評価結果概要版 利用者調査と事業評価(組織マネジメント項目・サービス項目)の評価手法

令和5年度 認可保育所
法人名称
株式会社グローバルキッズ
事業所名称
グローバルキッズ代々木上原園
事業所所在地
東京都渋谷区西原3丁目15番10号
事業所電話番号
03-5738-7104

事業者の理念・方針

理念・方針
事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など) ・豊かに生きる力を育てる
・笑顔あふれる保育
・安心して過ごし、素直で表現豊かな保育
・子どもの気持ちに共感し、尊重する保育 

全体の評価講評

特によいと思う点
  • 子どもたちの声を保育実践に活かすことや、子ども同士が話し合い、遊びや活動・行事を発展させてゆくことを大切にしている
  • 日常的に保育者が子どもたちの意見を聴く機会を持ち、一人ひとりの声を尊重している。遊びの中でも大人が遊びを決めるのではなく、子どもが「何をして遊びたいか」を踏まえて遊びを展開する中で、自然と考える力が身につき、年長児になると他者との関わりを通して意見を伝え、相手の思いを聴く経験から、目標・目的に向かって互いに意見を出し、どのように進めていくかを、子ども同士で話し合う場を設けている。生活発表会では日頃の話し合いの経験を活かして、年長児は役決めから役割の振り分け、台本づくりを進めていき、本番の発表につなげている。
  • 園内の各所に、子どもが気持ちを落ち着かせたり、思い思いに過ごすことのできる環境を整えている
  • 子どもが静と動の活動を自分で選べるような環境を整え、幼児クラスの前には子ども用ソファを置き、落ち着いて絵本を読んだり、横になって休むこともできるようにしている。また乳児クラスの前の階段下にある絵本を揃えた木調のスペースは、天井が低く狭小な子どもが好む構造で、床にマットを敷き、ゆったりとくつろいで過ごせる環境にすることで、静かな空間で気持ちを落ち着ける場所となっている。室内では広い床の場所で遊ぶことも、椅子に座って机で活動をすることも選択できるなど、気分によって活動場所が選べるような環境を整備している。
  • 栽培活動やそこから発展する保育の取組、食事を楽しく味わう機会づくりなど、子どもの食への意欲と興味を深める工夫をしている
  • 夏野菜のトマト・ピーマンをベランダで育て、子どもたちが自主的に水やりをし、いつでも生長を見られるよう工夫しており、子どもが興味を持ったり、観察から絵を描いたりしている。収穫したトマトは安全な大きさに切って昼食で提供し、ピーマンはクッキングでナムル作りに用いている。また菜園で育つ様子から調理・食べる過程を経験することで、苦手な食材にも興味を持ち、食べてみる姿も見られている。「お楽しみDAY」ではランチパックに食事を入れて、いつもと違う環境の中で楽しく食事をする機会を作るなど、食を楽しむ多様な工夫をしている。
さらなる改善が望まれる点
  • 園の組織や保育の再構築にあたり、目指す状態や取り組むべき事柄を計画に定め、組織全体で共有・推進してゆくことを期待したい
  • 経営層は日々の運営のさまざまな面で、各職員が旧習・旧弊にとらわれず、常に目の前の子どもや保護者の状況をとらえ、最善の対応を考える習慣を組織の文化とすべく、折に触れて現場に問いかけ、創意工夫を促している。現場の様子からは、徐々にその成果も見られ始めており、その積み重ねを、当園ならではの保育の特色の確立につなげることも課題と考えている。改めて園の保育や組織について、今後の取組や目指す状態を現場とともに考え、中・長期と年度の各計画に定め、各計画を組織全体で共有しつつ取組を進めてゆく体制づくりを期待したい。
  • 業務の標準化や意識の共有を課題ととらえ、本社のルールを基本としたうえで、園の独自性を確立させてゆくための活動を始めている
  • 系列園共通のルールを基本としたうえで、園の独自性を創り上げてゆくための基本の確認と定着を課題ととらえ、業務の標準化や意識を共有するための活動を行っている。会議では、園長が本社作成のマニュアルや区のガイドラインに沿った運営を目指すことや、不都合や改善の必要がある場合には各種会議で話し合うことのほか、ヒヤリハットの重要性等を伝え、看護師による緊急時の対応手順も整えている。今後は保育実践における基本の徹底に向け、「GK保育」「保育者実践ガイドブック」のほか、保育所保育指針の理解をさらに深めたいと考えている。
  • 今後の経営の持続性の確保に向け、地域や保護者に園の特色や価値をより積極的に訴求してゆくための方策の検討も期待される
  • 当園が所在する地域においても、少子化に伴う利用ニーズの縮小は年々進んでおり、定員の充足は園の経営継続における重要課題となっている。地域においては後発の園でもあり、幼児以降の他施設への流出を防ぐための、保護者の確かな信頼と評価の獲得や、地域に園の保育の特色や価値を知らしめてゆく機会づくりに、上記の保育と組織の基盤確立と並行して取り組むことが期待される。駅至近の立地という代えがたい強みを活かしつつ、地域や保護者への積極的な訴求に取り組んでゆく、具体的な取組の検討を期待したい。

