評価結果

標準の評価

基本情報

【法人名称】

港区

【サービス種別】

短期入所

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

1)共に生きる
2)感じる・・・相手の立場に立ち、その思いに共感します
3)創る・・・・ご利用者の自立を支援し、その自己実現を目指します
4)つながる・・様々な立場の人と誠実に協働します


職員に求めている人材像や役割

法人の理念に基づき、利用者の人権、品質および顧客本位を遂行するために自分の役割を自覚し、責任を持って業務を遂行できる職員

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

・常に利用者の視点に立った支援を意識した行動が取れること。
・短期入所の職員としての視点に加え、センター職員、法人職員として幅広い視野を持つこと。

全体の評価講評

特によいと思う点

事業所は単独型の短期入所事業所で、一日の定員は7名である。平日は比較的予約が取りやすいが、土日や学校の長期休みは予約が取りにくい。こうした状況下でも、アセスメントシートと個別支援計画で心身状況と障がい特性を把握し、日中活動の充実を図っている。随時、ニーズを聴き取りながら、皆での散歩やレクリエーションを実施し、余暇活動の充実につなげている。職員は利用者の定員数が多い中でも、一人ひとり自由に過ごす時間と、皆で楽しめる活動の両立を大切にしながら、日々の支援を充実させている。

事業所では、虐待防止や利用者の安全向上のための組織的な取り組みを推進している。法人の職員行動基準に基づき、職員会議において職員全員が各項目について支援の実践を踏まえて振り返り、適切な支援につなげている。また、虐待防止セルフチェックを年2回実施し、虐待防止委員会で結果を分析し、事例検討や身体拘束の適正化について協議を重ねている。さらに、自然災害や感染症に対応するBCPを策定し、発災直後から事業再開までの手順や連携体制を明確にしている。生活環境にも配慮し、利用者が安全に過ごせるようにしている。

事業所では、サービスを初めて利用する人に対しては、利用前にサービス内容について説明し、かつ利用契約を締結することを原則にしている。しかし、利用希望者の中には、家族の入院等の理由で緊急に短期入所を利用したいと申し出るケースもある。こうしたケースに備えて、事業所では、部屋としても緊急対応用を1室設けているが、さらに契約についても利用開始後に手続きを行うなど、柔軟な対応で臨んでいる。昨年度は、緊急申込みが5件あったが全件とも受け入れている。今年度についても100%の受け入れを目標としている。

さらなる改善が望まれる点

契約締結時に、利用者家族が本人とともに訪れる場合と、家族のみが訪れる場合とがある。後者の場合、本人の状況把握は家族からのヒアリングのみとなり、直接、本人を観察したり、会話をしたりすることはない。この場合、利用開始時に初めて本人と接することになり、契約時には把握できなかった状況を知るケースもある。職員が利用者本人の状況を事前に確認できるよう、契約時には本人同席を可能な限り依頼することも検討に値すると思われる。今後の検討に期待したい。

当事業所では、シフト勤務のため職員会議に参加できる人数が限られ、情報共有が十分に行き届かない状況がある。会議録や引き継ぎファイルで補完しているが、内容の濃淡や伝達不足が課題となっている。また、ベテラン職員と経験の浅い職員との間に認識や期待のギャップも見られるため、毎月の職員会議で気づきや課題、良い実践を共有する機会を設けている。職員が集まりにくい中でも、職員会議を通じた職員間の相互理解を深める取り組みを継続するとともに、確実な情報共有ができるように改善を図っていこくとが期待される。

当事業所では、短期入所に対する地域ニーズの高まりを受け、利用定員を1床増やす計画を進めている。一方で、地域のセーフティネット機能を担う観点からは、地域で生活しながら社会資源と十分につながっていない障害のある方へのアプローチが課題となっている。センターが地域生活支援拠点事業の事務局を担っており、当事業所も登録しているが、未利用者や関係機関とつながりの薄い方もいる。今後は事業内容を積極的に発信し、地域における支援の網を広げていくことが期待される。

事業者が特に力を入れている取り組み

新入職員については、勤務初日は運営法人による研修を受講してもらうが、その後は事業所で教育を受けながら仕事を覚えてもらう体制を組んでいる。教育は、中堅職員が指導者となって教えていくOJTを採用している。指導者職員とともに行動し、一つひとつのタスクについて趣旨や注意点を聞きながら実践するというスタイルで学んでいる。夜勤についても早い時期から定員外として加わり、先輩職員を見習いながら業務内容を覚えている。このような仕組みにより、入職後1カ月後にはOJTも終了し、通常の業務をこなせるように育成している。

事業所では、個別支援計画書を活用して支援の質向上につなげている。短期入所事業では計画策定の義務はないが、事業所では、心身状況、家庭環境、支援に役立つ情報を整理し、計画書を作成している。簡潔で活用しやすい書式を用いて、食事・排泄・入浴・移動・意思疎通・整容・就寝環境などについての支援の必要度を、自立・見守り・一部介助・全介助によりチェックしている。具体的な介助方法を記載する欄も設けている。一読すれば利用者に必要な支援内容が分かるようになっている。職員は計画書の内容を念頭に置きながら、必要な支援を実施している。

