評価結果

標準の評価

基本情報

【法人名称】

社会福祉法人田無の会

【事業所名称】

たんぽぽ

【サービス種別】

障害者支援施設

生活介護
施設入所支援

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

1) 利用者が安心して豊かな生活ができる施設
2) 職員が高い専門性をめざし意欲を持って働ける職場環境
3) 家族や関係者に信頼される法人・施設運営
4) 経営基盤の確立と安定的な運営
5) 地域連携と地域社会への還元

職員に求めている人材像や役割

 ・障害者への理解及び障害者福祉への熱意がある
 ・利用者、家族の目線に立って物事を考え行動ができる
 ・確固たる利用者の権利擁護の視点を持ち、支援の質の向上に取り組む使命感を持つ
 ・自覚、責任感、向上心が強い
 ・職員間のコミュニケーションを大切にし、お互いに尊重し合う関係づくりに努力する

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

・ 障害のある人たちを支援する仕事の重要性、社会的な意味を自覚できること
・ 自らの仕事を通して自分自身を高め、自らの業務に対する向上心を持つこと
・利用者の生活を支える第一線としての自覚を持ち、他業種との連携に注力すること
・説明できる支援を心がけ、自らの行いを常に振り返り修正していくこと
・物事に対し粘り強く取り組む根気を持ち、楽な方に流されない強い意志を持つこと

全体の評価講評

特によいと思う点

今年度の重点的課題の利用者支援において、一人ひとりの意向を基に、状況や変化に合わせ、より楽しく充実感が感じられる生活を目指し、日中活動や余暇活動、行事等を企画し、提供する旨を掲げている。20代から80代と年齢に幅がある背景も考慮し、多様な素材を使用した季節感のある創作活動、アルミ缶潰し等のリサイクル活動、リハビリテーション要素を盛り込んだ活動等の他、工場見学やドライブ、感謝祭やクリスマス会の行事等、個々の希望や嗜好等を基にさまざまな内容を計画して実現を図り、日々の生活の中で利用者の楽しみを創出している。

人材育成や組織力向上等を目指して、昨年度から相互評価による人事評価制度を導入したことで、職員が自らの業務や支援姿勢を見つめ直す機会となったり、評価結果を賞与や昇給、昇格等と連動させることで職員のモチベーション向上等につながっている。また、キャリアパス表では具体的な昇格基準や求められる能力について明確にされており、職員が自身の将来を展望して、自己研鑽に努めたり、評価項目を通して施設から求められている具体的な事項を理解し、適切な行動を目指すことで、支援の質の向上等につながるように努めている。

業者に委託する施設が増えている中、施設は調理職員を配置して、栄養士とともに年齢幅や、高齢化に伴う嚥下状況や疾病に配慮し、食事形態を段階的にする等、個々の健康状態を踏まえたメニューを考案する等、バラエティ豊かな食事の提供に努めている。また、季節行事にちなんだ特別な食事、毎月の誕生会・セレクト食等の定番となっているものに加えて、国内や外国等、さまざまな郷土料理も導入する等、目で見ても楽しめたり、初めて味わうメニューも導入することにより、食を通して、世界観を広げたり、生活の豊かさにもつながるよう工夫している。

さらなる改善が望まれる点

年度を超えて取り組むべき事柄について、例えばグループホームの開設等、これまで長期計画に基づき進捗管理しながら運営してきている。ただし、この長期計画は2023年度までのものであり、それ以降、将来的なビジョンを前提に、具体的な中・長期計画は立案されておらず、現在、経営会議で中期計画の策定の必要性等を検討している。法人・施設が有する建物・設備の改修についてや事業の方向性、さらには人材の育成・定着等、年度を越えて整備すべき領域を明確にし、新たな中・長期計画の立案に取り組んでいくことが期待される。

常勤の職員規模が30数名と、比較的小規模な職員体制のもと、日頃から職員間で話し合ったり、人事評価制度の導入、各種マニュアルの作成と共有等を通して、利用者支援の質の維持向上を目指している。一方で、職員が判断に迷った際に先輩職員等から指示を得る場面で、相談した職員によって指示が異なる等の状況がうかがえる。今後は、業務内容の拠り所となる各種マニュアルについて、体系化して職員が確認しやすく整えたり、現状との相違が生じないように定期的に見直す時期等を明確にする等で、業務の標準化を促進していくことが望まれる。

地域社会の支援ニーズに基づき、施設の機能を一層役立てていく等の観点から、今後、生活介護のみの新規利用者の受け入れを促進したいと考えている。一方で、利用希望者へサービス内容を説明する際に使用しているパンフレットや利用の手引きについて、生活介護のみの利用者向けのものは未作成となっている。今後、実際にどのような形で日中活動や生活支援を進めるか等、施設側の支援体制等も確立したうえで、それぞれ作成し、生活介護のみの利用希望者へ情報提供し、利用ニーズに対応していくことが期待される。

事業者が特に力を入れている取り組み

利用者への職員の関わり方が人権に配慮したものとなるように、権利擁護・虐待防止委員会(身体拘束等適正化検討委員会)を定例開催することに加えて、全職員を対象とした研修実施や新規職員への虐待防止関連のマニュアルの徹底等により、権利擁護への意識向上に努めている。また、不適切な支援の疑いがある場合には、通告して状況を説明したり、委員会に第三者委員が出席する機会を計画的に用意する等で、施設内で情報が埋もれないように努めている。さらに、虐待防止チェックリストによる振り返り等、さまざまな取り組みにより、適正化を図っている。

経営課題の一つとして、施設が必要とする人材の確保と定着があり、一部、人材派遣会社に頼らざるを得ない現状を打破するため、ホームページ上に掲載している採用情報のコーナーの充実に力を入れて取り組んでいる。経営幹部職員のみで進めるのではなく、各職員が積極的に参画し、例えば、対話形式で施設の仕事の魅力を伝えるようにする等、施設全体として新規職員の採用に向けた取り組みを進めており、求職者がホームページの情報を通じて施設について興味・関心を抱き、入職につながることを目指している。

利用者支援において、家族との信頼関係を築くことは重要であるとの認識から、家族連絡会を開催して、施設の運営や支援に関する方針、計画等を説明する場を設けるとともに、家族からの疑問や質問等ついて回答する等、理解と協力を求めている。また、帰宅、家族外出、家族面談等の機会を創出し、利用者が家族と過ごす時間も作ることにより、双方の思いを大切にしている。さらに、会えない時の本人の様子がわかるよう活動やイベント・行事の時の利用者の表情を写真に撮るとともに、職員がその時の状況等についてコメントも添えて伝えるよう努めている。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:利用者全員(事業所と協議の上、入院中の利用者を除く)
  • 調査方法:聞き取り方式  
    個別聞き取り調査
  • 有効回答者数/利用者総数:42/49(回答率 85.7% ) サービス毎の利用者総数
      利用者総数 共通評価項目による
    調査対象者数
    共通評価項目による
    調査の有効回答者数
    利用者総数に対する
    回答者割合
    生活介護 49人 47人 42人 85.7%
    施設入所支援 49人 47人 42人 85.7%

