評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
(1)相談体制の整備
(2)発達支援の充実
(3)幅広い高度な専門性に基づく発達支援・家族支援機能
(4)地域のインクルージョン推進の中核機能
(5)地域の障害児通所支援事業所に対するスーパーバイズ・コンサルテーション機能
職員に求めている人材像や役割
●区民の立場で考え、区民と協働できる職員
●変化に柔軟に対応し、自ら計画立案ができる職員
●公務員としての基礎力を向上させ、職場や仕事を改善する職員
●職場内研修(OJT)。職場外研修(OFF-JT)
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
●高い倫理観をもって、公正な職務の遂行に努めるとともに、新宿区職員として誇り高く、職務に誠実に向き合う。
●幅広い知識の習得や職務における専門性の向上を目指し、意欲的に自己研鑽に努める。
●常に問題意識をもって、職場や仕事の改善に意欲的に取り組む。
全体の評価講評
特によいと思う点
社会状況や地域ニーズの変化に応じながら、区民のインテークや地域への橋渡し機能を強化していく方針である。その実践に向けて、民間施設を重要なパートナーと捉え、合同研修や情報共有を通じて協力体制を構築している。また、並行通所クラスを設け、保育園・幼稚園に就園している児童も通所することができるなど、昨今の保護者の多様なニーズや働き方に応じた発達支援が可能な体制を作っている。公設としての中核的役割を果たすことを目的に多くの家庭を支える姿勢と運営を目指している。
事業所は、公設公営として地域に開かれ地域と繋がる特色ある区の独自事業(法外)を提供している。なかでも「在宅児等訪問支援」は古く(1978年~)、療育を必要としながらも参加できない子どもと保護者へのアウトリーチ型相談支援として47年前から実践を継続している。地域の親の会と繋がりを活かした「おしゃべりROOM(ペアレントメンター)」月2回の相談会を開いて、先輩保護者が、子育ての困り感、就学問題、専門機関利用などの悩みをもつ保護者を受け止めている。障害幼児一時保育は、身近なレスパイトサービスとして利用されている。
支援計画書は、アセスメントに基づき実現可能で具体的な支援内容が明確に示されており、日々の実践に活かしやすい仕組みとなっている。子どもにとって最善の手立てを考えることを大切に、保護者の視点や家庭での生活も考慮して作成されている。活動の準備段階では、成功だけでなく失敗時の子どもの反応も想定し、子どもの反応の違いを予測して準備をする。活動後には振り返りを行い、なぜ良かったのか、どの場面で立ち直れたかを分析し、次の支援に活かすことで、計画書を軸としたPDCAサイクルがしっかりと機能させ取り組んでいる。
さらなる改善が望まれる点
これまでは事業所単体で事業計画を作成してきたが、施設機能の多機能化を目指すにあたり、各事業担当ごとの役割や目標を明確にする必要性を感じている。業務の方向性や計画の位置づけを職員が理解し、主体的に取り組む姿勢を高めることも重要である。さらに、進捗管理や目標設定、報告の仕組みを各事業担当単位で定着させることで、事業の継続性や透明性の向上、そして職員の主体性が育まれることも期待できる。これらを踏まえ、今後は事業計画の作成基準等を見直し、目標達成につなげていくことに期待したい。
目標や課題に沿った記録を基盤としつつ、子どもの発達状況を多面的に理解できる内容となるよう丁寧な記録づくりを行っている。内部記録では専門用語を用いる場合もあるが、保護者への説明やモニタリングの提示に際しては、子どもの様子が明確に伝わる言葉選びを心掛け、わかりやすい説明に努めている。日々の打ち合わせや振り返りを通して得られた配慮事項や改善点は職員間で共有し、個人ファイルに整理している。今後は、打ち合わせ記録を確実に作成できる仕組みや手順を整備し、職員間のさらなる情報共有を深める取り組みに期待したい。
地域における中核的な役割を果たすため、今年度より新たな組織体制を構築し、担当者やクラス編成の見直しを進めている。特に、周辺の民間施設との連携を深めることで、それぞれの事業が持つ強みを活かしながら、子どもや保護者のニーズをより的確に把握し、実現に向けた取り組みに力を入れている。一方で、多機能化に向けた取り組みについて、保護者へ周知を図っていくため、今後、わかりやすいアナウンスを行うことが課題となっている。また、職員一人ひとりが、事業所の役割や目的を外部に向けて適切に説明できるようにしていくことにも期待したい。
事業者が特に力を入れている取り組み
児童発達支援センターとして新たな歩みを進めるために、専門職を活用した意見の多様化も進化の過程と捉え、今後の発展に向けて組織作りの基盤を作っている。また、休暇制度や健康管理室の活用を推進することで、長期的に安心して働き続けられる職場環境の整備を積極的に進めている。これにより、区民に専門的かつ幅広いサービスを安定的に提供できる体制の維持に努めている。
事業所は、公設公営で経験豊かな福祉職とPT,OT,ST,心理などの複数の専門職が配置されており、日々の発達支援と療育ソーシャルワークに従事している。入口の相談から出口の移行支援まで、子どもの姿をさまざまな職員の目で見つめる事を大切にし、ニーズの把握と問題に向かうチームワークを重視している。職場では、年3回のスーパーバイズ研修を実施しており、担当者間の打合せによる課題整理、専門職との協議、動画による分析、フェイスシート等の資料作成を経て、スーパーバイザーによる検討を行ない、更なる利用者理解を進めている。
子どもや保護者との良好な信頼関係を大切にし、困りごとを安心して話せる体制づくりに力を入れている。保護者のアセスメントを丁寧に行い、家庭環境や背景を深く理解し関係を構築することが、子どもへの支援の充実につながる大切な要素として重視している。家族に対する精神的なサポート体制や子どもへの支援内容に関して、利用者調査にて「信頼できる環境」「気持ちに寄り添った対応をしてくれる」「満足している」との声が聞かれ、保護者からの信頼感は非常に高い。地域性や多様な文化への配慮にも心掛け、子どもと家庭を支える実践を続けている。
利用者調査結果(児童発達支援)
調査概要
- 調査対象:登録児童の保護者等を対象とした。
- 調査方法:アンケート方式
Webによるアンケート調査は、二次元コードを記載した案内文を配布し、回答が直接評価機関に届くようにした。
また、紙での回答を希望される方については、アンケート用紙を配布し、記入後は返信用封筒に入れ、評価機関へ直接返送してもらった。 - 有効回答者数/利用者家族総数:54/155(回答率 34.8% )
調査対象者155名のうち、54名から回答を得ることができた。
満足度の高い項目として、「子どもの気持ちを尊重した対応がされているか」「子どもの気持ちを尊重した対応がされているか」「事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか」「事業所に通うことが、子どもの身体の機能や健康の維持・促進の役に立っているか」「事業所での活動は、子どもが興味や関心を持てるものになっているか」などがあげられる。
