評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)子ども中心主義
2)子ども達の専厳と人権の遵守
3)子ども一人ひとりの違いを大切に
4)子ども達の家族再統合と早期家庭復帰
5)家庭的養護の推進とグループホーム
職員に求めている人材像や役割
・職員一人ひとりが当国の基本理念を理解しその上で独自の養護理念をもつこと。
・常にイノベーションの意識に基づき高い専門性を持っていること。
・子どもを愛し、人権意識の高いこと。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
・常に専門性の向上に意欲的であること。
・子どもを愛し、子どもの最善の利益の視点で支援すること。
全体の評価講評
特によいと思う点
本園向けに献立表を作成し、各ホームにも参考資料として配布しています。手書きの献立表には、可愛らしいイラストを添えると共に、旬の野菜や栄養面、行事食の由来(おせち料理など)を紹介するコラムを掲載する等工夫しています。また、高校生対象の夏休み料理教室では、自立後にも活用しやすいメニューを取り上げ、写真入りで工程を示した資料を作成しています。レシピ集にはメッセージを添え、継続的な活用につながるよう配布しています。手書き資料はデータ化し、温かみのある内容から他園から貸し出しの要望が寄せられるほど評価されています。
当園では、児童自立支援計画を基盤に、入園時の丁寧なアセスメントから退園後の支援まで、一貫した視点で子どもの自立を支えています。生活の中で把握した子どもの思いや変化を記録し、会議等で共有することで、信頼関係を大切にした支援を積み重ねています。中高生には自活訓練や進路体験等を通して主体的な選択を支援しています。退園に向けては、ケースワーク推進部門が中心となり、児童相談所や関係機関と連携し、同居に限らない家庭復帰を多様な形で捉え、本人の意思を尊重した段階的な支援と切れ目のないアフターケアにつなげています。
職員育成に対する意識が高く、組織として人材を大切に育てようとする姿勢が一貫しています。新規職員の採用にあたっては、実習生としての受け入れからインターン経験を経て、現場職員の意見を踏まえて判断しており、業務適性や子どもとの関わりを丁寧に見極める仕組みが整えられています。また、採用後は職歴や経験年数に応じたOJTが計画的に実施され、段階的に役割や責任を担えるよう配慮されています。さらに、キャリアアップ部門を中心として園内研修に加え、外部研修への参加も体系的に位置づけ、専門性と支援力の向上につなげています。
さらなる改善が望まれる点
支援の質的向上に向けて不断の努力が重ねられています。一方でチームワークのさらなる充実が課題として認識されています。日々の業務においては公平な役割分担を意識しているものの、職員によっては業務負担の受け止め方に差が生じ、「自分ばかりが担っている」と感じる場面も見受けられます。こうした認識のずれは、子どもが抱える課題に対するチームとしての支援の一体性や質に影響を及ぼすおそれがあります。今後は、ホーム長や部門長に集中しがちな職責や業務内容を整理し、役割分担の明確化と業務負荷の分散を図る体制づくりが望まれます。
高校生プログラム内の座談会において、子どもが自由に意見を表出できる機会が保障されています。日々の生活の中で不満の声が挙がった際には、子どもから「座談会で言ってみたら」との声が聞かれるなど、意見を発信する場として定着しています。最近では、スマートフォンの使用ルールの緩和や昼食代の増額など要望が挙がり、職員間で検討が重ねられ、ルールの見直しが実現しました。今後は、職員による検討にとどまらず、子ども自身が議論に参加し考える機会を設け、段階を踏みながら自己決定を経験し主体性が育まれる取り組みが期待されます。
当園では、業務マニュアルを体系的に整備し、職種ごとの手引書も含めて、職員が共通理解のもとで支援にあたれる体制を整えています。現場職員の気づきや意見を生かし、実情に即した見直しを重ねています。一方で、マニュアルの量が多く、必要な情報にアクセスしにくいという点がみられ、日常業務における実効性のさらなる向上が求められます。現在は園長を中心に、クラウドを活用した整理や検索しやすい管理方法の検討が進められており、活用場面や優先度を意識した整理と周知を重ねることで、業務の標準化と実効性が一層高まることが期待されます。
事業者が特に力を入れている取り組み
生活している子ども一人ひとりへの丁寧な生活支援をすべての取り組みの基盤に据えています。地域支援や相談活動など外部に向けた活動にも積極的に取り組んでいますが、その前提として、日々の暮らしの安定や安心感を保障する生活支援を何よりも重視しています。新たな事業や活動を展開するにあっても、支援の軸がぶれることのないよう、子どもとの日常的な関わりを最優先とする姿勢が職員間で共有されています。生活場面での細やかな関わりを通じて子どもの思いや変化を丁寧に受け止め、その積み重ねをもとに地域支援や相談活動へとつなげています。
当園では、居室の担当職員や心理職員をはじめとする多職種の専門的視点を生かし、子どもの特性や背景を丁寧に捉えた自立支援計画策定に力を注いでいます。入園時のインテーク情報に加え、生活場面での様子や心理職員・看護師の所見を踏まえてアセスメント表を作成し、リーダー職員の助言も得ながら理解を深めています。子どもとの関わりで得た気づきや変化、保護者の来園時の聞き取りや児童相談所からの情報を踏まえ、園独自のDO計画により進捗を確認し、多職種と連携したモニタリングを重ね、個別性の高い自立支援と子どもの成長につなげています。
中高生を対象に、「同意」をテーマとした性教育を実施しました。グループディスカッションやロールプレイを中心に、それぞれ感じ方や受け止め方が異なることに気付く機会となりました。また、動画を活用し、「NO」と言えるスキルや「いい?」と確認することの大切さ、表情から相手の気持ちを読み取ることなどを視覚的に学ぶことで、理解を促しています。職員も同席するほか、年齢や特性に応じた実践や職員向けワークショップでの学びなど、さまざまな機会を通して、生と性に関する職員の知識や理解を深め、意識の向上にもつなげています。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:【児童数】 54名
【調査対象者数】 49名
・事業所と協議の上、一部の未就学児を除き、共通評価項目による調査をおこないました。 - 調査方法:アンケート方式,聞き取り方式
・事業所と協議のうえ、子どもの状況にあわせて聞き取り調査とアンケート調査を実施しました。 - 有効回答者数/利用者総数:42/54(回答率 77.8% )
【総合的な感想】 「よい・少しよい」を合計した満足度は54.8%です。「よい」が40.5%、「少しよい」が14.3%、「どちらともいえない」は23.8%、「少しよくない」が11.9%、「よくない」が7.1%となりました。
【各設問】 「はい」の回答割合が最も高かったのは、問5「施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか(78.6%)」で、次いで問4・7「自立に向けた支援について、多様な選択肢から情報提供や相談対応がなされているか、病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか(71.4%)」となりました。一方、「はい」の回答割合が最も低かったのは、問13・14「自らの権利について、さまざまな機会をとらえて職員はわかりやすく教えてくれるか、子どもの不満や要望は対応されているか(50.0%)」でした。
【前回との比較】 前年度と比べ、10項目で「はい」と回答した割合が上昇しています。
【自由意見】 優しい人が多くいる、子どもと大人の仲が良い、広いところが良い、今のまま変わらずお願いしたいなどの良好な意見が出ています。また、スマートフォンの所持や門限・就寝・ゲームなどの時間、ルールの差などについて要望が出ています。
アンケート結果
1.食事の時間が楽しいひとときになっているか
