評価結果

標準の評価

基本情報

【法人名称】

社会福祉法人賛育会

【事業所名称】

清風園

【サービス種別】

指定介護老人福祉施設【特別養護老人ホーム】

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

1) 賛育会の理念である「隣人愛」を理解し、共感・感謝しながら接遇を高める
2) 法令を遵守した健全経営と安定した組織をつくり、信頼される施設を目指す
3) 利用者の視点に立ち、自立支援に向けた取り組みができる職員を育成する
4) 職員が働きやすい職場環境を整備する
5) 開かれた施設を目指し、「地域の相談処」を目指すことで地域包括ケアの核となる

職員に求めている人材像や役割

① 人材育成(リーダーの養成)と人材確保
② 経営改善への職員参画
③ 「隣人愛」を実践でき、笑顔と挨拶が自然とできる人

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

① 清風園で働くことに喜びと誇りが持てる人
② クレドに上げている「ともに生きる」 地域と協働と社会貢献活動ができる人
③ 利用者の視点に立つとともに、利用者を取り巻く環境 (家族・生活環境) にも対応できる人

全体の評価講評

特によいと思う点

チームケアの考えの下、連携して課題に対応していくことを基本としています。例えば利用者の安定した栄養摂取のために専門職が各視点から評価を行い栄養課が総括して高リスクの方の支援に当たっている他、機能訓練においては介護職員が生活リハビリの視点を持って利用者の生活機能を維持できるよう、介護が機能チェックして支援に活かしたり、危険予知表で介護と看護で状態の変化を共有する等連携して対応する仕組みがあります。また介護職員がチャレンジシートで利用者支援の目標を達成するために各専門職がそれぞれの立場から実現を支援しています。

介護職員が「チャレンジシート」で掲げた目標に対し、多職種が連携して日常的な支援に反映しています。利用者の生活歴や思いを会話や行動から多角的に把握し、ケアの質の向上に活かしています。特に食事等での選択機会の提供は、本人の主体性を尊重し「できること」を日課や役割として再構築する継続的支援に繋がっています。また、行事参加も事前アセスメントに基づき無理なく促すことで、生活意欲や社会参加意識を高めています。これらの取り組みは、職員自身の主体的な関わりを促進し、強固なチームワークの醸成にも寄与しています。

こども食堂での調理補助や配膳、防災訓練、季節行事への参加など、利用者の体調や関心に合わせた多様な地域交流を実践しています。意思疎通が困難な方に対しても、聴覚反応や表情の変化を捉え、音楽会等の場の空気感に触れる機会を創出しています。これらの取り組みは、発話の増加や生活意欲の向上に寄与するだけでなく、地域での役割を実感することで自己肯定感の維持に繋がっています。また、継続的な関わりは地域住民の理解を深め、顔の見える関係性を築く貴重な機会となっており、共生社会の実現に向けた重要な一歩となっています。

さらなる改善が望まれる点

利用者が快適な生活を送られるよう、日々の整容支援について自分で出来る方には独力で更衣をしたり手鏡や櫛を用意して整容していただくなどの環境を整備しています。また支援が必要な方は朝勤務の職員を担当に配置して支援を行っています。朝に限らず整容の乱れが気になる場合には介護課長や主任が注意を促しています。しかし整容に関する家族からの要望や職員の意識の強化も課題になっています。整容は利用者の尊厳にかかわる重要な課題と考えられますので、職員の意識向上を図るためにも年間の共通課題として取り組んでいくことが期待されます。

日々積み重ねられる個別ケアや行事の実践を通じ、支援の工夫が現場に深く根付いています。ICTツールの活用により、成果や気づきが職員間で迅速に共有されている点も大きな強みです。今後は、アセスメント等で得られた利用者の変化や職員の試行錯誤をより多角的に整理し、可視化することが求められます。デスクネッツやインカムが定着している現状を土台とし、さらに「対話や振り返り」の機会を意識的に設けることで、一人ひとりの気づきを個人の経験に留めず、組織全体の学びや次なる計画へとつなげていく好循環が期待されます。

利用者のより安全な生活を担保するためには、個々の様子や観察に基づき、介護職が中心となって必要な部署の支援を主体的に検討する体制づくりが課題です。この「介護中心型チームケア」を独自の強みにするためには、施設が目指す理想の姿と、それが利用者にもたらす提供価値を具体的に明確化する必要があります。ありたい姿に至る道のりを具体的な中期計画に落とし込み、組織的に推進していくことが期待されます。現場の気づきが専門職を動かし、サービスの質を向上させるという好循環を、戦略的な経営計画のもとで実現していくことが望まれます。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:利用者調査については、利用者の意向や状態を考慮して9名の方を対象者とし、利用者の了承を得ながら聞き取り調査を実施しました。
  • 調査方法:聞き取り方式  
    聞き取り方式にて、評価者4名で調査を実施しました。評価者1人あたり利用者2~3名程度を担当し、ヒアリングは対象利用者様に負担を与えないように行いました。調査は午前10時から開始、午後2時頃に終了しました。
  • 有効回答者数/利用者総数:9/110(回答率 8.2% )

施設への総合満足度は、大変満足22.2%(R6年23.1%)・満足66.7%(R6年38.5%)、合計88.9%(R6年61.6%)の方が満足と評価しています。
多くの方が穏やかな生活に満足しており、職員への感謝の声も聞かれました。一方で、楽しみの提供を求める声もありました。

アンケート結果

1.食事の献立や食事介助など食事に満足しているか

はい 5名 (56%)
どちらともいえない 3名 (33%)
いいえ 1名 (11%)

「はい」と回答した方は55.6%(R6年61.5%)の結果です。 食事について、満足と口に合わない方が居ましたが、好き嫌いはあるものの、食事の量や提供時間、形態は本人の状態に合わせた対応がなされている様子がうかがえました。

2.日常生活で必要な介助を受けているか

はい 9名 (100%)

「はい」と回答した方は100%(R6年76.9%)の結果です。 トイレや入浴など、移動可能な範囲での自立が促されており、適切な介助を受けているようでした。ご本人は自分でできることは行い、介助に満足しており、特に夜間のおむつ交換に感謝の言葉がありました。

3.施設の生活はくつろげるか

はい 9名 (100%)

「はい」と回答した方は100%(R6年92.3%)の結果です。 自分の趣味や好きな過ごし方をしている方は満足しているようでした。趣味や余暇の過ごし方に関する要望がありました。

4.職員は日常的に、健康状態を気にかけているか

はい 7名 (78%)
どちらともいえない 2名 (22%)

「はい」と回答した方は77.8%(R6年100%)の結果です。 職員が熱や血圧の変化など、日頃から体調を尋ねてくれていることに対し、入居者は概ね肯定的です。

5.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか

はい 9名 (100%)

