評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)利用者の意思決定
2)利用者の自立に向けた選択肢の提供
3)一般就労への支援
4)利用者の居場所となるコミュニティの提供
5)安心した利用環境の提供
職員に求めている人材像や役割
・事業所内での適性を活かした役割分担でサービスの提供を実践 自立に向けたサポートと事業所内での経済活動両立が求められています。
・就労継続支援事業所ではスタッフの役割分担がサービス提供向上として求めております。
・職員が自身の特性を活かした配置や業務を行う事で、事業所内でゆとりのある良い空気感や支援を提供出来る事を期待しています。
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
・様々なニーズの方が集まるB型事業所だからこそ、職員には利用者の自己実現がフォローできる知識やアドバイスと、利用者に取って安心して通所できるコミュニティとなる特性と希望に合わせた両側面での支援を期待しています。
全体の評価講評
特によいと思う点
利用者の作業内容としては、内職系の作業や発送代行、パソコンを使用してのリサーチ業務や営業代行業務など幅広く用意し、本人の希望や特性に配慮しながら作業配置している。これらの就労支援プログラムに加え、就労に特化した職員も配置しており、外部講師を招いた就職を意識したコミュニケーション講座も月に一度実施している。このように就労希望のある利用者に対する手厚い支援をおこなっており、今年度においてもすでに2名の利用者が一般就労しているように毎年のように就職に成功する利用者を輩出している。
事業所外部からの資源を導入し、事業所全体の活性化を図っている。その一つは、心理士が定期的に来所していることであり、心理士は個別に利用者および職員の心の支援にあたっている。二つ目は生活技能訓練(SST)を行う講師が来所して利用者数名を集め、グループワークを実施している。三つ目は、この種の事業運営に長けたスーパーバイザーが来所し、利用者対応の方法などについて事例検討を中心としたレクチャーを行っている。こうした取り組みは、利用者獲得に向けた対策の一つでもあるが、それ以上に提供するサービスの質の向上に寄与している。
事業所は建物のワンフロアを占有して事業を営んでいるが、建物自体が狭小であるため限られたスペースとなっている。そのため、就労継続支援B型に特化し、定員を20名に抑えている。そうすることで自然に受け入れ可能な利用者層の幅が限定され、結果、本来行うべき個別対応に絞った就労支援が効果的かつ柔軟に行うことができるようになっている。職員の所内での移動も容易で目が行き届き、迅速に対応できる。利用者数が少ないため、新規の受注作業を受けるにしてもスペースと今の利用者の顔を想い浮かべ厳選することができ、無理や無駄がない。
さらなる改善が望まれる点
事業所は今年度の重点課題として利用者の出席率向上を掲げている。その施策の一つにお楽しみコンテンツの導入があり、ヒアリング結果では土曜日プログラムを導入してはどうかという提案があった。利用者が自宅ですることがないのであれば、事業所に来て話をしたり、トランプをしたりするだけの自由参加の取り組みであっても参加希望者がいるのであれば実施する意義がある。利用者がより豊かに日々を過ごせる、事業所としての魅力を高めるための方策について検討されたい。
職員調査結果では、支援業務にて重要な役割を担う非常勤職員からは設問に対して「わからない」に該当する回答が多かった。職員会議には非常勤職員が入ったり入らなかったりする状況であり、経営に関する情報共有も断片的に留まっている。事業所は今年度より下意上達的な意思疎通を目的とした組織経営に関するミーティングを開始し、状況の改善に取り組んでいる。小規模な事業所であるからこそ、職員の役割や業務の範囲の明確化、情報共有と合わせた非常勤職員の運営への参加、良い提案を全体で守り実施する等事業所運営の仕組みづくりに期待したい。
区内および法人内の事業所との協働・連携を取るようにしたい。区内には同種の事業所も数多くあるが、現状それら事業所と活発な接触はなく、年に数回のネットワーク会議への出席が中心である。他事業所との更なる情報交換・連携によりサービスの向上や受注作業の質量の改善も期待できる。また、法人内には、生活介護の事業所があるが、事業所間の連携には改善の余地が残る。現状、新規利用者の獲得という喫緊の課題がある中、他事業所との協働・連携により事業所のサービス・付加価値を高め、利用者の獲得につなげていきたい。
事業者が特に力を入れている取り組み
職員個々の家庭環境に考慮し、状況に応じての勤務やプライベートや勤務時間外に干渉しないよう業務と切り分けてのオンオフの切り替えなどによりワークライフバランスに配慮し、働きやすい職場環境づくりに取り組んでいる。有給休暇制度では時間単位で有給休暇の取得が可能であり、平均すると概ね7~8割は消化されている状況である。残業代は支給されるが、なるべく残業が発生しないように業務を管理しており、ほとんど残業は発生していない。資格補助の規程もあり働きながらの資格取得も可能であるが、現在まで利用実績はない。
感染症対策に力を入れている。新型コロナ感染症が流行した時期、事業所では集団感染は発生していない。これは定期的な感染症対策に関する委員会の実施や研修、実習や外出した際のうがい・手洗いの励行、ミーティングでの流行している感染症に対する利用者への注意喚起などソフト面の対策に加え、作業室の入口などポイントを絞ったところにサーキュレーターや加湿器を設置するなどの備品面での対策にも取り組んでいる。このような複合的な感染症対策の取り組みは事業所の特長の一つであり、集団感染を回避する要因となっている。
