評価結果

標準の評価

基本情報

【法人名称】

社会福祉法人省我会

【事業所名称】

千代田せいが保育園

【サービス種別】

認可保育所

事業者の理念・方針・期待する職員像

事業者が大切にしている考え(理念・ビジョン・使命など)

1)子どもの主体的な活動としての生活を保障する保育(生活を育む)→参加と参画
2)自発的な活動としての遊びを保障する保育(自立を育む)→ 環境を通した保育
3)一人ひとりの個性に応じた保育(個性を育む)→ 年齢・性別・障がい・国籍で分けない
4)人とのかかわりを大切にした保育(社会性を育む)→ 子ども同士の関わり
5)子どもが世界との関わり方と意味に気づく保育 → 幼児教育の見方・考え方

職員に求めている人材像や役割

子どもの実態をよく理解することを保育と専門性の「起点」(スタートポイント)にして、その子どもの実態にあった環境を再構成することで子どもの経験の質を高めることができる力を期待している。具体的には子どもへの応答性、共感、空間やものや人の環境を通した保育、さらに人的環境の環境の中では、特に子ども同士の関係の中で生起している心の動きを大切にできることと、保育の質を高めるために外部の環境や専門家をコーディネートできる力の向上を期待している。

職員に期待すること(職員に持って欲しい使命感)

保育の質は「保育の過程」にあり、その核は子どもの経験の質である。この「保育の過程」は子ども理解に始まり、保育の見通しや環境の再構成、子どもの経験、その結果の振り返りといった一連の流れからなる。従って、保育者にとって大事なのは「保育の過程」の要となる子ども理解を深め、環境の構成力を高め、何が豊かな子どもの文化的実践となるのかの判断と橋渡し役を担っていることを自覚することである。そのためには、チーム保育を行うに当たって職員間の信頼と対話が不可欠であり、その基盤となる自らの人間性を向上させる必要があるという自覚を持つことが、保育者としての使命感であってほしい。

全体の評価講評

特によいと思う点

こども主体の保育が幼児期の育ちにいかに重要であるかを、保護者がその根拠も含め、よく理解している。こどもは親だけで育つのではないという「共同養育」の意味も保護者に伝わっていて、乳幼児期から他のこどもたちとともに育つ経験が、こどもの将来にわたるウェルビーイング(良い状態)につながることも保護者の意識に浸透している。こどもの近くにいる大人たちが同じ目線でこどもに接することで、こどもの育ちを支える豊かな環境がつくり出されている。園が保育の提供者で保護者はその受け手という発想はなく、真にこども中心の環境がある。

職員の保育を見る目に愛情と思考のハーモニーがある。こどもの自己発揮やこどもたち同士の対話や営みを職員は根拠を持って見守っている。あたたかな人間性に立脚した専門性とこども中心に保育を行う考え方が全体で融和している。職員たちが、こどもの感受性の育ちや捉え方に着眼し探究し合うなど、「こどもの気づきに気づくと、面白い」「捉え方が広がり、理解が深まって楽しい」といった実感を伴う体験を得ながら、職員も成長している。職員が得意なアプローチなども持ち寄り話し合い、こどもとともに試行錯誤しながら多面的な理解を積み重ねている。

当園は、職員の探究心や研究心を支える学びの仕組みを確立している。定期的な自己評価に加え、内外の研修・発表機会を活用した体系的な育成環境が整備されている。職員は探究心を持って日々の保育にチームで臨み、研修報告書や保育日誌などのドキュメントツールを活用した組織学習が機能している。さらに、園長の詳細なコメントや個別面談を通じて考察を深める仕組みが職員の自己評価力を支えている。職員同士が信頼と対話を重んじ、互いを尊重しながら学び合う文化のなかで、こどもと共に研究を行うなど、自己成長を実感できる環境が整っている。

さらなる改善が望まれる点

当園が生み出している価値を外部関係者の期待という視点で再評価し、園の価値を地域の魅力ある社会資源として認識されるような施策を期待したい。千代田区のこども施策や教育施策を考える関係者が大切にする価値に対して、自園の価値がどのような位置づけになっているのかを考えることは、園の経営戦略上も欠かせない事項ではないだろうか。自園の保護者や保育業界から見ると極めて優れた取組みであっても、他の関係者に充分伝わっていなければ、区にとっての価値が正しく認識されない可能性があるため、客観的な視点での評価が不可欠である。

当園の事業運営上の直近の重要課題は、現場保育のあり方や園のハード特性の弱みから抽出されたものである。園に深く関わる保護者たちから見ると、確かに目の前の課題と考えられるが、将来を見据えた事業運営における重要度として考えると再考の余地があると考える。当園は千代田区の委託事業として運営されているだけに、区をはじめとした外部環境から見た課題の捉え方があってもよいだろう。今後、教育・保育に関わる多くの利害関係者からの期待も大切にし、中期的な視点で事業課題に向き合えると、当園の存在意義がますます高まるものと思われる。

園は自らの保育が理念に基づいたものになっているかを日常的に振り返るなど、理念や方針が現場によく浸透している。とはいえ、園の持続的運営を可能とする組織力の向上という点では弱さが見える。今後は、行政をはじめ地域の教育・保育に携わる関係者への影響力を発揮する意味でも、長期的な「ありたい姿」を明確にして組織内で共有することが期待される。これにより、職員が組織の将来像を見据えて業務にあたることができ、保護者や地域社会と共有することで、相互に共感と信頼が生まれ運営基盤の安定につながる好循環が実現すると考える。

事業者が特に力を入れている取り組み

役職など関係なくこどもに関わる当事者全員が、こどもに対するセンスやスキルを楽しんで磨き合っている。お互いを認め合う仕組みが動くことでその職場環境の中で粒ぞろいの職員チームが生まれ、全員が社会の財産となっている。こどもたちの様子も楽しさを帯び、そこに惹かれた者たちが集まり出す、各養成校から実習生や保育体験をする学生が来る、卒園児が遊びに来る、小中高校からボランティア体験をするこどもが来る、そしてサポートスタッフ(SSS)になるなど、人材育成と人材輩出の機能が循環を成して継続されている。

養護と教育が一体的に展開される保育の特性を踏まえ、幼稚園教育要領の「幼児期の教育における見方・考え方」に基づきこどもの遊びを深く理解している。保育所保育指針やこども園教育・保育要領から「探究の姿」「資質・能力の姿」「10の姿」などを読み解き、実際のこどもの姿を捉えている。また、探究活動プログラムでダンス(社会的)、味覚(身体的)、制作(精神的)の3面でウェルビーイングを探究するなど、こどもが遊んでいる、学んでいる、探究している、という姿をつぶさに捉えたドキュメンテーションを強化し、実践で磨きをかけている。

保護者は単に園にこどもを預けるだけでなく、意識的・無意識的にその子の保護者という立場を超え、他のこどもたちにも関わりながら、養育や貢献の幅を広げている。その結果、保護者(Parent)と教職員(Teacher)が協力する社会教育団体(PTA)のような「しずくの会」と名のついた保護者会など、自発的な活動が生まれている。地域全体で子育てを支え合い、孤立感のない環境が築かれることで、こどもたちが育ち合う文化が形成され、保護者も自身の力に気づき、それを発揮し合える場が生まれている。

利用者調査結果

調査概要

  • 調査対象:施設を利用するすべての世帯(41世帯、利用者総数47名)を対象とした。
  • 調査方法:アンケート方式  
    アンケート方式
    インターネットによるアンケート調査とし、アンケート回答用URLおよびQRコードを載せた調査協力依頼書を配付した。集計では、自由意見欄の回答において個人が特定されないように配慮し、適宜、表記を加工した。
  • 有効回答者数/利用者家族総数:36/41(回答率 87.8% )

総合的な満足度が100%(「大変満足」(80.6%)と「満足」(19.4%)との合計)であり、保護者からの信頼度は高いと言える。
また、設問別の調査結果では、「子どもの心身の発達」「子どもの興味・関心」「提供される食事の配慮」「行事日程の設定に対する配慮」「家庭と保育所の信頼関係の構築」「職員の接遇・態度」「子どもの気持ちの尊重」「保育内容についての説明」「不満や要望への対応」において、それぞれ90%以上の保護者が満足と回答している。
総合的な感想では、こどもや保育に対する職員の姿勢や保育の取組に対する好意的な意見が多く、大変高い満足度を得ている。

アンケート結果

1.保育所での活動は、子どもの心身の発達に役立っているか

はい 36名 (100%)

「はい」が100%という結果だった。自由意見では、「とても役立っている。本人の気持ちや行動に寄り添い、自ら考えて動くということを体現してくれている。」「こどもに何かを無理強いすることなく、愛情を持って穏やかに、そしてとても家庭ではできない遊びを含めて刺激のある生活をさせてもらっていて、本当に感謝している。」などの意見があった。

2.保育所での活動は、子どもが興味や関心を持って行えるようになっているか

はい 35名 (97%)
どちらともいえない 1名 (3%)

「はい」は97.2%、「どちらともいえない」は2.8%、「いいえ」は0%という結果だった。自由意見では、「こども個々の興味に合わせてくれている。苦手なことも周りの友だちと一緒にやることや、先生からの提案でできるようになることも多い。」「指先を使った遊びや、音楽、公園での自由な遊びなどとても成長につながる遊びがされていると感じている。」などの意見があった。