総合的な満足度では、50名が「大変満足、満足」、4名が「どちらともいえない」と回答している。また、「安心して通えています」「親子共に支援してもらえてありがたいです」「先生方が子どもや保護者に寄り添い対応してくれるので、子どもも伸び伸びと過ごせています」「療育の日数や時間を増やしてもらえると助かります」などのコメントがあがっている。
アンケート結果
1.事業所に通うことが、子どもの身体の機能や健康の維持・促進の役に立っているか
49名が「はい」、5名が「どちらともいえない」と回答している。 また、「生活のリズムが整ってきました」「服をたたみしまうなど少しずつできるようになりました」などのコメントがあがっている。
2.事業所での活動は、子どもが興味や関心を持てるものになっているか
49名が「はい」、5名が「どちらともいえない」と回答している。 また、「触れ合い遊びなどを気に入っています」「家ではできないいろいろな取り組みがあり助かります」などのコメントがあがっている。
3.事業所に通うことが、子どもの情緒面での発達(感情のコントロールを身につける等)の役に立っているか
42名が「はい」、11名が「どちらともいえない」と回答している。 また、「友達との関わりもあるので成長に役立っていると感じます」「友達と会えるのを楽しみにしているようです」「日常のアドバイスをいただき助かっています」などのコメントがあがっている。
4.事業所に通うことで、子どもに社会性(人と人との関わり合いやルール等)が身についているか
42名が「はい」、10名が「どちらともいえない」、1名が「いいえ」と回答している。 また、「順番待ちなど少しずつ理解してきているように感じます」「友達との関係も前よりスムーズになったように感じます」などのコメントがあがっている。
5.子どもの様子や支援内容(体調変化時の対応含む)について、事業所と情報共有できているか
48名が「はい」、6名が「どちらともいえない」と回答している。 また、「連絡簿等で共有できています」「連絡帳で先生にいろいろ相談させてもらっています」などのコメントがあがっている。
6.家族に対する精神的なサポート(子育てに関する悩み相談や進路相談、家族間交流の機会の提供等)は役に立っているか
40名が「はい」、5名が「どちらともいえない」、2名が「いいえ」と回答している。 また、「いつでも相談できる環境だと思います」「相談することで気持ちに余裕が持てるようになりました」「特にサポートなどないように感じます」などのコメントがあがっている。
7.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
51名が「はい」、2名が「どちらともいえない」、1名が「いいえ」と回答している。 また、「いつも清潔で掃除が行き届いています」「衛生的にどうかなと感じる点もあります」などのコメントがあがっている。
8.職員の接遇・態度は適切か
51名が「はい」、3名が「どちらともいえない」と回答している。 また、「皆さん優しいです」「態度や服装も問題ありません」などのコメントがあがっている。
9.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
37名が「はい」、2名が「どちらともいえない」と回答している。 また、「子どもの状態に配慮してくれており信頼できます」「いつも細かく対応してくれます」などのコメントがあがっている。
10.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
26名が「はい」、2名が「どちらともいえない」と回答している。 また、「おもちゃの取り合いになる前に対応してくれました」「個別利用のためわかりません」などのコメントがあがっている。
11.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
54名全員が「はい」と回答している。 また、「子どもの気持ちに寄り添った接し方をしてくれています」「いつも親の状況などもサポートしてくれます」などのコメントがあがっている。
12.子どものプライバシーは守られているか
49名が「はい」、3名が「どちらともいえない」と回答している。 また、「特に嫌な思いをしたことはありません」とのコメントがあがっている。
13.個別の計画作成時に、子どもや家族の状況や要望を聞かれているか
48名が「はい」、3名が「どちらともいえない」と回答している。 また、「現状を踏まえたうえで計画を立ててくれていると思います」とのコメントがあがっている。
14.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
49名が「はい」、2名が「どちらともいえない」と回答している。 また、「適切に説明してくれます」とのコメントがあがっている。
15.利用者の不満や要望は対応されているか
42名が「はい」、2名が「どちらともいえない」と回答している。 また、「特に不満はありません」とのコメントがあがっている。
16.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
29名が「はい」、6名が「どちらともいえない」、1名が「いいえ」と回答している。 また、「特にそのような状況はありません」「知りませんでした」などのコメントがあがっている。
利用者調査結果(放課後等デイ)
調査概要
- 調査対象:評価機関に記入要領を周知
- 調査方法:
- 有効回答者数/利用者総数:0/0(回答率 0%)
調査対象者155名のうち、54名から回答を得ることができた。
満足度の高い項目として、「子どもの気持ちを尊重した対応がされているか」「子どもの気持ちを尊重した対応がされているか」「事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか」「事業所に通うことが、子どもの身体の機能や健康の維持・促進の役に立っているか」「事業所での活動は、子どもが興味や関心を持てるものになっているか」などがあげられる。
総合的な満足度では、50名が「大変満足、満足」、4名が「どちらともいえない」と回答している。また、「安心して通えています」「親子共に支援してもらえてありがたいです」「先生方が子どもや保護者に寄り添い対応してくれるので、子どもも伸び伸びと過ごせています」「療育の日数や時間を増やしてもらえると助かります」などのコメントがあがっている。
アンケート結果
1.事業所での活動は楽しく、興味の持てるものとなっているか
2.事業所での仲間との関わりは楽しいか
3.職員は、話し相手や、相談相手になってくれるか
4.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
5.職員の接遇・態度は適切か
6.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