事業所側が一方的に仕事を利用者に課するというのではなく、できれば自分の希望でやりたい仕事を選びたい、そうした利用者の希望に真摯に対応している。現在、近隣の7社から受注作業を受託していおり、ひとたび事業所に来れば、常に利用者の前には作業がある状態にしている。一度その作業を選んでも変更ができ、複数の作業をすることを通して自分の可能性に挑戦してもらうことにしている。企業からの仕事を請け負っている関係上、製品管理の責任を追うため、適性を考慮して配置することにしているが、あくまで利用者の意思を大切にしている。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:2024年10月22日現在の施設の利用者(19名)を対象とした。
- 調査方法:アンケート方式
自記式(アンケート)と面接調査法(面接調査者が聞き取り)の併用 - 有効回答者数/利用者総数:15/19(回答率 78.9% )
総合満足度(大変満足、満足を合計した割合)は、(73%、11人)となっている。
●各設問のうち、「はい」の比率が高かった上位は、以下の項目であった。
問5.あなたは、給料(工賃)等の支払いのしくみについて、職員の説明がわかりやすいと思いますか
(100%、15人)
問2.あなたの身の回りにある設備は安心して使えますか
(93%、14人)
問1.あなたが困ったとき、職員は助けてくれていると思いますか
問4.事業所での活動は、あなたの就労に向けた知識の習得や能力の向上に役に立っていると思いますか
(他、問11~問13 各々 80%、12人)
アンケート結果
4~17は選択式の質問のため、該当項目のみ掲載しています。
1.利用者は困ったときに支援を受けているか
特記すべき意見なし。
2.事業所の設備は安心して使えるか
特記すべき意見なし。
3.利用者同士の交流など、仲間との関わりは楽しいか
人見知りがあり、自分からは話し掛けるのが苦手だが、話し掛けられる時はそこそこ楽しめる。コミュニケーション不足な自分の課題。 といった意見があった。
16.【就労継続支援B型】
事業所での活動が働くうえでの知識の習得や能力の向上に役立っているか
感想文のデータ入力やメール送付やハコ作り、シール貼りなどの仕事があって安心して仕事出来るので良かった。 といった意見があった。
17.【就労継続支援B型】
工賃等の支払いのしくみは、わかりやすく説明されているか
意見の記載なし。
18.事業所内の清掃、整理整頓は行き届いているか
特記すべき意見なし。
19.職員の接遇・態度は適切か
特記すべき意見なし。
20.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
特記すべき意見なし。
21.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
喧嘩しているような風景は見たことがないので、いさかいになるような状況手前に上手く回避させているのかとも思います。 といった意見があった。
22.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
特記すべき意見なし。
23.利用者のプライバシーは守られているか
意見の記載なし。
24.個別の計画作成時に、利用者の状況や要望を聞かれているか
特記すべき意見なし。
25.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
特記すべき意見なし。
26.利用者の不満や要望は対応されているか
甲状腺などの病気から来る体調に短時間通所の相談した時に対応してくれた。 特記すべき意見なし。
27.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
両親やGHの社長などに相談している。 メンタル支援員や訪問介護士にも相談してみればとの助言をもらい、心が軽くなった。 などの意見があった。
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
利用者とは個別面談、職員にはアンケート調査を実施し、ニーズや意向を把握している
利用者に対しては確実に半年に一度は個別面談を実施しており、利用ニーズの聞き取りを都度行っている。定期の個別面談に加え、非定期の面談もおこなっており、利用者個人の希望により毎週の面談が必要な方や月1回程度で良い方もいるため利用者個人の希望や状態に合わせておこなっている。面談においては利用者が話したいことを話していただくようにし、必要に応じて選択肢を用意しつつ受容的な姿勢で傾聴するように心掛けている。職員に対しては不定期だがWeb上でのアンケート調査を実施し、各職員の意向や要望を把握している。
行政が主催する地域の会合に参加し、必要な情報の提供や収集を行っている
中央区が主催するネットワーク会議や地域生活支援拠点登録事業所連絡会には毎回管理者兼サービス管理責任者が出席し、情報の共有と収集に努めている。特にネットワーク会議により同業者との情報共有を行い、同業者と連絡を取り合って事業所の課題に対応するような関係を構築することができている。自社での情報収集だけではなく、外部機関や役員会議内で議題に上がった動向も含めて必要な情報を事業所に共有している。都内に代表理事が運営するパラスポーツを支援する法人があり、同法人を通じた様々な事業所への情報提供も行われている。
3か年の予算表を策定し、数値目標を設定したうえで現状を踏まえた施策を検討している
毎年3ヵ年計画(予算表)を策定し、まずは数値目標として具体化した上で、それに対する行動目標(施策)を設定し、取組んでいる。事業所は今年度の経営課題として利用率の向上と利用者数の増加等を掲げており、利用率向上施策として利用者へのフォロー体制の構築促進や活動プログラム内容の多様化などを計画しており、利用者数の増加のため、ホームページやSNSを活用した情報発信、相談支援事業所や生活修業支援センターへの営業用ダイレクトメールの送付などを計画し、取り組んでいる最中である。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
