評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)感恩奉仕と共生(人に生かされ、人を生かして生きる… together with him)
2)子どもの最善の利益を最優先する
3)職員のたゆまぬ専門性の向上
4)財務の健全性の維持とその状況に応じた事業展開
5)地域に根ざした施設経営
職員に求めている人材像や役割
・創立の理念を十分に理解し、職員同士互いの力を生かし(活かし)あえる人
・児童福祉に対する熱意と社会的責任の自覚
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
・子どもにとって最大の理解者であり最強の支援者であること
・Childrens First(子どもの最善の利益を最優先する)
全体の評価講評
特によいと思う点
職員が参加した外部研修は、研修報告書の回覧により職員に周知している。また職員会議において研修内容を発表している。またスーパーバイザーによるグループ討議では、「働き方」等職員自身にとって身近なテーマでもあり、全職員が参加し、話しやすい雰囲気の中で自身の思いや考えを伝えられる場となっている。働き方改革に関するヒントもあり、職員の意識の共有化により連帯感が得られている。さらに主任や専門職が日々のミーティングに参加しており、スーパーバイズが受けられる環境である。さらには心理職から面接も受けられる環境である。
日常生活にはない体験を通した学びの機会として、余暇活動を充実させている。特に文化的なことや自然等に触れることで、子どもたちが知見や興味の幅を広げられるように取り組んでいる。各ユニットでは個別行事やユニット行事をおこない、動物園や水族館等に出かける他、サイクリングと組み合わせたキャンプやスキー場での雪遊び、施設から都心まで行って歩いて戻ってくる等ダイナミックな活動も取り入れている。行き先は子どもたちと職員で話し合って決めている。大変さやうまくいかないことも経験の一部として捉え、チャレンジの機会を提供している。
施設では小中学生に対して平日の19時半から20時半の時間帯を学習時間とし、日々の学習習慣の獲得を支援している。宿題以外にそれぞれの学力や得意・苦手分野等に応じた教材を担当職員が用意し、取り組めるようにしている。中には学習に前向きではない子どももいるが、将来できることを広げていくためにも大切なこととして位置づけ、施設の伝統でもある充実した学習支援の取り組みを継続している。自信を持てるように習い事を提案したり、学習意欲の高い子どもに対して通塾の範囲を広げて支援する等、個々の可能性を応援している。
さらなる改善が望まれる点
人材確保に向けて、今年度より「広報委員会」「人材対策委員会」を立ち上げ、施設をあげて取り組んでおり、特に若手職員の力を活用して行くことを検討している。全国の養成校への求人も出しており、実習生も受け入れている。それでも新規採用が3名であり課題となっている。また、在職1年未満で退職する職員もいることから退職の原因を精査し、退職者を出さない組織にすることが重要だと思われる。これまで施設が大切にしてきたことと職員の働き方について検討し、新たな施設での働き方を示すことに期待したい。
人材確保は喫緊の課題であり、就活準備サイトを活用して動画で施設紹介を行ったり、社会的養護に特化した求人サイトに情報を掲載しているが、更なる情報発信の強化が求められている。広報委員会では、新卒者等の若年層に向けた広報のあり方を検討しており、機関紙「マハヤナタイムス」は編集体制を見直して年2回の定期発行を目指すとしている。また、SNSによる情報発信を始める予定であり、ウエブサイトのこまめな更新に加え、SNS、求人サイトとのリンクや、マハヤナタイムスのアップなど、広報活動の充実に期待したい。
全養協からの権利擁護チェックリストは職員版と施設版の2種類があり、特に職員版は各自でチェックした後、「不十分である」「気がかりな点がある」などにチェックがある場合、その理由と改善の必要性等を検討することが求められている。また、権利擁護チェックは年に2回以上の実施が必要とされているが、現状は年に1回の自己チェックとなっている。今後は施設独自の「児童の権利擁護の自己点検」と全養協の権利擁護チェックリストの関連性を明らかにし、更なる子どもの権利擁護の推進に期待したい。
事業者が特に力を入れている取り組み
外部講師及び児童精神科医による職員へのケア技術等に関する助言、また職員との個別面接の実施等により、心のケアに対する意識が向上した。子どもとの関わり方や職員自身のメンタルヘルスのケアにも通じており、支えられているという安心感を得られている。さらにはメンタルヘルスに特化した心理職員を雇用しており、職員は心理職員とメンタルの面接を受けている。また担当職員と心理職員が視点を共有して、子どもを理解しようとしているため、個別的なアプローチを行うことが職員のメンタルヘルスのケアにも通じている。
アフターケアに力を入れており、退所時には一人ひとりにアフターケア計画を立て、状況や自立度(要支援度)、支援方法を個別・具体的に明記している。計画に沿った定期的な連絡等の他、人間関係や経済の問題等でつまづいた場合に、実家の代替機能として生活の立て直しを支援している。施設内に3部屋ある自立訓練棟も活用し、場合によっては一定期間、生活場所を提供し、再就職等のサポートをしている。進学した子どもの奨学金手続き等、書類関係のやり取りもあり、退所する際には施設から近い住居を選定するよう勧め、支援しやすい体制を築いている。
自立を見据え、きちんとした暮らしを送ることを大切にしている。生活環境についてはユニット職員が整えるようにし、子どもたちが幼稚園や学校から帰ってくる時には、リビング、浴室、トイレ、居室等が掃除された状態で迎えるようにしている。子ども自身もTPOに合わせた服装等ができるように働きかけており、季節に合った服を着ること、外出時にはふさわしい服を選ぶこと等を教え、穴や汚れがないか、成長期にはサイズが小さくなっていないか等も確認している。寝癖や下着が出ているような状態で過ごさないこと等も声掛けし、意識を高めている。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:子ども全員(事業所と協議の上、長期外泊中の利用者を除く)
- 調査方法:アンケート方式,聞き取り方式
個別聞き取り調査及びアンケート調査 - 有効回答者数/利用者総数:55/56(回答率 98.2% )
利用者総数56名中、55名から回答を得ることができた。満足度が高かった項目としては、「病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか」「食事の時間が楽しいひとときになっているか」「子どもの気持ちを受け止め、尊重した対応がされているか」「個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか」「自らの権利について、さまざまな機会をとらえて職員はわかりやすく教えてくれるか」などがあげられる。総合的な満足度では、31名が「大変満足」11名が「満足」の回答であった。すごく安心できて信頼があるし皆が優しい、自分の意見をちゃんと最後まで聞いてくれるし今のままでいて欲しい、今のままで充分です、行事が多いので色々な経験が出来ましたが人間関係が複雑だとは思いました、体が健康に保てる工夫がされていると思いました、ちゃんと話を聞いてくれる、などがあがっている。意見や要望としては、バイトの収入を自分で管理して貯金しつつ使いたい額を使えるようにして欲しい、もっと移動できる範囲を広げて欲しい、対人関係において解決できるものは解決できるようにしっかりして欲しい、言葉づかいが悪くなることがある、などがあがっている。
アンケート結果