利用者総数49名中、42名から回答を得ることができた。満足度が高かった項目としては、「事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか」「病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか」「利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか」などがあげられる。総合的な満足度では、17名が「大変満足」11名が「満足」の回答であった。いろいろ行事があるのが好き、これからもここで過ごします、体操とダンスをたくさんできることが良いです、生活できることが大好き、満足してます、ファミコンができる、コンビニでコーヒー買うことが楽しい、などがあがっている。意見や要望としては、グループホームに行きたい、動物公園に行きたい、などがあった。。

アンケート結果

4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。

1.利用者は困ったときに支援を受けているか

はい 22名 (52%)
どちらともいえない 2名 (5%)
無回答・非該当 18名 (43%)

22名が利用者は困ったときに支援を受けていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。仕事は楽しいです、入浴を手伝ってくれる、具合が悪い時には助けてくれる、などがあがっている。

2.事業所の設備は安心して使えるか

はい 22名 (52%)
どちらともいえない 1名 (2%)
いいえ 1名 (2%)
無回答・非該当 18名 (43%)

22名が事業所の設備は安心して使えると回答している。部屋は自分で掃除する、風呂は月水金土で好きです、階段が危ないです、お風呂場で転んだ、トイレちょっと汚い、などがあがっている。

3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか

はい 21名 (50%)
どちらともいえない 3名 (7%)
無回答・非該当 18名 (43%)

21名が利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいと回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。仲良しの人と電車の話をする、みんなとダンスをする、創作活動を一緒にしている、公園清掃や缶つぶしをやる、歌が好き、雑誌を見る、助けてくれる、などがあがっている。

4.【生活介護】
事業所での活動は楽しいか

はい 29名 (69%)
どちらともいえない 3名 (7%)
いいえ 1名 (2%)
無回答・非該当 9名 (21%)

29名が事業所での活動は楽しいと回答している。みんなとお話したり塗り絵も好き、クリスマスの飾りなど作っている、歌って踊るのが好きです、クリスマスに洋服と人形をもらいました、散歩とドライブや買い物、公園清掃に行きます、あまりアクティブではない、などがあがっている。

5.【自立訓練(機能訓練)】 
事業所での活動が生活する力の向上に役立っているか

    利用者調査の有効回答者数が3未満でしたので、プライバシーの保護により、回答内訳は表示されません。

6.【自立訓練(生活訓練)】
事業所での活動が生活する力の向上に役立っているか

    利用者調査の有効回答者数が3未満でしたので、プライバシーの保護により、回答内訳は表示されません。

7.【就労移行支援】
事業所での活動が就労に向けた知識の習得や能力の向上に役立っているか

    利用者調査の有効回答者数が3未満でしたので、プライバシーの保護により、回答内訳は表示されません。

8.【就労移行支援】
職場見学・職場実習等の、事業所外での体験は充実しているか

    利用者調査の有効回答者数が3未満でしたので、プライバシーの保護により、回答内訳は表示されません。

9.【就労移行支援】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか

    利用者調査の有効回答者数が3未満でしたので、プライバシーの保護により、回答内訳は表示されません。

10.【就労継続支援A型】
事業所での活動が働くうえでの知識の習得や能力の向上に役立っているか

    利用者調査の有効回答者数が3未満でしたので、プライバシーの保護により、回答内訳は表示されません。

11.【就労継続支援A型】
給料(工賃)等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか

    利用者調査の有効回答者数が3未満でしたので、プライバシーの保護により、回答内訳は表示されません。

12.【就労継続支援B型】
事業所での活動が働くうえでの知識の習得や能力の向上に役立っているか

    利用者調査の有効回答者数が3未満でしたので、プライバシーの保護により、回答内訳は表示されません。

13.【就労継続支援B型】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか

    利用者調査の有効回答者数が3未満でしたので、プライバシーの保護により、回答内訳は表示されません。

14.【施設入所支援】
食事の時間は楽しみになっているか

はい 33名 (79%)
どちらともいえない 3名 (7%)
無回答・非該当 6名 (14%)

33名が食事の時間は楽しみになっていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。お誕生日に家族とレストランに行った、肉が好き、楽しみで全部食べる、カレーが好き、ラーメンが好き、苦手な物の時も頑張って食べる、ごはんとみそ汁とスパゲティが好き、焼肉定食、などがあがっている。

15.【施設入所支援】
休日や夜間に、好きなことができるか

はい 28名 (67%)
無回答・非該当 14名 (33%)

28名が休日や夜間に、好きなことができると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。散歩に行きます、テレビを見ている、みんなで遊んでいます、ゆっくりしている、毎日日記を書く、などがあがっている。

16.【施設入所支援】
利用者の個別の要望や状況に応じた支援を受けているか

はい 14名 (33%)
どちらともいえない 3名 (7%)
無回答・非該当 25名 (60%)

14名が利用者の個別の要望や状況に応じた支援を受けていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。理解してくれている、優しい、職員が厳しい、などがあがっている。

17.【施設入所支援】
職員が利用者の家族等に連絡をする場合、方法や内容等についてあらかじめ利用者の希望が聞かれているか

はい 18名 (43%)
いいえ 3名 (7%)
無回答・非該当 21名 (50%)

18名が職員が利用者の家族等に連絡をする場合、方法や内容等についてあらかじめ利用者の希望が聞かれていると回答している。伝える、帰りたいって言う、などがあがっている。

18.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか

はい 27名 (64%)
どちらともいえない 2名 (5%)
無回答・非該当 13名 (31%)

27名が事業所内の清掃、整理整頓は行き届いていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。職員がやってくれる、自分で掃除します、自分と職員で掃除してます、トイレ汚いけど食堂はきれい、トイレとお風呂キレイ、などがあがっている。

19.職員の接遇・態度は適切か

はい 22名 (52%)
どちらともいえない 4名 (10%)
無回答・非該当 16名 (38%)

22名が職員の接遇・態度は適切と回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。見てくれている、優しい時もある、などがあがっている。

20.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか

はい 26名 (62%)
どちらともいえない 1名 (2%)
無回答・非該当 15名 (36%)

26名が病気やけがをした際の職員の対応は信頼できると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。歯科にも一緒に行ってくれます、仲良く行ってます、病院に連れて行ってくれた、熱の時対応してくれた、ケガしたことがない、などがあがっている。

21.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか

はい 23名 (55%)
どちらともいえない 2名 (5%)
無回答・非該当 17名 (40%)

23名が利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。ケンカはしない、ケンカした時止めてくれた、他の人がケンカしてる時に止めていた、自分で対処する、などがあがっている。