「はい」と回答した方は100%(R6年100%)の結果です。 ほとんどの方は居室の清掃はいつも行き届いていると満足しているようです。

6.職員の接遇・態度は適切か

はい 9名 (100%)

「はい」と回答した方は100%(R6年92.3%)の結果です。 ほとんどの方は職員の言葉遣いや態度、服装も適切と評価されています。

7.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか

はい 9名 (100%)

「はい」と回答した方は100%(R6年76.9%)の結果です。 体調不良時は、看護師や医師へ速やかに連絡され、迅速な対応に安心している様子でした。

8.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか

はい 9名 (100%)

「はい」と回答した方は100%(R6年76.9%)の結果です。 利用者同士のトラブルはほとんどなく、職員を信頼している様子がうかがえました。

9.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか

はい 7名 (78%)
どちらともいえない 2名 (22%)

「はい」と回答した方は77.8%(R6年92.3%)の結果です。 職員は言葉遣いや態度が適切で、気持ちに配慮してくれている、自分に優しく接してくれると感じているようです。

10.利用者のプライバシーは守られているか

はい 8名 (89%)
どちらともいえない 1名 (11%)

「はい」と回答した方は88.9%(R6年76.9%)の結果です。 プライバシーへの配慮について肯定的な意見が多く、海外のスタッフの配慮も評価する声がありました。

11.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか

はい 2名 (22%)
いいえ 6名 (67%)
無回答・非該当 1名 (11%)

「はい」と回答した方は22.2%(R6年53.8%)の結果です。

12.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか

はい 3名 (33%)
いいえ 3名 (33%)
無回答・非該当 3名 (33%)

「はい」と回答した方は33.3%(R6年30.8%)の結果です。

13.利用者の不満や要望は対応されているか

はい 7名 (78%)
どちらともいえない 2名 (22%)

「はい」と回答した方は77.8%(R6年84.6%)の結果です。 入居者からの不満や要望は伝達すれば対応されており、職員の評価は良好でした。

14.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか

どちらともいえない 1名 (11%)
いいえ 8名 (89%)

「はい」と回答した方は0%(R6年23.1%)の結果です。

組織マネジメント分析結果

◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合はで、実施できていない場合はで表しています。

【講評】
多層的な周知体制で理念の浸透を図り、組織の透明性を高める取り組みが進んでいます

組織の透明性を高めるため、多層的な情報共有と周知体制を構築しています。年度当初の職員会議で施設方針に沿った事業計画を共有するだけでなく、日々の決定事項をグループウェア「デスクネッツ」で迅速に回覧し、全職員が同じ情報にアクセスできる環境を整えています。また、年度ごとの事業計画に対して部署ごとに目標を設定し、四半期ごとに評価を実施することで、計画の形骸化を防いでいます。利用者や家族に対しても、懇談会や毎月のお知らせを通じて重要な意思決定やその経緯を丁寧に伝える取り組みが徹底されています。

経営層による積極的な理念の発信と、現場に赴くリーダーシップが発揮されています

経営層による直接的な理念浸透とリーダーシップの発揮が積極的に行われています。理念である「隣人愛」を職員に浸透させるため、毎朝の全体朝礼やフロアごとのミーティングに施設長が加わり、直接メッセージを伝えています。さらに、年2回の全体研修や理事長によるビデオレターの配信を通じて、法人の目指す方向性を多角的に発信しています。職員の自己評価においても、経営層が自らの役割を職員に伝えているとする回答が57.1%に達しており、リーダーとしての姿勢を明確に示すことで、組織の結束力を高める取り組みが成果を上げつつあります。

経営方針の現場への定着を強化し、全職員が主体的に動ける仕組みづくりが望まれます

職員の自己評価において「経営層の役割と責任の理解」が54.8%に留まっており、人材不足により情報共有が難しい現状が指摘されています。経営層は方針を伝えていますが、受け取る側の職員によって意識や行動に差が見られることが課題です。今後は、全職員が理念を「自分事」として捉え、実際のケアや行動に結びつけられるよう、より具体的で分かりやすい動機付けが求められます。現場の声をより積極的に吸い上げ、各職員の行動が理念の実現に直結していることを実感できるようなフィードバック体制の強化が期待されます。

1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
  • 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  • 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  • 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
多角的なニーズ把握を事業計画に反映し、地域社会の期待に応える体制が整っています

多角的なニーズ把握に基づいた戦略的な経営課題の抽出が行われています。利用者懇談会やご家族アンケートを通じて直接的な意向を収集するほか、施設長自らが地域の学校運営協議会や地域包括ケア会議に出席し、地域の福祉ニーズを積極的に把握しています。また、法人内の経営会議や職員会議、さらに「生産性向上委員会」でのアンケートを通じて、現場職員の視点や課題も吸い上げています。これらの情報は単なる現状把握に留まらず、事業所として対応すべき具体的な課題として抽出され、中期計画や年度計画の策定に直接反映されています。

着実な進捗管理と予算編成の連動により、持続可能な地域貢献を実践しています

策定された事業計画の着実な実行と、状況に応じた柔軟な進捗管理体制が整っています。法人の中期3カ年計画に基づき策定された単年度計画は、四半期管理表を活用してその進捗が厳密に確認されています。特に予算編成においては、計画の推進状況に合わせて下期の補正予算を提出するなど、収支状況を見極めながらより良い経営を目指す仕組みが機能しています。職員の目標シートや人事考課面接を通じ、組織の目標が個人の活動にも紐づけられており、組織一丸となって計画を遂行する体制が取られています。

不安定な職員体制下でも、委員会の活性化と現場の自主性を育む支援が求められます

介護課の職員体制が不安定なため、各委員会やフロア行事が計画通りに進まないことが課題として挙げられています。委員会は現場職員の気づきや振り返りの場であり、成長を促す学びの場でもあるため、丁寧な運営が求められます。今後は、若い職員に小さなフロア行事の企画・立案を任せるなど、自主性を育む支援を継続しつつ、人手不足の中でも活動が停滞しない仕組みづくりが必要です。また、戦略課題が具体的な数値として生産性向上やサービス改善にどのように結びついているか、より明確な指標をもって検証し、現場へ共有することが望まれます。

1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  • 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  • 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  • 事業所の経営状況を把握・検討している
  • 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
  • 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  • 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  • 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  • 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
外部専門家とも連携した厳格な権利擁護体制で、利用者の尊厳を確実に守っています

利用者の尊厳を守るための組織的な権利擁護と虐待防止体制が極めて強固に構築されています。全職員を対象とした権利擁護研修の定期実施に加え、毎月の生活部会議や四半期ごとの虐待防止検討委員会を通じて、日々のケアにおける職員の言動を厳格に振り返っています。また、法人の「権利擁護委員会」には外部の弁護士が介入しており、客観的な視点から不適切な行為を監視・防止する体制が整っています。ご家族アンケートでも職員の言葉遣いや態度に対して評価が高く肯定的であり、組織的な取り組みが現場の接遇向上に直結しています。