3.提供される食事は、子どもの状況に配慮されているか

はい 36名 (100%)

「はい」が100%という結果だった。自由意見では、「大人から見ても美味しそうでバリエーション豊かな食事を、献立表でも栄養バランスがわかりやすいように整理して提供してくれている。」「食べられる物が増えた。決して無理に食べさせず、食事の時間を楽しい時間にしてくれていてありがたい。」などの意見があった。

4.保育所の生活で身近な自然や社会と十分関わっているか

はい 31名 (86%)
どちらともいえない 5名 (14%)

「はい」は86.1%、「どちらともいえない」は13.9%、「いいえ」は0%という結果だった。自由意見では、「こどもたちと相談した上で戸外活動に出てくれている。積極的に外に出てくれている印象がある。」「地域の人との交流も積極的に取り入れていて素晴らしいと思う。」などの意見があった。

5.保育時間の変更は、保護者の状況に柔軟に対応されているか

はい 29名 (81%)
どちらともいえない 2名 (6%)
無回答・非該当 5名 (14%)

「はい」は80.6%、「どちらともいえない」は5.5%、「いいえ」は0%、「非該当」は13.9%という結果だった。自由意見では、「急な延長保育も嫌な顔せず、むしろこちらを気遣った声がけをいただいて対応してくれているので、本当に感謝している。」「いつも働く親に寄り添ってくれるのでありがたい。」などの意見があった。

6.安全対策が十分取られていると思うか

はい 26名 (72%)
どちらともいえない 10名 (28%)

「はい」は72.2%、「どちらともいえない」は27.8%、「いいえ」は0%という結果だった。自由意見では、「入り口にセキュリティロックがされており、バルコニーにはネットがあり転落の心配が少ない。」「ひっかいたり噛みついたりする事があるが、こどもの特性を見極めて対応してくれている。」などの意見があった。

7.行事日程の設定は、保護者の状況に対する配慮は十分か

はい 35名 (97%)
いいえ 1名 (3%)

「はい」は97.2%、「どちらともいえない」は0%、「いいえ」は2.8%という結果だった。自由意見では、「参観、個別面談など選択できる日程の幅が広く、柔軟に対応できている。また、保育士体験というイベントにも参加できるのでこども達の様子が分かりやすい。」「保育アプリでスケジュールを公開、また直前に連絡してもらっている。口頭でも先生たちから伝えられている。」などの意見があった。

8.子どもの保育について家庭と保育所に信頼関係があるか

はい 35名 (97%)
どちらともいえない 1名 (3%)

「はい」は97.2%、「どちらともいえない」は2.8%、「いいえ」は0%という結果だった。自由意見では、「とても信頼している。園での様子、家庭での様子を報告しあって、今後どのようにこどもと関わっていくのがいいのか、いつでも相談にのってくれる。」「他のクラス、他の学年の先生にも情報共有がきちんとされていて、気にかけてくれている声かけや関わりをしてもらえてとても安心できる。」などの意見があった。

9.施設内の清掃、整理整頓は行き届いているか

はい 25名 (69%)
どちらともいえない 8名 (22%)
いいえ 3名 (8%)

「はい」は69.5%、「どちらともいえない」は22.2%、「いいえ」は8.3%という結果だった。自由意見では、「清潔にされている。敷地面積に対して可能な限り整頓している。」「こどもが使っていないおもちゃを先生がすぐに片付けていたり、廊下や階段など散らかっていることがない。」などの意見のほか、「建物が狭いというのもあり、物が多い印象はある。」などの意見もあった。

10.職員の接遇・態度は適切か

はい 36名 (100%)

「はい」が100%という結果だった。自由意見では、「適切で思いやりがある。」「こどものことが大好きな先生が多く、在籍期間も長い先生が多い気がする。」などの意見があった。

11.病気やけがをした際の職員の対応は信頼できるか

はい 31名 (86%)
どちらともいえない 5名 (14%)

「はい」は86.1%、「どちらともいえない」は13.9%、「いいえ」は0%という結果だった。自由意見では、「朝の送り時にこどもの体調面で心配事を伝えると、日中こまめに体温測定をしたりして、保育アプリを通じて様子を報告してくれる。」「熱を出した際も、すぐに連絡をいただき丁寧にケアしてもらっていると思う。」などの意見があった。

12.子ども同士のトラブルに関する対応は信頼できるか

はい 31名 (86%)
どちらともいえない 4名 (11%)
無回答・非該当 1名 (3%)

「はい」は86.1%、「どちらともいえない」は11.1%、「いいえ」は0%、「非該当」は2.8%という結果だった。自由意見では、「信頼できる。どちらにも寄り添ってしっかり話をしてくれる。」「しっかり状況を伝えてくれるので信頼している。」などの意見があった。

13.子どもの気持ちを尊重した対応がされているか

はい 35名 (97%)
どちらともいえない 1名 (3%)

「はい」は97.2%、「どちらともいえない」は2.8%、「いいえ」は0%という結果だった。自由意見では、「こどもの気持ちを最優先して寄り添ってくれる。こどもも先生を信頼している。」「食べ物の好き嫌いが多いことや本人のやってみたい遊びなど、本人の成長のスピードに合わせてくれていると思う。」などの意見があった。

14.子どもと保護者のプライバシーは守られているか

はい 32名 (89%)
いいえ 1名 (3%)
無回答・非該当 3名 (8%)

「はい」は88.9%、「どちらともいえない」は0%、「いいえ」は2.8%、「非該当」は8.3%という結果だった。自由意見では、「守ってくれている。」「特に気になったことはない。」などの意見があった。

15.保育内容に関する職員の説明はわかりやすいか

はい 35名 (97%)
どちらともいえない 1名 (3%)

「はい」は97.2%、「どちらともいえない」は2.8%、「いいえ」は0%という結果だった。自由意見では、「わかりやすい。方針にも共感できる。」「毎日写真とコメントで活動内容を共有いただいているので、保育園での様子がよく伝わる。」などの意見があった。

16.利用者の不満や要望は対応されているか

はい 34名 (94%)
いいえ 1名 (3%)
無回答・非該当 1名 (3%)

「はい」は94.4%、「どちらともいえない」は0%、「いいえ」と「非該当」は2.8%という結果だった。自由意見では、「忙しい中でも丁寧に対応してくれていて助かっている。」「そのような場面に遭遇したことはないが、そうなったとしても真摯に対応してくれると思う。」などの意見があった。

17.外部の苦情窓口(行政や第三者委員等)にも相談できることを伝えられているか

はい 26名 (72%)
どちらともいえない 6名 (17%)
無回答・非該当 4名 (11%)

「はい」は72.2%、「どちらともいえない」は16.7%、「いいえ」は0%、「非該当」は11.1%という結果だった。自由意見では、「こどもの発達の悩みについて、区の相談機関と保育園と家庭の連携関係を構築してくれている。」「きちんと案内がある。」などの意見があった。

組織マネジメント分析結果

◆事業評価結果
7つの「カテゴリー」の下に、それぞれ「サブカテゴリー」「評価項目」「標準項目」を設定して評価しています。
評価項目ごとに、標準項目の実施状況を、実施できている場合はで、実施できていない場合はで表しています。

【講評】
園が大切にしている保育概念が浸透し、保育実践の根底に文化となって根付いている

保育園理念「共生と貢献」や保育方針「子どもの主体性を育てる保育」、保育目標「自分らしく意欲的で思いやりのある子ども」、保育方法「見守る保育」など、理想とする保育の概念が体系化され、日常の保育現場の中で具体的に展開されている。保育実践の中でのこども観や発達観、保育観など、保育の重要なコンセプトは園長日記での頻繁で内容の濃い発信や、一人ひとり時間をかけた職員との個人面談、また外部に向けた入園案内に時間をかけるなどして説明を尽くしており、保育概念が浸透し、独自性ある文化となって浸透している。

長期的な時間軸で目指すありたい姿・ビジョンを組織内外で共有することが望まれる

保育園理念や保育方針、保育目標など、理想とする保育の概念は丁寧に共有されている一方で、例えばこれから10年後など長期的な時間軸で目指している事業所運営のありたい姿については、擦り合わせの途上にあるように見受けられる。区のモデルとなるためにも、将来を見据えた「ありたい姿」を描き、まずは組織内で共有し、その後、保護者や地域社会とも共有することが重要である。これにより、職員間の共通理解と貢献意欲が高まり、保護者からの信頼も向上し、将来に向けた安定的な運営基盤の構築が期待できる。

現場職員の実践と経営幹部の戦略的プライオリティの視点の融合が期待される

現場職員は保育方針に基づいて現場・現実の具体的な状況に集中し、保育コンセプトを体現しており、園長も現場に寄り添った支援をしている。園長だけではなく、各階層にリーダーシップ機能が展開されていることも当園の特徴である。今後、将来に続く当園の優れた保育を実現するためには、未来の理想像から遡るバックキャストアプローチを取り入れ、現場からのボトムアップとうまく融合させることが期待される。これにより、優先順位の判断基準を組織全体で共有し、現場職員と経営陣が一体となって、組織の目標達成に向けて進むことが可能となる。