22.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか

はい 21名 (50%)
どちらともいえない 1名 (2%)
無回答・非該当 20名 (48%)

21名が利用者の気持ちを尊重した対応がされていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。優しいです、との回答があった。

23.利用者のプライバシーは守られているか

はい 19名 (45%)
どちらともいえない 1名 (2%)
無回答・非該当 22名 (52%)

19名が利用者のプライバシーは守られていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。特にコメントはあがっていない。

24.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか

はい 7名 (17%)
どちらともいえない 1名 (2%)
無回答・非該当 34名 (81%)

7名が個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。ぬり絵をがんばる、見たことある、他の利用者の面倒をみる、見たことない、などがあがっている。

25.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか

はい 2名 (5%)
どちらともいえない 1名 (2%)
無回答・非該当 39名 (93%)

2名がサービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいと回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。特にコメントはあがっていない。

26.利用者の不満や要望は対応されているか

はい 20名 (48%)
どちらともいえない 2名 (5%)
無回答・非該当 20名 (48%)

20名が利用者の不満や要望は対応されていると回答している。「いいえ」の回答はみられなかった。訴えれば対応してくれます、私が我慢をしてしまいます、などがあがっている。

27.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか

はい 7名 (17%)
どちらともいえない 2名 (5%)
いいえ 1名 (2%)
無回答・非該当 32名 (76%)

7名が外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられていると回答している。知っているが話をしたことはない、との回答があった。

組織マネジメント分析結果

◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合はで、実施できていない場合はで表しています。

【講評】
法人や施設の方針を事業計画書等に明示し、職員や家族等に向けて広く周知している

事業計画書の冒頭に、法人の基本理念とビジョン、法人運営キーワード、法人運営方針を示した後に、施設の基本方針と今年度の重点的課題、さらには各部門の重点項目等を明示し、年度初めに職員会議で説明し、理解を促している。また、職員会議の対象外である非常勤職員についても事業所の方針等の理解が深まるように、プレゼンテーションソフト等を活用して10数分の動画を作成し、視聴する取り組みを行う等、工夫している。さらに、家族会の場で事業計画書を配布、説明するしくみが定着している他、ホームページ上に掲載して広く情報を提供している。

経営会議の定例開催や人事評価制度の導入等、組織力向上の取り組みを推進している

数年前に現在の理事長体制となって以降、経営会議の定例開催や人事評価制度の導入、職員との定期面談の実施等、人材の育成と定着に向けた具体的な取り組みを進めている。また、毎月、各職員へ給与明細を渡す際に理事長のメッセージを配布することで、法人の方向性等を直接伝え、職員の理解が深まっている。理事長とのコミュニケーション以外にも、小規模の施設のため施設長をはじめ経営幹部と一般職員との距離が近く、適宜、個別の相談等に応じている一方、もっと現場の状況を把握して欲しいとの意見も寄せられているため、取り組まれたい。

経営会議での決定事項を朝の引き継ぎで伝えたり、職員会議で検討結果等を報告している

運営をめぐる重要な案件については、月2回開催している経営会議で協議・決定しており、職員全体への周知は、各セクションの職員が集まり実施している毎朝の引き継ぎの際に直接伝えている。また、毎月の職員会議では、各セクションや各委員会、行事及び係担当から、検討された事柄等を報告することを定例議題に、その他の決定事項も説明する形で進め、会議録を回覧し周知している。ローテーション職場で職員会議に全職員が出席できないため、重要度が高い案件については、全職員へ文書を配布したり、各フロアの職員室に掲示する等により伝えている。

1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
  • 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  • 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  • 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
多様な関係機関・関係団体とのつながりの中で施設運営に関連する情報を把握している

施設を取り巻く環境を把握するために、利用者の意向については嗜好調査や各フロアで開催する利用者自治会の場で外出先や行事等に関する聞き取りを行い、結果の反映に努めている。また、理事長や施設長、理事、評議員等が業界団体の役員をはじめ、多様な関係機関・関係団体等とのネットワークを構築している中で、施設運営の参考になるタイムリーな情報を入手し活用したり、地域の自立支援協議会や社会福祉法人連絡会等に参加して、情報を共有している。さらに、運営状況の分析を経営会議や理事会で進めつつ、適宜、課題を抽出している。

将来的なビジョンを明確にするために、新たな中期計画の立案の実現が期待される

中・長期計画については、2023年度までを対象にした長期計画の中で、グループホームの開設が予定されていたところ、今年度になって開設が実現している。それ以降、中・長期計画の立案がされないなかでの運営が進められている。現在、経営会議が中心となり、次期の中期計画の立案等に向けた考え方や課題の整理などを進めている段階となっている。今後、法人及び施設の運営についての将来的なビジョンを検討したうえで、中期計画を作成するとともに、職員や利用者、家族、その他の関係者に向けて広く周知していくことが期待される。

事業計画書を年度末に総括する一方、自己申告等のしくみが業務改善につながっている

単年度の事業計画を作成した後、年度末に総括を行って事業報告書をとりまとめるしくみが定着している。一方、半期等、年度途中に時期を定めて事業計画の進捗管理を行うことについては、小規模の法人・施設であり、運営や利用者支援の状況を把握しやすいため導入せず、月2回の経営会議や理事会で検討し、計画の修正を行う方が有効との考えに基づき進めている。実際に業務の振り返りの機会として効果が出ているのは自己申告書や人事評価制度であり、各職員が自ら業務を振り返り、改善に向けて行動することが計画達成の原動力となることを目指している。

1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  • 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  • 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  • 事業所の経営状況を把握・検討している
  • 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
  • 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  • 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  • 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  • 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
利用者の権利擁護に関する職員の理解促進や、虐待防止に向けた取り組みを行っている

利用者の尊厳を尊重した支援となるために、各種規程や権利擁護に関連する研修を開催する等により、各職員の共通認識が高まるように取り組んでいる。また、権利擁護・虐待防止委員会(身体拘束等適正化検討委員会)を定例開催し、事例の検討等を行っている他、虐待防止チェックリストに基づく振り返りや、人事評価のフィードバックの際に個別に助言・指導等を行っている。さらに、虐待の疑いが生じた場合には、通告して判断を得る取り組みも定着しており、情報が内部で埋もれることがないように努めている。

苦情解決に関するしくみを確立し、委員会に第三者委員が出席する機会等を用意している

苦情解決の一連のしくみが整備されており、重要事項説明書の中で施設内の利用相談、苦情対応窓口や第三者委員、運営適正化委員会の相談窓口等を明示して説明している。第三者委員が利用者や家族からの相談に応じるため、定期的に施設を訪問する機会は用意されていない一方で、虐待防止委員会のうち、第三者委員が出席して検討する機会を計画的に用意することで、助言等が得られるようにしている。また、日頃、本人や家族から寄せられた要望等に対応したり、家族会や家族会役員と情報交換する場面もある中で、意向把握と反映に努めている。