1.食事の時間が楽しいひとときになっているか
44名が食事の時間が楽しいひとときになっていると回答している。美味しい、皆で仲良く話しているから楽しい、いろいろと話せて楽しいです、お味噌汁がとっても美味しいからです、自分が食べたい献立を出してくれたり美味しい、誕生日はカレーとかチキンライスを出してくれる、中高生が話していたりして話せない事もある、何も思わない、などがあがっている。
2.施設での時間の使い方や衣服・物の所有について、職員は意見を尊重してくれているか
41名が施設での時間の使い方や衣服・物の所有について、職員は意見を尊重してくれていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。おもちゃや洋服は職員と一緒に買いに行く、時間を作って話を聞いてくれます、服とかは職員と一緒に選んでいます、自由時間が多いから、職員はやさしい、あまりそういうのは言わないので「わからない」、などがあがっている。
3.子どもの年齢や特性、個別事情に応じて生活の約束ごとの説明を受けているか
子どもの年齢や特性、個別事情に応じて生活の約束ごとの説明を受けていると回答している。よく伝えられる、テレビは皆で見ている、すごく丁寧に説明してくれます、伝えてくれる人の方が多い、分かりやすいように丁寧に教えてくれる、理由は教えてもらっていない、職員も分かっていないと思う、などがあがっている。
4.自立に向けた支援について、多様な選択肢から情報提供や相談対応がなされているか
38名が自立に向けた支援について、多様な選択肢から情報提供や相談対応がなされていると回答している。職員は進んで話をしてくれます、勉強(宿題)などわからなかったことを教えてくれる、いろいろと聞いてくれます、今度小学校に行くのが楽しみ、教えてくれる職員が殆んど、あまりわかりません、そもそも相談する事が無い、などがあがっている。
5.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
35名が施設内の清掃、整理整頓は行き届いていると回答している。いつも綺麗、物が多いのにきちんと片付いていて気持ちが良いです、汚れると大人が掃除している、普通です、綺麗な時もあるし片付いていない事もあるのでどちらとも言えないです、汚い時がある、などがあがっている。
6.職員の接遇・態度は適切か
41名が職員の接遇・態度は適切と回答している。優しい、先生は優しいから大丈夫だと思います、皆きちんとしている、大きな声で怒る人はいません、たまに職員は口が悪い、人による、怒る時とかたまに嫌な気持ちになる、などがあがっている。
7.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
47名が病気やけがをした際の職員の対応は信頼できると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。すごく心配してくれます、助けてくれる、一番治りやすい方法を勧めてくれます、病院に連れていってくれる、インフルエンザになったらすぐに助けてくれる、どっちも分からない、体調崩したことが風邪以外で無い、などがあがっている。
8.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
38名が子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できると回答している。分かりやすいように話をしてくれます、2人の話を聞いてくれる、言い分を聞いて助けてくれる、いじめられたら職員に言うと注意してくれる、職員に言うとすぐに助けてくれる、内容による、けんかやいじめはない、そうなった事が無いから、などがあがっている。
9.子どもの気持ちを受け止め、尊重した対応がされているか
44名が子どもの気持ちを受け止め、尊重した対応がされていると回答している。お話を聞いてくれる、ちゃんと聞いてくれる、すごく優先してくれます、大切にしていると思う、相談したい時に部屋で話すとそのことについて考えてくれる、優しいです、分からない、聞いたことがない、などがあがっている。
10.子どものプライバシーは守られているか
41名が子どものプライバシーは守られていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。守ってくれる、お部屋に入る時はトントンとノックをする、大丈夫だと思います、その職員による、言ったことが無い、そういう事を話していない、などがあがっている。
11.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか
43名が個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれていると回答している。要求をしっかり聞いてくれます、聞いてくれる、多分聞いてくれると思います、夜寝る時に1人で眠れるように頑張っている、頑張りシールがある、人による、知らない、などがあがっている。
12.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
サービスないよや計画に関する職員の説明はわかりやすいと回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。いた時に説明してくれた、ほとんどの職員は説明をしてくれる、分からない事があったら質問します、少しわかりづらい言葉が多いので分かりにくいです、などがあがっている。
13.自らの権利について、さまざまな機会をとらえて職員はわかりやすく教えてくれるか
43名が自らの権利について、さまざまな機会をとらえて職員はわかりやすく教えてくれると回答している。簡単にまとめてくれています、聞いたことはある、権利ノートは持っている、一回説明された、教えてくれる、わかりづらい言葉が多いので分かりにくいです、ノートはもらったことが無い、などがあがっている。
14.子どもの不満や要望は対応されているか
41名が子どもの不満や要望は対応されていると回答している。そう思います、ほとんどの人がしてくれる、注意したりしてくれる、嫌だったことを職員に伝えると良くなるようにどうすればいいかを考えてくれたりする、言った事はあるけれど聞いているのかは分からない、対応してくれるかは分からない、などがあがっている。
15.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
38名が外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられていると回答している。困ったことがあれば職員に言う、気楽に出来ます、説明の手順が良かったです、相談をあまりしないから分からない、などがあがっている。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
自己報告書を用いて施設長面談を行っており、配置替え等に活かしている
施設長による全職員への面談を年に2回行っており、その際には現担当職務内容、現在の関心事等を記入する自己報告書を提出している。園長記入欄があり、施設長がコメントを書き、職員の意向の把握とともにコミュニケーションを図っている。また次年度について仕事を継続するのか退職するのかを記入する欄もあり、職員採用や配置替え等にも活かしている。「児童の権利擁護の自己点検」の記入により、職員個人が支援に関して心掛けていることや悩み事や誰に相談しているかを把握でき、メンタルケアに活かしている。
外部スーパーバイザーにより職員へのコンサルテーション等、施設運営向上に努めている
