評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
・一人ひとりが心身の力を活かして暮らすことができる支援
・住民同士やスタッフとなじみ、豊かな人間関係づくり
・生きていることが「楽しい」と感じていただけるような生活づくり
・家族との情報交換や交流を通して共に創るホームをめざす
・地域社会との交流を大切にし、信頼されるホームをつくる
職員に求めている人材像や役割
利用者様が家庭的な環境の中でできることを行ないながら自立した生活が営めるように、細かい変化を見逃さず見守り、思いやりある支援をしていく。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
人命を預かる仕事のため、緊張感・責任感をもって行動する。
全体の評価講評
特によいと思う点
利用者一人ひとりの心身状況や気持ち、生活のペース、入所前の生活状況などに十分に配慮した上で、利用者個々への丁寧で温かみのある真摯な対応やコミュニケーションのある支援が実践されている。利用者個人の意思を尊重し、無理強いをせず利用者が自ら選択したり参加したくなるような誘い方や声かけの工夫をしている。和やかで親しみ深い雰囲気があり、かつ細やかな気遣いのある個別支援が職員一体となって行われており、利用者は職員に深い信頼感を持ちながら、落ち着いて穏やかに生活を送ることができている。
管理者であるホーム長を中心に、長年の経験を活かした丁寧で質の高い支援が継続されている。日々の申し送りやミーティング、随時の口頭連絡などで職員間の情報共有を密に行い、日々の的確な観察や健康管理、豊かなコミュニケーションに努めながら、利用者一人ひとりの心身状態や様子に応じた細やかな支援をチームワークよく提供している。非常勤職員も含めて実施している隔月の職員会議では、各職員より居室担当の利用者について詳細な情報提供や課題、気づきが述べられ、全員で検討し合う仕組みがある。
開設して約20年となる当事業所では、利用者・職員・家族・地域等との関わりを密に、その人らしく安心して地域で暮らせる住まい作りを目指している。「地域密着福祉施設」としての責務を果たすべく、入所判定時には困難ケースも含めたニーズ把握に積極的に努めており、関係機関と連携を図り、職員体制を強化しながら、柔軟に入所受け入れを行っていく体制が整備されている。また今年度は当事業所では初めてとなるターミナルケアを実施しており、各種医療機関や家族と密に連携を図りながら利用者・家族の望む生活につなげる個別支援を提供している。
さらなる改善が望まれる点
虚弱化や認知症、精神疾患等の様々な疾病を抱える利用者が年々増加傾向にあり、価値観の多様化や精神面のサポートを含め、身の回りの支援や介助が必要な利用者が増加している。限られた支援員体制で多岐にわたる介護業務をこなすべく、援助スキルの向上や利用者の心身状況の把握とニーズの的確な汲み取りに努め支援している。経験値の高い職員が多い中で、職員の世代交代への考慮もしつつ職員配置を図っていく意向であり、多様なニーズに対応しうる質の高い個別支援サービスを提供する職員体制が継承されていく体制整備の継続が今後も期待される。
新型コロナウイルス等感染症対策として、外食や地域の催しへの参加、地域の方やボランティアとの交流を休止している現状が続いている。感染対策を講じながら適宜近隣へ買い物に出かけたり、室内歩行の時間を設けるなど利用者の身体機能の維持に努めている。来年度から感染症対策を緩和することが決まっており、歩行訓練・軽体操などの継続のほかボランティアや地域との関わりなど身体機能と活動性の維持・向上に向けた取り組みを進めていく。
事業者が特に力を入れている取り組み
利用者の健康と安全を第一に、状況に応じた感染症対策を継続し、手洗い・消毒の徹底、換気や湿度・気温調整への配慮、感染予防研修の実施、マニュアルの整備等にも継続して取り組んでいる。また、食事時間をずらし少人数グループにしたり、利用者の状況や意向を確認しながら居室配膳での飲食を可能としている。排泄の支援については各居室にポータブルトイレを整備し、利用者の状況やタイミングを計り、誘導や声かけをしている。感染症対策に注力しつつ、心身状況や個々の生活リズムに合った安心な生活を送れるよう十分配慮して支援をしている。
よく食べることが健康の基本と考え、利用者が満足できる食事の提供に努めている。食事は冷凍で届く調理されたのものを解凍して、温めて提供している。業者選びを慎重に、職員が実際に数種類試食して決定した。温かいものは温かく、冷たいものは配膳前まで冷やしている。美味しく食べやすい状態で提供されるよう心がけ、利用者からも好評を得ている。
