員は勤務に入る前に必ず日誌を確認して情報を共有するとともに、さらに重要なことについては口頭でも伝達されている。


  サブカテゴリー4 サービスの実施
  評価項目1 個別の支援計画に基づいて子ども一人ひとりの発達の状態に応じた支援を行っている 実施状況
  標準項目1 個別の支援計画に基づいた支援を行っている
  標準項目2 子どもの特性に応じて、コミュニケーションのとり方を工夫している
  標準項目3 関係機関(教育機関、福祉関係機関、医療機関等)と連携をとって、支援を行っている
講評
個別の支援計画に基き、子ども一人ひとりの状態に応じた支援を行っている

個別支援計画に基づいて、支援を行い、サービス提供記録で実施の確認を行っている。サービス提供記録は子ども一人ひとりについて、サービスを実施した日時、活動内容、手順、子どもの反応や気づきなど当日の様子や連絡事項などを記入している。支援終了後に、子どもは自宅に持って帰り、保護者が記載内容を確認して捺印し、次回の活動日に事業所に持参している。事業所では、子ども一人ひとりの年齢に応じてシールや絵はがきを選び、表紙に貼ってサービス提供記録として1か月間保管している。

子どもの気持ちに寄り添い、特性に合わせてコミュニケーションのとり方を工夫している

職員は子どもの気持ちに寄り添えるように積極的にコミュニケーションを取り、平日や土曜日の支援には必ず、リズム体操、滑舌トレーニングや双方向コミュニケーションのプログラムを取り入れている。プログラムの「始まりのあいさつ」や「帰りのあいさつ」で発言する機会を設け、子どもが自発的に発表して、他の子ども達にわかるようにはっきりとわかりやすくコミュケーションをとる訓練の機会としている。このように子ども達のコミュニケーション力向上を目標に掲げ達成を目指して支援している。

教育機関、福祉関係機関、医療機関などと密接に連携をとり支援している

管理者は子どもや保護者の了解をとって、長期の休みに入る前に学校長やスクールカウンセラーと面談を行っている。事業所での日々の支援を通して見えてきた子どもの心身の変化などを学校の支援に参考になるように伝えている。家庭に福祉関係機関の支援が入っていて、家族と連絡がつかない時は福祉関係機関の職員が事業所に来所し子どもや家族など家庭の様子を聞き取っている。医院が近くにあり、子どものかかりつけ医としている家庭が多く、学校での子どもの問題点や家族から相談を受け、日常的に学校、医療機関、福祉関係機関と連携して支援している。

  評価項目2 【食事の支援がある事業所のみ】子どもが食事を楽しめるよう支援を行っている 実施状況
  標準項目1 食事時間が楽しいひとときとなるよう環境を整えている
  標準項目2 子どもの状態やペースに合った食事となるよう、必要な支援(見守り、声かけ、食の形態や用具の工夫等)を行っている
  標準項目3 子どもが安全に食事をとれるよう取り組みを行っている
  標準項目4 食物アレルギーや疾患等については、医師の指示に従い、対応している
  標準項目5 食についての関心を深めるための取り組みを行っている
  標準項目6 子どもの状況をふまえ家庭での食事について助言を行っている
講評
昼食の購入時に職員は一緒に出かけ、単品の昼食を購入しないようにアドバイスしている

事業所では、昼食の弁当を購入する時は職員と一緒に出かけ、子どもがおにぎりだけ、サンドイッチだけと単品を購入しないように声をかけている。いろいろな弁当が並んでいる中で、旬の野菜を多く使って調理されたバランスの取れた弁当を購入するようにアドバイスしている。指導室にテーブルを並べて、全員で昼食をとっている。食後は、子どもが選んだ本の読み聞かせをしたり、子どもが提案した「なぞなぞクイズ」をし、職員はその時々の話題を中心に話をして、子どもはその話題を膨らませ、会話やゲームに発展させていき、この時間を楽しみにしている。

「食育」プログラムで調理実習を行い、基本的な技術を体験する取り組みを行っている

毎月1回、近くの区民活動センターの調理室で調理実習を行っている。メニューは旬の野菜を使い、穀類や麺類、汁物、副菜かスイーツの3品で、子どもは「洗う」「切る」「ゆでる」「焼く」「煮る」など調理の基本技術を学んでいる。また、オムレツ作りのプログラムでは、子ども一人ひとりフライパンを握りオムレツ作りに挑戦している。料理に興味を示さなかった子どもが調理を進んで手伝うようになったことや、好き嫌いが多かったが少なくなったことなど、「子どもに食に対する様々な変化が見られている」と家庭から報告があった。

