評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)パーパス:私たちは、自閉症をはじめとした生きにくさを抱えている人々を手助けすることを通じて、自分らしさを受け容れ合える社会を実現したい。
2)ミッション:私たちは、支援者と利用者とが互いに認め合いながら自分らしく生きることを支えあう私たちの援助活動を社会に広げていく。
3)バリュー:『受容的交流理論』
〜人を人として尊重し、受け容れる・受け容れられることを通して生まれる信頼関係・かかわりを重視することで人の中で生きていく力を育て合うという考え方〜
4)ビジョン:私たちは、かかわる一人ひとりが安心でき、主体性を発揮し、自己実現を目指す共生社会を実現する。
5)スピリット:私たちは、先入観にとらわれず、一人ひとりを見つめぬきます。
私たちは、こころと思いを大切に、育つ力を信じぬきます。
私たちは、とことん質を追求し、仲間とともに高めあいます。
私たちは、互いの信頼関係を重視し、誠実に向きあいます。
私たちは、支援の中で、自分および利用者が社会的存在であることを常に意識します。
職員に求めている人材像や役割
・利用者一人ひとりの個性や気持ちを尊重した個別ケアやニーズに対応するため、そうした援助や他職種連携等を行い得る、福祉専門職としての知識と技法を身に付ける
・援助実践に臨む態度や理念性における人間としての深い成熟
・一人一人がスーパーバイザーを得て自分で考え、自分の持ち味を生かしながら、自分の支援観を明らかにしつつ、自分らしい援助技術を身に付けていく
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
・福祉という人間の幸せに関わる仕事そのものに価値を置き、プロとしての責任を果たすという積極的な意志を持つ
・法人理念や援助テーマの理解に努め、日々より良い仕事ができるようになりたいという確固とした意志を持つ
全体の評価講評
特によいと思う点
園では子どもの「やりたい」と思う気持ちを大切にして、子ども同士の話し合いの中で意見を出し合い、やりたいことを決めて取り組めるようにしている。子どもの思いや発想等から発展して、秘密基地づくりや玩具の博物館、お店屋さん、銀行、制作等、様々な遊びを発展させている。子ども達の中で遊びが発展している時には、計画や内容を変更して、必要な時間や場所を保障できるよう援助している。また子どもが遊び込めているかを確認し、難しい時には玩具やコーナー遊び等を見直し、子どもの興味関心に合わせて、環境の設定変更にも取り組んでいる。
本年度、主任の交代を機に、コロナ禍以前に実施していたリーダー会を復活させた。職員の気づきや課題等をタイムリーに共有する場であると同時に、主任、副主任、グループリーダーがコミュニケーションを深める場としても位置づけ、事業計画にも記載した。副園長や主任が全てをカバーするのではなく、リーダークラスの職員が自分たちでもしっかり考え、困った時には頼るという働き方を身に付けてもらうための育成も目的としている。組織的な動き方を職員がより認識することで連携が強化され、風通しよく話し合える職場風土の醸成にも繋がっている。
法人内での情報連絡会や研修、勉強会等の開催を通して、法人理念や法令、倫理規範に対する職員への周知理解を進めている。また事業所では職層ごとのグループワークをはじめとする園内研修を企画実施し、互いの保育観を話し合う機会から、「子どもの主体性を引き出し、人権を尊重する」保育目標の実現に向けた、職員間の意識や課題の共有につなげている。より質の高い保育の追求に向けた職員の意欲や力量の向上とともに、近年社会問題となっている不適切保育の防止をはじめ、保育実践におけるさまざまな課題の解決へと活かされている。
さらなる改善が望まれる点
保育日誌にヒヤリハットの欄を設け、日々の保育の中で事故に繋がりやすい状況等に気づいた場合にすぐに記録できるようにしている。他クラス等で同じことが起きないよう、別の書式にも記載している。事故発生時のカメラ映像での振り返りや、安全計画に関する研修等も実施している。しかし、園としてはヒヤリハットの集計・分析等、事故防止のための取り組みをさらに実施する必要があると考えており、集計しやすいような書式への改訂作業も進めている。運営層によるケガの事案の分析等、振り返りの記録を充実させ、取りこぼしのない対応に期待したい。
障害福祉事業に携わってきた法人の理念を踏まえ、事業所ではこれまで障害児や発達面に課題をもつ利用希望者の受け入れに積極的に取り組むとともに、年間を通じた保育実習や職業ボランティアへの対応、区内の保育ネットワーク等への参加等を通して、地域社会における福祉事業の一翼を担っている。地域における法人および施設への高い認知度と信頼を活かしつつ、施設のスペースを活用した未就園児向けの保育所体験などの地域の子育て家庭のニーズに応える支援の拡充に向けた、今後の新たな取り組みが期待される。
同一拠点の系列園と協議しながら、令和4年度より中・長期計画の策定に取り組んでいる。利用者の現状や地域性等のデータを整理し外部環境を把握することから始め、未来像やあるべき姿を書き出すこと、3年後・5年後の目標設定、その達成に向けたそれぞれの課題抽出等、フォーマットを用意し段階的に進めている。地域支援等、求められている社会的使命を果たすことや、自園の強みを活かした園運営を進めると同時に、目の前の子どもたちへの保育との関連性についても今後、時間をかけて話し合い、職員の納得性の高い内容にしていきたいと考えている。
事業者が特に力を入れている取り組み
園では保育目標を掘り下げるためのグループワークを実施している。例えば「たくましく自分の力が働く子ども」の目標に対し、「具体的にどのような子か」「そのためには何が必要か」「保育者としてできること」について各自が付箋に書き出し、話し合う機会を設けている。グループワークを通して、「自分の保育を振り返るきっかけになった」「今だけではなく先の成長を考えて保育をおこなう必要性を感じた」等、参加者に気づきがあったことがうかがえる。法人の理念と保育目標を結びつけて考える機会にもなっており、理念や保育目標の浸透が進んでいる。
園では特別な支援や配慮が必要な子どもを受け入れている。法人の専門分野を生かして保育環境や対応方法等のアドバイスを受けたり、通所している施設がある子どもには、保護者の了解のもと通所施設と連携して取り組むようにしている。一人ひとりの子どもの特性を把握して、保育の中で子どもが自信を持って生活できるよう援助している。例えば数字が得意な子どもには、数の計算やお金の計算を頼んだり、創造性の豊かな子どもの発想や制作を、他の子どもたちへ知らせて一緒に活動に取り組む等、一緒に生活や遊びを楽しめるように工夫している。
今年度「自分のからだは自分のもの」をテーマに、看護師による包括的性教育の視点を取り入れた、健康教育を実施している。一人ひとりに境界線がある事や、境界線に入る時には相手の同意をとる事等を知らせながら、相手がどう思うかを考えるきっかけとなっている。さらにプライベートゾーンの大切さや守る方法についても知らせ、「自分のからだは自分で決めていい」、自己決定権がある事を繰り返し伝えることで、自分のからだも友達のからだも大切にする気持ちを育もうとしている。伝えた内容を保育室に掲示して、子どもの意識を高めている。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:保育園を利用している世帯
- 調査方法:アンケート方式
オンライン回答システムによるアンケート調査 - 有効回答者数/利用者家族総数:45/64(回答率 70.3% )
利用世帯数64世帯中、45世帯から回答を得ることができた。満足度が高かった項目としては、「保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか」「子どもの気持ちを尊重した対応がされているか」「病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか」などがあげられる。総合的な満足度では、24名が「大変満足」16名が「満足」の回答であった。子ども自身の気持ちに寄り添い質の高い保育をしていただいていると感じます、毎日忙しい状況にも関わらず一人一人の子どもや保護者に対してとても親身に寄り添ってくださる素晴らしい園だと感じております、怪我をした時の対応や日々の子どもに対する姿勢は本当に感謝するばかりです、先生方はとても優しく子どもたちのためにご尽力くださり有難い、とても信頼できる保育園、毎日保育園に行くのを楽しみに通っていてほぼ行くことを渋ったことがなく先生方やお友達が大好きです、などがあがっている。意見や要望としては、劇やお歌の発表会などやってくださると嬉しいです、保育職の方の離職や過労などが心配です、、職員体制がギリギリの人数で運営してるのかたまに人がたらず子ども達に目が届いていない気がする瞬間を感じる、などがあがっている。
