評価結果
基本情報
事業者の理念・方針・期待する職員像
事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)
1)介護全般におけるご利用者の満足度の向上
2)ご利用者の安全・安心を保証する生活環境維持・向上
3)ご利用者に対する敬愛と尊厳の尊重
4)自立に向けての生活支援
5)施設周辺地域社会との交流
職員に求めている人材像や役割
①人に対して優しさと気配りを持つ人材
②常に相手の立場になって考えられる人材
③職員間で相互連携のできる人材
④責任をもって行動ができる人材
職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)
①施設運営への理解と協力
②積極的・主体的な業務活動
③業務におけるリスク管理意識
④各自の能力開発・向上心・向学心
全体の評価講評
特によいと思う点
市内の3つの特別養護老人ホームと定期的に合同研修や防災研修を行っている。ここでは、3施設が相互に見学し合って、それぞれが使用している福祉器具のメリットやデメリット、働きやすい職員配置などについて具体的に意見交換している。ここでの情報をもとに、施設として取り入れるべきことを検討する「生産性向上委員会」を立ち上げた。委員会での検討を踏まえて、ベッドを変えることが具体化し、今後はWiFi環境の整備を行っていくことになった。このように、収集した情報を具体化する仕組みを構築している。
各ユニットでは、利用者が自宅感覚でくつろいで過ごせる環境づくりに取り組んでいる。ユニット単位でご飯を炊いて味噌汁やスープを温め、利用者の着席に合わせて提供したり、個々の好き嫌いや食べ方を極力把握して個別に対応したりしている。施設全体で行う夏祭りや餅つき大会等のほか、ユニットごとに工夫しながら桜見学・近所の散歩・流しそうめん・さんまパーティーなど多彩なレクリエーションを実施している。ユニット内で利用者や職員が互いの個性を認め合い、家庭のようにリラックスできる関係を築けるよう丁寧な個別ケアを行っている。
コロナ禍では家族が直接利用者と対面して話す「面会」を中止していた時期もあったが、面会は利用者・家族・職員それぞれにとって貴重な交流の機会であるため、感染症の流行状況に配慮しながら段階的に規制の緩和に取り組んでいる。令和6年7月からは面会時間を30分から1時間に拡大するとともに、面会時間内の散歩等外出が可能となった。また、家族に安心してもらえるよう、面会時に具体的なエピソードを交えて利用者の普段の様子を丁寧に伝えている。ケアプランを見直す際も、面会時に状態を詳しく説明したうえで家族の意向を確認している。
さらなる改善が望まれる点
マニュアルは各部門や各ユニットに常備されており、職員が必要に応じていつでも閲覧できるようにしている。年度末には内容の見直しを行うことにしているが、現状にそぐわなくなった点、細部が不明確な点が出てきている。このような点を改善するには、職員の具体的な気付きや意見を積極的に収集する場を設け、マニュアル編集に活かしていくことが求められる。動画を取り入れて分かりやすいマニュアルにする等の工夫も考えられる。一層のサービス向上と働きやすい職場づくりをつくるため、マニュアルの改定が期待される。
安全なケアと質の高いサービスを提供するには人材の確保・育成が欠かせないが、特別養護老人ホームだけでなく介護現場では人材不足が深刻な社会問題となっている。当施設は運営方針に共感して勤務する職員が多いためか離職率は低く、職員の意欲向上を図るため人事考課やストレスチェック、研修等に取り組んでいる。また、各種委員会では、一般職員も含めて発言しやすい環境づくりに努めている。今後も引き続き人材確保の課題に向き合うとともに、職員のインセンティブを高めるよう、研究発表となっているスキルアップミーティング等の再開が望まれる。
利用者のターミナル期には看取りケアを実施するほか、お別れの際は職員がお見送りをしたり、生前の写真をCD-Rに入れて家族に贈ったりしている。また、看取りに関する職場内研修を年3回実施し、バイタル等の基礎から看取りまでの経過について、机上研修と実施研修を行って職員の理解を深めている。看取り介護は終末期ケアの質を向上させる介護現場の重要な取組みであり、利用者と家族にとっても大きな支えとなるものである。今後も勉強会などによって各職員がターミナルケアの理解を一層深め、看取りの介護の一層の充実を図るよう期待したい。
事業者が特に力を入れている取り組み
介護職員の離職率は低く、職員数も安定しつつあるが、更なる勤務体制の改善によって職員の定着を図っている。夜勤は8時間勤務としており、16時間勤務で行っていた朝の食事介助をなくすなど、職員の身体的・精神的な負担軽減を図っている。PCで出勤一覧表を作成しており、当日の各ユニットの職員の勤務体制や行事の予定などが一目で分かるようにして業務の円滑化を図っている。また、柔軟な勤務シフトを敷いており、急に勤務ができない介護職員がいてもすぐに他の職員が勤務交代で対応するなど、職員が働きやすい環境を整えている。
施設の廊下等でサークル型歩行器を使用して下肢筋力向上に向けた歩行訓練、リハビリ室内では平行棒歩行訓練・階段昇降を実施している。特に廊下を利用した歩行訓練では、廊下の先にある富士山の絵を目指して歩行しており、「いま五合目だよ、もう少しで六合目」などと富士登山になぞらえて利用者を励ましながら行っている。このような訓練がADL(日常生活動作)の向上につながっている。これが良い意味でのユニットごとの競争になっており、利用者のADLの向上が職員のモチベーションアップにもなっている。
当施設は現在の地に移転してから10年を経過し、現在使用中のベッドはフレームやマットレスの老朽化が進み、マットレスを水平に保つことが困難となるなど様々な不具合が生じている。それらの改善と職員の介護時の身体的負担を軽減するため、都の次世代介護機器導入促進支援事業を活用して82台のベッドを交換をした。交換に当たっては利用者の心身の状態を再確認し、見守りベッドセンサー付きと自動体位交換機能付きとタイプの異なる2種類のベッドを導入した。利用者の状態に応じてベッドを使い分け、安全・快適な睡眠環境を提供している。
利用者調査結果
調査概要
- 調査対象:施設と協議して聞き取り可能な方12名を選定した。対象者の性別は、男1名、女11名。年齢は75歳以上80歳未満が1名、80歳以上85歳未満が2名、85歳以上90歳未満が5名、90歳以上が4名。要介護度は、3が6名、4が5名、5が1名であった。
- 調査方法:聞き取り方式
対面で聞き取り調査を実施した。感染症対策として、3名の評価者が面接室などに分かれ、マスクを着用して行った。実施に当たっては、利用者が緊張しないよう分かり易く丁寧に質問することを心掛けた。 - 有効回答者数/利用者総数:12/132(回答率 9.1% )
施設に対する総合的な感想は、「大変満足」が2名・「満足」が8名・「どちらともいえない」が2名で、83%の方が満足と評価された。項目別に見ると、12名全員が「はい」と答えた設問は、「問3.施設の.生活はくつろげるか」・「問7.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか」・「問9.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか」・「問10.利用者のプライバシーは守られているか」の4問であった。次に11名が「はい」と答えた設問は、「問1食事の献立や食事介助など食事に満足しているか」・「問3.施設の生活はくつろげるか」・「問5.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか」・「問6.職員の接遇・態度は適切か」・「問8.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか」の5門であった。「いいえ」の回答があった設問は5問で、そのうち一番多かったものは、「問14..外部の苦情窓口にも相談できることを伝えられているか」であった。
アンケート結果
1.食事の献立や食事介助など食事に満足しているか
・食事は全部美味しい(3人) ・ここの食事は手間をかけているので美味しい ・野菜の煮物が好き ・けんちん汁のような汁ものが特に美味しい ・味付けがちょうど良い ・好きな物はあまり出ないけど、美味しい ・不味いものは無いので、注文をつけないようにしている ・量が多い時は残している ・メニューは煮魚が多いが、揚げ物も食べたいと思う ・お茶が足りない時があるが自分から言いづらいので声をかけてもらうと嬉しい
2.日常生活で必要な介助を受けているか
・必要なことは手伝ってくれる(3人) ・大体は自分で出来る(3人) ・職員さんは大変だと思うがよく面倒をみてもらっている
3.施設の生活はくつろげるか
・皆でTVを観ていることが多い(2人) ・皆なで歌を唄ったり体操をしたりしている ・自室で自分の好きなTV番組を観ている ・温泉に入るのが好きだったので、入浴が楽しみ ・テレビドラマを観るのが好き ・自分で車いすに乗って外へ出ることがある ・漫才は明るいので好き ・特に趣味はない ・趣味の水墨画を描いたりすることは出来ない ・だるくて寝ていたい時もあるが、我慢して動くようにしている ・楽しく暮らしている ・たまには外に出たいし、家にも帰りたい
