評価結果概要版 利用者調査と事業評価(組織マネジメント項目・サービス項目)の評価手法

令和2年度 指定介護老人福祉施設【特別養護老人ホーム】
法人名称
社会福祉法人道心会
事業所名称
藤香苑
事業所所在地
東京都西多摩郡日の出町大久野3588番1号
事業所電話番号
042-597-7222

事業者の理念・方針

理念・方針
事業者が大切にしている考え(事業者の理念・ビジョン・使命など) 1)職員、利用者がお互いに穏やかな気持ちで接することのできるような環境づくりに努めます。                 2)家族の人々との連携を密にし、心の通い合う明るいホームを目指します。                                          3)個人の人格、尊厳を大切にし、優しさが伝わる介護を目指します。                                               4)行事、催事を通じて地域との交流を深め、地域住民の一員であることの意識の向上に努めます。                             5)利用者の志向の把握に努め、各ニーズに対応していけるよう充実したサービスの向上に努めます。 

全体の評価講評

特によいと思う点
  • 24時間の看護師の常駐と特定看護師の勤務が、迅速な処置と対応、診療の補助(医療行為)の幅の広がりにつながり安心感を与えています
  • 新しいナースコールシステムが導入されました。ナースコールは職員のスマートフォンと連動し素早い対応ができるようになり、転倒転落などの防止にもつながっています。看護師が24時間常駐しているので、夜間の吸引など医療処置も可能です。介護士からの状態の変化の報告に対しても素早い対応ができるようになっています。また、24時間、看護師の視点での判断や助言を取れるようになり、協力体制の強化につながっています。今年度より、特定看護師が勤務し診療の補助(医療行為)の幅が広がり、利用者だけでなく職員にも安心感を与えています。
  • 利用者のニーズに応え、様々な食形態に対応した食事に関する行事を多数実施しています
  • 年2回の嗜好調査を反映し選択食を実施しています。今年度は「うな丼」と「そば」が人気だったため、「うな丼セット」にして、そばかうどんを選べるようにしました。麺は地元の生麺を使用し、日常とは違う特別感を味わえるよう工夫しています。また、ペースト食の利用者には形のある嚥下調整食をレストラン形式で提供し、食事の楽しさを味わってもらいました。その他にも経管栄養の利用者はアロマを用いたマッサージで楽しみを共感したり、食形態に合わせた複数の手作りデザートを提供するおやつバイキングなど食事に関する行事を多数実施しています。
  • 地域住民から、施設への要望をアンケートで収集したり、屋上に携帯電話の無線局を設置するなど、地域との結びつきを大切にしています
  • 地域版「藤だより」を発行し地域に配布しています。発行紙には「こんなサービスがあったらいいな」というアンケートを欄を設けました。アンケートに対し、配食サービスやフリースペースの開放、栄養士によるスイーツ作りなどの希望がありました。コロナ禍を考え、配食サービスを検討しています。屋上での花火大会では、打ち上げ花火が上がることを地域にお知らせし地域の方にも楽しんでもらいました。また、施設に携帯電話の無線局を設置し地域に貢献するなど地域との結びつきを大切にしながら、利用者が地域との交流が図られるよう取り組んでいます。
さらなる改善が望まれる点
  • マニュアル全般の更新日を統一するなどして現状に即した内容に整理すると良いかと思われます
  • 施設共通のマニュアルについては、会議や委員会の中で見直しています。今年度はコロナウィルス関連の新たなマニュアル作成のほか、各種書式の改定などにも取り組みました。一方マニュアル全般として見ると、現状としては頻繁に改定しているものと作成日がかなり古いままのものとが混在していました。施設としても課題と認識しており、マニュアルの更新日を年度初めに統一する事などを検討しているところです。今後はマニュアル全般を定期に見直し、現状に即した内容に整理すると良いかと思われます。
  • 現在事業計画の策定は、単年度単位となっていますが、施設の目指すことを実現するには、中・長期の視点でも検討することが望まれます
  • 事業計画の策定にあたっては、施設を取り巻く環境について、多様な視点で検討されており、特に職員を巻き込んだ活動は特筆できます。この流れから、課題を検討する際、足元すぐに解決すべきもの、時間をかけて検討するものに仕分けし、難易度や優先度を考慮して時間軸で整理すると、中・長期計画が見えてくると思われます。中・長期計画にもとづいた単年度計画は、組織的な取り組みを継続的に展開できる手段となり、効率的かつ有効な施設の運営にも役立つ取り組みとなると思います。
  • リスクマネジメントにおいて、自然災害以外のリスクも広く検討し、BCPをさらに充実していくことが望まれます
  • 現在作成されているBCPは、自然災害に関わるリスクを主に対象にして整理され、体系的な計画となっています。本計画を実践の訓練等で見直しながら定着させることは、大変重要です。一方で、施設を取り巻くリスクは、火災や、不審者侵入等、その発生可能性は極めて少ないが、万が一発生した場合の被害が甚大なものについては、普段から対応策を準備しておくことが必要です。その観点で、あらためてリスクを洗い出し、BCPに取り込む活動を展開することで包括的なリスクマネジメントに繋がると思います。