アンケート結果
1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか
43名が保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。成長に寄り添ってくださっている、先生方が子どもたち一人一人をよくみてくれている印象、毎回とても工夫して遊びを設計してくれるていると感じる、いつも気持ちに寄り添ってくださりストレスなくチャレンジしたいことをがんばれてるようです、役立ってはいるが活動内容が単調に感じる時がある、などがあがっている。
2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか
40名が保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっていると回答している。季節の花や行事やふだんの生活での遊びのなかでたくさんの興味を引き出してもらってます、子どもも自宅で楽しい様子を話してくれる、本人の興味や関心を持てそうな内容をいつも寄り添って考えてくださっており日々の活動を楽しんでいるようです、などがあがっている。
3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか
36名が提供される食事は、子どもの状況に配慮されていると回答している。工夫していただいていると思います、おやつも炭水化物多めでありがたい、お昼はいつもよく食べおやつも手づくりかつ健康的で美味しいようで子どもが喜んでいます、厨房のシステムが変わってからご飯の内容が少し寂しく子どもの食欲も少し減ってしまいました、給食の会社が変わってから質素になった、などがあがっている。
4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか
27名が保育所の生活で身近な自然や社会と十分に関わっていると回答している。気候や健康状態に合わせ配慮もしてくださっている、お泊まり会は特に自分の自信に繋がったようです、田植えはとても良かったです、公園に行く回数が少ないと感じる、社会と繋がる活動をしているかわからない、などがあがっている。
5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか
40名が保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。かなり柔軟に対応してくださっている、柔軟に対応していただいている、とても感謝しております、月末やトラブルで急に延長保育を依頼しておりますがいつも快く延長で預かってくださり感謝です、延長などはしたことがありませんがとても柔軟に対応してくれそうだと感じます、などがあがっている。
6.安全対策が十分取られていると思うか
35名が安全対策が十分取られていると思うと回答している。定期的に保護者説明会等でも細かく説明をしてくださる機会を頂けたり普段登園降園時にも園内を見ている限りでは十分に対策を取られていると思います、出入りする際に少し安全面は落ちる、などがあがっている。
7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か
33名が行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分と回答している。事前にスケジュールを配布していただいたり口頭でも細かく教えてくださるので行事への参加はしやすい環境です、日程や詳細の連絡が遅いと感じることがあります、などがあがっている。
8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか
39名が子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があると回答している。とてもよく子供を見てくださりよく教えてくださる、色々と相談にのってもらえます、とても親身になって考えてくださる先生が多い、園長先生や担任の先生以外にも園全体の先生が情報共有をマメにしてくださるのでとても信頼しております、先生によります、ただ先生方からの積極的な意見交換の意思はあまり感じない、などがあがっている。
9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
40名が施設内の清掃、整理整頓は行き届いていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。衛生管理は細かくされている状態で清潔に感じております、整理されているように感じる、子どもが多いですし致し方ない面はあると思います、ほとんど綺麗ですが2階がたまに匂います、などがあがっている。
10.職員の接遇・態度は適切か
40名が職員の接遇・態度は適切と回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。皆さんとても温かい先生方ばかりで不快に感じる先生は1人もいらっしゃいません、保護者の話を親身になって聞いてくれる、今後夏の暑さに合わせて適切な服装に対応していっても構わないと思う、服装や髪型でパフォーマンスが変わるわけではないのでその人らしく気持ちよく働ける未来を願います、だいたいの先生方はしっかり挨拶などしてくれますが目があっても挨拶しない先生がいる、などがあがっている。
11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
41名が病気やけがをした際の職員の対応は信頼できると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。信頼できる、小さな怪我でも体調不良の際は状況を細かく伝えてくださり信頼しております、鼻水とかふいていないときがたまに気になる、などがあがっている。
12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
29名が子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。とても丁寧に対応・報告してくださり感謝しています、中立の立場で双方の気持ちを汲み取りながら対応してくださっている、小さなことでも報告していただき助かります、現時点では子ども同士の大きなトラブルはないですがお友達に押されてしまった等の報告を受けた際の状況や対応など細かく伝えていただけるので信頼しております、先生によります、などがあがっている。
13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか
43名が子どもの気持ちを尊重した対応がされていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。大変寄り添っていただけています、子どもの気持ちをよく聞いてくれたりそれぞれの好きなことを理解してくれる先生が多いと感じる、手取り足取り色々と配慮をしていただいたりと寄り添って日々過ごしていただいており対応については本当に頭が上がらないくらいです、などがあがっている。
14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか
40名が子どもと保護者のプライバシーは守られていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。いつも柔軟にご対応頂きありがとうございます、特に我が家から要望はありませんがしっかり守っていただけていると感じております、などがあがっている。
15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか
39名が保育内容に関する職員の説明はわかりやすいと回答している。日々の保育内容を毎日細かく説明いただけておりとてもわかりやすいです、一生懸命書いてくださいますが文章の内容が非常にわかりづらい時がありもう少しシンプルかつ趣旨をわかりやすく書いてほしいです、人による、などがあがっている。
16.利用者の不満や要望は対応されているか
37名が利用者の不満や要望は対応されていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。これまで大きな不満や要望はありませんが子どもが過ごす中で特性による行動への対応方法や要望をお伝えしたことがありその際はすぐに全体に共有していただいた後に対応いただけました、特に不満はないです、などがあがっている。
17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
32名が外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられていると回答している。定期的に開催される保護者会等で細かく説明をいただきました、引き続きよろしくお願いします、などがあがっている。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
主任以上職員の育成も兼ね、中・長期計画の策定に向けて時間をかけて取り組んでいる
現在、中・長期計画の策定に向けて取り組みを進めている。内部環境・外部環境を整理し、3C分析等により現状把握をおこない、それらの結果を踏まえて3~5年後の園の姿を未来年表として想定した。園単体での分析は終わり、「嬉泉の保育」拠点としての擦り合わせを進めているところである。本年度中の策定を目指しているが、形や期限に拘るのではなく、納得のいく内容となるように必要な時間をかけて進める考えである。主任以上の職員が運営に関心を持てるよう、育成も兼ねて取り組んでいる。
専門職会の設置を試行しており、園での発達支援に向けた助言等の充実が期待される
法人内の一部事業所には心理職や言語聴覚士といった専門職を配置しているが、昨年度から試行的に専門職会を設置し、嬉泉としての専門職の質の向上を目指した活動をしている。現場で働く人のニーズを把握したり、発達障害についてさまざまな考えがある中で、新しいやり方も取り入れながら進めていくことを目指している。保育園の子どもの発達面について、法人内で専門職に助言等を求めることもあり、どのような考え方で支援を進めていくか、専門性の土台がより強固になり、連携が効果的に図れるようになることが期待される。
恵まれた設備・環境を活かして、本年度中に保育所体験会の開始を検討している
待機児童問題が概ね解消し、保育園に対し、多機能化や地域支援の充実が求められている。園では1階にホールがあることや園庭があることといった設備面を活かし、保育所体験会の開設を検討している。系列園の2園では先行して実施しており、ノウハウを得ながら、まずは関係者や見学者に声をかけ、本年度中に取り組みを開始したいと考えている。しかし職員の負担を考慮して無理のないよう、トップダウンではなく現場の意見を聞き、合意を得られた範囲内で推進するとしている。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
法人手引書や研修を活用し、法令や倫理規範に対する職員への周知理解が進んでいる
法人作成の「嬉泉のてびき」を全職員に配布し、事業所及び職員が守るべき法令や倫理規範について周知するとともに、研修や勉強会の実施を通じて理解が高まるよう努めている。月1回開催される法人情報連絡会には園長、副園長及び事務主任が出席し、法令改正等への対応について、法人内での情報共有に努めるとともに、決定事項等の結果について、職員会議の場において職員への周知が図られている。
子どもの主体性を尊重した保育の実践を通して不適切保育の防止に取り組んでいる
虐待をはじめとする不適切保育の防止においては、単に「○○をしてはいけない」といった「べからず」対応に留まるのではなく、法人理念も踏まえた子ども理解の観点から、課題の解決に取り組んでいる。「子どもの主体性を尊重する保育を突き詰めれば、不適切保育は生じない」というより高い意識のもと、グループワーク等を通じて職員間の議論を深めるとともに、法人における子どもの援助テーマへの気づきにつなげるなど、一連の取り組みにより職員の法人理念の理解や力量の向上を図っている。
地域子育て家庭を対象とする支援に向けた取り組みの広がりが期待される
年間を通じた保育実習生や小学生の職業ボランティアの受入れ、区内保育ネットワーク等への参加等を通して、地域における福祉施設の役割を担っている。一方で事業所では、未就園児向けの保育所体験等、地域の子育て家庭に向けたアプローチの拡充を今後の課題に掲げており、現在は施設内で余裕のある保育スペースを活用などの検討を進めている。在園児の保育活動とのバランスをとりつつ、地域の子育て家庭支援に向けた今後の取り組みの広がりが期待される。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
園特有のリスクも考慮し、変化をつけながら、計画に基づき各種訓練を実施している
毎月の防災訓練では地震や火災の想定の下、火災の発生場所をさまざまに組み替えながら実施している。避難場所も園庭に限らず変化をつけ、放送を聞いていないと避難ができない形でシナリオを作り、子どもたちや職員の意識を高めている。訓練とはいえ、できるだけ実際の災害時に近い状態で、避難に向けて気持ちが入るように考慮している。年間を通して、不審者対応や保護者の引取訓練のほか、地理的条件を考慮した水害訓練も、それぞれ1回ずつ実施している。
水害発生時の対応について区と協議し、保護者の利便性も考慮しながら決めている
多摩川の近くに立地しているため、万一の氾濫時に備えた避難ルートについて、区と協議している。確実に水が来ない場所までの避難には時間を要するため、危険なときには閉園させてほしい旨、区に働きかけ、特別警戒警報が発出された際には閉園することとなった。閉園した場合の代替保育については、利用条件はあるものの保護者の利便性を考慮して、公立園ではなく駅前にある系列園の分園で実施することとした。事前に保護者へのアンケート調査も実施する等、関係者の意見を調整しながら進めている。
保育アプリの導入等で業務効率化を進めつつ、情報の保護や漏えい防止に努めている
登降園の打刻記録や保健日誌、保育所児童保育要録といった利用者記録については、補助金を活用して保育アプリを導入し、管理している。指導計画や保育日誌に関しては、職員の意見を聞いた上で、グループとしての閲覧しやすさ等に配慮して、従来からの表計算ソフトでの作成・閲覧を継続しているが、今後、アプリのさらなる活用を進めたいと考えている。個人情報が記載されたファイル等は施錠可能なキャビネットに保管し、外付けハードディスクはバックアップを取る等、情報の保護や漏えい防止に留意している。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
就職希望者への情報提供の仕方を工夫し、法人や施設の魅力が伝わるように努めている
採用活動は本部事業部が一括して行っている。採用に特化したウェブサイトやSNSを構築し、オンライン面接等も実施しているため、地方からの応募者も増えている。面接以外にも、説明会ではさまざまな立場の職員が登場し、仕事の魅力を語るようにし、相談会では些細なことも質問できるようにしている。採用案内の冊子にも職員のインタビューを写真入りで紹介し、キャリアパスを図示したページや「数字でみる嬉泉」といったページを設け、どのような法人であるかを分かりやすく伝える工夫が見られる。
本年度からリーダー会を再開し、中堅層の育成や連携のしくみを強化している
コロナ禍で実施しなくなっていたリーダー会を本年度復活させ、リーダー層の育成のしくみを充実させている。主任が副主任、リーダーとコミュニケーションを取りながら開催しており、事業計画にも位置づけている。昨年度まではリーダーが副園長や主任を頼る場面が多くあったが、自ら考えられる範囲を広げることで、有事が起きた際にも迅速に動けるような組織体制とすることも目指している。リーダー会の開催により、育成面でも一定の成果が見られている。
入職3年目から拠点間異動の有無を本人が選択できるよう、人事制度を見直している