4.職員は日常的に、健康状態を気にかけているか
・職員に元気な姿を見せるようにしている ・看護婦さんたちが良くしてくれる ・大丈夫かと聞かれたことがある ・自分が元気だからか、特に聞いてはくれない ・車いすではなく、杖で歩く練習をさせてもらってとても嬉しい
5.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか
・どの部屋もキレイにしてくれている ・毎日モップをかけてくれている ・部屋は自分で掃除している(2人)
6.職員の接遇・態度は適切か
・職員には感心している。嫌な人はいない。 ・人によるところもある(2人)
7.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか
(コメントなし)
8.利用者同士のトラブルに関する対応は信頼できるか
・ケンカやいじめはないと思う(2人) ・忘れてしまったので分からない
9.利用者の気持ちを尊重した対応がされているか
・気持ちを大切にしてくれると思えるから、ここに居られる ・待つこともあるが、ちゃんと対応してくれる ・各々の利用者の理解力に合わせて話してくれる ・いつも気遣ってくれて、嫌な顔もせず手伝ってくれる
10.利用者のプライバシーは守られているか
(コメントなし)
11.個別の計画作成時に、利用者や家族の状況や要望を聞かれているか
(コメントなし)
12.サービス内容や計画に関する職員の説明はわかりやすいか
・今日の予定ならば、毎朝職員から聞いて確認している ・質問すれば説明してくれる(2件) ・説明を聞いても忘れやすい
13.利用者の不満や要望は対応されているか
・相談できる環境があると思う ・要望を言えば聞いてくれると思う(2件) ・要望があれは家族に話す ・我慢して自分からは言わない ・着替える洋服を自分の好みで選べるとよいと思う ・車いすではなく、杖で歩く練習をさせてもらってとても嬉しい
14.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか
・施設の職員以外にも相談できることを契約時に聞いた
組織マネジメント分析結果
◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合は
で、実施できていない場合は
で表しています。
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
- 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
- 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
- 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
- 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
利用者・家族の要望、職員の意見、地域の福祉ニーズの把握に努めている
利用者・家族の意向や要望は、ケアプランの作成や見直しのときに把握している。コロナによって制限されていた利用者との面会や行事の際の施設訪問も復活しつつあるので、そのような機会をとらえて把握している。職員の意向は、各種会議等のほかに、施設長による職員との積極的なコミュニケーションの機会、人事考課時の面談によって把握するようと努めている。市内の特別養護老人ホーム3施設による合同研修や防災研修を通して、地域の福祉の現状について意見交換しニーズ把握を行っている。行政の担当者とは、連絡会等を通して情報交換を行っている。
計画や目標の進捗・達成状況を踏まえて、問題点や課題を明確にしている
施設としての重点目標や運営基本計画、これらを踏まえて部門ごとの計画が立案されている。テーマごとに設置されている10ある委員会では、それぞれの実施計画を策定し、7つのユニットでは、毎月の行事計画と予算を決めている。数値目標としては、居室の稼働率、予算に対する収支差額が設定されている。計画や目標の進捗や達成状況は、運営会議や連絡調整会議で確認し、それを踏まえて問題点や課題を抽出して、それぞれの部署のミーティングや委員会で対応策を検討している。予算は半期決算であり、状況に応じて補正予算を組んでいる。
達成度合いを数値で明確に捉えられる目標を増やしていくことが期待される
5年単位の長期計画、3年単位の中期計画を踏まえて、年度ごとの単年度計画が策定されており、中長期の環境変化の分析と予測のもとに策定された計画に基づいた施設運営が行われている。目標の達成度合いを測る指標として、居室の稼働率、予算、研究会実施回数等は数値化されている。他に数値化できる指標はないかを洗い出し、達成度合いを数値で捉えることが期待される。職員の目指すべき目標については、いつまでに、何を、どのように、どの程度達成するかについて、上司との面談で話し合っており、それをもとに人事考課を行っている。
1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
- 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
- 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
- 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
- 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
- 事業所の経営状況を把握・検討している
- 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
- 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
- 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
- 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
- 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
- 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
職員として守るべき法・規範・倫理等は、あらゆる機会を通して周知・徹底している
社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理を周知・徹底するために、コンプライアンスの遵守、個人情報の保護、高齢者虐待防止を職員研修で最優先事項として説明している。年度初めの施設長の全職員を対象にした研修においても、コンプライアンス遵守の重要性を強調している。これらのことは「サービス向上マニュアル」にも明記されており、マニュアルを全職員に配布し、必携することを義務付けている。施設の玄関、職員のロッカー室にも掲示して、いつでも目にすることができるようにしている。
苦情への対応、虐待防止、ハラスメント対策には積極的に取り組んでいる
利用者・家族からの苦情には、施設長が苦情解決責任者となっており、生活相談員が担当として対応している。重要事項説明書に苦情相談の第三者委員や区役所等にも相談できることを記載しており、契約の時に説明している。虐待防止については、各ユニットから1名ずつ参加して毎月行っている虐待防止・身体拘束廃止委員会で状況を把握し、組織として防止に取り組んでいる。また、「虐待の目チェックリスト」を用いて防止の徹底を図っている。利用者の気持ちを傷つける職員の言動を防止するために、職員を対象に「ハラスメント研修」を行っている。
中学生のボランティア受け入れや車イス体験を通して福祉の裾野を広げている
市内の高齢者福祉施設、行政、保健所、警察署などが参加している地域高齢者虐待防止協議会では、虐待のことだけでなく、高齢者が抱えている様々な課題が話し合われており、地域の具体的な福祉ニーズを知るための場となっている。施設は中学生の夏季ボランティアを受入れており、利用者の入浴後のドライヤーかけ、お茶出し、傾聴などをやってもらっている。車イス体験も継続して実施しており、地域で車イスを利用している人を見かけたら、笑顔で声を掛けるよう勧めている。このような活動を通して、福祉を理解する人の裾野を広げる運動を展開している。
1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
- 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
- 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
- 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