事業所内外の障害者虐待防止・権利擁護研修・会議等に職員が参加している
事業所として権利擁護に関する規程を定めており、同規程の中で「すべての職員は利用者の人権を守り、人間の尊厳を尊重するため、法令、諸規定及び職員倫理を順守し、体罰、虐待、財産侵害等をはじめとする人権侵害の行いを決して行わないものとする」ことが記載されている。同規程の下、身体拘束等の適正化のための指針を定めている。人権侵害の防止のため、東京都の障害者虐待防止・権利擁護研修に職員を派遣し、施設内では全職員を対象とした虐待防止/身体拘束適正化研修や会議などを開催し、職員の虐待防止及び権利擁護の意識啓発に取組んでいる。
苦情解決規程を整備し、文書や掲示により利用者に周知している
事業所の運営規定に苦情解決規程に関する条項があり、苦情窓口の設置等について触れられており、所内に苦情受付窓口(担当者)を設置している。さらにその旨の掲示を行っている。重要事項説明書に苦情解決の窓口を明示しており、利用者や保護者は窓口に適宜アクセスが可能である。さらに、事業所内での掲示や利用者がいつでも閲覧できるファイル内に関係の資料等を保管している。加えて、解決に向けたフローチャート、マニュアル、規程を整備し、それらの書面を職員がいつでも確認できるよう、事務所内のファイルに保管している。
営業等の目的のため、情報発信に取り組んでおり、地域のネットワークが構築されている
事業所のホームページを持ち、事業所のPRや新規利用者獲得のため、代表理事がアイビー・ニュースとしてブログを随時発信している。また、事業所パンフレットを都内23区内の計画相談支援事業所や特別支援学校、生活就業センター、障害者施設・グループホーム等に送付している。地域では中央区や他の事業所と会議を通じてネットワークを構築し、情報の提供や収集が行われている。法人内には新規に譲渡された生活介護事業所もあり、今後の事業所間での有機的な連携が期待される。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
朝礼・終礼時に感染症に対する随時の注意喚起が行われている
新型コロナウイルス流行時には感染症対策の優先順位が高かったが、現状、事業所は事業所を取り巻くリスクに対する優先順位を設定することはしていない。朝礼時や終礼時にサービス管理責任者よりインフルエンザ対策等を含めた注意喚起が行われている。コロナ禍以降、感染症予防のため、適所にサーキュレーターや加湿器を設置し、常時稼働させて換気と湿度を保つようにしている。ヒヤリハットのフォーマットは作成されているが、現状としては使う機会を見出していない。組織的な危険やリスク情報の蓄積や予防のためにも今後の活用に期待したい。
利用者も参加する避難訓練が定期的に開催されている
事業所は沿岸部の災害時には洪水による浸水が想定される区域に位置している。このため、事業所の危機管理に対する意識は高く、危機管理マニュアル、防災対応マニュアル、感染症対策マニュアル等や事業継続計画(BCP)が策定されている。文書のみならず、利用者が参加しての年2回の自衛消防訓練、感染症の発生及び蔓延の防止等に関する研修・訓練、感染症や災害等に対するBCPに関する研修・訓練などが今年度に実施しており、職員・利用者の災害に対する意識や対応力を高めているが、より実践的な内容に改善を期待したい。
誓約書の締結やアクセス権限の設定等情報の保護・共有が適切に行われている
プライバシーポリシー、業務情報安全管理規程等を整備しており、入社時に秘密保持等誓約書を締結する。誓約書は「秘密情報については退職した後においても開示漏洩しないことを約束する」条項が盛り込まれ、守秘義務の遵守を求める内容となっている。社内のグループウェアにて情報共有しており、機密性が高い情報については階層別に権限が設定されている。グループウェアは会社からしかアクセスできず、PCやUSBを持ち出しは行わないなど情報管理に努めている。個人情報を含む文書については鍵付きの書庫に格納しており、毎日施錠を確認している。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
さまざまな媒体を用いて人材を確保し、適性や希望に応じた柔軟な配置を心がけている
求人については、オンラインの民間求人媒体やハローワーク等を活用している。採用した人材がなかなか定着に至らず、経営課題の一つであると認識している。採用にあたっては、資格やキャリアについては考慮はするが、採用を決定する要素ではない。資格やキャリアよりも人間性や素養の面を重視し、利用者と向き合ってもらえるかどうかを重要なポイントとして採用をおこなっている。職員の適性や希望を考慮したうえで柔軟な配置を心掛けている。
人材育成の一環として研修を重点課題に位置付け、社内研修の整備に取り組んでいる
就業規則の背表紙にキャリアパスを記しており、職員がいつでも確認できるよう、事務所内に書面にて管理している。事業所は人材育成の一環として研修を重点課題に位置づけており、職員のスキル向上、知識拡充のため、常勤・非常勤ともに参加しやすい時間に研修を実施するなど、職員全員が参加できるように工夫している。一方、非常勤職員等に対するキャリアアップや育成に関するヒアリングは行えておらず、非常勤職員の業務の範囲や役割の明確化とともに個々のキャリアアップおよび人材育成が重要な課題となっている。
職員の個別の事情に応じた働きやすい職場環境づくりに取り組んでいる