事業所では、「短期入所でのご様子(連絡ノート)」を作成し、家族とのコミュニケーションに役立てている。検温、排泄、食事、日中・夜間の様子等が項目化され、家族が利用者の状況を具体的に理解できる内容となっている。職員は家族に伝わるよう丁寧に記入し、家族からの情報も得ることができている。別枠に職員共有用書式もあり、日中のトピックスや配慮事項を記載している。さらに散歩時の様子や昼食メニュー等の写真を別紙に添付し、活動の見える化を図っている。利用中の様子を分かりやすく伝えることで、家族の安心感につながっている。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:令和7年8月~9月の利用者を対象とした。
  • 調査方法:アンケート方式  
    事業所から調査票を配付し、記入後は返信用封筒に封入のうえ、直接評価機関へ返送する形式とした。
  • 有効回答者数/利用者総数:40/64(回答率 62.5% )

調査対象者64名のうち、40名から回答を得ることができた。
満足度の高い項目として、「職員の接遇・態度は適切か」「事業所の設備は安心して使えるか」「利用中の生活はくつろげるか」「利用者の気持ちを尊重した対応がされているか」「利用時の過ごし方は個人のペースに合っているか」などがあげられる。
総合的な満足度では、35名が「大変満足、満足」、4名が「どちらともいえない」、1名が「無回答」と回答している。また、「職員は優しいので安心して利用しています」「食事もおいしく、入浴を楽しみにしているようです」「ゆっくりでき、過ごしやすかったです」「とても良く対応してもらっています」「希望通り予約できないことが増えてきました」などのコメントがあがっている。

アンケート結果

1.利用中の生活はくつろげるか

はい 35名 (88%)
どちらともいえない 3名 (8%)
無回答・非該当 2名 (5%)

35名が「はい」、3名が「どちらともいえない」と回答している。 利用中は落ち着いて過ごせる環境が整っている様子がうかがえるほか、「夜部屋で寝ることが慣れません」などのコメントがあがっている。

2.事業所の設備は安心して使えるか

はい 35名 (88%)
どちらともいえない 4名 (10%)
いいえ 1名 (3%)

35名が「はい」、4名が「どちらともいえない」、1名が「いいえ」と回答している。 設備が安全に整備され、安心して利用できている様子がうかがえる。

3.利用時の過ごし方は個人のペースに合っているか

はい 34名 (85%)
どちらともいえない 3名 (8%)
無回答・非該当 3名 (8%)

34名が「はい」、3名が「どちらともいえない」と回答している。 また、「毎回楽しみにしています」「個人の特性に合わせて対応してくれているようです」「やることがあまりなく、時間が余ってしまいます」などのコメントがあがっている。

4.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか

はい 33名 (83%)
どちらともいえない 3名 (8%)
無回答・非該当 4名 (10%)

33名が「はい」、3名が「どちらともいえない」と回答している。 施設内の清掃や整理整頓が行き届き、清潔な環境が保たれている様子がうかがえる。

5.職員の接遇・態度は適切か

はい 36名 (90%)
どちらともいえない 1名 (3%)
いいえ 1名 (3%)
無回答・非該当 2名 (5%)

36名が「はい」、1名が「どちらともいえない」、1名が「いいえ」と回答している。 また、「いつも丁寧に話してくれます」などのコメントがあがっている。

6.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか

はい 31名 (78%)
どちらともいえない 4名 (10%)
いいえ 1名 (3%)
無回答・非該当 4名 (10%)

31名が「はい」、4名が「どちらともいえない」、1名が「いいえ」と回答している。 体調不良時の対応については、信頼できると感じている利用者が多い様子がうかがえる。

7.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか

はい 23名 (58%)
どちらともいえない 5名 (13%)
いいえ 1名 (3%)
無回答・非該当 11名 (28%)

23名が「はい」、5名が「どちらともいえない」、1名が「いいえ」と回答している。 また、「トラブルはありません」などのコメントがあがっている。

8.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか

はい 35名 (88%)
どちらともいえない 3名 (8%)
無回答・非該当 2名 (5%)

35名が「はい」、3名が「どちらともいえない」と回答している。 また、「対応してくれていると思います」などのコメントがあがっている。

9.利用者のプライバシーは守られているか

はい 25名 (63%)
どちらともいえない 5名 (13%)
無回答・非該当 10名 (25%)

25名が「はい」、5名が「どちらともいえない」と回答している。 また、「わかりません」などのコメントがあがっている。

10.サービスの利用に当たって、利用者の状況や要望を聞かれているか

はい 31名 (78%)
どちらともいえない 5名 (13%)
無回答・非該当 4名 (10%)

31名が「はい」、5名が「どちらともいえない」と回答している。 利用者の状況や要望を聞く姿勢が概ね共有されている様子がうかがえる。

11.サービス内容に関する職員の説明はわかりやすいか

はい 33名 (83%)
どちらともいえない 4名 (10%)
無回答・非該当 3名 (8%)

33名が「はい」、4名が「どちらともいえない」と回答している。 また、「事前に面談がありわかりやすかったです」などのコメントがあがっている。

12.利用者の不満や要望は対応されているか

はい 27名 (68%)
どちらともいえない 5名 (13%)
無回答・非該当 8名 (20%)

27名が「はい」、5名が「どちらともいえない」と回答している。 不満や要望への対応については、概ね適切に行われていると受け止めている利用者が一定数いる様子がうかがえる。

13.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか

はい 20名 (50%)
どちらともいえない 7名 (18%)
いいえ 1名 (3%)
無回答・非該当 12名 (30%)