今年度、地域福祉講演会を企画・実施する等、地域に役立つ取り組みを進めている

施設の専門性を地域社会に役立てる取り組みとして、今年度、地域福祉講演会を企画し、「いのちの尊厳を考えるー優生政策の過去と現在、そして明日」をテーマに実施しており、来年度以降も関心の高いテーマなどを取り上げて継続していくことを予定している。また、法人が開設されて以降、都下の業界をはじめ市内法人ネットワーク・近隣法人との協力体制、市の社会福祉協議会や民生委員、地域のボランティア団体等とのつながりが深まる中で、フードドライブや相談事業、地域の福祉祭りへの参加等、具体的な地域貢献・交流活動を展開している。

1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
  • 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  • 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
  • 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  • 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
  • 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  • 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
  • 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  • ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
  • 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  • 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  • 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
ヒヤリハット報告書の共有や事故検証による再発防止等、一連のしくみを整えている

利用者の安全確保の取り組みのうち、日頃の支援場面で職員が気づいた危険箇所をヒヤリハット報告書として提出し、各フロアの職員室に掲示する等により職員間で情報を共有する取り組みが定着している。また、発生した事故についても所定の事故報告書の項目に沿い、事故発生前の状況と事故の経過、事故後の対応及び利用者の状況をとりまとめ、各部署で回覧している。その後、発生したフロアによる事故検証を行い、具体的な再発防止等を明確にすることで、着実に安全性の向上につながるように努めている。

BCPを作成し定期的に見直している一方、職員の理解を深める取り組みが期待される

BCP(事業継続計画)については、自然災害編と感染症編の2種類のものを策定している。それぞれのBCPについて、12月に改訂を行う等により、実態に即した計画となるように取り組んでいる。また、職員が参集する計画では、宿舎借上制度と連動する形で、制度を利用している職員を対象とする等、工夫している。なお、今回の職員自己評価結果からは、BCPの内容について職員の理解が十分進んでいない状況がうかがえる。今後、改めて内容を確認したり、BCPに基づく訓練を実施して自らの役割等を再認識する取り組みが期待される。

個人情報保護に関する誓約書の義務付け等、外部への情報漏えい対策を講じている

施設内の情報のうち、利用者等の個人情報保護については、職員や実習生等、利用者と深くかかわる者に誓約書の提出を義務付けたり、オリエンテーションの際にも説明して注意を喚起している。また、利用者の個人ファイルの保管は、各フロアの職員室で鍵のかかる書庫で管理し、外部へ持ち出されることがないようにしている。さらに、データ入力された情報の管理のうち、支援ソフトを使用する際には、各自パスワードを設定し、職層等で閲覧の制限をしている。なお、パソコンを起動する際のパスワードが設定されていないため、設定していくことが望まれる。

1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
  • 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  • 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  • 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  • リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  • 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  • 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  • 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  • 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  • 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
キャリアパスや賞与等への反映も連動した人事評価制度を導入し、定着に努めている

昨年度から、相互評価を取り入れた人事評価制度を導入しており、福祉力と対話交流力、業務基礎力、実践力の4つの柱となる項目それぞれについて、具体的な行動項目を盛り込み評価する形で進めている。また、キャリアパス表も作成し、一般職員と副主任、主任、サービス管理責任者、副施設長、施設長へとステップアップするために必要とされる昇任・昇格条件、求められる能力を図示し、職員へ周知している。さらに、人事評価結果を賞与や昇給と連動したものを導入したことにより、職員の業務習得や能力向上への士気を高めること等を目指している。

内外研修の受講や介護支援技術の習得等、必要となる領域について学びを深めている

外部研修への派遣に加えて内部相互研修やオンラインによる研修、さらには利用者の高齢化に伴い必要な介護支援技術向上を目指した研修、介護関連の有資格者の職員が集まり検討する等、多様な学びの機会がある。また、自己申告書では、資格取得などのキャリア形成に関する事柄についても自由記述式で直接伝える機会もあり、適宜、希望を把握しつつ学びの機会の創出等を検討している。なお、各職員の状況を把握しやすい職員規模のため、個別研修計画書を作成し育成するスタイルではなく、直接、研修ニーズに基づき育成することを重視し進めている。

新規職員の確保に向けて、年度内にホームページのリニューアルを予定している

働きやすい職場環境について、職員間の良好な人間関係や年次有給休暇が取得しやすいこと等に満足している状況がみられる。また、衛生委員会の定例開催や産業医との面談等により、職員に蓄積されるストレス軽減に向た取り組みが行われている。一方、職員の確保が経営課題となっており、人材派遣会社に頼らざるを得ない状況が続いており、打開するために新規職員採用に向けた取り組みの充実を目指している。今年度中に職員の参画を得てホームページの採用情報の内容充実に取り組み年度内の情報更新を予定しているため、効果があがることが期待される。

1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
  • 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  • 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
  • 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  • 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  • 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  • 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
  • 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  • 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  • 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  • 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
  • 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  • 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  • 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

新たにグループホームを開設する計画に基づいて、事業申請や補助金獲得、建設の一連の取り組みに着手し、開設を目指した。
実際に事業申請と建設等を進めることができ、開設してオープンするのは来年度以降となった。
そこで今年度は、竣工と職員募集、利用者募集等を計画的に進め、事業を開始することを目指して取り組んでいる。


【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

これまで法人の建物内で障害者支援施設と短期入所の運営を中心に展開してきた一方、新たに近隣の土地でグループホームの事業を開始することを長期計画に盛り込み、昨年度はその実現を目指して事業の申請や建設手続等、オープンに向けた準備を進めている。今年度から正式に事業を開始することとし、竣工や職員募集等で利用者の受け入れ体制を整えることを目標に掲げて取り組んでいる。なお、これまで施設で生活を送ってきた利用者をグループホームへ移行することも予定し、本人や家族の同意を得る取り組み等を進めている。

2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

年金など、職員の預り金について不明な点が明らかになったことを受け、調査内容や手順を整備し、最終的に解決することを目標に掲げた。
実際に事務局内での体制の確認と補充を行った他、専門家(監事等)にも相談しながら状況把握に努めた。
結果として、不明であった内容のうち原因や特定された内容について理事会で状況を説明したり、人員増強の必要性を提案した。また、差異があった金額を職員へ返金した。
そこで今年度は、不明金が生じない体制構築を目標とし、新たに人材と担当での調査を行うとともに、対応期間を設定して取り組んでいる。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