個々の家庭環境に考慮し、状況に応じての勤務など働きやすい職場環境づくりに取り組んでいる。育児・介護休暇規程も整備されているが、今のところ、利用された実績はない。有給休暇制度では時間単位での有給休暇の取得が可能であり、平均すると概ね7~8割は消化されている状況である。残業代は支給されるが、なるべく残業が発生しないように業務を管理している。資格補助の規程もあり、働きながら資格取得も可能である。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
【課題・目標】
・新規利用者を獲得し、登録利用者30名及び1日の利用率60%を目指す。
【取り組み】
・経営チームにて目標の設定と行動計画を作成した。
・事業所内で課題の共有とアンケートを実施し、現在の課題と役割分担について協議した。
・具体的な取り組みとして、関係機関等に事業所案内の送付や既存利用者に対して動画編集勉強会など実施した。
【取り組みの結果】
・昨年度末の時点で利用者は17名、平均利用率は52~53%となり、上記の数値目標は達成できなかった。
・年末に振り返りを行ったことにより社内での危機意識が高まった。
【振り返り(検証)・今後の方向性】
・職員それぞれが課題の理解と早期発見、自分らで課題解決できる体制を構築する。このため、ベースとなる知識の土台を築く研修と業務範囲、責任と権利の所在を明確にして業務意識を高める。
・新規利用者獲得、利用率向上のための施策を策定し、実施する。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
利用者数が減少傾向にあり、経営の安定化や生産の安定供給のため、新規利用者の獲得を最優先課題とした。課題への対処のため、経営チームにて目標の設定と行動計画を作成することとなった。また、事業所内で課題の共有とアンケートを実施し、健在の課題と役割分担について協議した。具体的な取り組みとしては、関係機関等に事業所案内の送付や既存利用者に対してスキルアップ勉強会などを実施した。昨年3月末の時点で新規利用者の獲得および利用率の数値目標は達成できておらず、今年度に課題が引き継がれることとなった。事業所は年末および年度末の振り返りを踏まえて、ベースとなる知識の土台を築く研修と業務範囲、責任と権利の所在を明確にして業務意識を高め、職員それぞれが課題の理解と早期発見及び自分ら課題解決できる体制を構築すること、また新規利用者獲得、利用率向上のための施策を策定し、実施する方針を掲げている。現状を踏まえた課題および目標設定、10月決算時や年度末に振り返りを行い、今後の方針を導き出していることからPDCAに即して重要課題に対処していると言える。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
【課題・目標】
・新規事業所の開所
【取り組み】
・公募としてあったすでにある生活介護事業所に関する事業継承に手を挙げ、その権利獲得のため数度にわたる選考を受けた。
【取り組みの結果】
・民間のM&A仲介会社よりM&Aの対象となる狛江市の生活介護事業所の公募要綱を受領した。
・狛江市、事業所、利用者・保護者等関係者とのミーティングをおこなった。
・第一交渉権をえることができ、加えて新規事業所として東京都への申請し、認可された。
・合意書を締結し、契約書を取り交わした。
・上記の取り組みの結果、担当した職員の更なるキャリアアップだけではなく、既存の事業所職員(管理職)の更なる自立と成長が見られた。
【振り返り(検証)・今後の方向性】
・まずは新規事業の安定化を図ることにより、事業全体としての収益構造の改善とその安定化を図っていく。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
本事業には事業所の代表者および現場責任者が中心的に関与することとなった。新規事業所のM&Aにあたり、第一交渉権をえることができ、加えて新規事業所として東京都へ申請し、認可された。この取り組みにより、ニーズ・世代に応じた多様なサービスを提供していく事業展開のスタートラインに立つことができたと認識しており、それが事業全体の安定性を高め、事業所の複数展開によるヒト・モノ・カネ等に関する様々なリスクヘッジにもつながると考えている。また、担当した職員の更なるキャリアアップだけではなく、既存の事業所職員の更なる自立と成長が見られるなどの副次的な効果もあった。今後は新規事業の維持・継続を第一に図ることにより、事業全体としての収益構造の改善とその安定化を図っていく方針が示されている。新規事業所の運営を軌道に乗せ、経営の安定化、当事業所との間での意見交換、有機的な連携等が期待される。
サービス分析結果
【講評】
利用希望者等への情報提供はホームページを通し、視覚的な工夫をして行っている
事業所に関する情報はホームページ・パンフレットを通じて広報している。ホームページには支援活動に関するお知らせやブログ、写真も掲載され日々の様子が分かるようになっている。HPは適時更新することに努めているが遅れることもあり、最新の情報提供ができていないことが改善点として認識されている。また、事業所を訪れる来訪者には事業所の概略が記されたパンフレットを手渡して、説明を行っている。パンフレットには写真を多く掲載することで視覚的な情報を通して事業所をより分かってもらえるように工夫している。
行政機関や関係機関に向けた情報発信を諸メデイアを通じて行っている
区役所などの行政機関や相談支援事業所などの関係機関に向けた情報提供および情報共有を心がけている。東京都および区役所からのサービス提供に関する状況調査の依頼があれば、迅速かつ適切に対応している。独立行政法人福祉医療機構が運営するWAMネットにも情報を提供している。また、地域のネットワーク会議や地域の業務連絡会などがあれば小まめに出席するようにしており、その際には事業所の近況について伝えるようにしている。
問い合わせ・見学などについては一つひとつ丁寧に対応している