【回答割合】 「はい」が54.8%となりました。 【前回との比較】 「はい」の回答割合が2.5ポイント上昇しています。 【自由意見】 お話が楽しい、思い出話をしていつも笑って話している、みんなでワイワイできる、好きな食べ物が出る、といった意見が出ています。一方、楽しくない時もある、けんかが多い、自分だけ怒られる、という意見も出ています。
2.施設での時間の使い方や衣服・物の所有について、職員は意見を尊重してくれているか
【回答割合】 「はい」が66.7%となりました。 【前回との比較】 「はい」の回答割合が5.3ポイント上昇しています。 【自由意見】 希望をいうと職員が聞いてくれる、尊重してくれる、買い物など長い時間つきあってくれる、といった意見が出ています。一方、時と場合による、人によって言うことが違う、似たようなものはダメと言われる、という意見も出ています。
3.子どもの年齢や特性、個別事情に応じて生活の約束ごとの説明を受けているか
【回答割合】 「はい」が54.8%となりました。 【前回との比較】 「はい」の回答割合が6.6ポイント下降しています。 【自由意見】 質問したら答えてくれる、子ども会の時に教えてもらった、ホームの大人一人ひとりと話し合う場がある、といった意見が出ています。一方、ルールはあまり分からない、納得できないものもある、という意見も出ています。
4.自立に向けた支援について、多様な選択肢から情報提供や相談対応がなされているか
【回答割合】 「はい」が71.4%となりました。 【前回との比較】 「はい」の回答割合が1.0ポイント上昇しています。 【自由意見】 将来のことを話してくれる、自分の意見を聞いて良い提案をしてくれる、高校受験についてよく相談しているといった意見が出ています。将来の夢に関する意見も出ていました。一方、自分から話さない、まだ相談していない、という意見も出ています。
5.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
【回答割合】 「はい」が78.6%となりました。 【前回との比較】 「はい」の回答割合が14.9ポイント上昇しています。 【自由意見】 全部きれい、使った物をきれいに元の場所に戻してくれる、日頃丁寧にしているのできれい、夜はみんなで掃除している、といった意見が出ています。一方、ホールがたまに汚い、最近は掃除されていないことが多い、という意見も出ています。
6.職員の接遇・態度は適切か
【回答割合】 「はい」が64.3%となりました。 【前回との比較】 「はい」の回答割合が2.9ポイント上昇しています。 【自由意見】 優しく言ってくれる、大丈夫、みんな個性が出て良いと思う、といった意見が出ています。一方、たまに機嫌が悪くて話しかけづらい職員がいる、たまに言葉遣いが荒いことがある、自分だけが悪くないのに怒ってくる、という意見も出ています。
7.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
【回答割合】 「はい」が71.4%となりました。 【前回との比較】 「はい」の回答割合が8.1ポイント下降しています。 【自由意見】 対応が早い、いつも支えてくれる、病院を予約してくれたり手当てをしてくれる、おかゆを作ってくれる、病院に連れて行ってくれる、といった意見が出ています。一方、伝えても対応してくれない人がいる、たまに後でと言われることがある、という意見も出ています。
8.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
【回答割合】 「はい」が57.1%となりました。 【前回との比較】 「はい」の回答割合が0.3ポイント上昇しています。 【自由意見】 話をちゃんと聞いてくれる、助けてくれる、すぐに止めてくれる、トラブルがない、といった意見が出ています。一方、人による、対応してくれる時としてくれない時がある、あまり信頼できない、大人としては解決しても子どもは納得いっていないことがある、という意見も出ています。
9.子どもの気持ちを受け止め、尊重した対応がされているか
【回答割合】 「はい」が54.8%となりました。 【前回との比較】 「はい」の回答割合が4.3ポイント下降しています。 【自由意見】 話を聞いてくれる、大切にしてくれている、職員と遊んでいる時に感じる、心理職員だけでなく担当職員も寄り添ってくれる、といった意見が出ています。一方、自分の気持ちは言わない、言葉で言っても本当にそう思っているかあやしいと思う、年下優先の対応が見られる、という意見も出ています。
10.子どものプライバシーは守られているか
【回答割合】 「はい」が64.3%となりました。 【前回との比較】 「はい」の回答割合が2.9ポイント上昇しています。 【自由意見】 守ってくれている、秘密にしてくれる、といった意見が出ています。一方、分からない、内緒にしてくれない人が何人かいる、という意見も出ています。
11.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか
【回答割合】 「はい」が64.3%となりました。 【前回との比較】 「はい」の回答割合が3.9ポイント下降しています。 【自由意見】 聞いてくれる、日頃助かっている、個別のプログラムがある、といった意見が出ています。一方、言い忘れる、聞いてくれるけどあやしいと思う、という意見も出ています。
12.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
【回答割合】 「はい」が66.7%となりました。 【前回との比較】 「はい」の回答割合が5.3ポイント上昇しています。 【自由意見】 納得できる、分からない時は聞くように言ってくれる、言い合ったことがあったが結果として職員が正しかった、といった意見が出ています。一方、話の内容は分かるが納得はいかない、という意見も出ています。
13.自らの権利について、さまざまな機会をとらえて職員はわかりやすく教えてくれるか
【回答割合】 「はい」が50.0%となりました。 【前回との比較】 「はい」の回答割合が2.3ポイント上昇しています。 【自由意見】 教えてくれる、話し合っている、具体的にしてくれる、といった意見が出ています。一方、知らない、あまり話してくれない、という意見も出ています。
14.子どもの不満や要望は対応されているか
【回答割合】 「はい」が50.0%となりました。 【前回との比較】 「はい」の回答割合が6.8ポイント下降しています。 【自由意見】 子どものことを考えて話してくれる、できないこともあるがそう思う、といった意見が出ています。一方、時と場合による、すぐに会議をしてくれない、言い訳をして変わらない、という意見も出ています。
15.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
【回答割合】 「はい」が69.0%となりました。 【前回との比較】 「はい」の回答割合が12.2ポイント上昇しています。 【自由意見】 児童相談所の人が来て話してくれる、学校の先生に話せる、伝えてくれる、といった意見が出ています。一方、納得できるが話しにくい、伝えてもらったことがない、という意見も出ています。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
第三者評価の利用者調査結果を分析し、運営に反映する取り組みがおこなわれています
日常生活の中での聞き取りや子どもホーム会議、嗜好調査アンケート、高校生座談会などを通じて、子どもの意向を継続的に把握しています。加えて、若手職員が中心となって第三者評価の利用者調査結果を分析し、運営に反映する取り組みが行われています。職員の意向についても、自己評価の自由記述や園長との個別面接、部門長会議を通じて把握されています。さらに、要保護児童対策協議会や学校、青少年委員会への参加により、地域ニーズや行政動向の情報収集も行われています。多方面から得られた情報を総合的に整理し、課題抽出につなげています。
中長期計画として第五期五か年計画Project21を策定し、体制を整えています