地域の福祉ニーズは児童相談所との連絡協議会、区内児童養護施設と板橋区の意見交換会等で把握している。また東社協の児童部会の資料は職員全員が閲覧している。施設では専門機能強化型児童養護施設として支援体制の確立を進めており、外部スーパーバイザーによる施設運営向上に取り組んでいる。施設長面接等において職員状況を把握しており、地域、福祉動向、職員状況等に関して総合的な対応策をスーパーバイザー、主任以上から成る施設運営向上委員会で検討している。
更なる小規模化とグループホームの新設を描く中長期計画の実現に期待したい
令和12年度までの6か年計画では、更なる小規模化を図ると同時に地域に新たなグループホームを設置する計画となっている。具体的には①令和7年4月以降、国型女児グループホームを一時的に閉鎖し、本園に吸収することにより、職員体制の安定化を図る。②令和8年4月以降、現在の都型男子グループホームを国型グループホームに昇格する。面積の関係で4名定員とする。職員数を増やす。③令和10年4月以降、一時的に閉鎖していた国型女児グループホームを定員4名で再開する。計画の実現のためには職員の確保に期待したい。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
苦情解決第三者委員との個別面談で出された苦情(要望)等は、職員に共有されている
子どもや保護者には入所時に、苦情解決制度の説明を行っている。各ユニットには苦情解決制度のポスターを掲示して理解を促しており、「ひと声ポスト」も設置している。3名の苦情解決第三者委員が年に3回、小学生以上の子ども全員に個別面談を行っており、出された苦情・意見・要望等は苦情解決委員会で職員と共有し、検討している。昨年度は4件の苦情(要望)が上がっている。事業報告書にも記載しており、学期ごとに苦情(要望)がまとめられている他、苦情解決委員会の開催日とその内容が示されており、透明性が図られている。
虐待防止に向けて、「児童の権利擁護自己点検」により職員の省察を重んじている
年2回の施設長面接時に、「児童の権利擁護自己点検」を提出して、不適切な関りの有無を報告している。職員自ら申し出るという形をとることで、職員の自己省察を重要視しており、そのうえで職員の悩みや苦慮している点等を聞いている。事案によってはユニット長会に報告し、対応策等を協議している。組織的に虐待を防止するために職員一人ひとりの話を聴き、職員の自己開示を受け入れることで心理的安全性の高い施設にしようとしている。その分、全養協の権利擁護チェックリストは年1回施設長に提出するに留まっている。
地域活動はコロナの影響をうけているものの、関係機関との連携は継続している
施設としての地域活動は、昨年度も新型コロナウィルスの影響で、清掃活動、地区運動会、防災訓練等が行われなかった。ただブロック単位では地域清掃活動やドッジボール大会等に参加しているところもあった。法人機関紙「マハヤナタイムス」を地域の学校関係者や第三者委員、関係機関、町会、支援者等に向けて発行している。また多目的ホールを小・中学校のPTAや校外委員等の会合等に提供している。地域の関係機関とのネットワークは区内児童養護施設と板橋区の意見交換会、児童相談所との連絡協議会等の参加により築いている。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
ヒヤリハット・インシデント報告書の内容によって、ユニットで協議することにしている
リスクマネジメントを「日常生活に起こりうる様々なリスクの予防」、「施設内虐待の防止」という予期・予防意識をもって環境の安定を図り、安全の確保に取り組むことと捉えている。昨年度の取り組みとして、①自転車用ヘルメット着用の義務化について話し合い、幼児用ヘルメットを購入した。②不審者対応マニュアルを作成した。③BCP物品購入を決定した。④実務の手引きの修正を図った等の活動を行っている。今年度はヒヤリハット・インシデント報告書の内容によってユニットで協議・分析を行い、リスクマネジメント委員会で報告している。
BCPはリスクマネジメント委員会において検討しており、職員会議等で説明している
BCP(事業継続計画)は、「災害発生時緊急対応マニュアル」としてまとめており、主な優先業務の具体的実施方法やチェックリスト、備蓄品の管理、災害発生概ね1時間以内、24時間以内等に行う職員の役割、優先業務等を定めている。また災害伝言ダイヤルを使った参集訓練を実施している。食料等は各ユニットで備えている。BCP(事業継続計画)はリスクマネジメント委員会で検討しており、その都度、職員会議等で説明し、資料を配布している。また会計データはクラウド化しており、育成記録についても今後クラウド化する予定である。
個人情報管理には権限設定を施す等、セキュリィティーを高める取り組みを行っている
「個人情報保護マニュアル」には、・個人情報保護管理者、・対象となる個人情報、・保管場所、・金庫・鍵付き書庫で扱う品々、・ボランティア・実習生などの対応等が明記されており、職員に配布すると共に守秘義務の説明を行っている。定期的に書庫・書棚及びパソコンの共有フォルダを整理している。パソコンを常用する職員にはパスワードを設定し、育成支援ソフトに入るための個人IDを発行しており、役職・役割に応じた権限設定をすることでセキュリティーを高めている。個人情報の開示請求等に対しては、個人情報保護規程により対応している。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
人材確保に向け2つの委員会を立ち上げ、人材育成にはチューター制度を用いている
人材確保に向け、今年度委員会を2つ立ち上げた。マハヤナタイムス作成や、ホームページ更新を担当する広報委員会と、求人募集、施設見学会を担当する人材対策委員会である。人材育成は「令和6年度人材育成計画実施要項」(業務管理シート‣チューター制度)に基づき行っている。新任職員には「OJTチェックリスト」を使っており、半期ごとにその習熟度に応じてチューターが所見を付している。主任はチューターからの報告を受けて所見を付し、施設長に提出している。それに加えて施設長面接等で職員の意向を確認して、職員配置につなげている。
人事の硬直化を考慮してキャリアパスを採用していないが、再考も一法かと思われる
施設ではキャリアパスによる人事の硬直化、人事考課と給与の連動による組織内の人間関係の弊害を考慮して、キャリアパス制度、人事考課制度を実施せず、勤務年数に応じた給与制度を採用している。職員の育成については業務管理シート、チューター制度により業務習熟を図ることで、意欲向上につなげていくとしている。非常勤医師、心理職員等によるコンサルテーション、面接等により職員の支援力やメンタルケアが図られ、内部研修、外部研修とも充実している中、職員の定着のためにもキャリアパスについて、再考してみるのも一法かと思われる。
ユニット会議には主任・専門職も出席して、子どもとの関りをチームで取り組んでいる
各ユニット会議には主任、専門職が出席してスーパーバイズをが日常的に行っている。また職員個別の悩み事にも主任が相談に乗り、スーパーバイズをしている。例えばご飯を温めてもらうことは感謝しなければならないことなのに、職員がするのが当たり前だと言う子どもに対して感謝すべきことを伝えたいのだが、どう接すればよいのかという職員の相談に乗っている。そして先ずは食事の時には皆で「いただきます」の挨拶をすることが当たり前になろうと職員がチームとして率先して挨拶を続けて行い、次には自分で出来ることを増やしていこうとしている。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