- 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
- 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
- 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
- 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
- ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
- 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
- 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
- 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
防災訓練とともに、感染症と災害対応を重点目標に掲げて取り組みと検証を行った
防災訓練は、屋内散水栓と模擬消火器による初期消火訓練、火災発生時の防災監視盤の操作方法や119番の通報訓練を行った。市内の3つの特別養護老人ホームと合同で「災害想定ゲームKIZUKI」を使用した訓練を行うとともに、この取り組みについて、「アクティブ福祉in東京23」で発表した。令和5年度の重点目標として「コロナの感染拡大防止」と「各種災害時リスク予防」を掲げて取り組み検証を行ってきた。これを踏まえて、今後感染症分野の「事業継続計画(BCP)」の「策定」「検証」「訓練」を行っていくことにしている。
ヒヤリハットの段階の小さな気づきでも記録に残して事故防止に努めている
「事故発生防止のための指針」に基づいて、防止のための体制整備や具体的方策の推進を行っている。転倒・怪我の防止のために、居室にはセンサーマットや緩衝マットを導入している。事故に至らないヒヤリハットは、小さな気づきでも記録に残して発生した曜日・時刻・場所・発生時行為・リスク別に集計し、介護事故防止委員会で対応策を検討して職員に周知・徹底を図っている。緊急性のある事故が発生したときには、緊急対策会議を行って、対応策とともに、原因分析・再発防止策について検討している。
個人情報の保護や情報の漏洩防止に細心の注意を払うよう職員に徹底している
個人情報については、「個人情報保護方針」を策定し、これに基づいて保護・管理を行っている。職員には個人情報の守秘義務を就業規則で定め、入職時に誓約書の提出を義務づけている。利用者・家族には入居契約時に重要事項説明書で個人情報の利用目的や利用範囲等について説明し同意を得ている。情報漏洩を防止するため、PCにはパスワードを設定して関係者以外からのアクセスを制限しており、書面の資料等は鍵の付いたキャビネットや金庫での保管を徹底している。
1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
- 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
- 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
- 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
- リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
- 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
- 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
- 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
- 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
- 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
働きやすい職場を目指した勤務体制やストレス対応等を行っている。
平成26年より、16時間夜勤体制から8時間夜勤体制に移行した。夜勤は月に4~5回あるが、長時間夜勤が解消したので、心身ともに負担が軽減されたと喜んでいる職員が多い。勤務日や時間については、働きやすい職場を目指して職員の意向を尊重したシフトを組むようにしている。日々の業務を通して気付いた問題や改善点は、ミーティングや研究会の場で討議して今後のサービス提供に活かすようにしており、職員のモチベーションアップに繋がっている。職員のストレスの把握については、外部機関に委託し、シートを使ってチェックしている。
研修受講の報告書、PCでの閲覧、発表の場を通して内容の共有化を行っている
新たに入職した職員には、研修とOJTによる教育を行っており、身に付けるべき知識・スキルをリストでチェックし、不十分な点は再教育して徹底を図っている。職員研修として、施設内研修、法人内研修、外部研修があり、職務や階層に応じて受講している。外部研修への参加者には研修報告書の提出を義務付けており、全職員が研修内容を共有できるよう、PCで閲覧できるようにしている。外部研修の内容が事業所全体のスキルアップに繋がる重要なものについては、受講した職員による発表の場を設けている。
個々の職員のキャリアアップとともに円滑で効率的な施設運営に努めている
年に2回の人事考課面談を通して、職員は上司と仕事上の悩みや目指したい目標などについて話し合っており、人材配置の適材適所や職員一人ひとりのキャリアアップにつながるよう努めている。PCにアップされている毎日の「職員状況一覧表」は、その日の行事や会議、各ユニットの予定や担当の職員などがひと目で分かり、円滑で効率的な施設運営に役立っている。働きやすい職場づくりにより、離職率が低く安定した職員数を維持しているが、よりきめ細かなサービスを提供するため、必要な職員数を確保する努力を継続していく必要がある。
1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
- 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
- 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
- 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
- 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
- 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
- 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
- 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
- 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
- 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
- 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
- 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
- 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
- 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
- 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
【課題・目標】
令和5年5月から新型コロナの感染症法上の位置付けが5類に移行した。終息しつつあるかに見えたコロナの感染が再び増え始めた。利用者が安心・安全に過ごすことができる施設、職員も安心して働くことができる職場を目指し、コロナの感染拡大を防ぐために全職員が一丸となって取り組んでいく。
【取り組み】
施設内に陽性者を出さないよう、保健所の指導を仰ぎ、職員のワクチン接種はもとより、出勤時の検温・マスク着用・うがい・手指の消毒、部屋の換気を励行し、施設内に持ち込まないことを最優先にした。職員のPCR検査や抗原検査を随時実施した。利用者や職員に陽性者が出た場合は、家族との面会制限、職員の勤務変更、更衣室やユニットのゾーニング、フェイスガードの設置を行った。
【取り組みの結果】
8月と9月に、利用者、利用者家族、職員にコロナの感染者が出た。ユニット閉鎖、ゾーニングを行った結果、感染は終息した。しかし、冬場になると、インフルエンザやノロウィルスによる感染性胃腸炎が発生し、利用者と職員に感染者が出た。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