事業者が特に力を入れている取り組み

  職員の声を日常活動から抽出し、事業計画に反映する仕組みができています
来年度の事業計画を策定するにあたり、今年度の反省点、改善点、また希望についてアンケート形式で全員の意見を収集しています。その内容は、各主任がチェックし、施設長のもとに集約される流れとなっており、職員の声を漏れなく拾える仕組みです。また、今年度から、新たにタスク管理シート制度をスタートし、毎月全8部門で、取り上げている課題の進捗を確認したうえで、今後の方向を検討し、体系的に課題を整理しています。これらにより、職員の意欲向上はもとより、事業所が取り組むべき課題を適切に抽出できるようになっています。
  研修会をはじめ多様な学びの機会を提供し、職員が個々に成長できるよう図っています
入所時の新人研修をはじめ、施設の運営にあたって、必要な内容は都度内部研修会で、周知徹底が図られ、復命書により本人の確認を取り双方向の教育体系となっています。また、外部講習会にも積極的に派遣され、専門技術の習得や新しい情報の収集に努めることを推進しています。さらに、施設独自の「えがおプロジェクト」への参画や「苑内学術会議発表会」は、職員の自発的な活動を促進し、さらなる成長意欲向上をもたらし、組織全体の人材育成の仕組みとして機能しています。
  生活が楽しくなるような行事が開催され行事大賞も発表し職員も意欲的に参加しています
行事・WEB委員会やお祭り事業部・ボランティア委員会が設置され、利用者の反応や希望をもとに行事計画が練られています。今年度は新型コロナ感染症予防のため、施設全体より各フロアごとの行事を充実させています。新年会、節分、ひな祭り、花火大会、すいか割り、カラオケ、マス釣り大会など様々な行事が開催され利用者に喜ばれています。間違い探しや塗り絵などの参加型の行事も好評です。フロアごとに行事大賞なども発表し、利用者だけでなく職員も意欲的に参加できるようにしています。クラブ活動も感染予防策を取りながら、開催しています。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:調査日現在の在籍入所者は99名でした。利用者調査当日はコロナ禍であり施設と相談し2mほど距離を離しても聞き取りが可能な利用者38名を対象に調査をおこないました。
  • 調査方法:聞き取り方式  
    調査にあたっては福祉サービス第三者評価推進機構から得た調査票を使用しました。評価者と利用者は一対一で面談をおこないました。評価者は検温後マスク着用で感染の予防に努めました。面談にあたっては他の利用者や職員に聞き取られないロビーや面談室等でおこないました。
  • 利用者総数: 99人
  • 共通評価項目による調査対象者数: 38人
  • 共通評価項目による調査の有効回答者数: 38人
  • 利用者総数に対する回答者割合(%): 38.4%
  • 調査項目: 共通評価項目
  有効回答者数/利用者総数
38/99
1.食事の献立や食事介助など食事に満足しているか
はい
82%
 
どちらともいえない:8%  
いいえ:5%  
無回答・非該当:5%
2.日常生活で必要な介助を受けているか
はい
92%
 
どちらともいえない:3%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:5%
3.施設の生活はくつろげるか
はい
71%
どちらともいえない
13%
 
いいえ:8%  
無回答・非該当:8%
4.職員は日常的に、健康状態を気にかけているか
はい
71%
いいえ
16%
 
どちらともいえない:8%  
無回答・非該当:5%
5.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
はい
87%
 
どちらともいえない:5%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:8%
6.職員の接遇・態度は適切か
はい
84%
無回答・非該当
11%
 
どちらともいえない:0%  
いいえ:5%
7.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
はい
89%
 
どちらともいえない:3%  
いいえ:3%  
無回答・非該当:5%
8.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
はい
79%
無回答・非該当
16%
 
どちらともいえない:5%  
いいえ:0%
9.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
はい
84%
 
どちらともいえない:8%  
いいえ:0%  
無回答・非該当:8%
10.利用者のプライバシーは守られているか
はい
87%
無回答・非該当
11%
 
どちらともいえない:3%  
いいえ:0%
11.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか
はい
11%
どちらともいえない
11%
無回答・非該当
74%
 
いいえ:5%
12.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
無回答・非該当
79%
 
はい:5%  
どちらともいえない:8%  
いいえ:8%
13.利用者の不満や要望は対応されているか
はい
68%
どちらともいえない
16%
無回答・非該当
11%
 
いいえ:5%
14.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
はい
26%
いいえ
16%
無回答・非該当
55%
 
どちらともいえない:3%

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