前年度の具体的な目標【P】を職員の負担軽減および小規模化充実を図るための人材確保とした。具体的な取り組み【D】として求人サイトの拡充、また職員の切り抜き動画などをホームページに掲載し、積極的にPR活動を実施した。振り返り【C】は、新規採用者は3人と、予定求人数を下回る結果となった。求人募集などに携わるのが幹部層だけでは現状を打破するのか難しいと思われる。今年度の目標【A】として、委員会に「人材対策」と「広報」に特化した委員会を設置した。求人・広報スタッフを増員し、また若手委員の発想を積極的に取り入れ、求人活動を質・量ともに強化することで予定人員を確保する。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
前年度の目標は「人材確保」である。職員数を増員するこで、小規模化に対応することした。併せて職員の業務負担の軽減を図ることを目指している。具体的な取り組みとして、職員の切り抜き動画等をホームページに掲載し、積極的にPR活動を行った。結果の振り返りは、新規採用者が3人であった。予定していた求人数を下回る結果となり、現状の方法では限界だとして、多くの職員の力を取り入れることが必要だと判断した。今年度の目標も「人材確保」と設定し、人材対策委員会、広報委員会の2つの委員会を新たに立ち上げた。それによりホームページの更新のために、業者を入れることにした。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
前年度の具体的な目標【P】を子どもの権利擁護とした。具体的な取組【D】として、特別支援級児童は学校の規則によりアルバイトをする事ができない関係で、高校でも携帯を持てないが、連絡手段がないと生活に支障を来すと児童からの要望があり、携帯購入の財源や学園のルール見直しを検討した。結果の振り返り【C】として、018サポートを財源として特別支援級の児童も携帯を持つことができるよう、子ども自治会に提議し、他児道の賛同を得た。今年度の目標【A】を意見表明権を重視し、児童の個別の事情を考慮した上で学園のルールを変更していくことを検討していくとした。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
前年度の具体的な目標を子どもの権利擁護の推進とし、特別支援級の子どもたちにも携帯を持たせようと取り組んだ。特別支援学級の児童は学校の規則によりアルバイトが出来ず、携帯を所持することができない。しかし、日常の連絡手段として携帯が使われているなか、携帯がないために不便な生活を強いられている。そこで携帯購入の財源や学園のルールの見直しを検討した。その結果、東京都の事業である018サポートを財源として特別支援学校の児童にも携帯を持つことができるよう、子ども自治会に提議し、他児道の賛同を得た。これにより毎月5000円が携帯費用に充てられることになった。今年度の目標は引き続き子どもの権利擁護の推進とし、意見表明権を重視し、児童の個別の事情を考慮したうえで、施設のルール変更について検討していくことにした。
サービス分析結果
【講評】
ウエブサイトに加え、SNSにより施設での日常生活の一コマを紹介すること予定である
ウエブサイトにはマハヤナ学園撫子園の養護目標、施設概要、児童の生活、ボランティアや寄付の募集等に関する情報を発信しており、職員採用情報については法人のウエブサイトに就活準備サイトのリンクを貼り、動画を活用して施設の紹介をしている。動画では仕事の内容や職場の雰囲気、やりがい等、職員が自身の言葉で語っており、定期的に内容をリニューアルしている。来年度からはSNSを活用して、施設での日常生活の一コマを紹介することを予定しており、現在準備を進めている。
機関紙「マハヤナタイムス」を関係機関、後援会等に配布して施設の情報を伝えている
機関紙「マハヤナタイムス」は、施設長の挨拶、新任職員紹介、決算報告、収支報告等の施設運営に関する事項に加え、子どもたちの日常生活や行事の際の様子等を掲載しており、児童相談所、子ども家庭支援センター、養成校、同業者等の関係機関、後援会、寄付寄贈者等の関係者に郵送している。特に、長年にわたり法人運営の支えとなっている後援会や寄付者への感謝の意を示しており、この編集方針は変えずに情報発信していく予定である。機関紙については施設長が対応していたが、今後は現場が編集を担うことになっている。
高校生には児童相談所と連携の上、事前見学に応じており入所への納得性を高めている
児童相談所から入所の打診があると空きがあるユニットの状況等を勘案し、受け入れの余地がある場合は児童票を取得して施設長、主任、ユニット長による協議により入所を決定する。保護者や子どもが事前の見学を希望した場合は、担当の児童福祉司と協議の上で対応しており、特に自立支援施設からの措置変更や高校生の入所に関しては、事前見学をしてもらうことで、施設生活がイメージできるようにしており、入所への納得性を高めている。また、関係機関を含めた見学は、入所児童が学校に行っている時間帯とするなどの配慮をしている。
1.子どもや保護者等に対してサービスの情報を提供している
- 子どもや保護者の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 子どもや保護者の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
インテークではマハヤナ学園撫子園生活のしおりに沿って日課や遊び等伝えている
一時保護所でのインテークには、家庭支援専門相談員を兼ねる主任とユニット長が対応しており、「マハヤナ学園撫子園 生活のしおり」に沿って、どのような子どもが生活しているのか、職員の役割、日課や遊び等、施設での生活について説明をしている。子どもからは、塾や習い事に行けるのか、小遣いはいくらか等の質問が多く、子どもの年齢や過ごしてきた家庭状況等に応じて、理解しやすいよう説明している。子どもには好きな遊び等、興味関心がある事項等を聞き取り、「入所時書類・説明事項等確認票」に記録し、職員間で共有している。
入所当初は人との距離感、従前の学校や家庭での生活状況等を会話を通して把握している
入所日当日は午後の早い時間に来所となるよう調整し、日課を中心に具体的な過ごし方やユニットの雰囲気や構成メンバー等の説明をした後、一緒に衣類等の持ち物を整理したり、日用品の買い物に出かけ、その際、整理整頓の状況、人との距離感、従前の学校や家庭での生活状況等を会話を通して把握している。入所予定のユニットの子どもたちには事前に新たな入所児童が来ることを伝えて歓迎ムードをつくるが、子どもが緊張しないよう敢えて歓迎会等は行っていない。また、家庭での生活状況を踏まえて食事量、偏食等の調整を段階的に実施している。
退所前に家庭訪問をして生活環境を確認し、必要に応じて関係者会議を開催している
昨年度は、家庭復帰3人、自立援助ホーム1人、措置変更1人、就職・進学による自立生活は4人であった。家庭復帰の場合は、面会・外泊により親子調整を行っており、退所前に担当福祉司とFSWが家庭訪問をして生活環境を確認している。特に料理をしているか等キッチン周りを注視しており、家事援助が必要であると判断したケースでは、児童相談所、子ども家庭支援センター、保育園、訪問看護ステーション等と関係者会議を開催し、退所後の支援体制を整えている。自立生活に向けては自立訓練棟で一人暮らし訓練を実施している。
1.サービスの開始にあたり子どもや保護者に説明し、理解を得るようにしている
- サービスの開始にあたり、施設の基本的ルール(約束ごと)、権利擁護の取り組みをはじめとした重要な事項等を子どもや保護者の状況に応じて説明している
- サービス内容について、子どもや保護者の理解を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、子どもや保護者の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、子どもの支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- 入所以前の生活習慣等をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、退所後の支援の継続性にも配慮している
