評価結果概要版 利用者調査とサービス項目を中心とした評価手法

令和6年度 就労継続支援B型
法人名称
一般社団法人欒団
事業所名称
らんたん
事業所所在地
東京都武蔵野市西久保2丁目30番2号
103号室
事業所電話番号
0422-38-8855

事業者の理念・方針

理念・方針
事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など) □理念
1.「あそこに行けばなんとなる」と思える場であること
2.利用者の自己実現の場であり、自然と笑顔が生まれる場であること
3.利用者と共に悩み、考え、行動する職員であること
4.利用者個々人の課題を共に見つけ共に解決を目指すこと
5.職員は枠組みに囚われず、可能な限りの利用者のサポートをすること
□サービス提供の考え方
通所日数及び時間、作業内容ともに利用者の意向に応じて柔軟に決定する。
日々利用者の意向を確認し、その日の体調等により可能な作業を提供するようにする。
月に一度、利用者同士及び職員が意見を交わすことのできるメンバーミーティングを設け、総意を運営に反映できるようにする。 

全体の評価講評

特によいと思う点
  • 面談やケース会議に多くの職員が同席して利用者の情報把握に努めており、全職員で一人ひとりの利用者を支援する体制を作っている
  • 事業所では、利用者担当制ではなく、全職員で全利用者を支援する方針としている。サービス管理責任者を施設長が兼務して計画を作成しており、利用開始後から半年毎の期間でモニタリングして見直している。計画策定にあたっては、振り返りの面談では本人と施設長及び出勤している全職員が同席して利用者の状況把握に努めており、またその後のケース会議には利用者、施設長、常勤職員が出席して計画内容を検討している。当日欠勤の職員に対しても後日必ず情報共有するようにしており、全職員で一人ひとりの利用者を理解して支援する雰囲気が出来ている。
  • 利用者が地域生活を安定して送るため、子供向けミニお祭り、高齢者施設や大学のイベントの出張販売を通して地域住民との交流を図っている
  • 事業所の開設から、地域との連携を大切にした活動を行うことで、「利用者の地域生活を安定して送る」目的を具体的に実践している。また、子供たちを対象に駄菓子や綿あめ、ポップコーン販売の土曜日のミニお祭りを開催している。自主製品のパンの製造・販売は、地域の住民が購入に訪れ、高齢者施設や地域の大学のイベントへの出張販売を利用者、職員ともども接客対応している。大学での出張販売の様子は、学芸員論文に掲載されている。さらに、今年度から希望する利用者を対象に、パソコン教室を開催しており、今後、地域への拡大を視野に入れている。
  • 五感を活かしたコミュニケーションでの働きかけや顧問医相談などにより、利用者・職員間のなんでも話せる雰囲気づくりの醸成に努めている
  • 事業所での支援体制は、受け持ち制ではなく個々の利用者を職員全体で関わる支援方式をとっている。そのため毎夕職員ミーティングで情報を共有し、支援に反映させている。利用者のわずかな変化への気づき、声かけ確認、作業状況でほめるなど、職員は五感を活かしその場の状況に応じたコミュニケーションをしている。また、顧問医相談や利用者ミーティングで、利用者が思いを表出できる機会を設けている。また、利用者が職員に相談する場合、時間など状況に応じた調整をし,確実に対応できるよう取り組むなど、何でも話せる雰囲気づくりに努めている。
さらなる改善が望まれる点
  • 利用者の安全の確保に向けたリスクマネージメントにおいて、日々の支援の中にあるリスクの顕在化と災害対応の想定訓練実施が望まれる
  • 事故報告やヒヤリハットの書式は整備されているものの、職員ミーティングで意見交換することにとどまっている。今後の取り組みとして、支援の中にひそむ様々な危険要因を発見して、その分析・改善策による再発防止への取り組みに期待される。また、火災や地震などの自然災害、感染症に対する事業継続計画は策定されて職員に周知はされている。しかし、この計画をもとにした地震や水害などを想定した職員及び利用者が参加しておこなう机上訓練で指揮命令系統や各職員の役割と配置、関係機関との連携などでさらに理解が深まる取り組みに期待される。
  • 構造上限られたスペースの中で、利用者・職員の靴の履き替え及びトイレなど、整備又は履き替えについて抜本的見直しに期待したい
  • 事業所の出入り口はパン製造と店舗及び事務所と封入などの作業場所の2か所に分かれ、室内からの往来はできない構造になっている。事務所側では室内用に履き替え、靴は外に露出した状態で置かれている。一方、店舗側は、奥の調理室へは履き替えをしているが、室内用と外用下足が区別なく一緒に置かれている。また、トイレが各1つしかなく、店舗側女性用と事務室側男性用としていることから、利用者によってはそれぞれ履き替えることへの不便を感じている。これらのことから、限られたスペース内で、衛生面や効率性を踏まえた抜本的検討を期待したい。
  • 個別の鍵付きロッカーや下足用の靴箱の設置がないため、プライバシ―に配慮できるような設備や仕組み等の検討が待たれる
  • 事業所では個人の所有物は個人管理としているが、鍵付きロッカー等の設置がなく、椅子や空きスペースに置いている状況である。他者の荷物には許可なく触らないように利用者・職員ともに周知はしているが、利用者の声から「カバンを置く所にいつも迷う」等の意見も出ている。また、室内用スリッパ置き場はあるが、下足用靴箱がなく、事業所入口外に露出したまま靴を置いている現状である。スペース上、ロッカーや靴箱の設置場所が無いとしても、椅子の下に荷物置きケース等を用意したり、もしくは、パン販売所同様に土足での入室など検討が待たれる。