1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)を周知している
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、職員の理解が深まるような取り組みを行っている
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)について、利用者本人や家族等の理解が深まるような取り組みを行っている
2. 経営層(運営管理者含む)は自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任を職員に伝えている
  • 経営層は、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けて、自らの役割と責任に基づいて職員が取り組むべき方向性を提示し、リーダーシップを発揮している
3. 重要な案件について、経営層(運営管理者含む)は実情を踏まえて意思決定し、その内容を関係者に周知している
  • 重要な案件の検討や決定の手順があらかじめ決まっている
  • 重要な意思決定に関し、その内容と決定経緯について職員に周知している
  • 利用者等に対し、重要な案件に関する決定事項について、必要に応じてその内容と決定経緯を伝えている
【講評】
地域・業界の様々な関連事業者との連携を活かし保育実践の持続性を確保している

当園は、地域の行政機関担当窓口、公立・私立の園長、民生委員・児童委員、町会役員など地域の関係者と積極的に連携し、地域の保育ニーズや市場動向を把握している。保育3団体との接触を通じて、こども中心の保育に関する取組みを共有し、地域全体の保育環境の向上に貢献している。これらの活動により、保護者からの信頼の声が寄せられている。今のところ区全体で充足率に若干余裕がある状況となっているが、当園の保育コンセプトに共感する利用者層への戦略的なアプローチを行うことで、当園の特性を活かした持続性が期待される。

園の持続的な経営に向けた包括的な組織マネジメントの枠組みの導入が望まれる

現在の経営計画は、開設当初の10年計画をもとに、当該年度計画時にそのときの保育を囲む内外環境で重視することから課題を導出して行動計画を整理、振り返りによって翌年度への課題を明確にする仕組みとして動いている。開設からこれまで保育サービス提供に必要な様々な活動ツールが整備された段階にあり、今後この経営計画に全体包括的なマネジメントの枠組み、例えば第三者評価の組織マネジメントの枠組みなどを取り入れることで、園の運営の仕組みをどのように整え発展させていくのかのロードマップがより明確になるものと思われる。

保護者や地域の意向をデータで捉え分析することで強みを鮮明化することを期待する

23区のなかでも待機児童が少なく、利用者にとってみれば保育園に入りやすい地域ではあるものの、事業者側からすれば保護者に選ばれるための競争が厳しい地域でもある。当園の保育の特性を活かし、提供する保育が保護者からも、また卒園児の進む小学校からも評価される園であるために、地域の保護者ニーズや競合園の動向を分析し、当園の強みを活かした魅力発信をさらに強化することが求められる。外部からの問合せや意見への丁寧な説明に加え、市場動向をデータとして捉え分析してみることで、当園の強みがさらに鮮明になると期待できる。

1. 事業所を取り巻く環境について情報を把握・検討し、課題を抽出している
  • 利用者アンケートなど、事業所側からの働きかけにより利用者の意向について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 事業所運営に対する職員の意向を把握・検討している
  • 地域の福祉の現状について情報を収集し、ニーズを把握している
  • 福祉事業全体の動向(行政や業界などの動き)について情報を収集し、課題やニーズを把握している
  • 事業所の経営状況を把握・検討している
  • 把握したニーズ等や検討内容を踏まえ、事業所として対応すべき課題を抽出している
1. 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画及び単年度計画を策定している
  • 課題をふまえ、事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた中・長期計画を策定している
  • 中・長期計画をふまえた単年度計画を策定している
  • 策定している計画に合わせた予算編成を行っている
2. 着実な計画の実行に取り組んでいる
  • 事業所が目指していること(理念・ビジョン、基本方針など)の実現に向けた、計画の推進方法(体制、職員の役割や活動内容など)、目指す目標、達成度合いを測る指標を明示している
  • 計画推進にあたり、進捗状況を確認し(半期・月単位など)、必要に応じて見直しをしながら取り組んでいる
【講評】
保育と教育が一体となった総合的保育の意義を理解して貰うための仕組みが機能している

子ども・子育て支援法で保育所は教育・保育施設であることが法制度的に位置付けられているものの、一般的には保護者や地域にはこの情報が行き渡っていないが、当園では「子どもの発達段階に応じた教育内容が提供され、保育と教育が一体化した支援をしている教育機関である」ことを積極的に発信する仕組みがある。ホームページでは、そうした保育概念だけでなく、具体的な日々の取組みと紐づけて、園長日記やニュースほか多彩な記事でほぼ毎日発信されており、現利用者のみならず利用を考えている保護者や関係者の理解に役立っている。

こどもの発達のための生活リズム定着の取組みノウハウを地域に還元している

区社会福祉協議会と協力し、地域子育て支援としての睡眠講座を以前から継続的に開催しており、今年度は当園の保育者もこの講座に参加して保育者としての知見を深めている。園として睡眠には特に力を入れており、区と協力して睡眠アプリを導入、保育の科学的アプローチであるとともに睡眠アドバイザー不足を補うことにも役立っている。睡眠の質向上とともに、園の提唱する「早寝早起き朝ごはん」運動でこどもの生活リズムの獲得により、健全な発達を自然なかたちで定着させることに効果を上げている。

当園の価値を区がこども施策として活用できるように、園の発信力をさらに高めたい

当園では、意見表明権を含むこどもの権利を尊重した保育を実践し、児童施設として高い社会的責任を果たしている。他の児童施設や学校の参考となる優れた実例も多く、当園の保育は千代田区のこども施策にとって貴重な資源である。しかし、当園の保育や取組みが区のこども施策へ与える影響力については、まだ改善の余地があるように見受けられる。これは当園の責任ではないものの、発信力や外部関係者との連携が影響している可能性があり、さらなる発信とコミュニケーションの強化が期待される。

1. 社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理などを周知し、遵守されるよう取り組んでいる
  • 全職員に対して、社会人・福祉サービスに従事する者として守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などを周知し、理解が深まるように取り組んでいる
  • 全職員に対して、守るべき法・規範・倫理(個人の尊厳を含む)などが遵守されるように取り組み、定期的に確認している。
1. 利用者の意向(意見・要望・苦情)を多様な方法で把握し、迅速に対応する体制を整えている
  • 苦情解決制度を利用できることや事業者以外の相談先を遠慮なく利用できることを、利用者に伝えている
  • 利用者の意向(意見・要望・苦情)に対し、組織的に速やかに対応する仕組みがある
2. 虐待に対し組織的な防止対策と対応をしている
  • 利用者の気持ちを傷つけるような職員の言動、虐待が行われることのないよう、職員が相互に日常の言動を振り返り、組織的に防止対策を徹底している
  • 虐待を受けている疑いのある利用者の情報を得たときや、虐待の事実を把握した際には、組織として関係機関と連携しながら対応する体制を整えている
1. 透明性を高め、地域との関係づくりに向けて取り組んでいる
  • 透明性を高めるために、事業所の活動内容を開示するなど開かれた組織となるよう取り組んでいる
  • ボランティア、実習生及び見学・体験する小・中学生などの受け入れ体制を整備している
2. 地域の福祉ニーズにもとづき、地域貢献の取り組みをしている
  • 地域の福祉ニーズにもとづき、事業所の機能や専門性をいかした地域貢献の取り組みをしている
  • 事業所が地域の一員としての役割を果たすため、地域関係機関のネットワーク(事業者連絡会、施設長会など)に参画している
  • 地域ネットワーク内での共通課題について、協働できる体制を整えて、取り組んでいる
【講評】
こども中心の視点でリスク重点領域を明確化し、生活のなかに安全対策を織り込んでいる

リスクマネジメントの重点領域で「環境」「職員の見る力」「子どもの意識」の3点に焦点を当てて活動を進めており、具体的には、夜の睡眠の質を高めるための生活習慣、朝の運動の充実、午睡のありかたの見直しを積み重ねている。この取組みによって、保育中の事故やケガはほとんど発生しておらず、こどもの生活の安全が確保されている。こどもの身体的な発達も鑑み、事故やケガが発生しにくいよう予防的見地から職員の感度を高めており、例えば非常用として上履きを認識させる工夫など、こども自身にもリスク対策の意識を身につけている。

未然防止を含め、ヒヤリハット報告のその後をフォローアップする仕組みが望まれる

日々の生活環境に溶け込んだ安全対策が講じられており、事故やトラブルなどが起きにくい環境をつくり出している。特に首から上の部分にケガがないよう、日々ヒヤリハットチェック表で出勤職員全員がリスク因子を提出し、集計する仕組みとなっており、遅滞なく詳細な記録が職員全体で共有できるようになっている。今後は、再発防止に向けた対処が有効だったか、同類の事案が発生していないかなどの振り返りをするなど、保育の環境設定など根本原因へ対策する仕組みとすることが期待される。

こども主体の保育と安全な保育環境づくりの両立が期待される

こども主体の保育を実践しながら安全を確保することは簡単ではない。時として、保育者の関与がこどもの自主的な活動を妨げる可能性もあるためだ。しかし、大人が安心・安全な環境を整えてこそ、こども主体の保育が成り立つということでもある。したがって、施設内の衛生管理やリスク管理の基準を改めて見直し、ケガや事故につながる要因を再評価することが重要である。環境やこどもの行動を分析し、保育者がどの程度関与すべきか、その適切な範囲を見極めることが求められる。