決算の際に、職員の預り金の不明が発見されたことを受けて、適正な対応を進めることを目標に掲げて取り組んでいる。近年の過誤についてはすぐに判明し、迅速に対応することとした一方、長年にわたる過誤については過去の資料を掘り起こして探索を進め、監事等の専門家にも相談しながら、解決に向けた取り組みを計画に進めている。昨年度までに職員への返金等を行うとともに、今年度も引き続き、預り金不明の解決を目標に掲げ、新たに人材と担当での調査を行うとともに、対応期間を設定して適切に取り扱うことを目指して取り組んでいる。

サービス分析結果

6. サービス分析のプロセス
【講評】
定員が空きが生じた際に新規利用者を対象にパンフレット等を用いて情報提供している

利用者の平均入所期間が約18年と長い状況の中で、定員に空きが生じた場合に新規利用者を受け入れている。現在、緊急度の高い場合での新規受け入れが多いため、利用者本人や家族から直接、利用希望の問い合わせがある形ではなく、関係している相談支援事業所の担当職員を経由して入所可能かどうかを施設から伝えて進め、適宜、パンフレットを渡したり、ホームページ上に掲載されている情報を照会する等で、理解が進むようにしている。パンフレットには施設の特色や生活日課、余暇活動、年間行事等を簡潔に示す等、わかりやすい表現でまとめている。

短期入所を利用して入所する流れを基本に、本人と家族の理解が進むよう取り組んでいる

新規利用者の対象範囲は、施設のある西東京市以外にも武蔵野市や世田谷区等、複数の自治体に広がっており、2000年に開設されて以降のつながりの中で、それぞれのエリアの担当部署や窓口の職員へ適宜、情報提供している。実際に利用となる前に、短期入所を利用する流れが定着しており、その際に利用者本人と家族それぞれに施設のサービス内容等について説明したり、本人が施設での生活を直接経験する中で十分な理解が得られるように努めている。また、本人向けと家族向けの「入所の手引き」を用意し、それぞれ詳細を説明している。

生活介護のみの利用ニーズに応じるため、新たなパンフレット等の作成が期待される

潜在的な利用ニーズのうち、生活介護のみの利用を希望するニーズが一定数存在することを受けて、施設としては今後、生活介護のみの新規利用者の受け入れに向けて具体的な準備や検討を進めていきたいと考えている。既存のパンフレットや入所の手引きについては、障害者支援施設と短期入所を網羅した形であるため、新たに生活介護のみのパンフレットや利用の手引き等を作成し、適宜、情報提供することが必要となってくるため、今後、職員の受け入れ体制や日中活動の進め方等を具体化し、パンフレットやホームページ等へ掲載していくことが期待される。

1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
  • 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  • 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  • 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  • 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
施設入所の決定前に、短期入所を利用して環境面や関係性のマッチングを確認している

新規入所は本人はもとより、入居者にとっても環境変化による影響が生じるため、短期入所を利用を勧めて施設生活に慣れる時間を設けて双方のストレスの軽減に努めている。利用期間は、本人の状況に応じて段階的に設定しており、生活リズムや環境に順応できるかを把握し、利用者と職員等においてマッチングを確認し、施設での生活が継続できるかを、本人や家族に聞き取り、施設内でも会議で検討し、決定している。事前に得た調査票からの情報や短期入所期間の生活状況で本人のへの理解を深めるとともに、必要な環境や体制づくりを図っている。

本人の不安やストレスを感じやすいポイントを把握し軽減につながる支援を心がけている

入所にあたっては、利用者・家族それぞれに向けて作成した「入所の手引」をはじめ、契約書・重要事項説明書等の説明を本人・家族の同席のもとで行い、それぞれの理解を深めている。特に、利用料金については、実費となる部分は相違がないよう確認し合い、書面上への署名捺印を得ている。入所初日からの利用者の生活及び心身の状況に関して詳細に記録を取っており、不安やストレスを感じやすいポイントを把握し、必要に応じて家族等にも家庭での状況を聴き取り、職員間で共有して一貫した対応により安心感につながるよう支援にあたっている。

医療機関への移行等による退所にあたっては、訪問等により関係性の維持に努めている

昨年度、今年度と利用者の疾病により施設生活の継続が難しくなって退所に至る状況が続いている。本人が施設での生活を望んでいる場合は、できる限り長く生活を継続できるよう、嘱託医や協力病院との連携をすすめ、職員体制、設備整備等の充実を図りながら対応している。入院にあたりカンファレンスを開いて受け入れ病院や施設、家族等と情報を共有し、支援が途切れることのないよう入院中も担当職員や管理者が、育成の観点から経験の浅い職員も同行して見舞う等の経験を積む機会にもしつつ、利用者との関係性の維持に努めている。

1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
  • サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
  • サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
  • サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
  • サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  • 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
  • サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
  • サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
個別支援計画作成の手順と書式の整備等、プロセスを確立し、意向の実現につなげている

事前に入手した調査票や本人・家族との面談から、基本的な生活習慣等の個別情報や既往歴・生活に関する要望等を把握している。また、個別支援計画の作成にあたっては、利用者・家族の意向欄及び総合的な支援方針を明記した書式から、生活介護・施設入所支援それぞれの中間見直し、総括に至る書式を整備するとともに、作成の手順を決めており、それに則って進めている他、入院やさまざまな事情により変更する場合の手順も整備している。面談の際には、生活や活動に関して、やりたいこと等を聞き取り、その実現に向けて検討し、計画内容へ反映している。

計画作成・振り返り等の際に重要な記録の書き方の研修を位置づけることが望まれる

個別支援計画作成プロセスの中の書式に「支援実施書」があり、食事・入浴・排泄・コミュニケーション・医療・看護等の項目に方法と留意点を示し、具体的な支援につなげている。利用者の日々の生活や心身状況は、記録システムに記載しており、半期での見直しの際、成果や変化の有無等も加筆して、継続・変更の判断を行っている。一方で、記録の記載内容に職員個人の力量の差異が生じており、それが計画内容の違いにも影響するという状況を施設は課題と捉えているため、記録の書き方等の研修を計画的に位置づけて育成を図っていくことが望まれる。

データ上の記録類や申し送りの時間を設けて、職員間で情報を共有し支援に活かしている

個別支援計画をはじめ日誌・記録類、新人職員向けに利用者の支援に関する情報をまとめた「個別対応情報シート」等は、データ上やファイル等でいつでも閲覧可能となっており、確認してから業務にあたるしくみを設けている。また、1日2回申し送りの時間を設けており、各フロアやセクションの状況を共有している他、各フロアにおいては引き継ぎノート等を活用して、業務や利用者の支援に関する情報を共有する環境を整えている。さらに、ケース会議等においても、利用者の心身状況や支援の進捗等を職員相互に確認し、支援に活かせるよう努めている。