理念の実現に向けた中長期計画として第五期五か年計画「Project21」を策定し、9名の委員による推進体制を整えています。計画は事業計画に明確に位置づけられ、すでに実現している項目も確認されています。単年度計画についても、Project21で示された方向性を踏まえて策定されており、中長期計画と年度計画の連動が図られています。また、予算編成も事業計画に基づいて行われ、計画実行を財務面から支える仕組みが整っています。園が掲げるビジョンは、具体的な計画として整理され、組織全体で共有されている状況がうかがえます。
委員会で進捗状況が定期的に確認され、必要に応じて計画の見直しがおこなわれています
Project21の推進にあたっては、委員会において進捗状況が定期的に確認され、必要に応じて計画の見直しが行われています。目標の達成度や課題について話し合い、状況に応じて柔軟に対応することで、計画が形骸化しない工夫がなされています。また、進捗状況は事業報告等にも整理され、職員が計画の現状を把握しやすい環境が整えられています。一方で、地域住民への相談事業の展開や外部資源のさらなる活用については、今後の課題として認識されています。計画管理と検証を継続的に行う体制は十分に機能しており、今後の発展が期待されます。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
子どもの安全・安心を護る委員会を立ち上げ被措置児童等虐待の防止に取り組んでいます
「子どもの安全・安心を護る委員会」を立ち上げ、児童福祉法第33条に基づく被措置児童等虐待の防止に取り組んでいます。また、「児童養護施設における人権擁護のためのチェックリスト(職員版)」を年2回実施し、職員の理解を点検しています。加えて、職員倫理綱領を定め改訂を行い、就業規則の服務規律に守るべき規範を具体的に明文化しています。さらに職員会議では、他園で発生した権利侵害事例を取り上げ、自らの支援を振り返る機会としています。法・規範・倫理を組織的に周知し、遵守を定期的に確認する仕組が機能しています。
苦情解決の仕組みをポスターで子どもに周知し、第三者委員の氏名等を明示しています
苦情解決の仕組みをポスターで子どもに周知し、第三者委員の氏名・連絡先を明示しています。今年度からはポスターにQRコードを添付し、相談ルートの拡張を図っています。さらに、苦情解決委員会を開催して状況報告を行ったうえで、子どもと夕食を共にするなど、第三者委員と自然に関われる機会を設けています。保護者に対しても「保護者の方々へ」で制度を説明し、事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを伝えています。子どもが声を上げやすい環境を整え、意見・要望・苦情を多様な方法で把握する体制を強化していると評価できます。
玄関ロビーに情報公開ファイルを設置して一般に公開するなど、透明性に努めています
ホームページで活動を開示し、玄関ロビーに情報公開ファイルを設置して一般に公開するなど、透明性向上に努めています。ガーデンパーティーに地域住民を招待する他、ボランティア受け入れ窓口の設置、手引きの配布、保険加入、連絡帳による継続的な意見交換など、受け入れ体制を整えています。加えて2020年度より世田谷区の委託を受けてフォスタリング機関業務を開始し、子ども子育て研究所を本格始動させ、地域住民の育児相談や親子参加型イベントの企画を進めています。さらに、災害時の一時避難場所を提供するなど地域貢献を具体化しています。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
事業運営を阻害する恐れのあるリスクについて職員会議で共有し、対策を講じています
事故、感染症、侵入、災害など事業運営を阻害する恐れのあるリスクについて職員会議で共有し、優先順位を意識した対策を講じています。年度当初には図上防災訓練を実施し、加えて毎月の防災訓練を通じて職員の役割理解を深めています。夜間の見回りや救急法講習、嘔吐物処理OJT、自転車講習会、ネットランチャーの実演、防犯カメラの設置など、具体的で実践的な取り組みが確認できます。リスクを抽象的に捉えるのではなく、日常業務に即して備える姿勢を職員に根付かせています。計画性と実践性を兼ね備えた取り組みとして機能しています。
災害や重大事故に備えた事業継続計画BCPを策定し、日常的な訓練と結びつけています
災害や重大事故に備えた事業継続計画(BCP)を策定し、日常的な訓練と結びつけて運用しています。防災訓練や夜間見回り、救急法講習を継続的に行うことで、非常時にも事業を継続し子どもの生活を守る体制が整えられています。災害時の対応手順や職員の責務については職員会議で確認され、「保護者の皆様へのお願い」を通じて家庭への周知も図られています。園内にとどまらず関係者を含めた理解促進が進められています。訓練を重ねることで、非常時の判断や行動に迷いが生じにくい環境が整っており、BCPが実効性を伴って活用されています。
関係者全員に対して事前オリエンテーションを実施し、守秘義務の理解を徹底しています
情報管理においては、個人情報保護規程や就業規則に基づき、実習生やボランティアを含む関係者全員に対して事前オリエンテーションを実施し、守秘義務の理解を徹底しています。情報はポータルサイト、子どもの記録管理システム、業務日誌システム、業務改善サービスの4つの運営支援システムで管理され、必要な職員が必要な時に活用できる体制が整えられています。一方で、業務用パソコンのパスワード管理、職域ごとのアクセス権限設定、サーバー管理、書庫の施錠、夜間の防犯警備、UTM設置など、多層的な漏えい防止策が講じられています。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
支援の実現に必要な人材確保に向け、インターン制度を活用した採用をおこなっています
園が目指す支援の実現に必要な人材確保に向け、インターン制度を活用した採用を行うとともに、給与改善や法を超える育児休業制度、宿舎借り上げ制度など福利厚生の充実を図っています。加えて、全職員を対象に年2回以上の面接を実施し、キャリアプランシートを用いて意向や適性を把握したうえで、子どもにとって最善となる配置が行われています。職員の安心感と働き続けやすさを支える基盤となっており、定着率向上にも寄与しています。人材確保から育成、配置までを一体的に捉えた運用は、組織の安定性を高める実践として評価できます。
職員に求められる能力や役割を段階的に明示し、長期的なキャリアパスを示しています
「専門職発展の五段階目標」により、職員に求められる能力や役割を段階的に明示し、長期的なキャリアパスを分かりやすく示しています。キャリアアップ推進部門が中心となり、職員一人ひとりの職務能力を把握し、キャリアプランシートに基づいて研修計画を策定しています。OJTや外部研修、スーパービジョンを組み合わせることで、勤務形態に関わらず育成機会が確保されています。体系的な育成は、職員が自身の成長を実感しながら専門性を高められる仕組みとして機能しています。計画性と個別性を両立した育成体制は、支援の質を底上げしています。
ホーム会議等では、日常の気づきや課題について自由に意見交換がおこなわれています
組織力向上に向けて、小研究会(ワークショップ)を立ち上げ、職員の主体的な学びを促進しています。研究成果は学会発表や紀要としてまとめられ、組織内外で共有されています。また、ホーム会議や部門長会議、OJTの場では、日常の気づきや課題について自由に意見交換が行われ、マニュアル改訂にも反映されています。さらに、ケース検討会や専門職間の連携により、チームで支援の質を高める取り組みが進められています。これらの実践は、学習と協働を重視する組織文化を形成しており、職員の意欲と組織全体の対応力向上につながっています。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
■【課題・目標】
・子どもが安心・安全に暮らせる生活環境の向上を重要課題として位置づけています。
・小舎制の理念を踏まえ、本園寮舎の建て替えと2名部屋の個室化を短期目標としています。
・グループホームでは全個室化が実現しており、本園でも同等のプライバシー確保が必要と判断しています。
■【取り組み】
・プロジェクト21で課題を共有し、個室化に向けた計画を立案しています。