7.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
8.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
9.子どものプライバシーは守られているか
10.個別の計画作成時に、子どもや家族の状況や要望を聞かれているか
11.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
12.子どもの不満や要望は対応されているか
13.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
利用者のニーズに対応するため、アンケート実施とその結果を運営に反映させている
利用者ニーズの把握を目的に毎年1回アンケートを実施し、結果は掲示板やホームページで公開している。直近では「利用日数を増やしてほしい」という要望が最も多く、コロナ禍で制限していた利用回数を以前と同様に戻すとともに、今年度からは働く保護者のニーズに応え、土曜日にもインテークや発達検査を開始した。こうした柔軟な対応は、職員シフトの工夫により実現している。今後も、区民にとって利用しやすい体制整備を進めていく意向である。
子どもの成長や発達の連続性を意識した他機関との連携に向けて取り組んでいる
区の子育て支援事業計画では、障害・保育・養護・教育分野との連携強化が重視され、とりわけ18歳までを対象とした養護・教育分野との協働が進展している。子ども家庭支援センターや保健センターと情報共有を密に行い、学校や教育委員会、特別支援学校との連携もしている。教員対象の研修に参加する等、就学後の状況の把握に努めている。さらに民間事業者との顔合わせ会や研修を主導し、コンサルテーションやスーパーバイズを通じて地域全体の支援力向上を図っている。
各部署の役割を明確化した目標設定を明記した事業計画の作成に期待したい
事業計画の推進においては、各部署との役割分担を明確化することが重要である。役割が整理されることで、職員は自らの業務の方向性や計画の位置づけを理解し、主体的に取り組む姿勢が高まると考えられる。さらに、進捗管理や目標設定、報告の仕組みを各部署単位で定着させることで、事業の継続性と透明性が向上が期待できる。区の単独事業としての業務と役割を明確化し、管理体制の一層の強化が図られることに期待したい。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
地域の団体と連携して、子育てや発達、将来に向けた相談を支援している
「おしゃべりルーム」におけるメンターは、地域社会との関係づくりの一環として、区内で活動する団体に声をかける形で運営されている。現在は区が主体となり、メンター育成の講座や更新研修を実施しており、最新情報を取り入れた研修を通じて新任メンターの養成が進められている。団体には登録者が報告され、新任者は先輩に陪席して実地で学ぶ仕組みも整えられている。また、制度運営にあたっては個人情報保護が重要課題とされ、他自治体との情報交換を行いながら慎重に検討が進められている。
区の担当課が連携を図ることで、利用者のニーズに対応する体制を整えている
区内の児童施設や他機関との連携については、保育園や特別支援学校等との協働が行われている。児童福祉法と障害者総合支援法の違いにより制度上の壁はあるが、障害福祉課と調整し、保護者の立場を尊重した柔軟な対応を重視している。計画相談では居宅利用者への支援事例もあり、地域資源への案内役や関係づくりの窓口としての役割を担っている。18歳以降の移行支援では障害者福祉課と知識やツールを共有し、相互研修を通じて支援の一体化を進めている。こうした担当課との密接な連携や職員異動を通じた情報の蓄積と相互研修体制を強みとしている。
子育てのセミナーを多くの当事者や支援者に向けて配信している
区におけるインクルーシブな社会づくりに向けた取り組みとして、オンライン講座が開催されている。対象は区内在住・在勤・在学の成人で、特に支援者やファミリーサポート会員、民生児童委員、保育園や学校関係者の参加が多い。広報は区報やホームページを通じて行っている。地域全体で理解者を増やし、困難を抱える家庭に寄り添う視点の醸成を重視し、実践をしている。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
区民全体を対象としたリスクマネジメントのネットワークづくりを行っている
令和6年度に事業継続計画(BCP)を更新し、職員の理解を深める取り組みを進めている。他の公立施設間や保健センターと連携して、地域の重い障害を抱える子どもたちのリスクマネジメントに対応できるようにしている。コロナ禍では、個別の預かりを実施するなど、施設機能を活かした柔軟な運営を行った。建物自体の安全性は高く、緊急を要するような自然災害に関するリスク懸念は少ない。今後は区内にある様々な施設と包括的なリスクマネジメントの関係性をより強化し、連携を図っていくことを役割として認識している。
職場全体での個人情報やプライバシー保護が徹底されている
職員の個人情報管理意識が高く、プライバシー保護に向けた具体的な対策として、個人ファイルの施錠や掲示物の名前表示を制限することなどを実施している。規定やルールは整備されているが、職員の意識向上を継続することが課題であり、不用意な発言を防ぐための定期研修や周知をしている。これまでのインシデントにつながる事例についても、個人の責任にとどめず組織全体で共有することで、意識向上の教材として活用している。今後は、具体的な事例を用いた分かりやすい説明を通じ、職員の理解と実践力をさらに促進していく方針である。
職員の視点に起因する安全管理意識を高めることで、事故防止を図っている
事業所では、児童施設で起こる事故の多くは、子どもの突発的で一時的な行動に起因しており、発達段階にあることや体のイメージ、平衡感覚がまだ十分に育まれていないことが背景にあると分析している。職員には、子どもの様子や周囲の環境を常に広い視野で見守ることが事故防止につながると伝えている。現在は、事故が起きた際の迅速な対応や情報共有を重視し、軽微なけがであっても医療機関を受診するなど、改善に努めている。日常的には、現場経験を基にしたチーム内での感覚の共有を通して、事故防止と速やかな対応力の向上を目指している。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
サービス提供能力に見合う人材を十分に確保した運営を行っている
事業所単位で必要な人員は確保できている。会計年度任用職員の応募も多く、雇用形態の変更や増員も実施されている。評価制度は正規職員だけでなく会計年度任用職員にも適用され、即戦力として採用している。また、正規職員の専門性を高めるため、療育スタッフや専門職は研修を受ける仕組みがある。公務員としての資質育成は重要であり、雇用形態に関わらず利用者に安定した支援を提供できる職員の育成が行われている。