1. 事業所としてリスクマネジメントに取り組んでいる
  • 事業所が目指していることの実現を阻害する恐れのあるリスク(事故、感染症、侵入、災害、経営環境の変化など)を洗い出し、どのリスクに対策を講じるかについて優先順位をつけている
  • 優先順位の高さに応じて、リスクに対し必要な対策をとっている
  • 災害や深刻な事故等に遭遇した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定している
  • リスクに対する必要な対策や事業継続計画について、職員、利用者、関係機関などに周知し、理解して対応できるように取り組んでいる
  • 事故、感染症、侵入、災害などが発生したときは、要因及び対応を分析し、再発防止と対策の見直しに取り組んでいる
1. 事業所の情報管理を適切に行い活用できるようにしている
  • 情報の収集、利用、保管、廃棄について規程・ルールを定め、職員(実習生やボランティアを含む)が理解し遵守するための取り組みを行っている
  • 収集した情報は、必要な人が必要なときに活用できるように整理・管理している
  • 情報の重要性や機密性を踏まえ、アクセス権限を設定するほか、情報漏えい防止のための対策をとっている
  • 事業所で扱っている個人情報については、「個人情報保護法」の趣旨を踏まえ、利用目的の明示及び開示請求への対応を含む規程・体制を整備している
【講評】
職員一人ひとりの成長を支援する体系的な育成環境が整備されている

当園では、キャリアラダーを3層構造で設計し、職員が定期的に自己評価を行う仕組みを整えている。園内研修も定期的に行うほか、外部研修や外部での発表機会もあり、小規模園の限られた職員体制の中でこうした機会を利活用しており、様々な研修・育成機会があることについて職員からも評価する声が多く上がっている。研修参加者は詳細な報告書を作成し、園長がコメントを加えた上で面談を実施、報告書は全職員に共有されることで間接的な学びにもつながっている。職員一人ひとりの成長を支援する体系的な育成環境が整備されている。

信頼と対話を大切にした関係づくりの上でチーム保育が実践されている

当園では、独自メソッドのひとつに挙げている「チーム保育」を実践し、信頼と対話を重んじた関係づくりを大切にしている。職員同士が互いの違いを尊重し、良さを引き出し合いながら、日常の中で承認し合う文化が根付いている。こどもを中心とした保育を職員もまた楽しむ姿勢を大切にしており、特技や趣味を活かし合うことで、自然と学び合う環境が生まれている。散歩に出かけるときの準備なども暗黙の連携でスムーズに行われ、こども一人ひとりに配慮した対応をチームで実践できる強みがあると言える。

職員がこの組織や業界で中長期的なキャリアビジョンを描ける環境の整備が求められる

職員がこの組織またはこの業界で中長期的なキャリアビジョンを描けるように、園が仕組みを整備することが期待される。日々の保育に従事する職員の視点はどうしても現在を中心にしたものとなりがちである。長い職業人生の中で自身の姿を考える機会が充分ではないように見受けられ、やりがいや帰属意識の醸成に影響しかねない。職員一人ひとりが将来の成長を具体的にイメージし、主体的にキャリアを築けるよう、園が中期的な見通しをもったキャリアパスの明確化や対話の機会を増やすなど、人材が先を見据えて活躍しやすくなる仕組みの整備が期待される。

1. 事業所が目指していることの実現に必要な人材構成にしている
  • 事業所が求める人材の確保ができるよう工夫している
  • 事業所が求める人材、事業所の状況を踏まえ、育成や将来の人材構成を見据えた異動や配置に取り組んでいる
2. 事業所の求める人材像に基づき人材育成計画を策定している
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)が職員に分かりやすく周知されている
  • 事業所が求める職責または職務内容に応じた長期的な展望(キャリアパス)と連動した事業所の人材育成計画を策定している
3. 事業所の求める人材像を踏まえた職員の育成に取り組んでいる
  • 勤務形態に関わらず、職員にさまざまな方法で研修等を実施している
  • 職員一人ひとりの意向や経験等に基づき、個人別の育成(研修)計画を策定している
  • 職員一人ひとりの育成の成果を確認し、個人別の育成(研修)計画へ反映している
  • 指導を担当する職員に対して、自らの役割を理解してより良い指導ができるよう組織的に支援を行っている
4. 職員の定着に向け、職員の意欲向上に取り組んでいる
  • 事業所の特性を踏まえ、職員の育成・評価と処遇(賃金、昇進・昇格等)・称賛などを連動させている
  • 就業状況(勤務時間や休暇取得、職場環境・健康・ストレスなど)を把握し、安心して働き続けられる職場づくりに取り組んでいる
  • 職員の意識を把握し、意欲と働きがいの向上に取り組んでいる
  • 職員間の良好な人間関係構築のための取り組みを行っている
1. 組織力の向上に向け、組織としての学びとチームワークの促進に取り組んでいる
  • 職員一人ひとりが学んだ研修内容を、レポートや発表等を通じて共有化している
  • 職員一人ひとりの日頃の気づきや工夫について、互いに話し合い、サービスの質の向上や業務改善に活かす仕組みを設けている
  • 目標達成や課題解決に向けて、チームでの活動が効果的に進むよう取り組んでいる
1. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その1)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

【課題・目標と背景】 前年度は、保育理念の進化をテーマに「幼児教育の見方・考え方の具体化」を目標とした。保育所保育指針に示されている「子どもの姿」を裏付ける発達科学や思想哲学的傾向を園長自身が知り、事業所内での共通理解とする必要性を背景にしたものである。
【取組みとその結果】 園長自身が専門書やテキストで学んで得た知見を当園の園長日記に事例として記事化、あわせて職員研修レポートにもコメントを入れチャットツールで全職員に共有した。この重要課題についての取組みは組織立てたものというより、園長の活動が主たるものであるが、最新理論の学びとその知見が園長を通じて取り入れられ、職員に還元される仕組みである。結果は、職員のこどもたちへの態度の良化、保育日誌への書込み内容で保育の理解を深めていることが推察できるといった定性的な把握がなされている。
【振り返りと今後の方向性】 結果は定性把握ではあるが目標としたことが出来たと見做し、「子どもの探究の姿」「資質能力の姿」などにつながってくると考察、これらを当年度の目標に設定した。特に「探究」では都のプログラム補助を利用し、探究過程のドキュメンテーションを進めている。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

組織課題として重要と考える「幼児教育の見方・考え方」を進化させるために(P)、園長自身が主体的に活動し、活動によって得られた知見を組織に還流するという計画は意図通りに行われ(D)、定性的結果ではあるが把握がなされ(C)、次年度の課題と目標にさらにバージョンアップさせる(A)、という一連のPDCAのプロセスのかたちを追認することが出来る。ただし、事業所全体の運営上の課題の導出においては論拠または根拠がやや主観的となっており、検証仮説や検証結果の判断基準が企画計画段階で明確に設定されていなかったため、振り返りの論理的整合性が第三者には分かり難いものと映る可能性がある。振り返りの論理的整合性を高めるためにも、今後は検証仮説や判断基準を企画計画段階で明確に設定し、客観的な評価ができる仕組みを整えることで、より効果的な運営改善につなげられることが期待される。

2. 事業所の理念・基本方針の実現を図る上での重要課題について、前年度具体的な目標を設定して取り組み、結果を検証して、今年度以降の改善につなげている(その2)

【前年度の重要課題に対する組織的な活動(評価機関によるまとめ)】

【課題・目標と背景】 前年度は、生活環境全体を遊び場として再構築することをテーマに、「散歩先の公園を増やす」ことを目標とした。長期計画での保育環境の空間の課題での、前々年度テラス・屋上の改善の検証結果を受けてのものである。
【取組みとその結果】 園庭がない中、活動バリエーションを増やすために新たな散歩先を開拓、近隣のこども用施設のホールのほか、幼児は地下鉄を使って公園へ行くという広がりが出来、行き先の選定とスケジュールをこどもたちが決めるスタイルで活動をした。1年間の外遊びでこどもの姿がどう変わってきたかを、年度末「成長展」で保護者とも共有し、都会の真ん中にある保育園でのこどもの成長に良い影響を与えた結果を確認した。
【振り返りと今後の方向性】 戸外の活動場所が充実し保育カリキュラムにも外遊びの工夫が加わったことを確認した上で、室内にあるゾーン環境との関係、室内と戸外を切り離さずにこどもの経験の質を高める、という今年度の取組み目標につながるものとなっている。これは園が開設当初から意識している都市型モデルの解像度を高めることにつながっている。

【評語】
目標の設定と取り組み 具体的な目標を設定し、その達成に向けて取り組みを行った
取り組みの検証 目標達成に向けた取り組みについて、検証を行った
検証結果の反映 次期の事業活動や事業計画へ、検証結果を反映させた
【講評】
理念共有の取組により関係者の理解と協力を促進している

組織課題として重要と考える「子どもの保育環境の生活空間の質」を高めるために(P)、園庭がないことの制約条件を逆手にとって、近隣施設や電車移動を伴う公園という新たな園外活動の場所を拡大し、さらに外出のスケジュールや行き先をこどもたち自らがこどもたち同士の話し合いによって決めるという、こどもの主体性を織り込んだ活動が行われている(D)。年間を通じた戸外の活動でのこどもたちの姿の変化は成長展で保護者とも確認がなされ(C)、次年度の課題ではあらためて室内と戸外の活動を総合的に扱うものへと計画がバージョンアップされた(A)。これら一連のPDCAのプロセスを追認することが出来る。ただし、事業所全体の運営上の課題の導出においては、課題というよりやるべきことが設定されたため、検証仮説や検証結果の振り返る際の判断、およびその考察で、そもそもの課題意識との一貫性が伝わり難いものとなっているように見受けられる。今後、設定した取組みが当初の課題意識との結びつきを整理し、検証仮説や振り返りの視点を明確にするなど、継続的な改善を重ねることで、園全体の保育環境の質のさらなる向上が期待される。