20名が「はい」、7名が「どちらともいえない」、1名が「いいえ」と回答している。 外部相談窓口の周知については、受け止め方に差がみられる様子がうかがえる。

組織マネジメント分析結果

◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合はで、実施できていない場合はで表しています。

【講評】
職員や利用者・家族に向けて法人理念や重要事項の周知を図っている

事業所は、港区から社会福祉法人友愛十字会が指定を受けて、指定管理者として運営している。法人ホームページでは「共に生きる(感じる、創る、つながる)」という理念や沿革を紹介しており、事業所内にも理念を掲示して利用者や家族に周知している。職員に対しては、入職時のオリエンテーションで動画を活用しながら法人理念や基本方針を説明し、事業計画にも明記している。家族には契約時に法人理念や重要事項説明などを伝えている。リーフレットや事業案内も配布しており、支援方針や重要事項について理解が得られるようにしている。

区や区民の方針を踏まえて事業所の方向性を示し、職員各自の役割も定めている

事業所は区立施設であることから、区や区民の要望を踏まえ、施設長らが区との調整を図り、法人理念や地域ニーズを踏まえた事業所の方向性を示している。事業計画には重点的な取り組みや年間予定を明記し、それぞれに担当者を定めることで、職員が自らの役割を意識して主体的に取り組めるようにしている。計画は職員全体に共有しており、具体的な取り組みへとつなげている。さらに、進捗状況を毎月の業務調整会議で確認し、必要に応じて軌道修正を図るなど、施設長らは事業所運営におけるリーダーシップを発揮している。

重要案件を会議に諮って決定する手順が整備されており、各種委員会も設置されている

事業所では、重要な案件について会議に諮り、決定する手順を整えている。毎月、全職員が参加する職員会議と、役職者による業務調整会議を開催し、役割に応じた協議を行っている。職員会議での意見や提案は次月の業務調整会議で取り上げている。また、事業所のある区立障害者保健福祉センター全体で安全や教育などの各種委員会が設置されており、事業所からも職員が参加して検討を行っている。虐待防止については生活介護と短期入所の合同で取り組んでいる。家族へは、重要な決定事項について適宜お知らせを配布し、必要に応じて電話で連絡している。

1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
  • 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  • 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  • 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
利用者の意向調査を毎年実施し、職員の意向は個人面談や会議を通じて把握している

事業所では、利用者のニーズを把握するため毎年意向調査を実施し、あわせて定期的に第三者評価を受審している。具体的には、受け入れ回数の増加や利用時間の延長、朝の早い出発への要望などが寄せられている。意見を踏まえ、予約方法を一昨年から連絡アプリと電話を併用し、月初に希望を聞いたうえで調整する仕組みに変更し、利便性を高めている。職員に対しては個人面談を行い、職場環境やコミュニケーションに関する意見を聞いている。毎月の職員会議では気づきや課題、良い点を共有し、建設的な話し合いを重ね、改善につなげている。

区や他事業所と連携しながら地域のニーズを把握し、取り組むべき課題を明確にしている

事業所では、区と連携し地域ニーズを踏まえた事業運営を行っている。区内7か所の短期入所事業所による連絡会を定期開催し、持ち回りで見学やテーマ別の意見交換を行っている。虐待防止や緊急受け入れ体制などについて協議し、必要な情報を共有している。また、地域生活支援拠点事業を担う当センターが事務局となり、区から機能を引き継いでいる。地域にはサービス未利用者もおり、こうした方のつながりの拡大や緊急受け入れ先の確保が課題となっている。これらの状況を踏まえ、事業計画で取り組むべき課題を明確にしている。

区の展望を踏まえて事業計画を作成し、重点事項や担当者・スケジュールを定めている

事業所では、区の中長期的な展望を踏まえて事業を推進している。毎年度、単年度の事業計画を策定し、必要な予算編成を行っている。今年度の重点事項として「事業の安定化と稼働率の向上」「安全・安心な支援提供」「余暇活動の提供」「職員の資質向上と権利擁護の推進」「災害や感染症への対応力強化」を掲げている。これらを実現するために具体的な取り組みや数値目標も設定している。さらに、会議体や実施事項の担当者・スケジュールを明確に定めている。取り組みの進捗状況は毎月確認し、着実に実行できるように努めている。

1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  • 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  • 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  • 事業所の経営状況を把握・検討している
  • 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
  • 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  • 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  • 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  • 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
職員行動基準に基づく振り返りを行っており、苦情解決の仕組みも整えている

事業所では、法人の職員行動基準を踏まえ、職員として守るべき法令や規範、個人の尊厳について定期的に振り返りを行っている。職員会議で、職員全員が各項目について支援の実践を踏まえて振り返り、発表している。会議に参加できない職員からは事前に提出してもらっている。苦情解決制度について、館内掲示や契約時の説明を通じて周知し、第三者委員の仕組みも伝えている。苦情は毎月の苦情解決委員会で共有し、施設長ミーティングでも報告している。必要に応じて区へ報告し、速やかな対応を図っている。「利用者の声」という仕組みも導入している。

虐待防止セルフチェックの実施や虐待防止委員会による組織的な取り組みをしている

事業所では、利用者の気持ちを傷つける言動や虐待を防止するため、虐待防止セルフチェックを年2回実施し、結果を集計・分析している。生活介護と短期入所合同の虐待防止委員会で結果を確認し、啓発活動や事例検討、身体拘束の適正化について協議している。また、虐待発見時のフローチャートを掲示し、責任者・担当者を選任して通報手順を明確にしている。虐待の疑いを把握した際は区や関係機関と連携し、適切に対応できるようにしている。日常的な振り返りや組織的な体制整備をを通じて虐待防止の徹底を図っている。