働きやすさと長く働き続ける仕組みが整備されている
職員の働き方は近年改善されており、休暇制度は非常に充実している。特に男性職員の育児休暇が取得しやすい環境が整えられている。感染症等に罹患した際には、簡易な手続きにより休暇取得が可能となっている。人事部は休暇制度やメンタルケアの充実を推進し、職員の意見を反映しながら改善を進めている。こうした長期的に安心して働き続けられる職場環境の整備を積極的に進めることで、区民に専門的かつ幅広いサービスを安定的に提供できる体制の維持に努めている。
幅広い業務を担当できる職員育成に向けた組織再編を行っている
職員間の公平性と相互理解を促し、真の協力関係を築くことを目的として、今年度は部署間の職員異動を実施した。具体的には、特定の職員に業務が集中しないよう、発達検査や相談対応などを均等に分担し、幅広い業務を経験できる配置へと見直した。また、リーダー育成においては、様々な分野の会議に参加し、自ら考え行動する機会を提供している。失敗に対してもすぐにサポートを行い、安心して挑戦できる環境を整えることで、将来のリーダーシップ発揮につながる育成を進めている。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
【課題・目標】
児童発達支援センターへの機能拡充に伴う、各種手続きと業務体制の整備を行う。
【取り組み】
・都への変更届の提出を行う
・センターとしての相談体制を整備し、より広く区民に対応できる体制を整える。
・区内児童施設との連携を強化する
【取り組みの結果】
中期振り返りを9月度に実施し、進捗状況を確認し、区民や他の関係機関のニーズをさらに洗い出し、センター機能を強化していく意向である。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
「発達相談」と「計画相談」の両方を実施しており、件数は増加傾向にある。発達相談では特に教育委員会との連携による学齢児対応が増えている一方、計画相談は年間30件程度で、区民の多くはセルフプランによるサービス等利用計画を作成することが多い。相談担当が検査結果や保護者からの聞き取りに基づき振り分けやアセスメントを行い、内容に応じて専門職が対応するなど、継続的かつ専門的な相談やフォロー体制も整備されている。相談部門と療育部門は明確に分かれず兼務体制で運営され、個別指導ではなく評価や検査を中心とした外来相談として機能している。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
【課題・目標】
発達相談の待期期間の短縮と、多くの区民にサービス提供できる体制を作る。
【取り組み】
発達相談と、土曜日の個別指導枠を拡充する
【取り組みの結果】
相談待機日数の短縮状況が確認できた。共働き家庭が増えている傾向から、土曜日利用の件数が増加した。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
発達相談や個別指導を中心とした支援サービスの土曜日拡充を実施した背景には、働く保護者の増加や障害児の長期支援ニーズの高まりがある。具体的には、個別指導の枠拡大、発達相談のインテーク枠増設、小集団クラスを夕方に設けるなど、個別とグループの組み合わせパッケージを提供した。土曜日勤務の職員シフトは正規職員2人体制を基本とし、相談担当は6週に1回、他スタッフは8週に1回のシフトで対応。会計年度任用職員は土曜出勤前提で公募している。民間事業や他自治体の先進事例も参考に、待機期間の短縮やサービス柔軟化を図っている。
サービス分析結果
【講評】
事業所は、利用者にとって必要な情報を誰もがわかる表現で提供している
事業所の情報は、区のホームページにおいて、発達相談・サービス利用相談、児童発達支援・放課後等デイサービス、保育所等訪問支援、在宅児等訪問支援の情報に加えて、ペアレントメンター(おしゃべりROOM)、障害幼児一時保育の利用情報を分かりやすく紹介している。児童発達支援・放課後等デイサービスのプログラムや身体拘束等適正化のための指針、利用者アンケート等を公表している。
外国籍の方にも配慮した環境を整え、個別ニーズに応じた支援を行なっている
事業所の部屋に掲げるすべての室名表示板には、日本語、英語、韓国語、中国語による表示が併記してあり、利用者の多言語に配慮した環境となっている。外国籍の方とのコミュニケーションに考慮した通訳システムの利用や翻訳ツールを活用している。その一方で、当事者のなかには、こちらが想定する「特別な支援」に対して、普通の対応を求める意見もあり、個別ニーズに応じた自然な支援を心掛けている。日々の対応では、保護者が自由に閲覧できる情報コーナーや連絡帳のルビ付けなどニーズに応じた工夫をしている。
事業所は、地域の拠点として療育参加や見学・研修を行ない、情報を提供している
事業所は今年度より、希望する親子に対して通所プログラムの体験日を設けており、実際の参加と体験によって療育への理解を増す機会となっている。事業所は地域の拠点として、相談の入り口となる保健センターでの乳幼児健診や幼稚園・保育園の園長会といった機会を通じて、施設の情報を周知している。保育所等訪問支援を通じて訪問先への情報提供や他部署の職員に向けた発達支援の研修を実施している。区内の教員や職員の施設見学を受け入れ、就学前の支援を理解する機会を設けている。区の障害者自立支援協議会等の会議においても情報を提供している。
1.子どもや保護者等に対してサービスの情報を提供している
- 子どもや保護者が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 子どもや保護者の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 子どもや保護者の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
利用開始にあたっては、保護者に対して契約書、重要事項等を説明し同意を得ている
サービス利用開始にあたり、児童発達支援管理責任者が、契約を締結する日に利用契約書、重要事項説明書等に関する内容を読み上げて説明し、保護者の同意を得ている。その際、個人情報の他機関との共有についても同意を得ている。サービス開始前には、職員間で調査書、初回相談アンケートなど資料の確認を行ない支援に繋げている。また、オリエンテーション資料を通じて、運営方針、職員体制、保健・体調面、災害対策などきめ細かく事業内容を説明している。就園児グループや個別指導の案内では、療育参加について基本的ルールを説明している。
職員は、利用者の安心のためにペアレントメンターなど、当事者視点を大切にしている
職員は、利用直後の親子の様子を把握し、サービス利用後に生じる事柄をきめ細かくフォローしている。特に、新しい環境に慣れない過敏な子どもに対して、安心できる環境づくりとかかわりに配慮している。例えば、療育活動の中で状況に応じて、療育の後半(食後等)に保護者が悩みを話せる時間を作っている。職員は、利用者の生活文化や保護者の就労状況などの背景を考慮し、安心して親子がサービスを利用できるよう当事者視点を大切にして問題の解決に当たっている。日頃の心配事や悩みに対して、ペアレントメンターによる定期相談会を開催している。