サービス分析結果

6. サービス分析のプロセス
【講評】
必要な情報が平等に公平に開示される情報の民主化により、選択の自由を保障している

園のこと(園の主要な情報)がホームページに一元的にまとめられ、利用希望者等の目線でわかりやすく示されている。具体的には、「保護者の方へ」「保育園を選んでいる方へ」「子どものいる家庭へ」「保育・教育関係者へ」と4つの入口が用意され、迷いにくい工夫が施されている。例えば利用希望者は、その状況等に応じて「保育園を選んでいる方へ」「子どものいる家庭へ」から入り、平易な言葉で平等に情報を得ることができる。このように、養育・保育・教育の入口を形成する情報を格差なく誠実に広く提供し、いわば情報の民主化を図っている。

全ての人に通じる良質な知識や情報を提供し、こどもの育ちの見方・考え方を伝えている

どのような保育園なのか、どんな保育をしているのかの範疇にとどまらず、我が子や他の子の育ちがありありと想像できる知識と情報が、ふんだんに記されている。中でも毎日の「園長の日記」は、こどもの育ちを中心に、なぜ、どのように、何をしているのか等、園長自身の温かい言葉で示され、こどもの社会の日々の面白さと真実味に溢れている。利用希望者等全ての人が、質の高い知識や情報に適時・適量・適質に触れることで、やがて養育力等に目覚め、実際の園生活がよりよく変容する在り様や今後のこどもの社会までも、ともに展望することができる。

利用希望者等と目線や視座を合わせ、園のこどもたちが豊かに育ちゆく姿を共有している

利用希望者等(年度途中の利用希望者を含む)が園を気軽に見学でき、国で示した「よい保育施設の選び方十か条」を元に、園の様子やこどもの様子を感じ取り、園長等の寄り添った説明等で大きく3つのポイントが腑に落ちる瞬間が生まれている。1・幼稚園教育要領・保育所保育指針等を具体化している、2・その子の「自分らしさ」を充分に伸ばしていく教育をしている、3・可能性を最大に引き出す環境の中で充実した学びや探究をしているの3つであり、保育園は幼稚園のような教育をしていない等の誤解が解かれ、教育・保育の醍醐味を示している。

1.利用希望者等に対してサービスの情報を提供している
  • 利用希望者等が入手できる媒体で、事業所の情報を提供している
  • 利用希望者等の特性を考慮し、提供する情報の表記や内容をわかりやすいものにしている
  • 事業所の情報を、行政や関係機関等に提供している
  • 利用希望者等の問い合わせや見学の要望があった場合には、個別の状況に応じて対応している
【講評】
守られている、愛されていると感じられる時間が始まり、心持ちの変容が始まっている

園では入園前の見学や説明会等はもとより、いつでも寄り添って「気楽に話をし合う体制」を穏やかに整備している。そのため、新しい環境下でも、こどもや保護者の言葉にしにくい不安感が安心感へとやわらかに変わっていく。例えば、入園前から参加できる園長、主任保育士、看護師、栄養士による育児相談や睡眠講座の機会などが自然と溶け込み、他の職員とも自ずと話をしやすい。園長とゆっくり話したいと思うときには、夕方1時間のコーヒータイムで淹れ立てのコーヒーを飲みながら一息ついて話す機会があり、心理的距離感を近づける工夫がある。

園生活の中で、家庭の中では見られない豊潤なこども同士のコミュニティが生まれている

社会的事象だが、こどもの在園時間は8時間を超えて保護者の勤務時間より長時間化する傾向の中、園はこども一人ひとりの発達や環境を熟知しようと、またこどもや保護者がリラックスできるようにと、園での生活のリズムを大切にしている。園のしおりなどにも表れ、例えば、1・こどもたちの活動を中断しない「遊び」「食事」「昼寝」のスペース設定、2・安心感、満足感、達成感を伴った自発的な活動を促す設定、3・どの場所もこどもたちにとって親しみとくつろぎの場とする設定など、家庭以外の第二のこどものコミュニティの在り様を具現化している。

園生活と小学校生活の間を行き来するなど、こどもにやさしい架け橋が掛けられている

幼児教育から義務教育(小学校教育)へとこどもたちの学び(遊び)や生活が豊かに続くよう、園の内外においてこどもたちに身近な架け橋を構築している。具体的には、こどもたちと小学校を参観しにいく、近隣の保育園と在園中から交流し友だちを作っていくなど、こどもたちにとって親しみやすい工夫を施している。それらは机上で描いた架け橋ではなく、こどもたちとともに手や足や心をつないでつくった架け橋であり、こどもたちの自己発揮を信じ合い、勇気づけている。同時に、卒園後も園に遊びに来たり保育体験に来たりと、こどもにやさしい。

1.サービスの開始にあたり保護者に説明し、同意を得ている
  • サービスの開始にあたり、基本的ルール、重要事項等を保護者の状況に応じて説明している
  • サービス内容について、保護者の同意を得るようにしている
  • サービスに関する説明の際に、保護者の意向を確認し、記録化している
2.サービスの開始及び終了の際に、環境変化に対応できるよう支援を行っている
  • サービス開始時に、子どもの保育に必要な個別事情や要望を決められた書式に記録し、把握している
  • 利用開始直後には、子どもの不安やストレスが軽減されるように配慮している
  • サービスの終了時には、子どもや保護者の不安を軽減し、支援の継続性に配慮した支援を行っている
【講評】
一人ひとりの姿を、専門的・多面的な視点で育ちの道筋として捉えている

こどもの発達(育ち)や姿は、個人の主観ではなく、全体で専門的・多面的に見ることで見出される道筋があることが、例えば、保育所保育指針の保育内容等を元に綿密に構成された発達アセスメントツールで共有できる。全職員がこどもの育ちを把握することで、適時・適切に職員間で連携したり、保護者に丁寧に説明して意向を聞いたりし、一人ひとりの子に寄り添った各種計画の立案がなされている。こどもの発達(育ち)や姿を中心に読み取り、見通しや見立てを立てて、柔軟に変動していくので、事務的でない楽しさが生じ、新たな気づきが生まれやすい。

こども一人ひとりの発達(育ち)や姿を、記録と対話を展開させて実践的に省察している

こども一人ひとりの発達(育ち)や姿が表れた記録を丁寧にとっているので、それを読むとこどもがどのように発達(育ち)や折々における姿を刻んでいるかがわかりやすい。同時に記録に裏付けられながら目の前のこどもたちとあたたかに向き合っているので、こどもの様子などを話すことが楽しくさらに一人ひとりの発達(育ち)や姿の意味が深まりやすい。つまりこどもの発達(育ち)や姿を中心に、その場で即興的に、あるいは計画的に実践の中で振り返りがなされ、対話がなされ、記録がなされ、好循環をしている。

こども一人ひとりの発達(育ち)や姿を、リアルタイムに共有し必要な配慮をしている

刻々とかわるこどもやこども同士や家庭の状況や変化を、全員が目と目をつなぎ全体で感知し、何かの際にはすぐさまセーフティーネットとなっている。例えば送り迎えの場面一つとっても、こどもや保護者の姿から何かしら発せられたサインや変化などをこぼさず、磨き合っている観察眼で読み取っている。そして率直に感じたことをこどもや保護者に働きかける中で、現状を把握・理解し、その場で最善の配慮をし、職員間で共有して全体での最善の配慮を見出している。そうして特別な配慮を要する場合も、リアルタイムに自然で望ましい配慮につなげている。

1.定められた手順に従ってアセスメント(情報収集、分析および課題設定)を行い、子どもの課題を個別のサービス場面ごとに明示している
  • 子どもの心身状況や生活状況等を、組織が定めた統一した様式によって記録し把握している
  • 子どもや保護者のニーズや課題を明示する手続きを定め、記録している
  • アセスメントの定期的見直しの時期と手順を定めている
2.全体的な計画や子どもの様子を踏まえた指導計画を作成している
  • 指導計画は、全体的な計画を踏まえて、養護(生命の保持・情緒の安定)と教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)の各領域を考慮して作成している
  • 指導計画は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化に即して、保育の過程を踏まえて作成、見直しをしている
  • 個別的な計画が必要な子どもに対し、子どもの状況(年齢・発達の状況など)に応じて、個別的な計画の作成、見直しをしている
  • 指導計画を保護者にわかりやすく説明している
  • 指導計画は、見直しの時期・手順等の基準を定めたうえで、必要に応じて見直している
3.子どもに関する記録を適切に作成する体制を確立している
  • 子ども一人ひとりに関する必要な情報を記載するしくみがある
  • 指導計画に沿った具体的な保育内容と、その結果子どもの状態がどのように推移したのかについて具体的に記録している
4.子どもの状況等に関する情報を職員間で共有化している
  • 指導計画の内容や個人の記録を、保育を担当する職員すべてが共有し、活用している
  • 子どもや保護者の状況に変化があった場合の情報について、職員間で申し送り・引継ぎ等を行っている
  • 子ども一人ひとりに対する理解を深めるため、事例を持ち寄る等話し合う機会を設けている
1.子ども一人ひとりの発達の状態に応じた保育を行っている
  • 発達の過程や生活環境などにより、子ども一人ひとりの全体的な姿を把握したうえで保育を行っている
  • 子どもが主体的に周囲の人・もの・ことに興味や関心を持ち、働きかけることができるよう、環境を工夫している
  • 子ども同士が年齢や文化・習慣の違いなどを認め合い、互いを尊重する心が育つよう配慮している
  • 特別な配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)の保育にあたっては、他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう援助している
  • 発達の過程で生じる子ども同士のトラブル(けんか・かみつき等)に対し、子どもの気持ちを尊重した対応をしている
  • 【5歳児の定員を設けている保育所のみ】
    小学校教育への円滑な接続に向け、小学校と連携をとって、援助している
【講評】
保育者もこどもの育ちを保障する環境として機能し、こども主体の保育を実現している