【課題・目標】
近年、各地で過去に例を見ないような集中豪雨が多発しており、多摩川沿いにある当施設は、水害への対応は急務である。また、大地震の発生確率も高まっており、「いざ」という時に備えて各種災害時のリスク予防対策を目標として掲げた。
【取り組み】
災害時相互応援協定を締結している市内の特別養護老人ホームと合同で、「災害想定ゲームKIZUKI」を使用した訓練を実施した。東京都防災展や防災国体への出展や熊本地震及び水害の被災地視察研修に参加した。町内会主催の防災訓練にも参加した。
【取り組みの反映】
他の施設や町内会の訓練への参加を通して、職員の間に災害に備える意識が高くなった。熊本の被災地視察研修を踏まえ、水害を想定した2階の利用者を3階に避難させる垂直避難訓練の実施を計画するとともに、新たなマニュアルの作成を行うこととした。
2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)
【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】
【課題・目標】
近年、各地で過去に例を見ないような集中豪雨が多発しており、多摩川沿いにある当施設は、水害への対応は急務である。また、大地震の発生確率も高まっており、「いざ」という時に備えて各種災害時のリスク予防対策を目標として掲げた。
【取り組み】
災害時相互応援協定を締結している市内の特別養護老人ホームと合同で、「災害想定ゲームKIZUKI」を使用した訓練を実施した。東京都防災展や防災国体への出展や熊本地震及び水害の被災地視察研修に参加した。町内会主催の防災訓練にも参加した。
【取り組みの結果】
他の施設や町内会の訓練への参加を通して、職員の間に災害に備える意識が高くなった。熊本の被災地視察研修を踏まえ、水害を想定した2階の利用者を3階に避難させる垂直避難訓練の実施を計画するとともに、新たなマニュアルの作成を行うこととした。
【評語】
| 目標の設定と取り組み | 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った |
|---|---|
| 取り組みの検証 | 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った |
| 検証結果の反映 | 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた |
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している
【目標設定と取り組み】
地球温暖化が一因だと言われている集中豪雨によって、各地で水害が多発しており、多摩川沿いに立地している施設として水害への対応は重要かつ緊急な課題である。利用者及び職員の安全を図るため、各種災害時のリスク予防対策を目標として掲げたことは極めて適宜・適切な対応だと評価できる。
【取り組みの検証】
市内の施設との合同訓練、町内会の訓練への参加とともに、介護課の職員2名が熊本の被災地視察研修に参加して、実際に被災した現場で情報収集や交流を行ったことは、施設の防災を考える上で大きな収穫となったと思われる。また、災害の避難時に大きな役割を担う職員の意識付けに繋がったことも評価できる。
【検証結果の反映】
訓練参加や視察研修を受けて、水害時の2階から3階への垂直避難訓練、災害に対応するための新たなマニュアルの作成が検討されている。災害はいつ発生するか予測することは困難である。一刻も早く避難訓練やマニュアル作成を行って、災害への対応を図ることを期待したい。
サービス分析結果
【講評】
園のホームページ(HP)では施設の外観や内部を詳細に説明している
HPや季刊誌のほか、西多摩特養ガイドなどで施設紹介を行っている。HPのトップページには「園の紹介」・「採用情報」・「見学・利用申込み・お問い合わせ」の項目があり、それぞれに詳しい内容を載せている。「最新情報」のページでは、利用者との面会に関する情報のほか、実施した書道などのクラブ活動や餅つき大会など各種のイベントの様子を写真付きで紹介している。「事業所情報」のページでは園の外観のほか、居室・リビング・浴槽などの内部の設備や様子も写真で紹介し、居住空間が容易に把握できるようにしている。
写真を多用した季刊誌で園の行事や利用者の生活の様子などを分かりやすく説明している
季刊誌「羽村園だより」を発行し、四季折々の園の行事や利用者の生活の様子をカラー写真で紹介している。第一面の上段には季節の行事に参加した利用者の集合写真を載せ、下段には各部門の責任者が交替しながらその季節に合ったコメントを載せている。紙面は全6ページ仕立てとなっており、写真を多用して最近の行事の様子などを伝えている。最終ページでは顔写真とコメントで新入職員を紹介し、園に足を運ぶことが難しい家族にも分かりやす人事異動を説明している。季刊誌は、主として利用者家族と施設関係者(機関)に配付している。
施設見学の希望には、生活相談員が土・日曜日も含めて対応している
生活相談員がローテーション勤務を行っているため、入居の問合せや見学の希望があった場合は、日曜や祝祭日であっても希望に合わせて対応している。実際に来園した際は、生活相談員が資料を渡して調理場を除く園内を案内するとともに、園の運営方針やケアの内容、入居までの流れ、生活や費用について説明をしている。電話相談についても相談者の課題を的確に把握し、具体的なアドバイスや提案を行っている。園での生活が困難と思われる事例には他の福祉施設や医療機関を紹介するなど、利用者・家族の希望に沿ったサービス情報を伝えている。
1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
- 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
- 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
- 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
- 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
事前面接で入居希望者などの状況を把握し、入居時の契約書類で園の運営を説明している
生活相談員の事前面接などをもとに「入所判定委員会」を開催し、入居の可否を検討して入居決定を行っている。事前面接で入居希望者の心身の状態・生活習慣・趣味のほか入居後の希望などを聞いている。また、園の生活の様子・生活上のきまり・利用料金等について説明している。入居当日には、重要事項説明書・契約書・利用料金表などを基に、再度園の運営や費用などを説明し了解を得ている。その後、介護支援専門員(ケアマネジャー)が施設サービス計画書(ケアプラン)を作成し、その内容を利用者・家族に説明し、同意の署名・押印をもらっている。
入居後1週間は、多職種が積極的に声をかけるなどして入居時の不安を軽減している
入居時から適切なサービスが受けられるよう、生活相談員は事前に家庭や入院先の病院などを訪問し、本人・家族や関係者から健康状態や生活状況、入居後の意向などを聞き取っている。アセスメント表に聞き取った情報を記載し、関係部門に配付してケアプランの作成につなげている。入居時の不安を軽減するため、入居から1週間を要観察期間とし、居室担当の介護職員をはじめ多職種が積極的に声をかけて入居者の不安の解消に努めるとともに、日々の心身の状態を記録している。在宅からの入居には、初めにショートステイを利用するよう勧めている。
入院などでサービスを終了する際は、転出先に情報を伝え利用者の不安軽減に努めている
在宅復帰、医療機関へ入院等で退居が必要となった方は、関係機関や転出先の施設などと相談し、利用者・家族の承諾を基に必要な情報を提供し、利用者・家族の不安の軽減や支援の継続性に配慮している。看取り介護については、入居時に看取り介護の方針や対応状況などを説明し、その後看取り介護の意向確認に関する書類をもらって終末期に対する不安の軽減を図っている。医師を含む関係職員が看取り対応の時期になったと判断した場合は、医師から家族に状況を説明して再度看取りケアの意向を文書で確認し、家族が安心できる看取りケアを実施している。
1.サービスの開始にあたり利用者等に説明し、同意を得ている
- サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を利用者の状況に応じて説明している
- サービス内容や利用者負担金等について、利用者の同意を得るようにしている
- サービスに関する説明の際に、利用者や家族等の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
- サービス開始時に、利用者の支援に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
- 利用開始直後には、利用者の不安やストレスが軽減されるように支援を行っている