1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
  • 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
  • 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  • アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している
  • 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
  • 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
  • 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
  • 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  • 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
  • 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
  • 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援計画等に基づいて、利用者の望む自立した生活を送れるよう支援を行っている
  • 個別の支援計画に基づいて支援を行っている
  • 利用者一人ひとりに合わせて、コミュニケーションのとり方を工夫している
  • 自立した生活を送るために、利用者一人ひとりが必要とする情報を、提供している
  • 周囲の人との関係づくりについての支援を行っている
【講評】
職員の多角的な視点から気づきを得る等、利用者支援の形骸化の防止に努めている

個別支援計画に基づいた支援が展開されたかについては、計画内容を意識した日々の記録を辿って振り返りを行い、モニタリングの際に本人・家族に支援に関する満足度等を聞き取っており、それにより目標・支援の継続、あるいは変更等を確認している。また、日常の利用者とのやり取りの中で、好きなことや嫌いなこと等、一人ひとりの新たなニーズを明らかにするよう、情報を共有している。さらに、新人職員をはじめ、さまざまな職員から見た利用者像を伝え合う等して、多角的な視点から気づきを得る等、支援の形骸化が進まないよう留意している。

個々の特性を踏まえたコミュニケーション方法を採用して意向の把握・周知を図っている

利用者の特性により、言語によるコミュニケーションが可能であっても理解の程度が異なるため、平易な言葉を使用する等して、わかりやすさに留意している。また、非言語的コミュニケーションとして、ジェスチャーや写真、絵の提示、サイン等があり、例えば、生活の流れ、活動スケジュール等は写真やイラストを使って時系列で示して伝達する等、本人の理解が進む方法を採用して意向・要望等の把握、周知に努めている。集団生活が苦手な場合は、可能な限り個別対応を心がけている他、良好な人間関係の構築に向けて支援にあたっている。

グループホームの新設に伴い、地域生活への移行を進めたいと考えている

今年度、新たにグループホームを開設して一体的に運営することで、利用者の生活スタイルの選択肢を増やす旨を、事業計画に示している。また、報酬改定に伴い、利用者には改めて地域移行に関する意向を確認する他、新設のグループホームの活用して、小規模で家庭的な環境下での地域生活を体験する機会を設けたが、希望には至らなかった。なお、体験の取り組みは開始したばかりのため、今後、短期入所利用者に関しても、情報提供を行うとともに、体験の機会を設けることも視野に入れている。

2.利用者が主体性を持って、充実した時間を過ごせる場になるような取り組みを行っている
  • 利用者一人ひとりの意向をもとに、その人らしさが発揮できる場を用意している
  • 事業所内のきまりごとについては、利用者等の意向を反映させて作成・見直しをしている
  • 室内は、採光、換気、清潔性等に配慮して、過ごしやすい環境となるようにしている
  • 【食事の提供を行っている事業所のみ】
    利用者の希望を反映し、食事時間が楽しいひとときになるよう工夫している
【講評】
利用者の意向を第一に考え、本人が望む生活が送れる支援の提供を心がけている

法人の理念「ともに笑顔 ともに安心 ともに信頼」の実現を図ることを念頭に、利用者の意向を第一に考え、本人らしい生活が送れる支援を心がけている。日常生活のさまざまな場面において、利用者が自己選択・自己決定の機会を多く持ち、主体的な生活につなげるために、個々の潜在能力を引き出すことにも留意している。また、日中活動の中で屋上菜園で収穫した野菜を厨房に届けたり、食事やくつろぎの時間にお茶を用意したり、不足している場所にトイレットペーパーを届ける等、役割を持つことで、誰かの役に立っているという自己有用感も高めている。

利用者から意見を聞き取り、環境整備にも取り組み生活のしやすさを追求している

施設はフロアで男女を分けており、それぞれに利用者自治会を位置づけて、利用者が自由に発言できる機会を設けており、行事やイベントの際の食事内容や行き先等の意見を聞き取り、集約して企画につなげる等、実現を図っている。また、入所のご案内に示す、互いに協力し合い、生活しやすい環境を作ること、利用者間で仲良くする等の約束ごとは適宜確認している。居室に自然光が行き届く設計にしている他、経年劣化してきた部分は空気清浄機・脱臭機等で補ったり、高齢化に伴う低床ベッドの入れ替え、リフォーム等により環境整備にも努めている。

多国籍の料理等を取り入れる等、バラエティ豊かな食事で利用者の楽しみにつなげている

施設では、給食会議の際に、利用者からの意向・要望、検食簿の意見等を踏まえて職員間で検討し、献立へ反映している。また、毎月のセレクト食、季節ごとのイベント食等について年間計画に載せて計画的に提供している他、誕生会も毎月実施している。管理栄養士が新たなメニュー、例えば多国籍の料理等の提供を始める等、バラエティ豊富なメニューづくりを進めており、利用者が食事の時間を楽しみに思えるよう努めている。なお、現状嗜好調査はできていないため、実施してさらに利用者の現状を踏まえた食事の提供が期待される。

3.利用者が健康を維持できるよう支援を行っている
  • 利用者の健康状態に注意するとともに、利用者の相談に応じている
  • 健康状態についての情報を、必要に応じて家族や医療機関等から得ている
  • 通院、服薬、バランスの良い食事の摂取等についての助言や支援を行っている
  • 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
  • 【利用者の薬を預ることのある事業所のみ】
    服薬の誤りがないようチェック体制を整えている
【講評】
看護師とフロアの職員、家族が利用者の健康状態について共有し、支援にあたっている

看護師を5名配置し、個々の利用者の健康状態と起こり得るリスクについて情報を共有し、医食住について個別性のある援助を行う旨等を重点項目に示している。各フロアの職員とも利用者の異常の早期発見と急変・救急時の対応について方針を確認する他、看護記録を通して利用者の健康状態についての情報を提供するとともに、職員間の共有も図っている。また、利用者の健康状態に関しては、家族にもリアルタイムに伝達するよう努めており、医療機関による検査や診察の結果等を説明し、対応について相談しつつ支援にあたっている。

栄養管理・NST委員会を中心に、利用者個々に応じた適切な食事提供に努めている

施設では内科・精神科の往診の他、皮膚科・歯科の訪問診療があり、医療体制が整備されている。また、利用者の高齢化に伴い、健康状態の変化、特に摂食・嚥下機能の低下に直面し、看護師や栄養士・調理職員等で構成する栄養管理・NST(他職種連携)委員会を中心に、利用者に対する適切な食事の提供について検討しており、ソフト食の導入、水分のとろみつけ等の具体的な取り組みで、誤嚥性肺炎の予防に努めている。一方、立位や姿勢等について作業療法士や理学療法士等の専門的な視点の必要性も認識しており、活用に向けた検討が期待される。

