評価結果

標準の評価

基本情報

【サービス種別】

介護老人保健施設

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

1) 法人の経営理念
2) 法人の経営方針
3) 事業所の事業方針
4) 市立施設・公共施設として、安定的な運営を継続的し、市民や地域のニーズに応えること
5) 在宅復帰支援・在宅生活支援、各利用者の状況に応じた生活行動の実践支援

職員に求めている人材像や役割

公正かつ思いやりの心を持ち、利用者等や環境に目配り・気配りができる人材
職種や階層に応じた役割を自覚し、能力を発揮できる人材
向上心を持ち、求められる役割を果たすため能力開発をする人材

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

利用者・家族一人ひとりに寄り添うとともに、専門職の視点からの気づきや発見を学ぶ姿勢。利用者のニーズに応えるために、各専門職同士がチームとして関わること。

全体の評価講評

特によいと思う点

在宅復帰・在宅支援という考え方を全職員が共有しており、自宅訪問をできるだけおこない、自立支援を基本としたケアの確立に取り組んでいる。利用者の自宅での生活行動を、本人や家族、関係機関などから聴き取り、在宅復帰する場合に必要な動作ができるよう、施設内でなるべく自宅と同じような状況下でその動作訓練を実施している。理学療法士の基礎訓練だけでなく、フロアで応用訓練を実施することで在宅復帰の可能性を高めている。その結果、前年度の在宅復帰率は53%と高い水準であり、今年度も50%前後の在宅復帰率を維持している。

利用者が食事を楽しむ機会として、郷土料理や季節の行事食などを定期的に開催しており、好評を得ている。日々の食事を美味しく提供するための取り組みも充実しており、朝食時のパン対応、アレルギー対応食、嗜好に応じた禁食や療養食の提供をおこなっている。利用者の好き嫌いを把握し、嫌いな食べ物は禁食とし、代替食材で栄養を摂取できるよう配慮している。こうした取り組みをおこなうとともに、美味しい食事の提供に取り組んでいる。その結果、利用者への聴き取り調査では、食事に関して回答者の86%が満足と返答している。

法人の中長期経営計画では、ICTの活用による業務効率化を新規事業に位置付けており、施設でも介護ソフトの活用を進めている。これまで利用者の記録は紙に記入していたが、タブレット入力に切り替えたことで、複数の端末で同時に情報共有が可能となった。また、記録時間の短縮も図られ、利用者と関わる時間の確保にもつながっている。施設の事業計画でも重点事項の一つとして、ICTの活用を組み合わせることで業務効率化を図ることとしている。年度内に、生産性の向上に関する中間評価を実施し、各フロアの意見を取りまとめて検証する計画である。

さらなる改善が望まれる点

コロナの影響により、利用者と地域との関わりや地域資源の活用が一時的に停滞していた。コロナ以前は、外食支援やバスハイクなどの外出支援、各種ボランティアの活用をおこない、利用者と地域住民が交流し、地域資源を気軽に活用できる機会を設けていた。現在、コロナが5類となり、実習生やボランティアの受け入れ、外出の機会が徐々に増えている。今後は感染症対策を継続しつつ、在宅復帰を目指す利用者の社会性維持・向上に重点を置いた取り組みの再開を進めることを期待する。

利用者支援の水準を一定に保つため、「業務マニュアル」を用意し、事業所で働く職員の基礎としている。「業務マニュアル」には、食事や排泄支援の方法をイラスト付きで記載しているが、作成年月日から「見直しをおこなった時期」や「改定内容」を確認できなかった。一方、「感染症対策マニュアル」や「事業継続計画」は細目に見直しがおこなわれ、常に最新の情報が共有されている。内容に変更がないマニュアルでも、定期的な確認をおこなうなど、その管理方法のさらなる工夫を期待する。

退職した職員の補充に取り組んでいるが、介護人材の採用難から職員の補充が追いつかない状況が続いている。施設でもホームページの内容の工夫など、人員確保の取り組みを進めているところである。一方で、職員アンケートでも人員不足や業務過多を指摘する意見は多く、利用者への聴き取り調査からも職員が忙しそうにしているので利用者が遠慮している面も伺える。施設でもICTの更なる活用や生産性向上に向けた業務改善を検討している段階であるが、これらを一歩進めて実際の行動に早急に移すことを期待したい。

事業者が特に力を入れている取り組み

老人保健施設研修委員会を中心に年度研修計画を策定して、BCP研修、身体拘束防止研修、事故防止・リスクマネジメント研修、虐待防止研修など、全職員が理解すべきテーマの研修を実施している。研修では、各専門職が講師を担当するのが特徴であり、研修の準備や講義を通じて職員の成長にもつながっている。職員別に研修の出席確認表を作成し、各職員の受講状況が一覧でわかるようにしている。研修受講後は、アンケートを実施して、理解度を把握するとともに、参加者の感想を取りまとめた「研修報告」を作成し、次回以降の改善につなげている。

利用者の住環境や生活状況に応じて、個別の目標を機能訓練計画に反映し、関係部署が連携して支援をおこなっている。例えば、独居の利用者が近くのスーパーまで一人で行く必要がある場合、安全に往復できるよう下肢筋力の向上を目標としている。この目標達成に向けて、施設内で歩行訓練をおこない、その効果を確認した後に、機能訓練指導員が付き添い、実際に道のりを歩くという訓練をおこなっている。このように、在宅復帰後の生活まで見据えた取り組みをおこなっている。

家族との関わりは、利用申し込みから始まり、サービス終了後に在宅へ戻り、自宅での生活が安定するまで継続する。サービス利用中は、利用者の支援方法に関する進捗や評価について家族と情報共有をおこなっている。面会についても柔軟に対応しており、現在は平日15時から16時30分まで自由に面会できる体制を整えている。退所後も家族の負担を軽減する取り組みとして、ケアマネジャーや機能訓練指導員が自宅を訪問し、玄関の安全確認をはじめ、寝室・トイレ・浴室などで利用者と家族が安全に生活できるかを確認し、助言をおこなっている。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:調査時に入所している利用者全数。
  • 調査方法:聞き取り方式  
    評価員が施設を訪問し、利用者に対して1対1の面談形式で聴き取りをおこなった。その際は、利用者のプライバシーに配慮し、他の人に聞かれないよう配慮した。
  • 有効回答者数/利用者総数:28/42(回答率 66.7% )

・総合的な感想は、「大変満足」5名(18%)、「満足」15名(53%)、「どちらともいえない」8名(29%)であった。
・回答者全員が満足と返答したのは問10「利用者同士のトラブル対応」であった。回答者の90%以上の方々が満足と答え、特に満足度が高い設問は、問7「清潔、整理整頓」(満足96%)、問8「職員の言葉遣いや態度」(満足92%)、問12「プライバシーの保護」(満足92%)であった。
・自由記述では、「職員さんがいつも忙しそうにしているので、つい遠慮してしまいます」などの職員の仕事を労う声が寄せられた。

アンケート結果

1.食事の献立や食事介助など食事に満足しているか

はい 24名 (86%)
どちらともいえない 2名 (7%)
いいえ 2名 (7%)

「はい」と返答した方々は回答者の86%で、食事に関して高い満足を得ている。「献立をいろいろ考えてくれているのがわかります。おいしいです」「いつも完食です」などのコメントが寄せられた。

2.入浴の時間は、快適か

はい 25名 (89%)
どちらともいえない 2名 (7%)
いいえ 1名 (4%)