- サービスの終了時には、利用者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
利用者の希望や意向を書面で確認しながらケアプランを作成し6か月ごとに見直している
利用者ごとにアセスメントを行い、生活に望むことなどを利用者・家族に確認してケアプランを作成している。作成したケアプランを対面で家族に説明するようにしており、説明希望の有無や説明の日時などを聞いている。ケアプランは原則として6か月ごとに見直すほか、入院した場合にケアの内容に変更がない場合には退院後にアセスメントを行い必要に応じて見直している。また、介護保険の更新や区分変更があった時も適宜見直すとともに、早急に支援内容を見直す必要がある場合は適宜ケアプラン会議を開き、ケアプランの内容を検討し見直している。
ケアプランに長期・短期目標を設定し、職員が情報を共有して支援の統一を図っている
新規入居ではケアプラン会議を開催して当初のケアプランを作成し、その後利用者の状態を見ながら概ね1か月後に当初プランを見直している。ケアプラン会議はケアマネジャーが主催し、介護職員や看護職員、管理栄養士やリハビリなどの関係職員が一同に会してケアプランの原案を基に意見交換し、ケアマネジャーが計画を決定している。利用者ごとに異なる課題を抽出してその解決を図るようケアプランに長期・短期目標を設定しており、このケアプランの内容や支援内容を関係職員が共有して支援の統一を図っている。
介護ソフトに利用者の状態変化や支援内容などを入力し、情報共有を図っている
各部門にPCを設置し、具体的な支援の内容や利用者の変化等、日々の生活の記録を介護記録ソフトで随時入力し、情報を共有している。介護、看護、栄養、リハビリなどの業務記録をリアルタイムで確認することができるため、これらの情報を利用者の支援に活用している。重要な情報はPCの掲示板などで職員に周知し、適切な対応を行っている。職員間の引継ぎも、個々の利用者の情報をPCの画面で見ながら行っており、朝礼、フロアミーティング、申し送りや引継ぎなど多くの機会を捉えて職員間で情報を共有している。
1.定められた手順に従ってアセスメントを行い、利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している
- 利用者の心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し、把握している
- 利用者一人ひとりのニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
- アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.利用者等の希望と関係者の意見を取り入れた個別の施設サービス計画を作成している
- 計画は、利用者の希望を尊重して作成、見直しをしている
- 計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
- 計画を緊急に変更する場合のしくみを整備している
3.利用者に関する記録が行われ、管理体制を確立している
- 利用者一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
- 計画に沿った具体的な支援内容と、その結果利用者の状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している
- 計画の内容や個人の記録を、支援を担当する職員すべてが共有し、活用している
- 申し送り・引継ぎ等により、利用者に変化があった場合の情報を職員間で共有化している
1.施設サービス計画に基づいて自立生活が営めるよう支援を行っている
- 施設サービス計画に基づいて支援を行っている
- 利用者の意向や状態に応じて、生活の継続性を踏まえた支援を行っている
- 介護支援専門員を中心に、介護、看護、リハビリ、栄養管理等の職員が連携して利用者の支援を行っている
【講評】
ケアプランに沿って適切な支援を行うため、ユニット会議等の場を活用している
施設では、ケアプランに基づき介護・看護・生活相談・リハビリ・栄養管理などの各職種が連携して利用者の支援を行っている。サービス内容について検討したいことがあればユニット会議で話し合い、利用者の状態に合わせてきめ細かく対応するようにしている。ケアプランが利用者の心身の状態に合っているか、プランの内容に沿って適切な支援が行われているかなどについて利用者の経過記録を毎月確認するとともに、半年ごとに多職種で計画の見直しを行っている。
利用者一人ひとりの意向や生活の継続性をふまえて個々に支援を行っている
利用者の意向や生活の継続性をふまえた支援が行えるよう、入居時を含めカンファレンスで心身の状態だけでなく一人ひとりの意向や生活習慣について確認している。利用者本人の気持ちに寄り添いつつ個々のニーズを叶えることを重視し、学生時代の呼び名で話しかけたり髭を伸ばしたい・ティッシュをふんだんに使いたいなどのこだわりをなるべく尊重することをケアプランに反映させている。施設では利用者がその人らしく暮らせるよう、生活習慣を継続するための工夫をしながら支援している。
介護支援ソフトで利用者情報を共有し、多職種が連携して日々の生活を支援している
ケアプランに基づいて利用者の支援が行えるよう、介護支援ソフトを活用して職員間で利用者情報を共有している。関係者は誰でもケアプランをはじめユニットノート、ケース記録等をPCで閲覧でき、いつでも必要な情報を確認できる体制が整っている。ケース記録にケアプランの経過等を記録するとともに、申し送りや引継ぎ事項などについても職員間で情報を共有しながら多職種が連携して利用者の支援を行っている。
2.食事の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
- 利用者の状態に応じた食事提供や介助を行っている
- 利用者の栄養状態を把握し、低栄養状態を改善するよう支援を行っている
- 嚥下能力等が低下した利用者に対して、多職種が連携し、経口での食事摂取が継続できるよう支援を行っている
【講評】
ユニットごとに利用者一人ひとりの状態や体調に応じた食事を提供している
利用者の食事は、咀嚼や嚥下の状態だけでなくその日の体調や義歯の状況によっても変わるため、一人ひとりの状態を把握して常食・きざみ食・ソフト食・ペースト食等利用者に合う食形態で食事を提供している。ご飯を炊いたり汁物を温めたりするなど調理の一部をユニットごとに行うメリットを生かし、急な体調不良等が生じた際も迅速に食形態を変更できる体制を整えている。また、食事の摂取状況等に合わせて利用者の食事内容を変更する場合は、1週間のお試し期間を設けて管理栄養士と介護職員が確認・検討を行いきめ細かく丁寧に対応している。
管理栄養士・介護職員・看護師が情報交換を行い低栄養状態の改善に向けて支援している
昼食時に管理栄養士が各ユニットの食堂を巡回して利用者の食事摂取の状況を確認し、介護職員や看護師と情報交換を行いながら必要に応じて随時対応している。利用者それぞれの食物や調理方法の好き嫌いを把握し、低栄養状態の予防・改善に向けて食べやすい食事の提供に取り組んでいる。食材の嗜好だけでなく濃い味の味噌汁が苦手な方は薄めたり、固い物を残すようなら柔らかくしたり、家庭に近い個別対応を行っている。また、低栄養状態の利用者については原因を把握することで改善に努めている。
歯科医と連携して咀嚼や嚥下の状態を確認し、経口での食事摂取の継続を支援している
利用者ができる限り経口による食事摂取を継続できるよう、歯科医・歯科衛生士・看護師・介護職員・管理栄養士・厨房担当等の多職種が連携して支援を行っている。食事をしやすい姿勢を保つためのテーブルや車イスの高さ、食事介助の方法等に注意するとともに、噛む力を維持するために口腔体操や口腔マッサージを取り入れている。また、管理栄養士や看護師が食事時間にミールラウンドを行って利用者の食事摂取や咀嚼・嚥下の状況を確認し、飲み込みが困難な様子があれば歯科医の嚥下評価につないで適切に対応している。
3.利用者が食事を楽しむための工夫をしている
- 利用者の嗜好を反映した食事を選択できる機会がある
- 食事時間は利用者の希望に応じて、一定の時間内で延長やずらすことができる
- テーブルや席は、利用者の希望に応じて、一定の範囲内で選択できる
- 配膳は、利用者の着席に合わせて行っている
【講評】
利用者一人ひとりがおいしいと感じながら食事を楽しむことができるよう工夫している
桜まつりや敬老会など季節の行事に因んで特別食を提供するほか、ユニットごとに工夫して流しそうめん・たこ焼き・焼きいも・すいとん等を楽しむ日を設けている。朝食についてはご飯またはパンを選択でき、おかゆの日だけパンにするなど利用者の嗜好に合わせた柔軟な選択も可能としている。また、利用者が家庭的な雰囲気の中で食事を楽しむことができるよう、ユニット単位でご飯を炊いたり味噌汁やスープを温めて配膳している。献立に利用者の苦手な食べ物があるときは、食材や調理方法を変えて代替食を提供している。