【講評】
児童票及び子どもとの会話で把握した事項等をもとに「基本情報」を作成している
新入所児童には、児童票及び子どもとの会話で把握した事項等をもとに、家族構成、主たる養育者の就労や経済状況等の家庭状況、ジェノグラム、家族同士の関係性、距離感、就寝場所や密集度等を示した間取り図などの生活の様子、エコマップ、生育歴等を「基本情報」にまとめ、ユニット会議で共有している。入所後2か月間を観察期間とし、子どもの言動や他児との関係の作り方、生活の様子等の特徴を把握してアセスメントシートの作成につなげており、状況の変化に応じて見直しをしている。
意向確認票に基づき子どもと面接を行って目標を設定し、自立支援計画に反映している
自立支援計画書は5~6月にかけてユニットの担当職員が作成し、10月に見直しをしており、3月のモニタリングでは短期・中期・長期目標に対して具体的な展開、支援内容と専門職及び他機関の意見が記載されており、主任、副主任、自立支援担当職員、心理職とユニット職員によるユニット会議で共有している。自立支援計画書作成にあたっては、子どもと面接を行い、意向確認票に基づき子どもが目標とすること、職員が目標としてほしいことを相互に確認して計画に反映しており、自分で出来ることを増やしていく内容となっている
育成記録は自立支援計画との連動性を意識し、成長の様子等記載することを周知している
日々の子どもの予定や特記事項等は、ユニットの申し送りと引継ぎノートで共有するとともに、個々の子どもの育成記録は「処遇援助システム」に入力している。育成記録は、本人、健康、学校などの項目に沿って記録しており、自立支援計画との連動性を意識すること、子どもの日々の成長の様子、そこから見えてくる子どもの心情、課題、変化等を記載することなど、実務の手引きに明記し、職員に周知している。また、ユニット会議録に自立支援計画の短期目標を記載し、会議の際に確認できるようにしている。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
- 子ども一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.子どもや保護者の希望と関係者の意見を取り入れた自立支援計画を作成している
- 計画は、子どもの最善の利益を第一に、子どもや保護者の希望を適切に反映して作成、見直しをしている
- 計画を子どもにわかりやすく説明し、同意を得るようにしている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直すとともに、緊急に支援内容を変更する必要が生じた場合の対応や計画変更のしくみを整備している
3.子どもに関する記録を適切に作成する体制を確立している
- 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、子どもに変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の自立支援計画に基づいて、自立した生活が営めるよう支援を行っている
- 個別の自立支援計画に基づいて支援を行っている
- 子ども一人ひとりに合った方法で、子どもと職員との愛着関係や信頼関係を構築するために受容的・支持的な関わりをしている
- 小規模なグループでケアを行うなど、子どもが家庭的な環境の中で生活できるよう支援を行っている
- 子どもの発達支援等のため、精神科医等が子どもの発育等に応じ個別判断した上で、児童相談所と協議し、適切な職員等が生い立ちを振り返る取り組みをしている
- 退所後の安定した生活基盤の確保に向け、関係機関や関係職員が連携をとって、リービングケア(退所後の生活を見越した支援)を行っている
- 退所後は計画に基づいて、一人ひとりに応じた支援を関係機関や関係職員と連携して行っている
【講評】
被虐経験等を踏まえ、基本的な信頼感の回復や獲得を目指して日々、関わっている
入所している子どもの約70%に被虐経験があり、大人への基本的な信頼感が損なわれていることを踏まえ、まずはその回復・獲得を目指すことを養育目標の中に明記している。育成記録からは、その点に留意してホーム職員を中心に日々、子どもたちと関わっている様子がうかがえる。例えば幼児については、幼稚園への送迎時や就寝前の時間にできるだけ話を聞くようにしたり、行事の前には日常的に行事に向けた話をし、活躍を楽しみにしていることを伝える等の関わりをしている。行事の後には大いに褒める等、自己肯定感を高められるように支援している。
子ども自身が入所理由を認識できるよう、児相と連携し生育歴の整理をおこなっている
アセスメントシートには「自分が施設で生活している理由を知っていますか」との質問を盛り込み、子どもの認識を確認している。特に乳児院からの措置変更で入所した子どもについては、入所理由への認識が薄いという前提に立って、生育歴の整理の必要性が高いと捉えている。子どもに自分のルーツを知りたい様子が見受けられた場合には、速やかに児童相談所と情報を共有し、年齢・状況に応じた伝え方や継続の必要性について協議している。どの子どもにも、自分の成長や可愛がってもらったことへの肯定感を持てるよう、アルバムを作成している。
季節の便りや個別の関わり、自立訓練棟での支援等、アフターケアを充実させている
自立訓練棟として3部屋を用意しており、リービングケアの一環として自立前の高校生が自活訓練に使用する他、アフターケアにも活用している。退所した後、人間関係等でつまづいたり失職したりといった困難な状況に陥った場合に、一時的に身を寄せることができるようにしている。アフターケアの取り組みを重視し、個別に計画を立てて支援の継続を図っている他、20歳までは誕生日のお祝いのカードや年賀状を送っている。退所前に仲の良かった在籍児や関係性の良かった職員から寄せ書きのようにメッセージを記し、心の繋がりを保てるようにしている。
2.家族等との関係構築に向けた取り組みを行っている
- 家庭支援専門相談員を中心に、家族等との関係構築のための支援方針が明確にされ施設全体で共有されている
- 子どもの最善の利益を第一に子どもや保護者等の意向を確認しながら、関係機関と連携をとって、子どもと家族の関係調整に取り組んでいる
- 子どもの状況や行事等の情報を個別の連絡により保護者等に知らせている
- 保護者等との面会、外出、一時帰宅等は、状況を把握したうえで、子どもの安全に注意しながら行っている
- 養育家庭や養子縁組等の制度が有効に活用されるよう児童相談所と連携をとっている
- 入所中の子どもの家族等(里親を含む)に対し、退所後の生活を想定したさまざまな支援を行っている
【講評】
協議の場で調整をスムーズにするため、権限のある主任を家庭支援専門相談員としている
ユニットリーダーが各ユニットの全ケースの状況を把握しており、ユニットリーダーが中心となって、家庭支援専門相談員と連携しながらファミリーケースワークを進めている。児童相談所との協議の場面等ではその場での調整が必要になるため、主任を家庭支援専門相談員とすることで、スムーズなやり取りを可能にしている。家族との面会にも必要に応じて主任が立ち会っている。親子交流室があり、トイレ、お風呂、キッチンを完備し宿泊も可能である。実際には日中の交流に使われることが多く、宿泊は自宅での外泊交流が多くなっている。
支援方針や情報を児童相談所と共有し、密に連携しながら家庭復帰に向けて支援している