運営の透明性向上に努め、区や他事業所と連携しながらニーズに対応している

事業所では、掲示板や配布資料を通じて活動内容を発信し、利用中の様子を撮影して利用者や家族に配布するなど、運営の透明性向上に努めている。港区と連携し、緊急で受け入れが必要な利用者にも柔軟に対応している。区内の短期入所事業所連絡会では、共通課題の抽出や解決策の検討を行い、協働体制を整えている。設置者である港区から地域ニーズの情報を得るとともに、事業所間で情報共有を行い、短期入所利用希望者の多様なニーズに応えられる体制づくりに取り組んでいる。

1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
  • 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  • 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
  • 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  • 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
  • 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  • 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
  • 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  • ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
  • 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  • 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  • 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
センター全体として事業継続計画を策定し、訓練の実施・結果の評価を継続している

事業所では、センター全体として自然災害および感染症に対応する事業継続計画(BCP)を策定している。自然災害発生時に備え、平日昼間や休日・夜間それぞれの状況を想定し、発災直後から福祉避難所の設営、事業再開までの流れを明確にしている。基本方針や推進体制、リスク把握、優先業務の選定、他施設・地域との連携なども整理している。感染症についても平時からの備えや、発生時の対応などを定めている。また、安全委員会では救急搬送手順や訓練の振り返りを共有している。防災訓練は実施計画と結果評価を行い、継続的な改善につなげている。

事故防止のための取り組みを推進し、利用者が安全に過ごせる環境整備を図っている

事業所では、事故や感染症等が発生した際には、発生要因と対応経過を整理し、必要な是正措置を講じている。返却忘れや薬に関する事例が年間数件発生しており、記録と共有を通じて再発防止策を徹底している。事業計画では「安全・安心な支援提供」を重点に掲げている。稼働率の向上や利用者の多様化に伴い事故リスクの増大が懸念されるため、令和6年度に進めた業務標準化を継続している。さらに、利用者同士のトラブル防止のため、パーテーションの活用や居室を用いた個別支援の環境整備を進め、安全確保に努めている。

個人情報の取り扱いについて利用者・家族の同意を得ており、情報漏洩対策も講じている

事業所では、情報の収集・利用・保管・廃棄に関する規程を整備している。個人情報の取扱いについては利用者・家族へ説明し、同意書を取得している。写真の使用についても意向を確認し、用途ごとに改めて同意を得ている。文書保存に関するマニュアルを整備し、文書管理委員会が方法を定めて適切に廃棄している。各事業所フォルダや法人サーバーにはアクセス権限を設定し、ネット接続を分けるなど情報漏えい防止対策を講じている。一方で、職員が必要な時に情報を活用しやすいように管理している。

1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
  • 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  • 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  • 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  • リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  • 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  • 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  • 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  • 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  • 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
事業所が求める人材の採用に努めており、育成・評価。処遇を連動させている

事業所では、職員採用に当たって求人媒体やハローワークを活用している。一定の給与水準を確保し、専門性と意欲を兼ね備えた人材の応募につなげている。採用時には小論文と面接を行い、支援観や倫理観を含めて総合的に判断している。採用後は面談や評価を踏まえ、事業所の状況や将来の人材構成を見据えた配置を検討している。法人では階層別の福祉職員キャリアパス対応生涯研修を実施し、計画的な育成を推進している。自己評価と面談に基づく能力評価を処遇や昇進に反映させ、育成と評価、処遇を連動させた仕組みを整えている。

職員が必要な研修を受講できるように計画的に取り組み、研修報告も共有している

事業所では、職員一人ひとりの意向や経験を踏まえ、個別面談を通じて育成計画を策定している。希望する研修には可能な限り参加できるよう配慮している。オンライン会議や動画視聴も活用し、学習の機会を確保している。新人職員には法人研修とセンター独自研修を組み合わせ、項目ごとに担当者を定めて丁寧にオリエンテーションを行っている。研修報告は職員会議で共有し、利用者支援に即した意見交換を行っている。また、教育委員会が年度研修計画(虐待防止研修や防災力向上など)を策定し、振り返りを通じて継続的な改善に努めている。

職員の就業状況や健康面に配慮し、安心して働くことができる職場環境を目指している

事業所では、職員が有給休暇を取得できるよう、業務との調整を図っている。役職者が職員と定期的に面談を行い、就業状況や健康面を把握している。定期の面談以外にも必要な場合は随時、業務時間内に面談を行い、職員の状況を確認して適切な対応に努めている。ストレスチェックも定期的に行っている。さらに、センターに設置されている男女共同参画委員会によりハラスメント防止研修や「職場におけるハラスメント防止のための指針」作成も行われており、職員が安心して働ける職場環境づくりに取り組んでいる。

1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
  • 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  • 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
  • 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  • 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  • 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  • 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
  • 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  • 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  • 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  • 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
  • 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  • 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  • 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

【課題・目標】
安全・安心な運営、及び稼働率の向上
【取り組み】
以前は予約方法が先着順であったこともあり、利用の受け入れに関して偏りが目立っていた。そのような背景があり、利用者から公平に予約できるシステムの導入に対する要望があった。昨年度、年間利用日数の少ない人から予約できる利用調整方法に変更し、以前より公平な受け入れが可能となった。現在も同方法で利用予約の調整、管理を行っている。
【結果の検証】
稼働率に関して、毎年利用実績が増加している。
【今後の方向性】
今年度の目標値も昨年度の実数を超える数値を設定している。昨年度見直した予約システムは、利用者、家族から要望を聴き、必要に応じてシステムを改善していく。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