席の配置や食事内容等についてなるべく利用者の要望を取り入れるよう配慮している
利用者が楽しく食事時間を過ごせるよう、テーブルや席の配置などに利用者の要望をなるべく取り入れるなど食事環境に気を配っている。テーブルや席の配置だけでなく、納豆・鮭フレーク・らっきょう・ビール等個別の持ち込みを一定の範囲内で認め、小鉢に盛り付けて自然な形で配膳するなど自由な雰囲気で食事を楽しめる雰囲気づくりに努めている。こうした施設の取り組みにより、令和6年度の第三者評価の利用者調査では「食事の献立や食事内容」が多くの利用者から高く評価されていた。
食事時間は個々の利用者の希望に合わせて時間をずらすことを可能としている
食事の時間は、衛生面を考慮したうえで利用者の要望を取り入れて2時間程度までなら時間をずらすことを可能としている。個々の利用者の食欲や体調に合わせて早めに配膳したり食事をいったん取り置くなどの対応を行っており、遅れて席に着くような場合は保管していた食事を温め直し着席に合わせて温かい食事を提供している。また、利用者は基本的にはユニットごとの食堂で食卓を囲んで食事をするが、本人の希望や状態に応じて居室に配膳することもある。
4.入浴の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
- 利用者の意向や状態を把握して、できるだけ自立性の高い入浴形態(個浴、一般浴等)を導入している
- 入浴の誘導や介助は、利用者の羞恥心に配慮して行っている
- 認知症の利用者に対し、個別の誘導方法を実施している
- 利用者が入浴を楽しめる工夫をしている
【講評】
利用者の状態や意向を把握し、安全面を考慮したうえで適切な入浴形態を導入している
利用者の状態や体調をふまえ、適切な入浴形態(一般個浴・機械個浴・特殊機械浴)を導入している。過半数の入居者が利用している一般個浴と機械個浴については、脱衣・入浴・着衣を介助動作ごとの流れ作業とせず、一貫してマンツーマンで丁寧に対応している。入浴後の着替えも職員が勝手に選ぶのではなく、利用者と一緒に季節を考えながら会話を交えて衣類を選定するようにしている。また、職員の対応が可能であれば利用者の希望する時間帯に入浴できるように調整している。
利用者の羞恥心に配慮するとともに、認知症の方へは丁寧な個別対応を行っている
入浴の誘導・介助を行う際は、利用者の気持ちを尊重して羞恥心に配慮している。具体的には、同性による介助を希望している利用者については同性介助が行えるよう入浴時間を調整したり、衣類の着脱時に肌の露出を避けるため大判のタオルを用意してカバーするなどの対応を行っている。また、認知症で入浴に強い拒否があるような場合はその日の本人の状態をよく把握したうえで、無理強いせず担当職員を変更するなどして様子をみながら落ち着いた環境で入浴できるよう工夫している。
入浴が利用者にとって楽しい時間となるよう趣向浴を取り入れる等の工夫をしている
利用者に日本の四季を感じてもらえるよう、春の菖蒲湯や冬のゆず湯等の趣向浴、入浴剤の使用等を行っている。また、自分の好みの石けんやシャンプーがある方については家族に協力を頼んで用意してもらい、香りや泡立ちを楽しんでもらっている。一般個浴と機械個浴では、利用者が清潔な浴槽に気持ち良く浸かれるよう一人ずつお湯を入れ替えている。入浴支援にあたっては、入浴が保清だけでなく水圧作用や温熱効果により利用者のストレス解消やくつろぎのひと時となるよう工夫している。
5.排泄の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
- 利用者の意向や状態に応じ、自然な排泄を促すよう支援を行っている
- 排泄の誘導や介助は、利用者の羞恥心に配慮して行っている
- 研修等によりオムツ交換、トイレ誘導等の排泄介助方法の向上に取り組んでいる
- トイレ(ポータブルトイレを含む)は衛生面や臭いに配慮し、清潔にしている
【講評】
利用者の状態や意向を確認し、なるべくトイレを使用した排泄の誘導・介助を行っている
施設では、できる限りトイレを使用した排泄を基本としている。そのため、利用者の排泄時間や回数、量などのケース記録をこまめにつけて、排泄パターンの把握に努めている。また、失禁や排泄の失敗があっても利用者を責めることなく、強制によらず本人の希望時にトイレを使用できるよう職員が介助を行っている。排泄の訴えがあった時は利用者を待たせないようなるべく迅速に対応したり、臭気がこもらないよう居室の換気に配慮したりしている。
排泄の誘導・介助を行う際は、マニュアルに沿って利用者の羞恥心に配慮している
「サービス向上対応マニュアル」に利用者の羞恥心に配慮するなど排泄時の基本的対応を記載し、職員に周知を図っている。排泄の誘導や介助を行う際は大声を出さず耳元で伝えたり、カーテンを閉めてプライバシーを保護している。また、排泄物の量を「1・2・3」の数字にするなど施設独自の用語を使用したり、おむつ交換や排泄後の処理を行う際に台車を使わず袋とじのバッグににまとめたり、他の利用者に排泄支援が分からないよう工夫している。
トイレ清掃を毎日行い、清潔で快適なトイレ環境の整備に努めている
トイレの清掃を毎日行うとともにポータブルトイレに消臭剤を設置したり、定期的にトイレの漂白・洗浄を行ったりして清潔で快適なトイレ環境を整えている。おむつ交換を行う際は手袋を着用し、利用者ごとに消毒を徹底して衛生管理に努めている。職員が排泄介助を丁寧かつ手早く行えるよう、年に10回程度職員向けの研修を実施して介護技術のスキルアップに取り組んでいる。
6.移動の支援は、利用者の状態や意思を反映して行っている
- 利用者の状態や意向に応じ、できるだけ自力で移動できるよう支援を行っている
- ベッド移乗、車イスの操作など移動のための介助が安全に行われている
- 利用者が快適に使用できるよう車イス等の環境整備が行われている
【講評】
機能訓練指導員と介護職員が連携し、自立を目標とした移動支援を行っている
日常的に介護支援ソフトを活用して利用者の意向・状態・移動の様子等を記録し、職員間で情報を共有しながら自立を目標とした移動支援に取り組んでいる。利用者の移動方法については機能訓練指導員と介護職員が連携し、杖・歩行器・シルバーカー等の歩行補助具や各種車イスの使用など一人ひとりの意向や状態をふまえ適切な方法を決定している。また、利用者の残存機能を活かして下肢筋力の維持・向上を図るため、サークル型歩行器等を使用して歩行訓練を行っている。
移乗や移動の際に利用者がケガや事故に遭うことのないよう配慮している
高齢者の皮膚は薄く傷つきやすいため、利用者が安全にベッドや車イスの移乗・移動が行えるよう配慮している。一人ひとりの身体状況や体型、姿勢に合う車イスを使用し、座位を保持するために適宜クッションを用いるなどの個別対応を行っている。必要に応じて移乗の際にタオルを用意したり、ケガを防ぐためにマットを敷いたりして利用者がケガや事故に遭うことのないよう工夫している。また、利用者の状態に合わせて拘縮がある場合などは二人体制で無理のない介助を行うようにしている。
利用者に車イス等を快適に使用してもらうため、福祉用具のメンテナンスを行っている
利用者が車イス等の福祉用具を使用して安全・快適に移動できるよう、定期的にメンテナンスを行っている。食べこぼしなどによる車イスの汚れについてはその都度拭き取るなど、利用者が常に気持ちよく福祉用具を使用できるようにしている。また、福祉用具のコンディションを良好に保つよう、破損や汚損の有無・ブレーキの効き具合・タイヤの空気圧などについても確認している。介護職員だけでなくリハビリ職員も含め定期的に福祉用具の点検を行い、利用者の移動を支援するための環境整備に努めている。
7.利用者の身体機能など状況に応じた機能訓練等を行っている
- 利用者一人ひとりに応じた機能訓練プログラムを作成し、評価・見直しをしている
- 機能訓練のプログラムに日常生活の場でいかすことができる視点を入れている
- 機能訓練指導員と介護職員等の協力のもと、日常生活の中でも機能訓練を実施している
- 福祉用具は、定期的に使用状況の確認をし、必要に応じて対処をしている
【講評】
利用者の状態や意向に沿った機能訓練が行えるよう、多職種連携で取り組んでいる
機能訓練指導員・介護職員・看護師等の多職種の職員が連携して一人ひとりの状態に応じた個別機能訓練計画を作成し、3カ月ごとに評価・見直しを行っている。身体の状態に変化があった場合はその都度計画を見直し、利用者のリハビリ意欲を高めるよう丁寧に説明している。また、面会等の機会をとらえて家族に利用者の状態や機能訓練の様子を詳しく伝え、情報共有と相互理解を図っている。リハビリによる疼痛緩和をめざし、利用者が意欲的に生活できるよう支援を行っている。
日常生活の様々な場面で工夫しながら利用者の身体機能の維持・向上を図っている
個々の利用者の残存機能を見極め、生活の質の向上につながるよう日常の様々な場面にリハビリを取り入れている。廊下の端に富士山の絵を貼り、利用者が目標を立てて歩行器や車イスを使って登山気分を楽しみながらリハビリに取り組めるよう工夫している。また、人気の高いリハビリ室についてはユニットごとに使用する曜日を決めるなど、利用方法を改善したことで全員が利用しやすくなった。リハビリ室で機能訓練を行うのが難しい利用者には、機能訓練指導員が居室を回って個別にリハビリを行っている。