ホーム内での新型コロナウイルス感染症クラスター発生の経験を活かし、感染対策の工夫を図っている。食事は少人数で時間差にするほか居室配膳で対応し、食器も共用ではなく個人専用にしている。ホーム内での行事は食堂で実施しているが、行事に合わせたおやつは各自居室に持ち帰り食べてもらう。感染症対策に注力しつつ、心身状況や個々の生活リズムに合った生活を送れるよう配慮して支援している。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:在籍する利用者、家族を対象とした。
- 調査方法:アンケート方式,場面観察方式
利用者家族には事業所よりアンケート用紙を配付してもらい、回答後評価機関に直接郵送してもらった。 - 有効回答者数/利用者家族総数:4/9(回答率 44.4% )
利用者家族へのアンケート調査では、4世帯の方から有効回答を得ることができた。事業所に対する総合的な感想では、「大変満足」が3名、「満足」が1名で、全ての回答者が満足としている。自由意見としては、あまり多くのコメントは挙げられなかった。「十分満足」というコメントがあった。
利用者に対しては場面観察方式による調査のほか、利用者本人への聞き取り調査も実施し、7名の方からお話をうかがうことができた。。事業所に対する総合的な感想では、「大変満足」が3名、「満足」が3名、「どちらともいえない」が1名、「不満」と「大変不満」がゼロであった。
アンケート結果
1.家族への情報提供はあるか
具体的なコメントはなかった。
2.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
具体的なコメントはなかった。
3.職員の接遇・態度は適切か
具体的なコメントはなかった。
4.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
具体的なコメントはなかった。
5.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
具体的なコメントはなかった。
6.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
具体的なコメントはなかった。
7.利用者のプライバシーは守られているか
具体的なコメントはなかった。
8.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか
具体的なコメントはなかった。
9.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
具体的なコメントはなかった。
10.利用者の不満や要望は対応されているか
具体的なコメントはなかった。
11.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
具体的なコメントはなかった。
調査時に観察したさまざまな場面の中で、調査の視点に基づいて評価機関が選定した場面
認知症の症状があるAさんは、話をしているうちにおしゃべりが止まらなくなり、楽しくおしゃべりしていたかと思えば怒り口調になったりと気持ちに変化が見られた。職員はだんだんとネガティブな感情になっていくAさんに対して、話が上手にできることをほめたり、日常生活の中で頑張っていることやできること等を取り上げてAさんに伝えていた。
選定した場面から評価機関が読み取った利用者の気持ちの変化
職員は利用者の特性を把握しており、Aさんの気持ちを受け止めながら、その時の心情に合わせてコミュニケーションを取り方を工夫していると感じた。Aさんは日頃の頑張りをほめられて嬉しそうにしており、自然な形で気持ちを切り替えることができ穏やかな表情に戻っていった。
サービス分析結果
【講評】
パンフレットには所内の様子や入居の条件、利用料金、申し込み方法等を載せている
事業所のパンフレットを作成して情報の提供を行っている。事業所の運営目標・外観や食堂の写真・入居の条件・自己負担額・申込み方法・周辺案内図・連絡先などを掲載している。パンフレットではわかりやすい表現や内容での情報提供を心がけており、事業所内共有スペースに掲示しているほか、見学者に配布している。事業所を運営する法人のホームページがあり、そこから当事業所の情報も確認することができる。
連絡会や運営推進会議等を開催し、地域の関係機関との密な情報共有に努めている