法人では柔軟で多様な経験を持つ人材を育成するために、定期的な異動や配置転換を行う「ジョブローテーション」を採用してきた。しかし、社会情勢や仕事への価値感の変化等を踏まえ、ジョブローテーションを前提とするこれまでの「総合職・専門職・一般職」の区分けを、拠点間異動の希望の有無等による「スタンダードコース・アドバンスコース」の2種類に再編することとした。長期的な人材確保・育成、職員の働きやすさの向上等を考慮し、「人を大事にする法人」として人事制度を見直しており、次年度から適用する予定となっている。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
不適切保育の防止のためにも、子どもの主体性を育む保育について考え、深めていくことを目標とした。昨年度後半には、保育目標に掲げている目指す子どもの姿を基に、子どもの保育において何を大切にするか、保育観について考えるグループワークを行った。1回につき1つの保育目標をテーマに、職層別に計3回実施した。
グループワークでは、副主任同士が互いの悩みに共感し、課題解決に向けた話し合いにまで発展した。若手職員については、理想と現実のギャップをどのように縮めていくかに悩みつつも、他の職員から認めてもらうことで意欲の回復に繋がった。このような話し合いが日常的な横の連携や支え合いにも繋がっていることが、職員の中で明らかとなった。
一方で、子どもの主体性を尊重するための子どもへの関わりが、法人の援助テーマとも繋がっていることに気づいている職員があまり多くないことが浮き彫りとなった。
今後も保育や子どもへの関わりを考えるグループワークを継続し、法人の理念や援助テーマとも繋げて考えていくこととした。これらを令和6年度の事業計画に反映させた。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
園では保育目標(目指す子どもの姿)の一つに「主体的に行動する子ども」を掲げている。子どもの主体性を育むためにはどのような保育をしていくのが良いか、何を大切に考えたら良いかを保育者同士で話し合い、考える機会を持つことで、互いの保育観を明らかにし、日常の保育に活かしてもらいたいと考え、グループワークを設定した。また、主体性を育む保育を進めていくことで、昨今社会問題になっている不適切保育の防止にも繋げたいと考えた。
グループワークでは当初意図した互いの保育観の共有に加えて、自然発生的に悩みを伝え、共感し合う時間が生まれた。どのように解決していくかの話し合いにも発展していき、職員の意欲の向上や日頃の連携の深まりにも繋がるという副次的効果が得られた。
法人の援助テーマは毎年1つずつ新しいものを積み上げていく形であり、本年度は「己に向き合い、自他との関わりを深める」が掲げられている。自己覚知を高めることで、より他者に寄り添った関わりができることを目指しており、「主体的に行動する子ども」を育てることにも密接に関わっている。そのことを職員が認識できるよう取り組みを進めたいと考えており、今後のさらなる成果に期待したい。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
保育拠点として、新しいグループリーダー及び次期グループリーダー層を対象とした階層別研修を実施することとし、年2回の開催を目標とした。
7月に第1回目の階層別研修をおこなった。内容としては、互いを知り合うためのワークと、「役割が増えても、どんなに忙しくても、大切なことって~日々の保育を振り返る~」をテーマにした話し合いを実施した。その中で、グループリーダーになると職員のマネジメントに意識が向きやすく、保育や個別対応が疎かになりやすいということを自覚していることが分かった。各自が困っていることを共有したり、改善するための工夫について主任も交えて話し合うことで、職員の意識向上に繋がった。また、階層別研修1回目実施後の振り返りの中で、グループリーダーと副主任の役割が明確になっていない可能性が浮上した。より効果的な研修を実施するため、2回目の研修を企画する前に両者の役割や責任範囲を明らかにすることとした。そのため、2回目の階層別研修自体は令和6年度に持ち越しとなった。
これらを踏まえ、保育拠点において上記の役割を明文化し、園の事業計画にも目標を記載した。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
階層別研修の企画は主任が担っており、育成課題を検討し、それを基にテーマを設定している。企画段階から園長が相談役についてフォローし、この研修の企画・運営を主任研修としても位置づけて実施している。マネジメント業務が中心となり、休憩回しや記録を期限内に仕上げること等にシフトしてしまい、それまでのように子どもを一人ひとり丁寧に見ることができなくなっている現状を踏まえ、リーダー着任直後など一時的には仕方がないとしても、そのままであり続けないようにすることを育成課題とした。研修では、リーダーになってから何が変わってしまったかに気づき、互いに同じ悩みを抱えていることも知り、研修を通して意識や意欲の向上が見られた。
研修を通して、役割の明確化が必要という、マネジメント層の課題も見え、令和6年度の事業計画の目標設定に繋げた。
令和6年度は、副主任には何を学びたいか、主任には副主任時代にどのようなことを学びたかったかのアンケートを取り、令和7年度の階層別研修に向けて検討中である。研修を継続する中で、嬉泉の保育園として大切にしたい視点を持ち、職員に伝えていくことのできるリーダー層の育成が進むことに期待したい。
サービス分析結果
【講評】
法人のWEBサイトを通して、園の基本的な情報や特徴を利用希望者へ提供している
法人のWEBサイトの「嬉泉の保育」の中で、園の写真や詳細情報を掲載し利用希望者へ提供している。詳細情報には生後57日目からの産休明け保育や障害児保育、20時15分までの延長保育の実施等を掲載している。保育の特徴には、木のぬくもりが感じられる園舎や家庭的な雰囲気の中で、一人ひとりの子ども気持ちを受け止め、子どもの主体性の発揮や友達との豊かな関わりを大切にした保育を行うことが掲載されている。また、広い土の園庭と中央に植えられている大樹、木造りの長い外階段やテラスの写真を掲載することで、園の雰囲気を伝えている。
行政や関係機関等へ園の情報を提供したり、情報交換に努めている
園では区の担当課へ必要書類を送付し、毎月の園児の入退園の情報を提供している。区ではその情報を基にWEBサイトや「世田谷区の保育施設」に、園の基本情報として保育方針や特色等を掲載して、広く地域の人へ届けている。また区内保育園の毎月の空き情報をWEBサイトで公開して、利用希望者へ提供している。他にも園では児童相談所や子ども家庭支援センター、近隣の保育園等へ「保育園のご案内」のパンフレットや園だより等を送付して園の情報が希望者へ届くようにし、公私立保育園を中心とした、地域で顔が見える関係づくりにも努めている。
見学希望者の希望に応じて、園の特徴等を丁寧に説明している
見学は、電話の他に園見学の予約サイトからも申し込みができるようにしている。電話やメールで見学の希望日時を確認して、できるだけ希望に応じるようにしている。園の行事等と重なる場合には、見学者と相談しながら調整している。見学は副園長が対応して、法人の理念方針や園の保育内容、特徴、基本概要、年間行事等を記載した見学者用のパンフレットを渡し、説明を行っている。特に園の方針である子どもがやりたいことをとことんやる事や異年齢グループ保育のほか、学習等の習い事は一切行っていない事等を説明して、理解を得るようにしている。
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
重要事項説明書の内容を、個別面談で担当者ごとに丁寧に説明し、書面で同意を得ている
入園前に配布する書類一式の中に、宇奈根なごやか園のしおり(重要事項説明書)を同封して、入園前面談までに家庭で一読してもらうよう依頼している。入園前面談では、看護師や栄養士・保育士・園長がそれぞれ個別に面談を行い、重要事項説明書の内容や園のルール等について各担当が丁寧に説明して、保護者からの質問に答え、不明点が無いかを確認して保護者の同意を得るようにしている。全ての面談が終了した後、「宇奈根なごやか園、重要事項説明に対する同意書」の書面に、保護者の署名捺印をもらい、卒園までの確認として、園で保管されている。
保護者が答えやすいよう工夫した書式を使用して、保育に必要な情報を把握している