・委員会で改築・個室化の具体案を協議し、設計事務所・建設会社と現地調査を実施しています。
・工事費用を算出し、園長・管理職・事務長が世田谷区と協議のうえ、令和7年度の工事実施を決定しています。
■【取り組みの結果】
・継続的な協議を経て、児童寮舎の個室化改修工事が令和7年度に正式決定しています。
・鳩・百合寮の改築は里親支援センターとの一体工事として、令和8年度実施予定となっています。
■【振り返り・今後の方向性】
・計画が実施段階へ進み、計画立案から検証までの体制が機能していると評価できます。
・工事期間中は安全管理と生活動線への配慮を徹底し、今後も計画的に環境整備を進めていく方針です。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
園では、子どもが安心・安全に暮らせる生活環境の向上を重要課題として位置づけ、小舎制の理念を踏まえた本園寮舎の建て替えと2名部屋の個室化を短期目標として設定しています。グループホームではすでに全個室化が実現していることから、本園でも同等のプライバシー確保が必要であるとの判断に至り、プロジェクト21において課題共有と計画立案を進めてきました。委員会では寮舎改築および個室化の具体案を協議するとともに、設計事務所や建設会社との現地調査を行い、工事費用を算出したうえで園長・管理職・事務長が世田谷区と協議を行い、令和7年度に個室化工事を実施することが決定しました。取り組みの過程ではプロジェクト21を毎月開催し、計画立案から実施段階に向けて継続的に協議を重ねた結果、児童寮舎の個室化改修工事が正式に確定し、鳩・百合寮については里親支援センターとの一体工事として令和8年度に改築を行う方針が示されました。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
■【課題・目標】
・里親制度の推進を重要課題とし、第2種社会福祉事業としての里親支援センター開設を進めるとともに、110年以上培ってきた児童福祉の専門性を地域に還元し、子ども家庭福祉における社会資源としての役割を強化しています。
■【取り組み】
・里親支援センターの理念および5か年計画を策定し、組織体制を整備するとともに、児童相談所や自治体との協働体制づくりを進めました。
・フォスタリング事業として、区内里親家庭のニーズ把握と信頼関係の構築に重点的に取り組みました。
・囲碁クラブやアニメ上映会、ポニーふれあいイベント等の地域交流事業を実施しました。
■【取り組みの結果】
・里親支援センターが認可され、令和7年4月に9名体制で開設し、包括的な里親支援を開始しました。
・地域相談事業を同年4月に開設し、近隣の学校や保育園等への周知を開始しました。
■【振り返り・今後の方向性】
・行政機関や児童養護施設との連携を継続しつつ、「気軽に立ち寄れる相談の場」として地域ニーズを把握し、地域に根差した福祉資源としての機能充実を図りました。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
園では、理念の実現に向けて「里親制度の推進」と「地域の子ども家庭福祉支援」の2つを重要課題として明確に位置づけ、前年度から組織的な取り組みを進めてきました。里親制度の推進では、第2種社会福祉事業としての里親支援センター開設を見据え、理念や5か年計画の策定、組織体制の整備、児童相談所や自治体との協働体制の構築を計画的に進めています。また、フォスタリング事業として、世田谷区内の里親家庭のニーズ把握と信頼関係の形成に重点的に取り組み、支援基盤の強化を図ってきました。これらの取り組みの結果、令和7年4月に里親支援センター「ともがき」が認可・開設され、9名の職員配置により包括的な里親支援が開始されています。
一方、地域福祉への貢献については、長年培ってきた児童福祉の専門性を地域に還元する方針のもと、囲碁クラブやアニメ上映会、ポニーふれあいイベントなど多様な交流活動を通じて地域住民とのつながりを深めてきました。さらに東育子ども子育て研究所を中心に相談事業の体制を検討し、協議を重ねて令和7年4月に地域相談事業「ぽると」を開設し、学校・保育園等への周知を開始するなど、地域に開かれた支援体制を整えています。
サービス分析結果
【講評】
写真やルビ付き資料を活用し、子どもと保護者に分かりやすい情報提供をしています
当園では、ホームページやパンフレットに基本理念、日常の生活の様子、四季の行事を写真入りで掲載し、初めての方にも分かりやすい情報提供を行っています。ホームページは園長が中心となって随時更新し、パンフレットについても、事業の拡充や体制変更があった際には速やかに内容を反映するなど、情報の鮮度を保つように取り組んでいます。また、ルビ付きのしおり「入園に際して」を用い、生活の流れや約束ごと、生活上の心配事についても丁寧に伝え、入園後の戸惑いを和らげることで、子どもと保護者双方の安心につながる情報提供を行っています。
園の特性を踏まえ、地域福祉資源としての情報を行政や関係機関に情報提供しています
当園では、措置施設である特性を踏まえ、入園に関する情報は児童相談所を通じて提供しています。法人ホームページには定款、法人現況報告、事業報告、決算書、園要覧を掲載し、ロビーでも事業報告や決算書を閲覧できるようにして、事業運営の透明性を確保しています。入園に関する広報は児童相談所を介するため一般向けには限定的ですが、相談事業等の案内は区役所やこども家庭支援センター、まちづくりセンター等に置いています。今年度開設の子育て・子ども相談室についても、地域に期待される有効な福祉資源と位置づけ、周知に取り組んでいます。
入園の見学や問い合わせに対し、子ども一人ひとりの状況に応じて丁寧に対応しています
当園では、児童相談所からの問い合わせや見学の要望に対し、年齢や不安の程度に応じて個別に対応しています。小学生については、写真を用いた説明を基本としつつ、中学生以上は事前の見学と面談を必ず行い、入園予定のホームを中心に案内して生活の流れを説明しています。空き状況に応じて本人の意見を聞き、ホームの選択につなげた事例もあります。見学者にはルビ付きのパンフレット等を配布し、見学内容を保護者関係記録に記載しています。入園後の支援に切れ目が生じないよう配慮し、子どもと保護者に寄り添った丁寧な関わりを行っています。
1.子どもや保護者等に対してサービスの情報を提供している
- 子どもや保護者の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 子どもや保護者の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
入園時に子どもと保護者それぞれの状況に応じた丁寧な説明と理解の促進を図っています
入園開始にあたり、子どもには「生活のルール」や「子どもの権利ノート」等を用いて、園での暮らし方や守ってほしいことを分かりやすく説明し、理解につながるよう丁寧に関わっています。児童相談所職員が必ず立ち会い、保護者同席が難しい場合も、子どもと一緒に説明を聞く機会を確保しています。保護者には「保護者の皆さまへ」等を送付し、手続きや健康保険、アレルギー等の確認を児童相談所と連携して進め、必要な同意と情報把握を補完しています。入園後も日常場面で意向を確かめて記録し、安心して暮らし始められるよう継続的に支援しています。
入園時から個別事情を把握し、生活習慣に配慮した支援で不安の軽減を図っています
入園時には、インテークで得た情報を職員会議で報告し、入園2週間後に児童アセスメントを作成・共有するなど、園全体で共通理解を図っています。児童票を点検して不足情報を収集し、所定の書式に記録して支援に生かしています。健康面では、アレルギーや未摂取食材、予防接種等について、看護師の助言のもと保健係が中心となって確認し、栄養士等と連携してマニュアルに基づき慎重に対応しています。入園当日は担当職員が出迎え、夜まで見守りながら生活リズムに配慮し、不安軽減を図りつつ観察記録を職員間で共有し、関係づくりを進めています。
退園後の生活を見据え、児童相談所等との連携を深め、継続した支援につなげています