事業所では、毎年、利用希望者・契約者が増加している状況にある。安全、安心な運営を前提にした上で、少しでも多くの利用者の受け入れを実現する必要があるため、上記の目標を設定した。
そのため、先着順で偏りのあった予約方法を見直し、年間利用日数の少ない人から予約できる方式に変更した。これにより公平な受け入れが可能となり、利用実績は毎年増加している。今後も昨年度実績を上回る目標を掲げ、利用者や家族の意見を踏まえながら予約システムの改善を続けていく。
課題・目標の設定(Plan)→具体的な取り組みの実施(Do)→取り組み結果の検証(Check)→今後の取り組みへの反映(Action)という、PDCAサイクルに沿った運営を行っている。

2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

【課題・目標】
休日などの利用時間が長い利用者に対して、余暇活動を提供する。
【取り組み】
休日の日中を中心に近隣への散歩や、館内でのレクリエーション等の余暇活動を実施した。活動内容は、当日出勤の職員が利用者状況を考慮し、決定している。写真撮影が可能な場合は、活動の様子を撮影し、サービス提供記録と一緒に持ち帰ってもらい、実施状況を家族と共有している。
【結果の検証】
休日を中心に実施することを事業所全体で取り組んだことで、実施回数は大幅に増えた。事業計画で実施回数の目標値を定め、その目標値を達成することができた。
【今後の方向性】
休日の日中を中心に余暇活動を実施した結果、平日のみ利用する利用者に対して実施ができない状況が発生し、実施利用者に偏りが出てしまった。そのため、今年度は休日の日中に加え、平日の夜間帯でも可能な範囲で実施を試み、満遍なく余暇活動が実施できるように事業計画の内容を変更した。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

事業所では、毎年、利用者に対して実施する利用者意向調査アンケートにおいて、利用時に楽しめる活動やレクリエーションの時間を提供してほしいとの要望があったため、上記の目標を設定した。
休日など長時間利用する利用者に余暇活動を提供するため、散歩や館内レクリエーションを実施し、写真を通じて家族と共有した。事業所全体で取り組んだ結果、実施回数は大幅に増え、目標も達成した。一方で平日のみ利用する利用者への実施が難しく偏りが生じたため、今後は平日夜間にも活動を広げ、より均等に機会を提供していく。
課題・目標の設定(Plan)→具体的な取り組みの実施(Do)→取り組み結果の検証(Check)→今後の取り組みへの反映(Action)という、PDCAサイクルに沿った運営を行っている。

サービス分析結果

6. サービス分析のプロセス
【講評】
ホームページ等による広報に加え、直接の問い合わせにも丁寧に答えている

区民が当事業所を知る経緯として、(1)港区のホームページ、(2)ケースワーカーや相談支援員からの紹介、というケースが多い。その後に、(a)利用予定者が入所要件を満たしているのか、(b)食事、入浴、排泄などを、実際どう支援してもらえるのか、(c)利用料はどのくらいなのか、など、個別の問い合わせが来ることがよくある。事業所では、こうした問い合わせに丁寧に対応している。さらに、運営法人ホームページで「事業案内」(A4判で3ページ)を閲覧できるようにもしており、利用希望者が必要とする情報を得られるようにしている。

港区の担当者も加わる事業所連絡会において情報交換を行っている

障害保健福祉センターは区立施設であり、事業所としてはセンター内の他の事業者と共同で毎月、区に対して利用状況などの報告を行っている。また、区内には短期入所の事業所が7箇所あり、事業者が集まって事業所連絡会を設立している。連絡会は年に2回程度開催しているが、会合には区の担当部署の職員も参加している。会合では、各事業所から利用実績を報告しあうほか、予約の方法、支援の取り組み、対応に苦労した事例などについて共有を図っている。他事業所との情報交換を通じて、事業所の運営に役立てている。

見学希望に対しては随時対応し、利用希望者の状況も把握している

見学希望は、平均すると月に3~4件の申し込みがある。事業所としては、平日昼間の見学を勧めているが、平日夕方、土曜・日曜など見学者の都合に合わせて柔軟に対応している。当日は、家族のみで来所するケースと、利用予定者本人と一緒に来るケースが半々になっている。到着後、まずはリーフレットを渡し概要を説明した後に、居室、トイレ、浴室、食堂などを順番に案内して回っている。見学者の質問に答えると同時に、事業所としても、自宅での過ごし方、生活上で困っていること、入所した場合の気がかりなことなどを聞き、状況把握も行っている。

1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
  • 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  • 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  • 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  • 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
初めての利用予定者には、サービス内容を事前に丁寧に説明している

事業所見学を終えた後に正式利用を申し出た人に対しては、まずは日中一時利用を勧めている。一時利用を通じて、事業所も本人の状況把握が可能となり、かつ実際に支援することで当該利用者に合わせた支援手順や方法を確認することができている。その後、利用契約締結の場では、まずは契約書、重要事項説明書、個人情報提供同意書等について丁寧に説明するとともに、食事支援、排泄支援、入浴支援の具体的内容について説明している。家族と離れて宿泊するという不安を受けとめ、安心感につながるよう配慮を尽くしている。

利用開始前に利用予定者本人の状況を把握するよう努めている

利用予定者の事業所見学において、また正式利用申し出後の利用契約締結において、利用者本人と連れだって事業所を訪れる家族は半数程度にとどまっている。本人が来所した場合は、本人面談を行い、意向の把握や状況確認を行っている。他方、本人が来所しない場合は、家族に本人の状況を尋ねている。見学時は大まかな聞き取りになるが、契約締結時には、利用申込書に詳細を記入してもらい、聞き取った内容をPCに入力し、合わせて個別支援計画への予備的記入も行っている。本人の状況把握に努め、利用に備えている。

