
評価機関としての調査結果
調査時に観察したさまざまな場面の中で、調査の視点に基づいて評価機関が選定した場面
午後のデイルームで、感覚グループの活動を観察した。積み上げたマットの上にお湯を張った「たらい」を置き、傍らにホーリーフ(芳樟)オイルを入れた水を、デフューザーで噴霧している。利用者は、車イスやベッドからカーペットに降りたり、クッションチェアに移ったり、車イスやベッドの上のままなど、自然の状態である。職員が、一人ひとりの利用者に各種のアロマオイルを嗅いでもらったり、足湯に浸かってもらったりして、嗅覚や温かさを感じ取って、利用者が「良い気分」を感じる場面を見た。
選定した場面から評価機関が読み取った利用者の気持ちの変化
職員は、温かい湯を入れた「たらい」を用意し、利用者の足の高さに合わせて、下に敷くマットの厚みを調整した。Aさんは、初めは足湯を楽しみにしているように見えなかった。数人の職員がAさんを「たらい」の前に連れて行き、Aさんの裾をまくり「足を入れてみて」と誘った。Aさんは「たらい」に足を浸したまま、職員が会話しているのを聞いていたが、しばらくするとAさんの顔が輝いた。職員が「気持ちいい?」と尋ねると、うなずいた。この活動の様子を撮るため、職員が「はい、チーズ!」と言うと、Aさんはうれしそうな顔をカメラに向けた。湯から足を上げると、職員が「足が良い色をしている」と言った。足湯に浸かっている間、「いい湯だな」の音楽が、バックグラウンドミュージックとして流れていた。Aさんは、身体が温まったことと、アロマの爽快感のある香りとが相まって、気持ちが良くなったようで、足湯とアロマの体験をして良かったというような表情を浮かべた。
「評価機関としての調査結果」に対する事業者のコメント
通所は在宅で生活されている方の日中活動の場であることを重視しています。そこで、感覚や音楽、ゲームをテーマにした活動グループを設定し、ご利用者やご家族の意向をお聞きしどれかのグループに所属し活動していただいています。その中で日々活動を実感していただき、楽しみや充実感を得て、通うことを期待していただけるよう支援しています。そのための工夫をご覧いただけたのではと考えます。また、ごく普通のご利用者と職員のやり取りですが、ご利用者の表情やしぐさから読み取れた気持ちを言葉にして返すやり取りは共感に繋がり、大切なやり取りだと考えます。
1.事業所に通うことが、利用者の身体の機能や健康の維持・促進の役に立っているか |
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2.事業所での活動は、利用者が興味や関心を持てるものになっているか |
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3.事業所に通うことで、利用者の情緒が安定しているか |
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4.事業所での人との関わりは、利用者に良い影響を与えているか |
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5.利用者の様子や支援内容(体調変化時の対応含む)について、事業所と情報共有できているか |
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6.家族に対する精神的なサポート(介護に関する悩み相談や、家族間交流の機会の提供等)は役に立っているか |
はい 57%
どちらともいえない 29%
いいえ 7%
無回答・非該当 7%
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7.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか |
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8.職員の接遇・態度は適切か |
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9.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか |
はい 57%
どちらともいえない 29%
いいえ 7%
無回答・非該当 7%
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10.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか |
はい 36%
どちらともいえない 14%
いいえ 7%
無回答・非該当 43%
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11.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか |
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12.利用者のプライバシーは守られているか |
はい 71%
どちらともいえない 21%
無回答・非該当 7%
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13.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか |
はい 71%
どちらともいえない 21%
無回答・非該当 7%
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14.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか |
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15.利用者の不満や要望は対応されているか |
はい 64%
どちらともいえない 29%
無回答・非該当 7%
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16.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか |
はい 50%
どちらともいえない 21%
いいえ 7%
無回答・非該当 21%
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