退園に向けては、ケースワーク推進部門を中心に、保護者や児童相談所と話し合いながら目標や課題を共有し、実施可能な内容に整理した自立支援計画を策定しています。児童相談所や居住地域の関係機関と連携した関係者会議を開催し、必要に応じて子ども家庭支援センター、学校、保健師等と退園後の見守り体制を具体化しています。当園も会議に参加して子どもの特性や親子関係を丁寧に伝え、不安軽減と支援の継続につなげています。区児童相談所の設置拡大を踏まえ、健康・登校状況等の情報共有を密にし、児童相談所との連携を深めた支援を進めています。
1.サービスの開始にあたり子どもや保護者に説明し、理解を得るようにしている
- サービスの開始にあたり、施設の基本的ルール(約束ごと)、権利擁護の取り組みをはじめとした重要な事項等を子どもや保護者の状況に応じて説明している
- サービス内容について、子どもや保護者の理解を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、子どもや保護者の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、子どもの支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- 入所以前の生活習慣等をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、退所後の支援の継続性にも配慮している
【講評】
多職種の専門的視点を生かし子どもの特性に応じた丁寧なアセスメントを実施しています
当園では、入園時インテーク情報に児童票や入園後のホームでの様子、ケースワーク推進部門および心理職の所見を加え、所定の手順に沿って児童アセスメント表を作成しています。心理職が検査結果等を分析し、子どもの特性を踏まえた関わり方を具体化することで、支援場面ごとの工夫につなげています。子どもの意向は日常会話や子どもホーム会議で継続的に把握し、保護者の意向も来園時の聞き取りや児童相談所経由で確認するなど、多面的に情報収集しています。リーダー職員の助言も生かし、より確実なアセスメントを行う体制を整えています。
子どもと保護者意向を反映し、園全体の合意形成による自立支援計画を作成しています
当園では、子ども・保護者の意向を自立支援計画書に位置づけ、児童相談所の意見も踏まえて計画を作成しています。計画策定は、年度末の総括を基に担当職員とケースワーク推進部門が協議し、全体職員会議で検討したうえで園長の承諾を得て決定しています。計画には短期・中期・長期の見通しを設定し、園独自のDO計画により目標を細分化して進捗を確認しています。職員間で子どもとの関係性を調整し伝え手を替える工夫を行い、生活場面で意向を把握しています。中高生には自立チェックリストを活用し、将来の目標を話し合う機会を設けています。
支援システムの活用と記録と会議体を通じて、子どもの状況を園全体で共有しています
当園では、担当職員の協議により計画の策定・実施・評価を進め、児童支援報告を職員会議で発表することで支援内容の検討と情報共有を行っています。支援記録作成システムでホーム日誌等を連携し、日々の支援の経過や変化を職員が確認できる環境を整えています。また、運営支援システムを活用し、議事録や連絡事項、情報提供事項などを共有し、園運営の情報を確認できるようにしています。こうした環境を通して、入園前から退園後のアフターケアまで、園全体で一貫して情報共有する体制を整えています。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
- 子ども一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.子どもや保護者の希望と関係者の意見を取り入れた自立支援計画を作成している
- 計画は、子どもの最善の利益を第一に、子どもや保護者の希望を適切に反映して作成、見直しをしている
- 計画を子どもにわかりやすく説明し、同意を得るようにしている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直すとともに、緊急に支援内容を変更する必要が生じた場合の対応や計画変更のしくみを整備している
3.子どもに関する記録を適切に作成する体制を確立している
- 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 子どもに変化があった場合の情報について、職員間で申し送り・引継ぎ等を行っている
1.個別の自立支援計画に基づいて、自立した生活が営めるよう支援を行っている
- 個別の自立支援計画に基づいて支援を行っている
- 子ども一人ひとりに合った方法で、子どもと職員との愛着関係や信頼関係を構築するために受容的・支持的な関わりをしている
- 小規模なグループでケアを行うなど、子どもが家庭的な環境の中で生活できるよう支援を行っている
- 子どもの発達支援等のため、精神科医等が子どもの発育等に応じ個別判断した上で、児童相談所と協議し、適切な職員等が生い立ちを振り返る取り組みをしている
- 退所後の安定した生活基盤の確保に向け、関係機関や関係職員が連携をとって、リービングケア(退所後の生活を見越した支援)を行っている
- 退所後は計画に基づいて、一人ひとりに応じた支援を関係機関や関係職員と連携して行っている
【講評】
児童自立支援計画に基づき、信頼関係を重視しながら主体的な進路選択を支援しています
当園では、児童自立支援計画に基づき、子どもの状況や将来の見通しを踏まえた支援を行っています。支援の進捗は、引き継ぎやホーム会議、職員会議などの機会を通じて確認し、記録により共有しています。入園時には丁寧なアセスメントを行い、子どもの背景や置かれてきた立場を理解し、寄り添う姿勢を大切にしています。生活の中で職員が子どもの思いや変化を受け止め日誌に記し、チームで共有しながら信頼関係の構築につなげています。中高生にはキャンプ、学校見学、マナー教室、自活訓練等を通して、自ら進路を選択できるよう支援しています。
小規模で家庭的な生活環境の中で、多職種が連携し子どもの成長と自信を支援しています
当園では、本園は子ども各6名、ホームは子ども各4名の少人数体制を基盤に、家庭的な環境の中で生活できるよう支援しています。月2回のホーム会議を勤務内で固定して実施し、支援内容を継続的に話し合う体制を整えています。「児童の自立チェック表」等を活用し、生活力や学習状況を点検しながら短期目標を設定しています。学習に困難さのある子どもには、本人の思いを尊重しつつホーム内で学習支援を行い、成績向上と自信につながった事例も見られます。非常勤精神科医が生活場面に関わり、生い立ちの整理は児童相談所と協議の上で実施しています。
退園後を見据え、関係機関等と連携した切れ目のない自立支援をおこなっています
当園では、退園後の安定した生活基盤の確保に向け、ケースワーク推進部門職員と担当者が中心となり、アフターケア実施計画を策定し、計画的にリービングケアとアフターケアを行っています。ケースカンファレンスを随時開催し、進学や就職等の進路、生活課題に応じた支援内容を整理するとともに、児童相談所や学校等と連携して支援しています。家庭復帰については、同居のみが唯一の形ではないことも伝え、本人の意思を尊重しつつ、面会・外出・外泊等を段階的に支援しています。退園後も電話連絡や訪問等を継続し、記録を通じて支援を共有しています。
2.家族等との関係構築に向けた取り組みを行っている
- 家庭支援専門相談員を中心に、家族等との関係構築のための支援方針が明確にされ施設全体で共有されている
- 子どもの最善の利益を第一に子どもや保護者等の意向を確認しながら、関係機関と連携をとって、子どもと家族の関係調整に取り組んでいる
- 子どもの状況や行事等の情報を個別の連絡により保護者等に知らせている
- 保護者等との面会、外出、一時帰宅等は、状況を把握したうえで、子どもの安全に注意しながら行っている
- 養育家庭や養子縁組等の制度が有効に活用されるよう児童相談所と連携をとっている
- 入所中の子どもの家族等(里親を含む)に対し、退所後の生活を想定したさまざまな支援を行っている
【講評】
子どもの思いを丁寧に汲み取り、意向を尊重した家族支援に取り組んでいます