事業者が特に力を入れている取り組み

  系列園としての基本を踏まえつつ、柔軟に発想・行動する組織文化の定着を目指している
「原点回帰」を年度事業計画の重点課題の一つとして、グローバルキッズ系列園としての基本を組織全体で再理解するとともに、「臨機応変な対応」も併記し、そうした基本を踏まえ、常に目の前の子どもや保護者に合わせて最適の対応を行うことも重視している。各職員が、現場に定着しているさまざまな園独自の不文律にとらわれず、創造的に考える習慣の定着を促すことを目指しており、園長が不適切保育に関する啓発のほか、SIDS対策や発熱時の対応、個人情報の管理、おむつ替え後の清掃手順など、日常業務のレベルで原点回帰を促している。
  緊急時に的確・迅速に対応できるよう、職員研修を実施している
緊急時に的確・迅速に対応できるよう、職員研修を実施している。嘔吐処理やアナフィラキシー・熱性けいれんに対応するための研修では、意義を理解したうえで対応できるよう、実技指導だけでなく、症状が出ている時には身体機能がどのような状態になっているのかについても説明を行っている。また緊急時の対応では、園長・看護師が不在であることも想定されるため、緊急対応の手順を示したフローチャートを作成するほか、子どもの過去の状況や想定される症状を一覧にしてファイルにまとめており、ファイルの格納場所を職員間で共有を図っている。
  保護者との信頼関係を深めるため、保育内容を伝え、子どもの姿の共有に取り組んでいる
保護者とともに子どもの育ちを支えられるよう、保護者に保育内容や子どもの成長を伝えている。保護者会では保育の目標や発達の特徴、育ちの見通しなどを伝え、個人面談や保育参加も実施し、保護者と子どもの様子を伝え合っている。保育参加では、実際の保育に入り、子どもたちの生活と遊びの様子や、保育者が子どもと関わる姿を見てもらっており、給食の試食も実施している。また写真とコメントで保育内容を伝える「ドキュメンテーション」を作成して掲示するほか、毎月園便り、給食・保健の便りを発行して育児の参考となる情報を提供している。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:調査開始時点での当園の利用世帯42(在籍児童数43)を対象として実施した。なお、兄弟姉妹がいる世帯は1世帯として扱った。
  • 調査方法:アンケート方式  
    調査票及び調査項目は共通評価項目に準拠した。
    ウェブアンケート形態により実施し、回収は保護者から評価機関への直接電送(外国語世帯のみ調査票の直接郵送)にて行った。
    結果は選択式・自由記述とも園に報告し、自由意見には回答者の匿名性に配慮した処理を適宜行った。
  • 利用者総数: 43人
  • 利用者家族総数(世帯): 42世帯
  • 共通評価項目による調査対象者数: 42人
  • 共通評価項目による調査の有効回答者数: 22人
  • 利用者家族総数に対する回答者割合(%): 52.4%
  • 調査項目: 共通評価項目
  有効回答者数/利用者総数
22/43
1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
はい
95%
 
どちらともいえない:5%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:0%
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
はい
86%
どちらともいえない
14%
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
はい
91%
 
どちらともいえない:9%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:0%
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
はい
82%
どちらともいえない
14%
 
いいえ:5%  
無回答・非該当:0%
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
はい
91%
 
どちらともいえない:0%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:9%
6.安全対策が十分取られていると思うか
はい
86%
どちらともいえない
14%
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
はい
95%
 
どちらともいえない:5%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:0%
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
はい
82%
どちらともいえない
18%
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい
100%
10.職員の接遇・態度は適切か
はい
95%
 
どちらともいえない:5%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:0%
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい
91%
 
どちらともいえない:9%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:0%
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい
73%
どちらともいえない
14%
無回答・非該当
14%
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
はい
91%
 
どちらともいえない:9%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:0%
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
はい
77%
無回答・非該当
14%
 
どちらともいえない:9%  
いいえ:0%
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
はい
91%
 
どちらともいえない:9%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:0%
16.利用者の不満や要望は対応されているか
はい
86%
 
どちらともいえない:5%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:9%
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい
41%
どちらともいえない
23%
いいえ
18%
無回答・非該当
18%

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