施設の専門性を活かした「こども食堂」等の活動により、地域貢献が定着しています

地域に開かれた施設として、専門性を活かした独自の社会貢献活動を積極的に展開しています。長期継続している「にこにこ農園」に加え、地域住民向けのお弁当販売「にこにこ清風食堂ワゴン」では、摂食嚥下に障害がある方へ食形態を工夫した食事を提供するなど、福祉施設ならではの専門知識が還元されています。また、地域の中学校からの職場体験を受け入れ、教育委員会から表彰を受けるなど、次世代育成にも寄与しています。事業報告書の掲示や町田市回覧板での情報提供を通じて、地域社会から信頼される組織づくりが推進されています。

生活支援ボランティアの再構築と、環境面の更なる配慮による満足度向上が課題です

ボランティアの受け入れは増加傾向にありますが、その多くが行事中心であり、利用者の日常生活を支えるボランティアの確保が課題となっています。今後、地域との繋がりをより深めるためには、清風園がどのような「生活のパートナー」を必要としているのかを具体的に提示し、働きかける工夫が期待されます。また、ご家族アンケートでは「廊下での匂い」や「掃除用具の古さ」を指摘する声もあり、目に見える環境面での更なる配慮と改善が必要です。これら衛生面への信頼をより高めるため、組織的な清掃・設備更新計画の強化が求められます。

1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
  • 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  • 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
  • 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  • 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
  • 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  • 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
  • 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  • ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
  • 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  • 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  • 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
各委員会の分析に基づく再発防止体制が、安全で質の高いケアを支えています

専門委員会を中心としたリスク対策の体系化と実効性の向上が図られています。事故対策、感染症、防災などの各委員会において、優先順位をつけてリスクを洗い出し、それに基づいた具体的な対策を講じています。例えば、感染症マニュアルの更新により発生時のスムーズな対応が可能になった点は、現場からも高く評価されています。発生した事故やヒヤリハットについては、事故報告書を用いて要因を詳細に分析し、スタッフ会議や経営会議を通じて組織全体で再発防止策を共有する仕組みが定着しています。

規程の遵守とシステム管理の徹底により、利用者情報の安全が強固に守られています

情報の適切な管理とプライバシー保護について、規程に基づいた厳格な運用がなされています。法人の「個人情報保護規程」に則り、サーバー内のフォルダへのアクセス権限設定や、情報の収集・廃棄に関するルールが明確化されています。職員、実習生、ボランティアに対しても、法人のリーフレット等を用いて守秘義務の周知徹底が図られています。利用者情報の取り扱いに関しては、入所時に「個人情報使用同意書」による説明と同意を得ており、ご家族アンケートでもシステムの管理体制や文書の取り扱いに対して評価を得ており、安全管理が機能しています。

BCPの全職員への周知徹底と、最新のリスクに対応する啓発活動の強化が望まれます

自己評価では「BCP(事業継続計画)の理解と役割に応じた対応」に対する肯定回答が半数程度に留まっており、周知と理解の徹底が今後の課題です。マニュアルの整備は進んでいますが、全職員が実際の災害や事故に遭遇した際に、自分の役割を正確に果たせるレベルにまでは至っていないことが伺えます。今後は、研修や訓練の頻度を高め、特に非常勤職員を含めた全職員への意識浸透を図る必要があります。また、モバイルバッテリー発火等の新たなリスクに対する啓発活動や、サイバー攻撃への備えなど、継続的な意識喚起も求められます。

1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
  • 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  • 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  • 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  • リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  • 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  • 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  • 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  • 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  • 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
キャリアパスと連動した手厚い教育体制が、職員の専門性向上を支えています

法人の人事制度と連動した、体系的な人材育成とキャリア開発支援が展開されています。職員は「キャリア開発ラダー」に基づき、上期・下期ごとに上司との面接を行い、自身の意向や経験を踏まえた個別の育成計画を策定しています。研修制度については、非常勤を含む全職員を対象とした勉強会の実施や外部研修の活用に加え、資格取得のキャンペーンなども継続されています。職員の約8割が研修等の機会を与えられていると回答しており、個々のスキルアップを組織として手厚くサポートする体制が整備されています。

良好な人間関係とICTの活用が、職員の負担軽減と働きやすさに貢献しています

職員間の良好なコミュニケーションを基盤とした、働きやすい職場環境の構築が進んでいます。職員調査では「相談しやすく働きやすい」「チームワークが良い」という声が多数挙がっており、これがケアの質の維持に貢献しています。経営層もストレスチェックの結果を経営会議で把握し、産業医による巡回やメンタルヘルス対策を講じるなど、職員の健康を重視した運営を行っています。また、インカムの導入によりリアルタイムの情報共有が可能になり、職員の心理的・肉体的な負担が軽減されたことも、働く意欲の向上に成果をもたらしています。

深刻な人手不足への早期対策と、中堅層の育成による組織の安定化が急務です

深刻な人手不足が常態化しており、離職率の高さが職員の疲弊を招いていることが組織的な課題です。自己評価でも「人材の確保」への肯定回答は33.3%と低く、現場からは「人員補充を早急に」との切実な声が上がっています。過重な業務負担が離職に繋がる悪循環を防ぐため、次年度計画にある「中堅職員の育成」や「中途採用プログラム」の策定を急ぐ必要があります。また、サービス残業の多さを指摘する声もあり、業務の仕分けや効率化を徹底し、職員がやりがいを持って定着できるような労働環境の改善が最優先事項です。

1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
  • 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  • 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
  • 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  • 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  • 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  • 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
  • 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  • 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  • 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  • 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
  • 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  • 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  • 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

経営方針に則り、生活相談課では「安定した稼働の達成」を重点目標に掲げ、110床の特養で発生する空床をショートステイ(SS)で補完する体制強化に努めた。

【取り組みと成果】
SS担当者や他部署(GH・サ高住)との密な情報共有を行い、入所申込者や待機者へのSS利用案内や施設見学会を実施。また、外用掲示板での周知も行った。結果、SS利用に繋がったほか、他事業利用者が抱く特養への抵抗感や制度理解の不足といった課題を把握できた。空床におけるSS利用率は43.5%となった。

【今後の方向性】
SS担当との連携を継続し、空床利用率70%を目指す。退所後の迅速な入所に向け、調整委員会通過者を常時15名確保し、新規入所までの期間を7日間とする目標を設定した。今後は受付時点で他事業の利用状況を把握し、より円滑な事業所間連携と稼働率向上を追求する。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

組織横断的な「Plan(計画)」と「Do(実行)」
単一部署で完結せず、ショートステイ(SS)担当やグループホーム、サ高住といった法人内リソースを巻き込んだ動きが秀逸です。外部掲示板の活用や見学会の実施など、潜在的なニーズ(入所待機者)をSS利用に繋げる具体的な動線が確保されています。