園の保育方針「子どもの主体性を育てる保育」に基づき、こども一人ひとりを大切にすることを根底に捉え、こどもが安心感に満たされながらそれぞれの思いや興味に応じて活動を選択できるようにしている。こども一人ひとりを保育者が多面的に理解しようとし、こどもが気づいていることに保育者が気づき、こどもの面白がりを保育者が面白がるなど、保育者もこどもに寄り添った環境の一部となっている。そんな保育者にこどもたちが多様に働きかけ、保育者が反応し、そのやりとりからこどもの遊びが発展し、こどもの興味関心の世界が広がっている。

異年齢児との共同体験でこどもの発達が促され、社会性や協同性を育んでいる

同年齢はもちろん異年齢児とも一緒に過ごすことで、多様なこどもとかかわる機会が多く、その関係性や共同体験からこども一人ひとりの発達が促されている。こども同士の関係性から得られた体験をこどもたちが分かち合うことで社会性や協同性が育まれている。保育者は、こうしたこどもの体験の質が保障されるように環境を構成し、こどもの姿から発達を見極め、さらに環境を再構成しながら、一人ひとりの発達の違いをありのままに受け止めている。こども同士の営みがこどもの発達に刺激を与え、一人ひとりのこどもが相互に育ち合う環境となっている。

発達段階に合わせて丁寧な配慮ある環境づくりが安定した保育につながっている

当園の乳児たちは非常に落ち着いている。泣いて周囲に何かを伝えようとする姿はもちろんあるが、大泣きして騒ぎ立てる姿をほとんど見ない。これは乳児室の音環境への配慮が関係していると推察される。乳児の部屋は音が吸収される構造になっていることから、常に静かな環境で保育が行われている。こどもと保育者の距離が近いことやこどもが没頭して遊ぶ環境がつくられていることも背景にあるが、こどもが大声を出さなくても自分の要求を他者に伝えやすくなっていることも背景にあると思われる。乳児期の発達に配慮した環境づくりの一例である。

2.子どもの生活が安定するよう、子ども一人ひとりの生活のリズムに配慮した保育を行っている
  • 登園時に、家庭での子どもの様子を保護者に確認している
  • 発達の状態に応じ、食事・排せつなどの基本的な生活習慣の大切さを伝え、身につくよう援助している
  • 休息(昼寝を含む)の長さや時間帯は子どもの状況に配慮している
  • 降園時に、その日の子どもの状況を保護者一人ひとりに直接伝えている
【講評】
園と家庭が連携し、こどもの心の安定を重視した生活リズムがつくられている

こどもの生活リズムの安定につながるように、園は「こどもの心が満たされること」と「安心して眠ること」を大切にしている。特に睡眠の重要性については、開園当初から専門的なアプローチを交えて保護者に継続的に伝え、家庭からも取組みの報告を受けるなどして、こどもの生活リズムの安定につながる取組みをおこなっている。こどもは心が満たされて安心できるから眠りにつくという「安心と満足で眠るこどもの特性」に着目し、こどもの生活リズムの基礎はこどもの心の安定にあることを園と家庭で共有し、こどもの生活リズムの基礎をつくり出している。

こどもの生理的リズムや情緒の安定から、こどもの生活のベースがつくられている

こども一人ひとりの生理的リズムを大切にし、よく眠り、よく食べ、よく遊び、心が満たされて眠りにつくことの基本を、大人の目線ではなく、こどもを中心として捉えている。安定した情緒のもとで安心感を持てるからこそ、こどもが主体的に遊ぼうとすることを保護者もよく理解していることが、こどもの生活の安定につながっている。結果的に、親にとっても子育てしやすくなっているため保護者の心も安定し、好循環な子育て環境をつくり出している。こどもにも大人にも気持ちにゆとりが生まれるため、お互いが幸せを実感しやすい関係性を醸成している。

保護者と連携してこどもの様子を把握し、柔軟な保育体制を整えている

登園時に一人ひとりの保護者からこどもの様子を把握することはもちろん、保育アプリを用いて保護者から送信される家庭での過ごし方などの情報を園は確認している。保育者はこどもの体調や情緒などにも気を配り、こどもの変化を予測して保育に入る態勢を整えている。家庭での状況に応じた保育ができるように、職員間でも柔軟な体制で対応できるようにしている。迎え時にも保護者への声かけを行うだけでなく、ちょっとした相談に気軽に応じられるように、日頃から何気ないことでも話しやすい関係性があり、きめ細かな対応がなされている。

3.日常の保育を通して、子どもの生活や遊びが豊かに展開されるよう工夫している
  • 子どもの自主性、自発性を尊重し、遊びこめる時間と空間の配慮をしている
  • 子どもが、集団活動に主体的に関われるよう援助している
  • 子ども一人ひとりの状況に応じて、子どもが言葉(発声や喃語を含む)や表情、身振り等による応答的なやり取りを楽しみ、言葉に対する感覚を養えるよう配慮している
  • 子どもが様々な表現を楽しめるようにしている
  • 戸外・園外活動には、季節の移り変わりなどを感じとることができるような視点を取り入れている
  • 生活や遊びを通して、子どもがきまりの大切さに気付き、自分の気持ちを調整する力を育てられるよう、配慮している
【講評】
ブームの遊びを継続できる環境を保障するなど、こどもの探究心を積極的に育んでいる

園全体として、こどもの探究心を大切にし、遊びのブームに寄り添いながら、遊びに熱中できる環境を継続的に保障している。園は、こどもたちが流行りの遊びから興味関心の幅を拡げ、自ら共通の話題をつくって探究する心を育むことを大切にしている。こどもたちは、自らが探究したい遊びや真似ごとなどに集中して何度も取り組み、工夫したり伝え合ったりして遊びを発展させ、喜びや幸せの実感を他者に伝え合っている。遊びの連続性を大切にする当園の保育が、こども主体の学びに向かう姿とやり抜く力を豊かに育んでいる。

こどもが夢中になってゾーンに入ったかのように遊ぶ姿から、遊びの密度の濃さを感じる

当園の保育をじっと見ていると、遊びの密度が濃い。こどもが遊びの中でちょっと先にあることを達成したくて、懸命に試したり工夫したりしている姿を保育者が見守っている。こどもたちが夢中になってゾーン(集中状態)に入ったかのように遊ぶ。その夢中に試行錯誤している問題解決過程のようなものを保育者が丁寧に読み取って、可視化して、こどもと対話したりヒントやモデルを提示したりして、こどもがさらにうまく発展し始める。同時にこども同士の対話や協同も見られ、探究が深まっていくような環境の再構成がこどもからも起こり始めている。

各種の活動が保育に有機的に溶け込み、こどもの創造性や表現力を育む

各種の園内外活動や行事などが保育の中に有機的に溶け込んでいて、こどもの世界を広げている。例えば、日常の保育の中で、午前中に公園に行き遊んできたことや自然に触れて感じたことの続きが保育室での遊びに発展するなどである。「お楽しみ会」などの行事で扱うテーマについても、こどもが日頃の遊びの中で熱中して行われていることの延長線上にある。各種の活動の1つ1つが細切れなのではなく、「続き」や「発展」となって深まったり広がったりして、こどもたちの創造性や表現力の育みにつながっている。

4.日常の保育に変化と潤いを持たせるよう、行事等を実施している
  • 行事等の実施にあたり、子どもが興味や関心を持ち、自ら進んで取り組めるよう工夫している
  • みんなで協力し、やり遂げることの喜びを味わえるような行事等を実施している
  • 子どもが意欲的に行事等に取り組めるよう、行事等の準備・実施にあたり、保護者の理解や協力を得るための工夫をしている
【講評】
こどもの意見を尊重し、親子で楽しむ「こども主体」の行事を実施している

当園の行事は、すべてこどもの意見(view)を尊重して大人との対話に基づいており、「ふだん味わえないイベント性」「発達を伝える」「親子で共に楽しむ」「伝統を伝える」をねらいとしている。園が決めた出し物をこどもが演じて親に見せるといった「観客」と「演じるこども」の関係ではなく、当園の保育方針に合致した「こども主体」の活動として行うところが特徴的である。この考え方で行事を行うため、こども自らが親に「見せたい」という気持ちから工夫が生まれ、各種イベントへの自然な動機づけになっている。