「はい」と返答された方々は回答者の89%で、入浴に関して高い満足を得ている。「週2回ですが、ゆっくりお湯に浸かって入れます」「ヒノキの風呂で、担当の職員さんが体を洗ってくれます。やはりお風呂に入ると気持ちがいいです」「自分で洗うのが難しくなった背中なども、気持ち良く洗ってくれるので、助かっています」などのコメントが寄せられた。

3.日常生活で必要な介助を受けているか

はい 25名 (89%)
どちらともいえない 1名 (4%)
いいえ 2名 (7%)

「はい」と返答された方々は回答者の89%で、日常生活で必要な介助について高い満足を得ている。「必要なとき、サポートしてくれます」などのコメントが寄せられた。

4.施設の生活はくつろげるか

はい 18名 (64%)
どちらともいえない 8名 (29%)
いいえ 2名 (7%)

「はい」と返答された方々は回答者の64%、「どちらともいえない」29%、「いいえ」7%であった。「体を動かすよう、体操をしたりしています」などのコメントが寄せられた。

5.職員は日常的に、健康状態を気にかけているか

はい 20名 (71%)
どちらともいえない 3名 (11%)
いいえ 5名 (18%)

「はい」と返答された方々は回答者の71%で、健康状態への配慮に関して概ね満足を得ている。「時々ですが、聞いてくれます」などのコメントが寄せられた。

6.退所後の在宅復帰に向けたリハビリや相談は、計画的に行われているか

はい 17名 (61%)
どちらともいえない 3名 (11%)
いいえ 6名 (21%)
無回答・非該当 2名 (7%)

「はい」と返答された方々は回答者の61%、「どちらともいえない」11%、「いいえ」21%、非該当7%であった。「毎日リハビリをしています」「自分のリハビリのメニューや皆と一緒に体操をしています」「リハビリの先生から話がありました」などのコメントが寄せられた。

7.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか

はい 27名 (96%)
どちらともいえない 1名 (4%)

「はい」との返答された方々は回答者の96%で、事業所の清掃、整理整頓に関して非常に高い満足を得ている。「いつも普通にきれいになっています」「いつも清掃担当の方がきれいにしてくれています」などのコメントが寄せられた。

8.職員の接遇・態度は適切か

はい 26名 (93%)
どちらともいえない 1名 (4%)
いいえ 1名 (4%)

「はい」と返答した方々は回答者の92%で、職員の接遇・態度に関して非常に高い満足を得ている。「職員の皆さんは心が優しくて、言葉遣いも丁寧です」「普通だと思います。特に気になるようなことはありません」「とても親切に接してくれるので、安心しています」などのコメントが寄せられた。

9.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか

はい 24名 (86%)
どちらともいえない 2名 (7%)
いいえ 1名 (4%)
無回答・非該当 1名 (4%)

「はい」と返答した方々は回答者の85%で、緊急時の対応に関して高い満足を得ている。「自分が気がつかないようなときも、担当の職員さんが変化に気づいてすぐに来てくれました」「膝が痛くなったとき、他の病院に連絡をして受診させてくれました」などのコメントが寄せられた。

10.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか

はい 28名 (100%)

回答者全員が「はい」と返答し、利用者同士のトラブル対応に関して非常に高い満足を得ている。「入居者間のことは、職員さんたちも気がついてくれているので、安心はしています」「そのようなことは、聞いたことも見たこともありません」などのコメントが寄せられた。

11.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか

はい 24名 (86%)
どちらともいえない 4名 (14%)

「はい」と返答した方々は回答者の85%で、利用者の気持ちの尊重に関して高い満足を得ている。「日頃から気遣って声をかけてくれます」「ここの職員の方たちは、利用者皆を気遣って大切にしてくれていると思います」「他の人が箸やスプーンを落としたりすると、すぐに対応してくれるのを見ています」などのコメントが寄せられた。

12.利用者のプライバシーは守られているか

はい 26名 (93%)
どちらともいえない 1名 (4%)
いいえ 1名 (4%)

「はい」と返答した方々は回答者の92%で、プライバシー保護に関して非常に高い満足を得ている。「プライバシーのことで、嫌な思いをしたことなどはありません」「プライベートなことは、あまり話さないようにしています」などのコメントが寄せられた。

13.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか

はい 13名 (46%)
どちらともいえない 4名 (14%)
いいえ 7名 (25%)
無回答・非該当 4名 (14%)

「はい」と返答された方々は回答者の47%、「どちらともいえない」14%、「いいえ」25%、「わからない」14%であった。

14.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか

はい 15名 (54%)
どちらともいえない 2名 (7%)
いいえ 5名 (18%)
無回答・非該当 6名 (21%)

「はい」と返答された方々は回答者の54%、「どちらともいえない」7%、「いいえ」18%、「わからない」21%であった。「スケジュールについては、説明を聞いています」などのコメントが寄せられた。

15.利用者の不満や要望は対応されているか

はい 22名 (79%)
どちらともいえない 3名 (11%)
いいえ 2名 (7%)
無回答・非該当 1名 (4%)

「はい」と返答された方々は回答者の77%で、不満や要望の対応に関して概ね満足を得ている。「これまでに不満などを言ったことはありませんが、言えばやってくれると思っています」などのコメントが寄せられた。

16.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか

はい 7名 (25%)
いいえ 18名 (64%)
無回答・非該当 3名 (11%)

「はい」と返答した方々は回答者の25%、「いいえ」64%、「わからない」11%であった。

組織マネジメント分析結果

◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合はで、実施できていない場合はで表しています。

【講評】
事業方針を職員が十分に理解して業務に従事し、利用者の在宅復帰に取り組んでいる

役割資格等級が3級に相当する副主任以上に、「事業計画及び資金収支予算書」を配布し、内容を説明している。各職員の職責に応じて担当業務を割り振り、事業方針に掲げている「高齢者の自立生活を支援し、家庭への復帰」を目指している。新任職員に対して、現場での業務開始前に新任職員研修を実施し、法人の経営理念・経営方針、施設の事業方針に加えて、三鷹市の公的機関としての使命を説明し、理解した上で職場に配置している。経営理念と経営方針を各階の見えやすい場所に掲げており、利用者・家族、関係者にも広く周知している。

職務定義書に示された権限と責任に基づき、管理者としての役割を遂行している

「職務定義書」および「役割資格等級基準表」には、職群・資格、職務上の職務内容と運用機能、権限と責任、求められる職務遂行能力、求められる成果が等級別に明示されている。総合職5級が所属長に相当し、管理者としての役割を遂行することが求められている。施設内に設置している身体拘束適正化・虐待防止合同検討委員会やサービス改善委員会など各種委員会には、施設長や事務長など管理者層が参加し、施設の重要課題に組織的に対応する体制を構築している。また、法人本部主催の各種委員会にも参加し、施設横断的な課題解決にも参画している。

経営会議で重要事項を検討し、決定事項は施設業務連絡会を通じて施設内で共有している

法人全体の各事業の管理職で構成する月1回の「経営会議」では、重要案件に対する協議を通じて必要な意思決定をおこなっている。「事務専決規程」で意思決定の手順を定めており、組織内の最終的な意思決定までのプロセスを明確にしている。経営会議での決定事項は、施設内の副主任以上が参加する「施設業務連絡会」で共有し、各部署・フロアのリーダーを通じて全職員に情報を展開している。交代勤務者などの情報格差を減らす取り組みとして、議事録の回覧やメールでの通知に加えて、ICTツールを活用した情報共有の仕組みの導入も検討している。