入園時には、保育を必要とする一人ひとりの子どもや保護者の個別事情等を、法人として統一した書式に保護者に記載してもらい、面談で内容を確認して把握している。「児童票」には子どもの成育状況や家庭、心身の発達等、入園までの生活状況を記載してもらい、入園後の保育に役立てるものであることが、記入の仕方に記載して説明されている。健康記録には予防接種歴や乳幼児健診の受診状況、体質的な特徴、アレルギー等を記載してもらい、生活状況には出生から現在までの子どもの心身の発達の様子を、詳細な質問に答えてもらう形式で把握している。
卒園の際には様々な支援や援助等を行い、子どもや保護者の不安解消に努めている
5歳児グループでは秋の就学前健診の前に、学校生活の様子等を話題にしながら子どもの不安感解消に努めている。卒園児の小学生ボランティアが来園した際には、学校の様子を聞いたり質問をする時間を設けて、就学への期待感を高めるようにしている。5歳児保護者会では、保護者が小学校生活をイメージしやすいよう、職員から小学校の様子を伝えたり保護者同士の情報交換を行っている。就学前には「保育所保育児童要録」を就学先の小学校へ送付して子どもの様子を伝え、配慮児等の転園や就学の際には、保護者面談を行い必要に応じて引継ぎを行っている。
1.サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
- サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、子どもの保育に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように配慮している
- サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
保育の計画や子どもの育ちを、確認時期や手順を定めて定期的に実施している
毎月の指導計画の振りかえりは、月末にグループ打合せで行い、その内容を踏まえて翌月の計画の立案を行っている。年間保育計画は3か月毎に、期の振り返りを各グループで話し合い見直しを行い、記録に残している。個別計画が必要なクラスや子どもには、定期的に保育計画を立案して、その様子を保育日誌に記録して振り返りを行い、次の計画へと繋げている。他にも定期的に、「保育のねらい兼評価表」を使用して、一人ひとりの子どもの育ちを確認し、その内容を保育の計画や個別計画に反映させて、必要な内容をリーダー会や職員会議で情報共有している。
保育を担当する職員全員が参加して保育計画を作成し、保育の実践に繋げている
毎月のグループ打合せは、非常勤職員を含めてそのグループの保育を担当する職員全員が参加して行っている。月の指導計画の検討を行い、前月の振り返りから目標やねらい、配慮事項等を話し合い、職員が共通理解のもと日々の保育の実践に生かしている。一人ひとりの子どもへの対応や役割分担等で、全体で相談が必要な事項はリーダー会へ、全体に周知が必要な事項は職員会議で伝え、保育を担当する職員すべてが共有できるようにしている。それにより朝夕や延長保育、土曜保育等で子ども達と関わる際に、情報を活用して保育を行えるようにしている。
園全体で協力し子どもの育ちを支えられるよう、職員の情報共有の仕組みを作っている
子どもや保護者の変化、家庭からの連絡は書式を定めて記載し、全職員に周知している。日々の申送りや引継ぎは視診簿に記載して、情報漏れがないように職員間で共有している。他にもグループ打合せやリーダー会、職員会議、運営会議等において、気になる子どもの様子や対応について、検討する機会を設けている。毎日実施しているリーダー会の記録用紙には職員名簿を添付して、閲覧後に職員が自分の名前をチェックすることで、全ての職員が同じ情報を共有できる仕組みを作り、園全体で協力すること、子どもの育ちを支えることに繋げている。
1.定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
- 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.全体的な計画や子どもの様子を踏まえた指導計画を作成している
- 指導計画は、全体的な計画を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
- 指導計画は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化に即して、保育の過程を踏まえて作成、見直しをしている
- 個別的な計画が必要な子どもに対し、子どもの状況(年齢・発達の状況など)に応じて、個別的な計画の作成、見直しをしている
- 指導計画を保護者にわかりやすく説明している
- 指導計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
3.子どもに関する記録を適切に作成する体制を確立している
- 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 指導計画に沿った具体的な保育内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 指導計画の内容や個人の記録を、保育を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報について、職員間で申し送り・引継ぎ等を行っている
- 子ども一人ひとりに対する理解を深めるため、事例を持ち寄る等話し合う機会を設けている
1.子ども一人ひとりの発達の状態に応じた保育を行っている
- 発達の過程や生活環境などにより、子ども一人ひとりの全体的な姿を把握したうえで保育を行っている
- 子どもが主体的に周囲の人・もの・ことに興味や関心を持ち、働きかけることができるよう、環境を工夫している
- 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう配慮している
- 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
- 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
- 【5歳児の定員を設けている保育所のみ】
小学校教育への円滑な接続に向け、小学校と連携をとって、援助している
【講評】
一人ひとりの子どもの発達の過程を確認しながら、保育を行うようにしている
園では「保育のねらいと内容兼評価票」を活用して、一人ひとりの子どもの育ちを定期的に確認している。内容には目標、養護と教育に分けて、大まかな年齢ごとに、特徴ある子どもの生活や遊びの姿が記載されている。その内容を確認し、さらに期毎に一人ひとりの子どもの発達や状況等を児童票に記載して、一人ひとりの子どもの発達の過程や全体的な姿を把握したうえで、保育を行うようにしている。その内容について職員同士が話合い、子どもの変化等を確認しながら保育内容を検討し、個別計画や保育計画の立案時に取り入れて保育を行うようにしている。
年齢や文化等の違いを生活や遊びを通して認め合い、尊重できるように援助している
園では年齢ごとのグループ保育の他に、異年齢での活動も多く行い、年齢や保育室の枠を超えて、子どもが自分の興味関心に応じて活動できるように援助している。異年齢で過ごす中で、5歳児の姿が生活や遊びの見本になり、真似たり興味関心が広がるきっかけになっている。また年上の子ども達が年下の子に邪魔されて遊びが中断される事もあり、その都度ルールや遊び方をわかりやすく教える等、コミュニケーションを学ぶ機会になっている。互いを認め合う豊かな心が育つよう、子どもが新しい気づきを得られた時には、肯定的な声掛けを行っている
小学校教育への円滑な接続に向けて、小学校や地域と連携を取りながら援助している
園では区の幼児教育研修に5歳児の担任が参加して、就学に向けた各園の取り組みの情報共有を行い、園の保育内容にも生かすようにしている。また近隣の小学校と連携して、昨年度は2月に小学校訪問を行い、教室に入り机に座ってみたり学校の中を案内してもらいながら、学校の様子を実際に見ることで就学への不安を少なくし、期待感を高めるようにしている。また5歳児保護者会では、子どもが困った時に言葉で伝えられる事や、小学校までの行き帰りの道の安全面を親子で確認する大切さ等を伝え、保護者の情報共有の場も設けている。
2.子どもの生活が安定するよう、子ども一人ひとりの生活のリズムに配慮した保育を行っている