機能訓練が安全に行えるよう、福祉用具やリハビリ機器等の点検・整備に努めている
車イスや歩行補助具等の定期点検・清掃を行うとともに、、リハビリ機器の消毒と点検・整備に努めている。特に、利用者が常に使用する身近な福祉用具については安全・快適に使用できるよう毎日確認し、必要があれば調整・修理等迅速に対応している。機能訓練は安全を第一とし、リスクを伴う訓練や個別対応が必要な場合についてはマンツーマンでリハビリを行うようにしている。
8.利用者の健康を維持するための支援を行っている
- 利用者の状態に応じた健康管理や支援を行っている
- 服薬管理は誤りがないようチェック体制の強化などしくみを整えている
- 利用者の状態に応じ、口腔ケアを行っている
- 利用者の体調変化時(発作等の急変を含む)に、看護師や医療機関と速やかに連絡が取れる体制を整えている
- 終末期の対応をすでに行っているか、行うための準備が行われている
【講評】
食事・入浴等様々な場面で利用者の状態を観察し、健康のための支援を行っている
高齢者施設の特徴として、利用者の多くに内科系・皮膚系等複数の疾病がみられる。職員は、食事・入浴・排泄・リハビリなど生活の様々な場面で利用者の健康状態を観察し、必要な医療につなぐようにしている。看護師は各ユニットの介護職員・栄養士・生活相談員と連携して申し送り等で利用者の情報を共有し、居室を訪問して痰の吸引や褥瘡処置等の医務業務、医師への連絡を行っている。服薬については誤薬のないよう、マニュアルに沿って各利用者の名前入りケースに薬剤を小分けにしたうえで配薬・投薬するよう二重のチェック体制としている。
歯科医・歯科衛生士と連携し、利用者の状態に応じた口腔ケアを行っている
高齢者は唾液の分泌が減少するため口腔内に細菌が繁殖しやすくなっており、施設では虫歯や歯周病だけでなく誤嚥性肺炎や肺血漿を予防するために利用者の口腔ケアに力を入れている。歯科医の往診や歯科衛生士による口腔ケアを行うとともに、毎月1回、歯科医による職員向けの口腔ケア研修を実施し、日々の口腔ケアが利用者の状態に合わせて丁寧に行えるよう指導している。
利用者が安心して暮らせるよう、家族と相談しながら終末期の準備・対応を行っている
終末期の対応について、入居時に「急変時の意向調査書」で家族の意向を確認している。看護師は、緊急対応マニュアルに基づいて利用者の体調が急変した場合に対応できるよう、夜間のオンコール体制を整えている。令和5年度は、ターミナルケアへの職員理解を深めるための研修を、バイタルの基礎から看取りまでの経過について机上と実施に分けて3回実施した。今後もケアの質の更なる向上をめざし、ターミナルケアに関する研修や勉強会の開催を予定している。
9.利用者が日々快適に暮らせるよう支援を行っている
- 起床後、就寝前に更衣支援を行っている
- 起床後に洗顔や整髪等、利用者が身だしなみを整える際に支援を行っている
- 利用者が安定した睡眠をとることができるよう支援を行っている
【講評】
利用者の希望や状態に応じて起床後・就寝前の更衣支援を行っている
約4割の利用者が衣類の着替えを希望しているため、状態に合わせた更衣支援を行っている。午前10時まで勤務する遅番の介護職員が朝の着替えを手伝い、全員の靴下を毎日取り替えるようにしている。自分で着る衣服を選びたい利用者には好みの洋服を選んで着用してもらい、年2回衣類の展示販売会を開催して季節の洋服を選んで楽しむ機会を提供している。
毎日の洗顔や整髪、定期的な理美容等で利用者が身だしなみを整えるのを支援している
整容支援は、洗顔・整髪・髭剃り・目拭き等ができているのを確認することを基本として「気づき」を大切にしている。一人ひとりの状況を確認するとともに、髪の長い利用者の髪結いを手伝うなど一日のはじめに利用者の状態に合わせた整容支援を行っている。また、月1回の出張理容や美容室での髪染め・パーマを実施し、利用者が身だしなみを整えて快適に生活できるよう支援している。
用者が良質で安定した睡眠をとれるよう、くつろげる環境づくりに努めている
利用者がユニットケアのメリットを生かして安定した睡眠をとれるよう、家庭的な雰囲気の中で個々の生活リズムに沿った就寝支援に努めている。具体的には、遅番職員が対応することで夕食後もゆったり21時ごろまでリビングで過ごすことを可能としている。利用者の安眠を妨げないよう夜間は吸収性の高いおむつを利用したり、たき火の動画・ココア・毛布などでくつろげる環境づくりに取り組んでいる。
10.利用者の施設での生活が楽しくなるような取り組みを行っている
- 施設での生活は、他の利用者への迷惑や健康面に影響を及ぼさない範囲で、利用者の意思が尊重されている
- 利用者の意向を反映したレクリエーションを実施している
- 認知症の利用者が落ち着いて生活できるような支援を行っている
- 利用者の気持ちに沿った声かけや援助を行っている
【講評】
各ユニットで、利用者の意向を尊重した支援を行っている
各ユニットでは、家庭的な雰囲気の中で利用者がそれぞれの生活スタイルで過ごせるよう、主体性や自主性を尊重した支援を行っている。利用者が写真や思い出の品を居室に持ち込んだり、ルールの範囲内で喫煙・飲酒を楽しんだり、2階と3階に設置された図書コーナーで本や雑誌を読んだりして自由にのびのび暮らせる環境づくりに取り組んでいる。一人ひとりの嗜好や趣味、好きな話題等をユニットノートに記録し、職員間で情報共有を図っている。
認知症の利用者は、個性に合わせて馴染みやすいユニットに配置している
施設の2階と3階にすずらん・ゆり・すみれ・ふじ・さくら・つばき・ひまわり・たんぽぽなどのユニットがあり、ユニットごとに工夫しながら行事やレクリエーションを行っている。各ユニットにはそれぞれの雰囲気や特色があるため、認知症の方が入居する際は利用者が施設で落ち着いて過ごせるよう、一人ひとりの状態や個性に応じてどのユニットが最も馴染みやすいかを検討したうえで部屋の配置を決めるようにしている。
利用者一人ひとりの気持ちを考え、声かけ・言葉遣い・対応などに配慮している
個々の利用者の主体性・自主性を尊重し、声をかけるタイミングや言葉遣いに気を配るとともに、あいまいな対応をしないなど日々の生活全般に配慮している。利用者が好む話題や嫌いな会話内容を入居時に確認するなど、利用者の気持ちに沿った対応ができるよう家族等からの情報収集に努めている。また、利用者に対して臭い・汚い・遅い・面倒・邪魔などの言葉を禁句とするようマニュアルに記載して職員に徹底し、個人の人格や特徴を否定することがないようにしている。
11.地域との連携のもとに利用者の生活の幅を広げるための取り組みを行っている
- 定期的な散歩や外食、遠出など外出の機会を設けている
- 利用者が地域の一員として生活できるよう、地域住民が参加できるような行事など、日常的な関わりが持てる機会を設けている
- 地域の情報を収集し、利用者の状況に応じて提供している
【講評】
利用者が屋外で季節を感じることができるよう、散歩やドライブ等の機会を設けている
施設では、天気の良い日に近所の郷土博物館へ散歩に出かけるなど、利用者の外出支援に努めている。利用者に季節を感じてもらえるよう、ユニットごとに工夫して少し離れた場所の紅葉見学やチューリップ畑等へのドライブを実施している。また、心地良い風にあたりながら広々とした見晴らしの良い屋上を気軽に散策することもできる。各ユニットで様々な機会をとらえて利用者の外出を企画・実施するほか、家族との面会時間を利用して近隣の散策等で身近な自然を楽しんでもらっている。
ボランティア委員会の活動を再開し、ボランティアや実習生の受入れを行っている
地域のボランティアや実習生の受入れを進めるため、感染症の拡大予防で中止となっていたボランティア委員会の活動を再開した。中学生の職場体験を受け入れたり、小学生の年賀状に返事を書いたりすることが利用者の励みになっている。ボランティアを活用して華道クラブの講師を招くとともに、令和6年度にはドッグセラピーを取り入れて人と関係性を築くことができる訓練された犬との触れ合いを利用者に提供して感情や意欲を引き出している。コロナ禍以前のように、音楽や紙芝居等多彩な地域ボランティアによる活動が活発に行われることを期待したい。
他の施設と合同で防災訓練を実施するなど、地域と交流しながら貢献している
施設では他の特別養護老人ホームと合同で防災訓練を実施したり、外部機関が主催する防災国体や防災講演会に参加したりするほか、羽村市や他の介護事業所と行う協議会に出席するなど特に防災面で地域貢献・交流を図っている。今後は、市が行う介護予防体操などへの会場の提供や、地域と合同で開催するピアノコンサートの再開等が望まれる。また、利用者の家族に介護保険制度の動向等の情報をメール配信している。
12.施設と家族との交流・連携を図っている
- 利用者の日常の様子を定期的に家族に知らせている
- 家族や利用者の意向に応じて、家族と職員・利用者が交流できる機会を確保している
- 家族または家族会が施設運営に対し、要望を伝える機会を確保している
【講評】
6カ月ごとのケアプラン更新時に利用者の様子を詳しく伝え、家族の意向を確認している