事業所に関する問い合わせや相談などは丁寧に対応しており、質問の主旨や希望などを丁寧に聞き取り、利用する際の準備や考慮事項、交通手段などを分かりやすく伝え相談にあたっている。見学については利用を前提としていなくとも受け付けている。見学に際しては、日時などを相談・調整して活動時間を考慮した上で、相手の都合に合わせて随時受付をしている。見学では最初に身近な話をして緊張を和らげてから説明を行うようにしている。また、その時の様子は「見学受付記録表」に記録し、保管している。
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
利用契約の際は、利用者・家族の意向や希望も汲み取りながら進めている
利用に際しては、利用規約やルール等の説明を丁寧に行い、利用契約を結んでいる。家族の同席は必須ではなく、相談支援事業所が立ち会うこともある。利用契約は利用契約書・重要事項説明書・個人情報使用同意書を用い、利用者の理解力に合わせて説明を行い、同意を得たなら、書面に署名・捺印をもらっている。サービス内容や利用者負担金等についても入念な説明を行い、同意を得ている。契約事務を滞りなく進めることが目的の場面ではあるが、利用者からの意向や希望も十分汲み取りながら進めている。
サービス開始前に情報を収集し、所定の書式に記録して、その後の支援に役立てている
利用者のサービス開始後の支援に役立てるため、それまでの利用者の生活状況等について、特定相談支援事業所や家族などからの情報提供をお願いしている。また、利用開始後も必要に応じてその都度小まめに情報を取り寄せている。こうした情報は、事業所が定める各種書式に記録され、整理され、個別支援計画を作成する際の基本データとしても活用されている。記録は支援管理システムに入力され、所内で職員間で共有されている。
利用開始にあたっては利用者の負担軽減をするなど、柔軟な受け入れ対応をしている
利用に際しては、利用者のこれまでの生活状況を十分に踏まえた上で対応をしている。情報収集に努め、家族や相談支援事業所等から生活状況を丁寧に聴き取っている。新しい環境下でのストレスについては個別に対応し、できるだけ軽減するような工夫をしている。正式利用の前に体験通所を最低3日間体験してもらうことで事前に環境変化に慣れてもらったり、正式利用となっても午前中だけの通所や週1、2回の通所も認めている。また、通所が中断となったり、しばらく通所できない利用者には相談支援事業所を通じて対応している
1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
- サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービス利用前の生活をふまえた支援を行っている
- サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
利用者の支援に役立てるための情報収集は見学時から行っている
利用者の支援に役立てるため、見学時から利用者に関する情報は取っている。例えば「見学受付記録表」では、見学日時、氏名、同行者、質問を受けた内容などを記録している。また、申込み当初に作成するフェイスシートでは、A4版に氏名、住所、既往歴、年金、希望作業、などの情報を記載するようになっている。その他、個別支援計画の作成に必要なアセスメント表やモニタリング表もセットとして定めており、活用している。
支援計画は、利用者への丁寧な聞き取りを土台にして作成している
個別支援計画を作成はサービス管理責任者が中心となって進められ、他職員も参加しての話し合いを経て、実行に移される。計画策定にあたっては利用者としっかりと話し合い、アセスメント表に沿ってアセスメントを実施した上で計画案を作成し、利用者に提示している。個別支援計画は半年毎に見直され、モニタリングを経て新たな計画が策定される。利用者の状況により、支援の内容を変更する場合はサービス管理責任者の判断の下、職員と情報共有しながら変更の手続きをとっている。
一人ひとりの利用者について、利用者情報が整理され、情報共有されている
利用者一人ひとりについてのファイルが整備されており、それを閲覧することで一通りの利用者の状況がわかるようになっている。利用者ファイルは、ファイスシート(当初)、アセスメント表、個別支援計画書作成会議議事録、モニタリング表、個別支援計画、支援記録などから成っており、随時更新された書類が綴じられるようになっている。また、支援管理システムの導入もされており、情報共有はアナログ・デジタル両面で行われている。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の支援計画を作成している
- 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.個別の支援計画等に基づいて、利用者の望む自立した生活を送れるよう支援を行っている
- 個別の支援計画に基づいて支援を行っている
- 利用者一人ひとりに合わせて、コミュニケーションのとり方を工夫している
- 自立した生活を送るために、利用者一人ひとりが必要とする情報を、提供している
- 周囲の人との関係づくりについての支援を行っている
【講評】
毎日の支援が計画に沿ったものであることを日々確認している
事業所が行う利用者に対する個別の支援は個別支援計画に基づいて行われている。実際の支援が個別支援計画に沿ったものになっているかについては、毎日の支援記録に記入する時、毎日の朝礼・終礼時、事業所内の会議での振り返りの他、サービス管理責任者および管理者が目にする支援の現場の直接確認が行われ、必要に応じて支援の実施に修正が加えられる。また、個別支援計画自体に無理がある場合は、計画そのものを変更あるいは修正している。
利用者一人ひとりに合わせた意思疎通の取り方を工夫し、根気強く対応している