利用者の高齢化が進む中、通院同行等も増えており、職員の育成が急務となっている

服薬に関しては、朝・昼・夕・就寝で色別に薬を分けてセットしており、配薬と与薬の各担当がチェック表に押印する等の手順の取り決めがあり、服薬介助の研修も行って誤薬防止に努めている他、1週間分を緊急非常用としてリュックに入れて保管している。一方で、高齢化も進んでいるため、疾病の重度化等により、医療ケアを含む終末期対応が増えており、体制上看取りは難しいが、可能な限り対応しているため、看護師や経験のある職員が通院同行する機会が増えて現場に支障をきたしている部分については課題であり、職員の育成が急務となっている。

4.利用者の意向を尊重しつつ、個別状況に応じて家族等と協力して利用者の支援を行っている
  • 家族等との協力については、利用者本人の意向を尊重した対応をしている
  • 必要に応じて、利用者の日常の様子や施設の現況等を、家族等に知らせている
  • 必要に応じて家族等から利用者・家族についての情報を得て、利用者への支援に活かしている
【講評】
利用者と家族との関係性等を把握し、施設の関わりについて検討し対応している

家族とは、入所にあたっての見学をはじめ、開始時の契約の際に顔を合わせており、面談の際には利用者の支援に必要な本人に関する情報、家庭状況、家族の本人への思い等を聞き取っており、個別支援計画に反映している。また、利用者からも家族への思いやこれまでの関係性等について確認しており、本人と家族との関係が良好とはいえない状況において、施設としてどのように対応していくかについては、本人に聞き取るとともに、本人の不利益にならないような関わりをしていくことへの職員間の共通認識を図っている。

日中活動の写真や担当からのコメント等により施設での生活の様子を伝えている

コロナ禍ではオンラインによる面会等も行って、可能な限り交流できる機会を設けてきた。それ以降も、年間を通して感染症の流行があり、帰宅、家族との面談や外出等の機会が減っているが、家族連絡会を開催して、利用者の様子を伝えたり、面談の際に家族からの相談に対応している。また、現状は、施設内の様子が伝わるよう、毎月の行事・イベント等の利用者の様子を写真撮影して印刷したものと、担当からのコメントを家族に渡しており、それに関して家族等から好評を得ている。

本人の身体機能等においてより良い支援が受けられるサービス等を検討している

家族の高齢化に伴い、親からきょうだい等へ成年後見人を移行する状況もあるが、きょうだい等との関わりが実質的に減ってきており、利用者の意思決定支援の強化の必要性が高まっている。また、身体の機能低下によって施設の環境下における生活の継続へのリスクが高くなっている場合には、介護保険の各サービスの利用も視野に入れて、本人や家族、行政担当者等とも連絡を取り合い、関係者会議等も開いて、本人に取ってより良い支援が受けられる環境について検討している。

5.利用者が地域社会の一員として生活するための支援を行っている
  • 利用者が地域の情報を得られるよう支援を行っている
  • 利用者が地域の資源を利用し、多様な社会参加ができるよう支援を行っている
【講評】
利用者の希望を意踏まえて企画し、社会のつながりをもつ機会を見い出している

利用者が安心して豊かな生活が送れるように支援することを重要視しており、施設内の生活にとどまらず、できるだけ外出の機会を持ち、社会のつながりを持てる機会を見い出している。通年で感染症のリスクが低迷したとは言えないが、状況を見ながら、利用者の希望をもとに計画を立てている。生活介護の活動の中で、図書館の利用、バス等の公共交通機関の利用、地域の商店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、DVDのレンタル等の利用等の機会を持つようにしている。そこで関わる地域の人とコミュニケーションを図り、地域とつながっている。

社会の資源を活用して利用者が非日常を楽しめるような環境の整備に努めている

地域で開催されるイベント・運動会・展覧会等のポスター等を入手すると、リビング等に掲示して利用者へ周知し、本人の意向に応じて参加につなげている。今年度は、1日外出で水族館へ行って、近くのホテルのレストランで食事をしたり、鉄道博物館に行ったり、ドライブに出かけながら途中で買い物をする等、外出の機会を設けている。また、理美容室が備えられており、地域の理美容室に依頼して散髪したり、実習生を受け入れて利用者が外部の人と交流する環境の整備に努めているが、ボランティアは現状受け入れていないため、今後検討が望まれる。

6.【生活介護】日常生活上の支援や生活する力の維持・向上のための支援を行っている
  • 一人ひとりの目的に応じた創作的活動、生産活動やその他の活動の支援を行っている
  • 自分でできることは自分で行えるよう働きかけている
  • 食事、入浴、排泄等の支援は、利用者の状況やペースに合わせて行っている
  • 【工賃を支払っている事業所のみ】
    工賃等のしくみについて、利用者に公表し、わかりやすく説明している
【講評】
年齢の幅や感染症の状況等から、利用者の個別ニーズに即した活動へとシフトしている

生活介護事業においては、季節感のある飾りの制作や書道、園芸での作物の植え付けから収穫、公園清掃の受託、缶潰し等のリサイクル作業、季節を感じられる活動等があり、心身の安定やリラックスにつながる内容を企画・実施している。散歩やクラブ活動、カラオケ等のレクリエーション活動等を用意しており、本人が希望し選択する機会を設けている。また、利用者の年齢は20代から80代と幅があり、身体機能をはじめ生育歴等による嗜好の違い等が顕著となっているため、、従来の一律の各班作業からなるべく個別ニーズに即した活動へとシフトしている。

健康と生活機能の維持を目的とした活動で、気分転換やストレスの軽減にもつなげている

毎朝のラジオ体操、リハビリテーション、音楽をかけて身体を動かすリトミックダンス、日光浴やウォーキング等、健康と生活機能の維持を目的とした活動も行っており、気分転換やストレスの軽減にもつなげている。通年で感染症の蔓延リスクがあり、外出等の機会が少なってきている傾向があるが企画を工夫し、できるだけ利用者の希望に沿って個別に外出の機会を持つようにしている。利用者調査結果からも、本人の意向を基にした活動が、仲の良い他の利用者と一緒にできることがうれしく、それを日々楽しみにしている状況がうかがえる。

利用者が自律的に生活できるように個々に応じたサポートを行うよう心がけている

「個別対応情報シート」には、基本情報・こだわりや行動特性と対応・不穏時の対応・好きなこと・趣味・NGワードや苦手な環境・好ましい関わり等が記載されており、ADL(日常生活動作)を踏まえて本人の有する機能を保持し、食事・入浴・排泄等の場面において自律的に生活できるよう、職員が手を出し過ぎて代わりにやってしまわないように心がけている。ただ、その日の体調等によって、いつもはできることが難しい状況となっている場合は、部分的にサポートをして負担にならないように留意しつつ、本人の尊厳も尊重しながら支援にあたっている。