1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
  • 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  • 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  • 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
第三者評価を実施しない年度には、施設独自に利用者アンケートを実施している

第三者評価の利用者アンケート調査に加えて、第三者評価を実施しない年度は、サービス改善委員会を中心に施設独自に利用者アンケートを実施し、利用者・家族の要望・意見を取りまとめて、施設運営やサービス改善につなげている。職員からの事業運営やサービス提供に関する意見は、部署・フロア単位で取りまとめて施設業務連絡会やサービス改善委員会で議題に取り上げ、有用と判断された提案を取り入れている。個々の職員からの要望・意見は、年2回の人事考課面接の機会を通じて丁寧に聴き取るようにしている。

公的機関として行政や地域住民との連携を深めており、地域の福祉ニーズを把握している

三鷹市の公的機関として行政との連携・協力関係を築いているほか、町会・市議会など地域の関係機関の代表に評議員を委嘱しており、地域福祉のニーズが把握しやすい状況にある。三鷹市介護保険事業者連絡協議会に参加し、人材不足や認知症対策、高齢者の孤立や見守りなど複合的な課題に対応するためのネットワークに参加している。全国老人保健施設協会、東京都社会福祉協議会の会員となり、常に最新の情報を入手できる環境にある。三鷹市介護・医療・地域資源情報検索サイトに登録し、介護サービスや医療機関、地域資源などの情報を収集している。

法人の中期経営計画を踏まえて、当施設の年次事業計画・収支予算書を作成している

法人では令和4年度から令和8年度まで5か年間にわたる「中期経営計画」を策定し、安定した経営を推進し、より質の高いサービスの提供に向けて取り組んでいる。中期計画で示された「機能の充実・体制の強化」「サービスの向上」「施設の整備・設備の充実」の各項目の計画を踏まえて、当施設の年次事業計画・収支予算書を作成している。各事業の進捗は、経営会議で月および半期ごとに確認している。介護報酬の改定への対応も重要な経営課題であり、在宅復帰の強化と施設利用率の向上の両立に向けた取り組みを進めている。

1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  • 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  • 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  • 事業所の経営状況を把握・検討している
  • 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
  • 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  • 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  • 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  • 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
利用者の人権や虐待防止に関する職員の意識向上のための研修実施計画を策定している

身体拘束適正化・虐待防止合同検討委員会を年4回開催し、利用者の人権や虐待防止に関する職員の意識向上を図るため研修実施計画を策定している。東京都福祉局の「社会福祉事業従事者人権研修」の受講の機会を設けている。施設内研修として「身体拘束防止研修・虐待防止研修」を実施し、グループワークを取り入れて、各自が利用者の立場に立って考えるとともに、意見交換を通じて認識を深めている。リハビリにおける利用者の人権を尊重した配慮ある行動をテーマに事例検討をおこない、日頃の行動・言動が虐待につながらないように確認している。

利用者・家族の苦情・要望を把握するため、サービス向上委員会が意見箱を設置している

利用開始時に重要事項説明書を提示して、苦情解決の仕組みを説明しており、第三者委員を含めた施設内外の苦情受付窓口の連絡先や苦情解決担当者を周知している。各フロアにも、苦情解決窓口の案内を掲示している他、サービス改善委員会でも各階に意見箱を設置し、苦情・要望の把握に努めている。意見箱に投函された苦情に対しては施設としての回答を掲示することとしている。利用者や家族に寄り添い、普段の会話から要望や意見を汲み取り、利用者一人ひとりのニーズに合ったサービスの提供に努めている。

公的施設としての役割の観点から、地域の体操教室やセミナーに講師を派遣している

「事業計画及び資金収支予算書」および「事業報告書」をホームページ上で公開している。また、年2回、「みたか事業団だより」を発行し、当施設の活動を紹介するなど、広く関係者に情報を提供している。地域包括支援センターが主催する体操教室に、理学療法士を講師として派遣している。また、事業者連絡会・地域ケアネットの事業や市内の総合病院主催の医療&介護施設連携セミナーに参画するなどの協力をおこなっている。市のボランティアセンターを通じて、夏体験ボランティアを受け入れている他、中学生の職場体験の機会も提供している。

1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
  • 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  • 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
  • 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  • 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
  • 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  • 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
  • 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  • ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
  • 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  • 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  • 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
災害時の迅速かつ適切な対応を可能にするため、防災訓練やBCP訓練を実施している

事業計画の重点事業の一つに「災害対策の充実」を掲げており、年2回、地震や火災を想定した防災訓練を実施し、避難誘導方法、通報の手順、消火器の取り扱いなどを確認している。自然災害および感染症の発生を想定した事業継続計画(BCP)を策定しており、施設内研修を通じて職員への理解を深めている。年2回のシミュレーション訓練では、ライフラインが停止した際の対応として、水の確保、非常用発電機による電源のバックアップ、緊急連絡網を用いた職員の招集、食料の提供までの流れを確認し、迅速かつ適切な対応を可能にしている。

事故・リスクマネジメント委員会や感染症委員会を設置し、個別のリスクに対応している

発生が想定される個別のリスクに対応するため、事故・リスクマネジメント委員会や感染症委員会を設置している。事故報告書やインシデントレポートの内容を職員間で共有し、事故・リスクマネジメント委員会において具体的な対策を検討している。職員は消防署が実施する救命講習に参加し、心肺蘇生やAEDの使用方法など、緊急時の対応を習得している。各専門職が講師を務め、事故防止・リスクマネジメント研修や感染症研修を施設内研修として実施している。これらの取り組みにより、リスク対応力の向上と安全な環境作りを目指している。

「個人情報保護規程」に基づき、利用者の個人情報を適切に管理している

「個人情報保護規程」や「情報公開規程」に基づき、個人情報を含む情報資産の適切な管理と運用に努めている。契約時には、利用者やその家族に対し、個人情報の外部提供先とその目的を説明し、同意書への署名をもって確認している。パソコンの利用に際しては、職員ごとに割り振られたIDとパスワードの入力を必須としている。また、利用者の個人情報を含む書類は漏洩や散逸を防ぐために1冊にまとめ、施錠可能なキャビネットで厳重に保管している。個人情報を含む書類を処分する際は、シュレッダーで裁断し、安全に廃棄している。

1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
  • 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  • 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  • 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  • リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  • 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  • 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  • 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  • 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  • 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
ホームページや求人サイト、合同面接会など多様な方法で人材確保に取り組んでいる

職員採用の募集・採用手続きは法人本部の事務局が担っており、ホームページに求人内容の詳細を掲載しているほか、民間の求人サイトを通じて広く人材を募集している。人材の確保は介護施設共通の課題であり、三鷹市介護保険事業者連絡協議会でも人材確保に向けて情報を交換している他、社会福祉協議会が主催する「福祉のしごと 相談・面接会」にも参加している。各施設の配置状況や本人の適性、希望を総合的に判断した上で職員の異動を検討・実施している。年2回の人事考課面接を通じて、個々の職員のキャリアプランを確認している。

専門職が講師となり、業務上必要な知識の習得を図るため内部研修を実施している

職員の教育体制の充実を事業計画の重点事業の一つに掲げており、研修委員会を設置し、職員の能力向上と質の高いサービス提供を目的に、年間研修計画を策定している。OJT研修を通じて新任職員に対し実践的な指導をおこない、業務に必要な知識や技術の習得を支援している。各専門職が講師を務め、感染症対策、BCP、虐待防止、事故防止・リスクマネジメントといった必須のテーマを設定し、施設内での内部研修を実施している。研修終了後にはアンケートを実施し、受講者の理解度を把握するとともに、次回以降の研修内容改善につなげている。