事業者が特に力を入れている取り組み

  利用者の要望などは、携帯電話や顧問医相談、第三者委員の弁護士などが対応している
利用者の悩み、希望、要望を様々な視点で把握している。意思表示が難しい利用者には、通所中の様子を観察し、気が付いたことを全職員で共有して声がけするなどの対応をしている。また、通所時間以外の相談窓口として職員の携帯電話番号を知らせ、いつでも相談できる体制を整えている。生活面での相談では、必要に応じ自宅訪問を行い、家族の様子を把握して、必要に応じて介護支援期間などと連携を取っている。さらに、第三者委員に弁護士が就任して、苦情以外の法的な相談にも応じ、週1回の顧問医相談で体調や健康面を相談する機会を設けている。
  毎月の顧問精神科医相談の個別や全体の実施は、利用者や職員の安心感に繋がっている。
顧問医である精神科医師による顧問医相談を月1回定期的に実施している。全利用者毎の1か月分の処遇月誌を事前に提出することで、顧問医は一人ひとりの利用者の状況を把握した上で的確な判断を可能にしている。相談を希望する利用者への個別対応の他に、利用者全体との対話を行っている。利用者は顧問医や他の利用者の話から自己を客観視できるなど、多くの気づきが得られている。また、支援が困難なケースに対して、顧問医からアドバイスを得てより的確な支援を実施している。継続した顧問医相談の実施は、利用者や職員の安心感に繋がっている。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:利用者登録数18名(男性7名、女性11名、平均年齢49.4歳)を対象に3名の評価者による個別面談方式で調査を実施した。
  • 調査方法:アンケート方式  
    聞き取り調査当日には、作業スペースから離れた相談室、事務スペース2か所に分かれ、個別の聞き取り方式で面談し、当日欠席利用者には評価機関宛の返信用封筒とともにアンケート方式で調査を実施した。
  • 利用者総数: 18人
  • 共通評価項目による調査対象者数: 18人 (アンケート方式8人 聞き取り方式10人)
  • 共通評価項目による調査の有効回答者数: 11人 (アンケート方式1人 聞き取り方式10人)
  • 利用者総数に対する回答者割合(%): 61.1%
  • 調査項目: 共通評価項目
  有効回答者数/利用者総数
11/18
4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。
1.利用者は困ったときに支援を受けているか
はい
100%
2.事業所の設備は安心して使えるか
はい
100%
3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか
はい
100%
16.【就労継続支援B型】
事業所での活動が働くうえでの知識の習得や能力の向上に役立っているか
はい
82%
どちらともいえない
18%
17.【就労継続支援B型】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか
はい
91%
 
どちらともいえない:0%  
いいえ:9%  
無回答・非該当:0%
18.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい
73%
無回答・非該当
18%
 
どちらともいえない:9%  
いいえ:0%
19.職員の接遇・態度は適切か
はい
91%
 
どちらともいえない:9%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:0%
20.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい
100%
21.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい
73%
無回答・非該当
27%
22.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
はい
91%
 
どちらともいえない:0%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:9%
23.利用者のプライバシーは守られているか
はい
100%
24.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか
はい
100%
25.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
はい
91%
 
どちらともいえない:0%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:9%
26.利用者の不満や要望は対応されているか
はい
100%
27.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい
45%
いいえ
36%
 
どちらともいえない:9%  
無回答・非該当:9%

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