事業所は、就学移行後も学齢期の発達支援を継続し、利用者ニーズに応えている
児童発達支援の集団療育や個別療育のサービスの終了後も電話での継続相談を行なっている。卒後の移行支援として特別支援学校、特別支援学級、学びの教室等の進路先との引継ぎを書面(就学支援シート等)や電話で行っている。相談にはじまり療育の提供、終了時の就学移行まで、職員による一貫した支援ができている。
1.サービスの開始にあたり子どもや保護者に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を子どもや保護者の状況に応じて説明している
- サービス内容や利用者負担金等について、子どもや保護者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、子どもや保護者の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、子どもの支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
職員は、一人ひとりの発達を捉え、その記録は集団と個別の療育に活かされている
職員は、単独通所、並行通所、親子通所、就園児グループのそれぞれにおいて、毎年度、職員間の申し送り・引継ぎ等をもとに、支援のねらいと方法を明示している。その根拠となる子ども一人ひとりの発達アセスメントは、専門職の所見、事業所独自の支援の指標である「発達のめやす」等をベースに検討している。職員は、日々の連絡帳や口頭により子どもの様子を細かく把握、記録しており、給食アンケートの結果なども支援に反映させている。専門職による個別指導では、子どもの発達の基礎を押さえ、その結果はグループの療育に活かされている。
個別支援計画は、保護者の意向とモニタリング結果を丁寧に説明し、同意を得ている
個別支援計画の作成にあたり、児童発達支援管理責任者がマニュアルに基づき、初回相談・発達検査・アセスメント等を専門職と連携して検討し、保護者の意向を丁寧に確認した上で作成している。計画はサービス利用後、半年ごとに見直しを行い、担当職員や専門職によるモニタリングを踏まえて、目標の進捗や達成度、5領域における支援内容をケース会議で共有している。また、保護者との面談では、計画内容を分かりやすく説明し、希望や意向を反映し、同意を得ている。また、面談の際には信頼関係の構築と支援の透明性を意識して行っている。
職員は、ミーティングを通じて共有した情報を記録し、個別ファイルにまとめている
毎日午前・午後のミーティングを通じて、子どもの特性や配慮事項、活動内容の確認を行ない、子どもの様子を職員間で共有している。降所後には、1日の振り返りを行い、改善事項について意見交換の場を設け反省点を記録している。体制ミーティング(毎週金曜日)、リーダーミーティング、合同ミーティング(全職員参加)などの検討の場があり、職員の気づきを得る場として、スーパーバイズ研修を年3回している。これらの情報は、一括して個別ファイルに記録し、いつでも確認できる体制を整えている。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 子ども一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.子どもや保護者の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している
- 計画は、子どもや保護者の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 計画を子どもや保護者にわかりやすく説明し、同意を得ている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.子どもに関する記録を適切に作成する体制を確立している
- 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 子どもに変化があった場合の情報について、職員間で申し送り・引継ぎ等を行っている
1.個別の支援計画に基づいて子ども一人ひとりの発達の状態に応じた支援を行っている
- 個別の支援計画に基づいた支援を行っている
- 子どもの特性に応じて、コミュニケーションのとり方を工夫している
- 関係機関(教育機関、福祉関係機関、医療機関等)と連携をとって、支援を行っている
【講評】
保護者や本人の意向を大切にし、発達状況に応じた支援計画を作成し支援している
事業所では、保護者や子ども本人の意向を尊重することを大切にし、支援計画書を作成している。作成した支援計画に基づき、子ども一人ひとりの発達の状態に応じた支援を行っている。例えば、「泣かずに感情をコントロールすること」を目標とした場合には、発達段階に応じて取り組み計画を立てている。具体的には、気持ちを受け止めること、大人が見本を提示すること、感情に見合ったジェスチャーで表出を促すなど段階を経て支援している。発達状況に応じた取り組み内容を丁寧に保護者に説明することで、理解を得ながら支援することを心掛けている。
共有と振り返りを重ねながら、一人ひとりに応じた丁寧な支援に取り組んでいる
毎朝、ミーティングで個々の支援内容やねらいを共有し、計画に沿った活動となっているかを確認している。活動後には職員同士で振り返りを行い、子どもの発達状況や様子、これまでの療育経験を踏まえて内容を見直している。子どもの特性に合わせ、言葉やモノ、写真、絵、ベルなどさまざまな方法を使い分け、分かりやすいコミュニケーションを工夫しながら支援を実施している。活動中の表情や気持ちに寄り添い、心地良さや楽しいと感じる経験ができることを大切にし、一人ひとりの子どもに見合った、的確で丁寧な支援を心掛けている。
子どもの気持ちの安定と関係性構築を大切にし、柔軟な支援を行っている
様々な支援が効果的となるためには、子どもの気持ちが落ち着き安定していることが重要であると捉えている。そのため、職員との信頼関係を大切にし、日々の関わりの中で、できた時には大いに褒め、一緒に成功体験を積み重ねることで良好な関係性を構築できるよう努めている。また、玩具や遊具、音、素材、音楽、道具を取り入れ、興味や関心、意欲を引き出せるような環境を整備している。状況に応じた柔軟な関わりや丁寧な観察、環境の整備が、支援の積み重ねにつながると考え、常に子ども本人の思いを尊重しながら支援を実施している。
2.【食事の支援がある事業所のみ】子どもが食事を楽しめるよう支援を行っている
- 食事時間が楽しいひとときとなるよう環境を整えている
- 子どもの状態やペースに合った食事となるよう、必要な支援(見守り、声かけ、食の形態や用具の工夫等)を行っている
- 子どもが安全に食事をとれるよう取り組みを行っている