労働環境の改善やICTによる業務効率化を通じて、働きやすい職場環境を目指している

労働安全衛生委員会を設置し、産業医による職場巡回や有給休暇の計画的取得などを通じて、労働環境の改善や職員の健康維持に取り組んでいる。ICTの導入による業務の効率化を進めており、介護記録ソフトの活用により記録業務の時間短縮が実現している。法人全体で一般事業主行動計画を策定し、仕事と子育ての両立が容易となるように、働きやすい職場環境作りに取り組んでいる。 新入職員のOJT期間中により多くの職員と勤務が重なるようにシフトを調整したり、委員会活動を通じて他部門・他職種の職員と交流する機会を設けている。

1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
  • 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  • 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
  • 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  • 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  • 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  • 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
  • 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  • 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  • 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  • 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
  • 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  • 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  • 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

「在宅復帰および在宅支援体制の充実」が課題であり、前年度の目標として、「在宅復帰後の利用者に対し、短期入所介護や通所リハビリテーションを積極的に受け入れることで、在宅生活支援を継続的に強化すること」および「在宅復帰後の再入所を積極的に受け入れる姿勢を示し、安心して在宅生活を送れるよう支援すること」を設定した。目標達成に向けた前年度の取り組みは以下のとおりである。1.毎週開催している入退所検討会や在宅復帰支援会議において、再利用の相談や退所前訪問の報告を実施した。2.検討会や支援会議では、利用者や家族の想いを踏まえ、多職種が在宅生活に向けたサービスの提案をおこなった。3.看護師や理学療法士など各専門職が在宅生活に向けた提案をおこなうとともに、状況が変化した場合でもショートステイや再入所が可能であることを利用者や家族に伝え、安心感を提供した。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

前年度の取り組み結果は以下のとおりである。令和5年10月から「超強化型」老人保健施設としての運営を開始し、在宅復帰率は53%を達成した。また、在宅復帰後には、当施設の短期入所療養介護や通所リハビリテーションを46%の利用者が活用した。さらに、在宅復帰後も柔軟に再入所を受け入れることで、本人や家族の不安を軽減し、地域に根ざした支援施設として在宅生活の継続を支援することができた。今年度も引き続き取り組みを継続し、在宅復帰率の維持を図るとともに、自分らしく生きることを求める利用者に対し、最適で質の高い介護とリハビリテーションを提供する方針である。そのために、多職種連携による個別ケアの充実に努めていくこととしている。

2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

多様化する利用者に最適で質の高い介護を提供できるよう、多職種連携による個別ケアの充実を図るため「サービスの質の向上と職員の教育体制の充実」が課題であり、前年度の目標として、「利用者の人権の擁護、虐待の防止等を推進する観点から、虐待の発生またはその再発を防止するための措置を講ずる」を設定した。前年度の目標達成に向けた取り組みに関し、もともと身体拘束適正化検討委員会は設置しており、3ヶ月に1回会議を開催していたが、「高齢者虐待防止委員会」を新たに設置し、身体拘束適正化委員会と合同開催することとした。また、虐待防止指針の整備、虐待研修の実施、担当者の配置についても検討を実施した。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

前年度の取り組み結果は以下のとおりであった。1.虐待の防止のための対策を検討する「虐待防止委員会」を3ヶ月に1回開催し、委員会での検討結果を職員に周知した。2.「虐待防止のための指針」を整備し、各フロアでいつでも閲覧できるように設置した。3.全職員を対象に、虐待防止のための内部研修を次年度より定期的に開催することとした。4.上記措置を適切に実施するための担当者を配置した。今年度も、虐待の発生・再発を防止するための取り組みを継続し、全職員を対象とした虐待防止研修を実施し、利用者の人権擁護や虐待防止に努めることとしている。

サービス分析結果

6. サービス分析のプロセス
【講評】
ホームページやパンフレットを活用し、施設の情報を提供している

施設の情報は、パンフレットやホームページなどを活用し、利用希望者へ提供している。利用希望者の利便性に配慮して、パンフレットを郵送で受け取ることができる。また、ホームページからパンフレットなどをダウンロードすることもできるようにしている。パンフレットには「ご利用までの流れ」「施設概要」「施設までのアクセス」などを掲載し、利用の目途を立てやすい構成としている。ホームページには、より詳細な「サービス内容」や「施設で力を入れて取り組んでいる内容」などの情報を掲載している。

市の介護情報誌やホームページに施設の情報を掲載している

市が発行する情報誌には、施設の対応窓口や連絡先、アクセスなどが記載されており、高齢者施設を探している方が情報を得る手段の一つとなっている。そのため、この情報誌には最新の情報を提供できるようにしている。市のホームページにも同様に、施設案内やサービス内容、連絡先を掲載している。さらに、併設の居宅介護支援事業所などと連携し、地域の方々に施設の情報を周知する取り組みをおこなっている。また、利用者個々の担当のケアマネジャー(居宅介護支援事業所)と連携し、必要な施設の情報を提供している。

利用希望者からの問い合わせや見学対応には、支援相談員2名体制で対応している

コロナ禍前は、利用希望者がフロアへ上がり、居室や共同生活の場を見学することができていた。コロナ禍以降は、フロアへの立ち入りを控え、ロビーでの説明が中心となっている。利用を希望する場合や問い合わせ、サービス内容を確認したい場合には、事前に電話連絡をおこない、後日支援相談員が改めて説明している。困っている点や電話で確認できる事項については、その都度支援相談員が対応し、不安解消に努めている。また、料金表やパンフレットなどの資料送付の依頼にも柔軟に対応している。

1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
  • 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  • 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  • 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  • 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
施設の基本的ルールは、重要事項説明書や各種同意書を用いて説明している

サービス開始までの具体的な流れとして、見学および説明をおこなった上で「施設利用申込書」を記入し、本人の状態確認をおこなっている。その後、入所判定会議を開催し、各部署からリスクやサービス内容について説明を受け、同意をいただいた方から入所の調整を進める。施設の基本的なルールについては、重要事項説明書を用いて説明し、不明な点については支援相談員が口頭でも説明をおこなっている。また、「利用同意書」や「入所時リスク説明書」などの書面を用いて施設利用に関する詳細な説明をおこない、同意を得ている。

サービス開始前に自宅訪問をおこない、住環境や生活歴等を確認している

サービス開始にあたり、利用者へ継続的な支援をおこなうため、入所前または入所後1週間以内に自宅を訪問し、生活環境や心身状況の確認をおこなっている。確認した職員は、利用者の状態を「利用者個別状況調査票」に記載し、「住環境」「既往歴」「身体状況」「日常生活動作」などの情報を職員間で共有できる仕組みとしている。事前に情報を収集することで、現場の職員は利用者の状態を把握し、支援方法を想定できる。それにより、入所時の利用者のストレス軽減にもつながる取り組みとなっている。

退所後も利用者、家族が不安なく生活できるよう、アフターケアに配慮している

施設退所後は、自宅へ戻る方が約半数、医療機関への入院や介護施設への入所となる方が約半数を占めている。医療機関や介護施設への入所が決まった場合、利用者の情報を看護サマリーやADL表として書面にまとめ、提供している。情報提供に際しては、事前に「退所前後の関係機関への情報提供に関する同意書」を用いて説明をおこない、同意を得ている。自宅へ戻る場合には、理学療法士による家庭訪問や在宅の主治医への情報提供をおこなうなど、退所後も利用者や家族が不安なく、安全に在宅生活を送れるよう支援している。