通常の自然言語では会話のやりとりが難しい利用者との意思疎通も、一人ひとりの特性に合わせたコミュニケーションのとり方を工夫しながら、根気強く対応している。例えば、他者と音声言語でのコミュニケーションが難しい利用者の場合、文字でやりとりを開始した。当初はスムーズに進まなかったが、根気強く続けていたところ、やがて慣れてきたのか、所内の情報共有素材を通じて言葉のキャッチボールができるようになった。こうした支援の過程では、支援にあたる職員全員が情報共有をして対応している。
働くことに必要なマナーや常識・表現力を身に付けるためのトレーニングをしている
就労する上でマナーや社会常識とされる事柄は身に付けておく必要があるため、事業所では、外部からの講師に月1回程度依頼し、生活技能訓練(SST)を行っている。SSTでは、毎回数名の利用者が希望して参加しており、一人ひとりが日頃から悩んでいる日常生活で対応しなくてはならない課題について取り上げ、話し合いやデモンストレーションを繰り返しながら解決し、身に付けていくことを目的としている。また、朝礼の際に行われる1分間スピーチは、人に伝える表現力を養う場として設定されており、利用者間の話題作りの場ともなっている。
2.利用者が主体性を持って、充実した時間を過ごせる場になるような取り組みを行っている
- 利用者一人ひとりの意向をもとに、その人らしさが発揮できる場を用意している
- 事業所内のきまりごとについては、利用者等の意向を反映させて作成・見直しをしている
- 室内は、採光、換気、清潔性等に配慮して、過ごしやすい環境となるようにしている
- 【食事の提供を行っている事業所のみ】
利用者の希望を反映し、食事時間が楽しいひとときになるよう工夫している
【講評】
生産活動を通じてその人らしさが発揮できるよう支援している
事業所は就労支援が目的であるため、生産活動を通じてその人らしさが発揮できるように支援している。受注作業は、現在7社から受けており、PC入力を伴う作業、封入・封緘作業、発送代行作業、検品作業など、多様なバリエーションとなっている。受注した仕事への配置や進め方は、受注した仕事の納期や難易度との兼ね合いで、利用者一人ひとりの意向や作業能力等により決めている。利用者に対する作業評価は定まった形式で行ってはいないが、職員相互に評価を確認し、コンセンサスを得るようにしている。
衛生マナー、日課等の定めはあるが、取り立てて決まりらしい決まりはない
事業所内では利用者の行動を律するような決まりらしい決まりはない。あるとしたら衛生マナーについてであり、例えば事業所にいる時はマスクの着用、外出から帰ってきた際はうがい・手洗いが推奨されている。また日課があり、利用者はその日課に沿った活動をしてもらっている。朝は朝礼から始まり、作業に入り、昼休みを挟み、また作業となり、終礼でその日の一日の日課が終わる。作業中も作業に支障がなければ、会話は自由であり、心身に不調が出れば申し出て休憩を取ったり、帰宅することもできる。
決して広々とした場所ではないが、衛生面からの環境整備に努めている
事業所は、都心オフィス街にある雑居ビルのワンフロアを賃貸しており、決して広々とした事業所とは言えない。それでも作業台のレイアウトや間仕切り、観葉植物を置くなどの工夫を凝らして、過ごしやすい空間となるよう努めている。また、感染症予防の観点からサーキュレーターを所々に設置し、空気の流れを確保し、加湿器を備え適度な湿度を保ち心地よい環境づくりを行っている。清掃は作業終了後に利用者も参加して行うほか、利用者の帰宅後には職員が消毒剤を使って消毒作業を実施している。
3.利用者が健康を維持できるよう支援を行っている
- 利用者の健康状態に注意するとともに、利用者の相談に応じている
- 健康状態についての情報を、必要に応じて家族や医療機関等から得ている
- 通院、服薬、バランスの良い食事の摂取等についての助言や支援を行っている
- 利用者の体調変化(発作等の急変を含む)に速やかに対応できる体制を整えている
- 【利用者の薬を預ることのある事業所のみ】
服薬の誤りがないようチェック体制を整えている
【講評】
サービス開始前から情報収集に努め、関係機関等からしっかりと情報提供を受けている
サービス利用に先立つ利用契約前までには、相談支援事業所より利用等計画書あるいはそれに準じる書類の提出を依頼したり、体験利用の際に懸念事項となった事柄があれば、それについての情報の提供を受けるなどして、受け入れ準備を進めている。情報はフェイスシート等所定の書式に落とし込み、職員間での情報共有をしている。利用者の多くが軽度の障害であり、周囲に影響を及ぼす重大な課題がある利用者は少ないが、それだけに情報量が少なく、利用後に課題が出現するなどしてその後の対応を検討することも少なくない。
毎朝の体調チェックで利用者の健康管理を行っている
利用者の健康管理については、事業所が行うべき範囲を設定し、その中で取り組んでいる。検温については毎回の通所時に行っており、職員が間近で利用者の表情や言動などを観察することでその日の心身の状態を把握している。万が一検温で異常値が出た場合は、その他の健康状態と勘案し、必要があれば家族等に相談・調整を入れるなどして必要があれば、帰宅してもらうなどの対応を取っている。朝の日課としてラジオ体操を行っており、利用者にとっては数少ない身体を動かす機会となっている。
感染症対策の徹底や健康情報を任意で提供してもらうなど利用者の健康を見守っている
新型コロナ感染症対策時から感染症対策には本腰を入れて取り組んでいる。 通気の良い環境とは言えないため、要所要所にはサーキュレーター等を設置し、空気の流れを確保している他、加湿器も設置して適度な湿度を保ってウイルスの繁殖を防いでいる。また、外出から帰ってきた際には、必ずうがいと手洗いは済ませるよう指導している。事業所としての健康診断は行っていないが、利用者の在住する自治体が提供する無料の健康診断は積極的に受けるよう助言している。また、診断結果が出たらその内容を知らせてもらえるようお願いしている。