食品添加物についてプログラムで取り上げ、食に対する意識を高めるように支援している

事業所のおやつは、食品添加物を極力避けて、野菜ステイック、ヨーグルト、プリン、水羊羹、どら焼きなどを提供し、偏食気味の子どもには保護者の意向を聞き取り食べられるおやつを提供している。食品添加物の危険性についてプログラムで学んだことがきっかけで、子ども達の家庭では食品添加物の少ない食材が使われたり、嫌いな食べ物でもみんなで揃って食べたらとおいしかったという会話を交わすなど、食に対する意識を高める効果が見られている。

  評価項目3 子ども一人ひとりの状況に応じて生活上で必要な支援を行っている 実施状況
  標準項目1 身の回りのことは自分で行えるよう、必要な支援を行っている
  標準項目2 基本的な生活習慣や社会生活上のルール等 (あいさつ、マナー、交通ルール等)を身につけられるよう支援を行っている
  標準項目3 集団活動を取り入れるなど、子どもの心身の発達や社会性が育つよう支援を行っている
  標準項目4 一人ひとりの有する能力を活かせるよう個別のプログラムを実施している
  標準項目5 送迎は、子どもと保護者等の状況に応じて送迎方法を検討し、行っている
講評
始まりと終わりのミーティングで、挨拶やルールなど身につくように支援している

事業所到着時は職員へ挨拶を必ずすることとし、プログラム開始前に行う「始まりのミーティング」をやりたいと希望する子ども達は担当を決め、その日の出席者の氏名やプログラムの内容などを読み上げている。プログラム終了5分前には「終わりのミーティング」を行い、担当となった子どもは終わりの手順を読み上げ、他の子どもや職員から当日のプログラムの内容や様子など感想を聞いて終了している。このように、ミーティングの機会に挨拶や発表を行い、基本的な生活習慣やルールなどが身につくように支援している。

集団プログラムやこどもの状態に応じた個別プログラムを実施している

「日常生活上の規則」、「スポーツのルールを知ろう」など協調性や社会性を養うことを目指してプログラムを組み立てている。「食育のプログラム」の「調理実習」、「危機管理プログラム」の「夏に潜む危険」や「電車・バズでの事故編」、「美術館や博物館の見学」などを集団で行っている。また、集団プログラムに適応できない子どもには心身の状態を見極めて、本人の持つ能力を高めるように短時間の個別プログラムを実施し支援している。

子どもが下校後、バスや電車を使ったり徒歩で自力で通えるように支援している

事業所では、送迎は行わない方針で、子どもが自力で通所できるように、通所のサポートを行っている。サポートは、3日間連続で同行し、その後は徐々に子どもと距離を取って見守り、自力で通所できるように2週間前後をサポート終了の目安としている。電車やバスを使う場合は乗り降りをする時の注意点、徒歩の場合は信号に注意し、白線の中や目印を決めてよそ見はしないで歩くことを伝えている。保護者には必ず状況を報告し、子どもが自力で通所できるようにきめ細かく安全の確保などについて指導し支援している。

  評価項目4 子どもの健康を維持するための支援を行っている 実施状況
  標準項目1 子どもの健康状態について、保護者や医療機関等から必要な情報を収集している
  標準項目2 子どもの状態に応じた健康管理を行い、体調変化に速やかに対応できる体制を整えている
講評
保護者・かかりつけ医・薬剤師などと連携し、子どもの健康維持に努めている

契約時に、個人記録シートに医療機関名、診断名、診断年月、診断者氏名を保護者が記入して、職員と情報を共有している。医療機関が近くにあり、訪問診療を行う内科医で、子どものかかりつけ医としている家庭が多く、子どもの状況により注意しなくてはならないことの優先順位を教えてもらったり、変化が見られた時や服薬している薬について相談するなど日常的に連携をとっている。また、懇意にしている薬剤師とは、医師に聞きそびれた薬の効能を教えてもらうなど、事業は所保護者や医療機関と連携し子どもの健康管理に努めている。

いつもと違う様子が見られたり、発熱などの体調変化には速やかに対処している 

到着すると、手洗い、うがいを徹底させている。事業所内で子どもに元気がなく、いつもと様子が違った時にはリラックスさせるために相談室にマットを敷いて横にならせて検温している。熱がある場合は速やかに冷やすなどの処置をし、安静にして保護者に連絡がつき次第迎えにきてもらっている。連絡がつかない場合は、指導室にハンモックを取り付け休ませて、症状によってはかかりつけ医に連絡し指示を受けて対処している。