12.【施設入所支援】入所施設において、日常生活上の支援や生活する力の維持・向上のための支援を行っている
  • 食事、入浴、排泄等の支援は、利用者の状況やペースに合わせて行っている
  • 利用者が安定した睡眠をとることができるよう支援を行っている
  • 利用者が暮らしの幅を広げることができるよう、さまざまな体験の場を提供している
  • 日中サービス提供事業と連携し、利用者一人ひとりに応じた支援を行っている
  • 必要に応じて、地域移行に向けた、日中サービスや住まいの場についての情報提供や関係機関との調整を行っている
【講評】
日中の生活や活動状況等を引き継ぎ、利用者個々の状況に応じた支援を行っている

個別支援計画の施設入所支援における本人や家族の意向・要望を踏まえ、夕方以降の生活において充実感を得られるよう支援にあたっている。食事・排泄・睡眠、健康面・情緒面等の他、日中の活動状況等を午後の申し送りで引き継ぎ、体調面に留意が必要な場合には、食事量を調整したり、入浴を控える等、個々に合わせた支援を心がけている。また、入浴は平日の週4日程度を予定しており、入浴日以外は着替えや清拭等で対応している他、高齢化等に伴い、個別対応が必要な場面も生じているため、機械浴槽を導入して活用できるよう環境整備を図っている。

ゆとり時間を有意義に過ごし、安定した睡眠がとれるよう職員間で共有を図っている

夕食後から就寝までは、ゆとりの時間として、居室内でテレビを観たり、ゲームをしたりして過ごしたり、音楽鑑賞、ぬり絵、読書等の趣味をする等、思い思いに過ごしている。また、できるだけ時間を作って施設内を歩く等、適度に身体を動かすことを意識して安定した睡眠を取ることができるよう働きかけている他、転倒予防に低床ベッド等を導入している。就寝時間において入眠がしにくい状況があれば、他の利用者の睡眠を妨げないよう、職員が対応する場合があるが、昼夜逆転しないよう、職員間で利用者の状態を確認し合い、各方面から配慮している。

外出企画により、利用者が非日常を楽しめるような機会を設けたいと実践している

休日は感染症の状況を観ながら、できるだけ外出の機会を設けており、他県や工場見学等の一日外出、ドライブやランチ外出、軽食外出等に出かけている他、家族との墓参りや食事等、本人や家族の意向に添った個別的な外出等もある。日常的な身だしなみに留意しているが、外出の際は、普段着ではない衣類を選ぶ等の楽しみも見い出している。一方で、グループホームの開設に併せて、地域移行に関する案内を行い、外部施設の体験利用を活用する機会を設けたが、初めてでもあり、希望にはつながらなかったため、今後も継続して紹介等をしたいと考えている。

【講評】
本人の意思決定を大切に、楽しみを見出せるようさまざまに工夫ある支援を展開している

重点的課題の利用者支援において、本人の意思決定を大切にし、人権擁護に配慮した支援を提供する旨を掲げている。本人への権利擁護の観点から、適切な支援が提供されているかを振り返り、例えば個人あての封書は本人の目の前で開封している。選挙も支援員と一緒に投票所に行き、選挙に参画している。食事の場面ではセレクト食として、本人の趣味嗜好に合わせて選択する機会がある。職員自己評価結果からも、利用者主体を意識した支援に力を入れている状況がうかがえており、本人たちが主体的に行事や活動に取り組めている。

事例検討を重ねる等より、人権擁護等への認識の共有、深化を図っている

施設では利用者の高齢化・重度化が進んでおり、安全で健康的な生活を保障するための検討を重ねている。毎月委員会の定期開催、毎年の研修、入職時のマニュアル(厚労省発行の手引書)読み合わせの徹底などで常に意識を高く持つように取り組んでいる。また、日々の支援でヒヤリハット事例が生じた場合には、重篤な案件になる前に共有している。また、通院を要するような事故が発生した場合も速やかに関係機関に報告し透明性を確保している。利用者自治会があり、日々の生活や行事等、利用者の意見を反映するなど積極的に権利擁護に取り組んでいる。

プライバシーや羞恥心への配慮について、引き続き権利擁護への意識向上が望まれる

利用者の情報のやり取りに関しては、「個人情報の提供に関する同意書」に示す内容を説明し、本人・家族から同意を得ており、また居室のプライベートスペースは個室であるため扉やカーテンで仕切る等、プライバシーが確保されている。一方で、利用者調査や職員自己評価結果からは、トイレ介助の際にはカーテンのみの仕切りとなっている、扉が開いている等、利用者のプライバシーや羞恥心への配慮が必要な状況がうかがえる。支援場面の各々ケースをもう一度見直し、事業所全体の権利擁護意識向上を図るための検討を進めていくことが望まれる。

1.利用者のプライバシー保護を徹底している
  • 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
  • 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
  • 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
  • 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
  • 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
手順書を現場の支援中心に作成し、利用者の状態変化に合わせて随時更新している

「事故対応マニュアル」「虐待防止マニュアル」「保健マニュアル」等の施設共通のマニュアルの他、新型コロナウィルスやインフルエンザ等の感染症が発生した時の対応手引きが整備されている。利用者支援においては「個別対応情報シート」がフロアごとにファイルされ、基本情報の他、不穏寺の対応やNGワード、苦手な環境、好ましい関りについて記載されており、職員の支援が標準化できるよう工夫されている。利用者の状態変化等があった時は、フロアごとに随時更新し、利用者の特性に合わせたものとなることを目指して作成している。

マニュアルの体系化を図ること等により、支援の質の向上と業務の標準化が望まれる

直接業務の支援マニュアルは必要に応じて各フロアで更新している一方で、業務ごとに分散しているため新人職員には浸透しにくく活用されていない状況となっている。職員自己分析結果においても、マニュアルや標準化への認識が低く、教える人によって内容が違うという意見もあることから、今後、マニュアルを体系化して職員の入れ替わりがあっても統一した支援を目指す取り組みに期待したい。また、次世代のリーダーの育成も課題となっているため、職員育成マニュアルを整備し、職員の資質向上と支援の質の向上に取り組んでいくことが望まれる。

マニュアルの点検、見直し時期の手順を定め、質の向上につなげていくことが期待される

施設では、様々なマニュアルを整備しているが、「事故対応マニュアル」や「虐待防止マニュアル」においては平成27年5月に作成されて以来、見直しがされていない等、長い間、見直しが行われていない状況がうかがえる。支援マニュアルについても、必要に応じて随時更新されているものの、定期的な見直しの基準が定められていない。今後は、利用者の状況変化等に伴い支援方法についての見直しが必要となることも考えられるため、定期的な見直しの基準を定め、PDCAサイクルで現状に即したものに改定していくことが望まれる。

1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
  • 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  • 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
  • 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている

事業者のコメント

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評価情報

【評価実施期間】

2024年10月24日~2025年3月21日

【評価者修了者No】

H0201062,H0201011,H0303002,H2001093,H2401111

評価結果のダウンロード

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