ケアプランを見直す際は、家族に利用者の様子を詳しく説明して意向を確認している。現在はまだケアプラン会議への家族参加を再開していないが、家族あてにケアプランの案を送付する前に、必ず電話で利用者の状態を伝えて家族の意見・要望を聞きとった上で案を作成するようにしている。定期的な連絡以外にも体調や状態に変化があったときは、その都度家族に報告している。また面会時には、利用者の様子を丁寧に伝えて安心してもらうとともに、家族に意向を尋ねている。
現在は主に「面会」が家族と利用者・職員の交流の機会となっている
施設では様々なイベントやレクリエーションを行っているが、感染症対策のためにほとんどの行事について家族の参加が実現していない。コロナ禍以前は喫茶コーナーで好きなメニューを選んで家族と談話ができていたが、使用中止の状況にある。現在は家族の面会時が主な交流の機会となっており、面会時間を30分から1時間に延長するなどして家族・利用者・職員がなるべく交流できるよう取り組んでいる。令和6年度は、年末年始に外泊ができるようにした。
家族との交流を深めて信頼関係を築くうえで、家族懇談会の再開が待たれる
施設と家族、または家族間の交流を図るために家族懇談会の果たす役割は大きい。対面で行う懇談会では場の雰囲気やニュアンスを受け止めることで共通認識と相互理解が深まる効果があるため、家族会の再開が待たれるところである。施設では面会時間・方法を拡大するとともに、家族アンケートの提案を取り入れて連絡調整会議で防犯カメラの導入を検討するなど家族の意見・要望の反映に努めている。
【講評】
個人情報同意書で包括的に利用同意を得るほか、個別案件にも利用同意も得ている
個人情報については、個人情報に関する法令のほか厚生労働省のガイドラインなどを順守し、適正・適切な取扱いに努めている。施設が収集した個人情報を外部に提供する必要がある場合に備え、提供が予想される状況を列挙した個人情報同意書を用意し、入居契約時に説明して利用の同意を得ている。季刊誌や掲示物に載せる利用者の写真などは、利用する前にその都度同意を得ている。利用者宛の郵便物は直接手渡しするほか、当該利用者の個人情報を他の利用者が知ることがないよう、職員は言動に気を付けて個人情報の保護とプライバシーに配慮している。
「サービス向上マニュアル」で利用者の羞恥心に対する配慮などを定めている
サービス向上マニュアルを備え、介護者としての基本事項を載せている。入浴時の対応や入浴拒否への対応など、利用者の羞恥心や行動意欲などに十分配慮して業務を行うことを明記しており、支援の際のほか新入職員研修やサービスマナーの向上に活用している。日常生活においては、排泄介助の際は独自の排泄用語を使って他の利用者に排泄と分からないように声をかけるほか、臭気対策や職員の声量にも注意している。入浴介助では、入浴直前の脱衣や待機時のバスタオルの使用など、利用者の羞恥心に配慮している。
生活習慣などをケアプランに反映させ、適切なケアができているか振り返っている
個人の政治信条、宗教、趣味などを尊重しながら、日々ケアプランに沿って支援を行っている。入居前の事前面接で利用者の生活習慣や趣味特技なども把握するとともに、どのように過ごしたいか・どのように過ごしてもらいたいかを聞き取り、ケアプランに反映させている。支援に当たっては個人の意思を尊重しており、支援の前には支援内容を説明し本人の意向を確認して支援することを基本としている。虐待防止に関しては、HPに「虐待防止の指針」を載せるとともに、3か月に1度「虐待の芽チェックリスト」を用いて日頃の支援状況を振り返っている。
1.利用者のプライバシー保護を徹底している
- 利用者に関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、利用者の同意を得るようにしている
- 個人の所有物や個人宛文書の取り扱い、利用者のプライベートな空間への出入り等、日常の支援の中で、利用者のプライバシーに配慮した支援を行っている
- 利用者の羞恥心に配慮した支援を行っている
2.サービスの実施にあたり、利用者の権利を守り、個人の意思を尊重している
- 日常の支援にあたっては、個人の意思を尊重している(利用者が「ノー」と言える機会を設けている)
- 利用者一人ひとりの価値観や生活習慣に配慮した支援を行っている
【講評】
各勤務に応じたマニュアルは業務手順が分かりやすく、業務の標準化につながっている
業務の標準化を図るため数多くのマニュアルを作成し、各部門に配備していつでも誰もが閲覧できるようにしており、職員は必用に応じて活している。日勤・夜勤・早番・遅番・夜勤など勤務帯に応じたマニュアルもあり、業務内容や手順などを分かり易く説明している。職員はマニュアルに従い排泄、食事・水分、入浴、リハビリなどの支援内容のほか、バイタルサインなどの心身の状況をPCに入力しまた専用の様式に記入している。記録の入力や記載に当たっては、文体、略語のほか表現や言葉遣いなどに気を付け、表記の統一を図るようにしている。
各種の業務マニュアルを活用して、チューター制度により新人職員の育成を行っている
新入職員を育成するためチューター制度を採用し、業務マニュアルを活用した指導・教育を行っている。また、新入職員育成プログラムチェック表を用いて業務習得状況を確認しており、新入職員の成長度合いや長所などに合わせて柔軟な指導を行っている。また、職員研修として毎月職員が行う内部研修を行うほか外部講師を招いた研修も行っている。また、法人本部や自治体などが行う外部研修にも積極的に参加し、知識技能の向上を図っている。市内の3特養が合同で行う研修もあり、各特養の特徴や支援内容などについて情報交換を行っている。
職員や入居者等からの意見や提案を、業務マニュアルの改定に反映している
各種の支援がマニュアルに定められた手順等に沿っているかを随時点検し、必要に応じて見直すこととしている。法人では「安全衛生管理計画」の重点施策の一つに「作業方法の安全化」を掲げ、「安全な作業行動の各種マニュアル・手順書の改訂」を掲げていおり、施設の「安全衛生推進計画」でも実施項目の一つに「各種マニュアルの見直し」を掲げ、「問題があれば通年で改善する」としている。施設では年度末の機会を捉えてマニュアルの見直しを行うこととしているが、職員の具体的な気付きや意見を積極的に収集しマニュアルに活かすことが求められる。
1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
- 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
- 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
- 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
- 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や利用者等からの意見や提案を反映するようにしている
事業者のコメント
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【講評】
年度ごとに重点目標を策定し、職員へ周知・徹底するよう取り組んでいる
施設として『ご入居者の皆様に「わが家」で暮らすような安心や快適をご提供していきます』という理念を掲げており、これに基づいて年度ごとの重点目標を策定している。令和6年度は9項目の目標を定めており、その中の3項目が「職員の資質の向上」「職員確保の推進」など、職員に関する項目となっている。これらを事業計画書の冒頭に明示し、年度始めに施設長が事業計画の説明を行って職員に周知・徹底するよう取り組んでいる。施設の玄関やフロアにも基本理念や重点目標を掲示して、利用者・家族や施設への来訪者にも知ってもらうようにしている。
重点目標の達成に向けた部門単位の実施計画を立案して業務を行っている
重点目標を踏まえ、これを達成していくために令和6年度は「経営の安定確保・事業の質の向上」「職員の資質・能力の向上」「食事の安全提供、栄養・献立内容の充実」など5つの運営基本計画を策定し、これに基づいて各部門において具体的な計画を立案している。各部門の責任者は、ミーティングを通してこのような計画を職員に説明し、周知・徹底を図っている。また、経営層と職員が一丸となって業務を推進できるよう、施設長は積極的に直接職員の意見を聞く機会を設けるなどコミュニケーションの円滑化を図っている。
決定事項は会議やミーティング、PC、回覧板、「必見ノート」で知らせている
毎月、施設長が法人での会議で決定したことを運営会議や連絡調整会議等の施設の定例会議で発表して、各部署の責任者に伝達・周知している。毎週月曜日、各部署の責任者による朝礼を実施し、部門間の連絡調整を行っている。一般職員に対しては、朝礼やミーティング等で伝えている。また、共有のPCにアップして全職員が閲覧できるようにしている。特に周知を徹底しなければならない連絡事項は、回覧板を回しサインによって閲覧したことを確認できるようにしている。職員数が多い介護部門では「必見ノート」でも周知を図っている。