1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
  • サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
  • サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
  • サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
  • サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  • 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  • サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
  • サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
「利用者個別状況調査票」に利用者の心身の状況や要望をまとめ記載している

利用者の心身の状況および在宅復帰に向けた要望を「利用者個別状況調査票」に記載し、支援を担当する全職員間で共有している。「利用者個別状況調査票」には、利用にあたっての希望、身体状況、移動や排泄などの動作を記載し、個別のファイルに綴ることで情報共有できる仕組みとしている。また、利用者の状態変化に応じて内容を見直し、常に最新の情報を共有できるよう更新している。詳細なアセスメントをおこなうことで、利用者の状態および希望に沿った計画の作成につなげるようにしている。

利用者一人ひとりの希望や要望を伺い、在宅復帰に向けた計画を作成している

計画作成の主な流れとして、事前情報および家族・本人の要望を基に初期プランを作成している。初期プランに基づき1週間の様子観察をおこない、入所後2週間で担当者会議を開催し、各部署の意見を踏まえて本プランへ移行する。ケアプランの見直しは3か月ごとに実施し、状態の変化があれば必要に応じて随時変更をおこなっている。利用者の多くは、在宅生活に必要な機能回復訓練を目的としているため、目標設定は「一人で買い物ができる」「排泄を一人でおこなえる」などとし、目標達成に向けて多職種が連携し取り組んでいる。

日々の申し送りや各種会議などで利用者の情報を職員間で共有している

利用者に関わる情報を、全ての部署および職員で共有できるよう、さまざまな取り組みをおこなっている。ケアプランやアセスメント表、各種同意書などは、各部署でファイリングし、職員間で共有している。利用者の日々の様子については、電子記録システムを活用し、共有できる仕組みを整えている。また、朝夕のミーティングには全部署が参加し、部署間の情報共有を強化している。さらに、各会議やミーティングで話し合った内容を「ステーション日誌」に記載し、当日出勤していない職員にも情報が伝わるよう取り組んでいる。

1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
  • 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
  • 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  • アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の施設サービス計画を作成している
  • 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
  • 計画を利用者にわかりやすく説明し、同意を得ている
  • 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  • 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
  • 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  • 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
  • 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  • 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.施設サービス計画に基づいて自立生活が営めるよう支援している
  • 施設サービス計画に基づいて支援を行っている
  • 利用者の特性に応じて、コミュニケーションのとり方を工夫している
  • 利用者一人ひとりがその人らしく生活できるよう支援を行っている
  • 利用者の支援は関係職員が連携をとって行っている
  • 退所後も相談に応じている
【講評】
日々の記録をおこない、計画に沿った支援が提供できているか確認している

利用者一人ひとりの生活状況やニーズに応じたケアプランおよび個別機能訓練計画を作成し、それに基づいた支援を提供している。計画に沿った支援をおこない、記録に残すことで、目標に対する進捗状況や支援の効果を確認できる仕組みを整えている。毎日の記録は、各計画に基づく内容に加え、「何気ない日中の様子」「夜間の様子」「日々のバイタル値」など、利用者の生活の様子が把握できるよう工夫している。現在、電子記録システムへの移行を進めており、今後は各計画との連動を検討し、部署間の情報共有にも活用できる体制を整えている。

利用者一人ひとりのアセスメントをおこない、個別の支援が提供できるよう工夫している

利用者のアセスメントを徹底し、個々に応じた支援の提供や特性に応じたコミュニケーションの工夫をおこなっている。適切な支援を提供するために、まず麻痺などの身体状況を確認し、自宅での生活を継続できるよう居室のレイアウトを整えている。利用者が退所後も不自由なく在宅生活を送れることを念頭に置き、その人の生活状況に応じた支援をおこなっている。また、認知機能や聴力の状態に応じてコミュニケーションの方法を工夫し、時には筆談やジェスチャーを交えながら対応している。

在宅復帰支援会議などでは、より良い支援に向けて多職種間で意見交換をおこなっている

関係各部署が連携し、利用者の支援について意見交換をおこなう場を複数設けている。簡単な支援方法の見直しや周知事項については、日々の申し送りで全部署が集まり、情報共有をおこなっている。体調の変化や本人の希望によるケアプランの変更が必要な場合は、毎週開催される「在宅復帰支援会議」やサービス担当者会議で検討している。これらの会議には、医師をはじめ、看護師、機能訓練指導員、介護職員など、支援に関わる全ての部署が参加し、利用者にとって最適なサービスが提供できるよう意見交換をおこなっている。

2.栄養バランスを考慮したうえで、おいしい食事を出している
  • 利用者の状態に応じた食事提供や介助を行っている
  • 利用者の状態や嗜好に応じて献立を工夫している
  • 利用者が選択できる食事を提供している
  • 食事時間は利用者の希望に応じて、一定の時間内で延長やずらすことができる
  • 食事を楽しむ工夫をしている
【講評】
利用者の嚥下機能や身体機能に応じた食事提供をおこなっている

利用者の状態に応じた食事提供として、身体状況に応じた食事の準備と、嚥下機能に応じた食事形態の提供をおこなっている。嚥下状態に応じた食事は、主食として常食、軟飯、粥、ペーストの4種類、副食として常食、2cmの刻み、5mmの極刻み、やわらか食、ペーストの5種類を用意している。身体機能に応じて様々な自助具や自助食器を提供している。スプーンの握りやすさを向上させるグリップ、滑り止めマット、深さや広さの異なる皿などがある。これらの特殊な食器や器具を活用し、利用者が自身の力で食事を摂取できるよう支援している。

管理栄養士によるミールラウンドでは、利用者の摂食状況などの確認をおこなっている

管理栄養士は、利用者の入所時に栄養状態を確認し、リスクに応じた対応をおこなっている。低栄養のリスクがある利用者には、きめ細やかに本人の嗜好を確認し、できる限り好きな食べ物を提供できるよう工夫している。管理栄養士は毎日の昼食時にミールラウンドを実施し、利用者の摂食状況や嚥下状態を確認しながら、直接会話を交わしている。「今日の料理の味」や「今後提供してほしいメニュー」について意見を聞くことで、食事の嗜好調査も同時におこなっている。利用者の食事状況を観察し、個々に合った食事提供に努めている。

季節のメニューや郷土料理など、利用者が食事を楽しむ工夫をおこなっている

利用者が食事を楽しめるよう、行事食や郷土料理、料理教室などを実施している。行事食としては、誕生会では赤飯やケーキ、敬老会では「お重」で御祝膳を提供し、クリスマスにはローストチキン、ハロウィンにはパンプキンスープなど、季節の行事に合わせた料理を用意している。また、郷土料理は日本各地の料理に加え、世界の料理も提供し、食事の際には料理にまつわるエピソードを紹介しながら、利用者が楽しめる工夫をしている。さらに、料理教室は参加型とし、フロアでおかず一品やおやつを作る機会を設け、利用者の楽しみの一つとなっている。

3.入浴の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
  • 利用者の状態に応じた入浴方法や介助を行っている
  • 健康上の理由等で入浴できなかった利用者には代替方法をとっている
  • 入浴の誘導は利用者に負担がかからないように考慮し、行っている
  • 浴室や脱衣室は清潔で、快適な状態にしている
【講評】
新規利用者には理学療法士が入浴方法の確認をおこない自立と安全に配慮している