- 食物アレルギーや疾患等については、医師の指示に従い、対応している
- 食についての関心を深めるための取り組みを行っている
- 子どもの状況をふまえ家庭での食事について助言を行っている
【講評】
子どもの食べたい気持ちを尊重し、楽しい食事時間となるよう工夫をしている
子どもが食事を楽しい時間として過ごせるよう、子どもの「食べ方」や「食べる意欲」を大切にして支援している。偏食の子どもには「もう一口」と強制せず、食べたい気持ちに寄り添うよう配慮している。個々の特性を考慮しつつ、友達の様子が視界に入るテーブル配置にするなど、楽しい食事の時間となるよう工夫している。さらに、年1回の給食アンケートで嗜好や希望の形態、アレルギーの有無を把握し、栄養士による喫食状況の把握や食形態、食具の工夫を行い、子どもが自然に「食べたい」と思えるような支援に努めている。
子どもの食事の様子を共有し、家庭と連携したあたたかい食事支援を行っている
事業所での子どもの食事場面に関してだけではなく、生活リズム全体を整えることを大切にし、保護者との協働も大切にしている。保護者の生活リズムや食生活の背景を理解したうえで、無理のない助言を行うことを心掛けている。栄養士は、子どもの喫食状況や咀嚼の様子を踏まえ、保護者へ丁寧に助言を行い、食事に関する悩みに直接答えられる体制を整えている。保護者からの相談内容は担当職員とも共有し、日々の食事支援や環境づくりに反映させることで、家庭と連携したあたたかい食事支援を心掛けている。
一緒に育てる思いを大切に、子どもの食への関心を高める工夫をしている
子どもの食への関心を高めるため、献立表を子どもの興味に合わせて工夫をしている。食事がより楽しくなるよう、トレーの向きや椅子の高さを整えるなど環境面にも配慮している。また、カレーライスの日には、カレー作りの手遊び歌や買い物ごっこのパネルシアターを取り入れる等、日々の活動と食事をつなげて興味を引き出せるよう取り組んでいる。子どもが興味を示す姿を親子通所や並行通所の場合は様子を直接見てもらい、単独通所のクラスでは、保護者の来所時に口頭で伝えたり、そっと様子を見てもらい共有し、一緒に育てる思いを大切にしている。
3.子ども一人ひとりの状況に応じて生活上で必要な支援を行っている
- 身の回りのことは自分で行えるよう、必要な支援を行っている
- 基本的な生活習慣や社会生活上のルール等 (あいさつ、マナー、交通ルール等)を身につけられるよう支援を行っている
- 集団活動を取り入れるなど、子どもの心身の発達や社会性が育つよう支援を行っている
- 一人ひとりの有する能力を活かせるよう個別のプログラムを実施している
- 送迎は、子どもと保護者等の状況に応じて送迎方法を検討し、行っている
【講評】
出来た時の喜びを支えながら、日常生活の基本的習慣の基礎を育んでいる
子ども一人ひとりの状況に合わせ、着替えや荷物の準備など、生活の中で繰り返し取り組むことで、基本的な生活習慣の習得を支援している。自己コントロールのような高度なことではなく、朝起きたら顔を洗う、外出時に服を着るといった生活の中で行うことが自然にできるようになることを目指している。子どもの気持ちや状況に寄り添い、できた時にはしっかり褒めて、できることの喜びを感じられるような支援を心掛けている。日々のミーティングや記録、振り返りを通じて成長や状況を丁寧に把握し、保護者にも発達段階に応じた関わり方を伝えている。
子どもの社会性の芽を引き出せるよう、多くの経験ができるよう支援をしている
小集団での活動を通して、友だちの存在に気づき、物の貸し借りや順番などを経験できるよう支援している。職員が仲立ちとなり、挨拶や玩具の貸し借り、お礼など日々の活動で繰り返し関わることで、社会性の芽を引き出している。様々な特性のある子どもたちにとって、集団活動に必要な力は「見る・待つ・表出」の三つの要素と捉え、周囲の状況を見て何が行われているのかを意識すること、集団活動時に他者を待つこと、わからない時に「わからない」と意思表示することが、社会のルールを学ぶ基礎と考え、職員が見本となりながら丁寧な支援をしている。
子どもの気持ちを大切に、安心して挑戦できるよう丁寧な支援をしている
活動前後の自由時間や個別活動の時間には、子どもの意向や興味・関心に合わせて取り組める好きな活動や、課題に応じた活動を提供している。様々な特性があり、刺激に敏感な子どももいるため、玩具や道具の量を調整する等、環境設定にも配慮している。子どもが自由に安心して能力を発揮できるよう、まずは職員と子どもとの信頼関係を築くことを大切にし、「失敗しても大丈夫」と安心できる関係性のもとで挑戦できるよう支援している。子ども一人ひとりのペースや意向に寄り添い、興味や意欲を引き出せるよう丁寧に関わることを心掛けている。
4.子どもの健康を維持するための支援を行っている
- 子どもの健康状態について、保護者や医療機関等から必要な情報を収集している
- 子どもの状態に応じた健康管理を行い、体調変化に速やかに対応できる体制を整えている
【講評】
保護者と情報を共有し、共に見守りながら子ども一人ひとりの日々を支えている
子どもの健康を守るため、利用開始時には保護者からの申請書で体調や既往歴などを丁寧に把握している。入所後も、看護師や外部の小児科・神経科医の診察の実施、日々の様子の観察を通して子ども一人ひとりの健康状態を確認している。看護師は健康・服薬管理を担当し、毎朝の登所時には子どもの様子の観察や保護者からの聞き取りにおいて体調を確認している。また、職員が関わる中で気になることがあれば保護者に確認し、看護師と情報を共有するなど、子どもが安心して過ごせるよう連携しながらきめ細やかな支援を行っている。
医療情報を整理・共有し、子どもの状況に応じた迅速な対応に活かしている
子どもがけがをして受診が必要な場合に、速やかに対応できるよう、近隣の医療機関の情報をリスト化している。保護者へ受診を勧める際には、必要な情報を丁寧に提供している。また、その時期ならではの健康管理が必要な場合には、猛暑時の熱中症注意喚起や予防接種、薬の取り扱い、身体測定など、必要に応じた情報の発信を行っている。看護師は保護者からの質問に丁寧に対応し、直接顔を合わせてやり取りすることを大切にし、安心できる関係づくりを心掛け、子どもの健康管理を協力して行っている。
整理・清掃と安全管理を通じ、子どもが健康に過ごせる環境を提供している
子どもが過ごす環境の清潔さを大切にしており、専門の清掃員による日常清掃に加え、職員が活動前に部屋の安全や整理状況を確認している。物が散乱していない状態を維持することで、子どもが気持ちよく活動できる環境を整えている。この取り組みは、アレルギーやさまざまな特性を持つ子どもへの配慮にもつながっており、多くの保護者から「清潔で安心できる」との声が聞かれている。日々の環境整備を通じ、誤飲のリスク管理の視点でも、安心して活動できる場を提供することを大切にしている。
5.子どもの主体性を尊重し、施設での生活が楽しく快適になるような取り組みを行っている
- 日常生活の支援は子どもの主体性を尊重して行っている