  評価項目5 子どもの主体性を尊重し、施設での生活が楽しく快適になるような取り組みを行っている 実施状況
  標準項目1 日常生活の支援は子どもの主体性を尊重して行っている
  標準項目2 子どもが安心して活動できるよう、状況に応じて室内の環境を工夫している
  標準項目3 子どもの状況や希望に沿って、多様な体験ができるようにしている
  標準項目4 子どもの状況に応じて利用日や利用時間を設定している
講評
「こども会議」や子どもの提案を日々のプログラムに取り入れ、支援している

毎月1回開催しているこども会議では、司会や書記を子ども達が担当し、プログラムの内容を話し合っている。新規の「ハンカチ落とし」や「あてっこゲーム」など提案された際には、次回の子ども会議で実施に向けて話し合いを深めている。また、プログラムに沿って支援している時にもアイデアを引き出し新規プログラムにつなげ、子どもの主体性を尊重し支援している。文化祭では、事業所の自由時間を利用して作品作りやブース作りを行い、当日は各ブースの担当者として保護者に説明する役割を担い子ども達の満足感を高めている。

事業所内は子どもが安全に、快適に活動できるように工夫している

到着してから当日のプログラムが始まるまで、子どもは自由時間として過ごし、学校の宿題や家庭で決めたワーク、工作などに取り組んでいる。相談室を使ったり、指導室をパーテーションで区切るなど、できる限り、落ち着いて取り組めるように工夫している。また、エアコンや空気清浄機を活用して、室温や湿度管理を行い快適な空間となるように努めている。プログラム終了後は、職員は指導室やトイレなどを清掃して、清潔保持を徹底している。

学校の行事や子どもの状況等に応じて、利用日や利用時間の変更に柔軟に対応している

毎月のプログラムの出席状況を事前に把握し、定員を超えた場合には曜日を振り替えたり、実施する曜日を増やしたりなどして、子どもにはキャンセル待ちにならないように、均等に学べる機会をつくり支援している。また、学校行事や子どもの状況などにより、利用日や利用時間には柔軟に対応している。

  評価項目6 家族との交流・連携を図り支援を行っている 実施状況
  標準項目1 子どものサービス提供時の様子や家庭での普段の様子を家族と情報交換し、支援に活かしている
  標準項目2 家族の意見や要望を活かした支援を行っている
  標準項目3 家族の状況に配慮し、相談対応や支援を行っている
  標準項目4 子どもや家族に合った療育方法等について助言している
講評
保護者会や保護者向け勉強会を開催し、家族との交流・連携を図っている

保護者から、家族同士つながりを持つ機会を設けてほしいとの要望が出され、保護者会を開催している。これまで懇親を図るために「クリスマス石鹸デコパージュ作り」と子どもの日常のプログラム活動の様子をプロジェクターで見て、プログラム活動の理解を深める取り組みをした。重要な案件を説明する機会にもしている。また、タブレットやスマートフォンのアプリケーションの活用方法や進学・就労について情報を提供する勉強会を開催するなど、交流家族と交流・連携を図っている。

保護者の意見や要望を活かした支援を行っている

保護者から「金銭の概念を身に付けられるとよい」との要望が出され、子どもが早く事業所に到着した時を利用して支援を行うこととした。事務所にある玩具のレジを使って支払いの方法とおつりについて学んだ後、買い物に同行し、店舗の会計の様子を観察している。この経験を活かして、同じ品物でも店舗によって値段が異なることや値引のあることなどを学び、実生活に生かせるように支援している。

養育方法についての相談には、子どもの状態に応じて具体的な助言を行っている

家庭が抱える養育上の様々な問題点について、子どもの状態に応じて助言を行っている。①感情コントロールの苦手な子どもとの対応については、お互いに冷静になるように時間や距離を置く、②忘れ物の多い子どもには注意を促す張り紙を子ども部屋のドアに貼る、③教科書を読みづらい子どもには活字文章読み上げ機能を紹介したり、教科書を拡大コピーをして読みやすくするなど、具体的な方法の紹介や助言を行っている。

  評価項目7 地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている 実施状況
  標準項目1 地域の情報を収集し、子どもの状況に応じて提供している
  標準項目2 必要に応じて、子どもが地域の資源を利用し、多様な体験や交流ができるよう支援を行っている
講評
町内会の回覧板や婦人会から情報を入手し、行事に参加している