2. 数値化と課題発見による「Check(評価)」
空床利用率43.5%という実績を明確にした点に加え、定性的な収穫として「他事業利用者の特養に対する心理的抵抗感」という真の課題を抽出できたことが大きな成果です。これは、単なる「数字の確認」に留まらない深い分析と言えます。

3. 次のサイクルへ繋げる「Act(改善)」
振り返りを受け、「利用率70%」「入所までの期間7日間」「待機者15名確保」という具体的かつ挑戦的な指標を再設定しています。受付時点での他事業利用把握という「仕組みの改善」も盛り込まれており、次期のさらなる稼働率向上が期待できる、実効性の高いサイクルとなっています。

2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

経営方針である「ICT活用による業務効率化」に基づき、介護課では煩雑なショートステイ(SS)の荷物管理業務の改善に取り組んだ。

【課題と取り組み】
従来、衣類等の確認・写真撮影・PC編集に多大な時間を要し、担当者の負担や残業の要因となっていた。これを解消すべく「もちものチェックアプリ」を導入。運用マニュアルの作成や個別指導を経て、12月から2階、翌2月からは3階フロアへと段階的に運用を広げ、年度末には完全移行を達成した。

【結果と成果】
導入後、従来40分以上かかっていた受け入れ業務が5〜10分へと大幅に短縮された。職員アンケートでも「データ転送の手間解消」「追加荷物処理の簡略化」など高い評価を得た。一方、端末の画面サイズや、荷物量に応じた撮影ルールの運用面、返却忘れの完全撲滅といった課題も浮き彫りとなった。

【今後の方向性】
今後は現場の意見を反映したハード面の検討やマニュアルの再整備を行う。ICT委員会を中心に介護課とSS担当者が連携し、管理体制の更なるブラッシュアップと忘れ物ゼロに向けたルール作りに継続して取り組む。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

1. 現場起点での「Plan(計画)」と「Do(実行)」
「個人差による残業」という具体的課題に対し、アプリ導入による「標準化」を計画しています。また、全フロア一斉ではなく、2階フロアからスモールスタートし、マニュアル整備や個別指導を経て3階へ展開した段階的な導入プロセスは、現場の混乱を最小限に抑える現実的な実行策です。

2. 定量的・定性的な「Check(評価)」
「40分が5〜10分に短縮」という圧倒的な時間削減を数値で証明しただけでなく、アンケートを通じて「データ転送の手間解消」といった職員の心理的負担の軽減まで可視化できています。一方で「iPhoneの画面サイズ」や「撮影枚数のルール」といった新たな課題を即座に抽出できている点も、評価の精度が高い証拠です。

3. 次の改善へ繋げる「Act(改善)」
「忘れ物ゼロ」という究極の目標に対し、ツールのせいにせず「運用ルールの見直し」や「ICT委員会との協議」へと繋げている点は、継続的改善の姿勢を象徴しています。予算面(iPad検討)と運用面(マニュアル改訂)の両輪で次期サイクルを回そうとする構成は、組織全体の生産性向上に大きく寄与するものです。

サービス分析結果

6. サービス分析のプロセス
【講評】
日常の暮らしや支援の姿勢が伝わる情報提供により、理解と信頼が深まっています

パンフレット、広報紙、ホームページを活用し、利用希望者や家族が生活や支援の考え方を具体的にイメージできるよう情報提供を行っています。情報発信は広報委員会が中心となり、各部署から日々の支援や行事、外出活動の様子を集め内容を検討しています。広報紙では、利用者と職員が一緒に外出した場面や日常の何気ないやり取りを写真とコメントで紹介し、施設での「暮らし」や関係性が伝わる構成としています。また、法人の通信やニュースにも継続的に掲載し、実際の取り組みや雰囲気が外部にも伝わるよう情報の工夫が行われています。

高齢者の特性と相談者の状況に配慮した、視覚的な工夫や個別対応が実践されています

文字の大きさや文章量、写真の活用など高齢の利用者や家族の理解しやすさを意識した情報提供を行っています。行事予定表はフロア掲示板に加え、各居室やエレベーター前など生活動線上で目に留まる場所に掲示し、行事や活動の写真も併せて掲示することで雰囲気が視覚的に伝わる工夫をしています。問い合わせや見学の要望は相談員が電話やメールで対応し状況を聞き取りながら日程調整を行い、見学時に実際の生活の流れや支援の様子を案内し、不安軽減につなげています。行政や関係機関とも連携し、相談者一人ひとりに寄り添った対応が実践されています。

1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
  • 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  • 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  • 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  • 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
利用者・家族の理解に寄り添った丁寧な説明と合意形成に取り組んでいます

サービス開始時には利用者本人や家族の理解力や状況に応じて説明方法を調整しています。サービス内容や利用者負担、想定されるリスクについて説明しています。入所当日に契約となる場合には、事前に書類を郵送し、落ち着いて内容を確認できるよう配慮しています。説明中は一方的に進めるのではなく、質問や反応を受け止めながら言い換えや補足を行い、理解と納得を重ねています。建物構造上の制約や対応が難しい点についても正直に伝え、意向を確認したうえで同意を得る姿勢を大切にしており、信頼関係を基盤としたサービス開始につなげています。

説明と合意を重ね安心と納得を支える姿勢が実践されています

サービス開始後は居室担当職員や生活相談員が日常の声かけや家族面談を通じて、契約時の説明と実際の生活や支援にズレがないかを確認しています。不安や戸惑いが見られる場合には、改めて生活の流れや支援内容を説明しています。心身の状態や生活リズムの変化はモニタリング記録をもとに初回サービス担当者会議や定期カンファレンスで共有し、必要に応じてケアプランや支援内容の見直しを行っています。退所や環境変化時には、医療機関や在宅サービス事業所、行政と連携し、サマリーを作成して情報共有を行い、次の生活につながるよう支援しています。

支援の考え方や個別ケアの工夫を見える形で共有する取り組みが期待されます

サービス開始時の説明や意向確認は、生活相談員を中心に利用者や家族の理解度や生活背景に配慮して行われており、合意形成を重ねた支援が実施されています。また、委員会活動を通じて支援の考え方や取り組みの整理も進められています。一方で、看取りの考え方や各フロアで積み重ねられている個別ケアの工夫については、十分に可視化・共有されているとは言えない状況です。今後は、実践の意図や工夫を職員全体や利用者・家族に見える形で共有していくことで、支援の方向性の統一や理解の深化につながることが期待されます。

1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
  • サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
  • サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
  • サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
  • サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  • 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  • サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
統一した手順に基づきサービス場面ごとの課題を明確にするアセスメントを行っています