都や市の連絡会に参加して情報交換および連携を密に図っており、空き情報など含め必要な情報を適宜役所や地域包括センター等に提供している。市内のグループホーム間においても連絡会や随時の電話連絡等により情報交換を行っている。また、利用者・家族、職員、民生委員など地元の福祉関係者で構成されている運営推進会議を定期的に開催しており、その都度、事業状況を説明している。事業所の活動状況の報告や家族からの質疑応答などを通じて事業所の情報を提供している。
できるだけ見学の希望に応えられるよう、安全な環境や職員体制を整備している
見学や相談は予約をしてもらった上で対応している。予約なしで見学に来た場合も、その都度管理者であるホーム長を中心に対応している。パンフレットを用いて説明し、案内をしている。入居の条件については詳細に説明を行い、見学者などの理解を得られるよう留意している。職員配置も工夫し、見学希望者の状況に応じて十分な案内ができるよう努めている。また、市内の方以外からの相談などにも、個別の内容によって柔軟に対応している。今年度も感染症対策を継続して講じながら、安全な環境を整えて見学受け入れを行うよう取り組んでいる。
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
入所に際しては事業所の利用について十分に理解を得られるように説明をしている
管理者や理事、医師などで構成する入所判定委員会にて入所の可否を判断している。入所前には事前に面談を行い、利用者・家族の意向や支援に必要な個別事情を「入所時の記録」に記載する。サービスの開始にあたっては、利用者本人・家族に対して契約書・契約書別紙・重要事項説明書を用いて事業所の特徴、基本的なルール、利用者の自己負担額、実費相当額を請求する場合などに関しての説明をしている。利用者・家族が説明事項を十分に理解し、同意をした上で署名と捺印を得ている。
入所後の様子を集中的に観察し、生活の場面ごとの細やかな支援を個々に提供している
利用開始直後の利用者の不安を軽減させることを重点的に行い、身体状況を含めて生活リズムや性格、趣向などの把握に努めている。集中的に利用者を観察し、適切な声かけやコミュニケーションを心がけて不安やストレスの軽減に努めている。利用者ごとのケース記録に詳細を記録し、職員間で情報共有して共通認識の下で対応にあたっている。利用者同士の性格や人間関係も考慮して過ごし方への配慮に努め、生活の場面ごとに新規利用者に合った支援の工夫を行い、利用者自身のペースを大事にしながらホームでの暮らしに慣れてもらうように努めている。
退所時には関係機関等と連携を図りながら支援の継続性に配慮した支援を行っている
退所時の支援に関しては契約書において「退所時の援助」を行うことを明記しており、退所後の環境などに十分に配慮して円滑に退所ができるように支援している。心身の状態の低下によりホームでの生活が困難になった場合には、主治医の意見などを参考にしながら家族と密に連絡を取り合うようにしている。地域包括支援センターなどの関係機関との連携の下で、状況により必要な支援を提供している。今年度退所対応となった中には当事業所では初めてとなるターミナルケアを実施したケースがあり、医療機関や家族と密に連携を図りながら支援を行った。
1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
- サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
利用者の心身状況や特性、意向、要望を細かく把握し、計画に的確に反映させている
アセスメントでは利用者特性を踏まえ、気分変調時の様子の変化や感情の推移なども考慮して課題を抽出しており、計画には利用者本人・家族の意向、支援方針、介護上の課題、支援目標を明記している。アセスメント後に介護サービス計画書を作成し、一年ごとの見直しを原則とする。医療機関への入退院や状況に変化があった際には都度計画を変更している。計画書は居室担当と介護支援専門員が連携して立案し、決定している。個々の生活全般のニーズに対しての支援内容はわかりやすい表現を用いて具体的に示し、現場での実践が図りやすいよう努めている。
チェック表やケース記録は支援の実施状況や利用者の様子を効率よく記録、把握している
介護サービス計画に基づいた支援の実施状況については「介護サービス計画実施記録」に記して把握している。体温や血圧、排泄、食事、入浴の状況、シーツ替え・爪切り・理容など利用者の日常生活上の支援の状況は、「生活記録表」に記録している。わずかでも変化があった場合には評価欄に必ず記録するようにしている。利用者一人ひとりの日々の様子は日勤・夜勤の職員によって利用者ごとの「ケース記録」に記載して、把握している。記録については効率よく、かつ書き漏らしがないよう書式には十分に工夫をしている。