利用者が安全に入浴できるよう、事前にアセスメントをおこない、身体状況に応じた入浴方法で支援している。入浴形態は、一般浴と機械浴(チェア浴)の2種類を用意している。新規利用者や入浴形態が変更となった利用者が初めて入浴する際は、理学療法士が入浴方法や注意点を確認し、安全な支援方法を職員および利用者本人に伝えている。洗髪や洗身の介助についても、必要以上に介護職員が手を出さず、本人の持つ能力を最大限活かせるよう配慮している。支援方法はケアプランに記載し、全職員に周知することで、統一した支援の提供を徹底している。

一般浴は「檜風呂」となっており、入浴嫌いな利用者でも入りたくなる環境となっている

利用者の気分や生活環境、身体状況に応じて、柔軟な入浴支援を提供している。基本的な入浴形態は一般浴または機械浴だが、状況に応じてシャワー浴や足浴、清拭などの対応もおこなっている。認知症の症状や生活習慣によって入浴を拒否する方や、もともと入浴の習慣がない方が入所することもある。そのような場合、「檜風呂があるので入りましょう」と声をかけることで、自然に応じる利用者が多い。一度入浴すると、その心地よさから「まだ入っていたい」といった声が聞かれることもあり、入浴を拒否して職員が対応に困るケースは非常に少ない。

入浴支援は利用者のプライバシーや羞恥心、衛生面に配慮しておこなっている

入浴支援は、入浴準備や誘導の声かけから始まり、羞恥心とプライバシーに配慮している。衣類の準備は利用者自身にお願いするか、必ず本人の了承を得て職員が対応している。利用者の特性に応じ、同性の声かけを必要とする方や、希望時間での入浴を希望する方には、可能な範囲で対応している。着脱支援や入浴介助もできる限り同性介助とし、他の利用者から見えたり聴かれたりしないよう配慮している。さらに、衛生管理を徹底し、日々の清掃や消毒、乾燥をおこなうとともに、レジオネラ菌などの感染症対策を実施している。

4.排泄の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
  • 排泄介助が必要な利用者に対して、一人ひとりに応じた誘導や排泄介助の支援をしている
  • 利用者の状況に応じた排泄目標を設定している
  • トイレ(ポータブルトイレを含む)は使いやすさや安全面を考慮し、それに応じた環境整備をしている
  • トイレ(ポータブルトイレを含む)は衛生面に配慮し、清潔にしている
【講評】
日中はオムツを使用せず、極力トイレで排泄を促している

「トイレでの排泄」を施設全体の目標とし、日中はオムツを使用せず、トイレでの排泄を支援している。病院から入所したバルーンカテーテル使用者に対しても、膀胱訓練をおこないながら尿意の有無を確認し、自力排尿ができるよう支援し、トイレでの排泄につなげている。また、利用者の心身の状況に応じて、定時の声かけや誘導が必要な方、一部介助が必要な方にも対応している。ズボンの上げ下ろしや立位の保持が困難な場合は、職員2名で介助することもある。利用者の安全を確保しながら、トイレでの排泄ができるよう取り組んでいる。

在宅復帰までに必要な排泄支援をケアプランに落とし込み、日々のケアをおこなっている

自力での排泄が可能になれば在宅生活に近づくため、自宅のトイレ環境に合わせた環境整備や排泄支援をケアプランに反映し、関係職員で共有し統一した対応をおこなっている。事前に自宅のトイレ環境を確認し、手すりの位置やトイレの向きなどを施設のトイレに近づける工夫をしている。また、「排泄後の後始末ができる」など具体的な目標を設定し、退所後も一人で排泄できるよう支援している。さらに、理学療法士と連携し、尿漏れ防止トレーニングを実施するなど、排泄支援の充実に努めている。

利用者の生活及び身体状況に応じて、夜間はポータブルトイレを使用する方もいる

施設のトイレは、居室内に設置されている部屋と、居室内にトイレがない部屋がある。トイレのない部屋でも、廊下を出てすぐ近くに複数のトイレを設置し、利便性を確保している。すべてのトイレは車いすでも十分な広さがあり、手すりや跳ね上げ式のひじ掛けを備え、安全面にも配慮している。また、在宅でポータブルトイレを使用している利用者には、施設でも夜間のみポータブルトイレを使用する対応をおこなっている。自宅と同じ環境を整えることで事故のリスクを軽減し、退所後も慣れた排泄環境のもとで快適に生活できるよう支援している。

5.移動、整容の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
  • 利用者の状態にあった移動方法を検討している
  • 服装や整容は利用者の好みを反映した支援を行っている
【講評】
利用者の希望や身体状況に応じた移動支援を提供している

利用者の生活状況に応じて、移動支援の目標設定は個別に異なる。目標として、「ベッドからトイレまで歩いて移動できる」「マンションの階段を上がれる」などがあるため、自宅のベッドからトイレまでの距離を計測し、具体的な目標を設定している。普段は車いすを使用している方でも、トイレまでは職員の手引き歩行をおこなったり、日々の機能訓練に歩行訓練を取り入れるなど、目標達成に向けて支援している。在宅復帰に必要な歩行能力を向上させつつ、利用者の希望に沿った支援をおこなっている。

利用者の安全に配慮しつつ、身体状況に応じた移動支援を担当者で検討している

利用者の移動を補助する福祉用具として、車いす、歩行器、シルバーカー、杖などを用意し、身体状況に応じて適切な用具を提供している。使用方法については理学療法士が説明し、安全に活用できるよう支援している。また、移動能力の評価を適宜おこない、必要に応じて状態に適した福祉用具へ変更している。車椅子で入所した方でも、日々の機能訓練や車椅子自走を続けることで下肢筋力が向上し、立位や歩行が安定するケースもある。段階に応じた福祉用具の調整は、利用者のモチベーション向上にもつながる取り組みとなっている。

月1回の理美容や日々の整容介助をおこない、利用者の清潔保持に努めている

毎日の洗顔や整髪、更衣などは、利用者の生活スタイルに応じて支援している。居室には洗面台が設置されており、起床から食事までの時間で自由に整容をおこなうことができる。衣類は自由に持ち込むことができ、好きな服を着用可能である。ほとんどの利用者は、夜はパジャマに着替え、起床時に私服へ着替えることで、1日の生活リズムを整えている。また、利用期間中に散髪を希望する方のために、月1回の訪問理美容を実施しており、カットだけでなくヘアカラーや顔剃りにも対応している。

6.利用者の健康を維持するための支援及び必要な医療サービスを行っている
  • 利用者の状態に応じた健康管理や支援をしている
  • 健康状態に関して、利用者の相談に応じ、必要に応じて医師が利用者や家族に説明をしている
  • 服薬管理は誤りがないようチェック体制の強化などしくみを整えている
  • 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
  • 日頃から医療機関と連携を図り、必要時には措置を講じている
【講評】
看護職員による毎日のバイタル測定と健康観察をおこなっている

利用者が快適かつ健康的に生活できるよう、介護職員と看護職員が連携し、健康状態の観察をおこなっている。観察の一環として、看護職員が毎日バイタル測定を実施し、検温・血圧・脈拍を計測している。発熱や呼吸状態の異常が見られる場合は、血中酸素濃度も測定し、状態を把握している。また、バイタル測定時には、顔色や呼吸状態なども同時に確認し、健康状態に問題がないか注意深く観察している。異常が認められた際は、常駐の医師に報告し、診察および適切な処置を受けられる体制を整えている。