ファミリーケースワークにおいては各ケースの状況を施設全体で把握し、児童相談所と方針や情報を共有し、連携しながら進めている。保護者や子どもの意向をまず把握し職員間で協議した後、児相との協議をおこなっている。子どもの最善の利益を考慮して家庭復帰優先の考え方に立ち、親の意向が変化した場合でも、できるだけ家庭復帰の方向で調整するよう努めている。子どもの意向も確認しながら、学校の年間予定表を保護者に渡し、運動会、発表会、入学式、卒業式等の大きな行事には個別に声をかける等、可能な範囲で家族との関係性の継続を図っている。
現状で養育家庭やフレンドホームの利用はなく、今後の取り組みに期待したい
養育家庭については入所前に児童相談所と協議している。子ども自身が望まない場合には無理に進めることはしていない。フレンドホームに関して施設に問合せがあった場合には区の育成支援課の窓口を案内しており、登録希望があれば受け入れる方針であるが、現状で登録者はいない状況である。施設の児童構成では、フレンドホームとの交流を始めるのに適した年齢である小学校低学年以下の子どもは1割未満であり、対象児が少ないことも影響している。家庭との交流がない子どもに対する交流の必要性を認識しているため、今後の取り組みに期待したい。
3.子どもが楽しく安心して食事ができるようにしている
- 楽しい食事となるような環境を整えている
- 食事時間は子どもの希望や生活状況に応じて対応している
- 食事の献立は、子どもの状況(食物アレルギーや疾患等に関する主治医等の指示を含む)や嗜好に応じて工夫している
- 食習慣の確立や食についての関心向上のため、関係職員と連携して食育の推進に取り組んでいる
【講評】
子どものリクエストを取り入れて献立を立て、本園でも汁物等はユニット調理としている
本園では主菜・副菜は基本的に厨房で一括調理しているが、ユニットでご飯を炊き汁物を作ることで、調理の匂いや雰囲気を子どもたちが感じ取れるようにしている。おやつは各ユニットに予算を配分して購入している。また、2、3週に1度はカレーライス、チャーハン等の献立でユニットでの完全調理もおこなっている。グループホームではホーム毎に予定献立を立て、職員が調理して提供している。調理主任や栄養士、調理員も宿直に入るため、日頃から子どもたちと関わる機会があり、嗜好調査の他にも子どもから直接、食へのリクエスト等を聞いている。
オリジナルの冊子も使い、個別の目標に沿って自炊等ができるように支援している
退所後は一人暮らしをしたりグループホームに移行する等、子どもによって生活環境が異なるため、それも踏まえて自立支援計画書に「食育」の欄を設け、個々に合った食事の用意を自分でできるよう食育目標を立てている。リービング・アフター委員会が食育の冊子を作成し高校3年生の初めに渡しており、一人暮らしを始めたネズミのキャラクターを漫画にして自炊の必要性について伝え、一週間の献立例や食品の保存方法、施設の懐かしのメニュー等を掲載している。調理実習もおこない、レトルト等も使いながら無理なく食事の準備ができるよう支援している。
夕礼の中で食に関する知識を伝えたり野菜を見せる取り組み等により、食育を進めている
毎年施設全体の食育計画を立て、食育に関する重点目標を決めて取り組んでいる。以前から夕礼で栄養士から食に関する話をする取り組みをおこなってきたが、本年度はさらに力を入れている。調理員も参加して、例えば肉の種類について紹介する等しており、その場にいなかったホーム職員に子どもから話をしたり、食卓で話題にする等、ホームでのコミュニケーションの機会にもなっている。子どもたちが材料そのものを目にする機会が少ないため、レタスとキャベツの違いを実物で見せる等の工夫もしている。今後も実体験の取り組みの充実が期待される。
4.子どもの健康を維持するための支援を行っている
- 入所まもない子どもの健康状態(口腔ケア、視力等)に配慮し、健康維持のための支援を行っている
- 健康に関して、子どもに理解を促す取り組みを行うとともに、子どもからの相談に応じ、必要に応じて子どもや保護者等に説明をしている
- 子どもの服薬管理は誤りがないようチェック体制の強化などのしくみを整えている
- 医療機関と連携しながら、日頃の健康管理を行い、子どもの体調に変化があったときには、速やかに対応できる体制を整えている
【講評】
子どもの年齢や症状等に応じて通院に同行しており、一人での通院経験も大切にしている
入所時に健康診断を実施し医師の所見を得て、「健康の記録」に身長、体重、視力、眼科疾患、耳鼻咽喉疾患、歯の状況等について記載している。在籍児童に対しては、学校健診の記録の受領及び施設での嘱託医による健診により、健康状態を把握している。基本的に小学生までは、自分の体調について上手に医師に伝えられない場合があることを考慮し、通院に付き添っている。中学生以上では、予防接種等には1人で行く経験も大切にしているが、発熱時や精神科・心療内科等には必ず職員が付き添うようにし、医師との連携や状況の適切な把握に努めている。
食物アレルギーや生活習慣病等は、子ども自身が理解し対処できるように働きかけている
子どもの健康面の変化等は、日常的に関わっているホーム職員が育成記録に記載するようにし、「健康」のタグを付けることで検索しやすくしている。持病のある子どもについては、自分の病気や将来予測される症状、対処方法等について、子ども自身が理解できるように支援している。食物アレルギーを持つ子どもには、栄養士とホーム職員が連携して子どもと話し、年齢に応じた理解ができるように取り組んでいる。他の子どもとのおやつの交換等を安易にしてはいけないこと、食品表示を確認してアレルギー品目がないかどうかを見る必要性等を伝えている。
服薬チェック表や朝礼時の確認の仕組みを設け、服薬忘れ等の防止を図っている
服薬に関しては、子どもの名前と服薬状況を「服薬チェック表」に記載することで可視化すると共に、通院に同行した職員が1週間分のピルケースに薬をセットし、保管している。薬の量等の変更があれば、その都度「服薬チェック表」を更新している。実際に飲ませた際にチェックを記入し、薬袋はケースに戻し、翌朝確認するしくみとしており、三重のチェック体制を築いている。朝礼で前日の服薬状況を報告するようにしたことにより、飲み忘れ等のミスが減っている。向精神薬の飲み忘れがあった場合には、学校に職員が出向く等、服薬の徹底に努めている。
5.子どもの精神面でのケアについてさまざまな取り組みを行っている
- 子どもが心の悩みや不安を相談できるように工夫している
- 性についての正しい知識と理解が得られるよう、子どもの年齢や状況に応じた説明を行っている
- 子どもの課題に応じて、心理的ケアや医療的ケアが必要な場合は、関係職員・機関と連携をとって、支援を行っている
【講評】
6名の心理職員とホーム職員が密に連携を図りながら、子どもの心のケアに対応している
被虐体験や親子の分離体験等を経てきた子どもの心のケアをおこなうため、心理療法担当職員3名、心理治療指導員3名の計6名の心理職員を配置している。心理面接等を担当する職員は、性別や相性等を見て、マッチングを図りながら対応している。受け持つケースに関しては、担当のホーム職員と子どもの様子等に関する情報共有やディスカッションをおこない、密な連携を図っている。心理面接を始める前段階として、心理職員が生活場面に入り、子どもの様子を直に把握することもあり、子どもへの理解を踏まえた対応に繋げている。
性教育委員会が新聞の発行や夕礼、性教育等を通して自他の尊重等について知らせている
性教育委員会では年に数回「LP(ラブアンドピース)新聞」を発行している。昨年度は、体の臭いについて、体のしくみについて、日本・世界の食事マナーについてをテーマに取り上げており、自分を大切にし、他者との良好な関係を築けるような心構えを伝える内容となっている。新聞の内容に沿って夕礼も実施し、対話を通して理解を深める機会を設けている。中高生向けや職員向けに、助産師による学習会も開催している。グループワークや個別での性教育も実施し、年齢に合わせて、適切な距離感や相手を尊重する対応、第二次性徴等について知らせている。