4.利用者の意向を尊重しつつ、個別状況に応じて家族等と協力して利用者の支援を行っている
- 家族等との協力については、利用者本人の意向を尊重した対応をしている
- 必要に応じて、利用者の日常の様子や施設の現況等を、家族等に知らせている
- 必要に応じて家族等から利用者・家族についての情報を得て、利用者への支援に活かしている
【講評】
利用者を一番に尊重しながら、家族等との協力関係を築いている
障害の状態によっては利用者との意思疎通が困難な場合もあるため、家族等との協力は欠かせないが、あくまで本人の意向を尊重しながら進めている。だが、利用者によっては家族等との間に希望や意向の相違があるなど、話し合いをしても膠着状態が続く場合もある。そういう時は双方に面談を別々にするなどの工夫をとっている。また、家族等に文書・メール等で連絡する際には、その内容や表現においては常に利用者を配慮する立場で記述することに努めている。
直接家族に伝えなくてはならないことは少ないが、問い合わせ等には具体的に答えている
自立度が高い利用者が多いため、事業所から直接家族に伝えなくてはならないようなことは比較的少ない。むしろ、家族から利用者よりもたらされた情報について確認したいがため事業所に問い合わせがあることが多い。家族から事業所に情報の提供について要望があれば個別に対応している。家族からそうした問い合わせや情報提供の申し出があった場合は、できる限り明確な返答をするようにしている。その方がその後の信頼関係が確立しやすく、次もわからないことがあれば事業所に問い合わせようとする行動に結びつくからである。
利用者の様子がいつもと違う時には、必要に応じて家族に訊ねてみたりしている
家族からの情報は必要に応じて、利用者の支援に活かしている。例えば、朝の通所の際に、いつもと違い利用者の状態が安定しない、いつもと違う様子があるなどしても、利用者本人に訊ねても判然としない場合などは、家族に連絡を取ると、実は・・ということもある。ただし、そのように最後の手段として家族に連絡する場合でも、極力利用者本人の口から状況を言葉にしてもらうようにしている。利用者には家族と事業所がつながっていることを理解してもらうことで、利用者の安心感につながっている。
5.利用者が地域社会の一員として生活するための支援を行っている
- 利用者が地域の情報を得られるよう支援を行っている
- 利用者が地域の資源を利用し、多様な社会参加ができるよう支援を行っている
【講評】
催し物情報や福祉サービス情報など、入手できた情報は、情報公開している
事業所には行政や関係機関等からメールや郵便などで、地域のイベント開催のお知らせや研修会参加者の募集の情報、福祉サービスに関する情報などが寄せられている。基本的に、そうした寄せられた情報は公開することにしている。誰もが目にできるように入口の目立つ箇所に掲示したり、また、冊子や複数枚あるチラシなどは自由に手にしてもらっている。さらに、個別の面談や様々な機会を通じて、必要に応じて情報をコピーし配布することも行っている。
オフィス街、利用者の過半数が区外からの利用者であり、地域連携は今後の課題である
利用者が地域の資源を利用し、様々な社会参加ができるように支援している。約3年間続いた新型コロナ感染症の影響で、事業所が行う地域でのレクリエーションは軒並み中断しており、現在もそのままである。また、事業所が所在する地域はオフィス街となっており、昼間人口が多い中で地域住民とのつながりを見つけるのは難しい。さらに、利用者の過半数は区外からの利用者であり、ここを地域と呼ぶには利用者にとっては無理がある。そのため、この評価項目については今後も引き続き検討が必要である。
12.【就労継続支援B型】就労の機会の提供や、知識の習得及び能力向上のための支援を行っている
- 自発的に働きたいと思えるような取り組みを行っている
- 働くうえで、利用者一人ひとりが十分に力を発揮できるよう支援を行っている
- 工賃等のしくみについて、利用者に公表し、わかりやすく説明している
- 受注先の開拓等を行い、安定した作業の機会を確保できるよう工夫している
- 商品開発、販路拡大、設備投資等、工賃アップの取り組みを行っている
【講評】
利用者がやる気を出せるような作業種目を用意している
利用者のモチベーションが上がるような作業種目を複数用意している。事業所が所在するオフィス街近くの会社から受注を受けることも多く、PC作業に関してはPCデータの入力、メール配信代行等、その他手先を使った軽作業に関しては封入・封かん、検品、発送代行の仕事を請け負っている。利用者はそうした中から自分に合う仕事を選んでもらっている。利用者には受注しているすべての仕事を経験してもらい、できるようになってもらいたいと考え支援している。
アセスメントに基づく配置を利用者に提案している
利用者一人ひとりに適した働き方をアセスメントし、提案している。作業配置は、体験利用等で得られた情報や日頃の様子などから利用者が意欲を持ちつつ最大限の力を発揮できるよう組合せを検討し、利用者に提案して、自分の働き方を選択してもらっている。一日の日課の終わりに日報を利用者各自が作成しているが、一日の振り返りができ、自己評価できる書式にしている。作業単位は工賃規程により15分単位となっており、心身の状態により途中休憩等の必要があれば申し出て、作業を中断することもできる。工賃は月1回支給され、振込支払である。
現状に甘んじることなく、次の展開を指向していきたい
現在、事業所では7社から受注作業を受けており、今の利用者の数から言えばその範囲で回せている。しかし、タイミングが悪く、受注作業が途切れることもあり、それに備えてもう少し受注先を確保しておきたいということはある。また、今後、利用者が増加すれば、絶対作業量が不足する事態も想定しなければならず、受注作業のみならず、新規の自主製品あるいはサービスの開発が必要となってくる。その際のヒントとなるのが、所在しているオフィス街であったり、法人の起源とも言えるパラスポーツ、法人内の他事業との連携だったりするかも知れない。