子どもの意向を大切にした家族支援を心掛けています。子どもの思いを丁寧に汲み取るため、日常の生活場面において、関係性のある職員がリラックスできる環境の中で話を聞く機会を設けています。家族への思いや様子は、日々の記録にて共有され、支援計画に反映されるよう工夫しています。また、複雑な家族への思いを多角的に捉えられるよう、今年度より隔週で開催されるホーム会議に専門職が定例で参加しています。さまざまな見立てから子どもへの理解を深め、子どもの思いを尊重した家族支援の充実や、職員の支援力の向上につなげています。
親子が安心して交流できるよう段階的に進め、親子関係の構築に向けて支援しています
児童相談所と協議しながら、見守りのもと段階的に回数を増やすなど、親子間の関係構築に努め、家族交流を進めています。保護者の思いや状況、不安感には、家庭支援専門相談員や児童相談所が丁寧に汲み取り対応をしています。また、子どもには、日常生活の中で職員が寄り添いながら思いを受け止めるなど、役割分担を明確にし、子どもと保護者の双方が安心して交流できるよう取り組んでいます。特に、子どもは自らの思いを言葉で伝えることが難しく、職員は日頃の観察と、意図的な声かけや言語化を通して、自身の思いに気付けるよう支援しています。
日常の関わりを通じて、家庭的な経験の重要性を踏まえた柔軟な支援を心掛けています
当園では、里親支援事業を受託しており、同法人の職員が当該業務に携わりながら、職員会議や行事、イベント等に参加しています。子どもたちと食事を共にするなど関わりを通して、里親制度の存在を知り、将来を見据えた際の選択肢の一つとして捉えられるような位置付けとなっています。職員においても、会議での議論や、里親委託されたケースのレスパイト受入れ、自立支援への関わりを通して、制度への理解が深められています。子どもにとって家庭的な経験の重要性を踏まえ、里親制度等を含め、選択肢の一つとして捉えられる体制が整えられています。
3.子どもが楽しく安心して食事ができるようにしている
- 楽しい食事となるような環境を整えている
- 食事時間は子どもの希望や生活状況に応じて対応している
- 食事の献立は、子どもの状況(食物アレルギーや疾患等に関する主治医等の指示を含む)や嗜好に応じて工夫している
- 食習慣の確立や食についての関心向上のため、関係職員と連携して食育の推進に取り組んでいる
【講評】
食への関心を育みながら、楽しく安心できる食事支援をおこなっています
ホーム調理が定着し、子どもの希望を反映した献立や、その日の体調や状況に応じた柔軟な対応が可能となっています。家庭的な雰囲気の中で食事をとることができ、安心して食事ができる環境づくりにつながっています。また、食事づくりが身近なものとなり、食への関心が高まるとともに、子ども自ら調理を楽しむ様子も多く見られています。栄養士や調理職員は、ホーム調理記録の確認やホーム訪問を通して、献立内容や栄養バランス、彩り、盛り付け方、調理方法などを把握し、必要に応じて助言を行いながら、日々の食を支えています。
料理体験を通して、食への関心と自信を育む取り組みがおこなわれています
小学生や高校生、職員を対象に役割に応じて料理教室を開催しています。小学生は、ぼたもちの餡作りから体験することで、食への関心を深めています。高校生は、生活の基礎となる食に関する知識や技術を身に付け、自立後の安定した食生活につなげることを目的に、作り置きが可能なメニューに挑戦しています。また、職員の料理教室では、子どもたちの食生活の質の向上につなげることを目的として取り組んでいます。参加児童は、多くの感謝や称賛の言葉を受け、自信につながる機会となり、職員は、意見交換が活発に見られる有意義な機会となっています。
安心して思いを伝えられる関係性のもと、食事の工夫がなされています
日々のコミュニケーションや年に1度嗜好調査の実施により、リクエストメニューや誕生日メニュー、行事食、郷土食など、子どもの意向を反映した食事の提供に取り組み、食事への楽しみや関心が深められるよう配慮しています。また、リクエストの反映を伝え、叶った喜びも得られるよう声掛けを大切にしています。特に誕生日メニューでは、好きな料理を取り入れるだけでなく、苦手な食材は工夫するなどして、楽しい食事となるよう配慮しています。職員に気軽にリクエストを伝えられる関係性や環境を整え、より意向に沿った食事提供につなげています。
4.子どもの健康を維持するための支援を行っている
- 入所まもない子どもの健康状態(口腔ケア、視力等)に配慮し、健康維持のための支援を行っている
- 健康に関して、子どもに理解を促す取り組みを行うとともに、子どもからの相談に応じ、必要に応じて子どもや保護者等に説明をしている
- 子どもの服薬管理は誤りがないようチェック体制の強化などのしくみを整えている
- 医療機関と連携しながら、日頃の健康管理を行い、子どもの体調に変化があったときには、速やかに対応できる体制を整えている
【講評】
相談できる体制をつくり、子どもと職員の安心感につながる健康支援をおこなっています
子どもの日々の健康管理や関係書類の管理に加え、アレルギー児や配慮が必要な子どもに関する助言等を担う保健係職員を中心に、看護師や外部の医療機関と連携し、子どもたちの健康を支える体制を整えています。看護師の関与により、適切な助言や初期対応が可能となり、急な体調不良時にも、子どもや職員が安心できる環境となっています。職員にとっても相談窓口が明確であることは、安心して子どもに関わることにつながり、子ども自身も「気付いてくれた」「支えてくれる」と感じられる等、大切にされているという実感につながる支援となっています。
服薬管理表の見直しと徹底を図り、職員の知識・意識の向上につなげています
服薬を必要とする子どもが増加する中、各ホームにおいて「服薬管理表」を活用し、服薬漏れや重複が起きないよう留意しています。さらに、安全で確実な服薬管理に向けて見直しを行い、記録様式や記載内容の統一を図るなど、園全体での管理体制を整えています。特に精神科薬については、慎重かつ正確な管理が求められることから、服薬時刻の確実な記入を徹底しています。また、その他の薬についても、薬効や容量、日数等の記載を徹底することで、管理体制の強化につなげるとともに、職員の服薬に関する知識や意識の向上にもつながっています。
基本的な生活習慣を身に付け、自立後の自己管理につながる支援を心掛けています
日々の健康管理として、食生活の充実やうがい・手洗いの徹底、加湿器の設置、グラウンドを活用した外遊びなど、環境整備と体力づくりを意識的に行い、健康の維持と体力の向上に取り組んでいます。また、子どもからの相談を待つだけでなく、様子に変化が見られた際には職員から積極的に声を掛け、体調の変化に対して丁寧な対応を心掛けています。状況を意識的に言語化することで、子どもが自身の体調を理解し、適切な対応につながるよう支援しています。自立後の生活も見据え、基本的な生活習慣の大切さを伝え、健康管理ができるよう支援しています。
5.子どもの精神面でのケアについてさまざまな取り組みを行っている
- 子どもが心の悩みや不安を相談できるように工夫している
- 性についての正しい知識と理解が得られるよう、子どもの年齢や状況に応じた説明を行っている
- 子どもの課題に応じて、心理的ケアや医療的ケアが必要な場合は、関係職員・機関と連携をとって、支援を行っている
【講評】
心理職員や精神科医との連携により、子どもと職員を支える支援体制を整えています
心理職員や精神科医と連携し、必要に応じて心理ケアミーティングを開催しています。子どもの理解を深めると共に、職員の疲弊への理解や支援に対する労いも大切にされ、次につながる話し合いの場となっています。個別心理ケアに加え、生活行動観察やコンサルテーションなど、個々のニーズに応じて柔軟な関わり方をしています。特に個別心理ケアは、子ども自身が必要性を感じることを大切にし、幼児にも意向確認や実施内容の説明を丁寧に行い、理解を促しています。個別支援と併せて、職員が研修等で学びを深め、子どもたちを支える体制を整えています。
日々のコミュニケーションを大切に、子どもの特性を踏まえた柔軟な支援をしています