専門機関への通院や職員の研修受講、医師の助言等により、重篤ケースに対応している
特に傷つき体験の大きい子どもに対しては、一人ひとりの状況に応じて担当職員が研修を受講する等により、専門性を高めて支援にあたれるように取り組んでいる。また、児相の心理司と特に密に連携したり、虐待ケース等に特化した精神科のクリニックに通院する等、子どもの心のケアに努めている。専門機能強化型児童養護施設として、小児科医が月2回、施設の専門職会議やケース会議、生活場面面接、個別面接、職員のコンサルテーションに参画している。新入所児には全員に一度、個別面接の機会を設けており、その後も継続的に医師と情報を共有している。
6.子どもの主体性を尊重し、施設での生活が楽しく快適になるよう支援を行っている
- 居室等施設全体は、子どもの年齢や状況に応じて一人ひとりの居場所が確保され、安心、安全で快適なものとなるようにしている
- 日常生活や余暇の過ごし方は、子どもが主体的にかかわって決めている
- 行事やイベントの企画・準備は子どもとともに考え行っている
- 施設の生活ルールは子どもの意見を尊重し見直しを行っている
- 子どもが一人ひとりの希望や季節等に合った清潔な衣服を身に付けられるよう支援している
【講評】
リアルな体験を大切にし、スマホが必要な際には使い方のルールを明確にしている
スマホやSNS、ゲーム等が子どもたちの生活を占める割合が多くなりがちな中で、「遊び」からの学びを重視し、リアルな体験を大事にしてほしいと考えている。例えば雪遊びは楽しくもびしょびしょになり、冷たくきつい体験にもなり得るが、そうしたことも経験として大切にしている。スマホの保持は高校生でアルバイトを始めてからを原則としているが、課外活動等で必要な場合には、練習に関する連絡のためのSNS使用、移動のための地図使用等、目的を事前に明確にし、保持する時間帯等の約束を子どもと確認した上で渡している。
子どもの希望を聞きながら、全体や小グループ、個別で多様な行事をおこなっている
施設の全体行事としては、夏休みの小学生キャンプ、後援会による餅つき、クリスマス会等がある。また、仏教行事として花まつり、みたままつり等、年間5回の行事をおこなっている。その他の行事は個別やグループでの取り組みが中心となっており、登山、サイクリング、イチゴ狩り、川釣り、雪遊びといった自然の中での遊びや、映画、水族館、動物園、プール、テーマパーク、ボウリング場、スケート場等への外出、街の散策等、子どもたちの希望を聞きながらさまざまな余暇活動を実施している。行事への満足度調査もおこない、次年度に活かしている。
余暇時間の充実という観点からも、子どものアルバイトを奨励している
部活に入っていない高校生等は時間を持て余しがちになるが、自由時間を充実させてほしいとの考えからも、アルバイトを奨励している。子どもの様子を見てきっかけを捉えて声をかけ、促す等、子どもによっては意欲を持てるような働きかけもおこなっている。職場で働く人々と共に過ごすことでコミュニケーション能力が向上することも踏まえ、学校の友達とは違う大人との付き合い等、社会に出る前段階として必要な経験を、基本的に全ての子どもに積んでほしいと考えて取り組んでいる。
7.子ども一人ひとりに応じた学力向上・進路決定のための取り組みを行っている
- 基本的な生活習慣を確立するとともに、社会常識、社会規範及び生活知識・技術を身につけられるよう支援を行っている
- 学習環境を整備し、基礎学力の向上・学習習慣獲得のための支援を行っている
- 子どもの意欲・意思や能力に応じた学習教材・塾等を活用している
- 進路について、子どもと保護者等、学校、施設による話し合いを行っている
- 多様な選択肢を提示したうえで、子どもの最善の利益にかなった進路の自己決定ができるよう支援している
- 個別に必要な時期・状況で、職場実習や職場体験、アルバイト等の社会経験を積めるよう支援している
【講評】
年齢や個々の状況に応じて、好ましい生活習慣が身につくよう援助している
子どもの生活力向上のため、中学生以上は洗濯を自分でおこなうこととしているが、部活や試験等で時間がない時には職員が畳んで居室の入口に置いておく等、必要に応じて手伝い、柔軟に対応している。散らかった部屋は心の状態にも影響するため、きちんとした生活を送ってもらうことを大切に考え、週末に一緒に居室の掃除をおこなう等、個々に応じて介入している。小さい子どもの入浴には同性職員が一緒に入り、体の洗い方等を教えたり、歯磨きの様子を確認して教える等、支援しながら少しずつ自分でできることを増やせるように支援している。
学業への意欲が高い子どもや不登校の子ども等、それぞれに応じた支援をおこなっている
学業に秀でていたり、子どもに意欲がある場合には、高校進学後にも通塾を継続できるようにする等、可能性を応援する姿勢で支援している。一方、不登校の子どもについての支援にも注力し、ケース会議における医師からの助言等を学校とも共有し、子どもへの支援の姿勢を揃えるように働きかけている。学校に行かない場合でも生活リズムが崩れることのないような支援に努め、昼夜逆転の傾向がある場合には、ホーム職員が主任、医師、児相と連携して、必要な関わりを検討しながら対応している。
自立支援担当職員が助成金等の情報を集約し、個々に応じた活用を支援している
自立に向けて活用可能な奨学金や住居手当等の各種制度の情報は自立支援担当職員が集約し、子どもの希望や状況に応じて活用できるように取り組んでいる。高校進学に関してはホーム職員が中心に、子どもの意向を聞きながら学校説明会への同行等の支援をおこない、子どもに合った進路を選択できるよう援助している。社会的自立を控えた子どもの中で、就労意欲の低い子どもに対する支援には困難さがあるが、外部の資源も活用しながら適性を把握したり、支援の手厚い企業への就職を斡旋する等、自立支援担当職員が関わりながら対応している。
8.地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている
- 地域の情報を収集し、子ども一人ひとりの状況に応じて活用している
- 施設の活動や行事に地域の人の参加を呼びかける等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
- 子どもに、地域と日常的に関わりながら生活していることの大切さを伝えている
【講評】
後援会行事として、毎年、千葉県への旅行や餅つき行事がおこなわれている
12月に実施する餅つき行事では、希望する子どもたちが本園の園庭での餅つきや豚汁づくりを手伝い、後援会の人々も一緒に講堂で昼食として味わっている。また、夏には千葉県への旅行行事があり、大型バスを借りて皆で移動し、ホテルに宿泊して、プールでの泳ぎやバーベキューを楽しんでいる。後援会との良好な関係性が継続しており、子どもたちに非日常の経験や外部の人との交流、人々の厚意を受け取り感謝の気持ちを持つきっかけを提供している。
現状では少ないが、子どもの希望等に応じて習い事ができるように支援している
学校の部活やクラブ活動以外にも、地域の野球クラブやサッカークラブ、書道教室等、子どもが希望する場合には参加できるように支援しているが、現状では通塾や英語教室の利用はあるものの、スポーツや芸術面の習い事をしている子どもはいない。本人の希望以外でも、個々の様子をみて伸ばしたい部分や、自信をつけるために有効であると思われる場合にも習い事を勧めることがあり、実際に技能が向上して学校で賞を取るといった体験に繋がったケースもある。必要に応じて地域資源を活用し、個々の可能性を広げられるように取り組んでいる。
練習を積んでマラソン大会に参加する等、地域行事等の機会を積極的に活用している