利用者の心身・生活状況は組織で定めたアセスメント表を用いサービス担当者会議ごとに各部署で確認しています。日常の支援では介護職員によるモニタリングを重視し、食事、排泄、入浴、活動参加などの様子を把握しています。得られた内容はミーティングや情報共有ツールを通じて共有され、ニーズや課題を具体的な生活場面に落とし込んで整理・記録しています。アセスメント表とケアプランは6か月ごとに見直し、退院時や状態変化、ターミナル期などは随時検討する体制を整え利用者一人ひとりの状況に応じた継続的なアセスメントを実践しています。

利用者・家族の希望と専門職の意見を丁寧にすり合わせ、計画に反映しています

施設サービス計画の作成や見直しは、本人や家族からの意向確認を重視し担当者会議への参加や電話連絡を通じて希望を把握しています。来所が難しい家族には、普段の生活状況を丁寧に伝えたうえで意見を求め、会議録を共有するなど関わりを継続しています。本人の生活歴や価値観を大切にし、「新聞記者としての経験を活かした活動」や「礼拝の継続」「好きな本を一緒に選ぶ外出」など、その人らしさに結びついた支援が計画に反映されています。食事や外出、音楽活動などの希望も懇談会等で確認し、楽しみや意欲につながる計画づくりが行われています。

記録と情報共有を基盤として支援の質の向上を図っています

利用者に関する記録は、同一記録ソフトを使用し、支援内容や利用者の変化を具体的に記載しています。居室担当職員が毎月ケアプラン評価を行い、6か月ごとのモニタリングにつなげるとともに、退院時や転倒後など大きな変化が生じた場合には、フロアミーティングやミニカンファレンスを速やかに実施しています。危険予知表や申し送り表を活用し、日中・夜間の留意点や当日の役割を明確にしたうえで業務を開始しています。申し送りや食事前のミニ会議、インカムでの相談を通じて情報を循環させ、記録を根拠とした支援の見直しを継続的に行っています。

1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
  • 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
  • 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  • アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の施設サービス計画を作成している
  • 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
  • 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  • 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録を適切に作成する体制を確立している
  • 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  • 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
  • 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  • 利用者に変化があった場合の情報について、職員間で申し送り・引継ぎ等を行っている
1.施設サービス計画に基づいて自立生活が営めるよう支援を行っている
  • 施設サービス計画に基づいて支援を行っている
  • 利用者の意向や状態に応じて、生活の継続性を踏まえた支援を行っている
  • 介護支援専門員を中心に、介護、看護、リハビリ、栄養管理等の職員が連携して利用者の支援を行っている
【講評】
計画に基づく支援の実施を評価し利用者・家族の意向を踏まえた計画見直しをしています

記録ソフトによりアセスメント、ケアプラン、モニタリング、支援記録等の管理が一括して行われています。記録を根拠に介護の視点から毎月モニタリングが行われ、サービス担当者会議に向けてケアマネジャーを中心として各専門職からの視点を入れた評価が行われています。サービス担当者会議には常勤医師を含めた多職種が参加し、家族も参加しやすいように半年ごとに予定を作成して早めに調整することで、ほとんどの家族の参加が得られています。利用者本人にも可能な限り参加していただき、家族との外出など家族の役割もケアプランに反映しています。

利用者の生活の継続ややりたい事の実現に向けて多職種で連携して支援しています

利用者の意向や状態に応じて入居前の生活が継続できるように、使用していた物品を持ち込んでいただいたり、アセスメントから得た情報を基にこれまでの生活習慣の継続を支援しています。例えばビスケットを毎日食べたい方には家族の協力を得て提供したり、本が好きな方は近くの本屋に職員と出向く、新聞記者だった方に壁新聞を作成していただくなど、利用者のやりたい事の実現に向けて栄養課、リハビリ課、看護課などが連携しながら支援しています。居室担当がチャレンジシートで利用者支援の目標を立て、目標実現に向けて多職種が支えています。

チームケアの考えを基本に据えて各専門職が連携して課題解決に努めています

チームケアの考えの下連携して課題に対応していくことを基本としています。例えば利用者の安定した栄養摂取のために専門職が各視点から評価を行い栄養課が総括して高リスクの方の支援に当たっている他、機能訓練においては介護職員が生活リハビリの視点を持って利用者の生活機能を維持できるよう、介護が機能チェックして支援に活かしたり、危険予知表で介護と看護で状態の変化を共有する等連携して対応する仕組みがあります。介護を中心に据えたチームケアの実現を目指しており、今後介護職員からの発信の機会を増やしていくことが課題でもあります。

2.食事の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
  • 利用者の状態に応じた食事提供や介助を行っている
  • 利用者の栄養状態を把握し、低栄養状態を改善するよう支援を行っている
  • 嚥下能力等が低下した利用者に対して、多職種が連携し、経口での食事摂取が継続できるよう支援を行っている
【講評】
嚥下状態に応じた食事をおいしく食べられるよう個別性の高い食事提供を行っています

利用者の意向や状態に応じた食事を提供するために、嚥下状態をアセスメントし、栄養ケア計画を作成しています。食事は常食の他刻み食やミキサー食、ソフト食など6形態で提供していますが、パンを好む方で嚥下が困難な方には特注でよりソフトな物を提供するなど個別性の高い支援が行われています。家族の差し入れも多いため、サービス担当者会議では家族に嚥下状態を説明しながら写真仕様の食事形態一覧表を提示して理解をいただいています。食事介助時には安全面に注力し、姿勢や自助具、介助方法に対する評価が多職種で行われています。

栄養補助食品を活用したハーフ食やし好品の提供により低栄養状態の改善を図っています

食事や水分の摂取量の低下、体重測定による体重の減少、アルブミン値の変化、褥瘡の有無など、低栄養が疑われる場合には医師に相談の上栄養補助食品の提供を開始しています。また摂食量が低下している方にはハーフ食で提供量を調整して、栄養補助食品で補っています。摂取量が低下しても口からの食事を大切に考え、食事形態や必要な栄養素を選択することで、栄養摂取の確保と嗜好品による利用者の満足が得られるようにしています。そのため家族の協力を得て利用者の嗜好に合った差し入れをしていただくことで、口からの摂取の継続を支援しています。

嚥下能力を多職種・医師の視点から評価し、経口での食事摂取の継続を支援しています

嚥下能力についてミールラウンドの実施により「栄養強化者及び高リスク者一覧表」を作成し、高リスク者・中リスク者・低リスク者毎に、管理栄養士、看護師、機能回復訓練指導員、介護がそれぞれ専門的な立場から、例えば嚥下の状態、食事時の姿勢、食事時の集中度、むせの有無などを評価して、食事介助の際の注意点や自助具の検討、姿勢の見直しなどを一覧表で共有しています。また歯科医師の内視鏡検査と診察結果報告を各フロアに配布して食事ケアの改善に努めています。経口維持加算Ⅰ、Ⅱの算定に準じて経口維持計画に従った支援が行われています。