日々のコミュニケーションを通して子どもの状況を丁寧に把握し、柔軟な支援を心掛けています。さまざまなこだわりやコミュニケーション上の課題などにより、生活の中でつまずきが生じることも見られますが、子どもホーム会議の充実や意図的な個別対応時間の確保、職員間での情報共有による一貫した支援を通して、子どもたちが安全・安心して生活できる環境づくりに取り組んでいます。また、積極的に子どもたちに声を掛け、悩みや不安等、子どもの思いや表出を大切に受け止め、理解を深めることで、安心感につながる支援に取り組んでいます。
安心した生活を支えるための精神面の支援として、医療との連携に取り組んでいます
子どもの特性や発達段階、抱える課題の難しさが見られる中、安定した園生活を継続するためには、日々の心理的な支援に加え、信頼できるクリニックや連携可能な医師の存在が重要となっています。虐待の背景や園での生活環境への理解を踏まえ、医療機関と職員が連携し、子どもへの丁寧な支援につながっています。また、発達障害に特化した新たなクリニックの開拓にも取り組み、発達が気になる幼児や小学生を対象に見立てや評価など、子どものニーズに応じて医療機関を選択し、適切な医療につなげられる体制を整えています。
6.子どもの主体性を尊重し、施設での生活が楽しく快適になるよう支援を行っている
- 居室等施設全体は、子どもの年齢や状況に応じて一人ひとりの居場所が確保され、安心、安全で快適なものとなるようにしている
- 日常生活や余暇の過ごし方は、子どもが主体的にかかわって決めている
- 行事やイベントの企画・準備は子どもとともに考え行っている
- 施設の生活ルールは子どもの意見を尊重し見直しを行っている
- 子どもが一人ひとりの希望や季節等に合った清潔な衣服を身に付けられるよう支援している
【講評】
多くの意見表出の機会を保障し、それぞれが快適に生活できるよう取り組んでいます
日々の生活の中で、子どもが意見を発信できる機会として、子どもホーム会議や高校生座談会、意見箱の設置、第三者委員との関わりなど、複数の機会が保障されています。特に子どもホーム会議では、生活上の身近な事柄から生活ルールの確認、子どもからの意見に関する検討、職員から共に生活する仲間として守ってほしいと考えていることの共有などが話し合われています。各ホームの特性に応じた方法で実施され、活発な話し合いとなっています。子どもたちが互いの状況や年齢に配慮しながら話し合い、それぞれが快適に生活できるよう取り組んでいます。
さまざまな行事を企画し、多くの楽しい経験により生活に潤いをもたらしています
生活単位を小規模化し、子ども一人ひとりの状況に応じた丁寧な支援を心掛けています。ホーム単位や個別での外出機会を設け、年齢や発達状況に応じた内容で、さまざまな経験を保障しています。また、園全体での行事や季節行事、招待行事も積極的に取り入れ、ホームを超えて、多くの人と関わりながら楽しむ経験を通して、主体性や社会性、協調性の育ちにつながっています。年齢別キャンプやガーデンパーティー、お月見、餅つきなど、年間を通した多様な行事を企画し、子どもたちの生活に潤いと楽しさをもたらしています。
興味や関心に応じた活動を通して、主体性と充実感を育めるよう取り組んでいます
子どもたちの興味や関心に応じて個性を伸ばす取り組みとして、園主催のピアノ教室や書道教室、茶道、ダンス、囲碁などの活動を行い、子どもの希望に沿って参加できる機会を保障しています。多くのボランティアの協力を得ながら、子どもたちはさまざまな経験を重ね、生活の幅を広げるとともに、充実した時間を過ごすことによる満足感や、他者からの称賛を得ることで達成感につながる機会となっています。また、活動の成果を発表する場も設けられており、子どもたちの自信につながるとともに、意欲的に取り組む姿が見られています。
7.子ども一人ひとりに応じた学力向上・進路決定のための取り組みを行っている
- 基本的な生活習慣を確立するとともに、社会常識、社会規範及び生活知識・技術を身につけられるよう支援を行っている
- 学習環境を整備し、基礎学力の向上・学習習慣獲得のための支援を行っている
- 子どもの意欲・意思や能力に応じた学習教材・塾等を活用している
- 進路について、子どもと保護者等、学校、施設による話し合いを行っている
- 多様な選択肢を提示したうえで、子どもの最善の利益にかなった進路の自己決定ができるよう支援している
- 個別に必要な時期・状況で、職場実習や職場体験、アルバイト等の社会経験を積めるよう支援している
【講評】
年齢や特性に応じた学習支援の定着により、意欲向上につながっています
基礎学力の向上を目的として、小学生を対象に週1回の「園内塾」による個別学習や、夏期・冬期講習を実施しています。中高生には、「園内個別学習室」の活用や外部通塾など、年齢や特性に応じて学習方法を工夫し対応しています。個々の学習状況を把握することで、子どもの強みを見出し、漢字・数学・英語検定への挑戦をしています。成功体験を積み重ね、学習への意欲向上にもつながっています。学習支援の定着により、学習の習慣化や集中力、向き合う力の育みと、職員間の情報の共有化により日々の中で褒められる機会となり自信につながっています。
生活体験と振り返りを積み重ね、自立に向かう力を育めるよう支援しています
高校生を対象に自立支援プログラムを設けています。「自立に向けた取組計画」では、進路に対する子どもの意向や課題を共有し、具体的な取り組み内容に基づいて進めています。特に高校3年生には、自立に向けてより具体的な内容とし、定期的な振り返りを行い、結果や反省を踏まえて日常生活における支援へとつなげています。例えば、自立訓練室での一人暮らし体験において食事面に課題が見られた場合には、ホームでの調理機会を意図的に設けるなど、自立訓練での体験と生活場面での支援を繰り返しながら、自立に向けた力を育めるよう取り組んでいます。
子ども一人ひとりに応じた進路指導と自己決定への支援に取り組んでいます
子どもたちの進路や将来については、日常生活の中で随時話し合いを重ね、子どもの状況や発達段階に応じた進路指導を行っています。座談会や自立支援プログラムの実施、卒園生との対談などを通して、進学や就職、自立後の生活について具体的なイメージを持てるよう、子どもの意向を尊重しながら丁寧に話し合いを重ねることで、自己決定につながる取り組みをしています。また、支援者や寄付企業とのつながりを生かし、さまざまな業種の見学や体験の機会を企画することで、実際の働く現場に触れ、将来の選択肢を広げられるよう支援しています。
8.地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている
- 地域の情報を収集し、子ども一人ひとりの状況に応じて活用している
- 施設の活動や行事に地域の人の参加を呼びかける等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
- 子どもに、地域と日常的に関わりながら生活していることの大切さを伝えている
【講評】
地域との日常的な関わりを大切にし、地域の中での生活を支えています
日常生活の中で、子どもたちが地域と関わりながら生活していることを実感できるよう、職員が率先して近隣の方々への挨拶や、頂き物のやり取りなどに配慮し、その姿を見本として子どもたちが自然に体得できるよう働きかけています。また、地域行事であるお祭りのお神輿や餅つき、盆踊りなどにも積極的に参加し、地域の方々との交流の機会を大切にしています。こうした日常的な関わりや行事への参加を通して、地域住民の社会的養護への理解が深まり、子どもたちは受け入れられ、温かく見守られながら地域の中で生活することができています。
支援への感謝の気持ちと、子どもたちの成長を地域に伝える交流の場となっています
8月のガーデンパーティーと12月のクリスマス祝会は、地域の関係者を招待し、子どもたちとの交流を図る行事として定着しています。近隣住民やボランティア、幼稚園・学校関係者、協力者など多くの方々が来園され、日頃の感謝の気持ちを伝える機会となっています。行事の準備から当日の運営、片付けまで中高生が中心となり協力して取り組み、主体的な活動の場となっています。また、ギターや書道など、日頃取り組んでいる活動の成果を発表する機会にもなっており、子どもたちの頑張りや成長を地域の方々に見てもらう場としても大切にされています。