行事で親も育ち、親子の関係性が深まる特別な体験の場となっている

行事で育つのはこどもだけではない。親も行事によって様々な発見や感動があり、親も育つ。さらに親子の関係性も育つ。例えば、親子運動遊びの会では、親子が一緒にダンスを踊って、こどもの身体と気持ちのつながりを親が感じる機会になるなど、こどもの目線で運動を理解したり親子の関係を発見したりするなど、当園ならではの共同体験の場となっている。行事という非日常の機会に、親も参加者としてちょっとした緊張感や戸惑いを味わうなど、こどもたちと親が一緒に分かち合う特別な場が、親子の新たな潤いあるストーリーをつくり出している。

こどもの成長の軌跡を親と共有するイベントにより、親がこどもを多面的に理解できる

当園では、成長展という「こどもの育ちを作品にする工夫」としての行事を毎年開催している。こどもが創作物を作品として展示するのではなく、こどもが描いたり遊んだりした結果や過程の変化を展示することで、こどもの成長の軌跡を写真などを使ってビジュアルに展示するイベントである。健康、人間関係、環境、言葉、表現の五領域であらかじめ同じ活動を数回実施し、その変化の中に見えてくる育ちを園と保護者が共有する場となっている。親にとっては、自らのこどもの育ちを俯瞰してみることで、新たな気づきが生まれることと思われる。

5.保育時間の長い子どもが落ち着いて過ごせるような配慮をしている
  • 保育時間の長い子どもが安心し、くつろげる環境になるよう配慮をしている
  • 保育時間が長くなる中で、保育形態の変化がある場合でも、子どもが楽しく過ごせるよう配慮をしている
【講評】
こどもの情緒の変化に寄り添い、こどもが落ち着いて過ごせる環境をつくり出している

基本的に長時間保育を行うこどもの数は少ないが、夕方の時間帯はこどもが一人になれる空間や気の休まる場所を選んで過ごせるようにするなど、保育時間が長いこどもが落ち着いて過ごせるよう配慮している。こども一人ひとりの情緒の変化や他児との関わりなどから、どのように関わるとこどもの気持ちが安定するかを保育者が見通し、記録に残して変化を捉え、個別に丁寧に援助するなどの取組みがある。こどもの内なる声に耳を傾け、一人ひとりのこどもの気持ちに寄り添うことでこどもの心を支え、気持ちの安定につなげる仕組みと言える。

こどもの活動に動と静のリズムがあることで、保育時間を長く感じさせない配慮がある

延長保育を特別に見るというよりも、こどもの一日の過ごし方の中で、動と静の時間をリズムよくつくることを大切にしている。午前中の「動」から昼食後の「静」、間食後の「動」から夕方の「静」というメリハリある流れの中で、こどもが活発に活動する時間帯と静かに過ごす時間帯がつくられ、保育全体を通して保育時間を長く感じさせない配慮がある。こどもの活動は常に元気よく活動している状態がよいわけではなく、一人で静かにしていたいときには集団から離れてゆっくりと過ごせることは、延長保育のあるなしに関わらず大切な環境である。

普段からこどもが安心して過ごせる環境を保障しているため長時間の対応にもつながる

保育時間の長短に関わらず、こどもが安心して過ごせるように、自分のしたいことが実現できる環境を保障している。普段からこどもが自分のやりたいことを自由に選択できる保育に取り組んでいるため、自分が過ごしたいと思う部屋に行くことに気持ちの壁がない。こどもが静かにしていたいときには他のクラスの部屋を利用することも可能にしている。このことは、職員全員がこどもの情報を共有し、必要な関わりができるようにしているために実現できることであり、当園の強みでもある。

6.子どもが楽しく安心して食べることができる食事を提供している
  • 子どもが楽しく、落ち着いて食事をとれるような雰囲気作りに配慮している
  • メニューや味付けなどに工夫を凝らしている
  • 子どもの体調(食物アレルギーを含む)や文化の違いに応じた食事を提供している
  • 食についての関心を深めるための取り組み(食材の栽培や子どもの調理活動等)を行っている
  • 保護者や地域の多様な関係者との連携及び協働のもとで、食に関する取り組みを行っている
【講評】
食の「おいしさ」を探究する機会により、こども自身が食を豊かに感じる時間がある

月に一度、有名フランス料理店の元シェフによる「味の探究」活動を実施している。どういうことが「おいしい」と感じることなのかという問いからスタートし、実際の食材に触れたり調理過程を見たり嗅いだりしながら、こども自身が五感で捉える探究活動である。普段あまり目にすることのない調理前の食材(例えば肉の部位など)のありのままを目にするなどで、生き物を食べることへの興味関心を育む機会にもなっている。大人がおいしさを教えるのではなく、こども自身が食への興味を持ち、食そのものを感じとり、探究する取組みになっている。

食の生態系を大切にし、食を通じた社会とのつながりを保育に息づかせている

食べ物は目の前に出てくるまでに、いろいろな世界の人が関わり、つくり、運び、調理するなどのプロセスで成り立っている。食後も私たちのエネルギーとなるだけでなく、残ったものをどう循環させるかなど、社会的な活動でもある。こうした食の生態系を園は大切に捉え、日常の保育の中でも遊びの中に食に関係する多様な活動が見られる。食のデリバリーやラーメン屋さんがごっこ遊びで展開されるなど、社会の営みの中にある食を、こどもたちが自分たちの世界に取り込んで想像の中で広げている。食を通じた社会とのつながりが保育に息づいている。

調理職と保育職のチームでこどもの食環境の改善が行われている

こどもの食や栄養を支える豊かな連携がある。調理職と保育職が相談し合って、チームで食の改善を行う取組みが見られる。例えば0歳児の担任がこどもたちのご飯の食べがあまり進まないことを調理職に相談すれば、調理職は幼児食と同じお釜からご飯をよそう提案をした。保育者がこどもの食べそうな量を盛り付け、温かいご飯が食べられる改善である。こうした小さな改善と連携がこどもと食の接点をつくり、こどもが自然に食を身近に感じる可能性を広げていくことになる。こどもを中心に専門職が連携し合うことで、豊かな食環境をつくり出している。

7.子どもが心身の健康を維持できるよう援助している
  • 子どもが自分の健康や安全に関心を持ち、病気やけがを予防・防止できるように援助している
  • 医療的なケアが必要な子どもに、専門機関等との連携に基づく対応をしている
  • 保護者と連携をとって、子ども一人ひとりの健康維持に向けた取り組み(乳幼児突然死症候群の予防を含む)を行っている
【講評】
こども自らの健康づくりのためにこどもが健康や安全に関心を持つ機会をつくっている

健康、安全への関心もこどもの視点で育まれ、こども自らが生活の中で主体的に見通しを持てるように保育者が関わっている。季節の変わり目などでは、こども同士やこどもと保育者が「寒くなってきたね」「暖かくなってきたね」などの会話から、こどもが寒さや暖かさを実感として覚えやすくしている。この体感から、こどもが自ら見通しをもって衣服の調節を行えるような働きかけが見られる。このように、こどもが生活の中で自分の健康や安全に関心を持てる機会があることで、こどもの健やかな成長を支えている。

こどもの睡眠習慣を園が支援し、家庭との連携でこどもの生活リズムをつくり出している

こどもの健康に直結する生活リズムづくりのために、園では「早寝早起き」の習慣化を大切にしている。特に「睡眠」を大切にすることを保護者に丁寧に発信し、入園前からほぼすべての保護者が睡眠講座を受講し、こどもの睡眠に詳しい園医との面談も設定するなど、一日の生活リズムを家庭と連携してつくり出している。園生活でもこどもが安定して休息を取りながら一日を過ごせるよう配慮し、活発に遊ぶ時間とメリハリをつけてこどもの健康づくりにきめ細かく対応している。

こどもが自ら安全に遊べるよう、環境に関わる力を育てている

保育中の安全については、こどもが自らの身体の使い方をよく体得し、自ら危険を適切に判断し、リスクを回避できるよう援助している。園内に設置されている室内クライミングやネット遊び遊具を積極的に活用する中で、こどもは自らの身体をどうコントロールすれば安全に遊べるかを体験し、試行錯誤しながら学んでいる。また保育者が提出するヒヤリハット等の報告では、周辺状況や仕組み上の要因だけでなく、こどもの関心やこども同士の関わり、そのことに関する保育者の配慮という観点でも分析され、職員にこどもの目線で安全を考える習慣がある。

8.保護者が安心して子育てをすることができるよう支援を行っている
  • 保護者には、子育てや就労等の個々の事情に配慮して支援を行っている
  • 保護者同士が交流できる機会を設けている
  • 保護者と職員の信頼関係が深まるような取り組みをしている
  • 子どもの発達や育児などについて、保護者との共通認識を得る取り組みを行っている
  • 保護者の養育力向上のため、園の保育の活動への参加を促している
【講評】
保護者が責務をひとりで抱え込まず、心地よくくつろぐ雰囲気を醸し出している

園はこどもはもちろんのこと、その保護者の力や育ちを心から信じている。中には一人ひとりの保護者の好みや育ちや置かれた環境などから園との心理的距離感に濃淡が自然と生じることもあるが、どこまでも寄り添いながら心地よい関係や雰囲気になるような工夫を随所に講じている。例えば、「今日の姿を少しお裾分けします!」と題して、日常の中で見られたこどもの姿をブログで伝えるなどである。保護者は園からもたらされるこどもの育ちを通じて自身の力や育ちを実感しながら、こどもがのびのびと過ごし育つ環境をともに担い、信頼の輪を形成している。