コロナ禍を経て学校行事や地域行事は中止や縮小の傾向が続いているが、地域でのマラソン大会が復活しており、施設でも希望者を募って15名以上の小学生が参加している。1.5キロメートルの距離を走るため、大会前には施設の外周を走り、練習を重ねた。地域の学校対抗ドッジボール大会にも子どもたちが参加し、職員が応援に行っている。また、地域清掃等の機会があれば参加している。グループホームでも近所との付き合いを心がけ、挨拶等により良好な関係性を築けるように留意している。
【講評】
媒体への写真の掲載等、児童の個人情報の取り扱いは学校とも連携し対応している
個人情報の利用目的の説明、使用時の同意に関する保護者とのやり取りは、入所時に児童相談所が対応しており、学校とは個人情報使用時の同意書を提出しているが、学校のウエブサイトへの写真掲載や、保護者以外の校外者が閲覧できる媒体への写真や名前の掲載は断っている。施設のウエブサイトに子どもの写真は掲載せず、現在導入を検討してるSNSについても写真の扱いには注意を払うことを確認している。また、児相とのやり取りを含め、子どもに関わる個人情報は施設長の許可を得たうえで持ち出すこととし、必ず回収をしている。
日常生活の場での異性児童への職員の関わり方等、ルールを定め運用している
人権擁護への取り組みとして、入浴、排泄等への対応が必要な時は、男性職員は女子児童のケアには関わらない、幼児の寝かしつけの際は添い寝はせず、背中をトントンしながら本を読み、部屋の扉は開けたままにしておくなどの対応を取っている。また、業務外での児童との交流、宿直業務での注意点、異性児童について23時以降の巡回時には居室には立ち入らない、男子ユニット、女子ユニットのトイレの使用等、ルールを定め運用している。起床支援が必要な児童の場合は、ユニット長と協議のうえ、本人の同意を得て実施している。
携帯の所持や帰宅時間等、施設のルール等は子どもの自治会で話し合っている
権利擁護委員会では、子どもを年齢等でグループ分けして、意見表明権等子どもの権利について説明している。各ユニット・ホームには意見箱が設置されており、投書があると施設長と事務長が子どもと面接をして意向を確認しており、必要に応じてユニット会議を開催して対応を検討している。第三者委員のポスター掲示等で苦情解決制度について伝えているが、担当の福祉司との面接を希望する児童が多い。また、板橋区アドボケイトとの面接等も進めている。携帯の所持や帰宅時間等、施設のルール等は子どもの自治会で話し合っている。
1.子どものプライバシー保護を徹底している
- 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、子どもや保護者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や郵便物の扱い、居室への職員の出入り等、日常の支援の中で、子どものプライバシーに配慮した支援を行っている
- 子どもの羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、個人の意思を尊重している
- 「子どもの権利ノート」などにより、子どもの基本的人権について、日常生活の中でわかりやすく説明している
- 子どもが意見を表明しやすい環境をつくるなど、子どもの権利が守られるように取り組んでいる
- 子ども一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
- 施設内の子ども間の暴力・いじめ等が行われることのないよう組織的に予防・再発防止を徹底している
【講評】
「実務の手引き」はPDCAサイクルに基づき毎年見直して、職員に周知している
施設の業務内容を体系的にまとめた「実務の手引き」が整備されており、ユニット長で構成される「リスクマネジメント委員会」において、内容の修正、更新を行っている。各ユニットにおいて「業務の手引き」を使用しながら見直しが必要だと思われる項目の抽出を10月頃から始め、ユニット長が持ち寄って検討している。修正事項は「実務の手引き修正項目まとめ」に記載しており、修正した項目と内容、担当者を明記するとともに、年度初めには更新した業務の手引きに関する説明会を一般職員を対象に実施して周知を図っている。
不明事項があった際、速やかに確認できるよう実務の手引きを個々の職員に配布している
実務の手引きは、子どもの生活編、リスクマネジメント編、職員編、健康編、入退所編、学校編等のカテゴリー別に手順や対応等を明記しており、各ユニット、ホームのスタッフルームに設置している。また、一人勤務の時間も多く、分からないことがあった際はすぐに確認できるよう職員一人ひとりに配布しており、それぞれの職員は手引書に自身でメモを書き込む等により、生きた手引書としている。また、「災害発生時緊急対応マニュアル」「個人情報保護マニュアル」「性的事故発生時対応マニュアル」等、事故発生時の対応をフロー図で示している。
日常的な判断はユニット長に任せる一方、リスクに関わることは主任が対応している
各ユニットでは、課題等が挙がるとユニット会議で話し合い、ユニットでの対応等を決定しており、日常的な学校、保護者、児童相談所等とのやり取りについてはユニット長の判断に任せる一方、リスクマネジメントに関することは主任が対応する等のルールを定めている。「実務の手引き」のスクマネジメント編には、職員の留意点として、職員の個人情報を伝えない、個人的なやり取りはしない、職員のSNSは児童が閲覧できないよう制限を設ける、個人のカメラで子どもを撮影しない等、SNS使用時の注意点を明記して注意喚起をしている。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や子ども・保護者等からの意見や提案を反映するようにしている
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【講評】
理事長は理念である「感恩奉仕と共生」を辞令交付式、職員会議等で述べ伝えている
「学園創立の理念」「マハヤナ学園撫子園 基本理念」を職員室に掲示している他、理念が記載されている「生活のしおり」を子どもの入所時に配布して説明している。理事長は仏教行事の際の法話等において、「感恩奉仕と共生」、「利他の心」等を説いている。施設長は理念が実践されるには職員が長く働くことで学びが深くなるとしている。それには職員のメンタルケアが重要だとして、職員に対する心理面接の回数を増やしている。また他施設の見学や外部研修等で職員の見聞を広めたいとしている。
新施設長による「園長研修」により、職員は施設長の考えを知り、共有している
今年度、施設長が交代し、新施設長はこれまでの経験を踏まえ、理念の理解と推進、施設運営等に関して職員に説明した。この「園長研修」の実施により、職員は施設長の考えを知ることが出来、思いを共有している。新施設長は児童福祉に関して造詣が深く、施設の強味や弱みを分析しつつ、運営しようとしている。例えば、個人情報保護規程や規約類が一部古くなっている物があり、現状を鑑みて改正し、常に新しい物にしたいとしている。職員の定着に向けてはメンタルケアに力を入れるとしている。
意思決定の明確化が図られており、進学、家庭引き取り等においても周知されている
ユニット長会議で決まったことは経緯も含めて職員に周知をしている。子どもに関しては進学、就職、家庭引き取り等重要な事柄は決定に至る過程を確認して進めている。例えば家庭引き取りのケースにおいては、処遇職員と児童相談所の職員と連絡し合い、児童相談所でAケースと判断されれば、家庭復帰担当職員と子どもが面談して直接確認しており、フィードバックを施設の処遇職員は受けている。児相、職員、子ども、保護者と確認しながら進めていっている。児相と連携、協働できている。