- 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
- 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう援助している
- 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
- 降園時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
【講評】
登園時は、保護者と直接子どもの健康状態を確認し合っている
0、1、2歳児は生活面等のフォーマットが記載されている連絡帳を使用して、園と家庭とで子どもの生活面を確認している。登園時には連絡帳の内容を確認しながら、子どもの顔色や様子、小さな傷等を確認する視診を行い、保護者にも家庭での食事や睡眠、機嫌等の健康面や、前日の園での出来事に関する子どもの様子等を確認しながら受け入れている。健康面や連絡事項は、視診簿に記載して各グループの担任へ引き継いでいる。前日の体調不良や園内での怪我等があった場合には、必ず家庭での様子を確認してから受け入れるようにしている。
一人ひとりの個別指導計画を作成して、基本的な生活習慣の自立に取り組んでいる
園では基本的な生活習慣について、0歳児では安定した生活リズム、2歳児で簡単な身の回りの事をやってみようとする、3歳児は依存から自立の時期であること等を全体的な計画に明記し、クラス毎に保育計画を立案して取り組んでいる。さらに一人ひとりの子どもの運動機能面や発達、経験値を考慮して働きかけを行っており、個人差の大きい0、1、2歳児には月間個別指導計画を立案して取り組んでいる。子どもの様子は日誌に記録し、送迎時に保護者へ伝えたり連絡帳に記載する等して、家庭と連携しながら一緒に取り組むようにしている。
3.日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している
- 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
- 子どもが、集団活動に主体的に関われるよう援助している
- 子ども一人ひとりの状況に応じて、子どもが言葉(発声や喃語を含む)や表情、身振り等による応答的なやり取りを楽しみ、言葉に対する感覚を養えるよう配慮している
- 子どもが様々な表現を楽しめるようにしている
- 戸外・園外活動には、季節の移り変わりなどを感じとることができるような視点を取り入れている
- 生活や遊びを通して、子どもがきまりの大切さに気付き、自分の気持ちを調整する力を育てられるよう、配慮している
【講評】
主体的に集団活動に関われるよう、子どもの気持ちに配慮しながら援助している
子どもの意見や疑問を取り入れて保育内容や活動を考えるようにしている。気持ちが向かない子どもには、その子どもの状態や理解に合わせて誘ったり、手助けを行っている。例えば集団活動に気持ちが向きにくい子どもには無理に参加を促すのではなく、子どもの考えを尊重するようにしている。活動自体に関心はあるがよく分からない、といった不安を感じている子どもには、個別に説明を加える、観察学習から始める、手助けする等の対応をしている。やってみたいが集団の中では難しいという子どもには、個別に傍について取り組めるようにしている。
子どもの発想や思いが形になるよう、様々な表現活動を援助している
「秘密基地を作りたい」という5歳児の発想に、他の子どもたちも参加して段ボールや新聞紙、絵の具等を使用して、外階段の下に大きな秘密基地を完成させている。各保育室には季節や年齢に応じた塗り絵や貼り絵、ひっかき絵等の様々な作品が飾られており、日頃から様々な表現活動を楽しんでいる様子がうかがえる。3、4、5歳児の保育室には紙類や廃材、色鉛筆、絵具、粘土等、様々な材料を用意して、子ども達が発想のままに制作を楽しめるように援助している。他に音や楽器を使用した活動、身振りを考えて踊る表現活動も楽しめるようにしている。
土の園庭や周囲の自然環境の中で、子どもたちが思い切り自然と触れ合っている
全面が土の園庭を活用し、年間を通して土や泥、水等を使用した遊びができるように、園用の靴を用意してもらい、週末には持ち帰り洗濯を家庭に依頼している。また近隣には公園や土手、神社等があり、子ども達が季節や活動の内容等で行き先を決めながら、散歩に出かけている。秋には2歳児から4歳児がお弁当持参で遠足へ出かけて、思い切り自然に親しみながら遊んでいる。5歳児は区の取り組みに参加して、区内の田んぼまで春や秋の自然に触れながら沢山歩き、田植えでは泥の感触を味わい、稲刈りでは鎌を使用して稲を刈る体験を楽しんでいる。
4.日常の保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している
- 行事等の実施にあたり、子どもが興味や関心を持ち、自ら進んで取り組めるよう工夫している
- みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
- 子どもが意欲的に行事等に取り組めるよう、行事等の準備・実施にあたり、保護者の理解や協力を得るための工夫をしている
【講評】
行事を保育園の生活の延長線として捉えて、子どもが楽しめるよう工夫している
行事は日常の子ども達の生活の延長線上にあるものと捉え、誕生会や季節の行事ではグループごとに何をするかを決めて行っている。乳児グループでは日頃から興味関心を持っていることを取り入れ、幼児グループは年上の子どもの様子を見学したり、行事の前に関連する事柄を体験する中で、自分達が何をしたいかを考え、子どもが主体的に関われるように援助している。他にも保護者参加の0歳から3歳グループの親子交流会では、普段子ども達が楽しんでいる触れ合い遊びやごっこ遊び等を取り入れて、親子で一緒に楽しめるよう工夫している。
誕生会や行事では子どものやりたい活動を中心に、仲間意識を育んでいる
誕生日会は誕生児企画と称して、その子がやりたい活動を中心に関心のある他児が協力している。例えば小さいグループでは誕生児のリクエストで散歩に出かけたり、大きいグループでは電車ごっこのリクエストに友達が協力し、ダンボールの土台に電車のイラストを貼り付け園内を電車で走り回っている。4、5歳児の「なごやか広場」という運動遊びの会では、子ども達が「どんな姿を見せたいか」からアイデアを出し合い、話し合いでサーキットに決めて取り組んでいる。行事等をひとつのきっかけにして、相手を思いやる心や協力する仲間意識を育んでいる。
行事までの子どもの様子を保護者へ伝え、親子の会話に繋げることを大切にしている
日頃から保育の様子をグループ通信として保護者へ知らせており、特に行事の際には子ども達の話し合いからの取り組みの過程を丁寧に知らせるようにしている。それをきっかけに家庭で行事に関する親子の会話が生まれることで、子どもの意欲が高まる等、子どもにプラスの変化が出てくることを大切にしている。また緊張が高い等の配慮が必要な子どもの保護者には、個別に子どもの心情や変化を伝え、育ちを共に確認するようにしている。グループ通信は全保護者へ配布すると共に、園内に掲示して他のグループの保護者にも見てもらえるようにしている。
5.保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている
- 保育時間の長い子どもが安心し、くつろげる環境になるよう配慮をしている
- 保育時間が長くなる中で、保育形態の変化がある場合でも、子どもが楽しく過ごせるよう配慮をしている
【講評】
延長保育の時間は1歳児室を使用して、子どもがのんびり過ごせるように配慮している
18時15分からの延長保育には、2階の1歳児室を使用している。1歳児室を使用することで畳に子ども達が寝転んだり、異年齢で好きな場所でのんびりと過ごせるよう環境を工夫している。さらに日常的に使用していない玩具を用意して、特別感が持てるように工夫している。18時30分頃の小腹がすく時間帯には、夕飯に響かない程度の給食室手作りの補食を提供して、子どもがお腹を満たして安心してお迎えを待てるように配慮している。延長保育は満1歳以上を対象にしており、離乳食の終了していない子どもには市販の菓子の対応を行っている。
職員体制やマニュアルを整えて、延長時間を安心して過ごせるよう配慮している