- 子どもが安心して活動できるよう、状況に応じて室内の環境を工夫している
- 子どもの状況や希望に沿って、多様な体験ができるようにしている
- 【放課後等デイサービス】
子どもの状況に応じて利用日や利用時間を設定している
【講評】
子どもの興味、関心に寄り添い、楽しく快適に活動できるよう環境を工夫している
子どもが主体的に活動でき、施設での生活を楽しく快適に過ごせるよう支援している。最も大切にしているのは、子どもにとって最善の手立てを考えることであり、同時に保護者の視点や家庭での生活も尊重している。子どもの行動や興味を否定せず、遊びに発展させる工夫をしている。例えば、物を投げるのが好きな子にはおもちゃのパラシュートを用いた投げる遊びを、水遊びが好きな子にはペットボトルをつなげた渦巻きの玩具を渡し、水の動きを楽しめるようにしている。興味・関心に応じた環境を整え、子どもが楽しみながら活動できるよう工夫をしている。
さまざまな活動を通じて、子どもの興味や世界を広げる支援を行っている
環境を活かしたさまざまな活動を取り入れ、子どもが楽しく参加できるよう工夫している。サーキット活動では体を動かして全身を使う経験を、スヌーズレン活動では光や音、触覚を楽しみながらリラックスできる体験を提供している。また、水泳療法では水中での運動を通じた感覚刺激を、音楽療法では音やリズムを使って身体で表現する機会を、子どもや保護者の反応に応じて柔軟に提供している。グループ以外の職員や専門職員とのやり取りも良い刺激となり、子どもの世界を広げ、興味や関心を引き出すきっかけとなるよう支援している。
専門職員と連携し、子ども一人ひとりに合わせた安全で居心地の良い環境を整えている
子ども一人ひとりの特性や状況を多角的に捉え、専門職員と連携しながら環境設定や活動内容を工夫している。専門職員がクラスに同席し、保護者からの相談に応じて、体操や一本橋など具体的な活動を提案・実践することもある。安全で危険のない居心地の良い環境を作ることを大切にし、曜日ごとに利用する子どもに合わせ、興味を持ち安全に楽しめる道具やおもちゃを用意し、選択肢の量も個々の状況に合わせて調整している。職員間で話し合いをしながら、安心して過ごせる空間を整え、子どもが楽しく安心して活動できる支援を心掛けている。
6.家族との交流・連携を図り支援を行っている
- 子どものサービス提供時の様子や家庭での普段の様子を家族と情報交換し、支援に活かしている
- 家族の意見や要望を活かした支援を行っている
- 家族の状況に配慮し、相談対応や支援を行っている
- 子どもや家族に合った療育方法等について助言している
【講評】
保護者の思いに寄り添い、家族と良好な関係を築き、協力しながら支援を行っている
家族との関わりでは、保護者の意見を否定せず、その保護者に合わせた言葉を選ぶことを大切にしている。保護者の考え方の背景にも配慮し、親子の状況や育ち方を踏まえて言葉がけを工夫している。言葉だけではなく、例えば子どもの発達段階と保護者の希望が異なる場合でも、最終的な目標は尊重しつつ、現段階で無理のないステップアップを提案し、関係性を築きながら保護者自身が気づけるような支援を心掛けている。子どもだけではなく、保護者の思いも尊重し、良好な関係を築き、家族と協力体制がとれるよう配慮している。
家庭が支えられる環境づくりを大切にし、相談に対し丁寧な対応を心掛けている
家族の状況の変化に合わせ、個別面談を提案したり、通所日以外でも電話で連絡を取りながら相談に対して丁寧な対応を心掛けている。 内容としては、屋外での子どもの行動に関する具体的な相談が増えている。例えば、「公園から帰りたがらない」「道端で座り込んでしまい、今やってはいけないことが分からない」と、具体的な行動への対応に悩む保護者が多い。職員に話しかけやすいよう環境を作る等工夫し、保護者より「いつでも相談にのってくれる」「話を聞いてもらえて気持ちが楽になる」との声が寄せられており、心理的な支えとなっている。
多様性を尊重し、国籍を問わず子どもと家族を理解し支える工夫をしている
地域性から外国籍の利用者も多い。家族交流において大切にしているのは、国籍によって対応を変えるのではなく、子ども本人と保護者を理解し受け入れる姿勢である。その国の文化や価値観の違いを尊重し、「日本ではこうだ」と子育て観を押し付けるのではなく、背景を理解しようと努めている。言葉の壁があっても、心を通わせることを重視し、掲示物を多言語で表記する、食事面に配慮するなど、安心して利用できる環境づくりを心掛けている。このような取り組みを通して、家族との交流や連携を深め、より良い支援につなげている。
7.地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている
- 地域の情報を収集し、子どもの状況に応じて提供している
- 必要に応じて、子どもが地域の資源を利用し、多様な体験や交流ができるよう支援を行っている
- 【児童発達支援センター】
地域全体の在宅障害児や関係機関等を対象に、施設・設備や人材・プログラムを有効に活用した支援を実施している
【講評】
公園や身近な自然を感じる機会を通じて、地域で生きる力を育めるよう取り組んでいる
地域とのつながりを大切にし、子どもの生活の幅を広げることを目的として、活動の狙いに応じた外出を取り入れている。公園では遊具の使い方や順番を待つことを学び、坂道を歩くことで足腰を鍛えるなど、自然や環境を活かした体験をしている。秋には落ち葉拾い等、季節の変化に触れ、身近な自然を感じる機会を作っている。近隣の環境(箱根山や戸山公園)を知ることや、信号を手を挙げて渡るなど交通ルールを学ぶことも、地域での生活力を育む一環として取り組んでいる。保護者からも「順番待ちを理解してきた」など成長を感じる声が寄せられている。
地域の保育所との交流を通じて、安心して集団に参加できるよう工夫を行っている
個別交流では、子どもの居住地域の保育所を訪問し、保護者や職員の引率のもと、同年齢の子どもと関わる時間を確保し、交流の機会を設けている。集団交流では、地域のこども園の協力のもと、関係づくりや大きな集団の経験を目的に年4回実施している。不安のある子どもには、事前に園の写真を見せ「明日行こうね」と伝えることや時間の見通しを伝える、最初は玄関で先生とタッチするだけで帰る、保護者の協力のもと園周辺を事前に散歩してもらうなど、刺激の少ない段階から始め、安心して参加できる工夫をしている。
親子で楽しむ活動を通じ、子どもも保護者も学び、交流できる場を大切にしている
親子参加の遠足を実施している。遠足の主な目的は、子どもが公共の場での過ごし方を学ぶことにあるが、保護者にとっても交流の場として大切にしている。親子での参加を通じて、他の保護者と情報交換や悩みを共有できる機会をつくり、一人で悩みを抱え込まないよう支援している。利用者同士の関わりを大切にし、定期的に行事や活動を企画して仲間づくりの場を設ける一方で、参加するメンバーや状況に応じて交流の深さを調整し、安心して参加できる環境を整えている。
【講評】
子どものプライバシー保護や羞恥心への配慮が職員倫理要綱を通じて徹底されている