申し送りやミーティング、職員会議等において支援に必要な情報を職員間で共有している
日々の申し送りやミーティング、また毎月の職員会議や随時の口頭連絡などを通して、利用者に関する情報の共有や生活ルールの再確認を行っている。申し送りノートを活用して個々の利用者の心身状況の変化や対応方法の留意点、職員間の伝達事項等の情報周知を図っている。介護日誌や夜勤日誌においても、その日にあった出来事や特記事項を記入している。職員は毎日業務を開始する前に必ず申し送りノートなどを確認することとして、読んだ際に各職員がサインをすることで情報の伝達漏れがないように努めている。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の介護計画を作成している
- 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.認知症対応型共同生活介護計画に基づいて自立生活が営めるよう支援を行っている
- 個別の認知症対応型共同生活介護計画に基づいて支援を行っている
- 利用者一人ひとりがその人らしく生活できるよう支援を行っている
- 関係職員が連携をとって、支援を行っている
【講評】
利用者の思いや生活習慣、生活歴等を踏まえた日常生活を支援している
利用者の思いや生活習慣等に配慮し、介護サービス計画書に基づいた支援を提供している。日々の支援の中で得られる職員の意見も盛り込み計画を作成している。支援の実施状況は「介護サービス計画実施記録」に記録している。個別のケース記録には、利用者とのやり取りの内容を時系列に記載している。利用者の行動や気持ちの推移などもまとめて、職員が共通の認識を持って支援にあたり、利用者の入居以前の生活歴や生活環境などを把握し継続性を持って支援をしている。
個々の趣味や興味のあることを引き出し、その人らしい生活ができるようにしている
利用者個々の心身状況や生活環境に合わせたコミュニケーションを工夫している。普段慣れ親しんでいる言葉での声かけや小さなサインを見逃さず、そこから思いを汲み取り、意思疎通を図ることができるようにしている。声かけや会話は利用者のペースに合わせて話をするように心がけ、安心して穏やかに過ごせるよう配慮している。利用者個々の特技や趣味、興味のあることを引き出し、生活意欲につながる支援を行うとともに、プログラムにとらわれない家庭的な雰囲気で過ごせるようにしている。
利用者支援に必要な情報は申し送りノートや日誌等を活用し、職員間で共有している
支援に必要な情報は、申し送りノートや日誌等を活用し職員間で共有して支援にあたっている。介護日誌・夜勤日誌には、その日にあった出来事や特記事項を記しており、職員は仕事に入る前にこれらの記録類を確認している。また、申し送りノートを作成して、日々の支援の中で得られる情報や状況の変化等を記している。職員同士の情報共有と共通認識の下で適切な対応ができるよう工夫している。情報の伝達漏れを防ぐために、申し送りノートを読んだ職員は必ずサインをしている。
2.利用者の状態に応じて、日常生活に必要なさまざまな作業等を利用者が主体的に行うことができるよう支援を行っている
- 食事に関する一連の作業等利用者の生活場面では、利用者の主体性と能力を活かして支援を行っている
- 利用者一人ひとりに応じた生活への参加ができるよう工夫をしている
- 利用者の心身の状況に応じて、生活するうえで必要な支援(食事や入浴、排泄等)を行っている
- 各種手続きや買い物等日常生活に必要な事柄について、利用者本人による実施が困難な場合に代行している
【講評】
利用者の能力を引き出せるよう、食事準備等の声かけや一緒に作業する環境を作っている
食後の食器洗浄、テーブルを拭くなど利用者それぞれができる範囲で参加できるようにしている。利用者の心身機能の低下などや感染症対策の状況により利用者が担う役割は変化しているが、一人ひとりの状態に応じて声かけや一緒に作業を行いながら必要な部分を手伝うなど、意欲的に参加できるよう環境を整えている。
一人ひとりの心身状況や特性に応じて、身の回りのことが自分で行えるよう支援している
利用者の細やかな状態・状況把握により、日常生活の中での利用者個々の残存能力に着目し、状況に応じた生活支援を行っている。「入所時の記録」、「生活記録」などに利用者の状況を記載し、離床、洗面、着替えなどの整容全般に関することや洗濯、居室清掃など様々な場面を通じて、本人の主体性や意欲を存分に引き出せるよう状況に応じて必要な支援を行っている。洗濯物たたみや衣類・居室の整理など、個々の状態や特性に応じて職員が一緒に行ったり声かけや見守りをするなど個々に合わせた支援をしている。