【講評】
個人情報保護規定に基づき、利用者の個人情報については目的外使用を禁じている
個人情報保護の観点から利用者に関して外部とのやりとりを行う際には細心の注意を払っている。利用開始時には書面にて、個人情報を支援のために限って使用するという趣旨の同意書(個人情報使用同意書)を得ており、目的外使用は厳禁としている。その他個人情報の取り扱いについては「個人情報保護規定」に基づき執り行っている。また、個人情報を含む組織内の情報についての守秘義務については、職員等と個人情報に関する宣誓書を取り交わし、会議や研修を通して、事例研修なども交えて徹底して順守することとしている。
利用者のプライバシー配慮のため、個人ロッカーの設置や相談室での相談を進めている
利用者のプライバシーに最大限配慮した環境にしている。所内には個人ロッカーを用意し、事業所内に持ち込まれた私物については個々で管理してもらっている。個別の面談が必要な場合は、周囲に情報が漏れることを避けるため、できるだけ相談室を使用するようにしている。また、利用者の不適切な言動を諭す時にも、その利用者にとって不快なものとならないよう、場面での言葉使いや言い回しには格別の配慮をしている。
利用者の意思が表明できる環境・対人関係を目指している
日常の支援を行うにあたっては、個人の意思を尊重しながら進めているが、すべての個人の希望が通るわけではないとしている。例えば、いつもどおりの作業をしたくない利用者がいた場合、その意思は尊重するが、それが通るか、認められるか否かは別であることを利用者に説明している。事業所は利用者が自分の意思をもって表現することが大切だと位置づけており、それが可能となる環境や対人関係の構築を目指している。
1.利用者のプライバシー保護を徹底している
- 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
- 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
- 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
支援以外のマニュアルは一通り揃っており、業務に支障はない
事業所のマニュアルはハラスメント関連、危機管理・消防防災関連、虐待・権利擁護関連、苦情関連、個人情報保護関連などの領域に分かれており、その中に個別のマニュアルを用意してサービスの基本事項や手順を明確にしている。支援そのもののマニュアルは現在ないものの、日課については明確になっており、支援に支障はない。マニュアル等はデータとしてサーバー上に保管しているが、紙ベースでも用意しており、いつでも誰でも取り出して使えるようになっている。
現状の支援がマニュアルに沿ったものか否かは職員会議の中でも確認している
提供しているサービスの基本事項や手順がマニュアルの内容に沿ったものかどうかについては管理者を中心に普段から点検・見直しをしている。特に管理者は定期的に全マニュアルについて、実態との乖離はないか否かの視点で見直しを行い、必要があれば、改訂の指示を出すよう努めている。最近の変更事例としては、終礼の時間に変更を加えた。これまでの時間であると限られた職員しか参加できなかったが、全員参加が望ましいとする声が多くなり、全員が参加できる時間帯となった。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうかを定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
このセクションは事業者によって更新される情報です。
評価情報
評価結果のダウンロード
本ページの内容をPDFファイル形式でダウンロードできます。
【講評】
思い入れのある施設名の由来や理念の浸透のため、工夫した説明が求められている
事業所名であるアイビー(蔦)にはのびやかに枝葉を伸ばす樹形を持つ「蔦のように成長し、縁をつなぐ」イメージを重ねている。そのイメージは事業所として周囲との関係を重ねながら活躍してほしいという願いに結び付いている。就労継続支援B型事業所として利用者の自立(就労)に向けて軽作業や事務作業を提供し、業務を通じて障害を持つ方が「働くよろこびと、働く実感をもてる場所になること」を目指している。職員会議では理念や方針を職員に説明しているが、その浸透のためにはさらなる工夫が必要である。
事業所の組織・サービス面の責任者が各分野を指揮している
事業所においてはサービス面は施設長が利用者支援のリーダーを担い、事業所の組織面での判断や指示はマネージャーが行い、事業所の両輪として役割分担での支援を行いながら事業所の理念に基づいたサービス提供を心がけている。上意下達的な組織運営の傾向が強い中、事業所としてのボトムアップ機能強化のため、経営層が加わらず、スーパーバイザーが運営の中心となりサービス関係者のみが参加するミーティングの開催が開始されている。今年度の事業拡大もあり、来年度より法人として組織面での統一した会議の開催も予定されている。
理事会が経営判断を行い、案件により事業所でも意思決定が行われている
全体的な経営判断は月1回開催される理事会が担い、経営上の課題について協議されている。理事会での協議結果に基づき、事業所職員にも必要な情報や課題を共有している。理事会から事業所に課題を投げかけることもある。理事会の議事録は毎回作成されており、事業所の非常勤職員でも閲覧が可能であるが、積極的には閲覧されていない。事業所の議案事項は職員内の毎月の職員会議で協議や通達を行い課題を共有し、全員で取り決めるよう決定している。職員会議等の議事録はグループウェアの掲示板にて共有されている。