3.利用者が食事を楽しむための工夫をしている
  • 利用者の嗜好を反映した食事を選択できる機会がある
  • 食事時間は利用者の希望に応じて、一定の時間内で延長やずらすことができる
  • テーブルや席は、利用者の希望に応じて、一定の範囲内で選択できる
  • 配膳は、利用者の着席に合わせて行っている
【講評】
食べる喜びを感じられるようにイベント食での話題作りなどの工夫がされています

利用者に食事を楽しんでいただけるように、毎年テーマを決めて月ごとのイベント食を提供しています。今年度は「花想い」というテーマで、全国のご当地グルメを花の話題と共に提供しており、利用者の希望の多い寿司などがご当地の特徴的な食事として提供されています。イベント食の際には花の写真を一面にしたリーフレットや箸入れを作成してグルメの由来などを説明しており、居室に持ち帰り飾る利用者もいて話題性も合わせて楽しみとなっています。またフロアで可能な方を対象にうな重や麺類、寿司など好みの出前食を実施し楽しみになっています。

委託業者の協力を得て出来る限り個別性の高い食事の提供に努めています

利用者の嗜好に出来る限り沿えるように、個別性の高い支援をしています。例えば食欲不振の方にパンの提供を行う場合も、焼く・焼かない・バターを塗る・塗らない、特注のソフトパンの提供などをしている他、ご飯をおにぎりにするなどの工夫をしたり、嗜好上食べられない場合は代替食で対応するなど委託業者の協力を得て可能な限り柔軟に対応しています。委託業者とは毎月栄養委員会を開催し、管理栄養士、介護等が参加して献立等の検討だけでなく、例えば正月に向けたお餅つきやお屠蘇の準備など行事に向けても協力関係を築いています。

4.入浴の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
  • 利用者の意向や状態を把握して、できるだけ自立性の高い入浴形態(個浴、一般浴等)を導入している
  • 入浴の誘導や介助は、利用者の羞恥心に配慮して行っている
  • 認知症の利用者に対し、個別の誘導方法を実施している
  • 利用者が入浴を楽しめる工夫をしている
【講評】
安全な入浴ができるよう入浴における注意点を共有しながら統一した支援に努めています

利用者の意向や状態、ADL、機能回復訓練指導員の評価を基に個浴・大浴場・機械浴での入浴形態を選択しています。入浴支援では清潔の保持や全身状態の把握に努めると共に、利用者が出来る部分は自分でしていただくように働きかけ、タオルやシャンプー等の入浴道具の準備から、衣服の着脱、洗身、整容までを自立して行う支援をしています。統一した支援が出来るよう入浴に関する指示を入浴チェック表で表示しており、入浴日・血圧の測定・バルーン装置の方の注意点、スライドボード使用などを共有し、変更点は情報共有システムで周知しています。

要望や状態に合わせた入浴調整と羞恥心や認知症のある方への配慮がされています

利用者の要望や状態に合わせて入浴の順番や時間帯を調整しており、長湯を希望する方には長湯がもたらす身体へのリスクなどを説明し、希望の入浴時間がある方はそれぞれの状況を配慮して誘導しています。異性と同空間にならないように調整し、必要に応じてカーテンを使用して羞恥心に配慮しています。また認知症のある方には声掛けを工夫し、拒否が強い場合は時間や曜日を変更しています。ゆず湯や菖蒲湯、入浴剤等により季節感を演出して楽しんでいただいています。今年度は新たな機械浴導入が予定されており、ゆとりのある入浴支援が期待できます。

5.排泄の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
  • 利用者の意向や状態に応じ、自然な排泄を促すよう支援を行っている
  • 排泄の誘導や介助は、利用者の羞恥心に配慮して行っている
  • 研修等によりオムツ交換、トイレ誘導等の排泄介助方法の向上に取り組んでいる
  • トイレ(ポータブルトイレを含む)は衛生面や臭いに配慮し、清潔にしている
【講評】
利用者の意向と排泄状態の評価により自立排泄や適正な排泄用品の使用に努めています

利用者の意向や状態に応じて出来る限り自立した排泄を支援しています。排泄チェック表で尿量や間隔を把握し、タイミングを見計らって立位の状態観察からトイレへ誘導しています。例えば立位が不安定でもトイレでの排泄を強く希望する方には、二人介助で対応するなど意向に沿った支援を行っています。排泄用品についてはチェック表での確認により排泄状態を評価し、適正なパッドを使用したり、布パンツにする、日中・夜間でパッドを変えるなどその方に合った物を選択しています。オムツ交換時には清潔や保湿に注力し快適に過ごせるよう努めています。

自然排便に向けてこれまで以上に専門職間で連携して取り組んでいくことが期待されます

自然排便を促すためにオリゴ糖やオリーブオイル、ファイバー、水分の摂取やトイレでの排泄を試みるなど工夫を重ねています。排泄委員会を中心に排便コントロール一覧表を作成して、1週間程度排便の状態をアセスメントし、課題のある方を抽出して下剤の量等を検討しています。排泄委員会には介護・看護・リハビリ・相談員等が参加し多角的視点から課題の検討をしています。自然排便に向けては栄養・運動・生活リズム・水分摂取等のトータル的視点でマネージメントする必要があり、これまで以上に専門職間で連携して取り組んでいくことが期待されます。

6.移動の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
  • 利用者の状態や意向に応じ、できるだけ自力で移動できるよう支援を行っている
  • ベッド移乗、車イスの操作など移動のための介助が安全に行われている
  • 利用者が快適に使用できるよう車イス等の環境整備が行われている
【講評】
状態や意向に応じて出来るだけ自力で移動できるように歩行練習等に注力しています

入居時に理学療法士が身体状況やこれまでの移動方法を評価し、介護職員と一緒に移乗時の状態やトイレ動作の状況を確認して必要に応じて福祉用具の選定をしています。できるだけ自力で移動できるように10秒程度の立位が保てる場合は歩行器・歩行訓練機、介護による手引き歩行等により歩行練習を始め、その上で移動バーや杖、歩行器の使用、機能別車いすなど最適な移動用具を選定しています。歩行が安定しない方には食堂に近い部屋への入室等の環境整備、生活リハビリとして介護と連携して移動の安定を図るなど自力での移動を支援しています。

車椅子等の福祉機器が適切に利用できるよう統一した管理体制が期待されます

移動介助が安全に行われるように、移乗方法選択シートや移乗動作マニュアルを整備し、介護に周知することで移乗ボードや介護リフト等の移動機器を用いた支援が統一して行われるようにしています。車いすの背張、座張り、ヘッドレスト、フットプレート、座圧の調整、シーティング評価等は理学療法士が行っています。車いすの環境整備については居室担当が管理し、タイヤ空気圧・ブレーキの確認は運転士に依頼し、清潔については洗車依頼のカードを下げて依頼しています。今後防災の観点からも福祉機器の統一した管理体制が期待されます。