意思決定の難しい利用者の買い物や各種手続き等は、家族との相談の上で代行している
日常生活に必要な買い物は利用者が直接選ぶことができるよう、外出の機会に購入している。意思決定の難しい利用者の買い物や各種手続きに関しては、家族に相談しながら、必要に応じてホームで代行している。利用者の意思を尊重した入浴に努め、入浴を拒む方や身体状況の低下が見られる方には心身および身体の負担も考慮して、清拭等に代替している。少なくとも週2回は入浴できるよう無理なく支援している。
3.利用者の健康を維持するための支援を行っている
- 利用者の心身の状況に応じた健康管理を行っている
- 日常生活の中で、利用者一人ひとりの状態に応じて身体を動かす取り組みを工夫している
- 服薬管理は誤りがないようチェック体制の強化などしくみを整えている
- 利用者の体調変化時(発作等の急変を含む)に、医療機関等と速やかに連絡できる体制を整えている
【講評】
血圧や体温、排泄、食事、皮膚トラブルの有無など、利用者の健康状態等を把握している
「生活記録表」に日々の血圧、脈拍、体温、排泄、食事の状況などを記録して利用者の健康を管理している。水分摂取状況や食事量、睡眠、入浴時の皮膚トラブルの有無の確認等、心身状況を把握し個別に記録している。週に1回は歯科医の往診体制がある。温度・湿度管理や換気等の室内環境や感染症予防の衛生面にも注力して取り組んでいる。
日常生活の中に軽運動等の身体を動かす機会を設け、身体機能の維持に努めている
生活リハビリとして軽体操や散歩、運動的レクリエーションを日常的に取り入れている。施設内でスクワット・爪先立ち・室内歩行などの軽運動を実施している。日常生活の中で身体を動かすことを継続できるよう、食堂やトイレの後のタイミングで軽運動の場面を設定したり、個々の状態に応じた声かけなどを行い、運動機会の確保や身体機能の維持につなげている。
服薬は誤りのないよう見守り、体調変化時には医療機関と連携している
服薬は誤りのないよう与薬時に必ず職員が手渡し口に含むところまで見守りしている。服薬管理についてはマニュアルを整備して薬の仕分けや服薬介助など、それぞれ別の職員が確認してチェックを行う体制を整え誤薬の防止に努めている。利用者の健康状態などに変化が見られた時には、速やかに連携する医師に報告、相談しており、臨時や緊急時の通院には職員が付き添い対応をしている。また、外部にかかりつけ医がある場合の通院についても、個々の事情に考慮して付き添い対応をしている。
4.共同生活が楽しく快適になるよう工夫している
- 利用者がお互いに関わり合いながら楽しく生活することができるよう支援を行っている
- 事業所での生活は、他の利用者への迷惑や健康面に影響を及ぼさない範囲で、利用者の意思が尊重されている
- 居室や食堂などの共用スペースは、利用者の安全性や快適性に配慮したものとなっている
【講評】
季節行事や活動は利用者の状況に合わせた内容で行い、関わりや交流を楽しんでいる
年間行事として花見、七夕、クリスマス等の季節行事や外食、初詣などの外出行事、誕生日会などの活動を利用者の状況に合わせて行っている。季節行事は飾り付けなどは利用者とともに行い、互いに関わり交流を持ちながら穏やかに過ごせるようにしている。また利用者同士やボランティアの方と楽しく過ごす「歌の音楽会」や「談話会」の活動もあり、生活の活性化につなげるようにしている。現在は感染症対策を継続しており、ボランティアの受け入れや外出を伴う行事については控えている。
個々の好きなことや習慣を尊重した支援に努め、その人らしく過ごせるよう支援している
利用者一人ひとりの入所前の生活に配慮しながら自立支援に取り組んでいる。好きなことや習慣などは、できる限り継続できるよう支援している。利用者の自発的な行動や自由な生活の過ごし方を尊重し、その人らしさを大切にした支援をしている。職員は間に入りすぎず、適切な距離を保ち見守る対応を行い、利用者同士が互いに補ったり、関わり合いながら安心して過ごせるよう配慮している。個々の状態に応じた声かけをして意向を引き出すように心がけ、主体的な生活が送れるよう支援している。
リビングやダイニングは利用者同士が誘い合い、寛げるよう環境を整えている
住宅街の中に位置し、静かで落ち着ける生活環境にある。2階のダイニングや3階のリビングは日当たりがよく、利用者同士が誘い合いリビングでゆっくりとお話をしながら過ごせるよう環境作りに努めている。温度や湿度管理、換気による室内環境を整え快適に過ごせるよう配慮している。利用者個々のペースにあった生活を基本とし、事業所内での歩行訓練や自主トレーニングなどを行う方、自室内でのテレビや音楽鑑賞、読書や編み物などを楽しむ方など個々の日課や余暇をゆっくりと過ごす時間も大切にしている。