その子の育ちの喜びからこどもたちの育ち合いの喜び合いへと養育の視野が広がっている

保護者のほうから家庭でのこどもの様子や育ちの姿などを語り合おうとする姿が見られる。保護者に子育てに関する悩みや葛藤があっても、園がこどもの姿や育ちに対する「嬉しさ」や「喜び」をまんなかに据えることで、その「喜」の気持ちがその子に限定されず他の子や地域の子などへ広がり、その養育力が家庭内に留まらずに高まる様子がうかがわれる。保護者会一つをとっても保護者にも諸事情ある中で100%近い参加率となり、例えば「イヤイヤの対応方法」など話したいことや聞きたいことが語り合われ、育ちの喜びを共有する仕組みとなっている。

保護者が園の運営を理解しようとしており、こどもに関することで連帯し、参画している

保護者と保育者は、その役割や立場や状況などは異なれど、こどもに関することでつながり合い、相手の役割や立場や状況などをわかろうとし、何かの役に立とうと助け合っている。例えば、懇親会、交流会、しずくの会、ママ先生やパパ先生としての保育参加など、それぞれの様相によって参加しやすい入口が広がっている。こどもの姿や育ちに比重を置いた相互扶助と、大人たちが協力してこどもを育てる現代的な共同養育の姿や育ちがあり、こどもの健やかな発育に影響を与えている。

9.地域との連携のもとに子どもの生活の幅を広げるための取り組みを行っている
  • 地域資源を活用し、子どもが多様な体験や交流ができるような機会を確保している
  • 園の行事に地域の人の参加を呼び掛けたり、地域の行事に参加する等、子どもが職員以外の人と交流できる機会を確保している
【講評】
こどもの地域資源を開発し、こどもたちが行きたくなり交流したくなる社会を広げている

都心にあることを有効に活用し、施設周辺の地域資源を開発し、外の世界に出かけている。例えば、今日はX公園、明日はY施設、明後日はZプラザなど、こどもたち自身が話し合い、安全やルールを確認し合いながら楽しみに計画している。また、徒歩だけでなく、地下鉄などの公共交通機関を利用して、社会の一員として行動する工夫がある。こどもと地域との接触機会が多くあることで、こどもたちの存在は地域の人々を魅了し、時には励ましとなり、こどもの世界を広げようと地域とのつながりが生まれている。

実践と学術を調和しながら、地域の教育のより望ましい在り様を連携して探究している

園では目の前のこどもや今後のこどもが生きる社会から見た「小1のギャップ」をなくし、こどもの育ちを持続的・発展的なものにする取組みがある。具体的には、区と共同し、小学校と交流し、民生委員や専門家や多彩なアーティスト等を招致し、地域の一人ひとりに歩み寄りながら、「幼児教育の見方・考え方の具体化」「個別最適な学び」などを推進している。こどもが7歳になるまでの概ね「はじめの100か月」を超えて、その先を見通して探究している。

地域をともに振興し、教育・保育分野内外で社会に影響を与える存在となっている

先行きが不透明な社会の中で、こども一人ひとりが主人公となる仕組みが確立されている。来訪者が絶えず訪れ、団体の垣根を超えた連携が生まれるなど、こどもがいる社会に大きな影響を与えている。地域のお祭りへの参画、地域に開かれた睡眠講座の主催、こどもたち自身による会議の実施など、その仕組みは多様な形で機能し、こどもたちの確かな経験となって、現代および未来社会に希望を灯している。こどものいる社会に大きな影響と反響を響かせ、気づきや学びを深めるロールモデルの一つとなっている。

【講評】
こどもの自己発揮をあたたかに保障することで、その人権と尊厳をよりよく尊重している

こどもは大人からこの世界に生まれた唯一の「在る・成る」存在として認識され、自分が生まれ育ち、そして生きていくことを、あたたかに実感している。例えば、園で大きな声や音を無用に出すことはない。大人は大らかに朗らかに歌うような声や音を奏で、こどもが心地よく意欲を灯して自己発揮がなされる風土をともに醸成している。そうして「何気のない」「ささやかな」に見えがちな一人ひとりの一瞬一瞬の育ちを、大人たちから見守られている。結果、自ずとこどもの人権や尊厳は尊重されている。

こどもの育ちの複雑性や多様性が受容されており、こどもたち同士の関係に伝播している

大人たちは、そもそも全く同じ子や全く同じ育ちの瞬間などない中でこどもが育ち合っている姿を日常的に探究し合い、こどもたちのいろいろな異なりを包み込んでいる。こどもたちは大人たちの様子を敏感に感じ取り、安心して他者を思いやり、時に自己抑制をしている。こどもの「個別最適な育ち」をそこにいる誰もが受容し、共感しながら、ほほえましくたくましく歩んでいる。その様子は、「こどもと向き合う」といった対峙的な関係ではなく、あくまで「みんなで手を取り合う」「こどもの育ちを見守り合う」といった水平的で、対話的な関係である。

広義の「いのちの安全教育」が、こどもたちや保護者たちとともになされている

こどもたちと大人たちは、皆で自分や相手のいのちや、いのちに関わるあらゆることが安全であるように学び合っている。具体的には、プライベートゾーンの説明、身体測定や着替えなどの配慮、個人情報保護の実際的な運用などから、日々の会話や振る舞いにおけるまで多岐にわたる。大人が責任をもっていのちを守ることが担保されていることで、こどものいのちに対する共通基軸が確かなものとなり、保護者も含めた日々の声の掛け合い、目の配り合いに及んでいる。

1.子どものプライバシー保護を徹底している
  • 子どもに関する情報(事項)を外部とやりとりする必要が生じた場合には、保護者の同意を得るようにしている
  • 子どもの羞恥心に配慮した保育を行っている
2.サービスの実施にあたり、子どもの権利を守り、子どもの意思を尊重している
  • 日常の保育の中で子ども一人ひとりを尊重している
  • 子どもと保護者の価値観や生活習慣に配慮した保育を行っている
  • 虐待防止や育児困難家庭への支援に向けて、職員の勉強会・研修会を実施し理解を深めている
【講評】
判断に迷う際はマニュアルや話し合いを元に、集団の中で俊敏な対応を可能としている

職員は、保育上の判断に迷う際や、どうするとよいかの点検の際に、各種マニュアルのみを頼らず、丁寧な話し合いで同僚性を発揮し、その都度、確認している。それは定型的なものではなく、園の実情や様々な状況等の中で超具体的なものへと話し合い積み重ねているため、例えば、日々の中での優先事項やいざというときの対処などに、迷う余地が少ない。そうして保育者はこどもとの1対1の中のみならず、集団の中でも俊敏にさりげなく対応しており、こどもとの基本的な信頼関係や愛着関係などが強固になっている。

個々の学びの記録が活かされ、全体の水準が進化し、保育実践の中で探究が深化している

外部研修の受講機会が豊富にあり、特徴的な研修報告書に表されている。具体的には、「研修の概要」の欄にどんな内容だったか簡潔にまとめる。「役立てる内容」の欄に役立ったかどうかも含めて学びをどう保育に活かすかを記す。「2週間後の振り返り」の欄に何をどう活かしているかや予定を記す。「今後うけたい研修」の欄に希望を記す。職員の素朴な思いや真剣な考えなどが記され、管理職が愛読し、探究し、赤ペン等であたたかにコメント等を入れ、応答的なやりとりがなされる。ICTでも共有し、全体に深い気づきと探究心が育まれている。

指針や要領等を体系化したメソッドを標準的に実装し、根拠と自信を得て保育をしている

指針や要領は、例えば育ちゆくこどもの姿やこどもの育ちの道筋や考え方や在り様などを示したものだが、それらをただ参照するだけでなく、具現化して誰もが実践できるように標準化して展開している。同時に目の前のこどもや保護者や社会の実情や状況等に寄り添い一緒に考え合いながら発展させている。そのため誰もが根拠を理解しやすく、自信をもって一人ひとりのこどもの育ちを見守ることができるようになる。保護者から聞いたこどもの様子を臨機応変に保育に反映させるなど、確かな土台の上に実現でき、こどもが育つ基礎基盤を盤石なものとしている。

1.手引書等を整備し、事業所業務の標準化を図るための取り組みをしている
  • 手引書(基準書、手順書、マニュアル)等で、事業所が提供しているサービスの基本事項や手順等を明確にしている
  • 提供しているサービスが定められた基本事項や手順等に沿っているかどうか定期的に点検・見直しをしている
  • 職員は、わからないことが起きた際や業務点検の手段として、日常的に手引書等を活用している
2.サービスの向上をめざして、事業所の標準的な業務水準を見直す取り組みをしている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等は改変の時期や見直しの基準が定められている
  • 提供しているサービスの基本事項や手順等の見直しにあたり、職員や保護者等からの意見や提案、子どもの様子を反映するようにしている

事業者のコメント

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評価情報

【評価実施期間】

2024年10月3日~2025年3月13日

【評価者修了者No】

H0301066,H2301112,H2201077

評価結果のダウンロード

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