職員倫理要綱に基づき、プライバシー保護の配慮を重要な支援姿勢として明確に位置づけている。トイレ介助や着替えの際には、スペースの活用やパーティションの設置など、子どもの安心感を重視した環境づくりを徹底している。また、保護者への報告や職員間での支援内容の共有においては、他者に聞こえないよう別室を使用する、連絡帳やクラスノートで伝達するなど、個人情報の保護に配慮している。さらに、館内において許可なくビデオ・カメラによる撮影禁止に協力を求めるなど、利用者の権利を守る体制を整えている。
職員は、子どもの意思を尊重し、生活場面で意思形成と表出の支援を行なっている
子どもが自分の意思で選択できるよう、子どもに使用するツール(現物・写真・絵)を選定し、生活場面で子どもが選択する機会を設けている。家庭での子どもの様子、日々の事業所内での記録をもとに、子どもの興味があるものを活動の中に取り入れている。さらに、日常から子どもの発達に見合った意思表示のツールを使用し、一人ひとりの意思表示の手法を職員が確認したうえで生活場面の支援を行なっている。少しでも意思を表す行動が自発的にできた時は、必ず子どもの特性に合わせた賞賛のサインによって、達成感を味わえるようにしている。
事業所は、組織的に虐待防止と身体拘束の対応をし、予防と再発防止を徹底している
虐待防止マニュアルに基づき、年2回の虐待防止委員会において検討している。虐待防止委員会の中では、児童発達管理責任者と担当職員を中心として、事故報告やヒヤリハット分析の結果を報告している。身体拘束については、保護者に利用契約時に「安全安楽な姿勢を保持するための行為に関する説明書」に署名をもらっている。また、通所の際にも連絡帳に確認欄を設けている。療育における常同行動・自己刺激的行動、自傷・他害行動などの対応については、虐待防止委員会の中で身体拘束の廃止・防止の手引きを用いて、周知を行っている。
1.子どものプライバシー保護を徹底している
- 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、子どもや保護者の同意を得るようにしている
- 日常の支援の中で、子どものプライバシーに配慮した支援を行っている
- 子どもの羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(子どもが「ノー」と言える機会を設けている)
- 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
- 施設内の子ども間の暴力・いじめ等が行われることのないよう組織的に予防・再発防止を徹底している
【講評】
事業所は、随時にマニュアルを点検し、直接支援の見直しの仕組みを整えている
事業所のマニュアルには、個別支援計画作成、緊急時対応、個人情報保護、苦情解決対応、虐待防止、非常災害対応、感染症予防及び防止、業務マニュアル、安全安楽な姿勢保持に関する取り決め等があり、随時、マニュアルの点検を行っている。特に、直接支援に関する項目を明記した業務マニュアルについて、昨年度末に全体的に誰もが見てもわかりやすいように形式を統一している。また、5領域の支援を基軸としたプログラムの見直しを行う仕組として、児童発達管理責任者を含むリーダー層による運営に関する会議があり、具体的な検討を行なっている。
事業所は、療育の蓄積から標準化した支援の手引きを整え、活用している
集団療育の質確保のために、年度ごとに前年度の担当者がチームに残り、支障なく引継ぎを行なっている。業務マニュアルでは、伝えきれない個人の見解に相違がでないよう、現場で確認を行っている。療育上の配慮は、朝礼、終礼や毎週1回のミーティングで共有している。事業所には、療育の蓄積によって作られた独自の手引書があり、支援の手引きとして職員が参照する(あいあい 発達のめやす)とあそびや教材・遊具の活動のねらい、特徴、使い方を表した「あいあい きほんのき」が存在し、誰もが活用できる標準化した手引きを設けている。
事業所は、打合せ記録を定着化し、誰にもわかる記録づくりを心掛けている
日々の打ち合わせと振り返りを通じて、次回への配慮事項、改善事項が職員間で共有され記録として、個人ファイルにまとめられている。今後は、打ち合わせ記録が確実に作成されるような仕組みをつくり、職員間の情報共有が広がるよう検討を進めている。個別支援計画では、目標・課題に沿った記録をすることを主軸としながら、子どもの発達状況を広範に理解できる記録となるようにしている。事業所内部での記録は専門用語の使用もあるが、保護者へ計画の説明・モニタリングを提示するうえで、子どもの様子がわかる文章や言葉選びになるよう心掛けている。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や子ども・保護者等からの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
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【講評】
今年度より事業所の新たな機能に向けて、その役割と方針を再認識している
児童発達支援センターとして、国が求める4つの機能を明確に位置付け、従来の支援をさらに発展させ、保護者の不安軽減と子どもの発達を支援している。また、学童クラブや保育園など地域の関連機関と連携を図り、相談や助言を幅広く展開する体制を整えている。さらに、民間事業所に対しては伴走型の支援を行い、受給者証の申請から事業所紹介まで包括的に対応する点も特徴である。これらの取り組みにより、0歳から18歳までを対象とした総合的な発達支援の「入り口」としての機能を果たし、安定的かつ持続可能な支援体制の確立を目指している。
新たな組織としての基盤を設け、職員の意見を方針決定に取り組める組織作りをしている
職員のニーズも方針決定に反映しており、常勤・会計年度職員の両者に経験豊富な人材が存在することから、チームワークの強化のための組織編成を行った。今年度からクラス担当制を導入し、セラピストや言語聴覚士など専門職をグループ活動に配置している。これにより年間を通じた総括的振り返りが可能となり、多職種の専門性が活かされている。仕組み変更により意見は多様化する傾向もみられるが、今後の発展を期待している。採用時にはグループ活動への参加意欲を確認し、職員が意見を出しやすい環境づくりを重視している。
基幹施設としての役割を認識し、他機関との連携と区民の支援に向けて取り組んでいる
社会状況や地域ニーズの変化に応じ、区民のインテークや地域への橋渡しを担う役割を強化している。民間施設を地域の重要なパートナーと捉え、合同研修や情報共有を通じて協力関係を築いている。また、親子通常クラスを新設し、保育園・幼稚園との連携を強めている。保護者からは民間施設との比較意見もあるが、公設としての中核的機能を果たし多くの家庭を支えることも重視している。今後は、保護者への役割の明確化や、施設の魅力を正しく伝えられる職員の育成、適切なアナウンス方法の改善を課題としている。