5.事業所と家族等との交流・連携を図っている
- 家族や利用者の意向を考慮して、家族等が参加できる事業所の行事を実施している
- 利用者の日常の様子を定期的に家族に知らせている
- 家族等が事業所等に対し、意見や要望を表せる機会を設け、それらを活かした支援を行っている
- 重度化した場合や終末期に備え、あらかじめ本人や家族等と話し合い、事業所でできることを説明しながら、方針を共有している
【講評】
利用者・家族・職員をつなげる敬老会等の行事を実施している
利用者・職員・家族・ホームに集う人々とのきずな、地域の方々とのきずなを大切にし、安心して暮らせる家を目指している。例年は、利用者・家族・職員の交流を図れるように、ホテルで開催する敬老会など家族が利用者とともに参加できる行事を開催している。家族参加は多くはないが、ホームと家族との十分な協力体制をとり、参加しやすい行事を開催したいと考えている。
利用者の様子を家族に伝える場合は、口頭や「生活状況報告」を用いて丁寧に伝えている
家族が来所した際は、利用者の様子を記録した「生活状況報告」を渡すとともに口頭でも伝えている。家族に対して利用者の状況を説明する際に誤解が生じないように、利用者とのやりとりの内容や利用者の行動や気持ちの推移なども記録に残しておき、詳細を丁寧に伝えるようにしている。家族との面会や外出・外泊は基本的に自由としているが、現在は感染症対策を継続しており、面会は場所や時間を設定して実施している。感染症対策をとりながら、家族との交流を図り利用者の心身の安定に努めている。
日々の面会・計画作成時・運営推進会議等において、家族の意見や要望を確認している
日々の面会・運営推進会議・計画作成時等の機会を通して、家族の意向や要望、意見などを確認している。運営推進会議は2ヶ月に一度開催し、事業所の活動状況の報告や家族からの質疑応答を行っている。介護サービス計画の作成時には、家族の意向などを確認し計画に反映している。近年は、家族の高齢化や遠方に住んでいる場合、またキーパーソンが甥や姪などの親族であること等の理由から、運営推進会議への参加や家族の通院付添いが難しい方も多い。職員が通院付添いした際など家族との連絡および連携を図り、情報共有しながら支援にあたっている。
6.利用者が地域で暮らし続けるため、地域と連携して支援を行っている
- 地域の情報等を収集し、利用者の状況に応じて提供している
- 利用者が地域のさまざまな資源を利用するための支援を行っている
- 利用者が地域とつながりながら暮らし続けられるよう、事業所が利用者と共に地域の一員として日常的に交流している
- 運営推進会議で話し合われた意見を活かして支援を行っている
- 区市町村や地域包括支援センターと日頃から連絡を取り、協力関係を築きながら支援を行っている
【講評】
買い物や散歩を通して地域の社会資源を活用し地域の一員としての生活を継続している
利用者が地域とつながりを保ちながら、安定した生活ができるように地域交流や地域資源の活用を大切にしているが、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、現在はボランティアとの交流や外部開催の催しへの利用者全体での参加は見合わせている現状がある。皆で行く外食は感染症対策のため休止しているが、利用者の意向や個別状況等に応じて、散歩や近隣への買い物などマンツーマンでの外出機会を設けている。感染症対策に留意しながら、一人ひとりの状況に応じた地域での生活が続けられるようにしている。
地域との良好な関係を築き、利用者が住み慣れた場所で心地よく過ごせるようにしている
利用者の生活の幅を広げ、住み慣れた地域での安定した生活を送れるように、近隣など地域の方との良好な関係作りや地域資源の活用をしている。毎年、七夕の際に近隣の方から提供された笹で七夕飾りを作っている。また、例年は幼稚園のバザーに参加したり、クリスマス会に園児が来所するなどの交流も積極的に行っている。外食行事や近隣の公園、地域の会館で行われる催しに出向くなど地域資源の活用をしている。現在は感染症対策継続のため、外部との対面して行う交流・参加は控えている。
運営推進会議では情報収集や意見交換を行い、利用者支援に活かしている