サービス利用を終了する利用者については、関係機関に情報提供も行っている

長期間にわたって利用がないというケースや、グループホームに入居するなどの理由で「今後の利用はない」旨の申し出をしてくる人もいる。利用者の多くは、元々、相談支援員やケースワーカーとつながっているため、事業所としては、利用者のグループホーム入所にあたり、当該相談支援員やケースワーカーに事業所利用時の状況を申し送り、円滑な移行を支援している。

1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
  • サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者等の状況に応じて説明している
  • サービス内容や利用者負担金等について、利用者等の同意を得るようにしている
  • サービスに関する説明の際に、利用者等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
  • サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  • 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  • サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
  • サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
個別支援計画は、毎年度、定期的に見直しを行っている

短期入所の利用者は、契約者としては合計約150名を数えるが、実際の利用頻度は利用者により異なる。そこで、事業所としては、毎年度4月に、昨年度利用実績のあった利用者をピックアップしている。そして、当該利用者が次に利用した場合に個別支援計画を渡すとともに、聞き取りを行って意向や要望を再確認している。その後、個別支援計画を修正し、家族にも意向を聞き取るなどして同意を得ている。実際の運用では、個別支援計画を大きく見直す必要があるような利用者側の状況変化は極めて少ない状況となっている。

口頭による意思表示が難しい利用者についても意向を把握できるよう努めている

職員が意向や要望を尋ねたとき、それに対して口頭で意思を伝えられる利用者は3割程度である。口頭での意思表示が難しい利用者については、利用開始前に家族から意向を聞き取ることも行うが、支援の場では、本人の様々な様子から思いを汲み取るよう努めている。たとえば、態度、素振り、仕草、表情、視線、発声や発音、手の動きなどちょっとした手がかりをもとに思いを推測している。さらに他の職員と意見交換することで、より正しい意向把握ができるよう努力している。「NO」の意向が感じられる場合は無理強いをしないよう配慮している。

利用者の状況や意向を職員間で共有する仕組みを整えている

短期入所の利用者は、日々、異なる利用者から構成され、中には利用が久しぶりという人もいる。このため、職員は当日の利用者情報を事前に把握しておく必要がある。利用者情報が記載された書類は、紙型式のものとPC内に電子保存されているものとがあるが、職員はこの両方を予め閲覧して利用者情報を把握している。また、一日の中では、「職員共有用」と題するノートに当日の利用者情報を書き込み、申し送りをしている。さらに、毎月開催する職員会議では、直近の利用者を中心に状況を報告し、職員全体での情報共有に努めている。

1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
  • 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
  • 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  • アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援方針を作成している
  • 支援方針は、利用者等の希望を尊重して作成、見直しをしている
  • 支援方針を利用者等にわかりやすく説明し、同意を得ている
  • 支援方針は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  • 支援方針を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録を適切に作成する体制を確立している
  • 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  • 支援方針に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
  • 支援方針の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  • 利用者に変化があった場合の情報について、職員間で申し送り・引継ぎ等を行っている
1.個別の支援方針をいかしながら、利用者に合った自立生活を送るための支援をしている
  • 支援方針に基づいて支援を行っている
  • 利用者の特性に応じて、コミュニケーションのとり方を工夫している
  • 必要に応じて、さまざまな情報を提供し、または相談に応じる体制を整えている
【講評】
個別支援計画書を基に、安全を第一にした丁寧な支援を行っている

短期入所を希望する利用者全員の個別支援計画書を作成している。計画書は勤務開始時に職員が確認し、食事、排泄、入浴、移動、意思疎通、整容、就寝環境等の項目ごとに、自立・見守り・一部介助・全介助のレベルに合わせた介助方法を把握した上で支援している。「入所中の生活を安全に楽しく」を統一した支援方針とし、職員は利用者支援に関する共通認識を持って関わっている。1泊2日や2泊3日等で滞在する利用者が、けがや事故なく安全第一に過ごせるよう細心の配慮を行っている。

利用者一人ひとりに合わせたコミュニケーション方法を工夫し、必要な配慮をしている

利用者との円滑なコミュニケーションのため、入所時アセスメントで一人ひとりに応じた関わりを確認するとともに、主たる介護者(家族等)からも詳しく聞いている。事業所では、絵カードや写真カードを用いて、利用者が分かるような伝え方を工夫している。会話ができる利用者には、利用に関する希望や家庭生活の背景などにも配慮し、丁寧に意思疎通を図っている。家族が入院中の場合に、家族の入院についての話題を出さず、利用者の心理的負担を増やさない配慮をすることもある。利用者ごとのコミュニケーションの取り方について職員間で共有している。

家族からの相談に丁寧に対応しており、必要に応じて関係機関を案内している

利用者や家族への情報提供として、当事業所利用に限らず他に必要な支援がないか問い合わせがあった際は、内容を聴き取り関係各所につないでいる。契約時に、相談に対応できることを家族等へ伝えている。子どもに関することは、子ども家庭支援センターや児童相談所を、成人に関することは区の福祉課等を、必要に応じて案内している。連絡先を伝えることで相談者の安心につながっている。重要事項説明書にも相談体制について記載し、家族等へ周知している。

2.利用者の主体性を尊重し、利用中の生活が楽しく快適になるような取り組みを行っている
  • 利用者の状況や希望に沿って生活を楽しめるように取り組んでいる
  • 室内は、利用者の状況に応じて快適で落ち着ける環境・空間にしている
【講評】
利用者の好きなことに重きを置き、自由に過ごすことができている