園では7時15分から20時15分までの開所時間の中で、一人ひとりの子どもの保育時間に対応できるよう、常勤職員はシフト勤務を行い、職員体制を整えている。送迎ステーションからのバスの送迎を利用している園児には、バスの送迎やステーションの19時15分までの保育、保護者対応までを、園が責任を持って対応している。他にもバス内の安全面等を全てマニュアル化し、関係者間で共有して安全面に配慮している。
6.子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している
- 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
- メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
- 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している
- 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
- 保護者や地域の多様な関係者との連携及び協働のもとで、食に関する取り組みを行っている
【講評】
子どもが美味しく楽しく食べられるように、様々な工夫を重ねている
月1回給食会議を開催して、委託会社と子どもの喫食状況等の情報を共有し、献立や調理法、味付けの修正を行っている。季節にちなんだメニューを取り入れ、5歳児が卒園する前にはリクエストメニューも取り入れている。乳児グループは子どもの席を固定して、安心して落ち着いて食事がとれるようにしている。幼児グループは子どもと相談して席を決め、気持ちが向きにくい子どもには個別対応を行っている。苦手な食べ物は無理に勧めることをせず、楽しい雰囲気の中で他児から良い影響を受けつつ、自分から食べる気持ちになれるように声掛けを行っている。
食育活動に取り組み、子どもの食べ物を大切にする気持ちを育んでいる
子どもが野菜を見たり触れたり、匂いや感触を実感できる機会を設けている。事前に絵本等でイメージを膨らませてから実際の野菜を見せることで、子どもの期待感や興味関心を高めている。他にも野菜や米の栽培活動を通して、生長や実がなる様子を観察したり、4、5歳児ではおにぎり作りやカレー作りの調理活動を行い、食事ができるまでの過程や作って食べる楽しさを経験できるようにしている。野菜に触れ、自分達で栽培した野菜、調理した食事を通して、食材への苦手意識が減り、食べ物を大事にする姿や気持ちを育んでいる。
地域資源を活用して、子どもの食に関する実体験を大切にしている
園の周辺には様々な畑があり、その畑で収穫できる旬の野菜を農家の人が販売している場所がある。園では2歳児から職員と一緒に買い物に出かけ、野菜を育てた農家の人と子ども達が交流しており、旬の野菜を購入する機会を大切にしている。さらに子ども達が野菜の大きさや重さを実感しながら自分達で持ち帰り、給食室に調理をお願いして、給食やおやつで食するまでを体験することで、様々な人が関わり毎日の食事が出来ていることを知る機会にもなっている。5歳児は区の農業体験の取り組みに参加して、田植えと稲刈りの実体験をしている。
7.子どもが心身の健康を維持できるよう援助している
- 子どもが自分の健康や安全に関心を持ち、病気やけがを予防・防止できるように援助している
- 医療的なケアが必要な子どもに、専門機関等との連携に基づく対応をしている
- 保護者と連携をとって、子ども一人ひとりの健康維持に向けた取り組み(乳幼児突然死症候群の予防を含む)を行っている
【講評】
健康教育を通して、子どもが体や健康に関心を持ち、大切にできるようにしている
園では乳児・幼児グループ毎に保健年間計画を作成して、看護師による子どもへの健康教育を実施している。1歳児グループから手洗い指導を行い、幼児グループでは3歳児を対象に便や手洗いの指導、4、5歳児では目や身体の機能、大切さをわかりやすく伝えている。特に今年度は包括的性教育をベースとした健康教育を実施して、子どもが「じぶんのからだはじぶんのもの」ということを意識できるように取り組んでいる。境界線や同意、プライベートゾーン、心の傷等を学びながら、自分のからだも友達のからだも大切にするという気持ちを育もうとしている。
安全計画を作成して、子どもが安全を意識して生活できるように取り組んでいる
園では児童への安全計画を作成して、園生活の様々な場面で、職員の対応方法や子どもへの指導内容を記載し、統一して取り組んでいる。例えば1期には公園での過ごし方やバギーの乗り方、玩具の使い方等、2期には室内での運動遊びの仕方、全裸にならない着替えの仕方、トイレの使い方等を記載して、職員が子どもへの指導や対応方法を確認できるようにしている。他にも毎月、様々な規模の火災や地震を想定して、実際に逃げる訓練を重ねており、今年度は子どもが慣れ過ぎないように、訓練開始の時点で口頭で火災を伝える等の工夫を凝らしている。.
保護者と連携を図りながら、子どもの健康維持に取り組んでいる
入園前面談では健康記録の内容を確認しながら、子どもの健康上必要な配慮事項について、直接看護師が確認して把握している。登園時に気になる様子がある時には、保護者と一緒に子どもの様子を確認し、日中の様子によっては電話連絡する旨を保護者に伝達している。毎日全クラスを巡回して、一人ひとりの子どもの健康状態を把握して記録し、毎月全園児の身長体重測定を行い、身体的な成長発達を確認して保護者へ報告している。毎月の保健だよりには子どもの健康に関するトピックスを掲載し、前月の園の感染症流行状況も伝え情報共有に努めている。
8.保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている
- 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して支援を行っている
- 保護者同士が交流できる機会を設けている
- 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
- 子どもの発達や育児などについて、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
- 保護者の養育力向上のため、園の保育の活動への参加を促している
【講評】
個々の保護者の事情などに配慮して、必要な支援に努めている
園では保護者の様々な事情を把握して、保護者の様子に応じて声をかけたり、要望があれば個人面談を行いながら聴きとり、内容に応じて行政のサービスを紹介する等しながら、必要な支援に努めている。また園独自にお昼寝用の布団や掛け布団の無料貸し出しを行い、保護者の送迎時の負担軽減にも努めている。さらに本園では20時15分、送迎ステーションでは19時15分までの延長保育を実施している。延長保育の利用は事前申請としているが、急な残業の場合には電話連絡でスポット利用を受け入れて、保護者の就労の支援に努めている
保護者会や行事の機会に、保護者同士が交流できるよう工夫している
園では年2回の保護者会の中で保護者同士の自己紹介や懇談の時間を設けて、保護者同士が顔見知りになるきっかけ作りを大切にしている。春の保護者会では子どもの可愛いところや好きな遊び等、テーマを設けて自己紹介し合うことで、保護者同士が和やかに親しむきっかけになっている。また0歳児から3歳児のグループ毎の親子交流会では、日頃子ども達が園で楽しんでいる遊びや触れ合い遊びを、室内や園庭で親子で一緒に遊びながら、保護者同士が交流する機会になっている。さらに交流を深めようと、自発的に連絡を取り合うグループも見られている。
お便りやグループ通信等を通して、子どもの育児に関する様々な情報を提供している
園では毎月、園だより・保健だより・給食だよりを発行して、育児に関する様々な情報を保護者へ提供している。保健だよりには季節の感染症情報から子どもの靴の選び方等、様々な子どもの健康に関する情報が記載されている。給食だよりには季節の食材の栄養素や三色食品群、手洗いや食中毒対策、生活習慣の大切さ等を掲載して保護者へ知らせている、他にもグループ通信では写真とコメントを掲載して、子どもの遊びや生活の様子、保育の取り組みを丁寧に保護者へ知らせている。保育参観も実施して保育士の子どもへの関わりも見てもらえるようにしている。
9.地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている
- 地域資源を活用し、子どもが多様な体験や交流ができるような機会を確保している
- 園の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