利用者の状態が変化した際、医師及び看護職員から家族への説明をおこなっている

利用者の健康状態を常に家族と共有するため、日頃から状態の変化が見られた際には、看護職員や医師が家族へ説明をおこなっている。入所時には医師が診察をおこない、利用者の心身の状況を把握した上で、在宅復帰に向けた計画を立案している。この計画や健康状態については、職員だけでなく家族とも共有し、共通の認識を持つよう努めている。計画の進捗に変化が生じ、変更が必要になった場合や、健康状態の変化、転倒などの事故による身体状況の変化があった場合には、随時家族へ連絡し、状況を説明している。

協力医療機関と連携を図り、入退院時の情報共有をスムーズにおこなっている

日頃から近隣の病院と連携を図り、利用者が受診や入院加療を必要とする場合に備えた体制を整えている。施設には常駐医が在籍しているが、施設での療養が困難と判断された場合や、状態の悪化により受診が必要と判断された場合には、協力医療機関へ迅速に搬送できるよう対応している。また、救急搬送手順や協力病院への搬送方法をマニュアル化し、どの職員でも対応できる仕組みを整備している。さらに、医師不在時に備えた「休日・夜間の緊急時連絡体制」のマニュアルを策定し、利用者の万が一に備えている。

7.日常生活の自立を支援するために必要な機能訓練を行っている
  • 施設サービス計画に基づいて、利用者一人ひとりに応じたプログラムを作成し、評価・見直しをしている
  • 機能訓練のプログラムに在宅生活の場でいかすことができる視点を入れている
  • 機能訓練指導員等の指導のもと、日常生活の中でも機能訓練を実施している
  • 介護職員等が日々の介護の中で気がついたことを機能訓練指導員に返している
  • 福祉用具は定期的に使用状況の確認をし、必要に応じて対処をしている
【講評】
利用者一人ひとりの身体状況に応じた機能訓練計画を作成し、支援を実施している

利用者一人ひとりの生活状況や心身の状態をアセスメントし、家庭の状況に応じた計画を作成している。在宅復帰を最優先に考え、自宅での生活に必要な生活動作と生活行為の関連性を整理し、機能訓練計画に反映している。例えば、「自宅で入浴できる」という目標を設定した場合、「浴槽を跨げる」「自分で洗身・洗髪ができる」「衣類の着脱が一人でできる」など、具体的な課題を明確にする。それらの課題をクリアすることで在宅復帰が可能となるよう、個々に必要な支援を見極め、適切な支援を提供している。

PT会議では、個別の案件に沿った機能訓練や生活リハビリを検討している

利用者ごとの機能訓練や生活リハビリの進捗状況を確認し、個別の課題を相談する場として、毎月PT会議を開催している。PT会議には、医師、理学療法士、看護職員、介護職員、ケアマネジャーが参加している。例えば、「失禁が増えた」といった排泄の問題を抱える利用者に対し、各専門職の視点から支援方法を検討し、失禁予防の取り組みを計画に反映している。取り組み内容は現場の職員に周知し、実施しながら状況や対応を毎日記録している。PT会議では、対応の評価をおこない、継続か見直しかを判断し、最適な支援につなげている。

各部署が連携を図り、利用者の機能訓練や福祉用具の管理をおこなっている

利用者の機能訓練は、理学療法士だけでなく、介護職員や看護職員も連携しておこなっている。理学療法士による個別機能訓練は週に3日程度、数十分の実施となるため、機能向上のためには日常生活の中でのリハビリ的な動きが重要となる。例えば、トイレまでの歩行、トイレ内での立位、ベッドへの移乗など、利用者の能力に応じて「できること」と「できないこと」を見極めながら支援している。職員は安全に配慮しつつ、在宅生活を想定し、必要以上に介入せず、利用者自身の力で対応できるよう促している。

8.利用者の自主性を尊重し、施設での生活が楽しく快適で、自立的な日常生活となるような取り組みをしている
  • 日常生活の中で楽しめる機会を設けている
  • 施設での生活は、他の利用者への迷惑や健康面に影響を及ぼさない範囲で、原則として自由である
  • 利用者が落ち着ける雰囲気づくりをしている
  • 居室や食堂などの共用スペースは汚れたら随時清掃を行う体制があり、安全性や快適性に留意している
【講評】
体操やレクリエーションを工夫し、日中の活動量を上げる取り組みをおこなっている

施設での1日の主な流れとして、午前中に全体体操を実施し、午後にはレクリエーション活動をおこなっている。入浴や個別機能訓練は曜日ごとに設定し、生活リズムを整えている。施設入所者の多くはリハビリを目的としており、レクリエーションにもリハビリ要素を取り入れている。具体的には、認知機能や指先のリハビリを目的とした脳トレ、塗り絵、書道の他、発声を兼ねたカラオケ、上肢の可動域向上や筋力維持を目的とした風船バレーなどを日替わりで実施している。これにより、日中の活動量を増やし、機能維持・向上につなげている。

フロアには談話室などがあり、居室以外にも落ち着けるスペースを確保している

利用者が落ち着いて生活できるよう、私物の持ち込みや趣味の継続を推奨している。最近ではスマートフォンの持ち込みが一般的となり、ラジオなどを持参して居室でマイペースに過ごすことも可能である。趣味の継続については、「編み物を続けたい」と希望する方には必要な物品を持ち込んでいただき、引き続き楽しめる環境を整えている。また、「計算問題を解くと落ち着く」という方には、テキストを持参してもらい、様子を見ながら対応している。施設内では、他の利用者に迷惑がかからない範囲で自由に移動でき、日中は談話室で過ごすことも可能である。

利用者の居室や共有スペースは、事故防止と衛生管理を徹底している

利用者の安全に配慮した環境整備として、居室内や廊下に手すりを設置している。居室のベッドには、移乗しやすいよう移動バーを設置するなど、身体機能に応じた事故防止策を講じている。また、感染症の蔓延防止のため、毎日の清掃を徹底している。利用者の居室だけでなく、食堂や談話室などの共有スペースも清掃し、手すりやドアノブなど、多くの人が触れる箇所にはアルコール消毒を実施している。施設の安全・衛生管理に細心の注意を払い、利用者が安心して生活できる環境を整えている。

9.施設と家族との交流・連携を図っている
  • 家族等との外出・外泊・面会時間は可能な限り希望に応じている
  • 家族が参加できる施設の行事を実施している
  • 利用者と家族がゆっくり話せるように配慮している
  • 利用者の日常の様子や施設の現況を定期的に家族に知らせている
【講評】
外出や一時帰宅など、利用者や家族の希望に応じ可能な範囲で柔軟に対応している

利用者や家族の希望に応じ、施設利用中でも行政手続きや病院受診、一時帰宅など、可能な範囲で対応している。各種手続きや通院では、本人確認や本人の直接訪問が必要となるため、施設に申請することで外出が認められている。コロナ以前は家族と外食に出かける利用者も多かったが、現在は感染予防の観点から中止としている。また、面会時間の確保にも力を入れている。コロナ以降、面会方法や時間に変更があったものの、できる限り自由に面会できるよう配慮し、面会体制の確保をおこなっている。