利用者の好き嫌い等を利用開始時に聞き取り、事業所での生活に反映させている。スマートフォンやタブレットを持参する利用者や、テレビを視ながら過ごす利用者もいる。継続利用している小学生は好きな遊具等で自由に遊んでいる。平日利用者は夕方から朝までの時間帯で、居室でゆったり過ごす者が多い。土日利用者は自由に過ごすことを基本としつつ、メリハリをつけるために散歩等に出かけている。土日は事業所での活動も工夫している。

自宅を参考にして居室環境を整え、安心して過ごせるよう配慮している

アセスメント時に居室環境について聴取し、利用者のニーズに合わせている。ベッドか布団かを確認し、自宅で布団を利用している場合や、てんかん発作のある利用者は布団を使ってもらっている。自宅を参考にして居室環境を整えている。部屋は個室で、風呂、洗濯機、トイレを備え、冷暖房も完備している。時期により加湿器も設置している。パソコン作業等が必要な利用者にはテーブルも用意している。ただし、事業所で準備できる物品には限界があるため、不足する物は自宅から持参してもらっている。

3.利用者一人ひとりの状況に応じて生活上で必要な支援を行っている
  • 利用者の意向を尊重しつつ、自分でできることは自分で行えるよう働きかけている
  • 食事、入浴、排泄等の支援は、利用者の状況やペースに合わせて行っている
【講評】
個別性を大切にした支援を行い、利用者自身のやる気を見守っている

入浴の際は、一人で入れる利用者は自ら入浴している。洗濯については、利用者ごとに支援方法を調整しており、干すまでを利用者が行い、取り込むのは職員が行うケースもある。将来、グループホームへの入所や一人暮らしを考えている利用者には、短期入所期間を活用し「できることは自分で行う」よう働きかけている。一方、能力があってもやりたくない利用者には無理強いせず、様子を見守りながら必要な関わりをしている。

利用者のニーズに合わせて、入浴や食事などの生活支援を実施している

入浴や食事等の生活支援について、実施した内容をサービス提供記録(連絡ノート)へ記入している。職員会議でも報告し、職員間で状況を確認している。入浴は毎日実施しており、必要時は職員が介助している。また、食事については、配食の冷凍品を湯せんして提供し、ご飯と汁物は事業所で準備している。高校生は補食も提供可能としている。リビングで食べることを原則としているが、利用者の要望や状況に合わせて、居室での食事にも対応している。

4.利用者の健康を維持するための支援を行っている
  • 利用者の健康状態や服薬に関して、利用者や家族から必要な情報を収集している
  • 服薬管理は誤りがないようチェック体制を整えている
  • 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
【講評】
フェイスシートや個別支援計画より健康状態を把握し、支援に活かしている

フェイスシートに利用者の健康状態や、発作(様子・対応方法)、服薬(方法・時間・錠剤か散剤か液剤か、入浴後、注意点)等について詳しく記入している。個別支援計画にも発作や緊急時対応の欄を設け、万が一の事態に適切に対応できるようにしている。入所時にも体調や様子を聴き取り、検温や顔色を観察している。アセスメント時に健康面に関する情報を丁寧に聴取し、利用者の生活上の安心・安全につながり、職員の支援にも活かされている。

誤薬防止に向けて様々な取り組みを行い、注意事項を確認した上で支援している

服薬の支援では、誤薬防止のため持参時確認と服薬時確認を必ず複数人で実施している。「服薬確認票」も作成している。複数人で確認しているが、誤与薬が発生しないように注意喚起を行っている。職員はフェイスシートの服薬欄を参照し、飲ませ方、起床時・朝食後・昼食後・夕食後・就寝前の投薬時間、錠剤・散剤・液剤の別などを確認している。入浴後の処置も含め、服薬に関する注意事項を確認した上で支援している。

体調変化に伴う連絡手段が確立しており、適切な対応に努めている

利用者の体調変化に伴う連絡手段を明確に定めている。発作時の対応について、入所時に家族から入念に聴き取り、対応方法を職員間で周知している。一定時間は見守りを行い、見守り切れない場合は速やかに対応を図っている。発熱があれば検温し、37度5分以上が継続する場合は家族へ連絡し迎えに来てもらっている。また、センターの生活介護事業に看護師が配置されているため、タイミングが合えば看護師へ相談し、利用者の状況を確認してもらっている。

5.家族等との交流・連携を図っている
  • 家族等との交流・連携に際して、利用者本人の意思を確認し、その意向に基づいた対応をしている
  • 必要に応じて、家族等への情報提供や相談に乗るなど支援をしている
【講評】
利用状況について家族と情報を共有し、気持ちを受けとめて対応している

2か月先の予約を受け、利用日が近づいた際に確認のため家族に電話で連絡している。必要に応じて利用者本人の様子や意向等についても聴き取っている。入退所時に直接関わる機会もあり、利用者の様子について共有を図っている。利用者と家族の意向が異なる場合は利用者の意向を尊重している。家族には、事業所の対応について説明し、納得を得るように努めている。家族の気持ちを受け止めつつ、できないことはできないと明確に伝えている。

家族からの相談には役職者が対応しており、安心を得られるように配慮している

家族から相談があった場合は、役職者が対応している。相談は主任が受け、判断が難しい場合は施設長が対応している。相談内容としては、グループホームや入所施設に関することも含まれており、事業所のみで対応できない場合は、相談支援事業所等を紹介している。支援に関するクレームや相談は少なく、連絡ノートへ利用者の様子を丁寧に記載することで、家族の不安軽減にもつながっている。