7.利用者の身体機能など状況に応じた機能訓練等を行っている
  • 利用者一人ひとりに応じた機能訓練プログラムを作成し、評価・見直しをしている
  • 機能訓練のプログラムに日常生活の場でいかすことができる視点を入れている
  • 機能訓練指導員と介護職員等の協力のもと、日常生活の中でも機能訓練を実施している
  • 福祉用具は、定期的に使用状況の確認をし、必要に応じて対処をしている
【講評】
生活機能評価を介護が行いリハビリを生活の場に活かす視点と動機づけが行われています

個別機能訓練計画を作成するに当たっては生活機能チェックシートによりアセスメントし、利用者の言葉からやりたい事の実現を目標に据えて機能訓練プログラムを作成しています。プログラムに沿った訓練を実施し、3か月ごとに達成状況をモニタリングし新たな課題を抽出しています。3か月ごとの生活機能チェックシートはADLやIADL、起居動作等を評価しますが、日常生活に関与する介護職員がチェックすることでレベルの変化を感じ取り、生活の中での課題を見つけやすくし、職員が利用者の日常生活をリハビリにつなげる動機付けにもなっています。

利用者の希望を取り入れた活動から日常生活の中での機能の維持・向上が図られています

個別機能訓練に加えて集団での体操などの活動が活発に行われており、利用者の希望を取り入れて歌体操や歌カルタ、カラオケ、食事前に懐かしい歌を歌うなど声を出す機会が多くなっています。また個別の楽しみから手芸を希望される方には祭りで使用する法被作りへの協力、館内放送でアナウンスの協力、新聞記者だった方がワープロで原稿を書き壁新聞を作るなど役割を発揮していただき、やりたい事の実現につなげています。また買い物支援で靴を自分で選定して購入し、歩きやすくなったことで歩行に自信を持ち生活の活性化につながっている方もいます。

適正で負担の少ない姿勢で過ごせるようポジショニングの視点を介護と共有しています

食事摂取時にはミールラウンドを行い、安定した姿勢が取れているか、食器やスプーンなどの自助具が適正なものになっているかなどを観察し、機能訓練の視点からの提案を行って多職種で共有して改善に努めています。またポジショニングやシーティングでは介護職員が意味を理解した上で、統一したケアができるように、ポジショニングの目的や必要性を示しながら写真を用いてクッションの種類や当て方を示しています。

8.利用者の健康を維持するための支援を行っている
  • 利用者の状態に応じた健康管理や支援を行っている
  • 服薬管理は誤りがないようチェック体制の強化などしくみを整えている
  • 利用者の状態に応じ、口腔ケアを行っている
  • 利用者の体調変化時(発作等の急変を含む)に、看護師や医療機関と速やかに連絡が取れる体制を整えている
  • 終末期の対応をすでに行っているか、行うための準備が行われている
【講評】
常勤医師の配置や看護・介護の連携の仕組みにより早期の対応が可能になっています

常勤医師が配置されていることから、医療依存度の高い方や基礎疾患のある方の受け入れが可能になっています。健康管理では入居時に検診を行い、年に1回誕生月に検診を行っている他、毎月血圧・体重測定を実施し、看護師が日々のバイタルチェックを行うことで利用者の体調変化に気づき、速やかに医師の診察につなげています。危険予知表で介護と看護で状態の変化を共有する仕組みがある他、通信機器の使用を始めたことで看護師と介護の情報共有がスムーズに行われるようになり早期発見・早期治療につながっています。

医療体制の充実や介護・看護の連携により看取りケアの質の向上が図られています

入居時に看取り指針について説明している他、サービス担当者会議でも看取り対応を説明することで、大多数の方が看取りを希望されています。食欲の低下等状態の変化に応じ、医師からの説明と専門職によるカンファレンスを行い、看取りケアプランを作成して支援しています。常勤医師の配置や喀痰吸引の実施可能な介護職員が約8割いることで看取り体制が充実しています。家族懇談会のアンケートでは看取り介護について知識を深めたい家族も多いことから、今後家族と職員による勉強会を実施するなどして家族と共に看取るケアの充実が期待されます。

9.利用者が日々快適に暮らせるよう支援を行っている
  • 起床後、就寝前に更衣支援を行っている
  • 起床後に洗顔や整髪等、利用者が身だしなみを整える際に支援を行っている
  • 利用者が安定した睡眠をとることができるよう支援を行っている
【講評】
利用者が快適に暮らせる環境や整容に対する意識の向上に向けた取り組みが期待されます

利用者が快適な生活を送られるよう、日々の整容支援について自分で出来る方には独力で更衣をしたり手鏡や櫛を用意して整容していただくなどの環境を整備しています。また支援が必要な方は朝勤務の職員を担当に配置して支援を行っています。朝に限らず整容の乱れが気になる場合には介護課長や主任が注意を促しています。しかし整容に関する家族からの要望もあることから今後の対応が求められます。整容は利用者の尊厳にかかわる重要な課題と考えられますので、職員の意識向上を図るためにも年間の共通課題として取り組んでいくことが期待されます。

安定した睡眠を確保するため環境の整備や睡眠状況の把握に努めて支援しています

利用者が安定した睡眠をとることが出来るよう、眠れない方にはラウンジで過ごしていただくよう配慮したり、モニタリングにより浅い眠りの方の原因を掘り下げ、睡眠剤を服用する方には睡眠状況を精神科医に情報提供して服薬時間・量などの調整を図っています。また眠りスキャンが現在活用できていないため、今年度中には3階フロアの全床に設置を予定しており、これにより利用者の睡眠時の状態・身体状況を把握して生活リズムの改善や健康状態の把握につなげると共に、夜間巡視の際の職員の業務の負担軽減につながることが期待できます。

10.利用者の施設での生活が楽しくなるような取り組みを行っている
  • 施設での生活は、他の利用者への迷惑や健康面に影響を及ぼさない範囲で、利用者の意思が尊重されている
  • 利用者の意向を反映したレクリエーションを実施している
  • 認知症の利用者が落ち着いて生活できるような支援を行っている
  • 利用者の気持ちに沿った声かけや援助を行っている
【講評】
利用者の主体性と自由度を尊重した生活支援が実践されています

利用者の希望は、日常の会話や行動観察、利用者懇談会、居室での聞き取りなどさまざまな場面から把握されています。食事は、飲みたいお酒の銘柄やおつまみ、好きな飲み物や間食を個別に確認し、注文売店や買い物代行、家族の協力を得ながら実現しています。コーラを職員と一緒に買いに行き在庫管理を行う方や、塗り絵やワープロ、エプロン畳みを日課として役割を持つ方など、「できること」「続けたいこと」を生活の中に位置づける支援が行われています。希望は職員間で共有され、賞味期限管理や対応方法も役割分担され継続的な支援につなげています。