今年度よりコロナ禍以降、久しぶりに家族を招待し夏祭りを開催している

コロナ以前は、家族参加行事としてバスハイクや夏祭りを開催していたが、感染症予防の観点から一時的に中止していた。今年度、コロナが5類に移行したことを受け、久しぶりに家族参加の夏祭りを開催した。1階フロアを祭りスペースとし、利用者と家族が一緒に楽しめる時間を提供した。施設としても、コロナ以前の面会体制や行事の実施、外出・外泊の緩和を進めていきたいと考えている。今年度は、その第一歩を踏み出した年となり、今後は感染症対策を講じながら、家族と利用者が安心して行事に参加できる体制の再構築に取り組んでいる。

面会時や洗濯物交換時に、家族との情報共有をおこなっている

利用者の日常の様子を家族に伝える方法として、面会時や洗濯物の交換時、電話連絡などを活用している。家族が面会や洗濯物の交換に来た際には、担当職員や相談員が施設での生活状況を説明している。急な体調の変化があり、対応方法に変更が生じた場合には、電話連絡にて速やかに説明をおこなっている。また、介護報酬の改定や施設運営の変更がある際は、電話連絡や通知文の発送を通じて情報を提供している。家族の状況や特性に応じ、利用者に関する必要な情報を適切に伝達できる仕組みを整え、対応している。

10.地域との連携のもとに利用者の生活の幅を広げるための取り組みを行っている
  • 地域の情報を収集し、利用者の状況に応じて提供している
  • 利用者が職員以外の人と交流できる機会を確保している
  • 利用者が地域のさまざまな資源を利用する機会を設けている
【講評】
併設事業所と連携し、地域の情報を収集し利用者へ提供している

利用者の在宅復帰に向けて、地域との関わりや地域情報の収集は不可欠である。地域の情報は、市や事業者連絡会、ボランティアセンターとの連携、併設事業所などを通じて収集し、必要な情報を利用者へ提供している。同じ建物内には地域包括支援センターと居宅介護支援事業所があり、在宅生活に必要な情報提供をおこなっている。具体的には、感染症予防の冊子や利用可能な地域資源の情報を事業所内で共有し、利用者に提供している。また、関係行政とも連携し、利用者の状況に応じて地域の情報や資源の活用について適切に支援している。

実習生の受け入れや庭園の開放など、地域の方と交流を持てる機会を設けている

利用者が職員以外と交流できる機会として、ボランティアの活用や実習生の受け入れをおこなっている。感染症対策のため全面的な受け入れを制限しているが、夏祭りの手伝いや演目出演で交流の機会を設けている。また、職場体験や大学生の実習を受け入れ、利用者が職員以外と関わる機会を増やしている。さらに、施設の庭園を開放し、地域の方の散歩コースとして活用されている。利用者も庭園を散策することで、自然な形で地域の方と交流できる環境を整えている。

市の作品展に参加するなど、外出や地域資源の活用を再開している

利用者が地域資源を活用する機会として、月2回の移動図書館の来訪がある。移動図書館は地域住民も利用しており、楽しみの場であると同時に交流の機会にもなっている。また、市が開催する「高齢者作品展」には、利用者の作品を展示し、鑑賞にも参加している。さらに、訪問理美容や訪問歯科の活用、ボランティアセンターからのレクリエーション素材の提供など、地域と連携しながら必要な支援をおこなっている。今後は、コロナ以前に実施していた外出支援の再開などを検討し、地域との関わりをさらに深める支援を進めている。

【講評】
サービス開始前に個人情報の取り扱いについて説明をおこない、同意をいただいている

利用者の個人情報の取り扱いについては、入所説明時に「重要事項説明書」と「退所前後の関係機関への情報提供に関する同意書」を用いて説明をおこなっている。「重要事項説明書」では、居室前の氏名表示や行事写真の掲載など、施設内での個人情報の取り扱いに加え、行政や関係機関、研修事業などへの外部提供について同意を得ている。また、家族から事前に「退所前後の関係機関への情報提供に関する同意書」への同意を得ることで、在宅のケアマネジャーや介護施設、医療機関等とスムーズに連携できる仕組みとなっている。






利用者の羞恥心やプライバシーに配慮した支援をおこなうようマニュアルで周知している

利用者の羞恥心に配慮した支援として、排泄支援や入浴支援において異性介助を拒否する方には、可能な範囲で同性介助をおこなうよう努めている。また、誘導の際は他の利用者に聞こえないよう配慮している。羞恥心に配慮した入浴や排泄支援の方法については、介護マニュアルに掲載し、直接介護に関わる職員が統一した支援を実施できる仕組みを整えている。さらに、利用者個人宛の文書は開封せず、家族または本人に渡すことを原則とし、タンスやロッカーを開ける際も本人の了承を得た上で対応することとしている。

施設での身体拘束はおこなわず、自宅と同じ生活ができるよう支援している

利用者の尊厳や権利を守る取り組みとして、身体拘束の廃止や接遇面の向上に努めている。接遇面の向上に関しては、「利用者や家族には明るく優しく接する」など、三つの項目からなる「サービス目標」を掲げ、職員全体で取り組んでいる。身体拘束の防止や利用者の尊厳に関する意識向上のため、毎年全職員を対象に研修をおこない、施設の基本姿勢の周知を徹底している。また、利用者の生活習慣に配慮した支援として、食事の好みを確認し、嫌いな食品を禁食とするほか、着衣の選択を自由にするなど、可能な限り自宅と同じ生活が送れるよう支援している。

1.利用者のプライバシー保護を徹底している
  • 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
  • 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い、利用者のプライベートな空間への出入り等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
  • 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
  • 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
  • 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
利用者支援に必要な手順は「業務マニュアル」に記載し、職員へ周知している

介護職員が利用者支援の基本方法や業務手順を確認する手段として、「業務マニュアル(Ⅰ)」と「業務マニュアル(Ⅱ)」を整備している。業務マニュアルには、食事・排泄・入浴などの利用者支援に関わる一連の流れや注意点を明記している。体位交換や移動介助については、視覚的に理解しやすいようイラスト付きのマニュアルを用いて周知している。業務マニュアル(Ⅱ)では、部署ごとの業務内容とタイムテーブルを掲載し、看護職員や機能訓練員の1日の業務の流れを明記することで、他部署の業務を把握できる仕組みを整えている。

OJTの実施やマニュアルの配備により、業務の点検や振り返りが可能となっている

新規採用職員が入職した際、介護経験の有無にかかわらず、業務マニュアルに沿った支援を提供できるよう、各フロアに業務マニュアルを配備している。入職後は個人差があるものの、一定期間はOJTとして先輩職員が業務マニュアルを基に直接指導をおこない、わからない点や困った点がないか確認しながら支援している。利用者の身体状況や住環境によって支援方法の応用が求められることもあるが、まずは基本的な業務の流れや支援の基礎を理解することが第一歩であり、順序を追って指導をおこなっている。

各会議や委員会で話し合った内容を基に利用者支援の確認及び見直しをおこなっている

利用者の個別支援は、アセスメントやケアプランに沿っておこなっているが、体調の変化などにより日常生活動作に変化が見られた場合は、支援方法の見直しが必要となる。転倒など急な対応が求められる場合は、当日のミーティングで支援方法の変更について協議し、連絡帳などを活用して職員へ周知している。また、リハビリによって徐々に身体機能が向上した利用者に対しては、各種定例会議で支援方法を議題に挙げ、適切な対応を検討している。利用者の状態変化に迅速に対応し、適切なサービスを提供できる体制を整えている。

1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
  • 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  • 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  • 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている

事業者のコメント

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評価情報

【評価実施期間】

2024年7月1日~2025年3月21日

【評価者修了者No】

H0201035,H1401005,H1501022,H1601002,H1701003

評価結果のダウンロード

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