【講評】
地域資源を活用して、子ども達が様々な人と交流できる機会を大切にしている
園では地域の農家やお店に、子どもと職員が買い物に行く機会を設けて、お店の人と挨拶したり、お金と品物のやり取りをする等の交流ができるようにしている。他にもグループホームへ折り紙を届けに出かけて、一緒にボウリング遊びを楽しむ等、世代間交流を開始している。法人の系列園の5歳児同士で一緒に田植えや稲刈りに出かけ、終了後には自己紹介をしたり、かくれんぼやどんぐり拾いを楽しみながら交流している。またサッカーの試合等でも交流している。同じ小学校に進学する子どもが多く、就学に向けて新しい仲間作りの機会となっている
実習生やボランティア等を受け入れて、子どもが職員以外の人と交流している
保育実習生や小中高生のボランティアの受け入れを行い、子どもたちが職員以外の人と交流できる機会となっている。職員よりも年の近いお兄さん、お姉さんの実習生やボランティアと遊んだり生活する中で、成長への期待を持つ機会にもなっている。他にも5歳児は近隣の小学校訪問に出かけたり、法人3園で田植えや稲刈りを体験している。また5歳児は週1回、系列園のサッカーコーチが来園して、園庭でボールの扱い方や蹴り方、サッカーのルール等の指導を受けている。指導者への挨拶や姿勢等を学ぶ良い機会となり、系列園との交流試合も行っている。
【講評】
重要事項説明書の「個人情報・プライバシーについて」を丁寧に説明し、理解を得ている
重要事項説明書の中に、「個人情報・プライバシーについて」の項目を設けて、入園前面談で園長から保護者に直接内容を説明をしている。園内の様子を保護者や見学者へ伝える為、職員研修に使用する為に写真や動画撮影を行う事、撮影した画像は厳重に保管する事、希望しない保護者には個別に対応する事等が記載されている。また保護者が園の行事等で撮影した画像等を、無断で第三者へ提供しない事も説明をして、重要事項説明に対する同意書に署名をもらうことで、同意を確認している。さらに写真販売に対する同意も確認した上で写真を販売している。
子どもの人権に配慮した環境設定や、子ども自身の意識を高める取り組みを行っている
事業計画に記載した職員の基本姿勢には、法人理念や援助テーマに基づき、子どもの主体性や人権を尊重した保育を行うことを記載し、取り組んでいる。0歳児から全裸にならない着脱の援助を心掛け、おむつ替えの際には他の人に見えない場所で行うようにしている。着替えの時にはカーテンを閉め外部の視線をさえぎり、3歳以上児のプール活動の際には男女別に着脱場所を設定し、トイレは同性介助を原則にしている。他にも看護師による子どもへの「包括的性教育」を実施して、子どもが「自分のからだは自分のもの」を意識できるようにしている。
研修等を通じて、職員の虐待や不適切保育に対する意識や理解を深めている
外部の虐待に関する研修には積極的に職員を派遣して、その内容について職員会議で伝達研修を行い、職員が共有しながら学んでいる。ほかにも法人の対応基準チェックシートを活用して、職員が自分の言動を振り返り、保育をする中で感じている難しさや対応について伝え合うことで、職員自身に気持ちのゆとりが生まれたり、子どもへの新たな気づきが得られたりしている。さらに昨年度実施した子どもの主体性を育む保育を考えるグループワークの取り組みが、人権擁護や不適切保育の防止にも繋がると考え、今年度も継続して取り組み職員の理解を深めている。
1.子どものプライバシー保護を徹底している
- 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
- 子どもの羞恥心に配慮した保育を行っている
2.サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している
- 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
- 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した保育を行っている
- 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
【講評】
保育に必要な各種マニュアルを整備して、職員がいつでも確認できるようにしている
法人で保育に必要な各種マニュアルを整備し、園では事務室に設置して、いつでも職員が確認できるようにしている。さらにその中から、子どもの安心・安全が守られるよう、事故防止や衛生管理、アレルギー対応等のマニュアルを、わかりやすくフローチャート等の形にして各クラスに設置している。他にも日常業務における手順を示した文書を作成して掲示しており、それらの内容は法令や制度の改正時のほか、年に1回見直しをして必要に応じて修正している。さらに、内容について法人3園の園長による保育会議で共有し合い、共通化を図っている。
手順書は職員が使いやすいよう、意見を聞いたり不明点を明確にしながら見直している
マニュアルや手順書の見直しの際には、実際に活用する職員の意見を聞きとり、子どもの姿を確認しながら行っている。手順が示された文書を掲示して、職員研修の機会にその手順通りに動きながら理解度の確認を行い、不明な点等を確認しながら見直している。年度当初の職員会議の中でも内容の確認をしており、会議の内容に応じて必要なマニュアルを活用するようにしている。他に法人が作成している「嬉泉職員の手引き」を、非常勤職員を含む全職員へ配布して、業務の標準化に努めている。
保護者アンケートや保護者会等の機会に意見を聴き、運営内容に生かすようにしている
行事実施後には保護者アンケートを実施して保護者の意見を収集し、次回の行事の参考にするようにしている。他にも保護者会や保育参観、個人面談の機会に、保護者の意見や要望等を聴き取り、日々の連絡帳のやり取りの中でも把握するようにしている。職員会議やグループ打合せ、行事の振り返り等において、職員間で意見交換を行い、お互いの気づきを共有しながら、次への取り組みに生かすようにしている。様々な意見は園の運営会議で検討したり、法人3園の保育会議で検討する等して、運営内容に生かすようにしている。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている
事業者のコメント
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【講評】
年間の支援テーマを大切にし、機会を捉えて思い起こすことで保育に適用している
法人として、理念を一般にも分かりやすい言葉に置き換える再構築の取り組みを進めてきたが、昨年度完成し、パーパス、ミッション、バリュー、ビジョン等を明示している。それらの理念・方針に基づく年間の援助テーマも定めており、本年度は「己に向き合い自他とのかかわりを深める」を掲げている。昨年度までの援助テーマ「相手の立場に立ってみる」「相手に映る自分を見つめる」「互いに認め合いながら支え合う」も引き続き大切にしながら、年度の援助テーマについては特に機会を捉えて振り返り、思い起こして保育に生かせるようにしている。
法人理念の再構築に合わせて保育理念の明文化に取り組み、保育観の共有化に繋げた
系列園と宇奈根なごやか園の2園で「嬉泉の保育」拠点を構成している。法人理念の再構築に合わせ、保育拠点としての理念も作成することとし、園長以上職が作成した叩き台を主任が確認し、意見を出しながら調整していった。法人の「受容的交流理論」に賛同して入職した職員が多いものの、学校等で学んだ内容も踏まえてどのように保育に結びつけるかについては難しさもあったが、保育理念再構築の過程は保育観を改めて共有する機会になった。結果的に保育理念が法人理念に合致していることを確認でき、今回明文化した内容は説明用に活用することとした。
法人全職員の「全体職員研修」や園の職員会議で、組織の動向を共有している
法人全体の重要事項は経営会議や企画会議等で検討し、執行本部運営会で決定している。それらの動向は法人園長会や情報連絡会等で園長が把握し、職員会議等を通じて職員に周知している。年度末には法人の全職員が一堂に会する「全体職員研修」があり、法人全体の動きについて確認する場となっている。今回の理念再構築についても、取り組みの必要性から検討経緯、結果までを本部から直接伝える機会を持った。園内で検討が必要な事柄については、リーダー会、各グループ会議といったセクション毎の検討の場を用意している。