活動選択と関わりの工夫を重ね、自分らしい生活づくりに取り組んでいます

懇談会や家族からの要望をもとに外出・外食やフロア行事を計画し、会議で検討したうえで実施しています。買い物や地域行事への参加など制限を最小限にし、利用者の「やってみたい」という思いを尊重しています。認知症のある利用者には否定しない関わりと傾聴を基本とし薬に頼る前にケアでできる工夫を検討する姿勢が職員間で共有されています。書道クラブや音楽の集いは、感覚や記憶に働きかける活動として位置づけられ、表情の変化や睡眠状況の改善などの反応を記録・共有しています。活動の様子を写真や動画で家族に伝える取り組みも行わています。

11.地域との連携のもとに利用者の生活の幅を広げるための取り組みを行っている
  • 定期的な散歩や外食、遠出など外出の機会を設けている
  • 利用者が地域の一員として生活できるよう、地域住民が参加できるような行事など、日常的な関わりが持てる機会を設けている
  • 地域の情報を収集し、利用者の状況に応じて提供している
【講評】
地域の一員として役割をもって関われる機会づくりが行われています

地域の盆踊りや和太鼓行事、防災訓練、ハロウィン行事などに、利用者と職員が共に参加し、見る側にとどまらず応援や役割を担う形で地域と関わる機会が設けられています。子ども食堂では、調理や販売の手伝いに利用者が参加し、地域活動の担い手として関わる経験につながっています。寝たきりで外出が難しい方にも、音の聞こえる場所で行事に参加したり、買い物体験を取り入れるなど、状況に応じた工夫が行われています。地域住民やボランティアとの再会や交流を通じて、利用者が地域の中でつながりを実感できる支援が実践されています。

地域資源を活かし、参加の選択肢を広げる支援が行われています

地域の夏祭りや施設間行事、犬の訪問、傾聴や麻雀ボランティアの受け入れなど、多様な地域資源を日常的に活用しています。利用者の体調や関心に応じて参加を選べるよう、声かけや説明を工夫し、参加が難しい場合も写真掲示やスライドショーによる振り返りを通じて、地域とのつながりを感じられるよう配慮されています。施設内や中庭の散歩、夏野菜づくりなど、身近な場所で地域性を感じられる取り組みも継続されています。参加後の表情や意欲の変化は記録・共有され、次の関わりに活かす循環がつくられています。

12.施設と家族との交流・連携を図っている
  • 利用者の日常の様子を定期的に家族に知らせている
  • 家族や利用者の意向に応じて、家族と職員・利用者が交流できる機会を確保している
  • 家族または家族会が施設運営に対し、要望を伝える機会を確保している
【講評】
日常の様子を丁寧に伝え、家族との信頼関係を築く関わりが行われています

利用者の日常の様子は、ケアプランや広報紙に加え、電話や面会時など状況に応じた方法で家族へ個別に伝えられています。こども食堂での調理参加や農園活動、外気浴、体操、礼拝など、生活の中での具体的な場面や表情の変化を共有することで、施設での暮らしがイメージしやすくなっています。家族から不安や意見が出た際も否定せず受け止め、必要に応じて相談や協力依頼につなげています。感染症による制限緩和後は、生活相談員以外の職員も内容に応じて家族と情報交換を行い、日常的な関係づくりが進められています。

家族の声を受け止め、施設運営や支援改善につなげる仕組みが整えられています

家族や利用者が意見や要望を伝えやすいよう、意見箱や懇談会、苦情相談窓口が設けられています。寄せられた声は意見・苦情カードとして整理され、情報共有ツール等を活用して職員間で共有し、未閲覧者へのフォローも行われています。行事や懇談会では参加しやすさに配慮し、写真の配布や演奏会、おやつ作りなどを通じて交流の機会が工夫されています。家族からの感謝や要望を現場で共有することで、支援の見直しや職員の意識向上につながり、施設運営に家族の声を反映する取り組みが継続されています。

【講評】
日常動線や支援手順に沿って、プライバシー配慮が具体的に実践されています

居室やトイレでの支援時には、カーテンや扉を閉め、入室前のノックや声かけを行うことを共通ルールとしています。個室への立ち入りを望まれない方には、居室前にコールを設置し、入室時に本人が気づけるよう配慮しています。個人宛文書は生活相談員が受領し、原則として本人または家族が開封し、希望に応じて直接手渡しや家族送付にも対応しています。排泄や更衣、トイレ誘導時には羞恥心に配慮した声かけを行い、他利用者の視線が入らない位置やタイミングを選ぶなど、支援場面ごとに職員間で共通認識をもった配慮が積み重ねられています。

本人の意思を起点とした支援を基本に利用者の意思を尊重する関わりが定着しています

支援前には本人の意思を確認し、入浴を希望されない日は別日に変更するなど選択の余地を残した対応を行っています。食事を拒否された場合も無理に勧めず、栄養補助食品の活用や経過観察を行いながら状態を見守っています。意思疎通が難しい方には表情や視線、しぐさ、反応の強さなどから気持ちを読み取る視点を職員間で共有しています。判断に迷う場面では身体拘束適正化や虐待防止の視点から会議で事例を振り返り、対応を検討しています。現場での気づきや改善提案を積極的に共有することにより、利用者の権利と尊厳を守る支援が実践されています。

1.利用者のプライバシー保護を徹底している
  • 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
  • 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い、利用者のプライベートな空間への出入り等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
  • 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
  • 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
  • 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
法人統一と施設独自の手引書を基盤に、迷わず行動できる業務体制が整えられています

法人統一マニュアルに加え、施設独自の手順書を整備し、随時更新することで業務の基本事項と判断の拠り所が明確にされています。新入職員・中途職員ともに業務の基本事項を確認するベーシックカードや業務経験チェックシートを活用し、OJTと面談を通じて段階的に習熟状況を確認する仕組みが確立されています。手順書はフロアに常設し、日常業務の中で即時に確認できる工夫もなされており、職員が不安を抱えたまま対応することを防いでいます。標準化を土台としながら、安心して業務に取り組める環境づくりが進められています。

標準化と対人援助の柔軟性を両立させ、職員の育成とサービス向上につなげています

朝の申し送りや会議で専門職が参加し利用者の体調変化や困りごと、対応に迷った場面を具体的な事例をもとに共有・協議しています。入浴や食事、居室対応など日常支援についても、生活歴や当日の様子を踏まえ確認し職員個人の判断に偏らない対応につなげています。マニュアルや手順書は年1回の見直しを基本とし情報共有ツール等を活用して職員の意見や気づきを反映しています。入職後1か月・3か月・6か月・1年と段階的な研修と振り返りにより理念やケア観を共有し、経験の浅い職員も判断の根拠を理解しながら支援に関われる体制を整えています。

1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
  • 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  • 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  • 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている

事業者のコメント

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評価情報

【評価実施期間】

2025年8月1日~2026年3月10日

【評価者修了者No】

H0404093,H2401062,H0701084

評価結果のダウンロード

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