町内会の情報は回覧板で入手し、節分の「地蔵尊祭り」や町内会の「こども神輿」の行事などに参加している。節分では、子ども全員で手作りの鬼の面を被って地蔵尊祭りを盛り上げている。こども神輿は地域の子どもの参加が少なく、毎年、子ども達に参加の呼びかけがあり、法被を借りて参加している。また、隣接する短期大学の文化祭と事業所のハロウィンが同じ時期なので、子ども達は事業所からハロウィンの仮装をしたままで出かけ、短期大学の「子ども向けプログラム・キッズイングリッシュプログラム」に参加してキャンディをもらうなど楽しんでいる。

障害者福祉会館や区民活動センターなどの活動を利用して地域と交流する機会としている

障害者福祉会館に登録している自助グループから活動の発表の機会にしたいと依頼があり、子ども達は活動内容の紙芝居や影絵を鑑賞し、交流を図る機会となっている。また、区民活動センターの調理室を食育プログラムの調理実習に借りたり,レクリエーションルームを借りた運動プログラム、音楽室を借りた音楽プログラムなどを実施している。さらに、近くの公園に気分転換を図るために散歩に出かけたり、昼食の弁当を買うためにコンビニエンスストアや商店に出かけ様々な体験と共に地域の人々と 交流をする機会となっている。


  サブカテゴリー5 プライバシーの保護等個人の尊厳の尊重
  評価項目1 子どものプライバシー保護を徹底している 実施状況
  標準項目1 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、子どもや保護者の同意を得るようにしている
  標準項目2 日常の支援の中で、子どものプライバシーに配慮した支援を行っている
  標準項目3 子どもの羞恥心に配慮した支援を行っている
  評価項目2 サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、個人の意思を尊重している 実施状況
  標準項目1 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(子どもが「ノー」と言える機会を設けている)
  標準項目2 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
  標準項目3 施設内の子ども間の暴力・いじめ等が行われることのないよう組織的に予防・再発防止を徹底している
講評
写真の使用などについても個人情報使用の同意書を得てプライバシーに配慮している

利用の契約にあたり、利用児・およびその家族に係る個人情報の使用について説明し、同意書を得ている。ホームページなどへの写真の掲載については〈同意する・同意しない〉の選択を明らかにできるようにしている。事業所ではホームページを週に1~2回程度更新しているが、同意の有無にかかわらず、子どもの顔は判らないように画像修正を行って、職員以外は全員顔が出ないようにしており、担当者が確認のチェックをしてプライバシーに配慮している。

子どもの特性を受け容れ、子どもの心に配慮して支援している

子どもは特性やこれまでの生活経験から、様々な感情表現をすることがある。そうした場合、みんなの前で注意したりせず、相談室などに移動して、子どもの感情が落ち着くのを待って、子どもの気持ちを受け止めて話をしている。服薬のため、食欲がなくおやつの時間が苦痛だという子どもには、相談室で本を読んだり、職員とゲームなどをして過ごせるようにしている。また、新しい場所に慣れず息苦しさを感じる子どもには、室外に出て空の見える場所で気持ちを切り替えられるようにするなど、子どもが傷つかないように子どもの心に配慮して支援している。

子ども間の暴力・いじめが行われることが無いようプログラムを活用している

事業所では、それぞれの子どもに合ったプログラムを通して、適切な対処法や解決方法を共に学び、進学や就労・自立を目指す社会の架け橋となるよう多くのプログラムを用意している。暴言・暴力・いじめの予防や再発防止に当たっては、「言って良いこと?悪いこと?」、「上手に謝ろう・断ろう」、「譲り合い」、「相手への伝え方」、「他者への共感・良いところ探し」などのプログラムを使い、ロールプレイを行い良い場面、悪い場面を認識できるようにして予防や防止につなげている。


  サブカテゴリー6 事業所業務の標準化
  評価項目1 手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  標準項目2 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている ×
  標準項目3 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している ×
  評価項目2 サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている 実施状況
  標準項目1 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている ×
  標準項目2 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や子ども・保護者等からの意見や提案を反映するようにしている ×
講評
手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをするとよい

事業所では、職員も少なく営業時間内はいつでも管理者がいて、必要な時にはOJTで指導しており、手引書(基準書、マニュアル、手順書)は体系立てて作られておらず、請求事務などのマニュアルの見直しは都度行っている。しかし、今後サービス提供能力を拡大する計画もあるので、業務の標準化を図るためにも、リスク管理を含め事業運営に必要な手引書を職員と共に整備していくとよい。

マニュアルの整備に当たり、見直しの時期や活用方法について検討するとよい

開設間もないため、手引書の整備は進んでいない。整備するにあたり、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順を明確にするには、① どのような手順書、マニュアルが必要か、② その活用方法、③ 改変の時期、④ 職員や子ども・保護者等からの意見や提案をどのように反映するかなどを検討し規定していくとよい。