専門性を生かし、地域の子育てを支える相談事業をおこなっています
地域貢献の一環として、「こども・こそだて相談室」を開設しています。子どもに関わる専門職として、地域の方々の子育てに関する悩みや、自信が持てず不安を抱える気持ちに寄り添い、共に考える相談事業に取り組んでいます。離乳食への不安や子どものこだわりの強さ、友人関係のトラブル、学力に関する課題など、さまざまな相談内容に対し、経験豊富な職員が丁寧に対応しています。地域に根差した取り組みとして、身近な相談窓口となり、地域の子育てを支える役割を担っています。
【講評】
子どものプライバシー保護を基本とし、本人の同意を徹底した支援をおこなっています
当園では、子どものプライバシー保護を支援の基本として徹底しています。入園時の説明や見通しについて子どもの理解と同意を得て整理・記録しています。生活の中で把握した変化や思いも育成記録に残し、子どもとの共有が必要な場合は誰がどのように伝えるかを慎重に判断しています。外部機関への情報提供は、教育・医療機関への相談であっても園長許可を条件とし、原則として子どもや保護者の同意を得ています。郵便物は本人に手渡し、居室入室時もノックと声掛けで了解を得るなど、規程とマニュアルに基づき個人の尊厳を守る支援を進めています。
複数の意見表明の機会を整えながら、子どもの権利が守られるように取り組んでいます
当園では、日々の支援で子どもの権利を守り、意見を表明しやすい環境づくりに取り組んでいます。子どもの権利ノートは児童相談所による説明を経て園でも補足し、幼児期入園の高齢児には児童福祉司による説明の機会を設けています。職員は権利チェックリストと研修等で権利意識を高め、子どもとの関わりに生かしています。意見表明の場として、子どもホーム会や中高生の座談会、意見箱、QRコードによるオンライン受付など複数の窓口を整えています。第三者委員の訪問時には「相談してよい人」と紹介し、安心して相談できる関係づくりを行っています。
習慣の尊重と他者理解を合言葉に、見守りと委員会でいじめ等の予防支援に努めています
当園では、一人ひとりの違いを尊重する理念のもと、入園前の生活習慣やこだわりを把握し、園での衣食住の安定や生活リズムに、時間をかけて慣れていけるように支援しています。職員はチームで方針を統一し、子どもが混乱しない関わりに努めています。中高生のグループワークでは「他者理解」をキーワードに、互いの違いを受け止め、認め合う学びを重ねています。子ども間の暴力・いじめの予防に向けては、複数職員と心理職が見守り、兆しは見過ごさず、園長・主任層も加わり、マニュアルに基づく委員会運用により対応・予防・再発防止に努めています。
1.子どものプライバシー保護を徹底している
- 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、子どもや保護者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や郵便物の扱い、居室への職員の出入り等、日常の支援の中で、子どものプライバシーに配慮した支援を行っている
- 子どもの羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、個人の意思を尊重している
- 「子どもの権利ノート」などにより、子どもの基本的人権について、日常生活の中でわかりやすく説明している
- 子どもが意見を表明しやすい環境をつくるなど、子どもの権利が守られるように取り組んでいる
- 子ども一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
- 施設内の子ども間の暴力・いじめ等が行われることのないよう組織的に予防・再発防止を徹底している
【講評】
業務マニュアルを体系化し、職員が共通理解のもとで支援にあたる体制を整えています
当園では、日常業務に必要な各種手引書を「業務マニュアル」として整理し、一括してファイル化するとともに、各部署への配布やシステム上での共有を行っています。職種ごとのマニュアルも整備され、職員が共通理解のもとで支援にあたることのできる体制が整えられています。これらのマニュアルは日々の業務の中で活用されるとともに、自己点検の手引きとしても役立てられています。また、管理職による点検や確認を通じて、支援内容や業務手順の妥当性が保たれており、業務の標準化と実践性の両立が丁寧に進められています。
現場職員の気づきを生かし、実情に即した業務マニュアルの見直しをおこなっています
当園では、業務マニュアルを固定的なものとせず、現場で働く職員の気づきや意見を大切にしながら見直しを行っています。業務を担う部署が中心となり、その都度、実情に即して行われています。職員が違和感や改善点に気付いた際には意見を出し合い、必要に応じて管理職が確認し、修正を依頼する仕組みが機能しています。携帯電話の利用ルールの見直しなど、子どもの安全や生活実態の変化を踏まえた具体的な改訂事例も見られます。こうした実態に即した改訂は、職員会議での共有を通じて全体理解も図られ、サービスの質の向上につながっています。
業務マニュアルの点検と見直しを重ね、業務の標準化と実効性の向上に取り組んでいます
当園では、業務マニュアルの点検と見直しを継続的に行っています。変更や追加が必要な場合には職員会議で内容を確認し、全体で共通理解を図った上で差し替えを行う仕組みが整えられています。防災やBCP、アレルギー対応など、全職員が共通して理解すべき事項については、毎年の確認を重ねながら更新しています。あわせて、マニュアルの量が多いという課題を踏まえ、現在は園長を中心にクラウドを活用した整理や検索しやすい管理方法の検討が行われており、業務の標準化と実効性の向上が図られています。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や子ども・保護者等からの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
このセクションは事業者によって更新される情報です。
評価情報
評価結果のダウンロード
本ページの内容をPDFファイル形式でダウンロードできます。
【講評】
個別面接を通じて、全職員に基本理念や現場を重視する方針を繰り返し確認しています
新任研修や職員会議、園長と全職員による個別面接を通じて、基本理念や現場を重視する方針を繰り返し確認しています。倫理綱領は事務室に掲示され、ライブラリーシステムにも掲載されており、職員が必要に応じて閲覧・所持できる環境が整えられています。理念を単に周知するにとどまらず、対話を通じて理解の深まりを確認する仕組みとして機能しています。また、入園時には保護者に対して子ども中心主義を明記したパンフレット等を配布し、支援方針の共有にも努めています。理念を職員と利用者双方へ働きかける姿勢は、組織の一体性を高めています。
組織図や方針決定プロセス、職務分掌が共有され、役割と責任が明確にされています
年度当初の職員会議では、理念に加えて組織図や方針決定プロセス、職務分掌が共有され、経営層の役割と責任が明確に示されています。経営層は現場重視の考え方に基づき、日常的な判断は現場職員に委ね、組織全体に影響する事項は管理部門で検討する体制を整えています。現場での判断を尊重しつつ、迷いが生じた場合には相談できる雰囲気が醸成されている点は、職員の主体性を引き出す組織運営として評価できます。経営層間では事前協議や情報共有を重ね、責任ある意思決定が行われ、安定したリーダーシップが発揮されています。
プロジェクト21委員会を中心とした合議制により検討・決定されています
重要な案件については、「組織図&会議構成図」に基づき、プロジェクト21委員会を中心とした合議制により検討・決定されています。構成メンバーが近年変更されたことで、多様な視点から意見交換が行われ、議論の幅が広がっています。決定事項や検討経過は職員会議で説明され、プロジェクト21の記録も閲覧可能とするなど、情報共有の透明性が確保されています。さらに、必要に応じて子どもや保護者へも内容が伝えられ、説明責任を意識した運営が行われています。丁寧な合議を重ねる姿勢は、信頼性の高い組織運営につながっていると評価できます。