2ヶ月に一度開催される運営推進会議は利用者や職員のほか、圏域(エリア)担当の地域包括支援センター職員や地域の代表並びに家族や後見人によって構成している。地域の情報を収集しているほか、利用者や家族からの意向や意見を聞いている。隣接するNPO法人事業との連携を図り、地域ぐるみで支えあえる体制を構築するための活動を支援している。また、隣接するNPO法人が行う喫茶、歌、体操の教室などに参加することもできるほか、ボランティアを活用して地域の一員として生活できるようにしている。
【講評】
居室の出入りの際の声かけの実践など、プライバシーに配慮した支援の徹底に努めている
利用者や家族に関する情報の取り扱いには十分に配慮している。契約書に利用者・家族の秘密の保持や利用目的を定めて入所契約時に説明をしている。他機関との情報のやり取りの必要が生じた際には、家族と連絡を密にして対応をしている。利用者のプライバシーに配慮して、個人宛の文書は原則として利用者本人に直接渡すようにしている。また、居室などプライベートな空間への出入りの際には、ノックや声かけをすることを徹底している。
利用者一人ひとりの習慣や好み、気持ち、ペース等に合わせた支援をしている
日常の支援に際しては、利用者一人ひとりの気持ちや生活歴、生活のペースを十分に大切にするように心がけており、細やかな個別支援が実践されている。入浴や調理、外出などにおいても利用者個人の意思を尊重し、無理強いをせず利用者が自ら参加したくなるような誘い方や声かけの工夫をしている。居室への持込み品に関しても自由であり、好きなものや馴染みのもの等で落ち着ける環境整備に努めている。利用者ごとの生活の流れは「基本情報シート」において個別に把握し、長年の習慣や好み等に配慮した支援に努めている。
利用者の安心感や信頼感につながるよう職員の言動や行動に配慮している
利用者の意思の尊重を重視し、利用者のプライバシーや羞恥心に配慮した支援に努めている。入浴や排泄の支援等で同性の職員による介助を希望する方には適宜対応している。職員の言動や行動で利用者の気持ちを傷つけたり、不適切な介護が行われないよう十分に配慮し、個人的な話や排泄についての話題などは他の利用者に聞こえないようにするなど、管理者を中心に職員全体で取り組んでいる。訪問時にはどの職員も丁寧かつ親身に気遣いある細やかな利用者対応にあたっており、利用者が安心感や信頼感を持っている様子がうかがえた。
1.利用者のプライバシー保護を徹底している
- 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い、利用者のプライベートな空間への出入り等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
- 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
- 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
基本事項・手順等は各種業務マニュアルや各職員が個別マニュアルを整備し確認している
提供しているサービスの基本事項として、食事介助、排泄介助、入浴介助、誤嚥や誤薬時の対応、緊急時の対応、苦情処理、ボランティア・実習生の受け入れなどの項目について、各種の業務マニュアルを整備している。日常支援の変更点などは、申し送りノートに記載して都度確認することで職員間で情報の共有を図っている。また、個々の利用者の支援内容や具体的な方法をまとめた個別のマニュアルを職員一人ひとりがそれぞれ作成しており、自身で記述することで気づきや常に確認する習慣をつけるようにしている。
職員会議において、基本事項や手順の確認および改善に向けた話し合いを行っている
非常勤職員も含めて実施している2ヶ月に1回の職員会議では、各職員より居室担当の利用者について詳細な情報提供や課題、気づきが述べられ、全員で検討し合う仕組みがある。職員からの意見や提案、2ヶ月に1回の運営推進会議(現在は書面での開催)などで出される家族からの要望なども参考に、提供しているサービスの基本手順や生活のルールについて検討を行っている。手順やルールが変更となる際には、職員会議や申し送りノートを活用して職員に周知している。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
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事業者のコメント
グループホームきずなは平成17年に開設し20年目を迎えている。利用者、職員、家族、きずなに集う人々とのきずな、そして地域の方々とのきずなを大切にし、認知症の方でも安心して暮らせる家を目指している。
今回の評価を踏まえ、より良い施設を目指し創意工夫していきたい。