6.地域で自立した生活を送れるよう支援をしている
  • 地域の情報を収集し、利用者の状況に応じて提供している
  • 必要に応じて、利用者が地域の資源を利用し、多様な体験ができるよう支援している
  • 必要に応じて、関係機関(日中活動事業所、相談支援事業所等)と情報共有を行い、支援に活かしている
【講評】
利用者のニーズに応じて必要な情報を提供し、事業所間でも情報交換している

利用者の中には施設入所を希望するケースもあり、相談支援事業所へ相談するよう勧めている。グループホームを希望する利用者も多いが、区内にホームが少なく、入居待ちの状況が続いている。待機が難しい場合には区外や都外施設の利用も勧めている。また、事業所は区内短期入所事業所連絡会に参加し、事業所運営の状況や利用者支援のあり方等について情報交換をしている。話し合った内容は「事業所連絡会議事録」に記録されている。

週末や長期休暇中の利用では散歩に出かけており、日中の事業所とも連携している

週末の利用者や、長期休暇中に利用している子どもらが近隣公園へ散歩に出かけている。障害者保健福祉センター全体の祭りに参加する利用者もいる。短期入所利用者のうち、法人内の放課後等デイサービスや生活介護へ通所する者が約8割と多くなっており、職員が日中活動の様子を把握できる利点がある。日中の関わりで得た情報を、短期入所での支援に活かしている。

【講評】
個人情報保護については、規定を整備して取り組んでいる

個人情報保護については、利用者に対しては、利用契約書において、「職務上知り得た秘密を漏らさないこと」を確約している。同時に職員については、運営法人が定める就業規則において、禁止行為の一つとして「職務上知り得た秘密を漏らすこと」を規定している。入職時には誓約書も徴収している。さらに、障害保健福祉センターとして他部門の職員と合同で実施する研修を開催しているが、個人情報保護については、毎年度、継続して取り上げている。このような取り組みにより、利用者及びその家族の個人情報保護に万全を期している。

利用者の羞恥心については日常的に配慮を心がけている

事業所での生活場面において利用者の体が露出する場面としては、更衣、排泄、入浴などがある。そういう場合の介助は同性の職員が行っている。トイレは、居室内も共用トイレも個室であり、また浴室も個別利用としているので、他の利用者と一緒になることはない。利用者の中には、状況によっては必要以上に衣服を脱いでしまうケースもあるが、そういう場合は、職員はすぐバスタオルでおおう、衝立を立てるなどして、利用者の体が他者の目に触れないよう注意を払っている。利用者の支援にあたって、常に羞恥心に配慮している。

こだわりのある行動や要望についても尊重するよう努めている

利用者の中には、たとえば、来所時はいつも特定の居室を利用したい、談話室にある大画面テレビで番組を見たい、特定のおもちゃで遊びたい、といったこだわりのある要望を持っている人もいる。また、居室ドアに装着されている鍵を外したがる人もいる。このような要望や行動については、他の利用者の要望と重なることや、場合によっては他の利用者に影響が及ぶことも想定されるが、職員としては、他の利用者の状況も踏まえつつ、本人の思いをなるべく叶えてあげることができるよう、円滑な対応のために工夫を重ねている。

1.利用者のプライバシー保護を徹底している
  • 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
  • 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い、利用者のプライベートな空間への出入り等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
  • 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
  • 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
  • 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
マニュアルは運営法人と事業所とで分担しつつ整備している

事業所を運営する社会福祉法人友愛十字会は、350人以上の職員を有しており、事業所についても港区立障害保健福祉センターを含む2つの指定管理事業に加えて12の直営事業所を運営している。さらに、ISO9001の認証もほとんどの事業所で取得している。このため、事業の管理運営や職員の行動規範や服務等をはじめとして、業務運営に必要な様々な事項について運営法人が規定、手順書、マニュアルを作成している。そのため、事業所では、運営法人が策定していない、事業所ごとの個別の業務内容に関わるマニュアルを作成している。

新入職員に対してはOJTを行い、業務レベルを向上させている

新入職員については、事業所でOJTにより個別指導をしながら仕事を覚えてもらう体制を組んでいる。OJTは、中堅職員が担っている。指導職員が新入職員に付き、業務の進め方や留意点を伝達している。OJT自体は1ヶ月で終了するが、その後も先輩職員に教わりながら業務を覚えている。採用3ヶ月の時点で新入職員は「要員の適格性確認」を受けている。これは運営法人共通の仕組みであるが、チェック項目は事業所ごとに異なる。当事業所では、食事、服薬、夜勤など11項目について職員として適切に実行できているかをチェックしている。

研修を積極的に実施し、事業所全体の支援スキル向上を図っている

研修については、(1)法人研修、(2)障害保健福祉センター研修、(3)事業所研修、(4)外部研修、という4つの区分で実施している。(1)は、新人研修などが該当する。(2)は、センター内の他部門と合同して実施するもので、虐待防止、感染症予防等、どの部門でも共通かつ必須の内容を扱う。(3)は事業所独自の研修で、事故防止、精神障害の症状理解、記録執筆、サービスマナーなど多彩なテーマを設定している。(4)では、外部研修を受講した職員による伝達講習も実施している。常に研修に取り組み、職員全体でスキル向上に努めている。

1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
  • 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  • 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  • 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている

事業者のコメント

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評価情報

【評価機関名】

株式会社 日本生活介護

【評価実施期間】

2025年5月22日~2026年3月19日

【評価者修了者No】

H0202088,H1102028,H2201003

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